JP4043937B2 - ドア、引戸等の建具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドア、引戸等の建具に係り、特に戸体の室内外両面にシリンダーを設けて防犯性の向上を図ったドア、引戸等の建具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドア、引戸等の建具としては、戸体を開閉可能に支持した枠体に、棒状もしくは鎌状の係止部材が係合離脱される受座を設け、上記戸体の室外面に、鍵操作により連動して戸体内に設けられた錠の上記係止部材を上記受座に係合離脱させる施解錠可能なシリンダーを設けると共に、上記戸体の室内面に、つまみ操作により連動して上記係止部材を上記受座に係合離脱させる施解錠可能なサムターンを設けたものが知られている。このサムターンにより就寝時等に室内側から施錠できるようにすることで、防犯性の向上が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記建具においては、戸体に装飾や明り取りのためのガラス窓を設けている場合、室外側からそのガラス窓のガラスを破壊して手を挿入し、サムターンが外部から不正に解錠操作される恐れがあり、防犯性が損われる問題点があった。なお、この問題点を解消する方法としては、上記ガラス窓のガラスが破壊されないように例えば防弾ガラスを採用する方法もあるが、コストが増大し、実用性に欠ける。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記サムターンの有する問題点を解消し、外部から室内側の不正な解錠操作を困難にして、就寝時や外出時等における防犯性の向上を図ったドア、引戸等の建具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明(請求項1に係る発明)は、戸体を開閉可能に支持した枠体に、棒状もしくは鎌状の係止部材が係合離脱される受座を設け、上記戸体の室内外両面に、鍵操作により連動して戸体内に設けられた錠の上記係止部材を上記受座に係合離脱させる施解錠可能なシリンダーをそれぞれ設け、その室内側のシリンダーに、通常時は鍵を取り付けた状態に保持し、必要時に鍵を取り外せるように開放するロック部を設け、該ロック部は、室内側シリンダーの入口側に鍵穴を覆う如く径方向に往復移動可能に設けられたゲート部材を有し、このゲート部材の一端には、ゲート部材を径方向内方へ押し動かすための操作部が突設され、操作部が径方向外方へ突出する方向へゲート部材を付勢する復帰バネが取り付けられ、室内側のシリンダーに用いられる鍵は、摘み部と鍵部を有し、その鍵部の基部側に係止部が径方向外方に突設され、上記ゲート部材には、そのロック位置において、上記鍵部の挿通および回動を許容するが、鍵部が鍵穴から抜けないように上記係止部を係止し、ロック解除位置において、係止部の挿通を許容する開口部が設けられていることを特徴とする。
【0006】
【実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明をドアに適用した実施の形態を示す室外側正面図、図2は図1のA−A線拡大断面図、図3は室内側のシリンダーに用いられる鍵を示す側面図、図4はロック部の構造を示す図で、(a)は解錠位置の鍵が保持状態にある図、(b)は施錠位置の鍵が保持状態にある図である。
【0007】
図1において、1は室内と室外の遮蔽に用いられる建具の一つであるドアで、玄関や勝手口等に設けられる。このドア1は、建物の躯体の開口に設けられる方形枠状の枠体2と、この枠体2内に丁番(ヒンジ)3を介して開閉可能に支持された戸体(ドア本体)4とから主に構成されている。
【0008】
上記枠体2は、上下左右の枠材、すなわち上枠2a、下枠2bおよび左右両側の縦枠2c,2dにより組立られている。なお、枠体2としては、場合によって、下枠2bを有していないものもある。上記戸体4の一側である吊り元側(基部側)が、これと対応する吊り元側の縦枠2dに丁番3を介して取り付けられている。
【0009】
上記戸体4には、装飾や明り取りのためにガラス窓5が設けられている。戸体4の他側である戸先側(自由端側)の内部には、シリンダー錠を構成する錠6が設けられており、この錠6は、戸先側の端面(錠面)から突出没入可能(出没可能)に設けられた棒状の係止部材(デッドボルトともいう)7を備えている。戸先側の縦枠2cには、上記係止部材7と対応する位置に、係止部材7が係合離脱される受座8が設けられている。
【0010】
上記戸体4の戸先側の室内外両面には、図2に示すように、鍵10,11の操作により連動して上記係止部材7を上記受座8に係合離脱させる施解錠可能なシリンダー12,13がそれぞれ設けられている。両シリンダー12,13は、錠6の錠箱14を挟んで取付手段例えば連結ねじ15により室内側から互に連結されていることが好ましい。図示例の場合、室内側のシリンダー12が戸体4の内部に没入され、室外側のシリンダー13が戸体4の外部に突出されているが、戸体4の厚さに応じて、両シリンダー12,13が戸体4の内部に没入されていてもよく、あるいは戸体4の外部に突出されていてもよい。
【0011】
上記錠6には、両シリンダー12,13が互に連動するように機械的に連結されており、何れか一方の鍵10または11の操作により、錠箱14内の係止部材7を出没操作させて、施解錠するように構成されている。室外側のシリンダー13には、常時、鍵11が取り外され(抜き取られ)ており、外出時および帰宅時に鍵11を差し込んで施錠や解錠を行うようになっている。一方、室内側のシリンダー12は、通常時は鍵10を取り付けた状態(差し込んだままの状態)にし、必要時例えば就寝時や外出時に鍵10を取り外すように構成されている。なお、両シリンダー12,13の鍵10,11は、同じものでもよいが、防犯上、異なるものが好ましい。図1において、16は戸体4を開閉する取っ手(ハンドル、握り玉ともいう)である。
【0012】
本実施の形態のドア1においては、室内側のシリンダー12に、通常時は鍵10を取り付けた状態に保持(ロック)し、必要時に鍵10を取り外せるように開放(解除)するロック部17が設けられている。このロック部17は、室内側シリンダー12の入口側に鍵穴を覆う如く径方向に往復移動可能(図示例では上下移動可能)に設けられた板状のゲート部材18を有している。このゲート部材18の一端(図示例では下端)には、ゲート部材18を径方向内方(ロック解除方向)へ押し動かすための操作部(ロック解除ボタン)19が突設されている。
【0013】
上記室内側のシリンダー12には、その室内側露出部分を覆うカバー部材20が取り付けられ、このカバー部材20とシリンダー12の入口側との間に上記ゲート部材18を径方向に移動可能に収容する溝21が設けられている。この溝21内にゲート部材18が径方向に移動可能に収容され、上記操作部19がカバー部材20を貫通して径方向外方に突出されている。また、上記溝21内には、操作部19が径方向外方へ突出する方向(ロック方向)へゲート部材18を付勢する復帰バネ22が取り付けられている。
【0014】
室内側のシリンダー12に用いられる鍵10は、図3にも示すように、摘み部10aと鍵部10bを有しており、その鍵部10bの基部側には、係止部23が径方向外方に突設されている。上記ゲート部材18には、図4の(a)および(b)に示すように、そのロック位置において、上記鍵部10bの挿通および回動を許容するが、鍵部10bが鍵穴から抜けないように上記係止部23を係止し、且つ、ロック解除位置において、係止部23の挿通を許容する開口部24が設けられている。すなわち、上記ロック部17は、室内側のシリンダー12に鍵10を差し込むと、係止部23がゲート部材18の開口部24の周縁部に係止されて鍵10を取り外せない状態にロックされ、操作部19を復帰バネ22のバネ力に抗して押すことにより係止部23のロックが解除されて鍵10を取り外せるようになっている。
【0015】
以上のように構成されたドアにおいては、上記実施の形態のドアと同様に、就寝時には、室内側のシリンダー12に取り付けられている鍵10の操作で施錠した後、ロック部17の操作部19を押してロック解除することにより、その鍵10を取り外して就寝すればよい。外出時には、ロック部17の操作部19を押してロック解除することにより、内側のシリンダー12の鍵10を取り外してから、外側のシリンダー13の鍵11の操作で施錠して外出すればよい。内側のシリンダー12から取り外した鍵10は、所持するか、あるいは内側のシリンダー12から離れた位置(戸体4のガラス窓5等が破壊されて外部から手を挿入されたときに手の届かない位置)に保管しておけばよい。
【0016】
就寝中や外出中に、戸体4のガラス窓5等を破壊し、外部から室内側のシリンダー12を不正に解錠操作しようとしても、室内側のシリンダー12からは鍵10が取り外されているため、これを解錠操作することができず、戸体4を開けることができないので、防犯性の向上が図れる。
【0017】
このように上記ドア1によれば、戸体4を開閉可能に支持した枠体2に、係止部材7が係合離脱される受座8を設け、上記戸体4の室内外両面に、鍵操作により連動して戸体4内に設けられた錠6の上記係止部材7を上記受座8に係合離脱させる施解錠可能なシリンダー12,13をそれぞれ設け、その室内側のシリンダー12に、通常時は鍵10を取り付けた状態に保持(ロック)し、必要時に鍵10を取り外せるように開放(解除)するロック部17を設けているため、就寝時や外出時等に室内側のシリンダー12の鍵10を取り外しておくことにより、外部から不正に解錠操作されるのを簡単な構造で確実に防止することが可能となり、防犯性の向上が図れると共に、ロック部17を操作しない限り鍵10が取り外せないので、鍵10の紛失を防止することができる。
【0018】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、本発明は、親子ドア等の両開きドアにも適用可能である。また、本発明は、ドア以外に、例えば引戸等にも適用可能である。引戸に用いられる錠は、周知のように鎌状の係止部材を備えている。室内側のシリンダーに設けられるロック部としては、単なるネジ等であってもよい。また、上記実施の形態では、取っ手とシリンダーが別体になっているが、取っ手とシリンダーが一体になっていてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0020】
(1)請求項1の発明によれば、戸体を開閉可能に支持した枠体に、棒状もしくは鎌状の係止部材が係合離脱される受座を設け、上記戸体の室内外両面に、鍵操作により連動して戸体内に設けられた錠の上記係止部材を上記受座に係合離脱させる施解錠可能なシリンダーをそれぞれ設け、その室内側のシリンダーに、通常時は鍵を取り付けた状態に保持し、必要時に鍵を取り外せるように開放するロック部を設け、該ロック部は、室内側シリンダーの入口側に鍵穴を覆う如く径方向に往復移動可能に設けられたゲート部材を有し、このゲート部材の一端には、ゲート部材を径方向内方へ押し動かすための操作部が突設され、操作部が径方向外方へ突出する方向へゲート部材を付勢する復帰バネが取り付けられ、室内側のシリンダーに用いられる鍵は、摘み部と鍵部を有し、その鍵部の基部側に係止部が径方向外方に突設され、上記ゲート部材には、そのロック位置において、上記鍵部の挿通および回動を許容するが、鍵部が鍵穴から抜けないように上記係止部を係止し、ロック解除位置において、係止部の挿通を許容する開口部が設けられているため、就寝時や外出時等に室内側のシリンダーの鍵を取り外しておくことにより、外部から不正に解錠操作されるのを簡単な構造で確実に防止することが可能となり、防犯性の向上が図れると共に、ロック部を操作しない限り鍵が取り外せないので、鍵の紛失を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をドアに適用した実施の形態を示す室外側正面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】室内側のシリンダーに用いられる鍵を示す側面図である。
【図4】ロック部の構造を示す図で、(a)は解錠位置の鍵が保持状態にある図、(b)は施錠位置の鍵が保持状態にある図である。
【符号の説明】
2 枠体
4 戸体
7 係止部材
8 受座
10,11 鍵
12,13 シリンダー
17 ロック部
Claims (1)
- 戸体を開閉可能に支持した枠体に、棒状もしくは鎌状の係止部材が係合離脱される受座を設け、上記戸体の室内外両面に、鍵操作により連動して戸体内に設けられた錠の上記係止部材を上記受座に係合離脱させる施解錠可能なシリンダーをそれぞれ設け、その室内側のシリンダーに、通常時は鍵を取り付けた状態に保持し、必要時に鍵を取り外せるように開放するロック部を設け、該ロック部は、室内側シリンダーの入口側に鍵穴を覆う如く径方向に往復移動可能に設けられたゲート部材を有し、このゲート部材の一端には、ゲート部材を径方向内方へ押し動かすための操作部が突設され、操作部が径方向外方へ突出する方向へゲート部材を付勢する復帰バネが取り付けられ、室内側のシリンダーに用いられる鍵は、摘み部と鍵部を有し、その鍵部の基部側に係止部が径方向外方に突設され、上記ゲート部材には、そのロック位置において、上記鍵部の挿通および回動を許容するが、鍵部が鍵穴から抜けないように上記係止部を係止し、ロック解除位置において、係止部の挿通を許容する開口部が設けられていることを特徴とするドア、引戸等の建具。
Priority Applications (1)
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JP2002379839A JP4043937B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | ドア、引戸等の建具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002379839A JP4043937B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | ドア、引戸等の建具 |
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2002
- 2002-12-27 JP JP2002379839A patent/JP4043937B2/ja not_active Expired - Lifetime
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