JP4043779B2 - 風向別基本風速マップの作成方法及び風向別基本風速の推定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風向別風速について所望の地点での推定値が読み取れるマップの作成方法及び所望の地点での風向別風速を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
送電線路を構成する送電鉄塔や架渉線に作用する主要な外力は風荷重であり、耐風設計は極めて重要である。送電鉄塔及び架渉線が長大橋梁・高層建築物・煙突等他の構造物に比べて特異な点としては、▲1▼送電鉄塔と架渉線という振動特性の全く異なる構成要素の連成挙動を考慮する必要があること、▲2▼架渉線の受ける風荷重の占める比率が高く、強度的に方向特性が顕著に現れやすいこと、▲3▼内陸部山岳地の稜線や海岸近くの斜面あるいは収束して吹き抜けるような増速地形に建設されることが多いこと、などが挙げられる。
【0003】
従来、我が国で送電鉄塔を設計する場合に参照される基準類としては、▲1▼電気設備に関する技術基準(経済産業省令)および解釈、▲2▼架空送電規程(JEAC6001−1993(電気協会))、▲3▼送電用支持物設計標準(JEC127−1979(電気学会))がある。これらの基準類について、耐風設計の観点からその特徴をまとめたものを表1に示す。
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表1に示す従来の基準類では、設計風速が全ての風向で一律に定められている。即ち、全ての風向に対して、電気設備に関する技術基準では一律40m/s、送電用支持物設計標準では行政区分毎に設計風速が規定されている。このため、既往の設計法は、送電鉄塔には複数の風向からの風荷重を考慮する一方、架渉線には風向が直交するとした最大瞬間風速ベースの静的設計である。結果として、水平角の大きい送電鉄塔の場合や実際に架渉線が受ける最大風速の風向が架渉線に直交しない場合等には過度に裕度が大きくなるなど、送電鉄塔毎の耐荷力に差異の生じ得ることが推測され、合理化検討の必要がある。
【0005】
合理化検討は、風速算定と風荷重算定の両面から行う必要がある。風荷重算定の際には複数の風向に対して構造強度の検討を行うが、風速が全風向で一律であれば、支配的な風向は構造物(送電鉄塔や架渉線)の構造配置と形状のみで定まることとなる。更なる合理化検討を行うには、建設地点における風の方向特性、すなわち風向別風速の合理的設定が不可欠である。
【0006】
その一方で、最近の傾向として送電線の大容量化が進み、これに伴い送電鉄塔の大型化と山間部の設置が増え、予測以上の強風によって思わぬ被害を受けるおそれもある。例えば1991年の台風19号は、中国、四国、九州地方の送電鉄塔が倒れるなど、送電に大きな障害をもたらした。
【0007】
以上のことから、安全かつ合理的な送配電設備の設計のために、各建設地点においてどの程度の強さの風がどの方向から吹く可能性があるのかを十分に検討することが望ましい。しかしながら、例えば50年若しくは100年再現期間値というように将来発生し得る風向別風速を求めるためには、過去に蓄積されたデータを統計処理するため、一般に気象官署(気象台)にて観測され蓄積されたデータを利用する必要がある。ところが、風は地形の影響を大きく受けるから、建設地点における実際の風向別風速は、近隣の気象官署におけるデータから大きくかけ離れる場合がある。このため、気象官署間の任意の位置における風向別風速を推定することは困難であり、事実、風向別風速の採用は、土木・建築分野における技術指針類にも従来例が無く(以下参考文献:日本道路協会の道路橋耐風設計便覧,1991、本州四国連絡橋公団の本四連絡橋耐風設計基準,1976および1993、日本建築学会:建築物荷重指針・同解説,1993)、British Standard(参考文献:BS8100, Part 1, 1986)、Australian Standard(参考文献:SAA Loading Code, Part2: Wind loads, 1989)において、観測データの多い都市部に対して風向別係数の導入という形での規定が見られる程度である。しかも、これらの適用対象は、強風の成因が比較的日常的な低気圧の通過に起因する地域のみであり、ハリケーン地域に対しては適用外である。
【0008】
そこで本発明は、風向別風速について所望の地点での推定値が読み取れる風向別基本風速マップ及びその作成方法及び所望の地点での風向別風速を推定する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の風向別基本風速マップの作成方法は、複数の測定地点毎の風向別風速の実測定値を統計処理して測定地点毎の風向別基本風速を求めるとともに、測定地点間の地形の影響を反映させた気流シミュレーションまたは実験を行って測定地点及び測定地点間における風向別風速の仮想測定値を求めて、全ての測定地点において風向別基本風速と仮想測定値とを一致させるように仮想測定値を補正して測定地点間における推定風向別基本風速を求め、当該推定風向別基本風速と風向別基本風速を用いて隣接する等しい値または一定数値範囲に属する値を線で結び等風速線を地図上に描くようにしている。
【0013】
したがって、風向別風速に関する実測定値と、適切なシミュレーション解析結果または実験結果をもとに、風向別基本風速マップを容易に作成できる。
【0014】
また、請求項2記載の風向別基本風速の推定方法は、複数の測定地点毎の風向別風速の実測定値を用いてGumbelの極値分布に基づいて統計処理を行って再現期間値として測定地点毎の風向別基本風速を求めるとともに、測定地点間の地形の影響を反映させた気流シミュレーションまたは実験を行って測定地点及び測定地点間における風向別風速の仮想測定値を求め、さらに、測定地点を節点とする三角形のメッシュ分割図を作成し、各三角形内では有限要素法の面積座標を用い、各節点における差異を節点変位と見立てて全ての節点において風向別基本風速と仮想測定値とを一致させるように三角形内の仮想測定値を補正して、測定地点間における所望の地点の風向別基本風速を推定するようにしている。
【0015】
この場合、風向別基本風速マップの作成を伴わずとも、測定地点間の任意の位置について、地形影響が反映された風向別基本風速の推定値を計算によって得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1から図14に本発明の風向別基本風速マップ及びその作成方法の実施の一形態を示す。この風向別基本風速マップは、推定される風向別風速の等風速線を地図上に描いて成るものである。この風向別基本風速マップは、例えば図5に示す流れで作成される。即ち、複数の測定地点毎の風向別風速の実測定値を統計処理して測定地点毎の風向別基本風速を求める(ステップ1)。また、測定地点間の地形の影響を反映させたシミュレーションまたは実験を行って測定地点及び測定地点間における風向別風速の仮想測定値を求める(ステップ2)。そして、全ての測定地点において風向別基本風速と仮想測定値とを一致させるように仮想測定値を補正して測定地点間における推定風向別基本風速を求める(ステップ3)。そして、風向別基本風速と推定風向別基本風速を用いて隣接する等しい値または一定数値範囲に属する値を線で結ぶようにして、推定される風向別基本風速の等風速線を地図上に描くようにする(ステップ4)。これにより、風向別基本風速マップが作成される。
【0022】
先ず、ステップ1について説明する。ここで、基本風速とは、使用目的(例えば構造物の設計の指標等)に適するように設定される風速である。測定地点毎の風向別基本風速は、例えば、使用目的に適合するような一定の基準を予め定めておき、当該一定基準に従って、測定地点の実測定値を統計処理することで求めることができる。本実施形態では、風向別基本風速として、再現期間値(統計的にみれば再現期間中に1度しか発生し得ないような風向別最大風速)を求めるようにする。ただし、本発明にいう統計処理とは、再現期間値を求めるものに限定されるものではなく、例えば実測定値の平均値や最大値の算出などを含み、場合によっては実測定値の平均値や最大値などを風向別基本風速として設定しても良い。ここで、再現期間としては50年若しくは100年が一般的であり、本実施形態では100年再現期間値を採用する。再現期間値は、過去の実測定値(必ずしも再現期間に満たなくても良い)に基いて、既知または新規の数学的手法を用いた統計処理により求めることができる。
【0023】
過去の実測定値を収集するにあたっては、例えば日本各地にある気象官署(気象台)のデータの利用が好適である。各気象官署では種々の観測がなされており、信頼性の高いデータが蓄積されているからである。以下、本実施形態でいう測定地点とは、気象官署がある地点を指す。より具体的には本実施形態では表2に示すデータを利用する。
【表2】
【0024】
ここで、表2に示すオリジナルデータの風向は16方向であるが、例えば本実施形態では風向を8方向に設定する。これは、数十年程度の統計では発現する強風風向の偶然性が大きいので、偶然性による誤差の発生を少なくするために、ある程度の幅を持たせるように片側22.5度までの範囲のデータを用いて統計処理することが好ましいと考えられるからである。この場合の風向の区分を表3に示す。NNE、ENE、ESE、SSE、SSW、WSW、WNW、NNWは2つの風向区分に属している。
【表3】
【0025】
例えば本実施形態では、100年再現期間値を求める準備として、先ず表2に示すデータから各気象官署における風向別の年最大風速を抽出する。ここで、風速計の変遷に伴う風速の測器補正を行うことが、データの信頼性を高めるために好ましい。例えば本実施形態では、風車型自記風向風速計を基準風速計として、表2に示すオリジナルデータまたは表2に示すデータから抽出された気象官署毎の風向別の年最大風速に対して、表4に示す補正方法に従って測器補正を行うようにする。
【表4】
【0026】
さらに、気象官署ごとに風速計の高さや周辺の地表面粗度が異なるため、それらを補正して統一化することが、データの信頼性をより高めるために好ましい。例えば本実施形態では、風速計高度を10mに統一するようにし、地表面粗度を粗度IIに統一するようにする。例えば、ある高さ以上の上空では地表面の摩擦の影響のない傾度風が吹いており、その高さ以上では風速は一定で、その高さは地表面粗度で決まるという仮定を設ける。そして、数式1を用いて、表2に示すデータから抽出された各気象官署の風向別の年最大風速であって上述した測器補正がなされたものについて、風速計高度を10mに統一する補正と地表面粗度を粗度IIに統一する補正を行う。
【数1】
ここで、
V0:補正された風速[m/S]
V:観測された風速[m/S]
h:気象官署の実際の風速計高度[m]
ZG:気象官署周辺の地表面粗度に対応する傾度風の下限高度[m]
ZG0:基準化する地表面粗度に対応する傾度風の下限高度[m]
α:気象官署周辺の地表面粗度に対応するべき指数
α0:基準化する地表面粗度に対応するべき指数
である。
【0027】
地表面粗度と傾度風の下限高度ZGおよびべき指数αの対応は、例えば表5に示す日本建築学会の建築物荷重指針・同解説に従う。なお、本実施形態では、基準化する地表面粗度はIIとするので、ZG0=350m、α0=0.15となる。
【表5】
【0028】
地表面粗度は、例えば各風向毎各年毎に設定する。年次別風向別の各地表面粗度を周辺地域の地表面の状況に応じて定めるにあたっては、例えば気象官署観測環境資料集のうちの写真集を利用するのが好適である。当該写真集から、観測環境の変遷を知ることができるからである。当該写真集は、表6に示すように、最近の昭和60年次(撮影は昭和60年前後、ただし大阪管区気象台管内については平成2年前後)の他に、昭和50年次(撮影は昭和55年前後)及び昭和40年次(撮影は昭和46年前後)の気象官署の周辺写真から構成されている。
【表6】
【0029】
地表面粗度区分は、例えば表7に示す日本建築学会の建築物荷重指針・同解説に従う。
【表7】
【0030】
また、地表面粗度は中間値も用いて定めることが好ましい。例えば、8風向毎の地表面粗度はその風向の粗度を示すのでそのまま用い、NNE、ENE、ESE、SSE、SSW、WSW、WNW、NNWのように間にある風向は両隣の地表面粗度の中間値(平均値)を使用する。また、各年毎の地表面粗度は、例えば各年次間を内挿した値を使用する。例えば、昭和40年次が地表面粗度IIであり、昭和50年次が地表面粗度IIIである場合に、昭和48年の地表面粗度を求めるには、次式に示すようになる。
【数2】
昭和48年の地表面粗度 ={昭和40年次の地表面粗度×(昭和50年次の撮影年−地表面粗度を求める対象年)+昭和50年次の地表面粗度×(地表面粗度を求める対象年−昭和40年次の撮影年)}/(昭和50年次の撮影年−昭和40年次の撮影年)={2×(55−48)+3×(48−46)}/(55−46)≒2.2
【0031】
なお、昭和40年次以前ならびに昭和60年以降の地表面粗度は一律とする。昭和40年次は昭和46年前後に、昭和50年次は昭和55年前後に、昭和60年次は昭和60年前後(ただし、大阪管区気象台管内については平成2年前後)に撮影されており、これらの事実を反映させて年別風向別地表面粗度区分を決めるようにする。
【0032】
以上の内容で求められた各気象官署の8風向別の年最大風速を用いて、次に年最大風速の再現期間値を算出する。例えば本実施形態では、再現期間値を求めるためにあたり、Gumbelの極値分布の考え方に従い、数式3を用いる。ただし、再現期間値の算出方法はこれに限定されるものではなく、他の既知または新規の数学的手法を用いても良い。
【数3】
ここで、
T:再現期間(年)
VT:再現期間T年の年最大風速の再現期間値[m/s]
VAVE:資料年数N年の年最大風速の平均値
Sv:資料年数N年の年最大風速の標準偏差
Sy:yiの標準偏差
yAVE:yiの平均値
ただし、
【数4】
である。
【0033】
上記の計算式から、100年再現期間値を求めた計算結果を表8から表10に示す。なお、同表中の「全風向」とは、全ての風向のデータから年最大風速を抽出し、数式3および数式4を用いて算出したもので、本実施形態での風向別基本風速マップの作成には用いなくても良い。
【表8】
【表9】
【表10】
【0034】
次に、ステップ2について説明する。本実施形態におけるシミュレーションまたは実験とは、地形を考慮した擬似環境の中での気流の振る舞いを解析するものである。シミュレーションは、例えばコンピュータ解析によって実現でき、実験は、例えば模型を用いた風洞実験によって実現できる。例えば本実施形態では、風速その他の物理量を未知数とした方程式を基に流れのコンピュータ解析を行う。
【0035】
ここで、流体解析においては、乱流エネルギーκとその消散率εを用いた乱流モデル(標準κ−εモデル)の採用が一般的である。本実施形態では、この標準κ−εモデルに基づく気流解析を採用する。なお、標準κ−εモデルの他にも、各々特性の異なる種々の変形型が提案されており(例えば、Shihのモデル(参考文献:Shih, T.H., Zhu, J. and Lumley, J.L.: A new Reynolds stress algebraic equation model, Comput. Methods Appl. Mech. Eng., Vol.125, 1995, pp.287-302)等)、標準κ−εモデル以外の乱流モデルを必要に応じて用いても良いのは勿論である。なお、各乱流モデルを用いて解析を行った際の精度や妥当性は、使用経験に基く以外にないことが知られている。
【0036】
例えば本実施形態の気流解析に用いる基礎方程式は、非圧縮粘性流体で、浮力や温度の影響などは考慮しない場合の運動方程式と、質量保存式である。ここで、本実施形態の乱流モデルとして採用した標準κ−εモデルでは、地形が全くの水平面とした場合に、風下に行くにしたがって地表面付近の境界層が発達する現象が生じる。この事自体は、境界層が発達していくという現象を正しく表しているものと考えられるが、台風時のように絶えず上空からエネルギーの供給があり、平坦地上での風速は水平位置によらず同一分布と仮定するような場合、次のような人為的な圧力勾配を付加して、境界層の発達を抑制しておくのが適切と考えられる。即ち、気流の流入方向およびその流速をx軸方向およびuとし、それと水平直角方向およびその流速をy軸方向およびvとし、鉛直方向およびその流速をz軸方向およびwとしたとき、解析領域の流入部で、u=UI(z),v=0,w=0,∂/∂x=0,∂/∂y=0を仮定し定常状態とすると、x軸方向の運動方程式より数式5が求められる。
【数5】
ここで、
p:圧力
vt:動粘性係数
z:鉛直方向座標
である。
【0037】
入力風速の鉛直分布形状u=UI(z)を保つためには、この−(1/ρ)(∂p/∂x)を外力fと考えて、数式6をx軸方向の運動方程式のみに付加すれば良い。
【数6】
【0038】
本実施形態で用いる3次元非定常の気流シミュレーションコード(電力中央研究所水理部開発)は、例えば次の計算をコンピュータに実行させるものである。即ち、上述した基礎方程式すべてを地形に沿った3次元一般曲線座標系に変換し、時間変化項はクランク・ニコルソン法、運動方程式の移流項は3次風上法、κ−ε方程式の移流項は1次風上法、また、すべての拡散項はクロス微分を考慮した中央差分法で、それぞれ完全陰解法で差分化した後、SIMPLE法に従って流速、圧力、およびκ、εを計算する。
【0039】
ここで、境界条件としては、例えば地表面でκ=ε=0、τ(せん断応力)=−ρvt∂u/∂Zが成り立つものとする。なお、τは例えば地表面の粗度高さを与えた流速の対数則により求まる摩擦速度で与える。また例えば、上空と側面はフリースリップ条件、流入部では流速はu=UI(z)、v=w=0とし、κ、εはこの流速分布に適合する分布を与え、その後一定距離の水平部を設けるようにする。さらに、流出部は逆流が生じないようにした自由流出条件とする。なお、初期条件は静止状態とし、流入流速、κ、εを一定時間で増加させ、定常となるまで計算を行うものとする。
【0040】
また、解析領域として例えば日本を4ブロック(▲1▼北海道、▲2▼東北、▲3▼関東・中部・北陸・近畿、▲4▼中国・四国・九州)に分けて(表11及び図6〜図9参照)、各解析領域毎に8風向からの気流シミュレーションを行う。
【表11】
【0041】
ここで、本実施形態の乱流モデルとして採用した標準κ−εモデルは、一般に、温度・気圧・空気密度など気象学的要因の無視できない数10kmオーダー以上の大領域に適用するのは、実現象の再現性の観点からは問題が多い。しかしながら、本実施形態における気流解析は、地形影響を考慮した測定地間における風向別基本風速を推定することを目的としており、一般の気流解析のように同一時刻における広域の風速分布の予測を目的とするものではない。また、測定地(気象官署)における風向別基本風速(本実施形態では再現期間値)は、必ずしも同一の台風によって決められたものではなく、地形影響と気象学的強風発生条件が重なった結果としての観測結果によるものである。したがって、一般に懸念される問題は無視でき、表11及び図6〜図9に示すような数100km四方の領域の解析が可能である。
【0042】
また、水平方向のメッシュ分割は、例えば10〜20km規模の地形影響を反映できるように、メッシュ幅を例えば2kmに設定する。また、水平方向の各メッシュ点の標高値は、例えば国土地理院発行の数値地図をもとに定めることが好適である。また、当該数値地図は50m間隔で標高が与えられており、水平方向2kmメッシュの各点を中心として周囲に位置する50mメッシュの各点を含めた合計9点の標高値の平均を用いることがより好ましい。この場合、水平方向の各メッシュ点の標高値が、局所的な地形の凹凸に引きずられてしまうことを回避できる。
【0043】
また、入口条件は、殆んど海からであり、粗度Iの鉛直プロファイルとし、例えば設計風速程度を入力条件とする。なお、陸続きの個所の条件設定は個別に詳細検討して、例えば海からなだらかなスロープを設ける等を行うのが好適である。
【0044】
また、地表面粗度については、例えば、海は粗度I、陸地は一律粗度IIIに設定するのが好適であることが、本発明者等が種々実験・検討した結果知見された。ただし、海を粗度I、平地を粗度II、山岳地を粗度IIIに設定することも可能である。
【0045】
また、鉛直方向のメッシュ分割を決めるにあたって、水平方向メッシュ間隔との比が極端に小さくなるのを避けるため、本発明者等が実地形で種々検討を行ったところ、水平方向メッシュ幅が2kmであれば、最下層を地表から100mとし、等間隔で500mまで上げていき、それ以上は等比級数的に幅を広げていくのが、計算効率と精度の両面から適していることが確認された。最下層のメッシュ点以下は、例えば数式1及び表5を用いて地表面粗度にあわせたべき指数で内挿して、任意の地表高における風速を算出するものとする。例えば本実施形態では、ステップ1において風速計高度を10mに統一する補正と地表面粗度を粗度IIに統一する補正を行っているので、例えば地表高100mにおける気流解析値を数式1を用いて地表高10m及び粗度IIに修正して内挿に利用するようにする。この方法と、実際に地表高100m以下にメッシュ点を設けた場合で、ほとんど違いのないことを地表高50m位置について確認している。
【0046】
4分割された領域(▲1▼北海道、▲2▼東北、▲3▼関東・中部・北陸・近畿、▲4▼中国・四国・九州)の各々について、8方向からの気流解析を行ったうちの南風についての例(地上高さ100mでの水平断面風速ベクトルコンター図)を図10から図13に示す。なお、本実施形態の気流解析結果である風速分布は、水平方向2kmメッシュ点の地表高10mにおける各気流解析値(即ち、離散した有限点の気流解析値)を指しているが、メッシュを更に細分化しても良く、またメッシュ間を内挿(例えば直線内挿)して、メッシュ点及びメッシュ点間を含んだ任意点の気流解析値が得られるようにしても良い。
【0047】
次に、ステップ3について説明する。ステップ2のシミュレーションを行うにあたって入り口から吹き込む風速レベルをどの程度に設定するかは任意であり、測定地点(本実施形態では気象官署位置)における推定風向別基本風速(気流解析値)と、ステップ1で求めた風向別基本風速(本実施形態では100年再現期間値)とは、同一地点であっても差異が生じ得る。そこで、全ての測定地点において風向別基本風速と仮想測定値とを一致させるように仮想測定値側を補正するようにする。当該補正方法としては、種々の数学的手法を用いることができ、特定の方法に限定されるものではないが、例えば本実施形態では次のようにしている。
【0048】
先ず、全ての測定地点における気流解析結果と100年再現期間値との差異の二乗和が最小になるように、気流解析結果を比例的に増減して調整する。次に、当該調整された気流解析結果に対して、各測定地点での100年再現期間値との差異を無くすため、図14に示すように気象官署位置を節点とした三角形のメッシュ分割図を作成する。各三角形内では、有限要素法におけるのと同様の面積座標を用い、各節点における差異を節点変位と同様に見立てて、三角形の節点および三角形内の解析値を補正する。これにより、気象官署位置においては強制的に100年再現期間値に一致するように気流解析結果を補正し、気象官署位置間では徐々に補正量を減らして隣接気象官署位置で補正量0がとなるように補正操作を行なうようにする。その結果、気象官署位置ではステップ1で求めた100年再現期間値(風向別基本風速)となり、気象官署位置間は補正された気流解析結果(推定風向別基本風速)で内挿されることになる。ここで、図14における3角形メッシュの領域外については、基本的に補正は行わなくても良いが、3角形メッシュの境界線近傍については、風速値に段差が生じるのを避けるため、数km〜10km位の間でなだらかに風速値が変化するような操作を施すことが好ましい。
【0049】
そして、ステップ4では、例えばコンピュータによる既知または新規の画像処理技術を利用し、推定風向別基本風速と風向別基本風速のうち隣接する等しい値または一定数値範囲に属する値を線で結ぶようにして、推定される風向別基本風速のコンター(等風速線)を日本地図上に描いて、図1から図4に示す風向別基本風速マップを作成する(ステップ4)。なお、同図1から図4は南風についての風速マップを示す。
【0050】
この際、例えばコンピュータによる既知または新規の画像処理技術によって、全体にスムージング操作を1、2回行った上で、等風速線を描くことが好ましい。また、領域分割のため陸続きの箇所を分断した地域(例えば中国と近畿、関東と東北のような陸続きの個所)については、両方の解析結果をもとに滑らかに連続させる操作を施すことが好ましい。また、各等風速線が示す風速値を容易に読み取れるように、各等風速線の近傍には該当する風速値を付記することが好ましい。また、風向別基本風速マップを見易くするために、風速別または風速範囲別に各等風速線を色分けして表示するようにしても良い。
【0051】
なお、本実施形態においては、表12に示す気象官署位置の風速データは、同表に示す理由により風向別基本風速マップの作成には用いていない。
【表12】
【0052】
以上のように本発明によれば、風向別基本風速について所望の地点での推定値が読み取れる風向別基本風速マップを作成することができる。この風向別基本風速マップを利用すれば、例えば構造物の建設地または建設予定地を地図上で探して当該地点の等風速線を読み取ることで、当該地点における風向別基本風速の推定値を極めて容易に得ることができる。これにより、安全かつ合理的な構造物の設計に寄与できる。特に強度面で方向特性の強い送配電設備の設計への利用が好適である。
【0053】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、風向別基本風速は、必ずしも上述の実施形態のように再現期間値を用いるものに限られず、風向別基本風速マップの用途によっては、例えば過去一定期間の平均風速または過去一定期間内の最大風速などを風向別基本風速として設定しても良い。また、上述の実施形態では再現期間値として100年再現期間値を用いたが、50年再現期間値を用いても良い。また、上述の実施形態では、再現期間値の算出に年最大風速を用いるようにしたが、季別年最大風速を用いても良い。季別年最大風速には、高温季(4月から11月)と低温季(12月から3月)の年最大風速とがあり、この季別年最大風速を利用することで、高温季についての風向別基本風速マップは台風に備えた設計に利用し、低温季についての風向別基本風速マップは着雪に対する設計に利用するといったことが可能となる。また例えば、各風向別に強風の再現値計算を行った場合、データ総数の減少により統計的に有意でない結果を導く可能性があることに対する詳細検討と、観測値が官署周辺地形、風速計、設置条件などの影響を受けている可能性に対する詳細検討を行い、必要があれば適切な補正を施すようにしても良い。
【0054】
また、風向毎に風速マップを作成するものに限られず、例えば風向別に等風速線の線種(破線や二点鎖線等)や線色を変えて、同一地図上に異なる風向の風速マップを描くようにしても良い。
【0055】
また、上述の実施形態では、コンピュータを利用してシミュレーションを実現したが、場合によっては例えば模型を用いた風洞実験を利用して風向別風速の仮想測定値を求めるようにしても良い。
【0056】
また、上述の実施形態では、10〜20km規模の地形影響を反映した風向別基本風速マップを作成したが、例えば1kmスケール程度の局所的な小規模地形の影響を考慮して、局所的な風の増速率を別途評価して、風向別基本風速マップに反映させるようにしても良く、若しくは風向別基本風速マップから読み取った値に当該局所的な風の増速率をかけることにより設計風速を求めるようにしても良い。この場合、山の後ろ斜面を吹き降りる「だし」や「おろし」などと呼ばれる気象学的要因による特定の地域に特有な局地的強風についても考慮した更に信頼性の高いマップが得られる。また、10〜20km規模の地形影響を反映した風向別基本風速マップに限定されず、例えば更にメッシュを細分化して全体としてより詳細な地形影響を反映した風向別基本風速マップを作成するようにしても良い。
【0057】
また、各測定地点(例えば気象官署位置)における年最大クラスの強風は、必ずしも全ての測定地点で同じ台風が原因となるものではなく、また必ずしも同時刻において観測されるものではない。したがって、任意の地で発生し得る最大クラスの風向別風速を推定するためには、上述の実施形態のように、複数の測定地点における風向別基本風速を求めて、これらに基き風向別基本風速マップを作成することが好ましい。ただし、例えば各測定地点における風向別基本風速が同時刻に観測されたデータを基に算定される場合や、狭い地域(例えば10km四方程度以下)を対象とした風向別基本風速マップを作成する場合等には、複数の測定地点(気象官署位置)の風向別基本風速を求めるとともに気流解析を行い当該気流解析値を補正して測定地点間の内挿に用いる、という手順を必ずしも踏まなくても良い。例えば、少なくとも一ヶ所の測定地点(例えば気象官署位置)における風向別基本風速を求め、当該測定地点と同位置において当該求めた風向別基本風速と値が一致する条件で地形影響を反映した気流解析(シミュレーションまたは風洞実験)を行うようにする。この場合、気流解析値の補正を行うことなく、気流解析値そのものを用いて、地形影響を反映した気象官署間の風向別基本風速が推定でき又風向別基本風速マップを作成できる。
【0058】
また例えば、広域での風は、上空の影響がおよび、高さ方向の密度分布、温度分布やコリオリの力を受けることになるので、更にこれらを考慮した気象モデルを用いて解析して、比較検討しておくようにしても良い。
【0059】
また例えば、地形による風向の曲がりが大きい場所についての詳細検討を行なうようにしても良い。例えば、最下層のメッシュ点で22.5°以上風向が曲がるような地点については、マップ化から除外するなどの対策を施しても良い。
【0060】
また、本発明は、風向別基本風速マップの作成を伴わずとも、測定地点間の任意の位置について、地形影響が反映された風向別基本風速の推定値を計算によって得ることができる。この場合、複数の測定地点毎の風向別風速の実測定値を統計処理して測定地点毎の風向別基本風速を求めるとともに、測定地点間の地形の影響を反映させたシミュレーションまたは実験を行って測定地点及び測定地点間における風向別風速の仮想測定値を求めて、全ての測定地点において風向別基本風速と仮想測定値とを一致させるように仮想測定値を補正して、測定地点間における所望の地点の風向別基本風速を推定するようにすれば良い。
【0061】
また、本発明は、風向別風速の推定に限らず、測定可能な物理量全般について測定地点間の任意の位置における値を推定するマップの作成に適用できる。特に、地形の影響を受けて大きく変化し得る物理量の推定に有用である。この場合、複数の測定地点における測定対象である物理量の実測定値を求め又は実測定値を統計処理することで測定地点毎の基準値を求めるとともに、測定地点間の地形の影響を反映させたシミュレーションまたは実験を行って測定地点及び測定地点間における物理量の仮想測定値を求めて、全ての測定地点において実測定値または基準値と仮想測定値とを一致させるように仮想測定値を補正して測定地点間における推定物理量値を求め、実測定値または基準値と推定物理量値とを用いて隣接する等しい値または予め定めた数値範囲に属する値を線で結ぶようにして、地図上に測定対象である物理量の等値線を描くようにする。
【0062】
この場合、例えば汚染物質、花粉、飛散塩分等,環境問題に関連する観測値と、適切なシミュレーション解析結果または模擬模型等を用いた実験結果をもとに、これらの分布予測マップを容易に作成できる。ここで、基準値とは、例えば実測定値を統計処理して得られる最大値や平均値または再現期間値などを指すが、場合によっては基準値を用いずに、実測定値そのものを用いても良い。また、本発明でいう地形とは陸上に限らず海底・川底・湖底等における地形も含み、本発明は水中においても適用することが可能である。さらに、物理量の等値線図の作成を伴わずとも、測定地点間の任意の位置について、地形影響が反映された物理量の推定値を計算によって得ることができる。この場合、複数の測定地点における測定対象である物理量の実測定値を求め又は実測定値を統計処理することで測定地点毎の基準値を求めるとともに、測定地点間の地形の影響を反映させたシミュレーションまたは実験を行って測定地点及び測定地点間における物理量の仮想測定値を求めて、全ての測定地点において実測定値または基準値と仮想測定値とを一致させるように仮想測定値を補正して、測定地点間における所望の地点の物理量の値を推定するようにすれば良い。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の風向別基本風速マップの作成方法によれば、風向別風速に関する実測定値と、適切なシミュレーション解析結果または実験結果をもとに、風向別基本風速マップを容易に作成できる。そして、請求項1記載の発明により作成される風向別基本風速マップによれば、地図上で所望の地点を探して当該地点の等風速線を読み取ることで、当該地点における風向別基本風速の推定値を極めて容易に得ることができる。これにより、安全かつ合理的な構造物の設計に寄与できる。特に強度面で方向特性の強い送配電設備の設計に有用である。
【0065】
さらに、請求項2記載の風向別基本風速の推定方法によれば、風向別基本風速マップの作成を伴わずとも、測定地点間の任意の位置について、地形影響が反映された風向別基本風速の推定値を計算によって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風向別基本風速マップの一例を示し、南風についての例(北海道)を示す図である。
【図2】本発明の風向別基本風速マップの一例を示し、南風についての例(東北)を示す図である。
【図3】本発明の風向別基本風速マップの一例を示し、南風についての例(関東・中部・北陸・近畿)を示す図である。
【図4】本発明の風向別基本風速マップの一例を示し、南風についての例(中国・四国・九州)を示す図である。
【図5】本発明の風向別基本風速マップの作成方法の一例を示すフローチャートである。
【図6】地形の影響を反映させたシミュレーションを行う場合の解析領域の一例(北海道)を示す。
【図7】地形の影響を反映させたシミュレーションを行う場合の解析領域の一例(東北)を示す。
【図8】地形の影響を反映させたシミュレーションを行う場合の解析領域の一例(関東・中部・北陸・近畿)を示す。
【図9】地形の影響を反映させたシミュレーションを行う場合の解析領域の一例(中国・四国・九州)を示す。
【図10】シミュレーション結果の一例を示し、南風についての例(北海道)を示す図である。
【図11】シミュレーション結果の一例を示し、南風についての例(東北)を示す図である。
【図12】シミュレーション結果の一例を示し、南風についての例(関東・中部・北陸・近畿)を示す図である。
【図13】シミュレーション結果の一例を示し、南風についての例(中国・四国・九州)を示す図である。
【図14】測定地点間に内挿するためにシミュレーション結果を補正する操作の一例を示す図である。
Claims (2)
- 複数の測定地点毎の風向別風速の実測定値を統計処理して前記測定地点毎の風向別基本風速を求めるとともに、前記測定地点間の地形の影響を反映させた気流シミュレーションまたは実験を行って前記測定地点及び測定地点間における風向別風速の仮想測定値を求めて、全ての前記測定地点において前記風向別基本風速と前記仮想測定値とを一致させるように前記仮想測定値を補正して前記測定地点間における推定風向別基本風速を求め、当該推定風向別基本風速と前記風向別基本風速を用いて隣接する等しい値または一定数値範囲に属する値を線で結び等風速線を地図上に描くことを特徴とする風向別基本風速マップの作成方法。
- 複数の測定地点毎の風向別風速の実測定値を用いてGumbelの極値分布に基づいて統計処理を行って再現期間値として前記測定地点毎の風向別基本風速を求めるとともに、前記測定地点間の地形の影響を反映させた気流シミュレーションまたは実験を行って前記測定地点及び測定地点間における風向別風速の仮想測定値を求め、さらに、前記測定地点を節点とする三角形のメッシュ分割図を作成し、各前記三角形内では有限要素法の面積座標を用い、各前記節点における差異を節点変位と見立てて全ての前記節点において前記風向別基本風速と前記仮想測定値とを一致させるように前記三角形内の前記仮想測定値を補正して、前記測定地点間における所望の地点の風向別基本風速を推定することを特徴とする風向別基本風速の推定方法。
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