JP4043695B2 - 歯顎顔面領域のx線画像の表示方法、表示装置、この表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示方法、表示装置、この表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
CT撮影などして得られた歯顎顔面領域などの3次元分布情報を再構成して、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する方法は、種々のものが提案されているが、従来のものは、単純に全体のX線パノラマ画像だけを表示するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような表示では、歯顎顔面領域の一部分だけの拡大図を見たい場合に、X線パノラマ画像の全体を拡大して、スクロールさせて希望する部分を表示させるようにするなど、煩雑な手間を要していた。
また、歯顎顔面領域については、その部分や全体について、CT撮影だけでなく、口内法によるX線画像や、口腔カメラなどによる表面画像、また、3次元分布情報を再構成して得られる種々の断層面の画像、クロスセクションの画像などが蓄積され、また、必要に応じて見ることができるようにされているのに、これらの画像を、歯顎顔面領域全体のX線パノラマ画像に対応させて、参照することができるようにしたものはなかった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線パノラマ画像を2次元画面上に表示すると共に、希望する部分の拡大図や、蓄積されている種々の画像を簡単に参照することができる表示方法、表示装置、この表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本出願人が提案する発明は、得られた歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線パノラマ画像を2次元画面上に表示させ、同時に、この歯顎顔面領域を適宜分割して部分画像を作成し、作成された部分画像、又は口内法によるX線画像に基づく部分画像を全体のX線パノラマ画像の周囲に部分位置に対応させながら、つまり、解剖学的な配置に従って配置して表示し、この部分画像をいわば歯顎顔面領域のそれぞれの部分を示すインデックスとして用いることによって、それぞれの部分の拡大図、所望の断層面画像、クロスセクションの画像、口内法によるX線画像や、口腔カメラなどによる表面画像を表示されるようにしたもので、請求項1から3で、その表示方法を、請求項4から6で表示装置を、請求項7から9で、その表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体を提案している。
【0006】
特に、請求項1に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示方法は、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示方法であって、前記2次元画面の中央部に、前記歯顎顔面領域のX線パノラマ画像を配置し、このX線パノラマ画像の周囲に前記歯顎顔面領域の部分画像として、前記歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像を解剖学的な配置に従って複数配置することを特徴とする。
【0007】
この表示方法は、上述した本発明の表示方法の基本となるもので、歯顎顔面領域のX線パノラマ画像だけでなく、その周りに歯顎顔面領域の部分画像を解剖学的な配置に従って複数配置しており、これらの部分画像が、この歯顎顔面領域の分割態様を示し、この部分画像から関連する画像を選択する際のインデックスとなり、関連する画像の参照が視覚的に把握しやすいものとなる。
【0008】
なお、こうして表示された歯顎顔面領域のX線パノラマ画像とその周囲に複数配置された部分画像の全体を合成配置画像という。
【0009】
請求項2に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示方法は、請求項1に記載の表示方法において、前記部分画像の内、任意の部分画像を選択することにより、選択された画像のみを拡大表示するようにしたことを特徴とする。
【0010】
この表示方法は、部分画像をクリックなどして選択することによって、この部分画像を拡大表示するようにしたもので、歯顎顔面領域の全体画像の中から、希望の部分の拡大画像を、簡単に表示させることができる。
【0011】
この場合表示される拡大画像は、この部分画像の単純な拡大画像だけでなく、この歯顎顔面領域の部分について蓄積されている種々の画像、例えば、所望の断層面画像、クロスセクションの画像、口内法によるX線画像や、口腔カメラなどによる表面画像であってもよい。
【0012】
請求項3に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示方法は、請求項2に記載の表示方法において、前記選択された画像のみを拡大表示するようにした際には、選択されなかった部分画像及び前記X線パノラマ画像を縮小表示するようにしたことを特徴とする。
【0013】
この表示方法は、請求項2に加え、部分画像について拡大表示する際には、元の合成配置画像を縮小表示させるものである。このようにすると、拡大された部分画像がより際だって表示され、画像の把握がし易くなる.
また、拡大された部分画像と縮小された合成配置画像が、2次元画面上で重なりなく表示されるように、双方の拡大率、縮小率を調整し、縮小された合成配置画像において、拡大された部分画像の元の部分画像を異なる態様で表示されるようにすると、全体の中のどの部分が拡大表示されているのかが、明確に解り、対応関係の判断ミスを避けることができる。
【0014】
請求項4に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示装置は、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示装置であって、前記3次元分布情報を基にして、前記歯顎顔面領域のX線パノラマ画像及び部分画像を生成する画像生成手段を備え、前記2次元画面の中央部に前記X線パノラマ画像を配置し、このX線パノラマ画像の周囲に前記歯顎顔面領域の部分画像として、前記歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像を解剖学的な配置に従って複数配置することを特徴とする。この表示装置は、請求項1に記載の表示方法を実現するもので、請求項1と同様の効果を発揮する。
【0015】
請求項5に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示装置は、請求項4に記載の表示装置に おいて、前記部分画像の内、任意の部分画像を選択することにより、選択された画像のみを拡大表示するようにしたことを特徴とする。
【0016】
この表示装置は、請求項2に記載の表示方法を実現するもので、請求項2と同様の効果を発揮する。
【0017】
請求項6に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示装置は、請求項5に記載の表示装置において、前記選択された画像のみを拡大表示するようにした際には、選択されなかった部分画像及び前記X線パノラマ画像を縮小表示するようにしたことを特徴とする。この表示装置は、請求項3に記載の表示方法を実現するもので、請求項3と同様の効果を発揮する。
【0018】
請求項7に記載の記録媒体は、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体であって、前記3次元分布情報を基にして、前記歯顎顔面領域のX線パノラマ画像及び部分画像を生成するステップと、前記2次元画面の中央部に前記X線パノラマ画像を配置するステップと、このX線パノラマ画像の周囲に前記歯顎顔面領域の部分画像として、前記歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像を解剖学的な配置に従って複数配置するステップとからなる。
【0019】
この記録媒体は、請求項1の表示方法を実現するプログラムを記録したもので、この記録媒体の内容を読み込み、実現可能な装置に装填することで、請求項1と同様の効果を発揮する。
【0020】
請求項8に記載の記録媒体は、請求項7に記載の記録媒体において、更に、前記部分画像の内、任意の部分画像を選択することにより、選択された画像のみを拡大表示するステップからなる歯顎顔面領域のX線画像の表示方法を実現するプログラムを記録している。
【0021】
この記録媒体は、請求項2の表示方法を実現するプログラムを記録したもので、この記録媒体の内容を読み込み、実現可能な装置に装填することで、請求項2と同様の効果を発揮する。
【0022】
請求項9に記載の記録媒体は、請求項8に記載の記録媒体において、前記選択された画像のみを拡大表示するステップには、選択されなかった部分画像及び前記X線パノラマ画像を縮小表示するステップを含むことを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示方法を実現するプログラムを記録している。
【0023】
この記録媒体は、請求項3の表示方法を実現するプログラムを記録したもので、この記録媒体の内容を読み込み、実現可能な装置に装填することで、請求項3と同様の効果を発揮する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図とともに、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明のX線画像の表示方法によって表示された2次元画面の一例を示す図である。
【0026】
図において、3は2次元画面、IPは歯顎顔面領域のX線パノラマ画像、ISaはX線パノラマ画像IPで表示された歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像、ISbcはX線パノラマ画像IPで表示された歯顎顔面領域の顎関節部分の画像ISbの内、その閉口状態を示す画像、ISboはX線パノラマ画像IPで表示された歯顎顔面領域の顎関節部分の画像ISbの内、その開口状態を示す画像であり、この例では、顎関節部分の画像ISbと部分的な歯牙植え立て部位の画像ISaとが、歯顎顔面領域の部分画像ISを構成している。
【0027】
上述のX線パノラマ画像IPと、その周囲に表示された部分的な歯牙植え立て部位の画像ISa、顎関節部分の画像ISbとで構成される部分画像ISとを併せて合成配置画面Iと言う。
【0028】
この2次元画面3に表示された合成配置画面Iは、中央にX線パノラマ画像IPを配置し、このX線パノラマ画像IPの周囲に歯顎顔面領域の部分画像ISを解剖学的な配置に従って、つまり、部分画像ISの位置に対応させて部分画像ISが複数配置されている。なお、この部分画像ISは、後述するように、口内法で撮影したX線画像に基づいた部分画像の場合もある。
【0029】
したがって、これらの部分画像ISが、この歯顎顔面領域の分割態様を示し、この部分画像ISから関連する画像を選択する際のインデックスとなり、関連する画像の参照が視覚的に把握しやすいものとなる。
【0030】
より詳しくは、上顎、下顎の歯列弓を構成する歯牙の植え立て部位の画像ISaは、前歯を中心として、左右にほぼ線対称状態で、3から4本毎に重複を厭わずに臼歯の方へ向かって順に、また、上下に分けて表示されている。
【0031】
こうして、部分画像ISとして、通常の歯科診療の際に最も普通に参照される歯牙の植え立て部位の画像ISaを採用しているので、歯科診療に好適である。
【0032】
また、X線パノラマ画像IPの両顎部に対応させて、上顎と下顎の嵌合部である顎関節部分の画像ISbが左右に分けて表示されており、部分画像ISとして、上記と同様に、通常の歯科診療の際に最も普通に参照される顎関節部分の画像を採用しているので、歯科診療に好適である。
【0033】
更に、顎関節部分の画像ISbについては、その閉口状態の図ISbcと開口状態の図ISboが上下に対比されて表示されているので、顎関節診療に好適である。
【0034】
このような合成配置画面Iにおいて、歯顎顔面領域の部分画像ISを解剖学的な配置に従って単に表示しているだけでなく、これらの部分画像ISは、この部分に関連する画像を参照するためのインデックスとなっている。つまり、例えば、この図において、カーソル3aが示されている植え立て部位の画像ISa、下顎の植え立て部位の画像ISaの内、左から2番目の画像ISaをクリックして選択すると、図2のように画像が表示される。
【0035】
なお、これより、これまで説明した部分と同じ部分については、同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0036】
この図2では、選択された画像ISaを拡大した画像ISAが表示され、この拡大された部分画像ISAには、更に、「95.04.03」という、この部分画像ISA、つまり、全体のX線パノラマ画像IPの撮影日付が表示され、更に、右側に右向きの三角印が表示されている。
【0037】
この三角印は、古いX線パノラマ画像のデータがあることを示しており、この右向きの三角印をクリックすると、この部分の古い撮影の画像が表示される。
【0038】
また、この図2において、2次元画面3の上部の枠内に、数字、「2」、「3」、「4」が表示されているが、これらの数字は、部分画像の拡大率を示しており、この例では、数字「2」が斜線表示で選択されていることを示し、拡大された画像ISAは、元の部分画像ISaの2倍の倍率で拡大表示されている。
【0039】
一方、図1において、上顎の部分画像ISaの内、真ん中の前歯部分の画像ISaをクリックして、図3のように表示させることもできる。
【0040】
この図3では、拡大された画像ISAは図2と同じように2倍の拡大表示がされ、これに対し、元の合成配置画像Iは縮小され、かつ、2次元画面3上で拡大された画像ISAと縮小された合成配置画像Iとが重ならないような位置関係で表示されている。これは、2次元画面3の上部の枠内の「重なりなし」というボタンをクリックして、重なりなしモードとなっているからである。このようにすると、拡大された部分画像がより際だって表示され、画像の把握がし易くなる.
また、元の合成配置画像Iは小さく表示されるが、図2のように、拡大された画像ISAによって一部が見えなくなることなく、全体が表示され、この合成配置画像Iにおいて、拡大された画像ISAが、どの部分画像ISaの拡大であるかを斜線で示され、全体の中のどの部分が拡大表示されているのかが、明確に解り、対応関係の判断ミスを避けることができる。
【0041】
一方、図2の状態で、2次元画面3の上部の枠内の「クロス」をクリックし、倍率の「3」をクリックすると、図4のような表示がされる。
【0042】
この「クロス」というのは、クロスセクションの断層面画像を表示するという意味であり、ここでは、選択された部分画像ISaに含まれる歯牙について、歯列弓の中心線に垂直な断層面による断層面画像が3倍の倍率で表示されている。
【0043】
この拡大された部分画像ISAでも、図2と同様に、日付表示「95.04.03」と、左右向きの三角印が表示されている。この場合、この左右向きの三角印は、この部分の新旧の画像を示すのではなく、この部分を所定間隔のクロスセクション(垂直断層面)で切断した断層面画像を順次表示することができるようにしている。つまり、右向き三角印をクリックすると、順次、右隣りのクロスセクション画像が表示され、左向き三角印をクリックすると、順次、左隣りのクロスセクション画像が表示される。
【0044】
一方、2次元画面3の上部の枠内の「口内法」をクリックすると、選択された部分画像ISaに含まれる歯牙についての口内法で撮影された画像がある場合には、同様な表示方法で口内法で撮影された歯牙のX線画像が表示され、ない場合には、クリックしても、所望の画像は表示されない。このように所望の画像がない場合には、所定の警告音を鳴動させるか、「この画像はありません」などの表示をさせるようにしてもよい。また、「口内法」という表示自体について、画像がある場合とない場合とで、異なる色彩表示をするなど表示態様を異ならせ、操作者が無駄な選択をしないで済むようにすることも可能である。
【0045】
拡大表示される画像は、この部分画像の単純な拡大画像だけでなく、この歯顎顔面領域の部分について蓄積されている種々の画像、例えば、所望の断層面画像、クロスセクションの画像、口内法によるX線画像や、口腔カメラなどによる表面画像であってもよく、こうして蓄積されている画像の参照が非常に簡単にすることができ、画像の有効利用を図ることができる。
【0046】
図5は、本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の他例を示す図である。
【0047】
この画面では、図1のものに比べて、X線パノラマ画像IPの上下に、歯列弓を構成するそれぞれの歯牙を所定の記号で示す歯式Sを表示している点が異なっている。このような歯式Sを表示しておくと、歯科診療において一般に用いられるもので、術者にとっては、歯牙を特定するのに最も普通に用いられるものであるので、歯牙の把握が直感的に解りやすい。
【0048】
この画面で、配置表示された部分画像ISaを選択する代わりに、歯式Sの数字をクリックして、拡大表示させる部分画像ISaを選択することができるようにもできる。この場合、選択された数字の歯牙を中心付近に含む部分画像ISaが選択されたと判断すればよい。
【0049】
なお、ここで例として示した歯式Sは、ISO(国際標準化機構)の国際規格によるものであるが、これに限るものではないことはもちろんである。
【0050】
図6は、本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の更に他例を示す図である。
【0051】
この図6の表示は、図1において、「口内法」の枠をクリックすると表示されるもので、図1と異なり、部分画像ISaは口内法で撮影し蓄積されているものだけが示されている。
【0052】
このようにすると、過去に口内法で撮影した患者について、口内法で撮影したX線画像だけから抽出して目的の部分の拡大部分画像を見たい場合に便利である。
【0053】
この場合も同様に、表示された部分画像ISaの内、拡大して見たいものをクリックすると、その部分画像ISaが図2と同様に拡大表示される。また、この拡大表示には、撮影日付と同時に、古い画像や新しい画像の有無が左右向きの三角印で表示されるので、これを更にクリックすることで、例えば、その部分の治療前、治療中、治療後の画像を順次表示させることができ、診療や治療に便利である。
【0054】
図7(a)は、本発明のX線画像の表示装置の一例を示す外観正面図、図7(b)は要部ブロック図である。
【0055】
このX線画像の表示装置10は、装置全体を制御し処理する中央処理装置1、この中央処理装置1へのデータの入出力を管理する入出力部2、この入出力部2からのデータを受けて表示する2次元画面3、データや操作指示の入力を受け入れるマウス4Aとキーボード4Bとからなるキーボード/マウス4、外部から、まとまったプログラムや、CT撮影で得られた3次元領域の3次元CTデータなどのデータの入力を受け入れ、外部へ、装置10で作成したデータを出力する補助入出力装置5、装置10の制御に必要なプログラムや関連データを保存する記憶部6、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報からX線パノラマ画像や、所望の断層面の断層面画像を生成する画像生成手段7、補助入出力装置5によって読み出し、あるいは、書き込みが可能であって、上述の表示方法を実現するプログラムなどを記憶保存し得る記録媒体8を備えている。
【0056】
2次元画面3には、合成配置画像などが表示されるが、この2次元画面3上に表示された要素を、マウス4Aを用いて選択したりすることができる。
【0057】
記憶部6は、ハードディスクなどで構成され、データを書き換え可能に保存記憶することができ、歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を記憶する分布情報メモリ6aと再構成された断層面画像や得られた種々の画像データなどを記憶する画像メモリ6bとを備えている。
【0058】
画像生成手段7の機能は、実際には、記憶部6に記憶されたプログラムに基づき、中央処理装置1によって関連機器が制御されることによって実現される。
【0059】
記録媒体8は、CD−ROM、CD−R、CD−RW、MO、DVD、DVD−R、DVD−RAMなど書き換え可能な、また、書き換え可能でない種々の記録媒体が含まれる。
【0060】
このX線画像の表示装置10は、このような構成によって、記憶部6に保存された上記X線パノラマ画像の表示方法を実現するプログラムに従って、分布情報メモリ6aに保存された歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を再構成して、X線パノラマ画像とその部分画像とで構成される合成配置画像や、この合成配置画像で選択された部分画像の種々の拡大画像の表示、これらの画像の拡大や縮小の表示、配置変更の表示をすることができる。
【0061】
上記X線パノラマ画像の表示方法を実現するプログラムは、記録媒体8に記録保存されたものを読み取って、記憶部6に保存して、実行可能とすることができる。同様に、本発明のX線画像の表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体8は、この表示装置10だけでなく、同様の構成の装置であって、この記録媒体8の内容を読み込み、実現可能な装置に装填することで同様の効果を発揮するものである。
【0062】
図8は、本発明のX線画像表示の手順を示すフローチャートである。
【0063】
このフローチャートは、X線画像表示の手順の主要な部分を示したもので、まず、パノラマ画像IPが2次元画面の中央部に表示され(S1)、ついで部分画像ISが、このパノラマ画像IPの周りに解剖学的な配置に従って表示される(S2)。この表示例は、図1、図5に示すものである。
【0064】
ここで、部分画像の選択の有無が判断され(S3)、選択があれば、選択画像の拡大表示がなされる(S4)。この場合、倍率や、表示される画像の種類を選択することができる。この表示例は、図2、4に示すものである。また、図3で説明したように、重なりなしモードを選んで、選択されていない画像の縮小表示をさせることもできる(S5)。この表示例は、図3に示すものである。
【0065】
この表示状態で、例えば、ESCキー(エスケープキー)などの操作により表示終了を判断して(S6)、表示を終了する(S7)。
【0066】
このような手順で、本発明のX線画像表示が実現されている。
【0067】
【発明の効果】
請求項1に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示方法によれば、歯顎顔面領域のX線パノラマ画像だけでなく、その周りに歯顎顔面領域の部分画像を解剖学的な配置に従って複数配置して表示するので、これらの部分画像が、この歯顎顔面領域の分割態様を示し、この部分画像から関連する画像を選択する際のインデックスとなり、関連する画像の参照が視覚的に把握しやすいものとなる。
また、部分画像として、通常の歯科診療の際に最も普通に参照される歯牙の植え立て部 位の画像を採用しているので、歯科診療に好適である。
【0068】
請求項2に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示方法によれば、請求項1の効果に加え、部分画像をクリックなどして選択することによって、この部分画像を拡大表示するようにしたので、歯顎顔面領域の全体画像の中から、希望の部分の拡大画像を、簡単に表示させることができる。
【0069】
請求項3に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示方法によれば、請求項2の効果に加え、部分画像について拡大表示する際には、元の合成配置画像を縮小表示させるので、拡大された部分画像がより際だって表示され、画像の把握がし易くなる。
請求項4から6に記載の歯顎顔面領域のX線画像の表示装置によれば、それぞれ請求項1から3に記載の表示方法を実現するもので、それぞれ請求項1から3と同様の効果を発揮する。
【0070】
請求項7から9に記載の記録媒体によれば、それぞれ請求項1から3に記載の表示方法を実現するプログラムを記録したもので、この記録媒体の内容を読み込み、実現可能な装置に装填することで、それぞれ請求項1から3と同様の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の一例を示す図
【図2】 本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の他例を示す図
【図3】 本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の他例を示す図
【図4】 本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の他例を示す図
【図5】 本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の他例を示す図
【図6】 本発明のX線画像の表示方法によって表示された画面の他例を示す図
【図7】 (a)本発明のX線画像の表示装置の一例を示す外観正面図、(b)は要部ブロック図
【図8】 本発明のX線画像表示の手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 中央演算処理装置
2 入出力部
3 2次元画面
4 キーボード/マウス
5 補助入出力装置
6 記憶部
6a 分布情報メモリ
6b 画像メモリ
7 画像生成手段
8 記録媒体
10 X線画像の表示装置
I 合成配置画像
IP 歯顎顔面領域のX線パノラマ画像
IS 歯顎顔面領域の部分画像
ISa 歯牙植え立て部位の画像
ISA 歯牙植え立て部位の拡大画像
ISb 顎関節部分の画像
ISbo 開口状態の画像
ISbc 閉口状態の画像
Claims (9)
- 歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示方法であって、
前記2次元画面の中央部に、前記歯顎顔面領域のX線パノラマ画像を配置し、このX線パノラマ画像の周囲に前記歯顎顔面領域の部分画像として、前記歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像を解剖学的な配置に従って複数配置することを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示方法。 - 請求項1に記載の表示方法において、
前記部分画像の内、任意の部分画像を選択することにより、選択された画像のみを拡大表示するようにしたことを特徴とする、歯顎顔面領域のX線画像の表示方法。 - 請求項2に記載の表示方法において、
前記選択された画像のみを拡大表示するようにした際には、選択されなかった部分画像及び前記X線パノラマ画像を縮小表示するようにしたことを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示方法。 - 歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示装置であって、
前記3次元分布情報を基にして、前記歯顎顔面領域のX線パノラマ画像及び部分画像を生成する画像生成手段を備え、
前記2次元画面の中央部に前記X線パノラマ画像を配置し、このX線パノラマ画像の周囲に前記歯顎顔面領域の部分画像として、前記歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像を解剖学的な配置に従って複数配置することを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示装置。 - 請求項4に記載の表示装置において、
前記部分画像の内、任意の部分画像を選択することにより、選択された画像のみを拡大表示するようにしたことを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示装置。 - 請求項5に記載の表示装置において、
前記選択された画像のみを拡大表示するようにした際には、選択されなかった部分画像及び前記X線パノラマ画像を縮小表示するようにしたことを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示装置。 - 歯顎顔面領域を含むX線吸収係数の3次元分布情報を基にして、この歯顎顔面領域のX線画像を2次元画面上に表示する表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体であって、
前記3次元分布情報を基にして、前記歯顎顔面領域のX線パノラマ画像及び部分画像を生成するステップと、前記2次元画面の中央部に前記X線パノラマ画像を配置するステップと、このX線パノラマ画像の周囲に前記歯顎顔面領域の部分画像として、前記歯顎顔面領域の部分的な歯牙植え立て部位の画像を解剖学的な配置に従って複数配置するステップとからなる歯顎顔面領域のX線画像の表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体。 - 請求項7に記載の記録媒体において、
更に、前記部分画像の内、任意の部分画像を選択することにより、選択された画像のみを拡大表示するステップからなる歯顎顔面領域のX線画像の表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体。 - 請求項8に記載の記録媒体において、
前記選択された画像のみを拡大表示するステップには、選択されなかった部分画像及び前記X線パノラマ画像を縮小表示するステップを含むことを特徴とする歯顎顔面領域のX線画像の表示方法を実現するプログラムを記録した記録媒体。
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