JP4043284B2 - ステータフィンの取付手段 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶推進用のスクリュープロペラが生成する後流中の回転流を略平行流に変換させるためのステータフィンを取付ける取付手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶は航走中に水中に捨てられる損失エネルギを減少させ推進効率を改善する手段が施されている。損失エネルギの一つとして船舶推進用のスクリュープロペラの後方に発生する回転流を含む後流がある。従来よりこの回転流を整流化しエネルギ損失を減少させるためにプロペラに近傍に付加物を装備する方法が採択されてきた。付加物はプロペラに装備される場合とプロペラより後方の舵に装備される場合がある。この付加物は一般に放射状に複数のフィンを付加したホイール状体であり、プロペラが発生する回転流をフィンにより整流化する機能を有する。すなわち、プロペラより発生する後流と干渉する後流をフィンにより発生させることにより略平行流にさせるものである。
【0003】
従来、舵に装備する付加物としてGVW(Grim Vane Wheel)があった。GVWは回転可能なものであり、回転流により受ける力をGVWが回転することにより逃がす点で有効なものと考えられてきたが、回転機構の形成に高い精度が要求されるために製造、取付にコストが掛かっていた。また、近年、回転流の整流化にGVWのような回転可能なものにする必要はなく、図1に示すステータフィン(参照番号10)のように固定で回転不能な付加物でも十分に整流化の効果を奏することがわかってきた。このステータフィンは製造が容易で製造コスト削減可能であるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ステータフィンを舵に装備する際、留意しなければならないこととして正確な位置決め作業がある。上述するようにフィンはプロペラの後流と干渉する後流を生成する機能を有するものであるため、正確な位置決めが必要だからである。
特に大型船舶の場合は一品製作であるために一船毎に調整しながら位置決めする必要がある。すなわち、予め舵にステータフィンを一体に固定しておくことができず、製造現場で調整することが必要である。特に芯出し作業すなわち、プロペラの軸線とフィンの軸線とを一致させる作業が難しい。
【0005】
特開平第6−107280号ではステータフィンを直接プロペラに連結させプロペラ軸線とステータフィンの軸線とを一致させることとしているが、ステータフィンを支持するための要素を付加する必要があるため製造工程が複雑化し、これに伴い製造コストも増加する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、プロペラの軸線とフィンの軸線とを一致させる芯出し作業を容易且つ適正に行うことが可能なステータフィンの取付手段を提供することを目的とする。
【0007】
請求項1によれば、本発明は,船舶推進用スクリュープロペラから発生する後流中の回転流を略平行流に変換させるための放射状のフィンを、前記スクリュープロペラの軸線と前記フィンの軸線とが一致するように舵部の取付部分に位置決めし且つ固定するためのステータフィンの取付手段であって、前記取付部分が舵部より前記スクリュープロペラ方向に突出する筒状の軸部分を有し、前記フィンが該軸部分の周囲に配置することができるように中心部に前記軸部分の外径よりも大きな内径を有する貫通穴を有するときに、前記フィンが前記軸部分の周囲に配置された状態で前記フィンと前記軸部分とに溶着される環状要素を付与することを特徴とするステータフィンの取付手段を提供することを目的とする。
【0008】
本取付手段によれば、推進用スクリュープロペラとステータフィンとを同心に位置決めする手段を提供することにより、一品製造品である大型船舶においても製造現場で調整しながら芯出し作業する必要性をなくすことができる。これにより、現場での芯出し工程の労力を減らすことができる。さらに、本取付手段によれば上記芯出しに加えフィンを長手方向及び回転方向に位置決めすることも可能であり、かかる位置決め作業工程をも減らすことができる。
そして、舵部にプロペラ方向に突出する軸部分にステータフィンを嵌め込んで取付ける場合に位置決めする手段を提供している。軸部分の外径より大きな内径を有する貫通穴をステータフィンの中心部に設けた場合に、ステータフィンを軸部分に嵌め込む際、軸部分の外周面とステータフィンの貫通穴の内周面との間に所定量の隙間が形成される。この隙間の存在によりステーフィンを適当に位置決めすることができる。なぜなら、隙間が存在しない場合にはステータフィンの軸線と軸部分の軸線が一致する結果ステータフィンの軸線がプロペラの軸線と一致しない事態が生じるが、隙間が存在すれば、ステータフィンの軸線をプロペラの軸線と一致させた状態で軸部分に嵌め込み、その状態で位置決めすることができるからである。本手段では、軸部分とステータフィンとの両者が環状部材であることを考慮し、所定の環状要素を軸部分とステータフィンとの両者に溶着させることにより位置決めすることとしている。従って、製造現場においてステータフィンを上下方向及び傾斜方向に移動させて溶接するだけで容易にステータフィンの芯出し作業を行うことができる。
【0011】
請求項によれば、本発明は請求項に記載のステータフィンの取付手段であって、前記環状要素は、前記フィンを該フィンの軸線方向前後から挟む一対の要素であるステータフィンの取付手段を提供することを目的とする。
【0012】
上述するように舵部に設けられた軸部分にステータフィンを嵌め込んで取付ける場合に、一対の環状要素をステータフィンの前後から挟むように位置させ、前記隙間を調節して該要素を軸部分とステータフィンとに溶着させることによりステータフィンを適当な位置に位置決めすることができる。すなわちステータフィンとの幅と同じ間隔に溶着された一対の環状部材の間にステータフィンが位置決めされる。さらに、一対の環状要素の間でステータフィンを軸部分の半径方向の適当な位置まで移動させる共に適当な傾斜をさせ、この状態でステータフィンを環状要素に溶着させる。
従って、ステータフィンを前後から挟み込む要素を舵部の軸部分とステータフィンとに溶着させる一対の環状要素を準備するだけで、製造現場においてステータフィンを容易に適当な位置に位置決めすることができる。
【0013】
請求項によれば、本発明は、請求項に記載のステータフィンの取付手段であって、前記環状要素は、該要素の中心に対して偏心する貫通穴が付与され、さらに、前記フィンの貫通穴内壁は、前記フィンの軸線方向舵部側に拡がるテーパ形状が設けられ、前記環状要素の外周面は、前記フィンの貫通穴内壁と前記軸部分の外周面との間の隙間に介挿されたときに前記フィンの貫通穴内壁に係合するように環状要素の軸線方向舵部側に拡がるテーパ形状が設けられたことを特徴とするステータフィンの取付手段を提供することを目的とする。
【0014】
本手段では、軸部分とステータフィンとを位置決めするための環状要素を上述する軸部分とステータフィンとの間の隙間に介挿することとしている。この環状要素は、プロペラの軸線に対する舵部の軸部分の軸線のずれと同じだけ偏心する貫通穴が設けられている。従って、この環状要素を軸部分に嵌め込むと環状要素と一体となった軸部分全体としては、その軸線をプロペラの軸線と一致させることができる。また、本手段では、上記環状要素の外周面を環状要素の軸線方向舵部側に拡がるテーパ形状とし、このテーパ形状に適合するようにステータフィンの貫通穴内壁をフィンの軸線方向舵部側に拡がるテーパ形状とする。従って、上記軸部分に嵌め込まれた環状要素にステータフィンを嵌め込んだ場合、ステータフィンは所定位置より舵部側には移動することができない。すなわち、上記テーパ形状を付与することによりステータフィンを軸線方向舵部側に位置決めすることができる。
従って、本手段によれば、事前に偏心する貫通穴を設けたテーパ形状の環状要素を準備するだけでステータフィンを舵部に位置決めすることができ、製造現場での作業負担を軽減することができる。
【0015】
請求項によれば、本発明は、請求項1又は2に記載の取付手段であって、前記フィンの貫通穴内壁と前記軸部分の外周面との間に樹脂を充填させることを特徴とするステータフィンの取付手段を提供することを目的とする。
【0016】
本手段によれば、ステータフィンを溶接により舵部の軸部分に取付けるだけではなく、ステータフィンと軸部分との隙間に樹脂充填剤を充填させることにより、位置決め強度を増加させることができる。半径方向のずれに対しては充填剤が障害となり、軸線方向のずれに対しては充填剤表面に接着及び摩擦抵抗が作用するからである。さらに、充填剤は、充填時には液体であるため隙間形状に左右されずに付与することができる。従って、本手段によれば樹脂充填剤をステータフィンと舵の軸部分との間に充填することにより容易にステータフィンに位置決めすることができる。
【0023】
以上、本発明について説明してきたが、以下記載する本発明の実施の形態を参照することにより本発明をより明白に理解できるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1を参照すれば、船体の舵部を装着する支柱となるラダーホーン12にステータフィン10が取付けられた状態での水の流れを示している。ステータフィン10は、船体の推進源となるスクリュープロペラ14の船尾側後方に設けられている。また、ステータフィン10が存在しない場合のプロペラ14が生成する回転流を含む水の流れ、すなわち後流は図1において実線及びこれを延長する実線の矢印Xで示されている。さらに、後流がステータフィン10により整流化された流れは破線矢印Yで示されている。
【0025】
スクリュープロペラ14の後流は回転流であり図1に示すような流線を描いている。このような回転流が生じると流れが下流に向かう過程で船体の推進エネルギの損失を招致させることとなる。エネルギが損失することは船舶の推進力を減退させることを意味する。このエネルギ損失は、回転流を整流化させることにより回避することができることは当業者にとって周知である。
【0026】
ステータフィン10は、プロペラ14の後流とステータフィン10の後流とを干渉させ、ステータフィン下流の流れを整流化することとしている。すなわち、ステータフィン10はプロペラからの回転流を整流するじゃま板の役割を有する。従って、フィンは整流化させる際に大きな力を受容することとなる。
【0027】
ステータフィン10の固定方法として、ラダーホーン12を製造する際にラダーホーンと一体にステータフィン10を固定する方法が最善とも考えられる。しかしながら、ステータフィンとプロペラとは芯出し作業すなわち、ステータフィン10とプロペラ14との軸線は、一致させる作業が必要となり、船舶の場合、一品製作物且つ大型であるため製造過程において微量の誤差が生じることは回避し難く、その結果、ラダーホーンを船体に取付けた後に、ステータフィン軸とプロペラ軸との芯出しをしながらステータフィンをラダーホーンに取付ける作業を行う必要がある。
【0028】
以下、ステータフィンを位置決めする手段について説明する。
図2を参照すれば、ラダーホーン12から突出したステータフィン用軸部分20にステータフィン10を位置決めするために、位置決め要素としてのリングプレート22をステータフィン10と軸部分20表面とに取付けた状態を示している。
【0029】
設計段階の理想状態ではプロペラの軸線と軸部分20の軸線とは一致するが、上述するように現実的には微量のずれが発生するものである。従って、ステータフィン10は、軸部分20にはめ込んだ状態で位置決めすることができるようにすることが好ましい。まず、ステータフィン10を軸部分20にはめ込んだ際に所定の隙間を形成するようにステータフィンの長手方向に軸部分20の外径よりも大きな内径の貫通穴を設ける。このステータフィンの貫通穴の軸線をプロペラの軸線に一致させる。図2を参照して具体的に説明すれば軸部分20の軸線Aとプロペラの軸線Bとが縦方向に距離d1偏心しているとする。また、軸部分20の外径を2Rとする。また、プロペラ軸線Bとステータフィンの貫通穴の内壁までの縦方向距離をそれぞれR1、R2とする。さらに、ステータフィンの貫通穴内周壁から軸20の外周面までの距離をそれぞれd2、d3とする。
【0030】
上記R、R1、R2、d1、d2、d3との関係は、
R−d1+d2 = R1 …(式1)
R+d1+d3 = R2 …(式2)
となる。
ここで、ステータフィン10とプロペラ14との軸線を一致させるとは、すなわち上記R1とR2とを同じ距離にさせることである。
従って、R1=R2 であり、式1、式2に代入すれば、
R−d1+d2 = R+d1+d3
となる。すなわち、2d1 = d2−d3
の関係が成り立つ。
従って、縦方向に関してはこの関係を満たすようにステータフィン10を位置決めすれば良い。また水平方向に関しても同様に位置決めすれば良い。
【0031】
このように位置決めするために図2では位置決め要素としてのリングプレート22をステータフィン10と軸部分20とに溶着させる手段が示されている。図3を参照すれば図2において点線で囲んだリングプレート22の一部が示されている。
【0032】
図4を参照すれば、ステータフィン110をラダーホーン112に取付けるための軸部分120の形状を同心の細軸部分120aと細軸部分120bとで形成させた場合の取付状態を示している。この場合、ステータフィン110の上流側に溶着されるリングプレート122aは、図2に示す場合と同様であるが、下流側に溶着されるリングプレート122bは軸線方向に長く且つ太軸部分120bとフィン110とに溶着される。この場合、軸方向の力Fに対して図2に示す取付けよりも大きな取付強度を有することとなる。ステータフィンの後端と軸部分との接合部分を示した図5に示すように回転流による軸方向の力Fが図2の場合には地点aにおいて大きな回転モーメントを形成するのに対して図4の場合には地点bにおいてあまり大きな回転モーメントを形成しないからである。
【0033】
図6を参照すれば、図2に示すステータフィン10と軸部分20との間の隙間に樹脂充填剤60を充填させている。図2に示す取付手段においては、一対のリングプレート22のみによってステータフィン10と軸部分20とが隙間を有する状態で固定されている。本発明では、上記隙間に充填剤を注入させることにより、軸線方向及び回転方向の強度をより向上させている。また、充填剤の注入に加えステータフィン10の内周壁と軸部分20の外周面に所定の形状を設けることにより、さらに強度を向上させることが可能である。また、充填剤の接合効果を向上させるためにフィンの内周壁と軸部分の外周面に種々の形状を付与することも考えられる。例えば図6Aを参照すれば、フィンの内周壁と軸部分の外周面とにそれぞれ凸部分を設けており、図6Bを参照すれば、ステータフィン10の内周壁をテーパ形状にし且つ軸部分20の外周面に凸部分を設けている。これらの場合に充填剤は、ステータフィン10と軸部分20との隙間に注入する際には液体であるため種々の隙間形状に対応することができる。なお、この樹脂充填剤は強度及び硬度に優れた充填剤を使用することが好ましい。
【0034】
また図7を参照すれば、一対のリングプレート22の外側にブラケット24を取り付けた状態を示している。このブラケットによって、軸方向の力F(段落〔0035〕参照)に対する強度を高めることができる。
【0035】
図9を参照すれば、図11に示す調整ライナ222をステータフィン210と軸部分220との間に介挿させる取付手段を示している。図8に示すように軸部分220は、図4に示す軸部分120と同様に細軸部分220aと太軸部分220bとで形成されている。また、調整ライナ222は、図11に示すように長手方向に貫通穴224を有し、外周面226がテーパ状にされた環状要素である。また、図10に示すようにステータフィン210は、調整ライナ222の外周面226に適合するようなテーパ形状を有する貫通穴212が設けられている。
【0036】
ここで、図8に示すように軸部分220の軸線Bがプロペラの軸線Aに対してrだけずれていた場合を想定する。この場合、図11に示すようにライナ222の貫通穴224の中心軸線B’がライナ222の軸線A’に対してrずれた偏心加工を行う。従って、この貫通穴224と軸部分220の細軸部分220aとを嵌合させると貫通穴224の中心軸線B’と軸部分の軸線Bとが一致し、ライナ222の軸線A’とプロペラの軸線Aとが一致する(図9参照)。すなわち、調整ライナ222と軸部分220との一体物の軸線がプロペラの軸線Aと一致することとなる。
【0037】
次に図9に示す通り上記ライナ222と軸部分220との一体物にステータフィン210を嵌合させる。従って、上述するようにこの一体物としての軸線は、プロペラの軸線と一致するため、かかる一体物に嵌合させたステータフィン210の軸線もプロペラの軸線に一致することとなる。
さらに、図9に示すように調整ライナ222の外周面とステータフィン210の貫通穴212の内周壁とは、それぞれ互いに嵌合し且つラダーホーン方向(図9中、左方向)に拡がるテーパ形状であるため、ステータフィン210は、ラダーホーン方向に位置決めされることとなる。従って、軸部分220と調整ライナ222とステータフィン210との接合に使用する溶接の強度に加え、ラダーホーン方向の強度が向上する。
【0038】
図12を参照すれば、ラダーホーンに存在する取付部分320に直接ステータフィン310を取付ける場合を示している。ここでは図13に示す通り、船体を組立てた際にラダーホーンの取付部分320の軸線A”がプロペラの軸線B”に対して角度α傾斜している場合を想定している。取付部分320がこの傾斜を有する状態のままでその端面330にステータフィン310の端面を接合した場合、ステータフィン310もプロペラ軸線に対して角度α傾斜することとなる。従って、傾斜を除外し、プロペラ軸線B”に垂直な端面を形成する手段を講じる必要がある。
【0039】
まず第一には、取付部分320の端面がプロペラ軸線B”に垂直となるように面出し加工することが考えられる。具体的には、船内に設置されたボーリングマシン(図示せず)を用いて垂直面が形成されるまで研削していく、すなわち図13における斜線部分332を除外する。この面出し作業終了後に、面出し面にステータフィン310の端面を係合・接着させることにより軸線がプロペラ軸線に一致するができる(図12参照)。
【0040】
次に、組立現場でボーリングマシンによる面出し作業が困難な場合を想定する。上述するボーリング加工では傾斜する軸部分320の一部を研削することによりプロペラ軸線B”に垂直な端面を形成させることとしたが、この場合では図14に示すような所定の調整ライナ322を準備し、該ライナを軸部分320の端面に取付けることとする。例えば軸部分320が角度α傾斜する場合(図13参照)には、図14Aに示すように調整ライナ322の一方の端面324を角度α傾斜させる。この端面324を軸部分の端面330に接合させた場合、ライナの他の端面326は、プロペラの軸線B”に垂直な面を形成することとなる。すなわち、上述するボーリング加工を施す場合には軸部分320を研削することにより面出しするのに対して、本実施の形態では調整ライナ322を軸部分320に付加することにより面出しすることとしている。
【0041】
図15を参照すれば上述する種々のステータフィンの取付手段(図2〜14参照)に加え、さらに回転方向の固定を強化している。スクリュープロペラが生成する流れは回転流であり、ステータフィンがこの流れを整流化する際にはステータフィンの軸線方向のみならず回転方向にも大きな力が作用する。上述する取付手段では、回転方向の位置決めには溶接手段を用いているが、船舶は長期間メンテナンスできないこと、船舶の運転中には種々の環境変化が生じることと等を考慮し、強度上溶接に加えさらなる位置決め手段を構ずることが好ましい。
【0042】
図15Aでは、ステータフィン410の貫通穴の内周壁に軸線方向に延びる溝414を設け、ラダーホーンから突出する軸部分412に該溝に嵌合するように形成されたキー416を備える。この場合、キー416と溝414とが嵌合して回転方向を堅く位置決めすることができる。
【0043】
図15Bでは、ステータフィン410と軸部分412とをそれぞれ半径方向に貫通する穴422、424を設け、両方の穴422、424が整列するように配置し、両方の穴に亙ってピン420を挿入する。この場合、ピン420によりステータフィン410と軸部分412とが連結され、ステータフィン410を回転方向に堅く位置決めすることができる。
【0044】
その他、図16に示すようにステータフィン510とラダーホーンから突出する軸部分512とをボルト514で締結すること等も考えられる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を逸脱しない多数の変形例と改良例とが存在し得ることが当業者にとって明白であろう。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、製造段階で位置決めすることが困難なステータフィンについて、容易且つ適正に船体の舵部に位置決めすることができるという効果を奏する。その結果、ステータフィンの取付に要するコストを削減することができる。
さらに、本発明によれば船体のスクリュープロペラが生成する回転流をステータフィンが受容した際に生じる力にも耐え得る強度を有するようにステータフィンを舵部に取付けることができ、長期間メンテナンスすることができない大型船舶に十分にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクリュープロペラが生成する流れと、ステータフィンにより整流化された流れを示した図である。
【図2】本発明の実施の形態の1つを示した図である。
【図3】図2の点線で囲まれた領域の拡大図である。
【図4】図2に示す実施の形態の変形例である。
【図5】図2及び図4の点線で囲まれた領域の拡大図である。
【図6】ステータフィンと軸部分との隙間に充填剤が注入された状態の例示図である。
【図7】図2に示す実施の形態に樹脂充填剤の漏洩を防止するためのブラケットを付与した場合を示した図である。
【図8】本発明の他の実施の形態における軸部分を示した図である。
【図9】図8の軸部分にテーパ状の環状要素とステータフィンとを取付けた状態を示した図である。
【図10】図9に示すステータフィンを示した図である。
【図11】図9に示すテーパ状の環状要素を示した図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態を示す図である。
【図13】図12に示す実施の形態における軸部分を示した図である。
【図14】図12に示す実施の形態における取付手段の一例である調整ライナを示した図である。
【図15】舵部の軸部分とステータフィンとを回転方向に位置決めする手段を示した軸部分及びステータフィンの部分断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
10…ステータフィン
12…ラダーホーン
14…スクリュープロペラ
20…軸部分
22…リングプレート
110…ステータフィン
122…リングプレート
210…ステータフィン
220…軸部分
222…調整ライナ

Claims (4)

  1. 船舶推進用スクリュープロペラから発生する後流中の回転流を略平行流に変換させるための放射状のフィンを、前記スクリュープロペラの軸線と前記フィンの軸線とが一致するように舵部の取付部分に位置決めし且つ固定するためのステータフィンの取付手段であって、
    前記取付部分が舵部より前記スクリュープロペラ方向に突出する筒状の軸部分を有し、
    前記フィンが該軸部分の周囲に配置することができるように中心部に前記軸部分の外径よりも大きな内径を有する貫通穴を有するときに、前記フィンが前記軸部分の周囲に配置された状態で前記フィンと前記軸部分とに溶着される環状要素を付与することを特徴とするステータフィンの取付手段
  2. 前記環状要素は、前記フィンを該フィンの軸線方向前後から挟む一対の要素であることを特徴とする請求項に記載のステータフィンの取付手段。
  3. 前記環状要素は、該要素の中心に対して偏心する貫通穴が付与され、
    さらに、前記フィンの貫通穴内壁は、前記フィンの軸線方向舵部側に拡がるテーパ形状が設けられ、前記環状要素の外周面は、前記フィンの貫通穴内壁と前記軸部分の外周面との間の隙間に介挿されたときに前記フィンの貫通穴内壁に係合するように環状要素の軸線方向舵部側に拡がるテーパ形状が設けられたことを特徴とする請求項に記載のステータフィンの取付手段。
  4. 前記フィンの貫通穴内壁と前記軸部分の外周面との間に樹脂を充填させることを特徴とする請求項1又は2に記載のステータフィンの取付手段
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