JP4042515B2 - 画像信号処理装置およびそれを用いた画像表示パネル駆動装置 - Google Patents

画像信号処理装置およびそれを用いた画像表示パネル駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、残光時間が異なる複数種の発光材料を有するカラー画像表示パネルを駆動するための画像信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面のテレビジョン表示デバイスとして注目されるPDP(プラズマディスプレイパネル)は、発光材料として一般に紫外線励起で発光する緑、赤、青の3色の蛍光体が用いられているが、発光強度や色純度等の諸条件を満たす蛍光体材料は限られており、全ての条件を満足する緑、赤、青蛍光体材料の組が得られてないのが現状である。
【0003】
中でも、これら蛍光体の残光特性は発光色によって大きく異なり、特に青と緑との差が大きい。残光時間を1/10残光時間で定義した場合、例えば、青の代表的蛍光体であるBaMgAl1017:Euの残光時間が数μsであるのに対し、緑の蛍光体であるZn2SiO4:Mnの残光時間は長く、フィールド期間長(約16.7ms)に近い値を持っている。このような残光時間の差異は、動画表示において原画像に無い色を出現させる。例えば、明点が移動する画像において緑色の尾引きが生じたり、暗転場面において緑色の像が残ったりする。特に人物画像の肌の部分において比視感度の大きい緑色の尾引きが発生すると表示品質が著しく損なわれる。
【0004】
これら残光に伴う画質劣化に対し、残光時間の短い蛍光体の発光色に対応する画像信号に対して、前フィールドの画像を一定の割合で現フィールドの画像に重畳することにより、擬似的に残光色を原画像と同じにして、不自然な発色を防ぎ違和感を無くす方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−14647号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、前フィールドの画像を一定の割合で現フィールドの画像に重畳する方法においては、例えば、暗い背景の中を明るい白色のウインドウパターンが移動している場合、本来の残光はウインドウパターンから遠ざかるにつれて指数関数的に減少するように見えるのに対し、上述のように前フィールドの画像を一定の割合で現フィールドの画像に重畳すると、擬似的な残光がウインドウパターンからの距離に対し一定値になるため、場合によっては残光の発生している領域の内部に色差が発生し、違和感を増大させてしまう場合がある。
【0007】
本発明は、残光時間の短い発光色について、現フィールドの画像信号から、自然な残光と同様の指数関数的に減少する擬似残光信号を作成し、残光の色を原画像と同じにして違和感を無くすことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像信号処理装置は、残光時間が短い発光材料に対応する画像信号に擬似残光信号を付加するために、前フィールド画像信号と現フィールド画像信号との差分に基づき擬似残光信号を付加すべき領域を検出する差分領域検出手段と、現フィールド画像信号を2次元低域濾波することにより擬似残光信号を含む伸長画像信号を作成する伸長画像作成手段と、現フィールド画像信号と伸長画像信号を合成し必要な部分にのみ擬似残光信号を付加する画像合成手段とを有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
すなわち、請求項1に記載の発明は、残光時間が異なる複数種の発光材料を有するカラー画像表示パネルを駆動するための画像信号処理装置であって、少なくとも残光時間の短い発光材料に対応する画像信号に擬似残光信号を付加するための擬似残光付加手段を備え、擬似残光付加手段は、前フィールド画像信号と現フィールド画像信号との差分に基づき擬似残光信号を付加すべき差分領域を検出する差分領域検出手段と、現フィールド画像信号を2次元低域濾波することにより擬似残光信号を含む伸長画像信号を作成する伸長画像作成手段と、現フィールド画像信号と伸長画像信号とを合成し擬似残光信号を現フィールド画像信号に付加する画像合成手段とを有することを特徴とする画像信号処理装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、差分領域検出手段が、画像信号を1フィールド分遅延し前フィールド画像信号を作成する1フィールド遅延部と、前フィールド画像信号と現フィールド画像信号との差分画像を求める差分画像部と、差分画像を発光材料の残光特性により決まるしきい値に基づいて2値化することによりしきい値以上の画素を取り出す2値化部と、2値化部で取り出された画素の中から2値化された画素領域の境界画素を取り除く細線化処理部と、細線化処理部で取り除かなかった画素領域の境界に沿って新たに画素を付け加える太線化処理部とを有することを特徴とする画像信号処理装置である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、伸長画像作成手段が、現フィールド画像信号を水平方向あるいは垂直方向の少なくともいずれかの方向に巡回濾波する巡回濾波部を有することを特徴とする画像信号処理装置である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3において、伸長画像作成手段が、差分領域に基づき擬似残光信号を付加すべき画像パターンの動き速度を算出する動き速度算出部と、動き速度算出部によって算出された速度に基づき巡回濾波部の重み係数を決定する重み係数算出部とを有することを特徴とする画像信号処理装置である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4に記載のいずれかの画像信号処理装置を用いた画像表示パネル駆動装置である。
【0014】
以下、本発明の実施の形態による画像表示パネル駆動装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
なお、本実施の形態では、発光材料として一般的にPDP画像表示パネルに用いられている蛍光体と同様に、緑の蛍光体の残光時間が最も長く、続いて赤の残光時間が長く、青の残光時間が最も短いものと仮定して説明する。この場合、図1(a)に示すように、例えば白色のウインドウパターンが右に移動すると、移動方向とは反対側の左のエッジ部に沿って黄緑色の残光が発生する。したがって、残光色を原画像と同じ白色にするために、本実施の形態では青および赤の画像信号に擬似残光信号を付加することとする。
【0016】
(実施の形態1)
擬似残光付加の基本的な考え方を説明する。まず、擬似残光を発生させるべき画面上の領域を特定するために、図1(b)、(c)、(d)に示すように、前フィールド画像と現フィールド画像の差分を求める。この差分値が後述するしきい値以上となるところが残光を発生させるべき領域、すなわち差分領域となる。次に図1(e)に示すように、現フィールド画像に2次元低域濾波(以下、2次元LPFと略記する)を施した画像(以下、伸長画像と略記する)を作成する。ここで伸長画像は、現フィールド画像に擬似残光となりうる信号を付加した画像である。その後、図1(f)に示すように、差分領域においては伸長画像を選択し、それ以外の領域では現フィールド画像を選択し、新たなフィールド画像として合成することで、差分領域にのみ擬似残光を付加した画像を作成する。
【0017】
図2は、本実施の形態における画像信号処理装置10の機能ブロック図である。赤と青の画像信号処理に関しては擬似残光付加手段220Rおよび220Bを設けている。一方、緑の画像信号300Gに関しては、擬似残光付加手段220R、220Bにおける処理時間と等しい時間だけ遅延し、赤および青の画像信号300R、300Bと位相を合わせるための遅延手段210を設けている。
【0018】
次に擬似残光付加手段220の機能について詳細に説明する(擬似残光付加手段220Rと220Bは機能が同じものなので、これを擬似残光付加手段220と記す)。
【0019】
まず、差分領域の特定を行う。前フィールドで明るく、現フィールドで暗くなっている部分が擬似残光を発生させるべき差分領域である。しかし、前フィールドの輝度Lf-1と現フィールドの輝度Lfとの差ΔL
ΔL=Lf-1−Lf
が、あるしきい値Lth以下の場合は残光に伴う画質劣化は無視できる程度であるので、実質的には、
f-1−Lf>Lth
を満たす画素の領域にのみ擬似残光を付加すればよい。
【0020】
図3は擬似残光付加手段220の詳細を示す機能ブロック図である。差分領域検出手段310は、1フィールド遅延部311で1フィールド分遅延した前フィールド画像と新しく取込まれた現フィールド画像との差分画像を差分画像部312を用いて求める。この差分画像がしきい値Lth以上となる領域が擬似残光を発生させるべき差分領域である。差分領域は、2値化部313で差分画像としきい値Lthとを比較し2値化することにより得られる。本実施の形態においては256階調画像に対しLth=100と設定したが、この値は本実施の形態の画像表示装置に用いられる蛍光体の残光特性や駆動タイミング等の条件に合わせて実験的に最適化したものである。
【0021】
次に、画像全体に擬似残光が重畳された画像としての伸長画像を作成する。残光は、輝度の高い領域から輝度の低い領域に向かって尾を引いたように発生するので、輝度分布のうち空間周波数の高い成分が抑制され、低域成分が強調される。したがって、実質的には2次元LPFを用いて近似的に擬似残光を作成できることになる。図3に示す伸長画像作成手段320は、2次元LPF部321と加重和係数テーブル322で構成される。2次元LPF部321は、例えば図4(a)に示すような加重和係数テーブルを用いて隣接画素との加重平均をとる構成にしてもよいし、後述するように巡回濾波を行う構成にしてもよい。しかし、2次元LPF部321の特性あるいは加重和係数テーブル322の係数は、画像表示装置に用いられる蛍光体の残光特性や駆動タイミング等の条件により最適化することが望ましい。ここでは、青の画像信号に対する加重和係数テーブル322として、図4(a)に示す加重平均を3回繰り返したものと等価なもの、すなわち図4(b)に示す加重和係数テーブルを用いた。その結果、例えば図4(c)に示す現フィールド画像に対しては図4(d)に示す伸長画像が得られた。このようにウインドウパターンの左側と上側に指数関数的な擬似残光が付加した伸長画像が得られることがわかる。赤の画像信号に対する加重和係数テーブルの値は図示していないが、青に対する係数よりも小さな値を設定している。これは、赤の画像信号に付加すべき擬似残光が青の画像信号に付加すべき擬似残光よりも小さいためである。
【0022】
以上で差分領域と伸長画像が得られたので、図3の画像合成手段330によって差分領域内では伸長画像を選択し、差分領域以外の領域では現フィールド画像を選択して画像合成を行うことにより、擬似残光を付加した画像を得ることができる。例えば差分領域が図4(e)で表されているときは現フィールド画像を該当領域のみ伸長画像と置き換えることにより図4(f)に示すように自然な擬似残光を付加した画像が得られる。
【0023】
なお、実用上はこれらの機能ブロックを実現するための回路構成例として、デジタル信号処理集積回路(LSI)を用いて構成してもよい。図5は、本実施の形態の画像信号処理装置を用いた画像表示パネル駆動装置(表示パネルはPDPパネル150を使用)の回路図の一例である。AD変換器110は緑、赤、青の各画像信号100をアナログデジタル変換(AD変換)する。LSI120内部のデジタルデータ処理部121は内部メモリ122および外部メモリ130を用いて、緑の画像信号に対しては遅延処理、赤と青の画像信号に対しては擬似残光を付加する処理を行った後、必要なデータ処理を行いPDPドライバ140に出力する。PDPドライバ140はPDPパネル150を駆動し画像表示を行う。
【0024】
以上のように、残光時間の短い赤および青の蛍光体のそれぞれに対応する画像信号に対して指数関数的に減少する擬似残光を付加することによって、視覚的には、緑、赤、青の各画像の残光が等しくなり、その結果残光の色が原画像と同じになるので違和感を解消することができる。
【0025】
なお、PDP等のように、1フィールドを重み付けの異なる複数のサブフィールドに分割して表示する場合には、目の積分作用によって動画部分に本来とは異なる階調が観測される現象、いわゆる動画疑似輪郭が発生することがある。これを防ぐために、疑似的に残光を付加した領域に対しては、動画疑似輪郭が発生しない階調のみを使用する等、動画擬似輪郭の発生しない、あるいは発生しても無視できる駆動方法を併用することが望ましい。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態2における画像信号処理装置は、実施の形態1における画像信号処理装置に、ノイズ等による誤動作を防止する機能を追加したものである。
【0027】
図6は実施の形態2における画像信号処理装置の差分領域検出手段310の機能ブロック図であり、実施の形態1における画像信号処理装置と異なるのは、差分領域検出手段310の2値化部313の後段に細線化処理部314と太線化処理部315を接続、追加している点である。
【0028】
前述したように、差分領域の特定を行うためには、実質的には、
f-1−Lf>Lth
を満たす画素の領域を求めればよい。ところが、この中にはノイズあるいはパターンの微小な動きによってしきい値Lth以上となる差分を生じた画素も含まれることがある。このような場合には他の色の残光はほとんど認識されないため、当該色の疑似残光を付加すると当該色だけが不自然に目だってしまい逆に画質を劣化させてしまうことになる。したがって、差分画素からノイズ等の画素を除外しておくことが望ましい。
【0029】
そこで、本実施の形態では、ΔL=Lf-1−Lfがしきい値Lth以上となる画素(以下、画素1と定義する)に対して以下の処理を行う。ここで説明のため、図7(a)でハッチを入れた画素が画素1であったとする。まず画素1から境界画素を除去する処理を行う。具体的にはこれら画素1のうち全ての隣接画素が画素1である画素を取り出す。この処理で取出された画素を画素2と定義する。図7(b)において黒く塗られた画素が画素2である。画素1から画素2を求める処理を行う機能ブロックが細線化処理部である。次に画素2の境界に新たに画素を付け加える処理を行う。具体的には隣接画素に画素2を少なくとも1つ含む画素を取り出す。この処理で取出された画素を画素3と定義する。図7(c)で灰色に塗られた画素が画素3である。ここで画素2から画素3を求める処理を行う機能ブロックが太線化処理部である。これらの処理によって得られた画素3からなる領域を本実施の形態では差分領域として用いる。図7(a)と図7(c)を比較するとわかるように、細線化、太線化の処理を経ることにより、微小な動きやノイズに起因する小さな領域を差分領域から取り除くことができる。その結果、不要な部分にまで擬似残光を付加するといった誤動作を防ぐことができる。
【0030】
なお、細線化、太線化の処理として、ここでは注目画素の周囲8画素について判断し処理を行ったが、上下左右の4画素や、上下または左右の2画素を考慮に入れるだけでも上記に近い効果を得ることができる。
【0031】
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3における画像信号処理装置の伸長画像作成手段320の機能ブロック図である。実施の形態1、あるいは実施の形態3における画像信号処理装置と異なる点は伸長画像作成手段320の構成である。
【0032】
実施の形態3における伸長画像作成手段320は、右、左、上、下の4方向の巡回濾波部323〜326と、それぞれの巡回濾波の重み係数を決める係数テーブル328および最大値選択部327を用いて実質的に2次元LPFを構成している。なお、より完全な伸長画像を作成するために、上述の4方向の巡回濾波部323〜326に加えて斜め方向の巡回濾波部を追加してもよく、逆に伸長画像を簡略的に作成するため、巡回濾波部として右方向の巡回濾波部323、左方向の巡回濾波部324の2つだけを用いた構成にしてもよい。この場合、特に発生頻度の高い水平方向の残光に対応する擬似残光のみを付加することとなり、2次元LPFは実質的に1次元LPFとなり信号処理も簡素化される。
【0033】
図9に巡回濾波部323〜326の回路図の一例を示す。動作はいずれの巡回濾波部323〜326も同様であるので右方向の巡回濾波部323を例に説明する。画素並替え部410は画像信号300を一旦取込み、後続の処理に適した画素の順番に並び替えて出力する。右方向巡回濾波を行う場合は1走査線の左端部から右へ向かって一画素づつ画像信号を出力する。掛け算器420は係数テーブル328で指定された係数k(0<k<1)を参照し画素信号をk倍する。掛け算器460は1画素遅延器450で遅延された1つ前の画素を(1−k)倍する。加算器430はこれら2つの掛け算器420、460の出力を加算する。画素並び替え部440はこれら処理された画素信号を取込み、もとの画像になるよう画素信号を並び替える。
【0034】
次に、巡回濾波部の動作について説明する。説明の簡単化のため以下に水平方向の処理に対してのみ説明するが、垂直方向、斜め方向の巡回濾波部を設ける場合は、これらの方向に関しても同様の処理を行う。図10(a)のような現フィールド信号を入力した場合を考える。まず図10(b)に示すように、現フィールドの画像を画面右端から左方向へ順次移動しながら隣接2画素を用いて巡回濾波を行う。この結果、実際の残光と類似して現フィールドの画像の左側を指数関数的に引き伸ばすことができる。同様に図10(c)に示すように、現フィールドの画像を画面左端から右方向へ順次移動しながら隣接2画素を用いて巡回濾波を行う。こうして得られた2つの信号(b)、(c)および現フィールド信号(a)のうち最大値をとり、伸長画像(d)とする。
【0035】
なお、本実施の形態では伸長画像を作成する際に隣接2画素を用いた巡回濾波を行ったが、本発明はそれに限定されるものではなく、さらに多くの画素を用いて巡回濾波を行ってもよい。この場合は画像の引き伸ばし方の自由度が上がる。
【0036】
また、本実施の形態では、動きの方向を検出しなかったため、動画部分の左右両側に擬似残光を付加し、その後差分領域を参照することにより必要な擬似残光だけを選択することとした。しかし、画像圧縮等の分野で一般的に使われている動きベクトル検出を用いて動き方向を検出することにより、最初から片側だけに擬似残光を付加することもできる。
【0037】
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4における画像信号処理装置の伸長画像作成手段320の機能ブロック図である。本実施の形態おける画像信号処理装置が前述の実施の形態における画像信号処理装置と異なるのは、擬似残光付加手段220の2次元低域濾波特性をパターンの動き速度に依存して変化させた点である。
【0038】
実施の形態4における伸長画像作成手段320は、係数テーブル328と、左右の2つの巡回濾波部323、324と、最大値選択部327と、差分領域検出手段310の信号に基づきパターンの動き速度を検出する動き速度算出部351と、動き速度算出部351の算出結果に基づいて係数テーブル328の係数を制御する重み係数算出部352を設けた構成となっている。
【0039】
自然に発生する残光は、図12(a)、(b)に示すように画像の動きが速ければ広い範囲に広がり、画像の動きが遅ければ狭い範囲にしか広がらない。一方、巡回濾波の重み係数を変えることによって付加する擬似残光の広がりの範囲を変化させることができる。例として隣接2画素の重み係数の比をそれぞれ、1:3、1:1とした場合の巡回濾波処理後の画像信号を図10(c)、(d)に示す。巡回濾波における移動方向の画素の重み係数を小さくするに従い擬似残光が広く引き伸ばされる様子がわかる。一方、図10(e)、(f)は、それぞれの差分領域を表しているが、1フィールド期間における動きが速いほど差分領域の水平方向の幅が広くなる様子がわかる。したがって、動き速度算出部351は差分領域の水平幅を検出してこれを動きの速さとし、重み係数算出部352は動きが大きいほど進行方向の画素の重み係数を小さくするように巡回濾波の重み係数を制御することにより、動きの速さに応じた疑似残光を作成している。
【0040】
なお、実施の形態1〜4では、発光材料として画像表示パネルに用いられている蛍光体のうち、緑の蛍光体の残光時間が最も長く、続いて赤の残光時間が長く、青の残光時間が最も短いものとして説明したが、各々の発光材料の残光時間の長さは上記に限られるものではない。
【0041】
また、実施の形態1についてのみ、デジタル信号処理集積回路を用いた回路構成を示したが、実施の形態2、3、4についてもデジタル信号処理集積回路を用いた構成は可能である。
【0042】
さらに、実施の形態1〜4では、赤の画像信号、青の画像信号等、原色信号に基づき擬似残光を作成し、それをもとの原色信号に付加したが、輝度信号に基づき擬似残光を作成し、それを赤の画像信号、青の画像信号等、原色信号に付加してもよい。この構成によれば、擬似残光付加手段が共用できるので、回路を簡素化することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、残光時間の短い発光材料に対応する画像信号に対して指数関数的に減少する擬似残光を付加することにより、視覚的に各色の画像の残光が等しくなり、その結果残光の色が原画像と同じになるので違和感を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は本発明における画像信号処理装置の擬似残光付加の方法について説明する図
【図2】本発明の実施の形態1における画像信号処理装置の機能ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における画像信号処理装置の擬似残光付加手段の機能ブロック図
【図4】(a)、(b)は本発明の実施の形態1における画像信号処理装置の加重和係数テーブルの一例を示す図(c)〜(f)は本発明の実施の形態1における画像信号処理装置の画像信号処理方法の一例を説明するための図
【図5】本発明の実施の形態1における画像信号処理装置の回路の一例を示す図
【図6】本発明の実施の形態2における画像信号処理装置の機能ブロック図
【図7】(a)〜(c)は本発明の実施の形態2における画像信号処理装置の画像信号処理方法の一例を説明するための図
【図8】本発明の実施の形態3における画像信号処理装置の機能ブロック図
【図9】本発明の実施の形態3における画像信号処理装置の巡回濾波部の回路の一例を示す図
【図10】(a)〜(d)は本発明の実施の形態3における画像信号処理装置の画像信号処理方法の一例を説明するための図
【図11】本発明の実施の形態4における画像信号処理装置の機能ブロック図
【図12】(a)〜(f)は本発明の実施の形態4における表示パターンの動き速度と差分領域の水平幅の関係を説明する図
【符号の説明】
10 画像信号処理装置
100 画像信号
110 A/D変換器
120 LSI
130 外部メモリ
140 PDPドライバ
150 PDPパネル
210 遅延手段
220 擬似残光付加手段
300 画像信号
310 差分領域検出手段
311 1フィールド遅延部
312 差分画像部
313 2値化部
314 細線化処理部
315 太線化処理部
320 伸長画像作成手段
321 2次元LPF部
322 加重和係数テーブル
323,324,325,326 巡回濾波部
327 最大値選択部
328 係数テーブル
330 画像合成手段
351 動き速度算出部
352 重み係数算出部

Claims (5)

  1. 残光時間が異なる複数種の発光材料を有するカラー画像表示パネルを駆動するための画像信号処理装置であって、
    少なくとも残光時間の短い発光材料に対応する画像信号に擬似残光信号を付加するための擬似残光付加手段を備え、
    前記擬似残光付加手段は、
    前フィールド画像信号と現フィールド画像信号との差分に基づき前記擬似残光信号を付加すべき差分領域を検出する差分領域検出手段と、
    前記現フィールド画像信号を2次元低域濾波することにより前記擬似残光信号を含む伸長画像信号を作成する伸長画像作成手段と、
    前記現フィールド画像信号と前記伸長画像信号とを合成し前記擬似残光信号を前記現フィールド画像信号に付加する画像合成手段と
    を有することを特徴とする画像信号処理装置。
  2. 前記差分領域検出手段は、
    画像信号を1フィールド分遅延し前記前フィールド画像信号を作成する1フィールド遅延部と、
    前記前フィールド画像信号と前記現フィールド画像信号との差分画像を求める差分画像部と、
    前記差分画像を前記発光材料の残光特性により決まるしきい値に基づいて2値化することにより前記しきい値以上の画素を取り出す2値化部と、
    前記2値化部で取り出された画素の中から2値化された画素領域の境界画素を取り除く細線化処理部と、
    前記細線化処理部で取り除かなかった画素領域の境界に沿って新たに画素を付け加える太線化処理部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。
  3. 前記伸長画像作成手段は、
    前記現フィールド画像信号を水平方向あるいは垂直方向の少なくともいずれかの方向に巡回濾波する巡回濾波部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像信号処理装置。
  4. 前記伸長画像作成手段は、
    前記差分領域に基づき擬似残光信号を付加すべき画像パターンの動き速度を算出する動き速度算出部と、
    前記動き速度算出部によって算出された速度に基づき前記巡回濾波部の重み係数を決定する重み係数算出部と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の画像信号処理装置。
  5. 請求項1から請求項4に記載のいずれかの画像信号処理装置を用いた画像表示パネル駆動装置。
JP2002293871A 2002-10-07 2002-10-07 画像信号処理装置およびそれを用いた画像表示パネル駆動装置 Expired - Fee Related JP4042515B2 (ja)

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