JP2001231038A - 画像圧縮装置 - Google Patents

画像圧縮装置

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JP2001231038A JP2000041480A JP2000041480A JP2001231038A JP 2001231038 A JP2001231038 A JP 2001231038A JP 2000041480 A JP2000041480 A JP 2000041480A JP 2000041480 A JP2000041480 A JP 2000041480A JP 2001231038 A JP2001231038 A JP 2001231038A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像圧縮におけるモスキートノイズ等による
障害を軽減する。 【解決手段】 入力端子1に供給される映像信号はロー
パスフィルター2を通じて出力端子3に取り出される。
また、入力端子1に供給される映像信号が輝度絶対値パ
ラメータの検出回路4と、輝度変化パラメータの検出回
路5と、高周波成分パラメータの検出回路6とに供給さ
れ、それぞれ0〜1の値に変化するパラメータが取り出
される。さらにこれらの各パラメータが乗算器7に供給
され、この乗算器7で互いに掛け合わされた乗算値がフ
ィルターリミッター回路8に供給されて乗算値が所定の
範囲に制限される。そしてこのフィルターリミッター回
路8からの乗算値が上述のローパスフィルター2の制御
端子に供給される。これによって入力映像信号の高域が
輝度絶対値/輝度変化/高周波成分のパラメータに基づ
いて適応的に制限される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばMPEG
(Moving Picture codingExp
erts Group)−2方式を用いて映像信号を圧
縮する際に使用して好適な画像圧縮装置に関する。詳し
くは、画像圧縮装置において映像信号を圧縮する際に生
じるいわゆるモスキートノイズ等による障害を良好に軽
減できるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】例えばMPEG−2方式を用いる画像圧
縮において、伝送のビットレートが不足するときには、
圧縮過程で映像信号の高周波成分のデータを削除するこ
とが行われる。ところがこのように高周波成分が削除さ
れると、例えば画像のエッジ部分にいわゆるモスキート
ノイズと呼ばれる障害が発生する。そこでこのような障
害に対する対策としては、例えば伝送のビットレートを
上げる方法と、画像の高周波成分を削減して圧縮時に削
除される高周波成分を予め減らしておく方法とが考えら
れる。
【0003】しかし伝送のビットレートを上げることに
はシステム上の限界値があるため、通常はローパスフィ
ルター等により元の画像の高周波成分を削減する方法が
採られる。そしてこのようなローパスフィルター等を用
いる方法では、さらに画像の先鋭度の低下を防ぐため
に、ノイズの出やすい箇所に適応的にフィルターを掛け
ることも行われている。ところがこのように適応的にフ
ィルターを掛ける手段として、例えば圧縮の際により多
くのビットの発生する箇所により強くフィルターを掛け
る方法では、特に高周波成分の多い場所ほどローパスフ
ィルターが強く掛かることになって見た目の先鋭度が落
ちてしまう。
【0004】すなわち例えば本願出願人が先に提案した
特開平9−298753号公報に開示された技術では、
MPEG−2方式における動き補償によるビット削減を
行う際に、削減量の少ない箇所、つまり動き補償し難い
箇所により強くフィルターを掛けている。しかしこの方
法では、高周波成分の多い場所ほどローパスフィルター
が強く掛かることになって見た目の先鋭度が落ちてしま
う。また、画像の動きの激しい場所では、本来ならモス
キートノイズが発生しても目立たないものであるが、上
述の方法では差分データが大きく出るために不要なロー
パスフィルターが強く掛かってしまうことになる。
【0005】さらに、上述の動き補償によるビット削減
を行う際の削減量の少ない箇所を検出する場合に、上述
の公報に開示された技術では、例えばMPEG−2で行
われる動き補償と同等の回路を独立に設けて行ってい
る。しかしながらこのような動き補償には非常に大規模
な回路が必要とされるものであり、このため例えばこの
装置を集積回路(IC)化する際には、集積されるゲー
ト数が極めて多くなって容易に集積回路化を実現するこ
とができないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この出願はこのような
点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問
題点は、例えばローパスフィルターを適応的に用いて画
像圧縮におけるいわゆるモスキートノイズ等による障害
を軽減する場合に、従来の手段では、適応の条件によっ
ては不要なローパスフィルターが強く掛かることがあ
り、モスキートノイズ等による障害を良好に軽減するこ
とができなかったというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明において
は、入力映像信号を分割のブロックごとに処理して任意
のパラメータを作成し、この作成したパラメータを用い
てローパスフィルターの特性を制御するようにしたもの
であって、これによれば、ローパスフィルターの特性が
画面の条件に応じて最適に制御され、画像圧縮における
モスキートノイズ等による障害を良好に軽減することが
できる。
【0008】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、画像をブロッ
クに分割してそのブロックごとにデータ圧縮を行う画像
圧縮装置であって、入力端に設けられて画像を形成する
入力映像信号の高域を制限するためのローパスフィルタ
ーと、入力映像信号を分割のブロックごとに処理して少
なくとも輝度絶対値及び/または輝度変化及び/または
高周波成分のパラメータを作成するパラメータ作成手段
と、この作成されたパラメータを用いてローパスフィル
ターの特性を制御する制御手段とを設けてなるものであ
る。
【0009】ところで例えばMPEG−2による圧縮画
像を観察すると、いわゆるモスキートノイズの発生の仕
方として、 ・非常に明るい場所、非常に暗い場所ではモスキートノ
イズは見え難い。 ・動きのない場所、動きの激しい場所ではモスキートノ
イズは見え難い。 ことが判明した。また、高周波成分の多い場所ではロー
パスフィルターを掛けると感覚的に実際以上に画面が鈍
った感じを与え易い。
【0010】そこで本発明においては、入力映像信号の
特定の大きさを持ったブロック(例えば垂直方向4画
素、水平方向16画素)について、 ・画面の明るさの平均が中間値である。 ・前画面との差分値の平均が中間値である。 ・高周波成分の平均がある値以下である。 の3つの条件を満たす場合にのみ、適応的にローパスフ
ィルターを掛けるようにする。これによればローパスフ
ィルターの特性が条件に応じて最適に制御され、モスキ
ートノイズ等による障害を良好に軽減することができ
る。
【0011】なお、上述の3つの条件によるパラメータ
でローパスフィルターの制御係数を計算していると、例
えば画面全体が条件を満たした場合に画面全体にローパ
スフィルターが強く掛かってしまう。これは、高周波成
分の多い場所でフィルターが強く掛かるものではない
が、それ以外の場所でも広いエリアでフィルターが掛か
るとやはり画面の先鋭感が落ちてしまう。そこで本発明
においては、さらにパラメータの1画面内での総和を計
算し、その値が一定値以上になったら全体的にフィルタ
ーの制御係数を下げるようなリミッター処理を付加す
る。
【0012】以下、図面を参照して本発明を説明する
に、図1は本発明を適用した画像圧縮装置の一実施形態
の要部の構成を示すブロック図である。なお、図1は画
像圧縮装置の入力端に設けられるプリフィルターの構成
を示し、この構成の後段には、図示されていないが画像
圧縮のための回路が設けられるものである。そしてこの
図1において、まず入力端子1に供給される映像信号は
ローパスフィルター2を通じて出力端子3に取り出され
ている。
【0013】それと共に、入力端子1に供給される映像
信号が輝度絶対値パラメータの検出回路4を形成する例
えば累算総和計算回路41に供給される。そしてこの累
算総和計算回路41では、例えば指定された期間内の各
画素の輝度レベルが累算される。さらにこの累算総和出
力がそのレベルに応じて0〜1の値に変換する係数計算
回路42に供給される。これによりこの係数計算回路4
2からは、0〜1の値に変化する輝度絶対値パラメータ
が取り出される。
【0014】また、入力端子1に供給される映像信号が
輝度変化パラメータの検出回路5を形成する例えば差分
回路51に供給される。この差分回路51では、1フィ
ールド前の信号との輝度の差分値が求められて、映像信
号の輝度変化が検出される。そしてこの差分値が例えば
累算総和計算回路52に供給されて、指定された期間内
の各画素の差分値が累算され、この累算総和出力がその
レベルに応じて0〜1の値に変換する係数計算回路53
に供給される。これによりこの係数計算回路53からは
0〜1の値に変化する輝度変化パラメータが取り出され
る。
【0015】また、入力端子1に供給される映像信号が
高周波成分パラメータの検出回路6を形成する例えばハ
イパスフィルター61に供給される。このハイパスフィ
ルター61では、映像信号の高周波成分が検出される。
そしてこの高周波成分が例えば累算総和計算回路62に
供給されて、指定された期間内の映像信号の高周波成分
が累算され、この累算総和出力がそのレベルに応じて0
〜1の値に変換する係数計算回路63に供給される。こ
れによりこの係数計算回路53からは0〜1の値に変化
する高周波成分パラメータが取り出される。
【0016】さらにこれらの検出回路4〜検出回路6か
らの各パラメータが乗算器7に供給され、この乗算器7
で互いに掛け合わされた乗算値がフィルターリミッター
回路8を形成する例えば乗算器81に供給される。ま
た、この乗算器81からの乗算値が累算総和計算回路8
2に供給されて指定された期間内の乗算値が累算され、
この累算総和出力がそのレベルに応じて0〜1の値に変
換する係数計算回路83に供給される。そしてこの係数
計算回路83の出力が乗算器81に供給される。これに
よりこの乗算器81からの乗算値が所定の範囲に制限さ
れる。
【0017】そしてこのフィルターリミッター回路8の
乗算器81からの乗算値が上述のローパスフィルター2
の制御端子に供給される。これによってこの図1の回路
においては、入力映像信号が処理されて少なくとも輝度
絶対値及び/または輝度変化及び/または高周波成分の
パラメータが作成され、この作成されたパラメータを用
いて入力映像信号の高域を制限するためのローパスフィ
ルターの特性が制御される。
【0018】従ってこの実施形態において、入力映像信
号を分割のブロックごとに処理して任意のパラメータを
作成し、この作成したパラメータを用いてローパスフィ
ルターの特性を制御することによって、ローパスフィル
ターの特性が画面の条件に応じて最適に制御され、画像
圧縮におけるモスキートノイズ等による障害を良好に軽
減することができる。
【0019】これによって、例えばローパスフィルター
を適応的に用いて画像圧縮におけるいわゆるモスキート
ノイズ等による障害を軽減する場合に、従来の手段で
は、適応の条件によっては不要なローパスフィルターが
強く掛かることがあり、モスキートノイズ等による障害
を良好に軽減することができなかったものを、本発明に
よればこれらの問題点を容易に解消することができるも
のである。
【0020】なお、上述の実施形態で、輝度変化パラメ
ータの検出回路5に設けられる差分回路51での差分値
の計算は、1フィールド前の信号との差分で計算するも
のであるが、単純なフィールド間の差分計算では画像の
垂直位置が変わってしまうので、垂直方向のフィルター
を用いて画像位置を合わせた上で差分値を求めることと
する。また本発明をカメラシステム等に適用した場合
で、内部にノイズリダクション回路を持っているときに
は、そこで差分データの計算を行っているので、その結
果を利用することもできるものである。
【0021】さらに以下には、具体的な回路を用いて上
述の図1の回路を実現する場合の実施形態を説明する。
なお以下の説明では、映像信号の処理を例えば垂直4画
素ブロック単位で行うと共に、ハイパスフィルター及び
ローパスフィルターとして共に2次元フィルターを使用
する場合の構成を示している。そこで図2には、上述の
プリフィルターの全体の構成が示される。なおこの図2
は、上述の図1と同様に画像圧縮装置の入力端に設けら
れるプリフィルターの構成を示し、この構成の後段には
図示されていないが画像圧縮のための回路が設けられる
ものである。
【0022】この図2において、例えば前段装置(図示
せず)からの入力輝度(入力Y)、入力クロマ(入力
C)、上述の差分データ、マスタークロック(MC
K)、垂直同期(VD)、水平同期(HD)、フィール
ド判別(FLD)等の信号の供給される入力端子101
〜107が設けられる。そしてこの内の入力端子101
〜103に供給される入力輝度(入力Y)、入力クロマ
(入力C)、及び差分データの各信号がメモリーコント
ロール回路110を通じてランダムアクセスメモリー
(以下、RAMと略称する)111に記憶される。
【0023】このRAM111には、例えば5水平期間
(5H)の記憶容量が設けられる。そしてこのRAM1
11からメモリーコントロール回路110を通じて、例
えば遅延されていない輝度信号(Y0HDL)、1水平期間
(1H)遅延された輝度信号(Y1HDL)、2水平期間
(2H)遅延された輝度信号(Y2HDL)、3水平期間
(3H)遅延された輝度信号(Y3HDL)、4水平期間
(4H)遅延された輝度信号(Y4HDL)、5水平期間
(5H)遅延された輝度信号(Y5HDL)と、差分デー
タ、及び4水平期間(4H)遅延されたクロマ信号(C
4HDL)が取り出される。
【0024】さらにこのRAM111からメモリーコン
トロール回路110を通じて取り出された1〜4水平期
間(1〜4H)遅延された輝度信号(Y1HDL〜Y4HDL
が輝度絶対値パラメータの計算回路112に供給され
る。また、差分データが輝度変化パラメータの計算回路
113に供給される。さらに0〜5水平期間(0〜5
H)遅延された輝度信号(Y0HDL〜Y5HDL)が高周波成
分パラメータの計算回路114に供給される。そしてこ
れらの計算回路112〜114からの信号が積算処理回
路115を通じてリミッター処理回路116に供給され
る。
【0025】また、上述の3〜5水平期間(3〜5H)
遅延された輝度信号(Y3HDL〜Y5H DL)がローパスフィ
ルター処理回路117に供給される。そしてこの処理回
路117では、上述の供給された輝度信号が2次元のロ
ーパスフィルター118に供給され、このローパスフィ
ルター118の出力と4水平期間(4H)遅延された輝
度信号(Y4HDL)とがそれぞれ乗算器119、120に
供給される。さらに上述のリミッター処理回路116か
らの信号が乗算器119、120に供給され、これらの
乗算器119、120からの信号が加算器121で加算
される。
【0026】これによってローパスフィルター118の
出力信号と元の信号とがリミッター処理回路116から
の信号に応じて任意に加算され、周波数特性の任意に制
御された信号が形成される。そしてこの信号がローパス
フィルター処理回路117の出力信号として取り出され
る。さらに上述の入力端子104〜107に供給された
マスタークロック(MCK)、垂直同期(VD)、水平
同期(HD)、フィールド判別(FLD)の各信号がそ
れぞれタイミングコントロール回路122に供給され
て、上述の各回路の動作タイミングの制御が行われる。
【0027】そして上述のローパスフィルター処理回路
117の出力信号が出力輝度(出力Y)の出力端子12
3に供給されると共に、上述のRAM111からメモリ
ーコントロール回路110を通じて取り出された4水平
期間(4H)遅延されたクロマ信号(C4HDL)が出力ク
ロマ(出力C)の出力端子124に取り出される。ま
た、タイミングコントロール回路122から取り出され
る垂直同期(VD)、水平同期(HD)、フィールド判
別(FLD)の各信号がそれぞれ出力端子125〜12
7に取り出される。
【0028】次に、図2のプリフィルターを構成する各
回路について詳細に説明する。まず図3には、上述の輝
度絶対値パラメータの計算回路112の詳細を示す。こ
の図3において、上述の1〜4水平期間(1〜4H)遅
延された輝度信号(Y1HDL〜Y4HDL)が入力端子201
〜204に供給される。さらに垂直同期(VD)及び水
平同期(HD)の各信号が入力端子205、206を通
じてタイミングパルス発生回路207に供給されて、例
えば水平方向に16画素で形成されるブロックの開始位
置及び終了位置を示す制御信号が形成される。
【0029】そしてこの入力端子201〜204に供給
された輝度信号(Y1HDL〜Y4HDL)が加算器208に供
給される。この加算器208では、上述のタイミングパ
ルス発生回路207からのブロックの開始位置を示す制
御信号で値がクリアされ、その後の供給される輝度信号
(Y1HDL〜Y4HDL)が互いに加算されると共に、この加
算値が水平方向に16画素の期間に亙って累算される。
そしてこの加算結果がラッチ回路209に供給され、上
述のタイミングパルス発生回路207からのブロックの
終了位置を示す制御信号でラッチが行われる。
【0030】さらにこのラッチ回路209にラッチされ
た加算結果が除算処理回路210に供給されて平均値が
求められる。なおこの場合に、加算された値の個数は6
4個であるので、例えば加算値が2進数で得られている
場合にはこの値を6ビット下位にシフトすることで式
〔÷64〕の除算を行うことができる。そしてこの除算
処理された値が他の回路とのタイミングを調整する所定
のディレイ回路211に供給され、例えば4水平期間遅
延された時点を基準としてタイミングの調整された値が
輝度絶対値パラメータとして出力端子212に取り出さ
れる。
【0031】なお図4には、上述の輝度絶対値パラメー
タの計算回路112の動作を説明するためのタイミング
チャートを示す。この図4において、水平同期(HD)
信号に対して1〜4水平期間(1〜4H)遅延された輝
度信号(Y1HDL〜Y4HDL)の各画素データ(D00
01、D02・・・)が図示のように供給される。ここで
これらの画素データは、それぞれ同じサフィックスの各
データが垂直方向の4画素に相当しているものである。
そしてこれらの画素データの16個ごとにブロック開始
位置パルスが形成される。
【0032】さらにこれらの画素データが各画素のタイ
ミングごとに加算器208で加算されて加算器出力が取
り出される。なおこの加算器出力は、上述のブロック開
始位置パルスから所定時間遅延された左側の破線矢印の
タイミングでクリアされると共に、各画素のタイミング
ごとに順次前の値に累算されたものである。これによっ
てクリアされた後の16画素目のタイミングで64個の
画素の値の合計が加算器出力に取り出される。そしてこ
の加算器出力がラッチ回路209に供給され、図中の右
側の破線矢印のタイミングでラッチ出力が取り出され
る。
【0033】このようにして、例えば1画面の中で垂直
方向4画素、水平方向16画素のブロックを構成する6
4個の画素の輝度の値を合計したラッチ出力が形成され
る。そしてこの値に対して、上述の除算処理回路210
での式〔÷64〕の除算(ビットシフト)が行われて輝
度の平均値が取り出され、さらにこの平均値がディレイ
回路211に供給されて他の回路とのタイミングを調整
するために所定時間遅延されて、例えば上述の図1に示
した累算総和計算回路41に相当する回路からの輝度絶
対値パラメータとして出力端子212に取り出されるも
のである。
【0034】また図5には、上述の輝度変化パラメータ
の計算回路113の詳細を示す。この図5において、上
述の差分データが入力端子301に供給される。この差
分データとしては、例えば上述のカメラシステム等に適
用される場合には、ノイズリダクション回路(図示せ
ず)等での計算結果を利用することができる。さらに垂
直同期(VD)及び水平同期(HD)の各信号が入力端
子302、303を通じてタイミングパルス発生回路3
04に供給されて、例えばブロックの端部を示す制御信
号と、水平方向のアドレスが形成される。
【0035】そしてこの入力端子301に供給された差
分データが加算器305に供給される。それと共にタイ
ミングパルス発生回路304からの制御信号が加算器3
05に供給されて、水平方向の各画素ごとに供給される
差分データがブロック内の16画素分について加算され
る。また、この加算結果が例えば水平方向のブロックの
数の相当する45個のデータ保存回路310〜354に
供給される。それと共にタイミングパルス発生回路30
4からの水平方向のアドレスがデータ保存回路310〜
354に供給される。
【0036】これによって、各ブロックごとの加算器3
05からの加算結果が順次各データ保存回路310〜3
54に保存される。さらにこれらのデータ保存回路31
0〜354では、各水平期間ごとに対応するブロックに
おける加算器305からの加算結果が累算される。こう
して各データ保存回路310〜354では、それぞれ例
えば4水平期間ごとに、上述の例えば1画面の中で垂直
方向4画素、水平方向16画素のブロックを構成する6
4個の画素の差分データを合計した計算結果の値が形成
される。
【0037】さらにこれらのデータ保存回路310〜3
54に形成された加算結果がセレクト回路306に供給
される。またこのセレクト回路306には上述のタイミ
ングパルス発生回路304からの制御信号及び水平方向
のアドレスが供給される。これにより、このセレクト回
路306からはデータ保存回路310〜354に形成さ
れた各ブロックの加算結果が順次取り出される。そして
この加算結果が例えばビットシフトによって式〔÷6
4〕の除算を行うと共に、タイミングを調整する除算・
ディレイ調整回路307に供給される。
【0038】これによって、例えば1画面の中で垂直方
向4画素、水平方向16画素のブロックを構成する64
個の画素の差分データを合計した加算結果が形成され
る。そしてこの値に対して、除算・ディレイ調整回路3
07では、例えば式〔÷64〕の除算により平均値が求
められると共に、他の回路とのタイミングを調整するた
めに遅延が行われる。こうして各ブロックごとの差分デ
ータが平均化され、例えば4水平期間遅延された時点を
基準としてタイミングの調整された値が輝度変化パラメ
ータとして出力端子308に取り出される。
【0039】なお図6には、上述の輝度変化パラメータ
の計算回路113の動作を説明するためのタイミングチ
ャートを示す。この図6において、水平同期(HD)信
号に対して差分データが図示のように供給される。この
差分データが順次加算器305で加算されると共に、こ
の加算器305は例えば水平方向の1ブロックに相当す
る16画素ごとにクリアされる。これによってこのクリ
アの直前には、それぞれ1ブロックを構成する1水平期
間分の16画素の差分データが加算され、この加算器出
力が図中に破線矢印で示すように取り出される。
【0040】この加算器出力が順次データ保存回路31
0〜354に保持される。またこれらのデータ保存回路
310〜354では、それぞれ保持された値が各水平期
間ごとに順次累算されると共に、例えば垂直方向の1ブ
ロックに相当する4水平期間ごとに0クリアされる。こ
れによって各データ保存回路310〜354には、それ
ぞれ垂直方向4画素、水平方向16画素のブロックを構
成する64個の画素の差分データを合計した加算結果が
形成され、これらの加算結果が図示のようにラッチ出力
1、ラッチ出力2・・・として出力される。
【0041】そして例えば各ブロックを形成する4番目
の水平期間において、各データ保存回路310〜354
には、水平方向に並んだ1列の45個の各ブロックの差
分データを合計した加算結果が形成され、これらの各ブ
ロックの加算結果が順次セレクト回路306で選択され
て、図示のようにセレクタ出力として取り出される。さ
らにこの値に対して、上述の除算・ディレイ調整回路3
07での除算及び遅延が行われて、例えば上述の図1に
示した累算総和計算回路52に相当する回路からの輝度
変化パラメータとして出力端子308に取り出されるも
のである。
【0042】また図7には、上述の高周波成分パラメー
タの計算回路114の詳細を示す。この図7において、
0〜5水平期間(0〜5H)遅延された輝度信号(Y
0HDL〜Y5HDL)が入力端子401〜406に供給され
る。さらに垂直同期(VD)及び水平同期(HD)の各
信号が入力端子407、408を通じてタイミングパル
ス発生回路409に供給されて、例えば水平方向に16
画素で形成されるブロックの開始位置及び終了位置を示
す制御信号が形成される。
【0043】そして上述の入力端子401〜403に供
給される輝度信号(Y0HDL〜Y2HDL)が垂直方向のハイ
パスフィルター410に供給される。さらに入力端子4
02〜404、403〜405及び404〜406に供
給される輝度信号(Y1HDL〜Y3HDL)、(Y2HDL〜Y
4HDL)及び(Y3HDL〜Y5HDL)がそれぞれ垂直方向のハ
イパスフィルター411、412及び413に供給され
る。そしてこれらのハイパスフィルター410〜413
では、それぞれ供給される3水平期間の信号を用いて垂
直方向のハイパスフィルター処理が行われる。
【0044】また入力端子402に供給される輝度信号
(Y1HDL)が水平方向のハイパスフィルター414に供
給される。さらに入力端子403、404、405に供
給される輝度信号(Y2HDL、Y3HDL、Y4HDL)がそれぞ
れ水平方向のハイパスフィルター415、416、41
7に供給される。そしてこれらのフィルター414〜4
17では、それぞれ水平方向の3画素を順次取り出し計
算処理することで水平方向のハイパスフィルターの処理
が行われる。なおここで水平方向、垂直方向の処理を別
々に行うのは、例えば入力画像が水平または垂直な直線
であった場合でも高周波成分を取り出せるようにするた
めである。
【0045】そしてこれらのハイパスフィルター410
〜417からの信号が加算処理回路418に供給され、
タイミングパルス発生回路409からの制御信号に従っ
て、例えば各ブロックごとに垂直方向4画素、水平方向
16画素の64個のハイパスフィルター出力を合計した
加算結果が形成される。また、この加算結果が除算処理
回路419で例えば式〔÷64〕の除算が行われて平均
値が求められ、この平均値が例えば上述の図1に示した
累算総和計算回路62に相当する回路からの高周波成分
パラメータとして出力端子420に取り出される。
【0046】このようにして上述の出力端子212、3
08及び420には、それぞれ例えば図1に示した累算
総和計算回路41、52及び62に相当する回路からの
輝度絶対値パラメータ、輝度変化パラメータ及び高周波
成分パラメータが取り出される。そしてこれらのパラメ
ータに対しては、さらにそのレベルに応じた重み付けが
行われる。ここでこれらの重み付けは、例えば図1に示
した係数計算回路42、53、63に相当する回路で、
パラメータを0〜1の値に変換する際に、その変換のパ
ターンをレベルに応じて設定することによって行われ
る。
【0047】すなわち図8は、上述の積算処理回路11
5の詳細を示す。なおこの回路は、例えば上述の図1に
示した係数計算回路42、53、63及び乗算器7に相
当するものである。この図8において、上述の出力端子
212からの輝度絶対値パラメータが入力端子501に
供給される。また、出力端子308からの輝度変化パラ
メータが入力端子502に供給される。さらに出力端子
420からの高周波成分パラメータが入力端子503に
供給される。そしてこれらの入力端子501〜503か
らの信号がそれぞれ係数計算回路504〜506に供給
される。
【0048】また、例えば入力端子507には輝度絶対
値パラメータに対応する条件設定値が供給される。そし
てこの条件設定値が高レベル側の閾値(Vth)の計算回
路508と低レベル側の閾値(Vth)の計算回路509
とに供給され、計算された値が係数計算回路504に供
給されて、例えば図9のAに示すような変換パターンが
形成される。これにより入力されるパラメータの値を横
軸(0〜256)にして、縦軸に示す値0〜1の輝度絶
対値係数への変換が行われ、輝度絶対値パラメータは例
えば値A1を頂点としてA2〜A3の範囲でのみ有効と
される。
【0049】さらに入力端子510には輝度変化パラメ
ータに対応する条件設定値が供給される。そしてこの条
件設定値が高レベル側の閾値(Vth)の計算回路511
と低レベル側の閾値(Vth)の計算回路512とに供給
され、計算された値が係数計算回路505に供給され
て、例えば図9のBに示すような変換パターンが形成さ
れる。これにより入力されるパラメータの値を横軸(0
〜256)にして、縦軸に示す値0〜1の輝度変化係数
への変換が行われ、輝度絶対値パラメータは例えば値B
1を頂点としてB2〜B3の範囲でのみ有効とされる。
【0050】また、入力端子513には高周波成分パラ
メータに対応する条件設定値が供給される。そしてこの
条件設定値が高レベル側の閾値(Vth)の計算回路51
4に供給され、計算された値が係数計算回路506に供
給されて、例えば図9のCに示すような変換パターンが
形成される。これにより入力されるパラメータの値を横
軸(0〜256)にして、縦軸に示す値0〜1の高周波
成分係数への変換が行われ、高周波成分パラメータは任
意の高い値の範囲が削除され、高周波成分が所定の値以
上存在する場合に無効とされる。
【0051】さらにこれらの係数計算回路504〜50
6で0〜1の値に変換されたパラメータが積算処理回路
515に供給されて互いに乗算され、乗算された値がこ
の回路のパラメータ出力として出力端子516に取り出
される。なお、上述の構成では回路を簡略化するために
変換パターンを直線で構成しているが、例えばリードオ
ンリーメモリー等による変換テーブルにそれぞれの変換
値を記憶させて、詳細な設定を行うことも可能である。
このようにして、例えば図1に示したローパスフィルタ
ー2の特性を制御するための合成パラメータが形成され
る。
【0052】ところで上述の3つの条件によるパラメー
タでローパスフィルターの制御係数を計算していると、
例えば画面全体が条件を満たした場合に画面全体にロー
パスフィルターが強く掛かってしまう。これは、高周波
成分の多い場所でフィルターが強く掛かるものではない
が、それ以外の場所でも広いエリアでフィルターが掛か
るとやはり画面の先鋭感が落ちてしまう。そこでこの実
施形態においては、さらにパラメータの1画面内での総
和を計算し、その値が一定値以上になったら全体的にフ
ィルターの制御係数を下げるようなリミッター処理を付
加する。
【0053】すなわち図10には、上述のリミッター処
理回路116の詳細を示す。この図10において、上述
の出力端子517に取り出された合成パラメータが入力
端子601に供給され、この入力端子601に供給され
た合成パラメータが積算処理回路602を通じて出力端
子603に取り出される。それと共に、入力端子601
に供給された合成パラメータが1フィールド分の係数加
算回路604に供給され、この加算結果が加算結果の保
存と除算回路605に供給される。また、この除算回路
605には入力端子606からの垂直タイミングが供給
される。
【0054】これによって、供給された合成パラメータ
の1フィールドの平均値が求められる。さらにこの除算
回路605で求められた平均値がリミッター係数の計算
回路607に供給される。またこの計算回路607に
は、入力端子606からの垂直タイミングと入力端子6
08からのリミッター設定値が供給される。そしてこの
計算回路607からは、通常は値1にされると共に、例
えば除算回路604で求められた平均値が所定値以上に
なったときには値1より小さくなるようにしたリミッタ
ー係数が出力される。
【0055】さらにこの計算回路607からのリミッタ
ー係数が積算処理回路602に供給される。そして上述
の入力端子601に供給された合成パラメータにこのリ
ミッター係数が積算されることによって、例えば除算回
路605で求められた平均値が所定値以上になったとき
に出力端子603に取り出される制御パラメータが小さ
くされる。こうして例えば上述の図1に示したフィルタ
ーリミッター回路8のようにパラメータの1画面内での
総和を計算し、その値が一定値以上になったら全体的に
フィルターの制御係数を下げるリミッター処理が行われ
る。
【0056】また図11には、ローパスフィルター処理
回路117の詳細を示す。この図11において、入力端
子701〜703に供給される輝度信号(Y3HDL〜Y
5HDL)が垂直方向のローパスフィルター704を通じて
水平方向のローパスフィルター705に供給される。そ
してこのローパスフィルター705からの信号がフィル
ターコントロール部706を形成する乗算器707に供
給される。また入力端子702に供給される輝度信号
(Y4HDL)が遅延時間を調整するディレイ回路708を
通じて乗算器709に供給される。
【0057】一方、上述の出力端子603に取り出され
る制御パラメータが入力端子710に供給される。この
入力端子710に供給される制御パラメータがRAM7
11に供給される。また垂直同期(VD)と水平同期
(HD)とが入力端子712、713を通じてタイミン
グパルス発生回路714に供給され、この発生回路71
4で発生されたアドレス、クロック及びリード/ライト
信号がRAM711に供給される。これによってRAM
711では、入力端子710に供給される制御パラメー
タが順次所定のアドレスに記憶される。
【0058】そしてこのRAM711から読み出される
制御パラメータと、入力端子710に供給される制御パ
ラメータがセレクタ715に供給され、このセレクタ7
15での選択が発生回路714からの信号で切り換えら
れる。これによって、例えば上述のブロックを構成する
最初の水平期間には入力端子710からの制御パラメー
タが取り出され、その後の3水平期間はRAM711か
ら読み出される制御パラメータが取り出される。このよ
うにして各ブロックごとに所望の制御パラメータがセレ
クタ715から取り出される。
【0059】さらに、このセレクタ715から取り出さ
れる制御パラメータが乗算器707に供給されると共
に、この制御パラメータが値の反転(INV)及び値1
の加算(+1)を行う演算回路716を通じて乗算器7
09に供給される。そしてこれらの乗算器707、70
9からの信号が加算器717で加算される。これによっ
てこの加算器717からの信号は、制御パラメータの値
に応じて垂直、水平方向のローパスフィルター704、
705を通じた信号と元の輝度信号の割合が変化され、
制御パラメータが値1より小さくなるとフィルター効果
が減少される。
【0060】このようにして、入力端子710に供給さ
れる制御パラメータに応じてローパスフィルター70
4、705によるフィルター効果が制御される。そして
この制御されたフィルター処理の行われた輝度信号が出
力端子718に取り出される。こうしてこの回路におい
て、例えば上述の図1に示したローパスフィルター2の
ように、制御パラメータに応じて入力映像信号の高域を
制限するための特性の制御が行われて、例えば上述の特
定の大きさを持ったブロックについて、所定の条件を満
たす場合にのみ、適応的にローパスフィルターを掛けら
れる。
【0061】なお、図12には全体のタイミングチャー
トを示す。すなわち上述の装置において、例えば垂直同
期(VD)及び水平同期(HD)が図示のように形成さ
れ、入力輝度信号(Y0HDL)からはそれぞれ図示のよう
に水平期間(1〜5H)遅延された輝度信号(Y1HDL
5HDL)が形成され、これらの輝度信号(Y0HDL〜Y
5HDL)と1フィールド前の輝度信号(Y′)とから上述
の各パラメータが形成される。そして例えば輝度絶対値
パラメータは、輝度信号(Y0HDL〜Y3HDL)を用いて5
番目の水平期間(4HD)以降の4水平期間ごとに形成
される。
【0062】また、入力輝度信号(Y0HDL)と1フィー
ルド前の輝度信号(Y′)とから差分データが形成さ
れ、この差分データの4水平期間分ずつを用いて、例え
ば輝度変化パラメータが5番目の水平期間(4HD)以
降の4水平期間ごとに形成される。さらに高周波成分パ
ラメータは、輝度信号(Y0HDL〜Y5HDL)を用いて5番
目の水平期間(4HD)以降の4水平期間ごとに形成さ
れる。そしてこれらの輝度絶対値/輝度変化/高周波成
分の3パラメータが積算されて、任意のリミッター処理
された積算結果が形成される。
【0063】さらにこの積算結果が5番目の水平期間以
降の4水平期間ごとに取り出され、このコントロール係
数がRAMコントロールに従ってRAMに書き込み(W
RITE)がされると共に、このRAMは残りの3水平
期間に読み出し(READ)がされて、4水平期間のブ
ロックごとに変化するローパスフィルターのコントロー
ル係数が形成される。そしてこの形成されたコントロー
ル係数に従って、上述の輝度信号(Y4HDL)とローパス
フィルタ出力が加算されて、所望のローパスフィルタ処
理が適応的に掛けられた映像出力が取り出される。
【0064】従ってこの実施形態においても、入力映像
信号を分割のブロックごとに処理して任意のパラメータ
を作成し、この作成したパラメータを用いてローパスフ
ィルターの特性を制御することによって、ローパスフィ
ルターの特性が画面の条件に応じて最適に制御され、画
像圧縮におけるモスキートノイズ等による障害を良好に
軽減することができる。
【0065】これによって、例えばローパスフィルター
を適応的に用いて画像圧縮におけるいわゆるモスキート
ノイズ等による障害を軽減する場合に、従来の手段で
は、適応の条件によっては不要なローパスフィルターが
強く掛かることがあり、モスキートノイズ等による障害
を良好に軽減することができなかったものを、本発明に
よればこれらの問題点を容易に解消することができるも
のである。
【0066】なお上述の図5に示した輝度変化パラメー
タの計算回路113において、入力端子301に供給さ
れる差分データの値は絶対値化されている必要がある。
これは例えばブロックの半分が黒で半分が白であったよ
うな画面が次のフィールドで反転したような場合には、
本来なら非常に大きな変化であるにもかかわらず、符号
付きの差分データでは正負の数値になって加算すると値
0になってしまうためである。従って入力端子301に
符号付きの差分データが供給される場合には、入力端子
301の次に絶対値変換回路を設ける必要がある。
【0067】また、同様の理由で図7に示した高周波成
分パラメータの計算回路114においても、積算器b、
cからの積算値が加算絶対値化処理回路dに供給され
て、値の絶対値化が行われる。これも、例えばブロック
内に立ち上がりと立ち下がりのエッジが同等にあった場
合に、高周波成分が非常に多いのにもかかわらず加算結
果が小さくなってしまうのを防ぐためである。
【0068】こうして本願の発明によれば、・モスキー
トノイズの目立ちやすい箇所にのみ適応的にローパスフ
ィルターを掛けているので、より効果的にモスキートノ
イズを軽減することができる。・高周波成分の多いとこ
ろは基本的にフィルター処理が行われないため、ローパ
スフィルターを掛けているにも関わらず見た目の先鋭感
が損なわれない。・リミッターを持つことにより、どの
ような画面の場合でもローパスフィルターが強めに掛か
ることがなく、画面の先鋭感が損なわれることがない。
・MPEG−2による画像圧縮に使用する場合に、動き
ベクトルの計算処理を必要としないため、比較的小規模
な回路構成で実現できる。などの効果を奏することがで
きる。
【0069】なお本発明は、上述の説明した実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱するこ
となく種々の変形が可能とされるものである。
【0070】
【発明の効果】従って請求項1の発明によれば、入力映
像信号を分割のブロックごとに処理して任意のパラメー
タを作成し、この作成したパラメータを用いてローパス
フィルターの特性を制御することによって、ローパスフ
ィルターの特性が画面の条件に応じて最適に制御され、
画像圧縮におけるモスキートノイズ等による障害を良好
に軽減することができるものである。
【0071】また、請求項2の発明によれば、パラメー
タには、ブロックごとの映像信号の輝度レベルの絶対値
を検出した値を含み、輝度レベルの絶対値を検出した値
にそのレベルに応じた重み付けを施してローパスフィル
ターの特性を制御することによって、モスキートノイズ
の見え難い非常に明るい場所及び非常に暗い場所でフィ
ルターが強く掛かりすぎる問題を解決することができる
ものである。
【0072】また、請求項3の発明によれば、パラメー
タには、ブロックごとの映像信号の前の画面からの変化
を検出した値を含み、前の画面からの変化を検出した値
にそのレベルに応じた重み付けを施してローパスフィル
ターの特性を制御することによって、モスキートノイズ
の見え難い動きのない場所及び動きの激しい場所でフィ
ルターが強く掛かりすぎる問題を解決することができる
ものである。
【0073】また、請求項4の発明によれば、パラメー
タには、ブロックごとの映像信号の高周波成分のレベル
を検出した値を含み、高周波成分のレベルを検出した値
にそのレベルに応じた重み付けを施してローパスフィル
ターの特性を制御することによって、高周波成分の多い
場所ではローパスフィルターを掛けると感覚的に実際以
上に画面が鈍った感じを与え易い問題を解決することが
できるものである。
【0074】また、請求項5の発明によれば、パラメー
タには、ブロックごとの映像信号の輝度レベルの絶対値
を検出した値にそのレベルに応じた重み付けを施した値
と、ブロックごとの映像信号の前の画面からの変化を検
出した値にそのレベルに応じた重み付けを施した値と、
ブロックごとの映像信号の高周波成分のレベルを検出し
た値にそのレベルに応じた重み付けを施した値とを含
み、これらのパラメータを合成した値に応じてローパス
フィルターの特性を制御することによって、これらの条
件のときにフィルターが強く掛かりすぎる問題を解決す
ることができるものである。
【0075】さらに請求項6の発明によれば、パラメー
タを合成した値にそのレベルに応じた重み付けを施して
前記ローパスフィルターの特性を制御することによっ
て、例えば画面全体が条件を満たした場合に画面全体に
ローパスフィルターが強く掛かってしまう問題を解決す
ることができるものである。
【0076】これによって、例えばローパスフィルター
を適応的に用いて画像圧縮におけるいわゆるモスキート
ノイズ等による障害を軽減する場合に、従来の手段で
は、適応の条件によっては不要なローパスフィルターが
強く掛かることがあり、モスキートノイズ等による障害
を良好に軽減することができなかったものを、本発明に
よればこれらの問題点を容易に解消することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される画像圧縮装置の要部の一実
施形態の構成図である。
【図2】本発明の適用される画像圧縮装置を具体的な回
路を用いて実現する場合の実施形態の構成図である。
【図3】その輝度絶対値パラメータの計算回路の一実施
形態の構成図である。
【図4】その説明のための図である。
【図5】その輝度変化パラメータの計算回路の一実施形
態の構成図である。
【図6】その説明のための図である。
【図7】その高周波成分パラメータの計算回路の一実施
形態の構成図である。
【図8】そのパラメータの計算処理回路の一実施形態の
構成図である。
【図9】その説明のための図である。
【図10】そのリミッター処理回路の一実施形態の構成
図である。
【図11】そのローパスフィルター処理回路の一実施形
態の構成図である。
【図12】全体の処理の説明のための図である。
【符号の説明】
1…入力端子、2…ローパスフィルター、3…出力端
子、4…輝度絶対値パラメータの検出回路、41,5
2,62,82…累算総和計算回路、42,53,6
3,83…係数計算回路、5…輝度変化パラメータの検
出回路、51…差分回路、6…高周波成分パラメータの
検出回路、61…ハイパスフィルター、7,81…乗算
器、8…フィルターリミッター回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像をブロックに分割してそのブロック
    ごとにデータ圧縮を行う画像圧縮装置であって、 入力端に設けられて前記画像を形成する入力映像信号の
    高域を制限するためのローパスフィルターと、 前記入力映像信号を前記分割のブロックごとに処理して
    少なくとも輝度絶対値及び/または輝度変化及び/また
    は高周波成分のパラメータを作成するパラメータ作成手
    段と、 この作成されたパラメータを用いて前記ローパスフィル
    ターの特性を制御する制御手段と を設けることを特徴とする画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像圧縮装置において、 前記パラメータには、前記ブロックごとの映像信号の輝
    度レベルの絶対値を検出した値を含み、 前記輝度レベルの絶対値を検出した値にそのレベルに応
    じた重み付けを施して前記ローパスフィルターの特性を
    制御することを特徴とする画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像圧縮装置において、 前記パラメータには、前記ブロックごとの映像信号の前
    の画面からの変化を検出した値を含み、 前記前の画面からの変化を検出した値にそのレベルに応
    じた重み付けを施して前記ローパスフィルターの特性を
    制御することを特徴とする画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像圧縮装置において、 前記パラメータには、前記ブロックごとの映像信号の高
    周波成分のレベルを検出した値を含み、 前記高周波成分のレベルを検出した値にそのレベルに応
    じた重み付けを施して前記ローパスフィルターの特性を
    制御することを特徴とする画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の画像圧縮装置において、 前記パラメータには、前記ブロックごとの映像信号の輝
    度レベルの絶対値を検出した値にそのレベルに応じた重
    み付けを施した値と、前記ブロックごとの映像信号の前
    の画面からの変化を検出した値にそのレベルに応じた重
    み付けを施した値と、前記ブロックごとの映像信号の高
    周波成分のレベルを検出した値にそのレベルに応じた重
    み付けを施した値とを含み、 これらのパラメータを合成した値に応じて前記ローパス
    フィルターの特性を制御することを特徴とする画像圧縮
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の画像圧縮装置において、 前記パラメータを合成した値にそのレベルに応じた重み
    付けを施して前記ローパスフィルターの特性を制御する
    ことを特徴とする画像圧縮装置。
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