JP4041517B1 - アスベスト管切断重機アタッチメント、アスベスト管ラッピング装置、アスベスト管圧縮工法、及び埋設アスベスト管撤去工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アスベスト管3を切断するために、建設重機5のアーム7の先端に取り付けられるアタッチメントであって、開閉する暴露防止用のケーシング11を閉じた状態で、アスベスト管3を貫通した状態で配置し、ケーシング11内部のカッターチェーン27を駆動し、切断を行う。発生するアスベスト粉塵は、負圧ホース37を介してフィルター付き吸塵装置39へ送られる。
アスベスト管3は切断する前に、筒状フィルム61と、フィルター付きのキャップフィルム63とでラッピングされる。切断したアスベスト管3は、切断端部が、再びラッピングされ、横にされ複数本を上下に重ねられ、プレス装置81で上下に圧縮されボリュームを減らされ、最終処分場へ輸送される。
【選択図】図7
Description
また、特許文献5には、壁面のアスベストを回転するブラシで除去する装置が、ケーシングと集塵機を有する技術が記載される。
また、特許文献6には、アスベスト管の外部を補助管で覆い、間に充填材を充填し固化させ、その後に切断する技術が開示されます。
土中に埋設されたアスベスト管は、径が大きく、埋設距離も長く輸送時のボリュームが大きいことから、以上の問題は特に深刻である。
第三、第四、又は第五発明によれば、アスベスト管を切断又は圧縮する前に、アスベスト管を樹脂製の筒状フィルムで覆い、アスベスト管の両端部又は切断端部を、アスベストフィルターが設けられたキャップフィルムで覆うので、切断時又は圧縮時に、筒状フィルム及びキャップフィルムからなるラッピング内部の空気圧が高まるにもかかわらず、アスベスト粉塵の漏れなしに空気を逃がすことができ、ラッピングの破損を防止でき、アスベスト粉塵の飛散を防止できる。
[アスベスト管切断重機アタッチメント]
まず図5に示すように、この実施形態に係るアスベスト管切断重機アタッチメント1は、アスベスト管3を切断するために、建設重機5のアーム7の先端に取り付けられるアタッチメント1である。図6、図7に示すように、この切断のための閉じた空間9は、暴露防止用のケーシング11によって、形成される。ケーシング11は、全体がやや細長い箱形状をなし、ケーシング本体13と開閉ケーシング15とに分割される。開閉ケーシング15の背部には、開閉シリンダ17ーが設けられる。
図5に示すように、建設重機5のアーム7の先端には、もともと種々のアタッチメントが取り付けられるようになっていいる。すなわち、アタッチメントを首振り可能に取り付けるためのピン8、首振りシリンダ40、更にはこのシリンダ40の先端に取り付けられるリンク部材41が設けられる。リンク部材41は3点にピン42を有し、始めのピン42aにはシリンダ40の先端が連結し、2つ目のピン42bにはアーム7の先端が連結し、3つ目のピン42cにアタッチメントに連結する。このため、一般のアタッチメントには、二つのピン8、42cのための連結部が設けられる。
図5、図6に示すように、ケーシング本体13は、後端に、一般のアタッチメントとして必要な二つのピン8、42cのための連結部43、44が設けられる。また複数のシリンダ17、33に油圧を供給するために、圧力ホース7aの接続部45が設けられる。これら複数のシリンダ17、33を収納し、カッターチェーン27が前進後退動作するために、前後方向に細長い箱形状を有する。細長い箱形状は、後方が閉じ、前方は開口して開閉ケーシング15が設けられる。この開口の縁は、開閉時の分割ライン19を形成する。この分割ライン19には、貫通用孔21が分割された円弧状周縁部23が形成される。
開閉ケーシング15は、ケーシング11の箱形状の一部を形成し、開口した箱形状を有し、図示しない回動軸により回動して開閉動作を行う。開口の縁は、開閉時の分割ライン19を形成する。この分割ライン19には、貫通用孔21が分割された円弧状周縁部23が形成される。
開閉シリンダー17は、ケーシング11の外に配置され、後端がケーシング本体13の閉じた形状部分に取り付けられ、前端が開閉ケーシング15の背部に取り付けられる。
暴露防止用のパッキン25は、半円のリング状をなし、ケーシング本体13と開閉ケーシング15の円弧状周縁部に一体的に取り付けられる。そして、リング状の内周が、貫通した状態のアスベスト管3の側面に左右から接する。リング状の内周のサイズが異なる複数のものが備えられ、径の異なるアスベスト管3に対応して選ばれて取り付けられる。アスベスト管3の径は、例えば50cmから300cmである。暴露防止用のパッキン25の材質は、ウレタンゴムなどの柔らかい材質が使用される。暴露防止用のパッキン25の働きは、必ずしも密閉でなくてよく、所定の隙間は許される。ケーシング11内部の空気は、フィルター付き吸塵装置39により負圧にされ、隙間から空気が吸い込まれ、外部に出難いためである。
図7に示すように、カッターチェーン27は、ケーシング11内部に配置され、例えば鉄筋コンクリートなども切断できるICS(登録商標)ダイモチェーンソーが使用できる。このダイモチェーンソーは、鋼製チェーンの外側にコンクリート切断用のダイヤモンドチップが装着されている。
<駆動モーター29>
駆動モーター29は、ケーシング本体13の外に設けられ、回転軸がケーシング本体13の肉厚部を貫通して内部の駆動スプロケット47を回転し、駆動スプロケット47に噛み合うカッターチェーン27を駆動する。
支持プレート31は、ケーシング11内部に配置され、略三日月形形状を有し、略三日月形形状の先端側の円弧状の部分に沿ってレールが設けられ、カッターチェーン27がスライド移動可能に嵌合され、よって駆動可能に円弧状に支持される。この支持プレート31は、略三日月形形状の後側に前進後退用油圧シリンダー33が固定される。よってアスベスト管3に向かって前進後退動作がされる。前進後退用油圧シリンダー33は、全体がケーシング11内部に配置される。あるいは、油圧ロッド49の部分だけがケーシング11内部に配置され、シリンダ本体51はケーシング11外部に位置してもかまわない。
チェーンテンション用アブソーバー35は、先端に、テンション用のチェーンスプロケット53を有する。このチェーンスプロケット53が、カッターチェーン27の円弧状の後方で支持プレート31に支持されていない遊びの部分に、噛み合う。チェーンテンション用アブソーバー35は、常に後方へ引っ張る力を与えるので、支持プレート31及びカッターチェーン27の前進後退状態にかかわらず、カッターチェーン27に所定の張力を与えることができる。チェーンテンション用アブソーバー35は、全体がケーシング11内部に配置される。あるいは、カッターチェーン27の後退に伴い最も後退した状態で、テンションロッド55の部分だけがケーシング11内部に配置され、アブソーバー本体57はケーシング11外部に位置してもかまわない。
負圧ホース37は、負圧にかかわらず大気につぶされず、アーム7の動きに追随できる柔軟性を有する。このような耐圧性と柔軟性は、剛性のあるリング部材が多数用いられた蛇腹構造によってもたらされる。負圧ホース37は、2本設けられ、それぞれ一端はケーシング11の切断作業がなされる部位に接続される。他端はフィルター付き吸塵装置39に接続される。途中は、アーム7の動きに追随できるよう長手方向に余裕を持たせながら、アーム7や建設重機5の各部に、所定間隔で取り付けられる。
図5に示すように、フィルター付き吸塵装置39は、建設重機5のアーム7や運転席が設けられる回転部分に搭載される。あるいは、無限軌道が設けられる車体部分に搭載される。フィルター付き吸塵装置39は、アスベスト専用HEPAフィルターによって濾し取ったアスベスト粉塵を内部に溜めながら、安全な空気を外部に排出する。
図9に示すように、アスベスト管ラッピング装置59は、アスベスト管3を切断又は圧縮する前にラッピングする装置であり、アスベスト管3の長手方向に沿って側面を覆う樹脂製の筒状フィルム61と、端部を覆うキャップフィルム63とからなる。これらのフィルムは、プラスチック製、あるいはビニール製などである。筒状フィルム61は、図4に示すように巻かれてロール状になっており、端部から解いて、使用する。キャップフィルム63は、2枚の四角形のフィルムが重ねられ3方を閉じたもので、閉じていない開口縁部には、両面テープ65が貼り付けられ、筒状フィルム61と連通できるようになっている。
図1、図2、図3に示すように、埋設アスベスト管撤去工法は、土中に埋設されたアスベスト管3を撤去する工法であって、アスベスト管3のほぼ全面を露出させる管暴露工程と、アスベスト管3に散水する湿潤化工程と、アスベスト管3をラッピングするラッピング工程と、このラッピングしたアスベスト管3を切断する切断工程と、この切断したアスベスト管3を圧縮しボリュームを減らす圧縮工程と、アスベスト管3を最終処分場へ輸送する輸送工程と、からなる。
管暴露工程は、土中に埋設されたアスベスト管3の上面を油圧ショベルカーなどで掘削し(図2(A))、側面を作業員のショベルなどで掘削(図2(B)サイド堀)し、更に下面を作業員が掘る。このとき掘削溝69の側面を矢板71などで土留めする。そして、下面が掘られ、アスベスト管3の長手方向の一部が中空に位置すると、その部位に枕木73を敷く。枕木7は例えば管長手方向5m置きに敷く。このようにして、所定の長手方向一定距離毎に枕木73を敷いて、アスベスト管3のほぼ全面を露出(図2(C)管暴露)させる。
湿潤化工程は、露出したアスベスト管3に対し、作業員が水タンクのポンプに接続した散水ガンなどで散水して、行う(図2(D))。
ラッピング工程は、アスベスト管ラッピング装置59を用いる。すなわち、巻かれてロール状になった筒状フィルム61を端部から解いて筒状に戻し、アスベスト管3の端から長手方向に沿って被せる(図4)。このとき、アスベスト管3が枕木73と接しているところでは、筒状フィルム61を蛇腹状に集め、アスベスト管3をワイヤ75などを用いクレーン77などで持ち上げ(図3(E))、前記集めたところが、枕木73のところを通過させた後に、アスベスト管3を降ろす。
アスベスト管切断重機アタッチメント1を用いて、アスベスト管3が切断される(図3(F)、図5)。すなわち、建設重機5のアーム7の先端に、アスベスト管切断重機アタッチメント1を取り付け、ケーシング11を開き、貫通用孔21が分割された両円弧状周縁部23にアスベスト管3を配して、ケーシング11を閉じる。これにより、アスベスト管3はケーシング11に貫通した状態で配置される。その後に、駆動モーター29によりカッターチェーン27を駆動し、支持プレート31を前進させアスベスト管3を切断する。この切断時に発生するアスベスト粉塵は、負圧ホース37を介してフィルター付き吸塵装置39へ送られる。切断は、例えば管長手方向2、4m置きに行われる。
アスベスト管3の切断端部は、アスベスト管ラッピング装置59でラッピングする。すなわち、切断したアスベスト管3を取り出し((図3(G))管取出)、切断端部にキャップフィルム63が被せられ、両面テープ65により、既に被せられている筒状フィルム61と連通される(図9、キャッピング)。そして、ラッピングしたアスベスト管3を、クレーン77などで持ち上げる(図8)。このとき、老朽化したアスベスト管3はもろいので、保護シート79を下面に敷いて、保護シート79に開けられた孔にワイヤ75を通し、クレーン77で持ち上げる。そして、トレーラー80に積まれたプレス装置81に搬入し(図10)、横にし、複数本を上下に重ねる(図10(B)(C))。重ねたアスベスト管3をプレス装置81のプレスピストン81aで上下に圧縮する(図10(D)、プレス)。アスベスト管3の円断面はつぶされ、ボリュームが減る。81bは、アスベスト管3の径が小さい場合に、調整のために用いられる調整板である。
つぶされたアスベスト管3をクレーン77などで持ち上げ(図10(A)、搬出)、輸送用のトレーラー83に積む(積込)。このときも、保護シート79を下面に敷いて、保護シート79に開けられた孔にワイヤロープ75を通し、クレーン77で持ち上げる。そして、アスベスト管3を最終処分場へ輸送する。
この実施形態によれば、建設重機5のアーム7の先端に、アタッチメント1を取り付け、ケーシング11を開き、アスベスト管3を配して、ケーシング11を閉じれば、アスベスト管3はケーシング11に貫通した状態で配置され、暴露防止用のパッキン25の働きで、ケーシング11により形成される閉じた空間9は、十分に暴露防止される。その後に、駆動モーター29によりカッターチェーン27を駆動し、支持プレート31を前進させアスベスト管3を切断し、この切断時に発生するアスベスト粉塵は、負圧ホース37を介してフィルター付き吸塵装置39へ送られるので、アスベスト粉塵の飛散を防止して、カッターチェーン27により径の大きなアスベスト管3も高効率で切断できる。
更に、アスベスト粉塵の飛散を防止しながらアスベスト管3を圧縮できるので、ボリュームを減らせ、輸送費を抑えられる。
以上の実施形態では、機械刃カッター装置はカッターチェーン27によるものであったが、他の実施形態では、機械刃であればカッター107の種類は問わず、例えば大型鋏のような2枚刃でもかまわない。この2枚刃は、例えば一方の固定刃がケーシング本体13に固定され、他方の開閉刃がが開閉ケーシング15に固定される。また、ケーシング本体13と開閉ケーシング15の閉じる際の重なり代は十分に大きく設定される。そして閉じるに際しては、ケーシング本体13に対し開閉ケーシング15が閉じ、重なり代において更に深く閉じる動作において、はじめて固定刃に対して開閉刃が閉じ、切断を行う、という構造にすることができる。
以上の実施形態では、アスベスト管3は、土中に埋設されたものであったが、他の実施形態では、躯体に埋設されたものであっても、あるいは埋設されていない露出配管でも、本発明に係るアスベスト管切断重機アタッチメント1、アスベスト管ラッピング装置59、アスベスト管圧縮工法を実施することが可能である。
Claims (5)
- アスベスト管を切断するために、建設重機のアームの先端に取り付けられ又はクレーンに吊り下げられるアタッチメントであって、前記切断のための閉じた空間を形成する暴露防止用のケーシングと、このケーシングの開閉を行う開閉手段と、閉じた前記ケーシングに前記アスベスト管を貫通した状態で配置するために前記開閉がなされる分割縁部に形成される一対の貫通用孔と、この貫通用孔が分割された両円弧状周縁部に設けられ貫通した状態のアスベスト管に接する暴露防止用のパッキンと、前記ケーシング内に設けられ前記アスベスト管を切断する機械刃カッター装置と、前記ケーシングに接続されフィルター付き吸塵装置へアスベスト粉塵を送る負圧ホースと、を有することを特徴とするアスベスト管切断重機アタッチメント。
- 前記機械刃カッター装置は、前記ケーシング内に設けられ前記アスベスト管を切断するカッターチェーンと、このカッターチェーンを駆動可能に円弧状に支持する支持プレートと、この支持プレートを前記アスベスト管に向かって前進後退させる前進後退用油圧シリンダーと、前記前進後退にかかわらず前記カッターチェーンに所定の張力を与えるチェーンテンション用アブソーバーと、前記カッターチェーンを駆動する駆動モーターと、を有してなることを特長とする請求項1に記載のアスベスト管切断重機アタッチメント。
- アスベスト管を切断又は圧縮する前に、前記アスベスト管を覆う樹脂製の筒状フィルムと、前記アスベスト管の両端部又は切断端部を覆い前記筒状フィルムに接続されるキャップフィルムと、このキャップフィルムに設けられアスベスト粉塵を通さずに外気と通じるアスベストフィルターと、を有することを特徴とするアスベスト管ラッピング装置。
- 切断したアスベスト管を請求項3のアスベスト管ラッピング装置でラッピングする工程と、ラッピングしたアスベスト管を横にし複数本を上下に重ねる工程と、重ねたアスベスト管をプレス装置で上下に圧縮してボリュームを減らす工程と、からなることを特徴とするアスベスト管圧縮工法。
- 土中に埋設されたアスベスト管を撤去する工法であって、埋設されたアスベスト管の上面と側面を掘り、更に下面を掘りつつ所定の長手方向距離毎に枕木を敷いて、アスベスト管のほぼ全面を露出させる管暴露工程と、この露出したアスベスト管に散水する湿潤化工程と、この散水したアスベスト管を請求項3のアスベスト管ラッピング装置でラッピングするラッピング工程と、このラッピングしたアスベスト管を、請求項1又は2のアスベスト管切断重機アタッチメントを取り付けた建設重機により、切断する切断工程と、この切断したアスベスト管を請求項4のアスベスト管圧縮工法によってボリュームを減らす圧縮工程と、ボリュームを減らしたアスベスト管を最終処分場へ輸送する輸送工程と、からなることを特徴とする埋設アスベスト管撤去工法。
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