これらの規格に基づく無線通信機器において、同じ地域において同じ周波数帯を利用した種々のシステムが通信を行うことが想定され、同じエリア内において同じ周波数帯で通信を行うことによる、他の無線通信システムとの相互干渉が問題になる場合がある。そのため、他の無線通信システムとの相互干渉を回避し、システムの共存を可能とするための方式が様々に提案され、規格化されている。これらの技術としては、例えば、802.11a、STD−T71のCSMA/CA方式、ランダムバックオフ方式、STD T−70、71、72のキャリアセンス方式、STDT−71の基地局間同期方式、Hiper LAN/2のDynamic Frequency Selection方式などが挙げられる。
図14は、一般的なTDMA方式の集中制御方式の無線通信システムにおけるネットワーク構成例を示す図である。図15は、一般的なTDMA方式のうち集中制御方式の無線通信システムにおけるシーケンス例とフレーム構成例とを示す図である。
図14及び図15に示すように、無線通信システム210は、例えば、通信時間領域の集中調整を行うための1つの基地局211と、2つの移動局212、213と、基地局211と接続される広域ネットワーク(Wide Area Network)201とを含んでいる。
基地局211は、基地局211自身の送信データ252と、移動局212の送信データ253と、移動局213の送信データ254と、の送信時間領域を割り当て、制御情報251に載せて送信することにより、無線通信システム210内でデータの衝突が発生しないように時間領域の管理を行う。1フレーム内には、時間領域に関する空白期間が存在することがわかる。
しかしながら、無線通信システム210内における有効利用可能な周波数帯域は限られている。特に、免許を必要としない周波数帯域は、複数の異なる無線通信システムが混在して利用する可能性が高いため、他の無線通信システムからの電波干渉により自己の無線通信システムの伝送効率が低下してしまう場合もある。電波干渉を回避するために、ある一定期間毎にキャリアセンスを行う方式が一般的である。キャリアセンス方式とは、通信を開始する前にキャリアセンスにより自己が送信しようとする周波数チャンネルが空いているか否かの確認を行い、空きがある旨を確認した後に通信を開始する方式である。
しかしながら、キャリアセンス方式は、キャリアセンス期間中のみ同一周波数の検知を行う方式であり、他の期間はキャリアセンスを行わない。自己の無線通信システムが通信可能状態にあるが実際には通信を行っていない期間内に、他の無線通信システムがキャリアセンスを行うと、他の無線通信システムは、送信しようとする周波数帯が空いていると判断する。この判断に従って他の通信無線システムは通信を始めると、自己の通信システムと他の通信システムとの双方が干渉を起こし、伝送効率が著しく低下するという問題がある。
キャリアセンス方式における干渉の問題を回避するための方式として、周波数チャンネルが空くまでキャリアセンスを続ける方式(p−persistent CSMA/CD方式)と、キャリアセンスに加えてフレーム送信前にランダムパルスを発信して電波の衝突の有無を検知する方式(ランダムパルス送出CSMA/CA方式)とがある。
しかしながら、CSMA/CD方式やCSMA/CA方式などの方式を用いた場合でも、自己の無線通信システムが情報を送信するフレーム内に空き時間領域がある場合には、他の無線通信システムは、自己の無線通信システムに空きがあると判断し通信を開始してしまう可能性がある。さらに、無線通信システム全体の利用時間領域に空きがあること自体は電波の利用効率の低下を意味し、電波資源の有効利用という観点からの問題もある。
また、このような無線通信においては、フェージング現象に起因する受信信号のSNR(Signal to Noise Ratio:信号雑音比)の低下や、移動による周波数や位相のドップラーシフト現象による同期はずれ等の原因により、突発的にバーストエラー(連続性のあるデータエラー)が発生することがある。バーストエラー対策としては、誤り訂正や検出用の信号ビットを過去のデータまで遡って生成する符号化方式である畳み込み符号等(例えば、ビタビ符号、インターリーブ)の誤り訂正符号を使用し、誤り訂正機能を強化する方法がある。しかしながら、畳み込み符号等を使用する方法は、長い時間バーストエラーが続き誤り訂正符号の復調が困難な場合等には、有効ではないことがある。
また、ARQ(Automatic Repeat Request:自動再送要求)を使用して、データを再送する方法も用いられている。しかしながら、この方法では、通常のデータを割り当てる時間領域に再送用のデータを割り当てるため、無線通信システムの伝送効率がその分だけ低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、同一周波数帯を使用する他の無線通信システムによる干渉を防止し、かつ、無線通信システムの伝送効率を低下させずに、伝送エラーの発生を抑制可能な技術を提供することである。
本発明の一観点によれば、周期的なフレーム内において、少なくとも1つの移動局と通信を行う基地局であって、第1のフレーム内において、データ信号を前記移動局との間において送受信するための第1のデータ送受信時間領域を割り当てる送受信時間領域割り当て処理と、前記第1のデータ信号送受信領域以外の時間領域であってデータ信号の再送信用に使用可能な第1の空白期間の全期間又は一部期間を、前記第1のフレームの1つ以上前のフレームにおいて送受信されたデータ信号の全部又は一部を再送信するための第2のデータ送受信領域として再割り当てを行うデータ信号再割り当て処理と、を行う第1のデータ送受信領域割り当て手段を有することを特徴とする基地局が提供される。
さらに、前記第1のデータ送受信領域割り当て手段は、前記第2のデータ送受信領域を割り当てた後に前記第1の空白期間に残る第2の空白期間がある場合に、該第2の空白期間内にダミー信号を割り当てる処理を行うことを特徴とする。
或いは、前記再送信用のデータ信号は、1つ以上前のフレームにおいて、正常に送受信を行うことができなかったデータ信号であることを特徴とする。
さらに、前記移動局に対して送信したデータ信号の誤りに関する情報を前記移動局から送信される信号により検知するデータ誤り検出手段と、検知した前記データ信号の誤りに関する情報に基づいて、前記移動局に対してデータ信号が正常に送信できたか否かを判定する第1の判定手段と、を有するのが好ましい。さらに、前記移動局から送信されたデータ信号の誤りを検出するデータ誤り検出手段と、検出された前記データ信号の誤りに基づいて、前記移動局からのデータ信号を正常に送信されたか否かを判定する第2の判定手段と、を有するのが好ましい。前記データ誤り検出手段は、一定期間、連続的に発生するデータ誤りを検出する手段であり、これによりデータ誤りを検出し、データ信号が正常に受信できているか否かを決定する。
本発明の他の観点によれば、前記基地局からの制御信号を受信するとともに、前記基地局との間でデータ信号の送受信を行う送受信手段を備え、前記制御信号に含まれ、第1のフレーム内において、データ信号を前記基地局との間において送受信するための第1のデータ送受信時間領域の割り当てと、前記第1のデータ信号送受信領域以外の時間領域であってデータ信号の再送信用に使用可能な第1の空白期間の全期間又は一部期間を、前記第1のフレームの1つ以上前のフレームにおいて送受信されたデータ信号の全部又は一部を再送信するための第2のデータ送受信領域の再割り当てを行うデータ信号再割り当てと、に関する信号に基づいてデータ信号の送受信を行うことを特徴とする移動局が提供される。
また、周期的なフレームで、少なくとも1つの移動局と通信を行う基地局であって、前記移動局との間でデータ信号を送受信するための第1のデータ送受信時間領域を割り当てる送受信時間領域割り当て処理と、前記第1のデータ信号送受信領域以外のデータ信号を割り当て可能な第1の空白期間のうちの全期間又は一部期間に対して、当初は次のフレームで割り当てる予定であったデータ信号のうち少なくとも一部を第3のデータ送受信領域として割り当てる処理を行うデータ信号割り当て手段を備えることを特徴とする基地局が提供される。
さらに、周期的なフレーム内において、基地局と通信を行う移動局であって、前記基地局からの制御信号を受信する制御信号受信手段と、前記制御信号に含まれ前記基地局から割り当てられた第1のデータ送受信時間領域に基づいて、データ信号を送受信するデータ信号送受信手段と、前記第1のデータ信号送受信領域以外のデータ信号を割り当て可能な第1の空白期間のうちの全期間又は一部期間に対して、当初は次のフレームで割り当てる予定であったデータ信号のうち少なくとも一部を第3のデータ送受信時間領域に基づいて、当初は次のフレームに割り当てられる予定のデータ信号を送受信するデータ信号送受信手段とを有することを特徴とする移動局が提供される。
基地局が、1つの通信フレーム内において、移動局と送受信する全てのデータ信号の割り当てを終えても、なお通信フレーム内にデータを割り当てる時間領域が残っている場合であって、自己の無線通信システムに属する基地局あるいは移動局が、何の信号も送信していない空白期間内に他の無線通信システムが使用する周波数帯域が空いていると誤認するために無線通信システム間の干渉が生じてしまい、結果として、お互いの無線通信システムのスループットの低下を招いてしまう。
さらに、自己の無線通信システム内の無線通信において、バーストエラー等により、前の通信フレームで送信すべきデータが正常に送受信できなかった場合には、次の通信フレーム内でのデータ送受信領域で再送をする必要がある。その場合には、現通信フレーム内で本来送受信するべきデータが順次先送りされることになり、結果として、データ通信のスループットの低下を招く要因となる。
そこで、前記基地局は、前記空白期間に前のフレームで正常に送受信をすることができなかったデータ信号の全部あるいは一部を割り当て、更に割り当て後にも空白期間が解消されないときには、更にダミー信号を割り当てる。このことにより、前記空白期間を解消して、他の無線通信システムの誤ったキャリアセンス結果を回避できる。さらに、データの再送受信は、空白期間を利用して割り当てているので、通信フレーム内で無駄な送受信領域を減らすことが可能となり、自己の無線通信システム全体の利用効率の向上が可能になる。
このことは、自己の無線通信システムのデータの送受信を効率良く短時間で終了させることにもつながり、電波資源を他の無線通信システムに早期に解放することができるという長所もある。
本発明による無線通信技術を用いることにより、同一周波数帯を使用する他の無線通信システムによる干渉を防止でき、かつ、通信フレーム内の効率的な利用により、データ信号の誤り率の低下と通信速度の実質的な向上により、無線通信システム全体の利用時間領域の利用効率を上げることができる。
また、他の無線通信システムも、自己の無線通信システムの周波数帯の空きに関する誤った判断を防止でき、自己の無線通信システムの使用周波数帯とは異なる周波数帯を使用するなどの方法を選択する指針を得ることができる。
従って、無線通信システム間における干渉を避けることができ、他の無線通信システムにおいても通信効率を上げることができる。
本明細書において、無線通信システムを制御する制御信号を発信する局を基地局と称する。基地局は、アクセスポイント、ポーリングマスタ、ハブステーション又は制御局等と呼ばれることもある。一方、基地局以外の局であって、通信を行う各機器を移動局と称する。移動局は、例えば、端末又はステーションなどと称されることもある。ノートPCやPDAなども無線通信システムを備えていれば移動局として機能する。
本発明の実施の形態について説明する前に、まず、発明者の考察について説明する。発明者は、自己の無線通信システムにおいて、通信可能な状態にあるが実際には通信を行わない空白期間(フレーム内の空き時間領域)に対して、既に割り当てたデータ信号と同じデータ信号の全部又は一部を割り当てることを考えた。これにより、キャリアセンスを行った後に通信を開始する方式の他の無線通信システム内の局であって、少なくとも送信側の局が、自己の無線通信システムの周波数チャンネルにおいて空きがあると誤認識する可能性を低減させることができる。さらに、それでも空白期間が残る場合には、データ信号とは関係のないダミー信号を割り当てる。これにより、自己の無線通信システムが通信可能状態にある場合に、他の無線通信システムからの電波の割り込みが防止でき、他の無線通信システムとの間の電波干渉を減少させることができる。
上記の考察に基づき、以下に、本発明の一実施の形態による無線通信技術の基本構成について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態による無線通信システムの一構成例を示す図である。本実施の形態による無線通信システム10は、基地局11と、第1移動局(端末局)12と、第2移動局13と、第3移動局14と、を含んで構成されるTDMA(時分割多元接続方式)分散制御方式の無線通信システムである。基地局11は広帯域ネットワーク1と接続されており、インターネット等のデータのやり取りが可能となっている。
例えば、無線通信システム10は、5.16GHzから5.24GHz帯の周波数帯を使用し、4つの周波数チャネルが利用可能な信号周波数帯域20MHzのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)通信方式の無線通信システムである。
一方、無線通信システム20は、無線通信システム10と同一の周波数帯域を使用する無線通信システムであり、第4移動局21と、第5移動局22と、第6移動局23とを含んで構成される。
例えば、無線通信システム20は、前述したIEEE802.11a方式のような分散制御方式の通信システムであり、送信する前にキャリアセンスを行い、周波数帯域が他の無線通信システムに使用されているかどうかを確認した後に、送信を行う機能を有している。
図2は、本実施の形態による無線通信システムを構成する基地局又は移動局である通信装置の内部構成の例を示す機能ブロック図である。図1及び図2に示すように、無線通信システム10を構成する基地局又は移動局は、アンテナ29と、アンテナ共用器32と、RF/IF受信器33と、信号強度検出器34と、A/D変換器35と、復調器36と、バス制御部38と、変調器39と、D/A変換器40と、RF/IF送信器41(パワーアンプ42を含む)と、通信制御部31とを含んで構成される。
尚、基地局11と第1から第3までの各移動局12から14までとのそれぞれの構成は、基地局と移動局との送受信に関する機能の違いにより通信制御部31の機能に一部異なる点があるが、ほぼ同様の構成を有している。基地局11と移動局12から14までとの送受信に関する機能の主な違いは、基地局11が、制御信号或いはデータ信号の時間領域の割当てと、データ信号の再割り当てと、ダミー信号の割り当てとに関する機能を有している点である。
無線通信システム20を構成する移動局21、22のブロック構成に関しても、前述の無線通信システム10とほぼ同様であるが、無線通信システム10とは通信方式が異なっている。具体的には、通信制御部31の機能が分散制御方式(例えばIEEE802.11a)に適合した構成を有している点が異なる。
次に、基地局11と移動局12〜14との動作について、図2に示す機能ブロック図に基づき説明する。送受信用アンテナ29から入力した受信信号は、アンテナ共用器32で受信側の経路が選択され、RF/IF受信器33により受信信号の増幅と中間周波数(IF)帯への周波数変換が行われる。中間周波数(例えば中心周波数20MHz)に変換された受信信号は、A/D変換器35によりアナログ形式からデジタル形式の信号に変換される。デジタル信号は、復調器36において受信信号が復調され、外部とのインターフェイス機能等を有するバス制御部37を経由してデータ(Data)として、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置に送られる。
信号強度検出器34は、受信信号の強度を検出する機能を有しており、受信感度(信号対ノイズ比)の計測を行うことができる。復調器36は、受信感度の計測手段の1つである受信データの誤り率を計測する機能を有しており、受信信号のBER(ビットエラーレート:Bit Error Rate)やPER(パケットエラーレート:Packet Error Rate)等を計測できる。
例えばパーソナルコンピュータPCから出力されたデータ(Data)は、バス制御部38を経由し、変調器39において制御情報の付加と無線通信に使用する送信信号の形式(パケット形式等)への変換が行われる。次に、送信信号はD/A変換器40により、デジタル形式からアナログ形式の信号に変換され、RF/IF送信器41において送信信号の増幅と高周波(RF)信号への周波数変換が行われ、アンテナ共用器32を経由して送受信用アンテナ29から空中線に信号が送信される。
通信制御部31は、基地局11又は移動局12〜14までのいずれかの通信装置において、それぞれの通信装置全体を制御する機能と、図2に示す各構成要素への電源供給を制御する機能とを有している。基地局11の場合には、通信制御部31は、前述したように制御信号又はデータ信号の時間領域の割当て機能と、データ信号の再割り当て機能と、ダミー信号の割り当て機能と、を具備している。
図3は、本実施の形態による無線通信システムの通信フレームの一構成例を示す図である。本実施の形態による無線通信技術において用いられる通信データのデータ構造は、ある一定時間毎に区切られたフレームを基本構成としており、それぞれが1つのフレームであるフレーム51−1、51−2、51−3は、基地局11が送受信に使用する周波数チャネル、送受信タイミング等を移動局12〜14までの少なくともいずれかに報知するための情報を含んだ制御情報フェイズ52と、基地局11から移動局12〜14の少なくともいずれかに対してデータ信号を送信するためのダウンリンクフェイズ53と、移動局12〜14までのいずれかから基地局11にデータ信号を送信するためのアップリンクフェイズ54と、に時間的に分割されている。
制御情報フェイズ52は、フレームの同期等の情報を含むプリアンブル55と、フレーム内での送受信用の時間領域と周波数チャネルの情報とを含むデータペイロード1〜N(56−1から56−N)までと、を有している。尚、1フレームの長さは、無線通信システム毎に規定されているが、ダウンリンクフェイズ53とアップリンクフェイズ54とに関する時間領域の長さの割合は、データ信号の通信容量等に合わせて適宜変更が可能である。
次に、本発明の第1の実施の形態による無線通信システムについて、図面を参照して詳細に説明する。図4及び図5は、本発明の一実施の形態による無線通信システムの動作の流れを示すフローチャート図であり、主として基地局11に関する動作の例を示す図である。尚、説明の簡単化のために、通信を行う基地局と移動局の構成要素は、後述する図6に示す構成例を仮定する。以下の説明においては、適宜、図1から図3までを参照する。
まず、ステップS11において、基地局11は、他の無線通信システムへの干渉を防止する目的で、信号強度検出器34を用いて受信電力レベルを測定することにより、他の無線通信システムが電波を送信しているか否かを確認する(いわゆる、キャリアセンスを行う)。ステップS12において、基地局11の通信制御部31は、(N−1)番目の通信フレーム51−1のアップリンクフェイズ54において、移動局12、移動局13から要求されたデータ信号の送受信時間領域と、基地局11自身が必要とするデータ信号の送受信時間領域に関する調整を行う。例えば、N番目の通信フレーム51−2におけるデータ信号の送受信時間領域を割り当てる。
ステップS13において、基地局11の通信制御部31は、ステップS11において割り当てたN番目の通信フレーム中に、空白期間(無線通信システム10に属する基地局11と移動局12〜14との間で信号の送信を全く行っていない期間)があるか否かを判断する。空白期間が通信フレーム中に存在しない場合には、ステップS18(図5)に進む。
空白期間が存在する場合には、ステップS14に進み、ステップS14において、基地局11の通信制御部31は、前のフレーム(N−1番目以前のフレーム)で既に送受信を行ったデータに関して、データ誤りの発生により正常に送受信を行うことができない等の理由により、データの送受信を再度行う必要があるか否かを判断する。再度送受信を行う必要があるデータが存在しない場合には、ステップS17に進む。
再度送受信を行う必要があるデータが存在する場合には、ステップS15に進み、ステップS15において、基地局11の通信制御部31は、上記空白期間の長さが、データ信号を再送受信するのに十分な長さであるか否かを判断する。空白期間の長さがデータ信号を再送受信するのに十分ではないときは、ステップS17に進む。
ステップS16において、基地局11の通信制御部31は、空白期間に対して再送受信するべきデータを割り当てる。要再送受信データの全てを空白期間に割り当てることが可能でない場合は、基地局11の通信制御部31は、上記の要再送受信データのうち割り当てられなかった残りのデータを、次のフレームの空白期間において送信することも可能である。或いは、再送受信データを現在のフレーム(N番目のフレーム)又は次のフレーム(N+1番目のフレーム)の通常のデータ送受信領域に割り当てることも可能である。
ステップS17において、基地局11の通信制御部31は、残りの空白期間に対してダミー信号の割り当て処理を行う。このダミ−信号は、他の無線通信システム(例えば無線通信システム20)がキャリアセンスを行った際に、その周波数チャネルが使用されている旨(使用可能状態にある旨)を認識させるための信号であり、使用可能状態にある旨を他の無線通信システムに認識させることができさえすれば、信号の種類・内容等は問わない。無論、空白期間が存在しない場合には、ダミー信号の割り当てを行わない。
図5に進み、ステップS18において、基地局11の送信装置(バス制御部38、変調器39、D/A変換器40、RF/IF送信器41、アンテナ共用器32)は、ステップS11、ステップS14において割り当てたデータ信号の送受信領域(再送受信領域も含む)と、上記ダミー信号を割り当てた時間領域と、に関する情報を、移動局12と移動局13とに対し制御信号に載せて送信する。
ステップS19において、基地局11の送信装置は、移動局12、13に対してデータ信号を割り当てた送受信時間領域において送信する。ステップS20において、基地局11の通信制御部31は、ステップS16の割り当てに基づいて、データ信号の再送信が必要か否かを判断し、データ信号の再送信が割り当てられている場合は、次のステップS21において、基地局11が、移動局12、13に対してデータ信号の再送信を行う。
ステップS22において、基地局11の通信制御部31は、ステップS17の割り当てに基づいて、ダミー信号の送信が必要か否かを判断する。ダミー信号の送信が割り当てられている場合には、次のステップS23において、基地局11の送信装置はダミー信号の送信を行う。ステップS24において、基地局11の受信装置(アンテナ共用器32、RF/IF受信器33、信号強度検出器34、A/D変換器35、復調器36、情報検出器37、バス制御部38)は、移動局12、13からのデータ信号を上記ステップS12において割り当てた送受信時間領域において受信する。
ステップS25において、基地局11の通信制御部31は、ステップS16における割り当てに基づいて、データ信号の再受信が必要か否かを判断する。データ信号の再受信が割り当てられている場合には、次のステップS26において、基地局11の受信装置は、移動局12、13からのデータ信号の再受信を行う。
その後に、上記移動局12又は13のいずれかの通信制御部31が、ステップS17の割り当てに基づいて、ダミー信号の送信が必要か否かを判断し、ダミー信号の再送信が割り当てられている場合には、上記いずれかの移動局の送信装置はダミー信号の送信を行う。
本実施の形態による無線通信技術では、ダミー信号の送信領域は、ダウンリンク53においては、基地局11が送信を行っており、アップリンク54においては、移動局12又は13のいずれかがダミー信号の送信を行っている。しかしながら、ダウンリンク53におけるダミー信号の送信を移動局12又は13のいずれかが行い、アップリンク54におけるダミー信号の送信を基地局11が行っても良い。
次に、図6から図9までを参照し、本実施の形態による基地局と移動局との具体的な動作例について説明する。適宜、図1から図5までも参照する。図6は、基地局と移動局との関係を示した図である。図6に示すように、図1に示した無線通信システム10を構成する基地局と移動局の中で、基地局11と第1移動局12、第2移動局13とが通信を行うものとする。図7は、本実施の形態による無線通信技術において、(N−1)番目のフレームの時間領域の割り当て例を示した図である。図8は、本実施の形態による無線通信技術において、空白期間にデータ信号の再割り当てを行う前の時間領域の割り当て例を示した図である。図9は、本実施の形態による無線通信技術において、空白期間にデータ信号を再割り当てした後の時間領域の割り当て例を示した図である。
図7に示すように、基地局11は、基地局11自身に関して移動局12、13に対して時間領域61において制御信号を送信するように割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域62で基地局11からの制御信号を受信するように割り当て、第2移動局13に対しては時間領域63で基地局11からの制御信号を受信するように割り当てる。
ダウンリンクフェイズにおいて、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域64でデータ信号(DataA)を第1移動局12に送信し、第2移動局13に対して時間領域66で基地局11からのデータ信号(DataB)を送信するように割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域65で基地局11からのデータ信号(DataA)を受信するように割り当て、第2移動局13に対しては時間領域68でデータ信号(DataB)を受信するように割り当てる。
アップリンクフェイズにおいて、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域71において第1移動局12からのデータ信号(DataC)を受信し、時間領域73で第2移動局13からのデータ信号(DataD)を受信するように割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域72で基地局11にデータ信号(DataC)を送信するように割り当て、第2移動局13に対しては時間領域74で基地局11にデータ信号(DataD)を送信するように割り当てる。(N−1)番目のフレームにおいては、空白期間は存在しないので、再送受信するデータ又はダミー信号の割り当ては行わない。
上記時間領域の割り当てに基づいて、実際に送受信を行った場合に基地局11から移動局12への通信状態が良好ではなく、移動局12が時間領域65で受信するDataAと基地局11が時間領域71で受信するDataCとにバーストエラーを発生し、データの再送が必要であることが、移動局12、移動局13及び基地局11の通信制御部31により、それぞれ確認された場合を考える。
移動局が受信したデータ信号のエラー情報は、アップリンクフェイズにおいて、データ信号の一部として送信することができる。あるいはアップリンクフェイズの一部領域に、各移動局に対する受信エラー情報の送信のための時間領域を設けて送信する方法もある。
一般に、制御信号やデータ信号中の制御情報を与える部分等の、通信には不可欠な規約や情報等を含んでいる信号は、通常のデータ信号と比較して、データ誤りが少ないBPSK変調方式等が用いられる。従って、データ信号中の真のデータ部分にエラーが発生しても、制御情報を与える部分については、エラーが起きる可能性は少なくなっている。
図8に示すように、図7に示すN−1番目のフレームの次のフレームNにおいて、基地局11は、移動局12、13に対して時間領域81において制御信号を送信するように、基地局11自身に割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域82で基地局11からの制御信号を受信するように割り当て、第2移動局13に対しては時間領域83で基地局11からの制御信号を受信するように割り当てる。
ダウンリンクフェイズにおいて、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域84でデータ信号(DataE)を第1移動局12に送信し、第2移動局13に対して時間領域86で基地局11からのデータ信号(DataF)を送信するように割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域85で基地局11からのデータ信号(DataE)を受信するように割り当て、第2移動局13に対しては時間領域87でデータ信号(DataF)を受信するように割り当てる。
アップリンクフェイズにおいて、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域91において第1移動局12からのデータ信号(DataG)を受信し、時間領域93で第2移動局13からのデータ信号(DataH)を受信するように割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域92で基地局11にデータ信号(DataG)を送信するように割り当て、第2移動局13に対しては時間領域94で基地局11にデータ信号(DataH)を送信するように割り当てる。
上記のような時間領域の割り当てを行った後において、ダウンリンクフェイズに空白期間88−1が存在し、アップクリンクフェイズに空白期間95−1が存在する。そこで、データ信号の通信容量に基づいて、N−1番目のフレームで再送信が必要とされたデータ信号を再割り当てすることが可能か否かを判断する。
ダウンリンクフェイズの空白期間88−1に割り当てが必要なのはDataA(図7)であり、アップクリンクフェイズの空白期間95−1に割り当てが必要なのはDataC(図7)である。空白期間88−1は、DataAを割り当てるのに十分な時間領域があるので、DataAを時間領域88−1に割り当てる(図9の領域88−2参照)。空白期間95−1においては、DataCを割り当てるのに十分な時間領域が確保できないため、代わりに、ダミー信号を時間領域95−1に割り当てる(図9の領域95−2)。尚、ダミー信号を時間領域88−1に割り当て、基地局11が、ダミー信号を送信することも可能ではあるが、アップリンクフェイズの基本的な通信方向に準じて、移動局12がダミー信号を時間領域95−2で送信するように割り当てた。
ここで、再送信の割り当てを行えなかったDataCは、N番目のフレームの次の(N+1)番目のフレーム以降の空白期間に再送信を行うことが可能である。また、DataCを送信する必要性が高い場合には、N番目のフレームのアップリンクフェイズにおいて、DataHの受信のための受信領域にDataCを組み入れて送信することも可能である。或いは、(N+1)番目のフレームにおいて、最初からアップリンクフェイズにDataCを割り当てることも可能である。
以上に説明したように、空白期間にデータ信号を再割り当てすることにより、図8に示すように無線通信システム10においては、フレーム内で常時電波を送信することになり、空白期間がなくなる。従って、他の無線通信システムからのキャリアセンスによって自己の無線通信システムは通信を行うことがないという誤認を防止することができ、無線通信システム間における干渉を防止できるという利点がある。
また、何らかの原因により受信エラーを起こしたデータに関しても、空白期間に再送信を行うようにデータの割り当てを行うことにより、効率的な時間領域の利用と電波干渉の防止とを行うことができる。
次に本発明の第2の実施の形態による無線通信技術について図面を参照して説明する。本実施の形態による無線通信方法は、上記第1の実施の形態による方法と基本的には同じである。但し、空白期間へのデータ信号の割り当て方法が異なっている。具体的には、第1の実施の形態では前の通信フレームで送受信したデータ信号又は送受信がうまく行われなかった信号の再割り当てを行うのに対して、第2の実施の形態の例では、以後の通信フレームで送信する予定のデータ信号を割り当てている点で異なる。
図10は、本実施の形態による無線通信システムにおける、基地局11と移動局12、14との関係を示した図である。本実施の形態による無線通信システムでは、図1に示した無線通信システム10を構成する基地局と移動局との中で、基地局11と第1移動局12、基地局11と第3移動局14とが通信を行う。
図11は、現在割り当てようとしているフレーム(N番目のフレーム)以降において送信する予定のデータ量を示す図である。本実施の形態による無線通信システム1においては、1つのフレーム内で割り当てることができる基地局11と移動局12、14との間の1回の通信時間は、フレームの長さと他の通信との関係から、予め最大占有時間が決められている。この例においては、一定の通信速度で通信する場合を想定しているため占有時間の長さがデータ送信量に比例する。図11では、データ量1単位分が1つのフレーム中で占有可能な長さとなる。例えば、DataJでは、2単位分(J1、J2)のデータ量をもっているものとする。
図12は、本実施の形態による無線通信システムにおける時間領域の割当て例であって、空白期間に次のフレーム以降で送信予定のデータ信号を割り当てる前の時間領域の割り当て例を示す図である。図13は、本実施の形態による技術を用いて、空白期間にフレーム以降で送信予定のデータ信号を割り当てした後の時間領域の割り当て例を示す図である。
図12に示すように、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域101を、制御信号を含む制御情報の第1移動局12と第3移動局14とに対する送信のために割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域102を、基地局11からの制御信号を含む制御情報の受信に割り当てる。さらに、第3移動局14に対しては時間領域103を基地局11からの制御信号を含む制御情報の受信に割り当てる。
ダウンリンクフェイズにおいて、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域104をデータ信号(DataI)の第1移動局12への送信に割り当てるとともに、第3移動局14に対して時間領域106を基地局11からのデータ信号(DataJ1)の送信に割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域105を基地局11からのデータ信号(DataI)の受信に割り当て、第3移動局14に対しては時間領域107をデータ信号(DataJ1)の受信に割り当てる。
アップリンクフェイズにおいて、基地局11は、基地局11自身に対して時間領域111を、第1移動局12からのデータ信号(DataK)を受信し、時間領域113において第3移動局14からのデータ信号(DataL1)を受信する領域として割り当てる。基地局11は、第1移動局12に対しては時間領域112を基地局11にデータ信号(DataK)の送信に割り当て、第3移動局14に対しては時間領域114を基地局11にデータ信号(DataL1)の送信に割り当てる。
上記のように時間領域の割り当てを行った後に、例えば、ダウンリンクフェイズに空白期間108−1が存在し、アップクフェイズに空白期間115−1が存在している。そこで、データ信号の通信容量に基づいて、以降のデータ信号を上記空白期間108−1、115−1に割り当てることが可能か否かを判断する。空白期間108−1は、DataJ2を割り当てるのに十分な長さの時間領域であれば、DataJ2を空白期間108−1に割り当てる(図13の領域108−2)。仮に、割り当てるデータ信号が存在していなかった場合、又は、DataJ2が割り当てられた時間領域が空白期間108−1よりも短すぎる場合には、残った空白期間を他のデータ送信に割り当て可能か否かを判断し、可能でれば他のデータを残った空白期間に割り当てることもできる。或いは、他のデータでより適当な期間(空白期間108−1と同程度のデータ送信期間)を有しているデータ送信に代えるように調整することもできる。また、空白期間を無くすようにデータの伝送速度を調整しても良い。このような調整後においても空白期間が残る場合には、領域108−2にはダミー信号を割り当て、不要な空白期間が残らないようにするのが好ましい。
前記データ伝送速度の調整は、送信するデータ信号の変調方式を変えることにより実現できる。このような場合の一例として、本来OFDM方式を使用した16値QAM(Quadrature Amplitude Modulations)変調方式の符号化率r=3/4(伝送速度36Mbit/s)でデータ伝送を行うときに、このまま16QAM変調方式でデータ伝送を行うように割り当てると、通信フレーム中に空白領域が残ってしまうような場合を考える。この場合に、伝送速度の小さいQPSK変調方式の符号化率r=3/4(伝送速度18Mbit/s)にすると、データ伝送速度が1/2になるので、データ伝送時間は2倍になる。
仮に、空白期間が、前記16値QAMでデータ伝送を行う場合に要する期間だけ残っているとすると、伝送速度を1/2にすると、前記空白期間を無くすことが可能になる。更に、伝送速度を1/2にした場合には、データ伝送誤り率を低下する効果もある。このようにデータ信号の伝送速度を変化させる場合には、基地局が、制御情報を伝送するフレームにおいて、データ信号の変調方式(伝送速度)を各移動局に通知すれば良いので、通信方法やフレーム構成を変える必要はない。
さらに、DataI(DataI1、DataI2)が2単位分の容量を有し、DataJ2を含めて送信するデータ信号の選択を行う必要がある場合には、予め決めておいた優先度に従い、前倒しで送信するデータ信号を送信すれば良い。本実施の形態の例では、受信感度が低い移動局との通信の方の優先順位を高くしているので(図10参照)、移動局14(優先順位1)に送信するDataI2を領域108−2に割り当てることになる。受信感度が低い方がデータ誤りの発生可能性が大きい。そこで、受信感度が低い方の局に対してデータ送信に関する優先度を上げる。これにより、仮にデータ誤りが生じた場合でも、次のフレームにおいて通常のアップリンクリンクフェーズでDataI2を送信することができる。従って、データ誤り率を低下させることが可能になり、結果として通信システムにおける効率化が可能であるという利点がある。
同様に、空白期間115−1が、DataL2を割り当てるのに十分な長さの時間領域であれば、DataL2を空白期間108−1に割り当てる(図13の領域115−2)。
以上のようにして、フレーム内の空白期間を有効利用することによりデータ信号の送受信を早期に行うことが可能になり、無線通信効率が向上する上に、電波資源の有効利用が可能となる利点も生じる。
以上、実施の形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。その他、種々の変更、改良、組み合わせが可能なことは当業者に自明であろう。例えば、ダミー信号には、全く無関係な信号の他に、既に送信済みの信号などを含めることが可能である。
1…広帯域ネットワーク(WAN)、10…無線通信システム、11…基地局、12、13、14、21、22…移動局、29…送受信用アンテナ、30…無線通信装置、31…通信制御部、32…アンテナ共用器、33…RF/IF受信器、34…信号強度検出器、35…A/D変換器、36…復調器、38…バス制御部、39…変調器、40…D/A変換器、41…RF/IF送信器、42…パワーアンプ、51−1…(N−1)番目のフレーム、51−2…(N)番目のフレーム、51−3…(N+1)番目のフレーム、52…制御情報、53…ダウンリンクフェイズ、54…アップリンクフェイズ、55…プリアンブル、56−1、56−N…データペイロード、61〜63、81〜83…第1の実施の形態に係わる制御情報の時間領域、64〜66、68、84〜87…第1の実施の形態に係わるダウンリンクフェイズのデータ信号の送受信時間領域、71〜74、91〜94…第1の実施の形態に係わるアップリンクフェイズのデータ信号の送受信時間領域、88−1、89−1…第1の実施の形態に係わる空白期間、88−2、89−2…第1の実施の形態に係わるダウンリンクフェイズのデータ信号の再送受信領域、95−2…第1の実施の形態に係わるダミー信号の送信領域、101〜103…第2の実施の形態に係わる制御情報の時間領域、104〜107…第2の実施の形態に係わるダウンリンクフェイズのデータ信号の送受信時間領域、111〜114…第2の実施の形態に係わるアップリンクフェイズのデータ信号の送受信時間領域、108−1、109−1、115−1、116−1…第2の実施の形態に係わる空白期間、108−2、109−2…第2の実施の形態に係わるダウンリンクフェイズの新規データ信号の送受信領域、115−2、116−2…第2の実施の形態に係わるアップリンクフェイズのダ新規データ信号の送受信領域。