JP4041010B2 - ユーザ契約管理方法および無線通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば無線LANサービスや携帯電話サービスなどの複数の無線通信システムが提供される環境下において、この複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置の不正利用を防止するユーザ契約管理方法および無線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本を除く欧州、アジア、北米などの携帯電話機業界では、GSM(Group Special Mobile)方式においてSIM(Subscriber Identity Module)カードを使用する利用形態が常識となっている(例えば、非特許文献1参照)。SIMカードは、国際標準化機構で定められた規格のICカード(例えば、非特許文献2参照)を基に作成されるものである。SIMカードを使用することにより、通信事業者と携帯電話端末の分離、契約者番号(加入者番号等)のポータビリティが実現できるので、ユーザは、カードを差し替えることで自由に携帯電話端末を使い分けることが可能になる。
【0003】
一方、我国では、IMT−2000(International Mobile Telecommunications in the year 2000)と呼ばれる規格に則った次世代携帯電話サービスが世界に先駆けて開始されている。このIMT−2000ではSIMカードの上位互換であるUIM(User Identity Module)カードの使用が義務付けられており、我国においてもSIM(UIM)カードの使用が今後より一般的に普及するものと考えられる。
【0004】
ところで、近年の無線通信技術の発達により、無線LAN(Local Area Network)技術を利用した高速広帯域な通信サービス(公衆無線LAN)も登場しており、前述の携帯電話サービスと共に多種多様な無線通信システムが提供されている。これらの無線通信システムは、広範囲なサービスエリアを有しているものや、高速データ通信が可能なものなど各々特徴があり、ユーザは、複数の無線通信システムを用途に応じて使い分けている。
【0005】
複数の無線通信システムを使い分ける環境下では、1台で複数の無線通信システムに接続可能な無線通信装置(例えばネットワークカード)があるとユーザの利便性が向上するため、このような無線通信装置の登場が予想されている。また、この無線通信装置においても、正規ユーザかどうかを識別するために前述のSIM(UIM)カードの利用が予想される。このような複数の無線通信システムに接続可能な無線通信装置として、GSMとPHSの両者を併せ有する二重バンド携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0006】
【非特許文献1】
ハーテ(L.Harte)他,「GSMスーパーホン(GSM SuperPhones)」,マクグロウヒル(McGraw-Hill ),1999年,p.99−100,113−114,ISBN0−07−038177−1
【非特許文献2】
「アイデンティフィケーションカード(Identification cards)」,ISO781x,国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)
【特許文献1】
特開2000−32545号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のSIM(UIM)カードは、多種多様な無線通信システムで利用されることを想定していないため、以下のような問題点が発生することが予想される。例えば、無線LANの場合、通信事業者から提供された無線通信装置を、この通信事業者が提供するサービスとは別の無線LANに転用することが可能である。このため、無線LANサービスと携帯電話サービスなど複数の無線通信システムの使用契約を通信事業者と締結したユーザは、複数の無線通信システムとの接続が可能な無線通信装置を通信事業者から提供された後に、携帯電話サービスを残して通信事業者との契約を解約したとしても、手元に残っている無線通信装置を使って別の無線LANに接続することが可能である。このような無線通信装置の本来の利用目的以外の不正な利用は、通信事業者が想定した収益構造に多大な影響を及ぼす。以上のように、従来のSIM(UIM)カードは多種多様な無線通信システムで利用されることを想定しておらず、SIM(UIM)カードを使用しても、無線通信装置の不正な利用を防止できないという問題点があった。
【0008】
また、特許文献1の二重バンド携帯電話機は、SIMカードが装着されたときにはGSMを選択し、SIMカードが装着されていないときにはPHSを選択するようにしており、無線通信装置(携帯電話機)が本来の利用目的以外に使用されることを想定していない。したがって、特許文献1の技術では、前記無線通信装置の不正な利用を防止することはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、無線通信装置の本来の利用目的以外の不正な利用を防止することができるユーザ契約管理方法および無線通信装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のユーザ契約管理方法は、ユーザが複数の無線通信システムを提供する通信事業者と少なくとも1つの無線通信システムの使用契約を締結したときに、前記複数の無線通信システムに対応した加入者識別カードにユーザの管理情報を記録する設定手順と、前記加入者識別カードの提供を受けた前記ユーザが前記複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置を利用する際に、この無線通信装置が前記加入者識別カードの管理情報に基づいて前記複数の無線通信システムの利用可否を個別に判定する利用可否判定手順とを備えるものである。
また、本発明のユーザ契約管理方法の1構成例は、前記無線通信装置が前記加入者識別カードの存否を判定し、前記加入者識別カードが存在しない場合は前記無線通信装置の利用を拒否する存否判定手順を備えるようにしてもよい。
また、本発明のユーザ契約管理方法の1構成例において、前記管理情報は、前記ユーザに付加機能を提供するための付加情報を含むようにしてもよい。
また、本発明は、通信事業者が提供する複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置であって、ユーザが複数の無線通信システムを提供する通信事業者と少なくとも1つの無線通信システムの使用契約を締結したときに前記ユーザに提供される加入者識別カードに記録されたユーザの管理情報に基づいて、前記複数の無線通信システムの利用可否を個別に判定する利用可否判定手段を有するものである。
また、本発明の無線通信装置の1構成例は、前記加入者識別カードの存否を判定し、前記加入者識別カードが存在しない場合は前記ユーザによる無線通信装置の利用を拒否する存否判定手段を有するようにしてもよい。
また、本発明の無線通信装置の1構成例は、前記管理情報に含まれる付加情報に基づいて前記ユーザに付加機能を提供する付加機能提供手段を有するようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態となる無線通信装置の1構成例を示すブロック図である。無線通信装置1は、図示しない情報端末装置が複数の無線通信システムと接続するための装置であり、情報端末装置に装着されたときに情報端末装置と通信するための情報端末インタフェース部11と、無線通信装置1に着脱自在に装着されるICカード(加入者識別カード)2と通信するためのICカードインタフェース部12と、無線LANと通信するための無線LANインタフェース部13と、携帯電話網と通信するための携帯電話インタフェース部14と、無線通信装置全体を制御する制御部15とを有している。制御部15は、存否判定手段と利用可否判定手段と付加機能提供手段とを構成している。なお、本実施の形態の携帯電話インタフェース部14は、携帯電話網と接続するが、PHS網と接続するようにしてもよい。
【0012】
図2はICカード2の1構成例を示すブロック図である。ICカード2は、ICカード全体を制御するCPU(central processing unit )21と、CPU21のプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)22と、CPU21のデータ処理用のメモリであるRAM(Random Access Memory)23と、情報蓄積用のメモリであるEPROM(Erasable and Programmable ROM )24と、無線通信装置1への装着時に無線通信装置1と通信するための入出力インタフェース部25とを有している。
【0013】
図3はICカード2が装着された無線通信装置1を使用する情報端末装置の1例を示す図である。図3(a)の例は情報端末装置3がPDA(Personal Digital Assistant)の場合であり、図3(b)の例は情報端末装置3がノートPC(Personal Computer )の場合である。
【0014】
次に、以上のような無線通信装置1とICカード2の動作について説明する。最初に、ユーザは、無線通信システムの使用契約を締結する通信事業者Aを選定して、通信事業者Aと複数の無線通信システム(本実施の形態では、無線LANサービスと携帯電話サービス)の使用契約を締結する。通信事業者Aは、使用契約を締結したユーザの管理情報をICカード2のEPROM24に記録し、このICカード2をユーザに提供する。
【0015】
図4はICカード2のEPROM24に記録される管理情報テーブルの1例を示す図である。管理情報テーブルに記録された管理情報は、ユーザ固有の加入者情報と、通信事業者固有の事業者情報と、ユーザと通信事業者との契約内容を表す契約情報と、ユーザに付加機能を提供するための付加情報とからなる。
【0016】
加入者情報としては、ユーザ固有の電話番号101と、ユーザ固有の加入者ID番号102と、ICカード固有のシリアル番号103とがある。事業者情報としては、通信事業者固有の事業者識別子104がある。契約情報105は、ユーザが利用可能な無線通信システムを示す情報で、契約情報105と利用可能な無線通信システムとの関係は例えば表1のように定義されている。
【0017】
【表1】
Figure 0004041010
【0018】
表1において、「×」は利用不可、「○」は利用可の状態を表す。例えば契約情報105が「01」の場合、公衆無線LANサービスが利用不可で、携帯電話サービスが利用可である。付加情報106は、本実施の形態のICカード2の基本機能であるユーザ契約管理機能の他に、付加機能を提供するための情報である。
【0019】
通信事業者AからICカード2を受け取ったユーザは、このICカード2を無線通信装置1に装着した上で、図3(a)、図3(b)に示したように無線通信装置1を情報端末装置3に装着する。そして、ユーザは、情報端末装置3にインストールされた、無線通信機能を必要とするアプリケーションプログラム(例えばWebブラウザ、メーラー、IP電話など)を使用する場合、このアプリケーションプログラムを起動する。起動したアプリケーションプログラムは、無線通信装置1に対して無線通信システムとの接続を要求する。
【0020】
図5は無線通信装置1とICカード2の動作を示すフローチャートである。無線通信装置1の制御部15は、情報端末インタフェース部11を介して情報端末装置3から無線通信システムとの接続要求を受信した場合(図5ステップS1においてYES)、自装置にICカード2が装着されているかどうかチェックする(ステップS2)。
【0021】
制御部15は、自装置にICカード2が搭載されていない場合、ICカード2の未搭載により無線通信システムとの接続ができないことを示す接続不可応答を情報端末インタフェース部11を介して情報端末装置3に返信する。この接続不可応答を受信した情報端末装置3は、ICカード2の未搭載により無線通信システムとの接続ができない旨を画面表示等によりユーザに通知する(ステップS3)。
【0022】
一方、自装置にICカード2が搭載されている場合、無線通信装置1の制御部15は、ICカードインタフェース部12を通じてICカード2に対し情報の読出要求を送出する(ステップS4)。
ICカードのCPU21は、入出力インタフェース部25を介して無線通信装置1から読出要求を受けた場合、EPROM24に記録された管理情報を読み出して無線通信装置1に送信する(ステップS5)。
【0023】
ICカード2から管理情報を受け取った無線通信装置1の制御部15は、この管理情報中の契約情報105に基づいて利用可能な無線通信システムを決定する(ステップS6)。例えば、契約情報105が「11」であれば、無線LANサービスと携帯電話サービスを利用可能と判断する。
【0024】
続いて、無線通信装置1の制御部15は、ICカード2から受け取った管理情報の中に付加情報106が含まれているかどうか判断し(ステッS7)、付加情報106が含まれている場合には、この付加情報106に基づいて実行すべき付加機能を選択する(ステップS8)。付加情報106とこれに基づく付加機能については後述する。
【0025】
次に、無線通信装置1の制御部15は、利用する無線通信システムを決定して、この無線通信システムとの接続処理を開始する(ステップS9)。このとき、制御部15は、ステップS6において利用可能な無線通信システムがないと判定した場合、通信事業者との契約が締結されていないために全ての無線通信システムが利用できないことを示す利用不可応答を情報端末装置3に返信する。この利用不可応答を受信した情報端末装置3は、無線通信システムが利用できない旨を画面表示等によりユーザに通知する(ステップS10)。
【0026】
無線通信装置1の制御部15は、ステップS6において無線LANサービスの利用が可能と判定し、かつステップS1の接続要求において無線LANサービスとの接続が要求されている場合、ICカード2から受信した管理情報中の加入者情報および事業者情報を無線LANインタフェース部13に渡して無線LANとの接続を要求する。無線LANインタフェース部13は、無線LANとの接続処理を行う(ステップS11)。こうして、無線通信装置1(無線LANインタフェース部13)を介した情報端末装置3と無線LANとの通信が開始される(ステップS12)。
【0027】
また、無線通信装置1の制御部15は、ステップS6において携帯電話サービスの利用が可能と判定し、かつステップS1の接続要求において携帯電話サービスとの接続が要求されている場合、ICカード2から受信した管理情報中の加入者情報および事業者情報と、前記接続要求に含まれる通信相手先情報(通信相手の電話番号)とを携帯電話インタフェース部14に渡して携帯電話網との接続を要求する。携帯電話インタフェース部14は、携帯電話網との接続処理を行う(ステップS13)。こうして、無線通信装置1(携帯電話インタフェース部14)を介した情報端末装置3と携帯電話網との通信が開始される(ステップS14)。
【0028】
なお、無線LANインタフェース部13または携帯電話インタフェース部14において、事業者情報(事業者識別子104)は、通信環境設定プロファイル(例えば、ESS−ID(Enhanced Service Set-ID )、チャネル、認証方式、暗号化キー等)の選択に使用される。
【0029】
次に、付加情報106とこれに基づく付加機能について説明する。付加情報106の例としては、本人性確認のための認証情報、カード利用期限情報、付加サービス使用権設定情報、無線通信システムの選択方法設定情報などがある。付加情報106に基づく付加機能の例としては、本人認証、ICカード2の利用制限、通信事業者が提供する付加サービスの使用可否判断、無線通信システムの選択方法の設定などがある。
【0030】
無線通信装置1の制御部15は、付加情報106が認証情報の場合、この認証情報を無線通信装置1の認証手段または情報端末装置3の認証手段に送り、認証手段が認証情報に基づいて本人認証を行う(ステップS8)。認証情報を用いることにより、セキュリティ機能を高めることができ、第三者によるなりすましを防止することができる。
【0031】
無線通信装置1の制御部15は、付加情報106がカード利用期限情報で、かつカード利用期限情報で指定された利用期限に達していない場合、ICカード2を利用してよいと判断する(ステップS8)。一方、カード利用期限情報で指定された利用期限を過ぎている場合、制御部15は、ICカード2の利用期限が過ぎているために全ての無線通信システムが利用できないことを示す利用不可応答を情報端末装置3に返信して、ICカード2の利用を拒否する。この利用不可応答を受信した情報端末装置3は、ICカード2の利用期限が過ぎている旨を画面表示等によりユーザに通知する(ステップS8)。例えば、カード利用期限情報が「20040630」に設定されている場合、2004年の6月30を過ぎると、ICカード2を利用することができなくなる。こうして、通信事業者は、ICカード2の利用期限を自身の都合で設定することができる。
【0032】
無線通信装置1の制御部15は、付加情報106が付加サービス使用権設定情報の場合、通信事業者が提供する付加サービスの使用可否を付加サービス使用権設定情報に基づいて判断する(ステップS8)。通信事業者が提供する付加サービスとしては、例えばローミング、利用エリア、VoIP(Voice over IP )サービスなどがある。制御部15は、無線通信システムとの接続時に、付加サービス使用権設定情報で使用が許可されている付加サービスをユーザに提供する。
【0033】
無線通信装置1の制御部15は、付加情報106が選択方法設定情報の場合、この選択方法設定情報に基づいて無線通信システムの選択方法を設定する(ステップS8)。前述のステップS9の処理では、契約情報105で定義された利用可能な無線通信システムの中から情報端末装置3の接続要求に応じて無線通信システムを選択していたが、情報端末装置3から指定を受けることなく、無線通信システムを自動的に選択することも可能である。
【0034】
選択方法設定情報に基づいて設定される無線通信システムの選択方法としては2通りある。第1の選択方法は、無線通信装置1の制御部15が、ステップS6において利用可能と判定した各無線通信システムの電波状態をチェックして、最も電波状態がよい無線通信システムを選択する方法である。
【0035】
第2の選択方法は、ユーザが使用契約を締結した各無線通信システムに予め優先順位を設定しておき、無線通信装置1の制御部15が、ステップS6において利用可能と判定した各無線通信システムの中から最も優先順位が高いものを選択する方法である。このときの選択方法設定情報(各無線通信システムの優先順位)は、ユーザが予め優先順位を決定し、ユーザが決定した優先順位を通信事業者が付加情報106としてICカード2に記録する。
こうして、無線通信装置1の制御部15は、第1の選択方法または第2の選択方法に従って、利用する無線通信システムを決定する(ステップS9)。
【0036】
次に、ユーザが使用契約を締結した無線通信システムのうち一部を解約する場合の処理について説明する。ユーザは、例えば携帯電話サービスを解約して、無線LANサービスのみ継続利用したい場合、ICカード2を通信事業者Aに提出する。通信事業者Aは、ユーザから預かったICカード2の管理情報の内容を変更して、ICカード2をユーザに返却する。
【0037】
ユーザが通信事業者Aと無線LANサービスおよび携帯電話サービスの使用契約を締結していた場合、ICカード2の管理情報テーブルに記録された契約情報105は「11」に設定されている。ここで、ユーザが携帯電話サービスの解約を希望しているので、通信事業者Aは、契約情報105を「10」に設定変更すればよい。こうして、設定変更されたICカード2がユーザに返却されると、ICカード2の契約情報105が「10」に変更されているので、以後は無線LANサービスのみ利用が可能となる。
【0038】
次に、ユーザが通信事業者Aとの契約を全て解約する場合について説明する。通信事業者Aは、ユーザから提出されたICカード2の管理情報テーブルから自身の事業者識別子104を消去し、契約情報105を「00」(全て使用不可)に設定変更し、自身が提供する付加サービスに関わる付加情報106があれば、この付加情報106も消去する。こうして、設定変更されたICカード2がユーザに返却されると、以後はこのICカード2で通信事業者Aの無線通信システムを利用することはできなくなる。なお、通信事業者Aとの契約を全て解約する場合は、ユーザにICカード2を返却しなくてもよい。
【0039】
次に、ユーザが通信事業者Aとの契約を全て解約した後、新たに通信事業者Bと契約を締結する場合の処理について説明する。このとき、ユーザは、通信事業者Bと携帯電話サービスの使用契約を締結するものとする。通信事業者Bは、ICカード2の管理情報テーブルに、自身の事業者識別子104と、値を「01」に設定した契約情報105と、自身が提供する付加サービスに関わる付加情報106とを記録し、このICカード2をユーザに提供する。こうして、ユーザは、通信事業者Bの携帯電話サービスを利用することができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置1の例としてネットワークカードを例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、複数の無線通信システムと接続可能な携帯電話機やPHSでもよいし、車両または情報家電に搭載された無線通信装置でもよい。車両の場合には、移動中は携帯電話や衛星通信を使用し、停車中は無線LANやブルートゥース(Bluetooth )を使用するといった各々の無線アクセスの長短を考慮した無線通信装置が考えられる。情報家電の場合には、MDなどの可搬型の製品であれば、車両と同様の無線通信装置が考えられる。また、宅内機器の場合には、ブロードバンドの情報伝達が必要なものは無線LAN等の広帯域通信を使用し、遠方からリアルタイムに情報転送したい場合はポケットベルや携帯電話などを使用するといった無線通信装置が考えられる。
【0041】
また、ICカード2をISO781x規格に則ったカードとすることで、クレジットカードやキャッシュカード等との連携も可能となり、電子決済や本人性確認機能などICカード2の応用範囲を拡大することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーザが複数の無線通信システムを提供する通信事業者と少なくとも1つの無線通信システムの使用契約を締結したときに複数の無線通信システムに対応した加入者識別カードにユーザの管理情報を記録し、加入者識別カードの提供を受けたユーザが複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置を利用する際に、この無線通信装置が加入者識別カードの管理情報に基づいて複数の無線通信システムの利用可否を個別に判定するようにしたので、ユーザは、通信事業者が提供する複数の無線通信システムのうち、通信事業者と使用契約を締結している無線通信システムのみを使用することができ、通信事業者にとっては、無線通信装置の本来の利用目的以外の不正な利用を防止することができる。その結果、通信事業者は、正確な収益予測に基づいたサービス提供が可能となり、自社サービス利用のみを目的として価格競争力を持たせた無線通信装置を提供することが可能となる。
【0043】
また、無線通信装置が加入者識別カードの存否を判定し、加入者識別カードが存在しない場合は無線通信装置の利用を拒否するようにしたので、加入者識別カードを所持していない第三者による無線通信装置の不正な利用を防止することができる。
【0044】
また、管理情報内に付加情報を設定することにより、ユーザに付加機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態となる無線通信装置の1構成例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態におけるICカードの1構成例を示すブロック図である。
【図3】 ICカードが装着された無線通信装置を使用する情報端末装置の1例を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態においてICカードに記録される管理情報テーブルの1例を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態における無線通信装置とICカードの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…無線通信装置、2…ICカード、3…情報端末装置、11…情報端末インタフェース部、12…ICカードインタフェース部、13…無線LANインタフェース部、14…携帯電話インタフェース部、15…制御部、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…EPROM、25…入出力インタフェース部。

Claims (6)

  1. ユーザが複数の無線通信システムを提供する通信事業者と少なくとも1つの無線通信システムの使用契約を締結したときに、前記複数の無線通信システムに対応した加入者識別カードにユーザの管理情報を記録する設定手順と、
    前記加入者識別カードの提供を受けた前記ユーザが前記複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置を利用する際に、この無線通信装置が前記加入者識別カードの管理情報に基づいて前記複数の無線通信システムの利用可否を個別に判定する利用可否判定手順とを備えることを特徴とするユーザ契約管理方法。
  2. 請求項1記載のユーザ契約管理方法において、
    前記無線通信装置が前記加入者識別カードの存否を判定し、前記加入者識別カードが存在しない場合は前記無線通信装置の利用を拒否する存否判定手順を備えることを特徴とするユーザ契約管理方法。
  3. 請求項1記載のユーザ契約管理方法において、
    前記管理情報は、前記ユーザに付加機能を提供するための付加情報を含むことを特徴とするユーザ契約管理方法。
  4. 通信事業者が提供する複数の無線通信システムと接続可能な無線通信装置であって、
    ユーザが複数の無線通信システムを提供する通信事業者と少なくとも1つの無線通信システムの使用契約を締結したときに前記ユーザに提供される加入者識別カードに記録されたユーザの管理情報に基づいて、前記複数の無線通信システムの利用可否を個別に判定する利用可否判定手段を有することを特徴とする無線通信装置。
  5. 請求項4記載の無線通信装置において、
    前記加入者識別カードの存否を判定し、前記加入者識別カードが存在しない場合は前記ユーザによる無線通信装置の利用を拒否する存否判定手段を有することを特徴とする無線通信装置。
  6. 請求項4記載の無線通信装置において、
    前記管理情報に含まれる付加情報に基づいて前記ユーザに付加機能を提供する付加機能提供手段を有することを特徴とする無線通信装置。
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