JP4040478B2 - 列車走行制御方法および列車走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、列車の走行制御に係り、特に列車に遅延が発生した場合にその後の目標速度を適正に算出して制御する列車走行制御方法および列車走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
列車走行計画時には、まず、列車の走行性能および軌道状態において最短時分で走行できる運転曲線(基準走行曲線)を作成する。次に、列車の遅延時分の回復余力を持たせる等の必要により上記の運転曲線の速度以下の余裕を持った走行曲線(計画走行曲線)を作成し、この走行曲線の走行時間に基づいて、列車走行計画を作成する。従って、通常時は、走行曲線の速度を目標速度として走行すれば、列車は各駅に計画通りの時刻に到着することができる。また、列車の運行遅延等が発生した場合には、走行曲線の速度以上で運転曲線の速度以下の速度を目標速度として走行することにより、遅れを取り戻すことができる。
【0003】
列車に遅れが生じた場合、計画された元のダイヤへ復旧するための目標速度を求め、列車の走行を制御する従来の技術としては、例えば次のようなものがある。すなわち、列車が運行される軌道上に走行目標比率を計算するタイミングを示す複数の走行目標比率算出地点および列車の走行時間管理を行う位置を示す複数の採時地点を設け、軌道上を運行される列車を最短時分で走行した場合の基準となる運転曲線と、この運転曲線に対して軌道上を実際に列車が走行する場合の遅延時の回復余力等を持たせた各採時地点における列車の計画時刻とを予め設定し、列車が各走行目標比率算出地点を通過した時に該当走行目標比率算出地点から次の採時地点まで最短時分で走行した場合の基準走行時分および定時運転を確保するための指定走行時分を、上記運転曲線と列車の通過あるいは到着の計画時刻からそれぞれ求め、基準走行時分と指定走行時分との比率で示される走行目標比率を算出し、次の採時地点までの列車の実際の走行速度を運転曲線と走行目標比率とで得られる走行目標速度に制御するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−15013号公報(第2頁、および第3図参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に示す方法では、現在の列車速度から走行目標速度に到達するまでの加速(または減速)に要する時間を考慮されていないので、適切な目標速度が得られない場合が起こり得る。また、車両性能に基づく加速度や減速度を考慮していないので、該当列車の車両性能で目標速度通りに走行が可能である保証がないという問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、列車に遅延等が発生した場合に、現在の列車速度から目標速度に到達するまでの加速または減速を考慮して適正な目標速度を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる列車走行制御方法は、位置と時刻と速度で表される現在の列車走行状態と、指定された位置および時刻と、軌道上の位置により定められた制限速度との情報をもとに、制限速度を守りながら、現在の列車走行状態から指定された位置へ指定された時刻までに到着するための目標走行曲線を作成して列車の走行を制御する列車走行制御方法において、車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線を予め作成しておき、走行中の列車が指定された位置へ遅延することが予想される場合には、車両性能に基づいて現在の走行状態から基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、模擬結果と基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、次に最小走行時間と目標走行時間とを比較し、列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、修正走行曲線データと減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、仮最高速度が列車の現在速度を超えている場合は参照データを修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、一方、仮最高速度が列車の現在速度を越えない場合は、参照データを減速走行曲線データに設定して、仮最高速度曲線データを作成し、作成した仮最高速度走行曲線データを用いて列車の現在位置から次停車駅までの走行時間が目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに列車の走行を制御するものである。
また、予め計画された計画ダイヤと、軌道上の各列車の在線位置を検知する検知手段と、列車運行乱れを検知または予測した場合に該当する列車の計画ダイヤの着発時刻を変更した運転整理ダイヤを作成する手段と、軌道上の各列車に変更後の着発時刻を送信する手段とを有する列車運行管理装置を備えた列車走行制御装置における列車走行制御方法において、各列車は、車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線を保持し、計画ダイヤ情報に基づいて作成した目標走行曲線により走行している列車が、運行管理装置から着発時刻の変更を受信した場合、または、取得した現在の列車走行状態が目標走行曲線からずれているのを検知した場合には、現在の列車走行状態を入力し、車両性能に基づいて現在の走行状態から基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、模擬結果と基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、次に最小走行時間と目標走行時間とを比較し、列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、修正走行曲線データと減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、仮最高速度が列車の現在速度を超えている場合は参照データを修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、一方、仮最高速度が列車の現在速度を越えない場合は、参照データを減速走行曲線データに設定して、仮最高速度曲線データを作成し、作成した仮最高速度走行曲線データを用いて列車の現在位置から次停車駅までの走行時間が目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに列車の走行を制御するものである。
また、軌道上の列車の在線位置を検知し、列車運行乱れを検知した場合に、軌道上の位置により定められた制限速度を守りながら、乱れを早期に回復するために目標走行曲線を作成して列車の走行を制御する列車走行制御装置において、位置と時刻と速度とで表される列車走行状態を取得する現在の列車走行状態取得手段と、列車走行の乱れを検知する列 車走行乱れ検知手段と、列車走行の目標とする目標走行曲線を作成する目標走行曲線作成手段とを有し、車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線と、計画ダイヤに基づく計画走行曲線とを保持し、計画走行曲線を目標走行曲線として走行している列車が、列車走行乱れ検知手段により現在の列車走行状態が目標走行曲線からずれているのを検知した場合には、現在の列車走行状態取得手段から得られる現在の列車走行状態と、車両性能に基づいて現在の走行状態から基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、模擬結果と基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、次に最小走行時間と上記目標走行時間とを比較し、列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、修正走行曲線データと減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、仮最高速度が上記列車の現在速度を超えている場合は参照データを修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、一方、仮最高速度が列車の現在速度を越えない場合は、参照データを減速走行曲線データに設定して、仮最高速度曲線データを作成、作成した仮最高速度走行曲線データを用いて列車の現在位置から次停車駅までの走行時間が目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに列車の走行を制御するものである。
また、予め計画された計画ダイヤと、軌道上の各列車の在線位置を検知する検知手段と、列車運行乱れを検知または予測した場合に該当する列車の計画ダイヤの着発時刻を変更した運転整理ダイヤを作成する手段と、軌道上の各列車に変更後の着発時刻を送信する手段とを有する列車運行管理装置を備えた列車走行制御装置において、各列車には、位置と時刻と速度とで表される列車走行状態を取得する現在の列車走行状態取得手段と、運行管理装置からの変更後の着発時刻を受信する変更着発時刻受信手段と、列車走行の乱れを検知する列車走行乱れ検知手段と、列車走行の目標とする目標走行曲線を作成する目標走行曲線作成手段とを有し、車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線を保持し、計画ダイヤ情報に基づいて作成した目標走行曲線により走行している列車が、変更着発時刻受信手段により着発時刻の変更を受信した場合、または、列車走行乱れ検知手段により現在の列車走行状態が目標走行曲線からずれているのを検知した場合には、現在の列車走行状態取得手段から得られる列車走行状態を入力し、車両性能に基づいて現在の走行状態から基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、模擬結果と基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、次に最小走行時間と目標走行時間とを比較し、列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、修正走行曲線データと減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、仮最高速度が列車の現在速度を超えている場合は参照データを修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、一方、仮最高速度が列車の現在速度を越えない場合は、参照データを減速走行曲線データに設定して、仮最高速度曲線データを作成し、作成した仮最高速度走行曲線データを用いて列車の現在位置から次停車駅までの走行時間が目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに列車の走行を制御するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による列車走行制御方法を示すブロック図である。まず始めに構成要素の概略の関係を説明し、各構成要素の詳細は後述する。図において、基準走行曲線データ101は、駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線に基づく位置と速度と時間のデータが記憶されている。計画着発時刻データ102は、基準走行曲線の速度以下の余裕を持った計画走行曲線に基づいて、計画上の列車の各駅の着発時刻データが記憶されている。
【0009】
まず、現在の列車走行状態取得手段103により、列車の現在速度、列車の現在位置および列車の現在時刻を得る。次に、これらの情報のうち列車の現在速度および列車の現在位置を修正走行曲線作成手段104へ入力する。修正走行曲線作成手段104では、まず、列車の現在位置の情報をもとに基準走行曲線データ101を検索し、対応する基準走行曲線、すなわちこれから使用する基準走行曲線を取得する。次に、列車走行模擬手段105を用いて、列車の現在位置と現在速度から基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの走行を模擬する。この模擬結果による位置−速度曲線と、模擬結果が基準走行曲線の位置と速度に到達した以後の基準走行曲線とを組み合わせることにより、列車の現在位置と現在速度に基づいた、次停車駅までの最小走行時間での走行曲線となる修正走行曲線106を作成する。
【0010】
ここで、修正走行曲線作成手段104による修正走行曲線作成の概要を、走行曲線図を用いて説明する。
図2は基準走行曲線と計画走行曲線を示す図である。図において、横軸は発駅から次停車駅までの距離を、左縦軸は速度を、右縦軸は時間を示しており、上部の太線で示す曲線201は基準走行曲線のうちの位置−速度曲線であり、下部の太線で示す曲線202は基準走行曲線のうちの位置−時間曲線である。基準走行曲線とは、各駅間で、車重やモーター性能等により決まる車両性能と、特急や快速といった運転種別と、線路の勾配や曲率やトンネル区間等で決まる地理的条件、および列車走行の安全性確保のために位置によって決められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に、駅間を最小時間で走行できるパターンである。このうち、基準走行曲線(位置−速度曲線)201は駅間を最小時間で走行する場合の速度を位置毎に示している。また、基準走行曲線(位置−時間曲線)202は基準走行曲線(位置−速度曲線)201に示した位置と速度に基づいて走行した場合の発駅からの走行時間を示している。従って次停車駅におけるグラフの高さは駅間最小走行時間を表している。
【0011】
実際の走行計画では、基準走行曲線から遅延時等の回復余力を見越した、すなわち次停車駅において駅間最小走行時間に余裕時間を見込んだ計画走行曲線(位置−速度曲線)203と計画走行曲線(位置−時間曲線)204を作成する。通常はこの計画走行曲線を目標に走行すれば列車は各駅に計画通りの時刻に到着することができ、遅延等が発生した場合は図の斜線部の範囲内で目標速度を設定することにより遅延を回復することができる。
【0012】
図3は、図2で示した基準走行曲線を表すグラフ上に、列車の現在位置Pおよび列車の現在速度Vを示す点301をプロットし、更に、列車走行模擬手段105によって模擬した模擬結果を表示して作成した修正走行曲線を示す図である。通常は図2で説明した計画走行曲線に従って走行しているので、現在位置Pでの現在速度Vは、基準走行曲線201上での位置Pでの速度以下である。また、遅延等が発生した場合にも、列車は、安全性確保のために常に位置によって決められた制限速度以下で走行しているので、現在位置Pでの現在速度Vは、位置によって決められた制限速度以下で駅間を最小時間で走行する場合の走行曲線である基準走行曲線201上の位置Pでの速度以下である。
【0013】
そこで、遅延等が発生した場合、それを回復するための走行曲線を図1で説明した列車走行模擬手段105によって模擬する。列車走行模擬手段105では、PおよびVを初期値として、車両性能に基づく列車の加速走行の模擬を、模擬結果の列車速度が基準走行曲線(位置−速度曲線)201の速度に到達する位置Psまで実施する。模擬結果に基づいて、PからPsまでの区間に亘り列車走行模擬に基づく走行曲線(位置−速度曲線)302を作成すれば、列車は常に加速しているので、同区間での走行が最小時間となる走行曲線(位置−速度曲線)になる。これに、Ps以後の基準走行曲線(位置−速度曲線)201を組み合わせれば、現在の列車位置Pから次停車駅到着までの最小走行時間での走行曲線(位置−速度曲線)、すなわち修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303(図の太線部分)が作成できる。
【0014】
また、列車走行模擬結果に基づいて、Pでの時間を0として、PからPsまでの区間の列車走行模擬結果に基づく走行曲線(位置−時間曲線)304を作成すれば、列車は常に加速しているので、同区間での走行が最小時間となる走行曲線(位置−時間曲線)になる。ところで、修正走行曲線(位置−速度曲線)303は、Ps以後は、基準走行曲線(位置−速度曲線)201を利用しておりこれと同一なので、Ps以後の走行時間も基準走行曲線(位置−時間曲線)202と同一である。従って、列車走行模擬に基づく走行曲線(位置−時間曲線)304のPsでの時間、すなわちPからPsまでの走行時間をTs、基準走行曲線202のPsでの時間、すなわち発駅からPsまでの基準走行時間をTbとすれば、(Tb−Ts)だけPs以後での基準走行曲線(位置−時間曲線)を並行移動し、列車走行模擬に基づく走行曲線(位置−時間曲線)304と組み合わせることにより、修正走行曲線(位置−時間曲線)304〜305(図の太線部分)が得られる。このようにして作成した両修正走行曲線が図1の修正走行曲線106となる。
【0015】
次に、図1の説明に戻り、着時刻比較手段107では、修正走行曲線106と現在の列車走行状態取得手段103からの現在時刻とを入力し、また、計画着発時刻データ102から計画上の列車の各駅の着発時刻を入力して、現在の列車走行状態から次停車駅まで走行した場合に、計画着時刻までに列車が到着できるかどうかを判断する。
【0016】
再び図3を参照しながら説明すると、図3の修正走行曲線(位置−時間曲線)304〜305において、次停車駅での時間Tminは、列車の現在位置Pから次停車駅までの最小走行時間を表している。次に、計画着発時刻データ102から得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引けば、列車の現在位置から次停車駅に定時着(時刻表どおりに到着)するための所要時間がわかるのでこれをTaとおく。
【0017】
もし、TminがTaより大きい場合は、最小走行時間で走行しても、次停車駅へは定時着できないので、少なくとも遅延を最小限に押さえるためには、現在位置P以後は、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303の速度を目標速度として走行すればよい。従って、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303を列車の目標速度曲線として目標走行曲線108に記録し、この目標速度曲線に従って走行すれば、列車は最小限の遅延で次停車駅に到着することができる。
【0018】
また、TminとTaが等しい場合は、最小走行時間で走行した場合にのみ、次停車駅へ定時着できるので、この場合も修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303を目標走行曲線108として用いる。
【0019】
一方、もしTminがTaより小さい場合は、最小走行時間Tminで走行すると次停車駅へ定刻より早く到着する。すなわち列車の走行に余裕があることがわかる。そこで、修正最高速度設定手段109によって、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303のうちの最高速度より低い速度の修正最高速度を設定し、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303でこの修正最高速度より速度が高い区間での速度を一律に修正最高速度に変更することにより、修正走行曲線(位置−時間曲線)における現在位置から次停車駅までの走行時間をTaに一致するまで増加させ、これを基に作成した走行曲線を定時着走行曲線110とする。そして、以後これを目標走行曲線として用いる。
【0020】
ここで、修正最高速度設定手段109による定時着走行曲線作成の概要を図3および図4を用いて説明する。図4は定時着走行曲線を位置−速度曲線および位置−時間曲線で表した図である。先に示した図3では、修正走行曲線(位置−時間曲線)304〜305による列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間Tminと列車の現在位置から次停車駅に定時着するための所要時間Taの関係が、Ta>Tminの場合を示している。従って、次停車駅へ定時着するためには、列車の現在位置Pから次停車駅までの区間で、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303の速度より低い速度で走行し、走行時間を長くする必要がある。そこで本発明では、図4に示すように、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303での最高速度より低い速度を後述のような方法により修正最高速度401として設定し、修正走行曲線(位置−速度曲線)302〜303のうち修正最高速度401より速度が高い区間(図中にRで示す区間)での速度を一律に修正最高速度401に変更する。
【0021】
さて、修正最高速度適用範囲Rでは、速度が修正走行曲線(位置−速度曲線)303より低いので、この間の走行時間は図中に斜線部402で示すように、修正走行曲線(位置−時間曲線)304〜305より増加する。この走行時間の増加分が図3の(Ta−Tmin)と一致するように修正最高速度を設定することにより、次停車駅への定時着走行曲線(位置−速度曲線)403と定時着走行曲線(位置−時間曲線)404が作成できるので、これを目標走行曲線108とする。
【0022】
次に、上記で説明した修正走行曲線106から目標走行曲線108を作成する手順を、図5のフローチャートで説明する。
まず、現在の列車走行状態取得手段103から入力された列車の現在位置Pと現在速度Vから、基準走行曲線201の位置・速度に到達するまでの走行を模擬し、現在の列車走行状態に基づく修正走行曲線を作成する(S501)。次に、修正走行曲線から、列車の現在位置Pから次停車駅着までの最小走行時間Tminを得る。また、計画上の次停車駅着時刻から現在時刻を引いて、次停車駅定時着のための走行時間Taを得る(S502)。次に、TminとTaを比較し(S503)、もしTminがTaより大きいか同じの場合は、修正走行曲線を目標走行曲線とする(S504)。また、TminがTaより小さい場合は、修正最高速度設定手段109により、定時着となるように、修正走行曲線の最高速度を変更した走行曲線である定時着走行曲線110を作成し(S505)、これを目標走行曲線108とする(S506)。
以後この目標走行曲線に従って走行すれば、列車の現在速度から目標速度に到達するまでの加速(または減速)に要する時間を車両性能に基づいて計算しているので、適切な目標速度を得ることができる。
【0023】
次に、図1に示した本発明の各構成要素を具体的に説明する。
図6は、図1における現在の列車走行状態取得手段103の一例を示す構成図である。図において、軌道上には決められた位置に位置発信装置601が取り付けられており、軌道上を走行する列車602に対して位置情報を発信する。列車602には、受信装置603が備えられており、位置発信装置601からの信号を検知することにより、現在位置を知ることができる。また、列車602には時計604および速度計605が備えられており、位置発信装置601からの信号を検知した時点での時刻および速度を計測する。
【0024】
なお、列車位置を検知する方法としては、図6に示す方法以外にも、GPSを用いる方法や、車輪の回転数を計測する方法や、軌道回路の落下・扛上の発生を利用する方法があるのでそれらを利用しても良く、また、それらの方法から複数を選択してもよい。
【0025】
次に図7は、図1にあげた基準走行曲線データ101を計算機に記憶する場合のデータ構造の一例を示す図である。基準走行曲線データ101は、特急や普通等の運転種別および発駅から次停車駅毎に、発駅から各レコードに順次付されるレコード番号701、標本位置702、標本位置における基準走行曲線(位置−速度曲線)上の速度703、標本位置間の基準走行曲線(位置−時間曲線)上の時間704で1つのレコードとなっている。最初のレコード(レコード番号0)は発駅での列車出発位置なので、速度が0であり時間は次の標本位置までの走行時間である。また最後のレコード(レコード番号221)は次停車駅での停車位置なので、速度は0であり時間には発駅から次停車駅までの最小走行時間、すなわちそれ以前のレコードに登録された時間の総和が登録されている。以後の説明で、レコード番号iの標本位置からレコード番号(i+1)の標本位置までの区間を、レコード番号iの標本区間と呼ぶことにする。
【0026】
上記標本位置には、基準走行曲線(位置−速度曲線)における、加速から定速あるいは定速から減速のように列車の運転方法が変化する地点を含めることが好ましい。また、図6の現在の列車走行状態取得手段の構成で説明した位置発信装置601や、軌道回路の落下・扛上のように走行状態を取得できる位置を標本地点に含めることが好ましい。また、線路上の位置により決まる抵抗値である勾配抵抗や曲線抵抗やトンネル抵抗の情報がある場合は、これらの抵抗値が変わる地点を含めることが好ましい。
【0027】
なお、図1における、修正走行曲線106、目標走行曲線108および定時着走行曲線110は、上記基準走行曲線データ101とデータ構造は同一なので、以後、適宜これらのデータを総称して走行曲線データと呼ぶ。
【0028】
次に図8は、図1にあげた計画着発時刻データ102を計算機に記憶する場合のデータ構造の一例を示す図である。計画着発時刻データ102は、駅を識別するための名前もしくはID等を記憶する領域801と各駅での着時刻を記憶する領域802と各駅での発時刻を記録する領域803とで1つのレコードとなっている。計画上、列車が駅に停止しないで通過する場合は、駅Cのように着時刻と発時刻は指定されていない。
【0029】
本実施の形態に示す発明では、列車走行模擬手段を随時呼び出して利用するので、先ず列車走行模擬手段から説明する。
図9は、図1に示す列車走行模擬手段105のフローチャートの一例である。まず、走行曲線データと模擬開始レコード番号i0を入力して処理を開始する(S901)。次に、模擬対象標本区間をiとし、iを模擬開始レコード番号i0に設定する(S902)。次に、入力された走行曲線データのレコード番号iの速度Viを列車走行模擬の初期速度とし、その標本位置を初期位置Piとし、P(i+1)までの走行模擬を開始する(S903)。
【0030】
次に、初期速度Viと、走行曲線データの次のレコード番号(i+1)に登録された速度V(i+1)とを比較して列車の運転方法を選択する。すなわち、Vi<V(i+1)の場合(S904)は運転方法を加速走行(S905)とし、Vi>V(i+1)の場合(S906)は減速走行(S907)とし、Vi=V(i+1)の場合は定速走行(S908)とする。
ここで、加速走行とは、模擬対象となる列車の車両性能に基づく加速度を用いて、列車走行模擬を実施することを意味する。また、減速走行とは、模擬対象となる列車の車両性に基づく減速度を用いて列車走行模擬を実施することを意味する。また、定速走行とは、加速度0として列車走行模擬を実施することを意味する。
【0031】
次に、加速走行または減速走行の場合には、走行曲線データのレコード番号(i+1)に登録された標本位置P(i+1)までの列車走行模擬を、上記加速度または減速度を用いて実施する。この際、線路上の位置により決まる抵抗値である勾配抵抗や曲線抵抗やトンネル抵抗を、車両性能に基づく加速度または減速度から差し引くことが望ましい。
【0032】
この列車走行模擬を走行曲線図を参照しながら説明する。図10および図11は列車走行模擬を説明する図である。列車走行模擬の結果、標本位置P(i+1)までに列車走行模擬結果の速度Vsが走行曲線データの速度V(i+1)に到達したかどうかを判定し(S909)、到達しなかった場合、すなわち図10に示すような場合は、走行曲線データのレコード番号(i+1)の速度に模擬結果で得た位置P(i+1)の速度Vsを設定し、走行曲線データのレコード番号iの時間Tiに模擬結果での走行時間であるPiからP(i+1) までの走行時間を設定する(S910)。次に模擬対象標本区間のレコード番号を(i+1)に変更し(S911)、ステップ903の処理に戻る。すなわち、模擬対象標本区間が(i+1)の場合には、列車走行模擬の初速度には、前回の列車走行模擬結果の速度Vsが用いられる。
【0033】
一方、位置P(i+1)までに列車走行模擬の速度がV(i+1)に到達する場合は、図11に示すように、速度V(i+1)に到達する位置からは定速走行で位置P(i+1)までの模擬を実行する(S912)。そして、走行曲線データのレコード番号iでの時間Tiに、模擬結果での走行時間を設定する。また、レコード番号i0から(最終レコード番号−1)までの時間の総和をとり、これを模擬開始レコード番号から次停車駅までの走行時間として、最終レコード番号の時間に設定する(S913)。
【0034】
なお、ステップ909においてVi=V(i+1) の場合は定速走行(S908)なので、ステップ901の処理に移り、標本区間iの距離を速度Vi で割って走行時間を計算し、走行曲線データのレコード番号iの時間Ti にこれを設定する。最後に、上記のように設定を変更した走行曲線データを結果として返す。また、列車走行模擬により、データが変更された最後のレコード番号iを、模擬終了レコード番号として返す(S914)。
【0035】
図12は上記列車走行模擬手段105により出力される走行曲線データの一例を示す図である。本例の場合、レコード番号114が模擬開始レコード番号であり、レコード番号161が模擬終了レコード番号である。そして太枠部1201は列車走行模擬手段105による模擬結果が入力されて設定が変更された部分である。1201には走行模擬結果の速度と時間が設定され、最終のレコード番号221では太枠部1202に示すように模擬開始レコード番号114から次駅停車位置までの、走行模擬結果を反映した走行時間が設定されている。他の部分は最初に入力された走行曲線データのままである。このように、上記列車走行模擬手段105は、入力された走行曲線データを利用して、必要最小限の列車走行模擬を実施するので、効率よく列車走行模擬を実行することができる。
【0036】
次に、図13は、図1で示した修正走行曲線作成手段104のフローチャートの一例である。修正走行曲線作成手段104は、現在の列車走行状態取得手段103から、列車の現在位置Pと列車の現在速度Vを入力として、処理を開始する(S1301)。次に、基準走行曲線データ101に保存されている基準走行曲線データの中から現在の駅間での基準走行曲線データを検索する(S1302)。検索方法は、各基準走行曲線データの最初のレコードの標本位置(列車の出発位置)および最後のレコードの標本位置(列車の次停車駅停車位置)と、列車の現在位置Pとを比較して、両標本位置の中に現在位置Pが含まれるかどうかをチェックする。次に、検索した基準走行曲線データのコピーXを作成する(S1303)。これ以降で、このコピーXをもとに設定内容を変更して修正走行曲線データとして完成させていく。
【0037】
次に、列車の現在位置Pが走行曲線データXの、いずれの標本区間に入るかを検索する。すなわち、まず検索対象レコード番号iを0に設定する(S1304)。次に、列車の現在位置Pがレコード番号iの標本位置Pi以上で次のレコード番号(i+1)の標本位置P(i+1)未満であるかを比較する(S1305)。もし、現在の列車位置Pがこの範囲にない場合は、iに(i+1)を設定して(S1306)、ステップ1305に戻る。
【0038】
以上により現在の列車位置Pが入る標本区間iが決まると、列車の現在位置Pおよび列車の現在速度Vが、走行曲線データXのレコード番号iに登録された標本位置Piと速度Viに一致するかどうかをチェックする(S1307)。もしこれらが共に一致する場合は、基準走行曲線通りの走行が可能であるので、上記走行曲線データXを修正走行曲線データとする(S1308)。
【0039】
一方、PまたはVが、PiまたはViに一致しない場合は、走行模擬を実施するために走行曲線データXの登録レコード番号iの速度と位置を、VおよびPに書き換える(1309)。次に、列車走行模擬手段105を呼び出し、書き換えた走行曲線データXと、模擬開始レコード番号iを、列車走行模擬手段105に入力する。そして、列車走行模擬手段105によって、初期速度V、初期位置Pにて走行模擬を実施し(S1310)、その結果により設定を変更して返された走行曲線データを、修正走行曲線データとする(S1311)。この様にして、修正走行曲線作成手段104により出力される修正走行曲線データは、前述の図12で示したようなものである。またこのときの修正走行曲線を図示したものが前述の図3の302〜303,304〜305である。
【0040】
次に、図14は、図1に示す着時刻比較手段107のフローチャートの一例である。着時刻比較手段107は、修正走行曲線106で得られた修正曲線データと現在の列車走行状態取得手段103からの列車の現在時刻を入力として処理を開始する(S1401)。次に、修正走行曲線データから、列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間Tmin、すなわち修正走行曲線データの最後のレコードの時間(図12の1202)に設定された値を得る。また、計画着発時刻データ102から得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより次停車駅で定時着するための走行時間Taを得る(S1402)。次にこれらの時間を比較する(S1403)。
【0041】
もし、TminがTaより大きい場合は、最小走行時間で走行しても、次停車駅へは定刻までに到着できないことがわかるから、少なくとも遅延を最小限に押さえるためには、修正走行曲線データどおりに走行すればよい。従って、修正走行曲線データを列車の目標走行曲線データとして用いることにより(S1404)、列車は最小限の遅延で次停車駅に到着することができる。また、TminとTaが等しい場合は、最小走行時間で走行した場合にのみ、次停車駅へ定時着できるので、TminがTaより大きい場合と同様に、修正走行曲線データを目標走行曲線データとして用いる(S1404)。
【0042】
一方、もしTminがTaより小さい場合は、最小走行時間で走行すると次停車駅へ計画時刻より早く到着する、すなわち列車走行に余裕があることがわかる。そこで、修正最高速度設定手段109を呼び出し(S1405)、修正走行曲線データでの最高速度より低い速度を修正最高速度として設定し、列車の現在位置から次停車駅までの走行時間がTaに一致する定時着走行曲線データ110を作成し、これを目標走行曲線データ108として用いる(S1406)ことにより、列車は次停車駅に定時着することができる。
【0043】
次に、図15は、図1に示す修正最高速度設定手段109のフローチャートの一例である。修正最高速度設定手段109は、修正走行曲線106からの修正曲線データと上記目標走行時間Taと列車の現在位置Pに対応するレコード番号、すなわち模擬開始レコード番号i0を入力として処理を開始する(S1501)。次に、定時着走行を行うための最高速度の探索区間の最大値Vmaxを修正走行曲線データ内の最高速度に、探索区間の最小値Vminを0に、また探索を開始する仮の最高速度Vtmpをこれらの中点、すなわち(Vmax+Vmin)/2とおく(S1502)。
【0044】
次に、現在の列車走行位置Pから列車が減速走行した場合の走行曲線データ(減速走行曲線データ)を作成する。このための準備として、まず修正走行曲線データのコピーYを作成し、模擬開始レコード番号i0より後の速度を0に設定し(S1503)、コピーYおよびレコード番号i0を入力として、列車走行模擬手段105を呼び出す(S1504)。これにより、列車走行模擬手段105は、レコード番号i0から停止までの減速走行曲線データをYに設定する(S1505)。
【0045】
次に、修正走行曲線データと減速走行曲線データと模擬開始レコード番号i0と仮最高速度Vtmpを入力として、最高速度変更手段を呼び出す(S1506)。最高速度変更手段(1507)では、後述のフローチャートで説明するような方法で、入力された修正走行曲線データの最高速度をVtmpに変更した場合の走行曲線データである仮最高速度走行曲線データを作成する(S1508)。この仮最高速度走行曲線データにおける次停車駅までの走行時間をTtmpとおく(S1509)。
【0046】
次に、目標走行時間TaとTtmpが概略一致するかを確認する(S1510)。すなわちTaとTtmpの差が例えば15秒等の許容誤差εの範囲内におさまる場合は、仮最高速度Vtmpによる走行で定時着が可能であると判断できるので、現在の仮最高修正速度曲線データを、定時着走行曲線データとする(S1511)。
【0047】
一方、両者の差が許容誤差εに収まらない場合は、Ttmpが目標走行時間Taより大きいかをチェックする(S1512)。Ttmp>Taの場合は、仮最高速度Vtmpが、定時着のためには低すぎることがわかるから、探索区間の最小値VminをVtmpに変更する(S1513)。これにより、定時着走行を行うための最高速度の探索区間は前回の1/2となる。一方、Ttmp<Taの場合は、仮最高速度Vtmpが、定時着のためには高すぎることがわかるから、探索区間の最大値VmaxをVtmpに変更する(S1514)。これにより、定時着走行を行うための最高速度の探索区間は前回の1/2となる。 次に、仮の最高速度VtmpをVmaxとVminの中点、すなわち(Vmax+Vmin)/2とおき(1515)、ステップ1506に戻る。
【0048】
このように、次停車駅へ定時着可能な走行曲線の修正最高速度を、2分探索法を用いて探索するので、修正走行曲線の最高速度が例えば300(km/h)の場合でも、この操作により最大でもlog2300≒9回の探索で、km単位までの適切な修正最高速度を得ることができる。
【0049】
次に、図16は、図15で説明した修正最高速度設定手段109のフローチャートの中にある最高速度変更手段(S1507)のフローチャートの一例である。最高速度変更手段は、修正走行曲線データと、減速走行曲線データと、列車の現在位置に対応するレコード番号である模擬開始レコード番号i0と、新たに設定する最高速度Vtmpとを入力して処理を開始する(S1601)。次に、仮最高速度曲線データを格納するための領域である、空白の走行曲線データZを作成する(S1602)。次に、修正走行曲線データに設定してあるレコード番号と各レコードの標本位置をデータZに設定する(S1603)。次に処理対象となるレコード番号iを模擬開始レコード番号i0に設定する(S1604)。次に、新たに設定する仮最高速度Vtmpが、現在の列車速度Vi0以上であるかどうかを確認し(S1605)、仮最高速度曲線データを作成する際に、参照する走行曲線データすなわち参照データを、修正走行曲線データと減速走行曲線データから選択する。
【0050】
選択方法を図を参照して説明する。図17は仮最高速度曲線の作成過程を説明する図であり、図18および図19はその要部詳細図である。図17において、列車の現在位置Pi0での現在速度Vi0から始まりABC・・・Jと辿る曲線が修正走行曲線(位置−速度曲線)であり、Vi0からKLと辿る曲線が先に図15のステップ1505で説明した減速走行曲線(位置−速度曲線)である。ここで、仮最高速度Vtmpが図の1701に示すように列車の現在速度Vi0を越えている場合は、Vtmpに到達するまで(Vi0−A間)は、修正走行曲線に従って走行すればよいので、参照データを修正走行曲線データに設定する(S1606)。一方、仮最高速度Vtmpが図の1702に示すように列車の現在速度Vi0を越えない場合は、Vi0からVtmpまで減速する必要があるので、Vtmpに到達するまで(Vi0−K間)は参照データを減速走行曲線データに設定する(S1607)。
【0051】
次に、現在の処理対象となるレコード番号iが最後のレコードであるかを確認する(S1608)。もし最後でない場合は、仮最高速度を示す直線すなわち図17の1701または1702と、参照データすなわち1701に対しては修正走行曲線、1702に対しては減速走行曲線の交点AまたはKをレコード番号の順序で探索する。つまり、参照データにおいて、Vi≦Vtmp<V(i+1)もしくはVi>Vtmp≧V(i+1)が成立するかを調べる(S1609)。もし、仮最高速度Vtmpがこれらの範囲にない場合は、参照データはまだVtmpに到達していないので、参照データ通りの走行が可能なため、参照データのレコード番号iに設定されている速度Viおよび時間TiをデータZに設定する(S1610)。そして、処理対象となるレコード番号を1つ進める(S1611)。
【0052】
一方、Vtmpが上記の範囲内である場合は、図18に示すように、参照データがレコード番号iの標本区間で、Vtmpに到達することがわかる。なお、これは図17では交点AまたはKの位置に相当する。さて、図18からわかるように、仮最高速度Vtmpの直線と参照データの交点を含む標本区間では、仮最高速度Vtmpに到達してからは定速走行をするように、列車走行を変更する必要がある。そこで、この標本区間において列車走行模擬を実施する。すなわち、データZのレコード番号iの速度に参照データのレコード番号iの速度Viを、データZのレコード番号(i+1)の速度に仮最高速度Vtmpを設定し(S1612)、データZの模擬開始レコード番号をiとして、列車走行模擬手段105を呼び出す(S1613)。前述のように、列車走行模擬手段105では、速度V(i+1)、すなわちVtmpに到達する位置からは、定速走行で位置P(i+1)までの模擬を実行する(図9のS912参照)ので、図18に示すような列車走行模擬結果が得られる。また、参照データにおいてはレコード番号(i+1)での速度はVtmpを越えているので、列車走行模擬が実施されるのは、レコード番号iの標本区間のみである。
【0053】
さて、現在の参照データが減速走行曲線データの場合には、次に仮最高速度Vtmpの直線が交わるのは図17における交点I、すなわち修正走行曲線データ上なので、参照データを修正走行曲線データに変更する(S1614)。
【0054】
次に、再び最高速度直線と参照データが交わる地点までの列車走行を、定速走行に変更する。すなわち、まず、処理対象となるレコード番号を1つ進める(S1615)。次に、参照データでのレコード番号iの標本区間での速度に、最高速度Vtmpが含まれるか確認する(S1616)。もし、含まれない場合は、レコード番号iの標本区間では、仮最高速度Vtmpで定速走行をすればよいことがわかるから、標本区間iの距離をVtmpで割ることにより同区間での走行時間Tiを算出し、データZのレコード番号iに、走行時間Tiおよび仮最高速度Vtmpを設定し(S1617)、ステップS1615に戻る。
【0055】
一方、参照データでのレコード番号iの標本区間での速度に、仮最高速度Vtmpが含まれる場合は、レコード番号(i+1)以後では、参照データに基づいて走行すればよいことがわかる。ただし、レコード番号iの標本区間においては、図19に示すように、参照データでのレコード番号(i+1)での速度V(i+1)に到達してからは、定速走行をするように、列車走行を変更する必要がある。そこで、この標本区間において列車走行模擬を実施する。すなわち、データZのレコード番号iの速度に仮最高速度Vtmpを、データZのレコード番号(i+1)に参照データの速度V(i+1)を設定し(S1618)、データZの模擬開始レコード番号をiとして、列車走行模擬手段を呼び出す(S1619)。前述のように、列車走行模擬手段では、速度V(i+1)に到達する位置からは、定速走行で位置P(i+1)までの模擬を実行する(図9のS912参照)ので、図19に示すような列車走行模擬結果が得られる。なお、車両性能を用いて列車走行模擬を実施するのは、参照データのレコード番号の標本区間での速度に仮最高速度Vtmpが含まれるレコード番号iの標本区間iのみである。
【0056】
次にステップ1611に戻って、次に仮最高速度直線と参照データの速度が交わる位置を探す。そして同様の処理を行い、処理対象となるレコード番号iが最後のレコードとなれば(S1608)、データZにおけるi0からの時間の総和を、最高速度をVtmpに修正した場合の駅間走行時間として最終レコードの時間に設定する(S1620)。以上のように作成したデータZを仮最高速度曲線データとする(S1621)。
【0057】
以上のように、最高速度変更手段では、車両性能を用いた列車走行模擬を実施するのは仮最高速度直線と参照データが交差する標本区間のみでよく、また仮最高速度区間での走行時間は割り算によって求めることができるので、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを効率よく作成できる。
このようにして作成した仮最高速度走行曲線データを用いて、図15で説明した修正速度設定手段のフローチャートのステップ1509以降を実行することにより、図4で説明したような定時着走行曲線を得ることができる。そして、この定時着走行曲線を目標走行曲線として次停車駅まで走行することにより計画時刻通りに次停車駅へ到着することができる。
【0058】
以上のように、本実施の形態による列車走行制御方法によれば、列車の現在速度から目標速度に到達するまでの加速(または減速)に要する時間を、車両性能に基づいて計算するので、適切な目標速度を得ることができる。
【0059】
また、計算に当たっては、該当駅間の基準走行曲線データを利用して、必要最小限の列車走行模擬を実施するので、効率よく列車の現在位置から次停車駅までの、定時着の走行時間での走行曲線データを作成することができる。
【0060】
また、列車走行に余裕がある場合は、多くの電力を必要とする最高速度を低く設定するので、電力消費量を削減した走行が可能である。また、修正最高速度適用範囲では、列車が定速走行を行うので、乗り心地が向上する。
【0061】
また、最高速度を低く設定する際には、適切な最高速度を2分探索法を用いて探索するので、効率よく目標走行曲線を作成できる。
【0062】
実施の形態2.
図20は、本発明の実施の形態2による列車走行制御装置を示す構成図である。図において、駅2001の列車停止位置および駅間の地点には、目標走行曲線修正位置2002が設けられている。目標走行曲線修正位置2002には位置発信装置が備えられ車上側に設けた受信装置により位置情報が取得できるようになっている。列車2003には列車走行制御車上装置2004が備えられている。
【0063】
列車走行制御車上装置2004において、基準走行曲線2005は車重やモーター性能等の車両性能と、特急や快速等の運転種別と、線路の勾配や曲率やトンネル区間等の地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に、駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線データである。計画走行曲線2006は基準走行曲線2006の速度以下の余裕を持った計画ダイヤに基づく計画走行曲線データである。目標走行曲線2007は列車が実際に走行する場合に目標とする走行曲線である。また、計画発着時刻2008は計画走行曲線データに基づく所定の地点での着発時刻のデータである。
【0064】
まず、列車2003が駅2001の列車停止位置から出発する際に、計画走行曲線2006を目標走行曲線2007に設定する。列車走行時には、現在の列車走行状態取得手段2009で列車の現在位置が目標走行曲線修正位置2002に達したことを検知し、列車走行乱れ検知手段2010により、現在の走行状態と目標走行曲線2007を比較し次停車駅に計画通り到着できるか否かをチェックする。
【0065】
すなわち、計画着発時刻2008から得られる次停車駅での着時刻と現在の列車走行状態取得手段2009により得られる現在時刻の差から次停車駅に定時着するための走行時間Taが得られる。現在の列車走行状態取得手段2009から得られる列車の現在位置と目標走行曲線2007からは、目標走行曲線に基づいて走行する場合の走行時間Ttが得られる。そこでこれらの差が、例えば15秒といった許容走行誤差δの範囲外にある場合は、現在の目標走行曲線通りに走行すると次停車駅に計画通り到着できないことがわかる。このように、遅延が予想されるような列車走行乱れを検知した場合には、目標走行曲線作成手段2011により、目標走行曲線2007を作り直す。
【0066】
目標走行曲線作成手段2011で目標走行曲線2007を作り直す方法は、実施の形態1で説明したものと同様な方法によって、上記次停車駅定時着のための走行時間Taと、現在の列車走行状態取得手段2009により得られる現在時刻および列車の現在位置および列車の現在速度と、基準走行曲線2005とを入力して、車両性能や位置によって決まる抵抗値を用いた列車走行模擬を実施し、その結果、もし列車走行に余裕がある場合は次停車駅に定時着可能な目標走行曲線を作成し、余裕がない場合は次停車駅への遅延を最小限とする目標走行曲線を作成する。
【0067】
作成された目標走行曲線と、現在の列車走行状態取得手段2009より得られる列車の現在位置および現在速度に基づいて、列車走行制御手段2012では、列車の走行方法を加速または減速または定速といった制御を行う。なお、これらの制御は、作成された目標走行曲線に従って自動的に速度を制御する方法や、目標速度を表示させて運転士がそれに追従した走行を行う方法等がある。
【0068】
以上のように、本実施の形態による列車走行制御装置によれば、列車の現在速度から目標速度に到達するまでの加速(または減速)に要する時間を、車両性能に基づいて計算するので、適切な目標速度が得ることができ、列車走行に乱れが発生した場合にも、速やかに乱れを回復する列車走行制御が可能となる。
【0069】
実施の形態3.
図21は、本発明の実施の形態3による列車走行制御装置を示す図である。
本実施の形態では、列車運行管理装置を備えており、軌道を走行中の複数の列車の対し運転乱れに対する制御が可能である。
列車運行管理装置2101には、列車運行検知手段2102が備えられており、管理する路線上の全ての列車の在線位置が収集できるようになっている。なお、列車の在線位置を検知する方法としては、軌道回路の落下・扛上の発生を利用する方法や、各列車からの位置情報を受信する方法等がある。また、これらを組み合わせた方法でもよい。
【0070】
また、列車運行管理装置2101には、計画ダイヤ変更手段2103が備えられている。計画ダイヤ変更手段2103では、まず管理する全ての列車の計画上の着発時刻を記録した計画ダイヤ2104と、列車運行検知手段2102からの現在の列車運行状況に基づいて、1つまたは複数の列車に計画ダイヤ2104からの遅延が発生しているかまたは発生が予測されるかを判断する。遅延が発生している場合に遅延走行列車の後続列車が計画通りに走行しようとすれば、遅延走行列車の影響により駅間で後続列車が停止し、列車の運行乱れが大きくなる。そこで、計画ダイヤ2104と列車運行検知手段2102で得た現在の列車運行状況から、各列車の現在の運行状況で可能な着発時刻を計算し、列車の運行乱れが速やかに回復できる運転整理ダイヤ2105を作成する。次に、変更着発時刻送信手段2106は、運転整理ダイヤ2105に基づく着発時刻を各列車2107に送信する。なお、この送信手段には、無線電話等の商用回線または鉄道専用回線を利用する方法や、軌道脇に専用のデータ送信回線を設置する方法や、駅等に専用のデータ送信装置を設置する方法等がある。
【0071】
駅2108の列車停止位置および駅間の地点には、目標走行曲線修正位置2109が設けられている。そして、列車2107には列車走行制御車上装置2110が備えられている。この列車走行制御車上装置2110では、列車の始発時には、変更着発時刻2111に計画ダイヤ2104どおりの該当列車の着発時刻が設定されている。もし、列車走行中もしくは停車中に、変更着発時刻受信手段2112が変更着発時刻送信手段2106から送信された変更着発時刻を受信した場合は、変更着発時刻2111のデータを受信内容に基づいて書き換える。
【0072】
また、列車走行制御車上装置2110には、目標走行曲線作成手段2113が備えられている。目標走行曲線作成手段2113は、実施の形態1で説明したものと同様な方法で、次停車駅定時着のための走行時間Taと、時刻Tおよび列車位置Pおよび列車速度Vと、基準走行曲線2114を入力として、列車が時刻Tに列車位置P、速度Vで走行している場合の、車両性能や位置によって決まる抵抗値を用いた列車走行模擬を実施し、もし列車走行に余裕がある場合は次停車駅に定時着可能な目標走行曲線2117を作成し、余裕がない場合は次停車駅への遅延を最小限とする目標走行曲線2117を作成する。なお、基準走行曲線2114は車重やモーター性能等の車両性能と、特急や快速等の運転種別と、線路の勾配や曲率やトンネル区間等の地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に、駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線データである。
【0073】
まず、列車2107が各駅を発車する場合には、変更着発時刻2111に設定された現在駅の発時刻と次停車駅の着時刻の差をTa、現在駅の発時刻をT、現在駅の列車発車位置をP、列車速度Vを0として次停車駅までの目標走行曲線2117を作成する。
【0074】
次に、列車走行中に変更着発時刻受信手段2112が変更着発時刻を受信し、次停車駅への着時刻が変更された際には、次停車駅の着時刻と現在時刻の差をTa、現在時刻をT、現在の列車走行状態取得手段2115から得られる列車の現在位置をP、列車の現在速度をVとして、次駅停車駅までの目標走行曲線を作成する。
【0075】
また、列車走行時には、現在の列車走行状態取得手段2115で、列車の現在位置が目標走行曲線修正位置2109に達したことを検知し、列車走行乱れ検知手段2116により、現在の走行状態と目標走行曲線2117の目標走行曲線データから、次停車駅に計画通り到着できるか否かをチェックする。すなわち変更着発時刻2111から得られる次停車駅での着時刻と現在の列車走行状態取得手段2115により得られる現在時刻との差から次停車駅へ定時着するための走行時間Taが得られ、現在の列車走行状態取得手段2115により得られる列車の現在位置と目標走行曲線2117からは目標走行曲線に基づいて走行する場合の走行時間Ttが得られるので、もし、これらの差が例えば15秒といった許容走行誤差δの範囲外にある場合は、現在の目標走行曲線通りに走行すると次停車駅に計画通り到着できないことがわかる。このように、列車走行乱れを検知した場合には、目標走行曲線作成手段2113により、目標走行曲線2117を作り直す。
【0076】
そして、列車走行制御手段2118では、現在の列車走行状態取得手段2115より得られる列車の現在位置および現在速度と、目標走行曲線2117に設定された目標速度に基づいて、列車の走行方法を加速または減速または定速といった制御を行う。なお、列車の制御方法には、目標速度を表示することにより、その目標速度に従って自動的に速度を制御する方法や、運転士が設定された目標速度に追従した走行を行う方法等がある。
【0077】
図22に、目標走行曲線作成手段2113を呼び出すフローチャートの一例を示す。まず、列車が現在駅停車中であるかを判断する(S2201)。もし停車中である場合には、現在の駅から次停車駅までの目標走行曲線を作成済みかどうかを確認する(S2202)。もし未作成であるならば、変更着発時刻2111に設定された現在駅の発時刻と次停車駅の着時刻の差をTa、変更着発時刻2111に設定された現在駅の発時刻をT、現在駅の列車発車位置をP、現在の列車速度Vを0として、上記目標走行曲線作成手段2113を呼び出し、次停車駅までの目標走行曲線を作成する(S2203)。また、既に目標走行曲線作成済みであっても、変更着発時刻の次停車駅着時刻が変更されたかどうかを確認し(S2204)、変更された場合は、同様にして目標走行曲線を作成する(S2203)。
【0078】
一方、列車が駅間走行中の場合にも、変更着発時刻2111の次停車駅着時刻が変更されたかどうかを判断し(S2205)、変更された場合には次停車駅着時刻と現在時刻の差をTa、現在時刻をT、列車の現在位置をP、列車の現在速度をVとして、次駅停車駅までの目標走行曲線作成手段を呼び出す(S2206)。また、次停車駅着時刻が変更されなくても、列車走行乱れが発生している場合、すなわち許容走行誤差δに対して、
|(次停車駅着時刻−現在時刻)−(目標走行曲線での現在位置から次駅停車駅までの走行時間)|>δ
が成り立つかどうかを判断し(S2207)、列車走行乱れが発生している場合は、同様にして目標走行曲線を作成する(S2206)。
【0079】
以上のように本実施の形態による列車走行制御装置によれば、列車運行乱れ時に、各列車は直ちに運転整理ダイヤに基づいた走行が可能であるので、運行管理装置で作成した運転整理ダイヤ通りの乱れ回復効果が期待できる。
【0080】
また、各列車は、先行列車の影響により次停車駅に遅延着する場合には、予めその時刻に次停車駅に到着するように走行するので、駅間での列車停止を防ぐことができる。
【0081】
また、列車運行に乱れがない場合にも、計画走行曲線が不要なので、運行計画時に計画走行曲線を作成する必要がなく、運行計画作成のコストを低減できる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の列車走行制御方法によれば、現在の列車速度から目標速度に到達するまでの加速(または減速)に要する時間を、車両性能に基づいて計算するので、適切な目標速度が得ることができる。
【0083】
また、目標走行速度作成に際して、基準走行曲線を利用することにより、列車走行模擬を実施する区間を最小限にとどめるので、正確な目標走行曲線を短時間で作成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による列車走行制御方法を示すブロック図である。
【図2】 基準走行曲線と計画走行曲線を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による修正走行曲線を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による定時着走行曲線を示す図である。
【図5】 図1における修正走行曲線から目標走行曲線を作成するまでのフローチャートである。
【図6】 図1における現在の列車走行状態取得手段を示す構成図である。
【図7】 図1における基準走行曲線データを計算機に記憶する場合のデータ構造を示す図である。
【図8】 図1における計画着発時刻データを計算機に記憶する場合のデータ構造を示す図である。
【図9】 図1における列車走行模擬手段のフローチャートである。
【図10】 列車走行模擬を説明する図である。
【図11】 列車走行模擬を説明する図である。
【図12】 図1における列車走行模擬手段により出力される走行曲線データ構造を示す図である。
【図13】 図1における修正走行曲線作成手段のフローチャートである。
【図14】 図1における着時刻比較手段のフローチャートである。
【図15】 図1における修正最高速度設定手段のフローチャートのである。
【図16】 図15の修正最高速度設定手段の中の最高速度変更手段のフローチャートである。
【図17】 仮最高速度曲線の作成過程を説明する図である。
【図18】 図17の要部詳細図である。
【図19】 図17の要部詳細図である。
【図20】 この発明の実施の形態2による列車走行制御装置を示すブロック図である。
【図21】 この発明の実施の形態3による列車走行制御装置を示すブロック図である。
【図22】 図21における目標走行曲線作成手段を呼び出すフローチャートである。
【符号の説明】
101 基準走行曲線データ 102 計画着発時刻データ
103 現在の列車走行状態取得手段 104 修正走行曲線作成手段
105 列車走行模擬手段 106 修正走行曲線
107 着時刻比較手段 108 目標走行曲線
109 修正最高速度設定手段 110 定時着走行曲線
2003,2107 列車
2005,2114 基準走行曲線
2006 計画走行曲線
2007,2117 目標走行曲線
2009,2115 現在の列車走行状態取得手段
2010,2116 列車走行乱れ検知手段
2011,2113 目標走行曲線作成手段
2101 運行管理装置 2102 列車運行検知手段
2103 計画ダイヤ変更手段 2104 計画ダイヤ
2105 運転整理ダイヤ 2106 変更着発時刻送信手段
2112 変更着発時刻受信手段。
Claims (4)
- 位置と時刻と速度で表される現在の列車走行状態と、指定された位置および時刻と、軌道上の位置により定められた制限速度との情報をもとに、上記制限速度を守りながら、現在の列車走行状態から上記指定された位置へ指定された時刻までに到着するための目標走行曲線を作成して列車の走行を制御する列車走行制御方法において、
車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線を予め作成しておき、
走行中の列車が上記指定された位置へ遅延することが予想される場合には、上記車両性能に基づいて現在の走行状態から上記基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、
模擬結果と上記基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、上記列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、
記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより上記次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、
次に上記最小走行時間と上記目標走行時間とを比較し、
列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から上記列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、
上記修正走行曲線データと上記減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、
上記仮最高速度が上記列車の現在速度を超えている場合は参照データを上記修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、
一方、上記仮最高速度が上記列車の現在速度を越えない場合は、上記参照データを上記減速走行曲線データに設定して、上記仮最高速度曲線データを作成し、
作成した上記仮最高速度走行曲線データを用いて上記列車の現在位置から上記次停車駅までの走行時間が上記目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに上記列車の走行を制御することを特徴とする列車走行制御方法。 - 予め計画された計画ダイヤと、軌道上の各列車の在線位置を検知する検知手段と、列車運行乱れを検知または予測した場合に該当する列車の計画ダイヤの着発時刻を変更した運転整理ダイヤを作成する手段と、上記軌道上の各列車に変更後の着発時刻を送信する手段とを有する列車運行管理装置を備えた列車走行制御装置における列車走行制御方法において、
上記各列車は、車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線を保持し、
計画ダイヤ情報に基づいて作成した目標走行曲線により走行している上記列車が、上記運行管理装置から着発時刻の変更を受信した場合、または、取得した現在の列車走行状態が上記目標走行曲線からずれているのを検知した場合には、上記現在の列車走行状態を入力し、上記車両性能に基づいて現在の走行状態から上記基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、
模擬結果と上記基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、上記列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、
記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより上記次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、
次に上記最小走行時間と上記目標走行時間とを比較し、
列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から上記列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、
上記修正走行曲線データと上記減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、
上記仮最高速度が上記列車の現在速度を超えている場合は参照データを上記修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、
一方、上記仮最高速度が上記列車の現在速度を越えない場合は、上記参照データを上記減速走行曲線データに設定して、上記仮最高速度曲線データを作成し、
作成した上記仮最高速度走行曲線データを用いて上記列車の現在位置から上記次停車駅までの走行時間が上記目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに上記列車の走行を制御することを特徴とする列車走行制御方法。 - 軌道上の列車の在線位置を検知し、列車運行乱れを検知した場合に、軌道上の位置により定められた制限速度を守りながら、乱れを早期に回復するために目標走行曲線を作成して列車の走行を制御する列車走行制御装置において、
位置と時刻と速度とで表される列車走行状態を取得する現在の列車走行状態取得手段と、
列車走行の乱れを検知する列車走行乱れ検知手段と、
列車走行の目標とする目標走行曲線を作成する目標走行曲線作成手段とを有し、
車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線と、
計画ダイヤに基づく計画走行曲線とを保持し、
上記計画走行曲線を上記目標走行曲線として走行している列車が、上記列車走行乱れ検知手段により現在の列車走行状態が上記目標走行曲線からずれているのを検知した場合には、上記現在の列車走行状態取得手段から得られる現在の列車走行状態と、上記車両性能に基づいて上記現在の走行状態から上記基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、
模擬結果と上記基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、上記列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、
記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより上記次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、
次に上記最小走行時間と上記目標走行時間とを比較し、
列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から上記列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、
上記修正走行曲線データと上記減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、
上記仮最高速度が上記列車の現在速度を超えている場合は参照データを上記修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、
一方、上記仮最高速度が上記列車の現在速度を越えない場合は、上記参照データを上記減速走行曲線データに設定して、上記仮最高速度曲線データを作成し、
作成した上記仮最高速度走行曲線データを用いて上記列車の現在位置から上記次停車駅までの走行時間が上記目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに上記列車の走行を制御することを特徴とする列車走行制御装置。 - 予め計画された計画ダイヤと、軌道上の各列車の在線位置を検知する検知手段と、列車運行乱れを検知または予測した場合に該当する列車の計画ダイヤの着発時刻を変更した運転整理ダイヤを作成する手段と、上記軌道上の各列車に変更後の着発時刻を送信する手段とを有する列車運行管理装置を備えた列車走行制御装置において、
上記各列車には、位置と時刻と速度とで表される列車走行状態を取得する現在の列車走行状態取得手段と、
上記運行管理装置からの変更後の着発時刻を受信する変更着発時刻受信手段と、列車走行の乱れを検知する列車走行乱れ検知手段と、列車走行の目標とする目標走行曲線を作成する目標走行曲線作成手段とを有し、
車両性能と運転種別と地理的条件および位置とによって定められた制限速度に基づいて列車が走行した場合に駅間を最小時間で走行できる基準走行曲線を保持し、
計画ダイヤ情報に基づいて作成した目標走行曲線により走行している列車が、変更着発時刻受信手段により着発時刻の変更を受信した場合、または、上記列車走行乱れ検知手段により現在の列車走行状態が上記目標走行曲線からずれているのを検知した場合には、上記現在の列車走行状態取得手段から得られる列車走行状態を入力し、
上記車両性能に基づいて現在の走行状態から上記基準走行曲線の位置と速度に到達するまでの加速走行を模擬し、
模擬結果と上記基準走行曲線とを組み合わせて作成した走行曲線を修正走行曲線とし、この修正走行曲線データから、上記列車の現在位置から次停車駅までの最小走行時間を得、
記憶しておいた計画着発時刻データから得た次停車駅着時刻から現在時刻を差し引くことにより上記次停車駅で定時着するための走行時間である目標走行時間を得、
次に上記最小走行時間と上記目標走行時間とを比較し、
列車走行に余裕があることがわかれば、現在の列車走行位置から上記列車が減速走行した場合の減速走行曲線データを作成し、
上記修正走行曲線データと上記減速走行曲線データと仮最高速度を入力として、
上記仮最高速度が上記列車の現在速度を超えている場合は参照データを上記修正走行曲線データに設定して、最高速度を変更した走行曲線データである仮最高速度曲線データを作成し、
一方、上記仮最高速度が上記列車の現在速度を越えない場合は、上記参照データを上記減速走行曲線データに設定して、上記仮最高速度曲線データを作成し、
作成した上記仮最高速度走行曲線データを用いて上記列車の現在位置から上記次停車駅までの走行時間が上記目標走行時間に一致する定時着走行曲線データを目標走行曲線として作成し、この目標走行曲線をもとに上記列車の走行を制御することを特徴とする列車走行制御装置。
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