JP4038876B2 - 粉体溶融バーナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の金属、酸化金属、酸化物、又はセラミックス等の粉体を溶融しつつ供給する際に用いられる粉体溶融バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護の観点から産業廃棄物の有効利用が多方面で試みられている。
例えば、製鋼の際に排出される還元スラグと集塵ダストは、以前においては殆んど利用価値がないため、廃棄されていた。しかし、上記還元スラグと集塵ダストを高温フレーム(火炎)中に供給して酸化スラグに溶製することにより、エージング処理をすることなくアスファルト舗装道路の路盤材とし、ダスト中のZnOを回収し、且つZn原料として再利用する処理方法が提案されている(特願平6-11208参照)。
【0003】
上記処理方法は、図5(A)に示すような取鍋51等を含む処理設備50を用いて行われる。この取鍋51の内部には還元スラグSが装入され、取鍋51の上部を覆う蓋板52の中央には、この蓋板52を垂直に貫通する粉体溶融バーナ(酸素バーナ)60が配設されている。尚、図5(A)の符号54は蓋板52に接続された集塵ダクト、符号56,56は取鍋51を枢支するトラニオンを示す。
上記バーナ60には、その中心にパイプ81を通じて重油等の燃料82が、パイプ83,84を通じて1次・2次酸素85が送給される。また、バーナ60には、パイプ87を通じてホッパ86内の粉末状のダストdが、エア等の搬送ガス88と共に流量調節可能なバルブ89を介して送給される。更に、バーナ60の外周部分を冷却するため、パイプ91,92を通じて冷却水90が循環して供給される。
【0004】
図5(B)は上記粉体溶融バーナ60の先(下)端部を拡大して示す断面図、図5(C)はその部分底面図を示す。バーナ60の最外部分62は、中空構造体で仕切り板64を介してUターンする冷却水路63が内設されている。該水路63は上記パイプ91,92と連通している。また、その内側には上記パイプ84と連通する2次酸素の流路66が位置し、且つ下端にはリング体65が固定され、該リング体65に沿って円周方向に穿設された複数の丸孔65aが配設されている。
更に、上記流路66の内側には隔壁67を介して粉末状のダストdの流路68が位置し、その下端には楕円形状の長孔69aをリング状に配置した耐摩耗鋼からなるリング69が固定されている。このリング69は、例えばFe−5%Cr−0.4%Cの組成を有する耐摩耗鋼を、切削加工によりリング形状に成形し且つ複数の長孔69aを孔明け加工したものである。尚、上記流路68は前記パイプ87及びこれを通じてホッパ86等と連通している。
【0005】
また、上記流路68の内側には隔壁70を介してリング形のスリット71が位置し、このスリット71には前記パイプ83から送給される1次酸素85が流れ下(先)端向きに吐出される。上記スリット71の中心には前記パイプ81に連通する燃料管72が配設され、その下端には丸い小穴74を円環状に穿設したコーン形状のキャップ73が固定されている。
そして、霧化された燃料82を1次・2次酸素85により燃焼させ、図5(A)に示すように、粉体溶融バーナ60の先(下)端から高温火炎Fを発生させる。同時に、リング69の各長孔69aからダストdを火炎F中に供給し溶融しつつ、取鍋51内の還元スラグSと混合溶融することにより、FeO,CaO等を主成分とする酸化スラグを生成することができる。この際、集塵ダクト54からZnOを主成分とする2次ダストが回収される。尚、上記ダストdの供給量は上記スラグSに対し所定割合になるようにバルブ89によって予め調節されている。
【0006】
ところが、上記ダストdをエア等の搬送ガス88と共に粉体溶融バーナ60内の流路68を通りリング69の各長孔69aから噴射する際に、高速度で吐出されるダストdが長孔69aの開口部付近に衝突するため、使用するに連れて各長孔69aが摩耗により拡大していく。係る摩耗はリング69を前記耐摩耗鋼から成形しても抑制し難い。このため、上記摩耗によって各長孔69aと外側の2次酸素を吐出する円孔65aとの間が連通したり、長孔69aと内側の1次酸素を吐出するスリット71との間が連通し、健全な高温火炎Fが発生できなくなる。従って、比較的短期間のうちにリング69が損傷するため、粉体溶融バーナ60全体を取替えざるを得ないという問題があった。
しかも、上記リング69を耐摩耗鋼からリング形に切削加工し、且つ複数の長孔69aを孔明け加工するには工数とコストを要するという問題もあった。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、健全な高温火炎を長期間に渉り安定して発生でき、且つ比較的容易且つ安価に製作可能な粉体溶融バーナを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、粉体溶融バーナにおけるダスト等の粉体を吐出する送給孔の開口部付近に、例えばWやW合金等の溶射層等からなる耐熱耐摩耗性の薄層を被覆することに着想して成されたものである。
即ち、本発明の粉体溶融バーナ(請求項1)は、燃料噴射孔、粉体送給孔、及び、酸素送給孔を互いに同心円状で且つ長手方向に沿って平行に配置されたバーナであって、上記燃料噴射孔が中心に配置され、その周囲に沿ってリング状の前記粉体送給孔、及び、リング状の酸素送給孔が同心円状に配置されており、上記リング状の粉体送給孔は、リング板とその内側に同心で配設されたリングとの間に位置し、且つ放射方向に沿っ複数の仕切り壁によって区切られると共に、係る粉体送給孔を形成する上記リング板の内周面、上記リングの外周面、及び、上記仕切り壁の表面に、耐熱耐摩耗性の薄層が被覆されている、ことを特徴とする。
【0009】
これによれば、粉体送給孔を形成する前記リング板の内周面、リングの外周面、及び、仕切り壁の表面にW溶射層等からなる耐熱耐摩耗性の薄層を厚さが少なくとも数10μm以上、例えば厚さ約100〜500μm程度で被覆することによって、粉体送給孔の先端側における摩耗を著しく低減することができる。そのため、健全な高温火炎を長期間に渉り安定して発生できると共に、比較的容易且つ安価に粉体溶融バーナを製作することが可能となる。
更に、燃料噴射孔が中心に配置され、その周囲に沿ってリング状の粉体送給孔、及び、リング状の酸素送給孔が同心円状に配置されているため、燃焼効率が良く健全な高温火炎を確実に得られ、且つ長期間に渉り安定して発生させることが可能となる。しかも、前記仕切り壁の表面にも係る耐熱耐摩耗性の薄層が被覆されているため、搬送ガスと共にダスト等の粉体を均一な密度の層流として安定して吐出でき、健全な高温火炎を確実に得ることができる。
尚、上記被覆を行う方法には溶射の他に、プラズマ等を用いる高温肉盛方法や、熱間静水圧プレス(HIP)等が含まれる。
【0010】
更に、前記リング状の粉体送給孔は、内外2重の前記リング状の酸素送給孔同士の間に配置されている、粉体溶融バーナ(請求項)も含まれる。
これによれば、燃焼効率が良く健全な高温火炎を確実に得られ、且つ長期間に渉り安定して発生させることが可能となる。
【0011】
尚、前記耐熱耐摩耗性の薄層は、W,Nb,Mo,Ta,V,Co,B,Ni,Crの何れかをベースとする合金からなる。
更に、前記耐熱耐摩耗性の薄層は、W,V,Co、Bの何れかを含む超硬、W,V,Co、Bの何れかを含むセラミックス、あるいは、W,V,Co、Bの何れかを含む金属炭化物含有する。上記超硬にはWC,VC等、セラミックスにはVC,NbC,TaC,BC,BN等、金属炭化物にはCr C等が含まれる
これらによれば、粉体送給孔の開口部付近の摩耗を確実に抑制することができ、健全な高温火炎を長期間に渉り安定して維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)及び(B)は本発明の1つの形態である粉体溶融バーナ1の先(下)端部分の断面と先端(底)面を示し、図2はその要部の分解斜視図を示す。
上記バーナ1は直径約200mmのサイズを有する円筒体で、その最外側にはSS40等の構造用鋼からなる中空円筒体2が位置し、リング形の仕切り板4を介して長手方向に沿ってUターンする冷却水路3が全周に渉り内設されている。該水路3は図示しない冷却水用タンクのパイプと連通している。
また、中空円筒体2の内側には2次酸素の送給路8が位置し、且つ先(下)端にはリング体7が固定され、このリング体7の円周方向に沿ってリング状に穿設された複数の丸い酸素送給孔6が穿設されている。上記送給路8は図示しない酸素タンクと連通し、図1(A)で2次酸素が下向きに流れ送給孔6から吐出される。
【0013】
更に、上記流路8の内側における円筒形の隔壁11と更にその内側の隔壁13との間には、ダスト等の粉体を送給するリング状の粉体送給路10aが配設され、その先(下)端に粉体送給孔10が位置する。上記粉体送給路10aの内周面と粉体送給孔10の先端面に渉って、例えばW基合金(60%W-20%Ni-20%Cr)を溶射した厚さ約100〜数100μmの耐熱耐摩耗性の薄層12が均一に被覆されている。尚、薄層12は、Ni−Cr系合金,WC−Co,Cr3C−NiCr等を上記同様の厚さに溶射して形成することもできる。
図1(B)及び図2に示すように、この粉体送給孔10内には粉体送給路10aに沿って、リング板9とその内側のテーパ付きリング14が互いに同心で配設される。上記リング14の外周面には粉体送給路10aを8つに分割する仕切り壁15が放射方向に立設されている。そして、上記リング板9の内周面と両端面、上記リング14の外周面と両端面、及び各仕切り壁15の表面に上記薄層12が均一に被覆されている。
【0014】
尚、上記隔壁11,13、及びリング板9、リング14も前記同様の構造用鋼からなる。また、粉体送給路10aは図示しないホッパ及び搬送ガス用のタンクと連通し、ダスト等の粉体とエア等の搬送ガスが粉体送給孔10から吐出される。
更に、上記粉体送給路10aの内側には隔壁13を介して円環形のスリットを呈する1次酸素の送給路16aが位置し、その先(下)端に酸素送給孔16が開口している。この送給路16aは図示しない酸素タンクと連通し、図1(A)で1次酸素が下向きに流れ、酸素送給孔16から吐出される。
上記送給路16aの中心で且つ本バーナ1の中心には前記同様の構造用鋼からなる燃料管17が配設され、その先(下)端に固定したキャップ19の先端面の中心には燃料噴射孔18が開口している。上記燃料管17は図示しない噴霧機等を介して灯油タンク等に連通している。
【0015】
以上の燃料噴射孔18(燃料管17)、1次酸素送給孔16(同送給路16a)、粉体送給孔10(同送給路10a)、及び2次酸素送給孔6(同送給路8)は、粉体溶融バーナ1内において互いに同心円で且つ長手方向に沿い平行に配置される。
係る構造を有する粉体溶融バーナ1は、上記耐熱耐摩耗性の薄層12を粉体送給孔10から粉体送給路10aに沿って、前記リング板9及びリング14の表面に対し軸方向で少なくとも数10cmに渉って被覆している。
【0016】
図3は、係るバーナ1の先端部における作用を示す。
先ず、前記中空円筒体2における内側の冷却水路3には図示で上方の基部から破線で示す冷却水20が下向きに供給される。この冷却水20は、バーナ1の内部全体を冷却しつつ逆に暖められて、先端側の仕切り板4をUターンして外側の冷却水路3を上昇し、温水21として前述の冷却水用タンクに復流される。
尚、図3中で符号30は前記燃料管17とキャップ19を結合するネジ部、符号32は隔壁13とリング14を結合するネジ部、符号34はリング板9の外周面に設けた凹溝36内に嵌装した耐熱シールリングを示す。また、リング14は図示のように、テーパ部分14aと円筒部分14bに分けて形成しても良い。
【0017】
また、図3に示すように、前記1次及び2次酸素の送給路16a,8には、それぞれ1次酸素22及び2次酸素28が送給され、送給孔16,6から吐出される。同時に、中心の燃料管17には燃料24が送給され、燃料噴射孔18から吐出されると共に、上記各酸素22,28によって燃焼され、バーナ1の先(下)方に高温火炎を発生させる。この場合、上記燃料24は霧状の灯油であり、これに供給した1次及び2次酸素22,28の合計量は、灯油(燃料)24が完全燃焼するのに必要な理論酸素量(酸素比1.0)とした。
【0018】
更に、図3に示すように、前記粉体送給路10aには、ダスト等の粉体26が搬送ガスであるエアと共に送給され、リング板9、リング14、及び各仕切り壁15の間を通って、粉体送給孔10から吐出される。この際、粉体22は高速でリング板9、リング14、及び各仕切り壁15の表面にも接触したり衝突する。
しかし、リング板9の内周面と両端面、リング14の外周面と両端面、及び各仕切り壁15の表面には、前述したW基合金を溶射した厚さ約100〜数100μmの薄層12が均一に被覆されているので、摩耗したり、表面や内部に亀裂やクラックが発生するのを著しく抑制することができる。
尚、上記での搬送ガスである上記エアの量は、灯油24の完全燃焼に必要な理論酸素量の5%相当の酸素を含有する。従って、これに上記1次酸素22及び2次酸素28を加えると、高温火炎中における灯油24に対する酸素比は1.05であり、酸素が若干過剰な状態に設定されている。
【0019】
以上のような状態で、粉体26として製鋼排出物のFeO,ZnOを主成分とするダストをエアと共に、前記送給路10aを通じて送給孔10から吐出させ、高温火炎中に供給して溶融した。この溶融したダストは、例えば前記図5の取鍋51内の還元スラグSと混合溶融することにより、FeO,CaOを主成分とする酸化スラグを生成することができた。因みに、前記W基合金の薄層12を厚さ300μmで先端から長さ20cmに渉り被覆した粉体溶融バーナ1と、これと同じ外径を有し耐摩耗鋼製のリング69を用いた従来のバーナ60について、同様の条件による高温火炎を発生させてテストした。
その結果、従来のバーナ60が粉体(ダスト:スラグの混合比が2:1)溶融量で1500tonで摩耗したのに対し、本発明のバーナ1は15000tonを超えても継続使用でき、従来のものより少なくとも約10倍以上の寿命を有していたことが判明した。
【0020】
これは、上記バーナ1内の前記薄層12が硬質で且つ靱性を有するため、エアと共に高速で送給される粉体26が衝突しても、摩耗したり亀裂やクラック等を生じにくかったことによると考えられる。
また、上記バーナ1における前記薄層12を形成するW基合金の溶射層は、約100〜300μm又は500μmの厚さに1回又は数回の溶射工程によって形成できる。従って、従来のバーナ60における耐摩耗鋼を切削及び孔明け加工するリング体69に比較し、少ない工程で且つ短時間に均一に被覆でき、しかも安価にて得ることができる。
【0021】
図4(A)及び(B)は、参考形態の粉体溶融バーナ40に関する。尚、以下において前記バーナ1と同じか同様の部分や要素には、同じか同様の符号を用いる。
このバーナ40の最外側の中空円筒体2も仕切り板4を介してUターンする冷却水路3が内設され、該水路3は図示しない冷却水用タンクパイプと連通する。
また、その内側に酸素の送給路8が位置し、且つ下端にはリング体7が固定され、このリング体7の円周方向に沿ってリング状に穿設された複数の丸い酸素送給孔6が穿設されている。上記送給路8は図示しない酸素タンクと連通し、図4(A)で酸素が下向きに流れ送給孔6から吐出される。
【0022】
図4(A)に示すように、上記送給路8の内側に円筒形の隔壁48が位置し、この隔壁48とバーナ40の中心に位置する粉体送給管41との間には、図4(B)にも示すように、霧状の灯油等を送給するリング状の燃料送給路45が配設され、その先(下)端にリング状の燃料噴射孔46が位置する。燃料送給路45も図示しない噴霧機等を介して灯油タンク等に連通する。また、上記粉体送給管41の内周面と粉体送給孔43の先端面に渉って、W基合金等を溶射した厚さ約100〜数100μmの耐熱耐摩耗性の薄層42が均一に被覆されている。
更に、上記粉体送給管41も図示しないホッパ及び搬送ガス用のタンクと連通し、ダスト等の粉体とエア等の搬送ガスが粉体送給孔43から吐出される。尚、上記隔壁48と粉体送給管41も前記同様の構造用鋼からなる。
【0023】
上記送給路8を通り送給孔6から吐出される酸素と、燃料送給路45を通り燃料噴射孔46から吐出される灯油等の燃料とによって、バーナ40の先(下)方に高温火炎を発生させる。同時に中心の粉体送給管41を通り、粉体送給孔43から搬送ガスであるエアと共に吐出されるダスト等の粉体が上記高温火炎中に供給されて溶融される。
この際、上記粉体送給管41の内周面と粉体送給孔43の先端面には、W基合金等を溶射した厚さ約100〜数100μmの耐熱耐摩耗性の薄層42が均一に被覆されているので、高速で送給される粉体が衝突しても、摩耗したり亀裂やクラック等を生じにくい。従って、係るバーナ40も従来の前記バーナ60に比較して、著しく耐久性を高めることができる。しかも、このバーナ40は前記バーナ1に対し構造も簡素で小型化も容易にできるという利点も有する。
【0024】
本発明は以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、図1(A)及び図3の粉体溶融バーナ1において、前記粉体送給孔10(同路10a)を燃料送給管17の外周側に配設すると共に、逆に1次酸素送給孔16(同路16a)をその外周側に配設しても良い。この場合、前記2次酸素送給孔8を省略することもできる。
また、図4のバーナ40において、前記燃料噴射孔46(同送給路45)と粉体送給孔43と互い逆にして、前者をバーナ40の中心に配設し、後者をその外周側に配設しても良い。この場合、リング形となる粉体送給孔43内には前記仕切り壁15を同様に内設することが望ましい。尚、バーナ1,40の断面形状は、円形以外の例えば8角形以上の正多角形にすることも可能である。
【0025】
更に、前記耐熱耐摩耗性の薄層には、Nb,Mo,Ta,V,Co,B、又はこれらをベースとする合金を用いたり、或いは、W,V,Co,又はBを含むWC,VC等の超硬、VC,NbC,TaC,BC等のセラミックス、Cr3C等の金属炭化物を含有するものとすることも可能である。また、これらの被覆方法には前記溶射の他に、プラズマ等の中に上記材料を粉末化して供給し、被処理部材の表面上に薄く肉盛りする高温肉盛方法や、所定の圧力容器内に被処理部材と共に粉末化した上記材料を密封し、高温高圧下で焼結/焼成させる熱間静水圧プレス(HIP)を採用することも可能である。
【0026】
また、溶融される粉体には、前記ダストやスラグの他、各種の金属、酸化金属、酸化物、又はセラミックスを用いることもできる。これらを用いると本発明のバーナは、例えば、炉壁や取鍋内にセラミックス等からなる耐火物の粉体を薄く溶射等して耐火被覆を行うことにも使用可能である。また、金属の粉体を溶融しつつ被処理部材の表面に肉盛りする肉盛装置として使用することも可能である。更に、粉体化した廃棄物を溶融して無害化することにも活用可能である。
加えて、前記燃料には、灯油や重油等の液体燃料の他、天然ガス、プロパンガス、石炭ガス等のガス燃料、或いは、微粉末化した石炭やコークスの固体燃料を用いたり、更にはこれらを適宜組み合せて併用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上において説明した本発明の粉体溶融バーナによれば、健全な高温火炎を長期間に渉り安定して発生できると共に、従来のバーナに比べて著しく耐久性を高めることができる。しかも、前記粉体供給孔を形成するリングの外周面、リング板の内周面、および仕切り壁の表面に耐熱耐摩耗性の薄層が被覆されているため、搬送ガスと共にダスト等の粉体を均一な密度の層流として安定して吐出でき、健全な高温火炎を確実に得ることができる。従って、保守管理等のメンテナンスも少なくすることができる。更に、特殊な材質の構成部材を用いることなく、所望の仕様に応じて容易に且つ自在に耐熱耐摩耗性の薄層を被覆できると共に、比較的安価に製作することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明における粉体溶融バーナの1形態を示す部分断面図、(B)は(A)の底面図。
【図2】図1の粉体溶融バーナの要部を示す分解斜視図。
【図3】図1の粉体溶融バーナの作用を示す部分拡大断面図。
【図4】(A)は参考形態の粉体溶融バーナを示す部分断面図、(B)は(A)の底面図。
【図5】(A)は集塵ダスト等の粉体を再利用するための処理設備を示す概略図、(B)は(A)の設備中に用いられる従来の粉体溶融バーナ先端の一点鎖線部分Bを拡大して示す部分断面図、(C)は(B)の部分底面図。
【符号の説明】
1……………粉体溶融バーナ
6……………2次酸素送給孔(酸素送給孔)
……………リング板
10…………粉体送給孔
12…………耐熱耐摩耗性の薄層
14…………リング
15…………仕切り壁
16…………1次酸素送給孔(酸素送給孔)
18…………燃料噴射孔

Claims (2)

  1. 燃料噴射孔、粉体送給孔、及び、酸素送給孔を互いに同心円状で且つ長手方向に沿って平行に配置されたバーナであって、
    上記燃料噴射孔が中心に配置され、その周囲に沿ってリング状の前記粉体送給孔、及び、リング状の酸素送給孔が同心円状に配置されており、
    上記リング状の粉体送給孔は、リング板とその内側に同心で配設されたリングとの間に位置し、且つ放射方向に沿っ複数の仕切り壁によって区切られると共に、
    上記粉体送給孔を形成する上記リング板の内周面、上記リングの外周面、及び、上記仕切り壁の表面に、耐熱耐摩耗性の薄層が被覆されている、
    ことを特徴とする粉体溶融バーナ。
  2. 前記リング状の粉体送給孔は、内外2重の前記リング状の酸素送給孔同士の間に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の粉体溶融バーナ。
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