JP4038774B2 - 符号化装置及び符号化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、予め圧縮符号化された例えばビデオ信号の1次符号化ビットストリームをデータ量を削減するように再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する符号化装置及び符号化方法に関し、特に、1次符号化ビットストリームのブロック毎の符号量、量子化係数を使用した画像複雑度を算出し、その値によってブロック毎の目標符号量を設定し、その目標符号量に適合するように再符号化を行うことで、1次符号化ビットストリームの符号量制御装置の影響を抑えた画質が均一な2次符号化ビットストリームを作成可能とした符号化装置及び符号化方法に関する。
従来より、ディジタル画像処理システムやディジタル画像サービスシステムにおいて画像情報を伝送・蓄積する場合は、その画像情報を符号化することによって情報量を低減し、その情報量を低減した符号化ビットストリームを伝送・蓄積することが行われる。
一方、近年は、予め画像を圧縮符号化した1次符号化ビットストリームから画像情報を復号し、それをより高い圧縮率等の異なる符号化条件にて再符号化した2次符号化ビットストリームを生成して伝送・蓄積するアプリケーションが増加している。
例えば、画像情報を放送するような場合においては、画像素材の収集、テレビ局間の1次分配、家庭への2次分配等、編集処理を交えながらのディジタル信号の縦列的な伝送、すなわち1つの画像を複数回処理する階層的な伝送が行われつつあり、さらに放送形態が多様化するに従って、この階層的な伝送と異なる、より自由度の高い伝送方式が普及するものと思われる。
また、画像データベース等に格納されライブラリとしての利用が見込まれるビデオクリップは、多くのユーザからビデオソースが提供されると同時に、多くのユーザがこれを利用し、かつ編集を交えて反復的に伝送・蓄積されるようになると考えられる。
このように符号化及び復号を複数回行う従来の縦列接続符号化システムにおいては、単一回の符号化及び復号を行うシステムをそのまま縦列接続することにより、再符号化を行うようになされている。このため、再符号化時にもその再符号化装置毎に独立のパラメータを用いた符号化を行うこととなり、対象画像の符号化履歴については全く考慮されていなかった。すなわち例えば、従来は、再符号化時に、その再符号化装置のみにおける圧縮率等のみを考慮した処理が行われていた。
また、再符号化の別の応用例としては、ディジタルVDR(ビデオ・ディスク・レコーダー)上での再生記録を挙げることができる。この応用例の場合、ビデオストリームは、ある放送品質(例えば標準品位ビデオ「NTSC程度」に対しては6Mbps、高品位ビデオ「ハイビジョン程度」に対しては24Mbpsのレートに対応する品位)でユーザの家庭に放送される。つまり、これらビデオストリームの提供を受けたユーザは、ディジタルVDRの再符号化機能を用いて、現在の家庭用ビデオテープコーダーである例えばVHS方式レコーダの拡張再生EPモード(長時間モード)に類似する、低下した符号化レートでそのビデオデータを記録し、より多量のビデオプログラムを低品質でディジタルVDRに記録するような例が考えられる。
しかしながら、再符号化の際には、元の信号中の、より高品位の情報ができるだけ活用されるべきであり、より低いビットレートで得られた新しい信号の画質もできるだけ高品位であることが必要である。すなわち、符号化及び復号を複数回繰り返すようなシステムにおいても、望ましくは、その複数回の符号化及び復号により得られる信号の画質を、例えば元のビデオソースを低下したレートで1回のみ符号化することによって作成された信号の画質に、できる限り近づける必要がある。
図5には、予め符号化された1次符号化ビットストリームを復号し、データ量を減少させるように再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する、従来の再符号化装置の概略構成例を示す。
なお、この図5の例では、再符号化装置の全般的な動作を示すため、主要な機能素子だけが図示されている。例えば、圧縮ビデオ信号には種々の形のデータが含まれ、それらのデータ中、一部だけが量子化される。他のデータは、再量子化又は再符号化装置を迂回させられ、マルチプレクサ106において再符号化されたデータともう一度多重化される。なお、マルチプレクサ106が上記機能を実行するために必要であることは一般に公知であり、マルチプレクサ106の多重化機能についても公知であるため、ここではその説明を省略している。
この図5において、符号化ビデオ入力端子100には、既に圧縮又は符号化された1次符号化ビットストリームが入力される。すなわち、当該1次符号化ビットストリームは、この図5に示す再符号化装置にて再符号化されるべき信号である。
ここで、この再符号化されるべき1次符号化ビットストリームは、ブロック符号化された信号であると想定する。すなわち、符号化前の各々の画像は、複数のブロック又はマクロブロックに分割され、ブロック毎又はマクロブロック毎に所定の圧縮符号化手法にて圧縮されており、したがって、符号化ビデオ入力端子100には、そのように少なくとも部分的に符号化されたブロック又はマクロブロックのストリームが供給されている。また、各々のマクロブロックのデータ中の少なくとも一部分は、量子化され、可変長で符号化されていることとする。なお、上記の圧縮符号化手法の代表的例としては、いわゆるMPEG1方式やMPEG2方式等を挙げることができる。
符号化ビデオ入力端子100に入力された上述の1次符号化ビットストリームは、可変長復号を行う可変長復号器(VLD)101に供給される。なお、この図5の例では、ビットストリームに含まれる動きベクトル及びその他の量子化されていない符号語を、次段の回路(逆量子化器(Q−1)103、量子化器(Q)104、可変長符号化器(VLC)105)に送らずに迂回するようにした構成を示しているが、例えばそれら次段の回路(逆量子化器103、量子化器104、可変長符号化器105)が再符号化装置によって変えられるべきではない信号成分に対し反応しないよう条件付けることができる場合には、実際上、それら動きベクトル及び他の量子化されていない符号語を、それら次段の回路(逆量子化器103、量子化器104、可変長符号化器105)を通過させるようにしても良い。可変長復号器101にて可変長復号化された符号語は、遅延器102にて所定時間遅延された後、逆量子化器103に送られる。
当該逆量子化器103では、可変長復号化された符号語を逆量子化することにより、圧縮処理の際に量子化された信号成分を復元する。この逆量子化器103にて逆量子化された信号成分は、量子化器104に送られる。
量子化器104では、レート制御器109の制御下、逆量子化器103から供給された信号成分を量子化(再量子化)する。このときのレート制御器109は、所望の低下したレートと適合して再符号化された2次符号化ビットストリームを生成するように調整されている。すなわち、この例の場合のレート制御器109による再符号化の制御は、1次符号化ビットストリームに対する元の圧縮符号化処理よりも粗い各々の符号語の量子化信号が得られるように、量子化器104に対して量子化値をレート制御器109から供給することによって行われる。量子化器104にて再度量子化された符号語は、可変長符号化器(VLC)105に送られる。
可変長符号化器105では、再量子化された符号語を可変長符号化し、その可変長符号化処理後の符号語をマルチプレクサ106に供給する。
マルチプレクサ106では、可変長符号化処理後の符号語と、アナライザ110を介することで再量子化を受けなかった信号成分とをマルチプレクスして、再度フォーマット化した信号を生成する。この再度フォーマット化された信号は、レートバッファ107に送られる。
再度フォーマット化された信号は、一般的にバースト的な信号であり、レートバッファ107では、このバースト的な信号を一定レートの信号に変換する。なお、このときのレートバッファ107には、量子化器104が一定レートの信号を発生するよう条件付けるために、レートバッファを制御する制御信号を供給する占有モニターを備えている。当該レートバッファ107にて一定レートとなされた信号は、この図5の再符号化装置により再符号化された2次符号化ビットストリームとして、符号化ビデオ出力端子108から出力される。
ところで、MPEG方式によるビデオ圧縮の場合、量子化には、量子化値のマトリックスと量子化係数を必要とする。量子化値のマトリックスは、心理視覚的なパラメータに従って定められる。また、量子化値のマトリックスは、画素のブロックを表わす係数のブロック内の各離散コサイン変換(DCT)の各々の値を有し、マトリックスは、通常、フレーム内の全てのマクロブロックを量子化するため共通に使用される。一方、量子化係数は、マクロブロックに固有である。すなわち、各量子化係数は、その量子化係数が割り当てられたマクロブロックだけに適合する。また、量子化係数は、マトリックスが各々のマクロブロックを量子化するため使用される前に、マトリックス内の全ての量子化値を重み付けするため使用される。なお、以下の説明で、量子化パラメータの発生とは、一般的に上記量子化係数の発生を意味する。
図6のフローチャートを参考にして、図5の再符号化装置での処理をさらに詳細に説明する。
先ず、再符号化装置は、ステップS100の処理として、1次符号化ビットストリームから新しいピクチャー(フレーム)を取得する。
次に、アナライザ110は、ステップS101の処理として、後述するようにAC離散コサイン変換係数に加えて、各々のフレームに対し全符号化ビットΣ(TB)を計数する。
また、再符号化装置では、ステップS102の処理として、可変長復号化器101にてフレームの可変長復号化と解析を行う。
ここで、可変長復号化器101は、可変長符号化されていない符号語に対して透過性であり、可変長符号化されていない符号語をそのまま通過させる。例えば、MPEG方式の信号中の可変長符号化された符号語は確定した境界をもたないため、可変長復号化器101は、各々の符号語の境界を定め、タイプを用いて符号語を識別する。可変長復号化器101で解析された可変長符号化されていない符号語は、実際には復号化されず、ステップS103の処理として、識別子が付けられ遅延器102に格納される。また、解析された可変長符号化されていない符号語は、アナライザ110に供給される。
アナライザ110のプロフィル作成部111は、上記例の場合、各々の圧縮フレーム(またはフィールド又は画像等)全体のマクロブロックに対し、AC離散コサイン変換(DCT)係数のプロフィルを生成する。
すなわち、アナライザ110のプロフィル作成部111は、先ず、ステップS105の処理として、マクロブロックに基づいてAC離散コサイン変換係数ビットの現在の和を発生し、マクロブロックの番号で識別された各々の和を、ステップS104の処理として、メモリ112に格納する。
ここで、フレーム(ピクチャー)内の1番目のマクロブロックMB1に対する和は、この1番目のマクロブロックMB1内のAC離散コサイン変換に対応する当該1番目のマクロブロックMB1内の全ビットの和(ΣMBAC1)である。また、フレーム内の2番目までのマクロブロックMB2に対する和は、1番目のマクロブロックMB1における前記和(ΣMBAC1)と、2番目のマクロブロックMB2内のAC離散コサイン変換に対応する当該2番目のマクロブロックMB2内の全ビットの和(ΣMBAC2)との加算された値となる。さらに、フレーム内の3番目までのマクロブロックMB3に対する和は、1番目のマクロブロックMB1における(ΣMBAC1)と、2番目のマクロブロックMB2における和(ΣMBAC2)と、3番目のマクロブロックMB3内のAC離散コサイン変換に対応する当該3番目のマクロブロックMB3内の全ビットの和(ΣMBAC3)との加算された値、すなわち、(ΣMBAC1)+(ΣMBAC2)+(ΣMBAC3)の値(ΣΣMB AC 3)である。
フレーム内の4番目以降の各マクロブロックまでの和についても上述同様である。図7には、再符号化されるフレーム内のi番目のマクロブロック番号MBiと共に、そのi番目のマクロブロック番号MBiまでの和(ΣΣMBACi)を縦座標とするグラフ(プロフィルと表わされている)を示している。従って、図7において、上記したプロフィルは、AC離散コサイン変換係数ビットをi番目のマクロブロック番号MBiまで累積した状態を示したものである。
また、上記AC離散コサイン変換係数に加えて、アナライザ110では、ステップS101の処理として、各々のフレームに対し全符号化ビットΣ(TB)を計数する。
そして、アナライザ110は、ステップS106の処理として、各々のフレームに対する全マクロブロックの分析が終了したか否か判断し、全マクロブロックを分析したならば、ステップS108の処理として、フレーム当たりのAC離散コサイン変換の新しい目標値TVACを、以下の式(1)に示す関係に従って計算する。
TVAC=(ΣΣMBAC last)−%×Σ(TB)−BEXCESS (1)
なお、式(1)中、(ΣΣMBAC last)は、AC離散コサイン変換係数のマクロブロックの最後(last)までの和であり、フレーム内のAC離散コサイン変換ビットの総データ量に対応する。また、式(1)中のΣ(TB)はフレームの全符号化ビットであり、式(1)中のBEXCESSは前のフレームの発生符号量と目標符号量の差を表わしている。さらに、式(1)中の%は、符号化ビットストリームのレートを縮小する割合であり、例えば8Mbpsの1次符号化ビットストリームPを4Mbpsの2次符号化ビットストリームSに再符号化するとき、量子化係数に依存しない符号量(量子化係数非依存の符号量)が2.0Mbpsとすると、再符号化されるべき1次符号化ビットフレームPの量子化係数依存の符号量は、6.0Mbpsとなる。したがって、再符号化した結果の2次符号化ビットストリームSは、4−2=2Mbpsとなり、量子化係数依存の符号量は6Mbpsから2Mbpsに減少させることとなる。したがって、式(1)中の%は、次式(2)のようになる。
%=(1−2/6)=2/3 (2)
次に、アナライザ110は、ステップS109の処理として、AC離散コサイン変換ビットのプロフィルを、式(3)に示す係数ratioによってスケーリングする。
ratio=TVACΣΣMBAC last (3)
当該スケーリングは、図7に示された線形にスケーリングされたプロフィルを得るため、各々の和(ΣMBACi)を各々の係数ratioで乗算することにより行われる。すなわち、スケーリングは、式(4)により行われる。
TVACi=ratio*ΣMBACi (4)
なお、式(4)中のTVACiはi番目のマクロブロックMBiまでの目標符号量である。
次に、各々の和(ΣΣMBACi)は、次式(5)のように、メモリ112でスケーリングされた和と置き換えられる。
TVAC =TVACΣΣMBAC lastΣΣMBAC (5)
図5の再符号化装置において、上述したようにプロフィルがスケーリングされた後、各々の解析された可変長符号化されていない符号語は、一度にマクロブロック単位でメモ112から出し入れされる。また、AC離散コサイン変換されていない符号語はマルチプレクサ106に送られ、マルチプレクサ106は本質的に出力を再度組み立てる。
また、アナライザ110は符号語をレートバッファ107に送るようメモリ112を条件付けし、マクロブロック当たり制限された量の符号語を受け入れるようレートバッファ107を条件付ける。
最終的に求められた最終マクロブロックまでの目標符号量TVAC lastは、現在のフレームの再量子化のためのレート制御器109に供給される。
また、可変長復号器101にて可変長復号化され、遅延器102に一旦蓄積された信号は、当該遅延器102からアクセスされ、ステップS110の処理として逆量子化器103にて逆量子化され、さらに上述したように計算された目標符号量TVAC lastを利用するレート制御器109の制御下で、ステップS111の処理として当該目標符号量TVAC lastに合うように、量子化器104によって再量子化され、さらに可変長符号化器105にて可変長符号化される。
ここで、量子化器104における再量子化にて用いられる量子化係数Qは以下のようにして設定される。
図5の再符号化装置では、ステップS112の処理として、i番目のマクロブロックMBiの量子化係数の評価値(QNi)を設定する。ここで、i番目のマクロブロックMBiに対する新しい量子化係数QNiは、式(6)で表される係数となる。
Ni=QMBin/(1−%) (6)
なお、QMBinは入力された量子化係数である。この式(6)は、量子化係数と発生符号量が反比例の関係であると仮定した場合である。
図6の再符号化装置では、ステップS112の処理にてi番目のマクロブロックMBiの量子化係数の評価値(QNi)を取得した後、ステップS113の処理として、量子化されていないマクロブロックを遅延器102からアクセスする。
次に、ステップS114の処理として、図6の再符号化装置の量子化器104では、前記評価された量子化係数(QNi)を用い、当該i番目のマクロブロックMBiを量子化する。
次に、ステップS115の処理として、図6の再符号化装置の可変長符号化器105では、量子化器104にて量子化されたマクロブロックを可変長符号化する。
次に、図6の再符号化装置では、ステップS116の処理として、マクロブロックに対する新しい全ビットΣMBACinを加算し、再量子化されたマクロブロックの符号語をステップS117の処理として再組立する。さらに、ビットの和ΣMBACinは、再量子化され記録された符号化ビットストリームの現在のマクロブロックのプロフィル値Σ(ΣMBACin)形成するため、先に量子化されたマクロブロックのビットの和と加算される。
次に、ステップS119の処理として、新しいプロフィル値Σ(ΣMBACin)元のスケーリングされたプロフィル値Σ(ΣMBACi)差は、次式(7)によりビット誤差の値ΔEを作成するために計算される。
誤差ΔE=ΣΣMBACi−ΣΣMBACin (7)
次に、ステップS120の処理として、ビット誤差ΔEは、閾値ΔETHと比較される。このステップS120での比較において、ビット誤差ΔEが閾値ΔETHよりも大きい場合は、ステップS121の処理として新しい量子化係数QNiが計算される。当該新しい量子化係数QNiは、一例として以下式(8)の関係に従って計算される。
Ni=QNi+sgn(ΔE) (8)
なお、式(8)中のQNiは、i番目のマクロブロックに対し使用された最後の量子化係数に対応し、最初のパスでQNiと等しく、また式中のsgn(ΔE)は、ビット誤差ΔEが正及び負である場合にそれぞれ±1と一致する。すなわち、式(8)に基づいてQNi=QMBin/(1−%)のように計算されたQNiに対して、式(9),(10)となる。
ΔE<0:QNi=QNi+1 (9)
ΔE>0:QNi=QNi−1 (10)
ステップS121の処理後、i番目のマクロブロックMBiは、ステップS113の処理としてもう一度遅延器102からアクセスされ、新しい量子化係数QNiを使用して再量子化される。ステップS113からステップS121は、誤差ΔEが閾値ΔETHより小さくなるまで繰り返される。
一方、ステップS120においてビット誤差ΔEが閾値ΔETHよりも小さいと判定された場合は、ステップS122の処理として、フレーム内の全てのマクロブロックが再量子化されたかどうかを判定するためチェックされる。このステップS122にて、フレーム内の全てのマクロブロックが再量子化されていないと判定された場合は、ステップS118の処理として、i番目のマクロブロックの番号(インデックスi)が1ずつ増加され、ステップS112の処理に戻り、i+1番目のマクロブロックMBi+1についての再量子化処理が開始される。
また、ステップS122にてフレーム内の全てのマクロブロックが再量子化されたと判定された場合、当該再符号化装置の処理はステップS100に飛び、次のフレームの処理が開始される。
ところで、上述した従来の再符号化装置において、再量子化を行うとき、元の1次符号化ビットストリームが最適な方法で符号量配分され符号化されている場合には問題は少ないが、必ずしも最適な符号量配分で符号化されたかどうかはわからない。なぜならば、先の1次符号化の時に、ビット発生量に伴って、ある制限された転送レートに制御するため、量子化係数によるレート制御を受け、本来画質を均一にするべき量子化係数とは異なる量子化係数で符号化されている場合が考えられるためである。したがって、レート制御のために画質を一定(略々ピクチャー内量子化スケール一定)にできず、その結果、再符号化した場合には、圧縮に伴う符号化ひずみが顕著になる場合がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、圧縮符号化される以前の画像データが存在しない1次符号化ビットストリーム、言い換えると、圧縮符号化された画像データが存在する1次符号化ビットストリームについて再符号化を行う場合に、画質が均一になるような最適なピクチャー内符号量配分を行い、ピクチャータイプ毎の最低目標符号量によって発振を防ぎ、画質劣化の少ない再符号化後の2次符号化ビットストリームを作成することを可能とする、符号化装置及び符号化方法の提供を目的とする。
請求項1記載の本発明に係る符号化装置は、上述の課題を解決するために、符号化されている1次符号化ビットストリームを復号し、再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する符号化装置において、
少なくとも所定単位分の1次符号化ビットストリームを取り込むビットストリーム取り込み手段と、
前記所定単位内のブロック毎にAC離散コサイン変換係数の符号量と量子化係数の積のべき乗を用いて符号化難易度を求める符号化難易度演算手段と、
前記ブロック毎に求めた前記符号化難易度を所定番目のブロックまで累積した値を前記所定単位内の全ブロックまで累積した符号化難易度の値で除算した結果と、予め前記所定単位内のピクチャータイプ毎に設定された最低目標符号量とを乗算して、前記所定番目のブロックの目標符号量を求めるようにスケーリングして、前記所定単位内のピクチャータイプ毎の最低目標符号量に対して各ブロックの目標符号量を配分するスケーリング手段とを有する。
請求項2記載の本発明に係る符号化装置は、請求項1記載の本発明に係る符号化装置において、少なくとも1所定単位分の再符号化を行った結果の符号量と前記目標符号量との誤差を未来に再符号化する所定単位の目標符号量に加算する。
請求項3記載の本発明に係る符号化装置は、請求項1又は請求項2記載の本発明に係る符号化装置において、少なくとも1所定単位分の前記目標符号量に対して、前の所定単位の発生符号量と前記目標符号量との差を各々の所定単位の目標符号量の合計で割った値を配分する。
請求項4記載の本発明に係る符号化方法は、符号化されている1次符号化ビットストリームを復号し、再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する符号化方法において、
少なくとも所定単位分の1次符号化ビットストリームを取り込むビットストリーム取り込みステップと、
前記所定単位内のブロック毎にAC離散コサイン変換係数の符号量と量子化係数の積のべき乗を用いて符号化難易度を求める符号化難易度演算ステップと、
前記ブロック毎に求めた前記符号化難易度を所定番目のブロックまで累積した値を前記所定単位内の全ブロックまで累積した符号化難易度の値で除算した結果と、予め前記所定単位内のピクチャータイプ毎に設定された最低目標符号量とを乗算して、前記所定番目のブロックの目標符号量を求めるようにスケーリングして、前記所定単位内のピクチャータイプ毎の最低目標符号量に対して各ブロックの目標符号量を配分するスケーリングステップとを有する。
請求項1記載の本発明に係る符号化装置によれば、符号化されている1次符号化ビットストリームを復号し、再符号化して2次符号化ビットストリームを生成するにあたって、少なくとも所定単位分の1次符号化ビットストリームを取り込み、所定単位内のブロック毎にAC離散コサイン変換係数の符号量と量子化係数の積のべき乗を用いて符号化難易度を求め、ブロック毎に求めた符号化難易度を所定番目のブロックまで累積した値を所定単位内の全ブロックまで累積した符号化難易度の値で除算した結果と、予め前記所定単位内のピクチャータイプ毎に設定された最低目標符号量とを乗算して、所定番目のブロックの目標符号量を求めるようにスケーリングして、所定単位内のピクチャータイプ毎の最低目標符号量に対して各ブロックの目標符号量を配分することにより、圧縮符号化される以前の画像データが存在しない1次符号化ビットストリーム、言い換えると、圧縮符号化された画像データが存在する1次符号化ビットストリームについて再符号化を行う場合に、小さな符号量誤差の場合に発生し易い発振を防ぐことができ、容易に品質の劣化が少ない2次符号化ビットストリームを作成することが可能である。
請求項2記載の本発明に係る符号化装置によれば、少なくとも1所定単位分の再符号化を行なった結果の符号量と目標符号量との誤差を未来に再符号化する所定単位の目標符号量に加算することにより、符号化される以前のデータが存在しない1次符号化ビットストリーム、言い換えると、圧縮符号化された画像データが存在するについて再符号化を行う場合に、急激な品質の劣化を抑えて、高品質の2次符号化ビットストリームを作成することが可能である。
請求項3記載の本発明に係る符号化装置によれば、少なくとも1所定単位分の目標符号量に対して、前の所定単位の発生符号量と目標符号量との差を各々の所定単位の目標符号量の合計で割った値を配分することにより、所定単位の誤差の伝播を分散させることができ、符号化される以前のデータが存在しない1次符号化ビットストリーム、言い換えると、圧縮符号化された画像データが存在するについて再符号化を行う場合に、急激な品質の劣化を抑えて、高品質の2次符号化ビットストリームを作成することが可能である。
請求項4記載の本発明に係る符号化方法によれば、上記した請求項1記載と同様に、符号化されている1次符号化ビットストリームを復号し、再符号化して2次符号化ビットストリームを生成するにあたって、少なくとも所定単位分の1次符号化ビットストリームを取り込み、所定単位内のブロック毎にAC離散コサイン変換係数の符号量と量子化係数の積のべき乗を用いて符号化難易度を求め、ブロック毎に求めた符号化難易度を所定番目のブロックまで累積した値を所定単位内の全ブロックまで累積した符号化難易度の値で除算した結果と、予め前記所定単位内のピクチャータイプ毎に設定された最低目標符号量とを乗算して、所定番目のブロックの目標符号量を求めるようにスケーリングして、所定単位内のピクチャータイプ毎の最低目標符号量に対して各ブロックの目標符号量を配分することにより、圧縮符号化される以前の画像データが存在しない1次符号化ビットストリーム、言い換えると、圧縮符号化された画像データが存在する1次符号化ビットストリームについて再符号化を行う場合に、小さな符号量誤差の場合に発生し易い発振を防ぐことができ、容易に品質の劣化が少ない2次符号化ビットストリームを作成することが可能である。
以下に本発明に係る符号化装置及び符号化方法について、図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明に係る符号化装置に対して実施の形態では再符号化装置と呼称して説明を行う。
図1には、予め符号化された1次符号化ビットストリームを復号し、データ量を減少させるように再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する、本発明実施の形態の再符号化装置の概略構成例を示す。
なお、この図1の例では、前述の図5に示した従来例と同様に、再符号化装置の全般的な動作を示すために、主要な機能素子だけが図示されている。すなわち例えば、圧縮ビデオ信号には種々の形のデータが含まれ、それらのデータ中、一部だけが量子化されるが、他のデータは、再量子化又は再符号化装置を迂回させられ、マルチプレクサ16において再符号化されたデータともう一度多重化される。マルチプレクサ16の機能については公知であるため、ここではその説明を省略している。
この図1において、符号化ビデオ入力端子10には、既に圧縮又は符号化された1次符号化ビットストリームが入力される。当該1次符号化ビットストリームは、この図1に示す再符号化装置にて再符号化されるべき信号である。また、本実施の形態においては、当該再符号化されるべき1次符号化ビットストリームを、ブロック符号化された信号であると想定する。すなわち、符号化前の各々の画像は、複数のブロック又はマクロブロックに分割され、ブロック毎又はマクロブロック毎に所定の圧縮符号化手法にて圧縮されている。したがって、符号化ビデオ入力端子10には、そのように少なくとも部分的に符号化されたブロック又はマクロブロックのストリームが供給されている。また、各々のマクロブロックのデータ中の少なくとも一部分は、量子化され、可変長で符号化されている。なお、本実施の形態においても、上記の圧縮符号化手法の代表的例としては、いわゆるMPEG1方式やMPEG2方式等を挙げることができる。
符号化ビデオ入力端子10に入力された上述の1次符号化ビットストリームは、可変長復号を行う可変長復号器(VLD)11に供給される。なお、この図1の例では、1次符号化ビットストリームに含まれる動きベクトル及びその他の量子化されていない符号語を、次段の回路(逆量子化器(Q−1)13、量子化器(Q)14、可変長符号化器(VLC)15)に送らずに迂回するようにした構成を示しているが、例えばそれら次段の回路(逆量子化器13、量子化器14、可変長符号化器15)が再符号化装置によって変えられるべきではない信号成分に対し反応しないよう条件付けることができる場合には、実際上、それら動きベクトル及び他の量子化されていない符号語を、それら次段の回路(逆量子化器13、量子化器14、可変長符号化器15)を通過させるようにしても良い。可変長復号器11にて可変長復号化された符号語は、遅延器12にて所定時間遅延された後、逆量子化器13に送られる。
当該逆量子化器13では、可変長復号化された符号語を逆量子化することにより、圧縮処理で量子化された信号成分を復元する。この逆量子化器13にて逆量子化された信号成分は、量子化器14に送られる。
量子化器14では、レート制御器19の制御下、逆量子化器13から供給された信号成分を量子化(再量子化)する。このときのレート制御器19は、所望の低下したレートと適合して再符号化された2次符号化ビットストリームを生成するように調整されている。すなわち、この例の場合のレート制御器19による再符号化の制御は、1次符号化ビットストリームに対する元の圧縮符号化処理よりも粗い各々の符号語の量子化信号が得られるように、量子化器14に対して量子化値をレート制御器19から供給することによって行われる。このような制御がなされた量子化器14にて再度量子化された符号語は、可変長符号化器(VLC)15に送られる。
可変長符号化器15では、再量子化された符号語を可変長符号化し、その可変長符号化処理後の符号語をマルチプレクサ16に供給する。
マルチプレクサ16では、可変長符号化処理後の符号語と、アナライザ11を介することで再量子化を受けなかった信号成分とをマルチプレクスして、再度フォーマット化した信号を生成する。この再度フォーマット化された信号は、レートバッファ17に送られる。
ここで、再度フォーマット化された信号は、一般的にバースト的な信号であり、レートバッファ17では、このバースト的な信号を一定レートの信号に変換する。なお、このときのレートバッファ17には、量子化器14が一定レートの信号を発生するよう条件付けるために、レートバッファ17を制御する制御信号を供給する占有モニターを備えている。当該レートバッファ17にて一定レートとなされた信号は、この図1に示す本実施の形態の再符号化装置により再符号化された2次符号化ビットストリームとして、符号化ビデオ出力端子18から出力されることになる。
以上説明した再符号化装置の基本的な動作は、前述した図5の例と略々同じであるが、本実施の形態の再符号化装置の場合は、アナライザ20におけるピクチャー(フレーム)内プロフィル作成部21における動作が異なる。
すなわち、アナライザ20のプロフィル作成部21では、ピクチャー(フレーム)の目標符号量TVACを前述した式(1)の関係に従った計算により求めるが、本実施の形態の再符号化装置の場合は、さらにピクチャータイプ毎(例えばMPEGにおけるIピクチャー(Intra-coded picture),Pピクチャー(Predictive-coded picture),Bピクチャー(Bidirectionally predictive-coded picture)毎)に最低目標符号量TBmin(typ)を設定する。
ここで、フレーム当たりのAC離散コサイン変換の目標符号量TVACが例えば非常に小さな値を取るとき(例えば静止画に近いとき等)、レート制御器19の制御応答が良くなり、小さな符号量誤差でも量子化係数が変動し、発振し易くなるが、本実施の形態では、当該ピクチャータイプ毎の最低目標符号量TBmin(typ)によって、発振を防ぐようにしている。なお、最低目標符号量は、簡略化してピクチャータイプ別に分けないものを設定するようにしてもよい。
上述したように、本実施の形態の場合は、ピクチャータイプ毎の最低目標符号量TBmin(typ)を用いることで、ピクチャーの目標符号量TVACは、次式(11)のようになる。
TVAC=MIN(TVAC,TBmin(typ) ) (11)
なお、この式(11)におけるMIN(A,B)は、A,Bの小さい値を返す関数である。例えば、A>Bならば、MIN(A,B)はBの値を返すことを表す。
前述した図5の従来例の再符号化装置のアナライザ110のプロフィル作成部111では、量子化係数に非依存のAC係数によってピクチャー(フレーム)内プロフィルを作成していたが、本発明実施の形態のアナライザ20のプロフィル作成部21では、元の1次符号化ビットストリームのマクロブロック毎の発生符号量ΣMBACiとピクチャー内量子化係数Qiの積のべき乗を用いる。つまり、本実施の形態のアナライザ20では、次式(12)のような、i番目のマクロブロックMBiの符号化難易度Xiを用いる。
Xi=(ΣMBACi*Qi)α (12)
なお、式(12)のαは(0<α≦1)である。
本実施の形態の再符号化装置において、このようなことを行う理由について以下に説明する。
一般に、i番目のマクロブロックMBiにおいて、前記和(ΣMBACi)の小さなマクロブロックは符号化が易しく、また、量子化係数Qiが小さいマクロブロックMBiも同様に符号化が易しい。一方、一般的に符号化が難しいマクロブロックMBiほど符号化歪みは人間の視覚に感知し難いことが知られている。したがって、前記和ΣMBACiまたは量子化係数Qiが大きくなると、そのマクロブロックMBiの目標符号量は余り大きくなくて良いことになる。そこで、AC離散コサイン変換係数の目標符号量TVACがあまり大きくならないような関数を用いることが必要である。
本発明実施の形態では、当該関数の一例として、式(12)の符号化難易度Xiを用いているが、さらに、次式(13)等の図2に示すような対数関数的に人間の感覚に合致した関数を用いることが望ましい。
Xi=LOG(ΣMBACi*Qi+B)+A (13)
なお、式(13)のA,Bは定数である。
つまり、本発明実施の形態の再符号化装置のアナライザ20では、ピクチャーの目標符号量TVACを、各々のマクロブロック毎に符号化難易度Xiをピクチャー内の全てのマクロブロックの符号化難易度の総和でスケーリングする。
すなわち、i番目までのマクロブロックMBiの目標符号量ΣTMBi(TVACi)
は、次式(14)のようになる。
ΣTMBi=(TVACi)=ΣXi*TVAC/ΣXlast (14)
次に、図3のフローチャートを参考にして、本発明の第1の実施の形態の再符号化装置での処理をさらに詳細に説明する。
先ず、再符号化装置は、ステップS10の処理として、1次符号化ビットストリームから新しいピクチャー(フレーム)を取得する。次に、アナライザ20は、ステップS11の処理として、AC離散コサイン変換係数に加えて、各々のピクチャー(フレーム)に対して全符号化ビットΣ(TB)を計数する。さらに、再符号化装置では、ステップS12の処理として、可変長復号化器11にてフレームの可変長復号化と解析を行う。
なお、可変長復号化器11は、可変長符号化されていない符号語に対して透過性であり、可変長符号化されていない符号語をそのまま通過させる。例えば、MPEG方式の信号中の可変長符号化された符号語は確定した境界をもたないため、可変長復号化器11は各々の符号語の境界を定め、タイプを用いて符号語を識別する。符号語は、実際には復号化されず、可変長復号化器11で解析された可変長符号化されていない符号語は、ステップS13の処理として、識別子が付けられ遅延器12に格納される。
解析された可変長符号化されていない符号語は、アナライザ20に供給される。アナライザ20は、ステップS15の処理として、前記式(12)又は式(13)によって、符号化難易度Xiを計算し、さらにステップS14の処理として、その符号化難易度Xiの合計ΣXiを求めてメモリ22に記憶せる。
次に、アナライザ20では、ステップS16の処理として、各々のピクチャーに対する全マクロブックが分析されたか否かを判定し、全マクロブロックが分析されたと判定した場合はステップS18の処理に進む。
ステップS18の処理に進むと、アナライザ20のプロフィル作成部21は、ピクチャー当たりのAC離散コサイン変換の目標符号量TVACを前記式(1)と式(11)から求める。
次に、アナライザ20は、ステップS19の処理として、符号化難易度の合計ΣXiとピクチャー当たりのAC離散コサイン変換の目標符号量TVACから、AC離散コサイン変換係数累積ビット数のプロフィルをスケーリングする。図4には、本実施の形態の場合のプロフィルを示す。
続いて、本実施の形態の再符号化装置では、ステップS20の処理として、逆量子化器13において逆量子化がなされ、次に、ステップS21の処理として、量子化器14において、記録された信号がスケーリングされたプロフィルと適合するよう再量子化がなされ、さらに可変長符号化器15において可変長符号化がなされる。
ここで、再量子化処理における量子化係数について、詳細に説明すると、本実施の形態の再符号化装置では、ステップS22の処理として、i番目のマクロブロックMBiに対して新しい量子化係数QNiを評価する。本実施の形態では、当該量子化係数の評価値を多数の方法(例えば第1〜第5の方法)を使用して求める。
すなわち、量子化係数の評価値を得るための第1の方法では、新しい量子化係数QNiがi番のマクロブロックMBiの元の量子化係数を表わす場合、前述の従来例の場合と同様に、当該新しい量子化係数QNiを前記式(6)にて計算する。これは量子化係数と発生符号量が反比例の関係であると仮定した場合である。
また、評価値を得るための第2の方法では、量子化係数に依存するAC離散コサイン変換係数の符号量を用いて、次式(15)により、量子化係数QNiを計算する。
Ni=QMB in/(TVACΣΣMBAC last) (15)
評価値を得るための第3の方法では、i番目のマクロブロックの一つ前(i−1)のマクロブロックMBi−1の量子化係数をQNi−1とした場合に、新しい量子化係数として、単にi番目のマクロブロックの量子化係数QNiとしてその一つ前のマクロブロックMBi−1の量子化係数QNi−1を使用する。すなわち、QNi=QNi−1を使用する。なお、その後は、後述するステップS29〜ステップS32の処理により、新しい量子化係数QNiを設定する。
評価値を得るための第4の方法では、最も直前のピクチャーに対応するマクロブロックに対して計算された最終的な量子化係数QNlastを使用する。
評価値を得るための第5の方法では、最も直前の同じ符号化構造(例えばMPEG方式のI,P,Bのピクチャーのいずれか)を持ったピクチャーに対して計算された最終的な量子化係数QNlastを、新しい量子化係数QNiとして使用する。
本実施の形態の再符号化装置では、ステップS22において、上述した第1〜第5の方法のうち、何れかの方法で新しい量子化係数QNiを求める。
次に、本実施の形態の再符号化装置は、ステップS22においてi番目のマクロブロックMBiの新しい量子化係数の評価値(QNi)の取得後、ステップS23の処理として、量子化されていないマクロブロックを遅延器12からアクセスする。
すなわち、本実施の形態の再符号化装置の量子化器14では、ステップS24の処理として、当該i番目のマクロブロックMBiを、上述したように評価された量子化係数QNiを用いて量子化する。
次に、本実施の形態の再符号化装置の可変長符号化器15では、ステップS25の処理として、再量子化後のマクロブロックを可変長符号化する。
その後、再符号化装置では、ステップS26の処理として、マクロブロックに対する新しい画像の符号化複雑度Xi=(ΣMBACi*Qi)αを加算し、さらにステップS27の処理として、再量子化されたマクロブロックの符号語を再組立する。
このとき、再符号化装置では、ステップS29の処理として、次式(16)により、新しいプロフィル値Σ(ΣMBACin)iと元のスケーリングされたプロフィル値ΣTMBiとの差をビット誤差ΔEとして作成する。
ΔE=ΣTMBi−Σ(ΣMBACin)i (16)
このように求めたビット誤差ΔEは、次にステップS30の処理において、閾値ΔETHと比較される。このステップS30の比較において、ビット誤差ΔEが閾値ΔETHよりも大きい場合は、ステップS32に処理として、新しい量子化係数QNiを計算する。この新しい量子化係数QNiは、前述した式(8)に従って計算される。
この時、前記式(8)中のQNiはi番目のマクロブロックMBiに対し使用された最後の量子化係数に対応し、最初のパスでQNiと等しく、sgn(ΔE)はビット誤差ΔEが正及び負である場合に各々±1と一致する。すなわち、前記式(9)のように計算されたQNiに対して、QNi±1となる。
その後、i番目のマクロブロックMBiは、ステップS22の処理としてもう一度遅延器12からアクセスされ、新しい量子化係数QNiを使用して再量子化がなされる。なお、ステップS23からステップS32までは、ビット誤差ΔEが閾値ΔETHより小さくなるまで繰り返される。あるいは、ステップS31での制限繰り返し回数(リトライ回数)内で繰り返し制限を付けても良い。
一方、ステップS30においてビット誤差ΔEが閾値ΔETHよりも小さいと判定された場合は、本実施の形態の再符号化装置では、ステップS33の処理として、ピクチャー内の全てのマクロブロックが再量子化されたかどうかを判定するためチェックを行う。このステップS33でのチェックの結果、ピクチャー内の全てのマクロブロックが再量子化されていないと判定された場合は、ステップS28の処理として、i番目のマクロブロックの番号(インデックスi)が1ずつ増加され、ステップS22の処理に戻り、i+1番目のマクロブロックMBi+1についての再量子化処理が開始される。
また、ステップS33でのチェックの結果、ピクチャー内の全てのマクロブロックが再量子化されたと判定された場合、本実施の形態の再符号化装置の処理はステップS10の処理に戻り、次のピクチャーの処理を開始する。
なお、上述した本実施の形態の再符号化装置での処理は、図4に示すプロフィルを正確に追従し、量子化係数QMBinの変化を殆ど許容しない傾向がある。また、量子化係数は、1ピクチャーの間非常に均一となる。また、特定のマクロブロックに引き続く処理パスの各々に対し、上記マクロブロックの前の処理パスの間に再組立されたデータは捨てられ、最終的なパスの再組立されたデータだけが保持されることになる。
次に、本発明の第2の実施の形態の再符号化装置での処理について説明する。
本発明の第2の実施の形態では、図3のフローチャートのステップS30〜ステップS32を省略した例である。
すなわち当該第2の実施の形態では、次式(17)に示す、前のピクチャーの発生符号量と目標符号量の差の最終的な値BAC EXCESSを、次のピクチャーへBAC EXCESSとして、次の目標符号量に加算する。または、誤差を未来の複数のピクチャーに伝播させてもよい。
AC EXCESS=ΔElast=TVAC−Σ(ΣMBACin) (17)
次に、本発明の第3の実施の形態の再符号化装置での処理について説明する。
本発明の第3の実施の形態では、Nピクチャー分の1次符号化ビットストリームを受信して、Nピクチャーの1次符号化ビットストリームを解析し、1ピクチャー分の目標符号量TVACに、BAC EXCESSをNピクチャー分の目標符号量TVAC Nで割った値を配分する。すなわち、本発明の第3の実施の形態では、N個のピクチャーの各ピクチャー目標符号量がそれぞれTVAC 0,TVAC 1,TVAC 2,・・・,TVAC Nであるとし、次に符号化するピクチャーについて前述した演算により求められる目標符号量をTVAC 0とした場合、この第3の実施の形態では、当該次に再符号化するピクチャーの目標符号量として、次式(18)のTVACを求める。
TVAC=TVAC 0+BAC EXCESS/Σ(TVAC N) (18)
この結果、当該第3の実施の形態では、1ピクチャーの誤差の伝播を分散させることができ、画質の急激な変化を抑えることが可能となる。
以上説明したように、本発明の各実施の形態の再符号化装置によれば、再符号化時の符号量発生プロフィル作成の際に、予め圧縮符号化された1次符号化ビットストリームがピクチャー内ブロック毎に最適な符号量配分が行われていない場合においても適切な量子化係数の設定を行なうことができ、画質劣化の少ない2次符号化ビットストリームを作成できる。
本発明実施の形態の再符号化装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施の形態の再符号化装置において用いる、対数関数的に人間の感覚に合致した符号化難易度の関数についての説明に用いる図である。 本発明の第1の実施の形態の再符号化装置での処理の流れを示すフローチャートである。 本発明実施の形態の再符号化装置のアナライザのプロフィル作成部が作成するプロフィルの説明に用いる図である。 従来の再符号化装置の概略構成を示すブロック図である。 従来の再符号化装置での処理の流れを示すフローチャートである。 従来の再符号化装置のアナライザのプロフィル作成部が作成するプロフィルの説明に用いる図である。
符号の説明
10…符号化ビデオ入力端子、11…可変長復号器、13…逆量子化器、14…量子化器、
15…可変長符号化器、16…マルチプレクサ、17…レートバッファ、
18…符号化ビデオ出力端子、19…レート制御器、20…アナライザ、
21…プロフィル作成部、22…メモリ。

Claims (4)

  1. 符号化されている1次符号化ビットストリームを復号し、再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する符号化装置において、
    少なくとも所定単位分の1次符号化ビットストリームを取り込むビットストリーム取り込み手段と、
    前記所定単位内のブロック毎にAC離散コサイン変換係数の符号量と量子化係数の積のべき乗を用いて符号化難易度を求める符号化難易度演算手段と、
    前記ブロック毎に求めた前記符号化難易度を所定番目のブロックまで累積した値を前記所定単位内の全ブロックまで累積した符号化難易度の値で除算した結果と、予め前記所定単位内のピクチャータイプ毎に設定された最低目標符号量とを乗算して、前記所定番目のブロックの目標符号量を求めるようにスケーリングして、前記所定単位内のピクチャータイプ毎の最低目標符号量に対して各ブロックの目標符号量を配分するスケーリング手段とを有することを特徴とする符号化装置。
  2. 少なくとも1所定単位分の再符号化を行った結果の符号量と前記目標符号量との誤差を未来に再符号化する所定単位の目標符号量に加算することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
  3. 少なくとも1所定単位分の前記目標符号量に対して、前の所定単位の発生符号量と前記目標符号量との差を各々の所定単位の目標符号量の合計で割った値を配分することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の符号化装置。
  4. 符号化されている1次符号化ビットストリームを復号し、再符号化して2次符号化ビットストリームを生成する符号化方法において、
    少なくとも所定単位分の1次符号化ビットストリームを取り込むビットストリーム取り込みステップと、
    前記所定単位内のブロック毎にAC離散コサイン変換係数の符号量と量子化係数の積のべき乗を用いて符号化難易度を求める符号化難易度演算ステップと、
    前記ブロック毎に求めた前記符号化難易度を所定番目のブロックまで累積した値を前記所定単位内の全ブロックまで累積した符号化難易度の値で除算した結果と、予め前記所定単位内のピクチャータイプ毎に設定された最低目標符号量とを乗算して、前記所定番目のブロックの目標符号量を求めるようにスケーリングして、前記所定単位内のピクチャータイプ毎の最低目標符号量に対して各ブロックの目標符号量を配分するスケーリングステップとを有することを特徴とする符号化方法。
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