しかしながら、従来のデジタルカメラ等の機器は、内部メモリの容量に制約があり、多くの画像を記録保存することができないという欠点がある。この点、特開平8−315106号公報に記載された技術を応用して記録画像をサーバに転送し、内部メモリの負担を軽くすることも考えられるが、一般に通信回線を利用したり、データベースを利用するとその対価(利用料)を負担する必要があるために、接続サーバの選択や利用者の識別は極めて重要な問題である。この点、同公報は、画像データの二次的利用についての対価保証を目的として撮影画像に識別信号を付加することを述べているのみであり、アクセスすべきサーバ(転送先サーバ)の選択に関しては何ら言及されていない。
また、この種の画像表示機能を有する機器の多くは、画像表示部として液晶ディスプレイが採用されており、一つの画面を複数人で見る場合には液晶の指向性によって見えにくい人がいるという問題がある。この点、特開平5−165932号公報に記載の技術を応用して画像データを複数台の機器に配信して、同じ画像を複数人が同時に観察できるようにすることも考えられる。
しかし、同公報は共通の画像を複数人で編集する場合の処理方法が提案されているのみであり、かかる方法を単に応用した場合、以下のような不都合が生じる。即ち、ある人は「コマ送り」を指示し、ある人は「拡大」を指示しするというように、各機器から各人が自由にコマンドを入力できるので、仮に、一つのコマンドの処理中は他の指示を受け付けないというルールを採用しても、勝手な操作によってその影響が全員に及んでしまい、全員に配信する画像を統括的に管理できないという欠点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、機器を使用する者(ユーザ)を判別し、そのユーザが契約しているサーバと自動的に交信して画像データの送受信を行うとともに、一台の機器で配信画像を統括的に管理しながら複数の機器に同じ画像を表示させることができる画像表示装置及びカメラを提供することを目的とする。また、本発明は、かかる通信機能を備えた機器を利用して画像データの配信サービス等を行うことを可能にする画像通信システムを提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成する為に、外部記録媒体に記録された個人情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で得た個人情報を登録する登録手段と、前記登録手段の登録した個人情報に基づいて、前記個人情報に対応して接続すべきネットワーク上の記録領域を決定する決定手段と、前記決定手段の決定した記録領域にネットワークを介して接続する通信接続手段と、接続した記録領域から配信される画像データが示す画像を表示する画像表示手段と、を備え、前記登録手段は、ある第1の個人情報が登録されている状態で前記読取手段から新たな第2の個人情報の読み込みが行われた場合に、前記第2の個人情報を新たに登録し、前記決定手段は、前記登録手段の登録した第2の個人情報に基づいて、前記第2の個人情報に対応して接続すべきネットワーク上の記録領域を決定することを特徴とする画像表示装置を提供する。
当該装置の所有者に相当する特定者の個人情報を格納する不揮発性記憶手段と、前記不揮発性記憶手段に格納された個人情報をオーナーIDとし、前記不揮発性記憶手段にオーナーIDが登録されている状態で前記読取手段から他の個人情報が読み込まれない場合に前記オーナーIDをユーザIDとして設定し、前記読取手段から他の個人情報が読み込まれた場合は、その読み込んだ個人情報をユーザIDとして設定するユーザID設定手段と、を有し、前記決定手段は、前記ユーザID設定手段で設定されたユーザIDが示す個人情報に基づいて、接続すべき記録領域を決定するように構成されることを特徴とする。
当該装置の電源がオフとなった時に、前記ユーザID設定手段によるユーザIDの設定を抹消するユーザID設定抹消手段を備えたことを特徴とする。
前記ユーザID設定手段によって第1のユーザIDが設定されている状態で前記読取手段から新たな個人情報の読み込みが行われた場合に、前記第1のユーザIDの設定を自動的に抹消し、前記新たな個人情報に相当する第2のユーザIDを新たにユーザIDとして設定するユーザID自動更新手段を備えたことを特徴とする。
前記読取手段から他の個人情報が読み込まれ前記オーナーIDと異なるユーザIDが設定された場合、一定時間経過後にユーザIDの再設定を要求するユーザID確認要求手段と、前記ユーザ確認要求手段の要求に対して所定の応答を得ない場合にユーザIDの設定を抹消するユーザID設定抹消手段と、を備えたことを特徴とする。
前記記録領域との通信状態の良否を判別する判別手段と、前記判別手段で通信状態が悪いと判断した場合に前記記録領域との通信を待機し、一定時間経過後に再び交信を試みる手段と、を備えたことを特徴とする。
同じ個人情報が読み込まれた複数台の画像表示装置のうち、最初に前記記録領域に接続した画像表示装置について主導的地位を設定するとともに、前記複数台の画像表示装置のうち前記主導的地位を設定した画像表示装置以外の他の画像表示装置が前記記録領域に接続すると、前記他の画像表装置について従属的地位を設定する主従関係設定手段を備え、主導的地位が設定されると当該画像表示装置は、前記他の画像表示装置に対して操作指令を通知し、前記主従関係設定手段によって従属的地位が設定された他の画像表装置は、前記主導的地位が設定された画像表示装置からの操作指令に従って動作する、ことを特徴とする。
前記主導的地位が設定された画像表示装置からの操作指令の通知に従うオンライン状態と前記画像表示装置からの操作指令の通知に従わずに個別的な要求に対応するオフライン状態との切替手段を具備したことを特徴とする。
画像表示装置と、少なくとも撮像光学系及び撮像素子から成る撮像手段と、を備えたことを特徴とするカメラも本発明に含まれる。
当該カメラの所有者に相当する特定者の個人情報を格納する不揮発性記憶手段と、前記不揮発性記憶手段に格納された個人情報をオーナーIDとし、前記不揮発性記憶手段にオーナーIDが登録されている状態で前記読取手段から他の個人情報が読み込まれない場合に前記オーナーIDをユーザIDとして設定し、前記読取手段から他の個人情報が読み込まれた場合は、その読み込んだ個人情報をユーザIDとして設定するユーザID設定手段と、を有し、前記通信接続手段は、前記ユーザID設定手段で設定されたユーザIDが示す個人情報に基づいて、接続すべき記録領域を決定するように構成されることを特徴とする。
当該カメラの電源がオフとなった時に、前記ユーザID設定手段によるユーザIDの設定を抹消するユーザID設定抹消手段を備えたことを特徴とする。
前記ユーザID設定手段によって第1のユーザIDが設定されている状態で前記読取手段から新たな個人情報の読み込みが行われた場合に、前記第1のユーザIDの設定を自動的抹消し、前記新たな個人情報に相当する第2のユーザIDを新たにユーザIDとして設定するユーザID自動更新手段を備えたことを特徴とする。
前記読取手段から他の個人情報が読み込まれ前記オーナーIDと異なるユーザIDが設定された場合に、一定時間経過後にユーザIDの再設定を要求するユーザ確認要求手段と、前記ユーザ確認要求手段の要求に対して所定の応答を得ない場合にユーザIDの設定を抹消するユーザ設定抹消手段と、を備えたことを特徴とする。
前記記録領域との通信状態の良否を判別する判別手段と、前記判別手段で通信状態が悪いと判断した場合に前記記録領域との通信を待機し、通信状態が良好な時に改めて前記記録領域との交信を行う通信時期自動調整手段と、を備えたことを特徴とする。
前記撮像手段で撮影した画像を表示するとともに、前記通信接続手段によって接続された記録領域から配信された第2の画像データが示す画像を表示する画像表示部を備えたことを特徴とする。
同じ個人情報が読み込まれた他のカメラと通信するカメラ間通信手段と、同じ個人情報が読み込まれた複数台のカメラのうち、最初に前記記録領域に接続したカメラについて主導的地位を設定するとともに、前記複数台のカメラのうち前記主導的地位を設定したカメラ以外の他のカメラが前記記録領域に接続すると、前記他のカメラについて従属的地位を設定する主従関係設定手段を備え、主導的地位が設定されたカメラは、当該カメラの操作指令を前記カメラ間通信手段を介して他のカメラに送信し、前記主従関係設定手段によって従属的地位が設定された他のカメラは、前記主導的地位が設定されたカメラから前記カメラ間通信手段を介して配信される操作指令に従って動作することを特徴とする。
前記読取手段によって読み込んだ複数人分の個人情報を記憶する記憶手段と、前記読取手段によって複数の外部記録媒体から複数人分の個人情報を取り込んだ場合に、各人に対応する記録領域にそれぞれ接続し、各記録領域に対して前記画像データを配信するように前記通信接続手段及びデータ送信手段を制御する通信制御部と、を備えたことを特徴とする。
前記読取手段によって読み込んだ個人情報を、撮影画像に付加して記録する情報付加手段を備えたことを特徴とする。
前記情報付加手段で付加した情報に基づいて画像データの検索を行う画像検索手段を具備したことを特徴とする。
画像表示装置と、画像データが蓄積される記録領域を有したデータ保存手段と、前記画像表示装置からの指示に応じて記録領域から画像データを各画像表示像装置に配信する配信手段と、から成ることを特徴とする画像通信システムも本発明に含まれる。
前記読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対して前記通信ネットワークの使用料金及び記録領域からの画像データの提供料金のうちの少なくとも一方の料金を課すように料金を計算する料金算出手段を含むことを特徴とする。
請求項9〜19のいずれかに記載のカメラと、画像データが蓄積される記録領域を有したデータ保存手段と、前記カメラからの送信された画像データを対応する記録領域に登録し格納させるデータ登録手段と、から成ることを特徴とする。
前記読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対して前記通信回線網の使用料金及び記録領域に画像データを登録する為の料金のうちの少なくとも一方の料金を課すように料金を計算する料金算出手段を含むことを特徴とする。
前記カメラは、読取手段によって読み込んだ複数人分の個人情報を記憶する記憶手段と、前記読取手段によって複数の外部記録媒体から複数の個人情報を取り込んだ場合に、そのうちの少なくとも1の個人情報に対応する記録領域に対してその記録領域に対応づけられた個人情報以外の他の個人情報を送信する手段と、を有し、前記カメラから送信された他の個人情報に基づいて、その他の個人情報に対応する記録領域に画像データを転送する転送手段と、前記転送手段から転送を受けた画像データを記録領域に登録し格納させる第2のデータ登録手段と、を備えたことを特徴とする請求項22の画像通信システム。
画像表示装置同士で相互に通信する画像表示装置間通信手段を備え、前記接続手段は、他の画像表示装置の備える読取手段が同一の個人情報を読み込んだことに応じ、前記同一の個人情報に対応する記録領域に接続し、前記画像表示装置間通信手段は、前記接続手段が前記記憶領域に接続したことに応じて配信された画像データを、前記同一の個人情報を読み込んだ他の画像表示装置に転送することを特徴とする。
複数台の画像表示装置の備える各読取手段が同一の個人情報を読み込んだことに応じ、前記複数台の画像表示装置の各接続手段が前記同一の個人情報に対応する記録領域に接続することで、前記複数台の画像表示装置に同一の記録領域に記録された画像を表示する。
同じ個人情報が読み込まれた画像表示装置同士で相互に通信する画像表示装置間通信手段と、同じ個人情報が読み込まれた複数台の画像表示装置のうち、最初に前記記録領域に接続した画像表示装置について主導的地位を設定するとともに、前記複数台の画像表示装置のうち前記主導的地位を設定した画像表示装置以外の画像表示装置が前記記録領域に接続すると、前記他の画像表装置について従属的地位を設定する主従関係設定手段を備え、主導的地位が設定された画像表示装置は、当該画像表示装置の操作指令を前記画像表示装置間通信手段を介して他の画像表示装置に送信し、前記主従関係設定手段によって従属的地位が設定された他の画像表示装置は、前記主導的地位が設定された画像表示装置から前記画像表示装置間通信手段を介して配信される操作指令に従って動作することを特徴とする。
即ち、読取手段で外部記録媒体の記録情報を読み取り、その外部記録媒体に記録された特定の人物の個人情報を画像表示装置に取り込む。そして、取り込んだ個人情報に基づいて、その個人に予め対応付けられているデータサーバを特定し、通信接続手段によってそのサーバに自動接続する。こうして接続したサーバから画像データの配信を受け、その画像データが示す画像を画像表示手段によって表示する。
このように、外部記録媒体を利用することで、画像表示装置のユーザを容易に登録することができ、ユーザに応じたデータサーバに容易にアクセスすることができる。この場合、装置の所有者(オーナー)に相当する者の個人情報をオーナーIDとして不揮発性記憶手段に保存しておき、読取手段からの個人情報の読み込みが無い場合にはオーナーIDをユーザIDとして設定する手段を設けることにより、所有者は一度自分の個人情報を登録しておけば、以後自分の所有に係る装置を使用する場合にはユーザIDの入力作業を省略することができる。
また、一旦設定されたユーザIDを抹消する手段としては、電源がOFFとなった時にその設定を抹消してもよいし、新たな個人情報の読み込みが行われた場合には、先に設定されているユーザIDを抹消して、後から入力した個人情報が新たなユーザIDとして設定されるように、いわゆる後入力優先型のユーザID自動更新手段を採用してもよい。
更に、オーナーIDと異なるユーザIDが設定された場合に、一定時間経過後にユーザIDの再設定を要求するユーザ確認要求手段を設けると共に、このユーザ確認要求手段の要求に対して所定の応答を得ない場合にユーザIDの設定を抹消するユーザID設定抹消手段と、を設けることにより、オーナー以外のユーザIDを不正に使用するのを防ぐことができる。かかる態様は、特に、有料の通信ネットワーク等を使用する場合にセキュリティー効果がある。
また、本発明に係る画像表示装置を複数台使用する態様も可能であり、この場合の機能拡張を図るべく、上記構成に加え、同じ個人情報が読み込まれた複数台の画像表示装置のうち、一台の画像表示装置について主導的地位を設定するとともに、他の画像表示装置について従属的地位を設定する主従関係設定手段によって、主導的地位が設定されると当該画像表示装置からの操作指令に基づいて前記複数台の全ての画像表示装置を統括的に制御し、前記主従関係設定手段によって従属的地位が設定された場合には、他の主導的地位が設定された画像表示装置からの操作指令に従って制御を受ける制御手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、複数台の画像表示装置に同じ人物の個人情報を登録することにより、複数台の画像装置に同じ画像を表示させることができ、複数人が同じ画像を見ることができる。特に、主導的地位が設定された一台の画像表示装置に限り、こま送りや、拡大/縮小などの画像操作が可能となり、他の従属的地位の画像表示装置に表示させる画像を統括的に制御することができる。
この場合、主導的地位が設定された画像表示装置による統括的な制御の支配を受ける従属状態を解除する従属解除手段を設け、切替手段の操作に応じて従属状態又は前記主導的地位が設定された画像表示装置による統括的な制御を受けない独立状態の何れか一方の状態に択一的に切り替えるように構成してもよい。かかる態様によれば、主導的地位の画像表示装置による制御を受けずに、自由に操作をしたいという個別的な要求に対しても対応することができるという利点がある。
また、本発明は前記目的を達成するために、少なくとも撮像光学系及び撮像素子から成る撮像手段と、前記撮像手段から読み出された映像信号を処理して画像データを生成する信号処理部と、外部記録媒体に記録された個人情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対応するデータサーバに通信ネットワークを介して接続する通信接続手段と、接続したデータサーバに対して前記画像データを送信するためのデータ送信手段と、を備えたことを特徴としている。
また、前記撮像手段で撮影した画像を表示する画像表示部を設け、前記通信接続手段によって接続されたデータサーバから配信された第2の画像データが示す画像を前記画像表示部に表示するように構成することが望ましい。本発明によれば、読取手段で外部記録媒体の記録情報を読み取り、その外部記録媒体に記録された特定の人物の個人情報を画像表示装置に取り込む。そして、取り込んだ個人情報に基づいて、その個人に予め対応付けられているデータサーバを特定し、通信接続手段によってそのサーバに自動接続する。こうして接続したサーバに対して、撮影画像のデータを送信することで、カメラ側に画像データを大量に蓄積する手段(メモリ)を設ける必要がなくなる。従って、撮影枚数を気にせずに撮影を行うことができる。
更に、本発明に係るカメラを複数台使用する態様も可能であり、この場合の機能拡張を図るべく、上記構成に加え、同じ個人情報が読み込まれた他のカメラと通信するカメラ間通信手段と、同じ個人情報が読み込まれた複数台のカメラのうち、一台のカメラについて主導的地位を設定するとともに、他のカメラについて従属的地位を設定する主従関係設定手段によって主導的地位が設定されると当該カメラからの操作指令を前記カメラ間通信手段を介して他のカメラに送信して前記複数台の全てのカメラを同時に制御し、前記主従関係設定手段によって従属的地位が設定されると、他の主導的地位が設定されたカメラから前記カメラ間通信手段を介して配信される操作指令に従って制御受けるカメラ制御手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより、複数台の画像表示装置に同じ人物の個人情報を登録し、そのうちの一台に主導的地位を設定することで、この主導的地位を設定したカメラを操作することによって、他の従属的地位のカメラを統括的に制御することが可能となる。従って、例えば、複数台のカメラを並べたパノラマ撮影や360度撮影なども可能である。
本発明に係るカメラの機能拡張を図るべく、前記読取手段によって読み込んだ複数人分の個人情報を記憶する記憶手段と、前記読取手段によって複数の外部記録媒体から複数人分の個人情報を取り込んだ場合に、各人に対応するデータサーバにそれぞれ接続し、各データサーバに対して前記画像データを配信するように前記通信接続手段及びデータ送信手段を制御する通信制御部と、を付加したことを特徴としている。
本発明によれば、一台のカメラに複数人の個人情報を登録することができ、記憶手段に記憶した各人に対応するデータサーバに対して、同じ画像データを一斉に送信することができる。これにより、一台のカメラで撮影を行うと同時に、その画像データを複数のサーバに自動的に送信でき、焼き増しの煩わしさを解消できる。
また、本発明の他の態様によれば、前記読取手段によって読み込んだ複数人分の個人情報を撮影画像に付加して記録する情報付加手段を設けたことを特徴としている。かかる態様では、例えば、複数人のスナップ写真を撮影する場合、被写体となる各人の個人情報をカメラに取り込み撮影を行うと、その撮影画像に各人の個人情報が付随的に記録される。従って、その情報を手掛かりに撮影画像に誰た写っているかを把握することができ、かかる付加情報を活用して画像検索を行うことができる。
更に、本発明は前記目的を達成するために、画像データが蓄積されるデータ保存手段を有したデータサーバと、前記データサーバに接続可能な通信ネットワークと、通信ネットワークを介して前記データサーバと接続される画像表示装置であって、外部記録媒体に記録された個人情報を読み取る読取手段、前記読取手段で得た個人情報に基づいてその個人に対応するデータサーバに通信ネットワークを介して接続する通信接続手段、及び接続したデータサーバから配信される画像データが示す画像を表示する画像表示手段を具備した画像表示装置と、前記画像表示装置からの指示に応じてデータサーバから画像データを各画像表示像装置に配信する配信手段と、によって画像通信システムを構成したことを特徴とする。
本発明によれば、外部記録媒体から読み込んだ個人情報に基づいて、その個人に対応するデータサーバにアクセスし、データサーバから画像データの提供を受けることができる。特に、前記読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対して通信ネットワークの利用料金及びデータサーバからの画像データの提供料金のうちの少なくとも一方の料金を課すように料金を計算する料金算出手段を設けることにより、サービスを利用する者に正当に料金の支払いを要求することが可能になる。
本発明は前記目的を達成するために、画像データが蓄積されるデータ保存手段を有したデータサーバと、前記データサーバに接続可能な通信ネットワークと、通信ネットワークを介して前記データサーバと接続されるカメラであって、少なくとも撮像光学系及び撮像素子から成る撮像手段、前記撮像手段から読み出された映像信号を処理して画像データを生成する信号処理部、外部記録媒体に記録された個人情報を読み取る読取手段、前記読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対応するデータサーバに通信ネットワークを介して接続する通信接続手段、及び接続したデータサーバに対して前記画像データを送信するためのデータ送信手段を具備したカメラと、前記カメラからの送信された画像データを対応するデータサーバに登録し格納させるデータ登録手段と、によって画像通信システムを構成したことを特徴とする。
本発明によれば、外部記録媒体から読み込んだ個人情報に基づいて、その個人に対応するデータサーバにアクセスし、撮影画像をサーバへと送信してサーバ側に画像データを蓄積させることができる。この場合、読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対して前記通信回線網の使用料金及びサーバに画像データを登録する為の料金のうちの少なくとも一方の料金を課すように料金を計算する料金算出手段を備えることにより、かかるシステムの利用者に対して正当に利用料金を請求することも可能である。
また、本発明の他の態様によれば、上記構成の画像通信システムにおいて、前記カメラに、読取手段によって読み込んだ複数人分の個人情報を記憶する記憶手段と、前記読取手段によって複数の外部記録媒体から複数人分の個人情報を取り込んだ場合に、そのうちの少なくとも1人のデータサーバに対して他人の個人情報を送信する手段と、を具備させ、このカメラから送信された他人の個人情報に基づいて、その他人に対応するデータベースに画像データを転送する転送手段と、前記転送手段から転送を受けた画像データをデータサーバに登録し格納させる第2のデータ登録手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、一つのデータサーバに送信した画像データを他のデータサーバとの間で転送(サーバ間転送)させることにより、一台のカメラで撮影した画像を複数のサーバに一斉に配信することができる。
以上説明したように本発明に係る画像表示装置によれば、画像表示装置を使用する者(ユーザ)の個人情報を外部記録媒体から読み取って装置内に取り込み、そのユーザに対応したデータサーバに接続するようにしたので、個々のユーザを装置に容易に登録することができ、各人のデータサーバに蓄えられている画像データを簡単に呼び出すことができる。また、サーバ接続や画像データの提供を受ける際に発生する料金の課金先を明確に把握することが可能になる。
特に、本発明に係る画像表示装置を複数台利用し、各画像表示装置に同じユーザの個人情報を登録して、そのうちの一台について主導的地位を設定することによって、一台の装置で全ての画像表示装置を制御することができ、複数の画像表示装置で同一の画像を同時に観察することができる。これにより、例えば、プレゼンテーションツールとしても活用することができるとともに、従来のように一つの液晶モニタ等を複数人で見る場合の不快感を回避することができる。
また、本発明に係るカメラによれば、ユーザの個人情報を外部記録媒体から読み取ってカメラ内に取り込み、ユーザに対応したデータサーバに接続して撮影画像のデータをデータサーバに転送するようにしたので、個々のユーザをカメラに容易に登録することができ、他人の所有に係るカメラを借りた場合でも撮影画像のデータを自分のデータサーバに自動的に送信することができる。しかも、この時の通信料やサーバ利用料等の課金先の把握も容易でり、利用者に正当な対価の支払いを請求することができる。そして、かかるカメラによれば、撮影画像のデータはデータサーバに蓄積されるので、カメラ内に画像データを大量に記憶する手段が不要となり、撮影枚数を気にせずに大量の撮影を行うことができる。
更に、本発明に係るカメラを複数台利用し、各カメラに同じユーザの個人情報を登録して、その内の一台について主導的地位を設定することによって、一台のカメラで全てのカメラを制御することができる。これにより、例えば、複数台のカメラのレリーズを一つのカメラで制御でき、パノラマ撮影や360度撮影などの同期撮影を容易に行うことができる。
その他、一台のカメラに複数のユーザの個人情報を登録することで、撮影画像のデータを各ユーザに対して一斉に転送することができるため、スナップ撮影の焼き増し処理が不要になるという利点もある。更に、かかる個人情報を画像に付加して記録することにより、画像に記録されている人物を容易に把握することができ、画像検索にも役立てることができる。
本発明に係る画像通信システムによれば、外部記録媒体から読み込んだ個人情報に基づいて、その個人に対応するデータサーバにアクセスするようにしたので、各人のデータサーバから容易に画像データの提供を受けることができ、撮影画像を各人のデータサーバに簡単に登録することが可能となる。特に、読取手段で得た個人情報に基づいて、その個人に対して通信ネットワークの使用料金やデータサーバの利用料金等を利用者に正当に負担させることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る画像表示装置及びカメラ並びに画像通信システムの好ましい実施の形態について詳説する。図1は本発明が適用されたデジタルカメラの外観例を示す斜視図である。デジタルカメラ(以下、単にカメラと表記する。)10の正面右上隅部には撮像部12が設けられ、カメラ10の左側部はグリップ部14が形成される。撮像部12は撮影レンズを有し、撮影レンズの後方には図示せぬCCD(撮像素子)が配置されている。撮影レンズの構成は図示されていないが、例えば、変倍群と補正群とから成るリヤフォーカス式ズームレンズが用いられる。
カメラ10の上面にはシャッターボタン16、モードダイヤル18、及び電源スイッチ19等が配置されている。また、カメラ10の右側面にはカード読取部20が形成されており、このカード読取部20の溝にクレジットカード等のIDカード22(外部記録媒体に相当)を通すと、IDカード22に記録されている情報が読み取られ、カメラ10内に取り込まれる。
IDカード22の記録部23には、例えば、その人物の名前、性別、生年月日、取引銀行、口座番号など課金先等の個人情報(ID情報)が磁気情報として予め記録されている。尚、同図ではクレジットカード等のIDカード22を読み込む例を示してあるるが、外部記録媒体としてのカードの形態は、特に限定するものではなく、磁気カードでもよいしICカードでもよい。また、読取方式も、磁気的、光学的、及び電磁的等何れの方式でもよい。
図2は、図1のカメラの背面図である。カメラ10の背面には単一の画像表示部24が設けられる。この画像表示部24は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)で構成され、その前面にはタッチパネル26が配設される。詳しくは図示されていないが、画像表示部24の画面上に各種の操作ボタンが重ね表示され、タッチパネル26を介して所望の操作ボタンをタッチすることによって各種の操作入力を行うことができるようになっている。
図3は上記カメラ1の内部構成を示すブロック図である。カメラ10は、主として、CCD(撮像素子)30、撮像回路32、メモリ34、中央処理装置(CPU)36、画像表示部24、通信インターフェース38、操作キー制御インターフェース40、ID入力インターフェース42、及び外部記憶装置インターフェース44等から構成され、これらの各要素は、図3に示したようにバス46を介して連結されている。
撮像部12の撮影レンズを介してCCD30の受光面に結像した被写体像は、CCD30において光電変換され、映像信号として順次読み出される。撮像回路32は信号処理部を含み、詳細な構成は図示されていないが、周知の如く、CDSクランプ回路やゲイン調整回路等のアナログ処理回路、A/D変換器、並びに、輝度信号生成回路、色差信号生成回路、及びガンマ補正経路等のデジタル画像処理回路等を含む。
前記撮像部12から読み出された映像信号は、前記撮像回路32において適宜処理され、例えば、Exif(Exchangeable image file format)ファイル規定その他の所定の形式に従ってメモリ34(例えば、カメラ内蔵のフラッシュメモリ)に記録され、或いは外部記憶装置インターフェース44を介して着脱自在な外部メモリカード等の記録部に記録される。
また、撮影部12から読み出された映像信号や、メモリ34(又は着脱自在な外部メモリ)から読み出された映像信号は前記信号処理部で処理された後、画像表示部24に導かれ、画像表示部24の画面上に撮影画像が表示される。この画像表示部24には、シャッターレリーズ操作によって撮影した静止画のみならず、シャッターレリーズ操作前の映像(動画、或いは間欠画)も表示が可能である。
尚、このカメラ10は、公知の自動露出調整(AE)機能及びオートフォーカス(AF)機能を具備しており、撮影者がカメラを被写体に向けるだけで、最適な露出調整及びピント合わせが自動的に行われる。カメラ10は通信インターフェース38を介してコンピュータネットワークのサーバマシンと通信が可能であり、カメラ10で撮影した画像の画像データ等の情報をサーバマシンに送信することができるとともに、サーバマシンから画像データ等の情報を受信することができる。
操作キー制御インターフェース40は、画像表示部24に重ね表示する操作ボタンの表示制御信号を送信するとともに、タッチパネル26やカメラ10の筐体部に設けられたシャッターボタン16やモードダイヤル18等の操作部から操作信号の入力を受ける。ID入力インターフェース42は、前記カード読取部20の読取制御信号を送信するとともに、前記カード読取部20で読み取ったIDカード22の情報の入力を受ける。
CPU36は、カメラ10の各回路を統括・制御するもので、操作キー制御インターフェース42から入力する信号に基づいて操作指示を判別して、操作に応じた制御を行うとともに、ズーミング、フォーカシング等の撮影を行うための撮像部12の制御、画像表示部24における表示制御、メモリ34へのデータの書き込み/読み出し制御、及びサーバマシンとの通信制御等を行う。
図4は、本発明の実施の形態に係る画像通信システムの概略構成を示すブロック図である。カメラ10は公衆電話回線網又は専用回線等の通信回線網50を介してサーバ(データサーバ)52A、52B…52nと接続が可能となっている。尚、同図には複数のサーバを含むコンピュータネットワークの様子が示されているが、サーバの数は特に制限するものではく、理論的には1つ以上あればよい。
各サーバ52A、52B…52nには、画像データを蓄積するデータベース53A、53B…53nが用意されており、カメラ10で撮影した画像データは、サーバ52A…に送られデータベース53A…に保存されるとともに、データベースに登録されている画像データはカメラ10や他のサーバに配信できるようになっている。
カメラ10を使用する者(ユーザ)は特定のサーバ(例えば、符号52Aで示すサーバ)と利用契約を結び、又は、自宅にホームサーバを設置すること等によって、そのサーバ52Aに自己の撮影した画像データを蓄積することができ、また、データベース53Aに登録された画像データを呼び出してカメラ10の画像表示部24に再生できる。
次に、上記の如く構成されたカメラ及び画像通信システムの作用を説明する。図5には、上記カメラ10の利用形態の概念図が示されている。カメラ10を使用する場合に、先ず、カメラ10を使用する者(ユーザ)のクレジットカード等のIDカード22をカメラ10のカード読取部20に通してユーザの個人情報(ユーザID)の登録を行う。このユーザ登録によって、接続先サーバ52が決定されるとともに、通信回線網50の使用料やサーバ使用料等の課金先が決定される。
但し、カメラ10の所有者(オーナー)がカメラ10を使用する場合に、毎回自己のユーザ登録を要するというのは不便であるので、オーナーの個人情報(オーナーID)をクレジットカード等から予め入力して、カメラ10内の不揮発性メモリ等に登録しておき、ユーザID登録が無い場合にはオーナーIDをユーザIDとして設定することが好ましい。
こうしてユーザIDの登録を行った後、カメラ10のシャッターボタン16を押して撮影を行うと、登録されたユーザが契約しているサーバ52に自動的にアクセスし、通信状況の良否を判断して撮影した画像のデータをサーバ52に送信する。サーバ52に送られた画像データは所定の記録領域(データベース)に登録され保存される。
上記処理の流れを図6のフローチャートに示す。カメラ10の電源スイッチ19がONされると(ステップ101)、先ず、ユーザ登録を行うか否かを判別する(ステップ102)。ユーザ登録を行う場合には、次いで、クレジットカード等のIDカード22をカード読取部20に差し込み、IDカード22から読み込んだ個人情報に基づいてユーザIDを登録する(ステップ104)。他方、ステップ102でユーザ登録を行わない場合には、予め登録されているオーナーIDをユーザIDとして登録する(ステップ106)。こうして登録されたユーザIDによって接続先サーバ及び課金先を決定する。
次いで、撮影の指示を受け付ける。シャッターボタン16が押されシャッターレリーズがONすると(ステップ108)、登録ユーザが契約している所定のサーバ52にアクセスして通信接続を行う(ステップ110)。サーバ52に接続後、通信状態の良否を判断し(ステップ112)、良好であれば、撮影した画像のデータをサーバ52に送信してサーバ52の所定の記録領域(データベース)に記録する(ステップ114)。
他方、ステップ112において、通信状態が悪いと判断した場合には、次いでカメラ1本体のメモリ(本体メモリ)34の容量を確認し(ステップ116)、十分な記憶容量がある場合(所定容量以上の場合)には、画像データを本体メモリ34に一時的に記録保存し(ステップ118)、通信状態の回復を待って良好な時にその画像データをサーバ52に転送する(ステップ120)。具体的には、例えば、通信状態が悪いと判断した場合に通信を一時中止し、一定時間経過後に再度交信を試みる。このように一定時間の待機と再交信とを繰り返しながら通信状態の回復を待ち、交信時期を自動的に調整する。尚、通信状態の回復を待機する時間に上限を設定し、所定時間経過しても通信状態が改善されない場合には通信を断念するようにしてもよい。
また、ステップS116で本体メモリ34の容量が不十分の場合には、この撮影画像を記録保存することができず(ステップ122)、その旨を画像表示部24に警告表示するなどして撮影を終了する。図6のフローチャートでは、シャッターレリーズONの後にサーバ52へアクセスを開始する場合を述べたが、ユーザIDの登録直後にサーバ52へアクセスして接続を確認してもよい。
また、ユーザIDの登録の際に、接続サーバIDと課金先IDをそれぞれ別々に設定する態様も可能である。例えば、接続サーバについてはオーナー登録されている人物Aが契約しているサーバの接続サーバIDを用い、そのサーバを使用する時の通信回線使用料及びサーバ利用料の課金先については、ユーザ登録された人物Bが契約しているクレジットの課金先IDを用いることも考えられる。また、このように、オーナーIDとユーザIDの両IDを登録可能な構成を採用したときには、オーナーID以外のユーザIDが登録された場合には、一定の時間経過毎に、その登録したユーザのクレジットカードの再読み込みを要求し、再入力が途絶えた場合は、ユーザ登録を抹消する機能を備えることが好ましい。これにより、オーナー以外の者がカメラを使用する場合には、課金先が明確なユーザIDカード(クレジットカード等)を常に携帯している必要があり、セキュリティー効果がある。
次に、登録したユーザIDの抹消方法の例について説明する。カメラ10に登録したユーザIDを抹消するには、種々の方法が考えられるが、例えば、以下の場合にユーザIDの登録を抹消する。即ち、カメラ10の電源がOFFとなった時に、ユーザID登録を抹消し、次回カメラ10の電源が投入された時には、改めてユーザIDの登録を要求し、新規登録が行われない場合にはオーナーIDをユーザIDとしてカメラに設定する。
カメラ10の電源投入中にユーザIDを抹消したい場合には、モードダイヤル18や操作キー等の所定の操作によってユーザID抹消モードに移行させ、登録抹消の操作入力を行うことでユーザIDの抹消を行う。この場合、画像表示部24にユーザIDが抹消された旨をメッセージで表示することが好ましい。
新たにユーザIDを登録すると、先に(現在)設定されているユーザIDが自動的に抹消され、新ユーザIDに書き換えられるようにしてもよい。但し、一台のカメラ10に複数人分のユーザIDを登録するモードの場合には、かかる自動更新機能は実行しないようにする。
磁気カードのような接触式のID入力方式を採用する場合は、ある一定時間経過毎にユーザIDを確認するモード(確認モード)に移行し、再度IDカード22の差し込み処理を促す。この時、IDカード22の再投入を行わないと自動的にユーザIDを抹消する。また、電磁的な通信方式によって非接触でユーザIDを入力する形態の場合は、カメラ10とそのIDカード22との通信が一定期間途絶えた時に、IDカード22とカメラ10との距離が離れた(登録したユーザがカメラ10から離れ、使用する者が変わった)と判断して自動的にユーザIDを抹消してもよい。これにより、他人のユーザIDの無断使用を防止することができ、セキュリティーを確保できる。尚、この方法によって、ユーザIDが抹消された場合には、自動的にオーナーIDがユーザIDとして設定されるようにする。
上述の方法によるユーザIDの抹消に際してはパスワード入力等の複雑な処理なしに抹消を実行するので便利である。但し、オーナーIDについては、パスワード入力等の処理を要求して、安易に抹消できないようにすることが望ましい。次に、一人の個人情報を複数台のカメラに登録する機能について説明する。
図7は、一つのID情報を複数台のカメラに登録する形態の概念図である。同図では、3台のカメラ10A、10B、10Cに同じIDカード22で同一人物のID情報を読み込ませた例が示されている。各カメラ10A、10B、10Cのカード読取部20A、20B、20C、に同じIDカード22を順次差し込むと、各カメラ10A、10B、10Cに同じ人物のユーザIDが登録される。
このように複数台のカメラ10A、10B、10Cに同じユーザIDを登録した場合、各カメラ10A、10B、10Cは同じサーバ52に順次接続を行い、そのサーバ52から画像データの配信を受けることができる。これにより、再生時に各カメラ10A、10B、10Cの画像表示部24A、24B、24Cには同じ画像が表示され、従来のように一つの液晶モニタを複数人で見る際の不快感を解消できる。
また、特に、カメラ同士で相互に通信する手段を具備している場合には、一台のカメラ(例えば、符号10A)のみがサーバ52に接続を行い、そのサーバ52から画像データの配信を受け、他のカメラ(10B、10C)に対してはカメラ間で画像通信を行い同じ画像を転送するという態様も可能である。これにより、通信回線網50の使用料やサーバ利用料の負担を軽減することができるというメリットがある。
図7のように複数台のカメラ10A、10B、10Cに同じユーザIDを登録した場合、それぞれ個別に使用することも可能であるが、これら複数台のカメラを一台のカメラからの操作によって統括的に制御することもできる。即ち、同一ユーザIDを登録した複数台のカメラのうち、特定の一台について主導的地位を設定し、これをマスターカメラとする。その他のカメラについては前記マスターカメラの操作に従う従属的地位が設定され、これらをスレーブカメラとする。
例えば、ユーザIDの登録モードにおいて、最初にユーザIDを登録したカメラをマスターカメラとして設定することが考えられる。この場合、最初に登録されたカメラ(仮に、図7中の符号10Aとする)が先ずサーバ52に接続し、次に登録されたカメラ(符号10B)がサーバ52に接続した時に、既に同じユーザが同サーバ52に接続していることがサーバ52側で認識できるために、サーバ52への接続順番によってマスターカメラの設定とスレーブカメラの設定が可能である。
また、一度設定したマスターカメラの地位を他のカメラに変更する場合には、図8のように、マスターカメラ(符号10A)を操作してマスターカメラ変更の指示を入力する。かかる変更操作を行うと他の同じユーザIDを有する全てのカメラ10A、10B、10CがマスターID入力モードになり各画像表示部24A、24B、24Cにはマスター設定を促すメッセージが表示される。この状態で所望の一台のカメラ(例えば、符号10C)についてIDカード22を差し込んでID登録を行うと、そのカメラ(符号10C)が新たにマスターカメラになる。
マスター/スレーブの設定を行った後は、マスターカメラを操作することで全てのカメラの動作を制御できる。例えば、再生時にマスターカメラからコマ送りの操作を行うと、全てのカメラの画像が同時にコマ送りされ、マスターカメラから拡大/縮小の指示を入力すると、全てのカメラの画像が同時に拡大又は縮小される。従って、かかる機能を具備したことによって、単に撮影用カメラという用途に止まらず、会議などのプレゼンテーションツールとしても利用することができる。
また、撮影時においても、同じユーザ登録がされている全てのカメラを一台のマスターカメラの操作でレリーズ等の制御ができる。従って、複数台のカメラを並べたパノラマ撮影や、360度撮影などの同期して撮影するために必要な作業を簡単に実現することができる。上述した処理の流れを図9及び図10のフローチャートに示す。
図9には、複数のカメラに同一のユーザ登録をして再生する場合の処理の流れが示されている。各カメラ(カメラ1、カメラ2…)の電源をONすると(ステップ131)、各カメラ毎にユーザ登録を行うか否かを判別する(ステップ132)。ユーザ登録を行わない場合の処理は図示されていないが、図6で示したステップ106のようにオーナーIDをユーザIDとして登録して、通常の撮影又は再生のシーケンスに移行する。
ステップ132でユーザ登録を行う場合、各カメラ(カメラ1、カメラ2…)に同じIDカードを順次差し込み、ユーザID登録を行う(ステップ134)。このとき、最初にIDカードを差し込んだカメラ(例えばカメラ1)がマスターカメラとして設定される。マスターカメラを操作して再生スイッチをONすると(ステップ136)、再生開始の命令(コマンド)が他の全てのスレーブカメラに対して通知され、各カメラは所定のサーバ52にアクセスする。そして、サーバ52から画像データの配信を受け、画像再生を開始する(ステップ138)。尚、カメラ間で画像通信が可能な場合には、マスターカメラのみがサーバ52から画像データの配信を受け、その画像データをカメラ間通信によって他のスレーブカメラに転送することで画像再生を行ってもよい。
次いで、マスターカメラからコマ送りの指示を入力すると(ステップ140)、そのコマ送りのコマンドが全てのスレーブカメラに通知される。そして、このコマ送り指示に基づいてサーバ52から次コマの画像データが配信され、次画像再生が行われる(ステップ148)。このとき、スレーブカメラ(カメラ2、カメラ3…)については、スレーブカメラがマスターカメラと通信可能な場合には(ステップ142)、マスターカメラ(カメラ1)とカメラ間通信によって次のコマの画像データを受信し、マスターカメラとの通信が不可能な場合には、サーバ52から直接、次コマの画像データを取得して次画像再生を行う(ステップ150)。
尚、図9ではコマ送りの処理を例に述べたが、拡大/縮小の処理についても同様である。こうして、全てのカメラに同じ画像を表示することができるとともに、全てのカメラに配信する画像をマスターカメラによって統一的に管理することができる。但し、複数台のカメラで同じ画像を観察しているときに、マスターカメラの支配を受けずに、自由にその画像を観察したいという個別的な要求も生じると考えられるので、各カメラにおいてオンライン/オフラインの切替手段を設けてもよい。そして、自分だけ個別的に画像を観察したい場合にはオフライン切り替えを行い、マスターカメラからの制御を一時的に解除する。この場合、その後オンライン切り替えを行うと、他のカメラと同様の処理を開始して、マスターカメラによる支配を受けるグループに復帰することができる。
図10には、複数台のカメラに同一のユーザ登録をして撮影する場合の処理の流れが示されている。各カメラ(カメラ1、カメラ2…)の電源をONすると(ステップ161)、各カメラ毎にユーザ登録を行うか否かを判別する(ステップ162)。ユーザ登録を行わない場合の処理は図示されていないが、図6で示したステップ106のようにオーナーIDをユーザIDとして登録して、通常の撮影又は再生のシーケンスに移行する。
ステップ162でユーザ登録を行う場合、各カメラ(カメラ1、カメラ2…)に同じIDカード22を順次差し込み、ユーザID登録を行う(ステップ164)。このとき、最初にIDカード22を差し込んだカメラ(例えばカメラ1)がマスターカメラとして設定される。マスターカメラのシャッターボタン16を押してレリーズを指示するとそのレリーズコマンドが他の全てのスレーブカメラに対して通知され、各カメラは共通のサーバ52にアクセスする。そして、そのサーバ52に各カメラ(カメラ1、カメラ2…)から撮影画像の画像データを転送する(ステップ168)。こうして、マスターカメラのレリーズ操作によって全てのカメラのレリーズを実行することができ、パノラマ撮影のような同期してレリーズする必要がある場合に特に有効である。
図11は、一つのID情報を複数台のカメラに登録する他の形態の概念図である。2台のカメラ10A、10Bに同じユーザIDを登録して再生動作を行っているときに、後からカメラ10Cについて同じユーザIDを登録(途中登録)することができるようにしてもよい。2台のカメラ10A、10Bの再生動作中に、カメラ10Cのカード読取部20CにIDカード22を通して、他の2台のカメラ10A、10Bと同じユーザIDを登録すると、この途中登録されたカメラ10Cには、他のカメラ10A、10Bと同期が取れるタイミングから同じ画像が表示される。こうして、再生動作中にそのグループに随時参加することができる。
次に、一台のカメラに複数のユーザIDを登録する態様について説明する。図12は、一台の,カメラ10に複数人分のID情報を登録する形態の概念図である。同図では、1台のカメラ10に異なるIDカード22A、22B、22Cで3人分のID情報を読み込ませる例が示されている。カメラ10のカード読取部20にIDカード22A、22B、22Cを順次差し込むと、各IDカード22A、22B、22Cに記録されている異なる人物A、B、Cの個人情報がカメラ10に取り込まれ、メモリに記録される。
ユーザ登録された人物Aはサーバ52Aに自己のデータ領域を有しており、また人物B、Cはそれぞれサーバ52B、52Cに各自のデータ領域を有している。このように複数のユーザIDを登録したカメラ10で撮影を行うと、レリーズの時に、各人物A、B、Cに対応するサーバ52A、52B、52Cに自動的に接続を行い、撮影画像を各サーバ52A、52B、52Cに送信するようになっている。これにより、スナップ撮影など被撮影者のID登録を行っておくことで、焼き増しの煩わしさを解消することができる。
また、各サーバ52A、52B、52Cに接続する代わりに、何れか一つのサーバに接続してそのサーバに画像データを送信した後、そのサーバから通信ネットワークを介してサーバ間転送によって同じ画像データを他のサーバに送るようにしてもよい。上述の処理のフローチャートを図13に示す。カメラ10の電源スイッチ19がONされると(ステップ171)、先ず、ユーザ登録を行うか否かを判別する(ステップ172)。ユーザ登録を行う場合には、次いで、クレジットカード等のIDカード22をカード読取部20に差し込み、ユーザIDを登録する(ステップ174)。
ユーザID登録後、処理はステップ172に戻り、複数人分のユーザ登録が完了するまでステップ172〜ステップ174の処理が繰り返される。そして、複数人分のユーザ登録が終了し、ステップ172でユーザ登録を行わない場合には、次いで、レリーズの指示を受け付ける(ステップ176)。シャッターボタン16が押されシャッターレリーズがONすると(ステップ176)、ユーザ登録されている各ユーザの全てのサーバに対して画像データの転送を終了したか否かの判断を行う(ステップ178)。全サーバに画像データを転送し終えていない場合には、登録ユーザが契約している各サーバ52にアクセスして通信接続を行う(ステップ180)。
そして、各サーバ52A、52B、52Cに接続後、通信状態の良否を判断し(ステップ182)、良好であれば、撮影した画像のデータをそれぞれのサーバに送信して所定の記録領域に記録する(ステップ184)。他方、ステップ182において、通信状態が悪いと判断した場合には、通信状態の回復を待って良好な時にその画像データをサーバに再送信する(ステップ186)。
その後、処理はステップ178に戻り、全サーバ52A、52B、及び52Cに画像データを転送し終えるまで上述の処理ステップ178〜ステップ186が繰り返される。そして、ステップ178で全サーバ52A、52B、及び52Cへの転送終了が確認されたら処理は終了する。また、別の処理方法として、ステップ176でシャッターレリーズONの後、ユーザ登録されている最初のユーザのサーバに対してのみ画像データの転送を行い(ステップ191)、他のユーザのサーバに対してはサーバ間転送によって同画像データを配信してもよい(ステップ192)。
また、このように複数のユーザIDが登録されたカメラ10で撮影した画像に、ユーザIDの情報を付加して記録保存してもよい。こうして画像に付加されたユーザIDの情報は、スナップ撮影の撮影画像に写っている人物を把握する手掛かりとなり、かかるユーザIDの情報を再生時等の画像検索に活用することができる。
上記実施の形態では、本発明をデジタルカメラに適用した例を説明したが、本発明はカメラに限らず、液晶モニタ装置や携帯情報端末(PDA)など画像表示機能を備えた機器に広く応用することができる。