JP4037647B2 - ジャケットシール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はジャケットシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の分野では、高度な技術力を発揮することができる性能の高い製品を製造するために、製品内部の異物の存在を皆無にすることが望まれ、さらに真空度の向上も求められ、真空引き用管内のクリーン化が求められている。そのため、真空引き用の管等の継手に用いられるシールにあっても、そのシール自体からガスや粒子が管内に放出されることがないものを採用することが要求される。
【0003】
すなわち、シールとしてのゴム製Oリングは、真空引きによって管内に該リングの成分がガスや粒子となって放出されるため、また、管外のガスがリングのゴム内を透過して管内に侵入することがあるため、真空用シールとしては不向きであり、また、管内にゴムを侵す流体が流れる場合にも不向きである。一方、メタル製Oリングは、かかる異物を放出しないが、シール機能を十分に発揮させるためには、Oリングの締め付けを強くする必要がある。そのため、真空装置の継手部分に大きな締め付け力を発揮する機構が不可欠となるため、装置自体が大型化してしまうという問題があった。例えば、締め付け力を高めるために締め付けボルトの本数を増やす必要があり、ボルトの配設スペースを確保することができない、被シール部材が締め付け力に耐えることができない、というような構造上の制約を受ける場合があり、装置を大型にせざるを得なくなる。
【0004】
そこで、本出願人は、図10に示すようなジャケットシールaを開発した(特開2000−304132号公報参照)。このジャケットシールaは、環状の腹部とその両側の各々より外側へ張り出した一対の鍔部とを有する金属製ジャケットbと、該ジャケットb内に収容されている弾性体cとを備えている。弾性体cとしては、断面略D字形状の中実ゴムが採用されている。また、鍔部の外面には断面が三角形の突起dが環状に設けられている。
【0005】
このジャケットシールaにあれば、弾性体cがジャケットbに覆われているため被シール空間に異物が混入する恐れがない。また、突起dの頂点は被シール部材eのシール面に当接しシール締め付け力によって押しつぶされるため、被シール部材eのシール面に密に接することになる。一方、ジャケットbはシール締め付け力によって開口部が狭くなるように撓み、同時にジャケットb内にある弾性体cも圧縮変形するから、シール締め付け力に対する反発力が得られることになる。従って、このようなジャケットシールaであれば、良好なシール効果を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シール締め付け力が大きくなると、図11に示すように、弾性体cがジャケットbの開口部から膨出する(はみ出す)。この膨出により、ジャケットb内の弾性体cの量が少なくなるため、該弾性体cによる反発力が弱くなり、ジャケットシールaのシール性が低下する。また、弾性体cによる反発力が弱くなる分、ジャケットbはその開口幅が狭くなるように大きく変形し、そのため、突起dが被シール部材11のシール面12に正常に接触しなくなる。すなわち、突起dは、シール面12によって加圧されたときに倒れ気味の状態に塑性変形するため、シール面との接触面積が大きくなり、それだけ面圧が低くなってシール性が低下する。さらに、突起dにこのような異常な塑性変形を生ずると、再利用することができなくなるため、保守点検等のために管継手等を分解したときには、新品のジャケットシールaが必要になり、不経済になる。
【0007】
本発明は、上述の如き弾性体の膨出変形の問題に対策することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、ジャケットシール締め付け時の弾性体の変形方向を規制したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、環状の腹部とその両側の各々より内側又は外側へ張り出した一対の鍔部とを有する金属製ジャケットと、該ジャケット内に収容されている弾性体とを備えているジャケットシールにおいて、
上記弾性体の上記ジャケットの開口側を向いた面には、上記鍔部に近い両側部にジャケット外方へ向かって突出した突出部が形成され、中央部に相対的にジャケット内方へ窪んだ凹部が形成されており、
上記弾性体の両側突出部の先端は上記ジャケットの鍔部の先端と同一位置かそれよりも内側に位置していることを特徴とする。
【0010】
このようなジャケットシールであれば、シールを締め付ける(加圧する)力が大きくなっても、弾性体の凹部はジャケット内方へ向かうように力を受ける。よって、弾性体の膨出変形が抑えられる。すなわち、弾性体がジャケット内にとどまってシールに有効に働く部分が多くなり、ジャケットシールを締め付けたときのジャケットの開口部の幅が過度に狭くならない。これにより、被シール部材に対する反発力が確保されるため、シール性の向上に有利になる。
【0011】
上記凹部の深さは、弾性体の径方向の肉厚(弾性体の最内周部から最外周部までの距離)の1/8〜1/4(特に1/7〜1/5)倍程度とすることが好ましい。なお、本明細書において、「〜」は範囲を意味し、その範囲には「〜」の両側に記載した数値を含む。
【0012】
上記凹部は、ジャケット周方向に全周にわたって連続して延びる環状凹部であっても、ジャケット周方向に間隔をおいて設けられた不連続のものであってもよい。環状凹部にした場合、上記反発力をジャケット全周にわたって均等にする上で有利になる。不連続にする場合、ジャケットシールがシール締め付け力によって偏った変形をしないように、各凹部をジャケット全周にわたって等間隔に設けることが好ましい。その場合、各凹部はジャケット周方向に延びる溝状のものであっても、円形状の窪みであってもよい。また、環状凹部にする場合、ジャケット軸方向に間隔をおいて複数の環状凹部を設けるようにしてもよい。不連続にする場合でも、ジャケット軸方向に間隔をおいて凹部を2列以上並設するようにすることができる。
【0013】
また、上記弾性体は、大きな反発力を確保する観点から中実であることが好ましい。その場合、弾性体はジャケットの奥まで詰まっていることが好ましいが、ジャケットの奥に空間があってもよい。
【0014】
上記金属製ジャケットの鍔部外面にジャケット周方向に全周にわたって連続して延びる環状突起を設け、この突起を被シール部材のシール面に当接させるようにしてもよい。この場合でも、上述の如く弾性体の膨出量が少なく、ジャケットの変形が大きくなることが防止されるから、突起が被シール部材のシール面に対して大きく傾いて当たること、つまり倒れ気味の状態に塑性変形することが防止され、シール性確保に有利になるとともに、再利用にも有利になる。
【0015】
た、上記鍔部の肉厚上記腹部の肉厚よりも相対的に小さくすることが好ましい。換言すれば、上記腹部の肉厚よりも鍔部の肉厚(環状突起以外の部位の肉厚)の方が相対的に小さく、この肉厚の小さい鍔部に環状突起が形成されているものである。この場合、環状突起頂点部位での肉厚が腹部の肉厚よりも大きくなっていてもよい。
【0016】
このようにすると、ジャケットは、環状突起と腹部との間の鍔部の相対的に肉厚が薄くなった部位が最も曲がり易いものになる。従って、環状突起が被シール部材のシール面に当接してジャケットシールが締め付けられた(加圧された)とき、一対の鍔部は、腹部の両側部位を言わば支点として鍔部先端同士の間隔、つまり開口幅が狭くなるように変形する。このため、本発明によれば、ジャケット内の弾性体がジャケットの開口から膨出しようとする変形が抑えられ、被シール部材に対する反発力が確保されるため、シール性の向上に有利になる。
【0017】
すなわち、ジャケットの腹部の肉厚と鍔部の肉厚とが同じであれば、ジャケットシールが締め付けられたとき、ジャケットの曲げの支点が腹部の中央付近に位置し、腹部がその中央付近を支点として曲がり易くなるため、両鍔部間はその開口部だけでなく、奥の部位の間隔も狭くなる。このため、この両鍔部間に収容されている弾性体は腹部の曲がりに伴ってジャケット開口部側へ押され、該開口部から膨出し易くなる。
【0018】
これに対して、本発明の場合は、腹部の両側部位に曲げの支点がくるため、腹部自体の変形量が少なくなり、つまり、両鍔部間の奥の間隔があまり狭くならず、上述の弾性体の膨出防止に有利になる。
【0019】
このように、鍔部の環状突起よりも腹部側の肉厚を該腹部の肉厚よりも相対的に小さくすると、弾性体の凹部とジャケットの肉厚変化との2つの働きによって、弾性体がジャケットの開口から膨出しようとする変形が抑えられ、シール性の向上にさらに有利になる。
【0020】
弾性体の材料としては、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、フッ化シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴムなどのゴム類、またはその架橋ゴム類、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー類、発泡プラスチックスなどを採用することができ、特にDSC(示差走査熱量計)における示差熱量曲線上で結晶融点を示さないものが好適である。
【0021】
弾性体は、必要に応じて酸化防止剤、老化防止剤、カーボンブラックなどの補強剤、タルク、クレーなどの充填剤、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、加工助剤など、弾性体の製造に通常用いられる薬剤を通常量配合し、得られた組成物をプレス成形、射出成形などの方法で製造することができる。架橋ゴム製の弾性体は、プレス成形や、射出成形などの成形工程において加熱架橋される。
【0022】
金属製ジャケットの形成材たる金属としては、シール使用環境下において、熱的に、化学的に、あるいは機械的に不安定なものは論外として、各種の金属が用いられる。例えば、比較的加工性のよいアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、マグネシウム合金、耐食性に優れたステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金などの金属類が好ましい。特にニッケルやニッケル合金は耐アルカリ性金属として有効である。さらには金属−セラミック複合材を用いることもできる。また、突起を設ける場合、金属製ジャケットは、突起が被シール部材のシール面に圧接された際につぶれるように、被シール部材よりも軟質の材料、ないしは塑性変形し易い材料で成形することが好ましい。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、金属製ジャケットに収容された弾性体のジャケット開口側を向いた面には、ジャケットの鍔部に近い両側部にジャケット外方へ向かって突出した突出部が形成され、中央部に相対的にジャケット内方へ窪んだ凹部が形成されており、上記弾性体の両側突出部の先端は上記ジャケットの鍔部の先端と同一位置かそれよりも内側に位置しているから、当該ジャケットシールを締め付けたときの弾性体の膨出が防止され、被シール部材に対する反発力を確保してシール性を向上させる上で有利になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
<実施形態1>
図1〜図3に示した環状ジャケットシール1において、2は環状の金属製ジャケット、3はジャケット2に収容された環状の弾性体である。
【0026】
ジャケット2は、環状の腹部4と、該腹部4の両側の各々より環の外側(半径方向外方)へ略平行になって張り出した一対の鍔部5とを備えてなる。腹部4は、その中央部が環の内側(半径方向内方)へ凸になった円弧状に形成されている。従って、ジャケット3は、全体としては鍔部5間の開口部6を外側へ向けた横倒しのU字型断面形状になっており、その内部(ジャケット部)に環状の弾性体3を収容している。
【0027】
鍔部5の内面はジャケット軸方向と直交する平坦面に形成されている。鍔部5の外面には断面三角形の突起7が全周にわたって環状に形成されている。突起7の高さHはジャケット2の開口幅Wの0.01〜1.5(特に0.05〜0.7)倍程度であることが好ましい。突起7の頂角は50〜130度であることが好ましい。特に突起7の頂角を90度ないしは90度前後の角度にすることが、被シール部材のシール面に押し当てられたときの突起7の倒れを防止しながら、該突起7の頂部を塑性変形させてシール性を高める上で有利である。突起7の頂部は平坦に形成してもよい。
【0028】
弾性体3は、ジャケット2のジャケット部の断面形状に対応して基本断面がD字状に形成されており、ジャケット部の奥まで詰まった中実体である。この弾性体3の、ジャケット2の開口部6側に向いた面にはジャケット内方(半径方向内方)へ窪んだ凹部8が形成されている。すなわち、弾性体3のジャケット開口側を向いた面は、ジャケット2の鍔部5に近い両側部がジャケット外方へ向かって断面形状円弧状に突出し、中央部が相対的にジャケット内方へ断面形状円弧状に窪んで凹部8となっている。この凹部8は弾性体3の全周にわたって連続して延びた環状凹部である。
【0029】
弾性体3の両側突出部9の先端はジャケット2の鍔部の先端と同一位置かそれよりも内側に位置している。図3に示すように、弾性体3の凹部8の深さD(突出部9の先端からの深さ)は、弾性体3の径方向の肉厚T(弾性体3の最内周部から突出部9の先端までの距離)の1/8〜1/4(特に1/7〜1/5)倍程度とすることが好ましい。
【0030】
以上のようなジャケットシール1を図3に示すように被シール部材11のシール面12間に挿入して締め付けると、同図(B)に示すようにジャケット2はその腹部4の曲率が小さくなるように変形し、開口部6の幅は狭くなる。このジャケット2の変形に伴って弾性体3も変形するが、その際、ジャケット開口側を向いた面に形成されている凹部8はジャケット内方へ向かう力を受ける。すなわち、弾性体3はジャケット2から外方へ膨出し難くなる。このため、ジャケット部内にとどまる弾性体3の量が多くなり、その結果、当該締め付け力に対するジャケットシール1全体の反発力が大きいものになる。よって、シール性が高くなる。
【0031】
換言すれば、弾性体3はジャケット内にあって初めてシールに有効に寄与するところ、上述の如くジャケット外方への膨出量が少なくなるため、シールに有効に働く部分が多くなる。
【0032】
また、弾性体3がジャケット内にとどまってシールに有効に働く部分が多くなるということは、ジャケットシール1を締め付けたときのジャケット2の開口部6の幅が過度に狭くならないことを意味する。従って、ジャケットシール1を締め付けても、ジャケット2の鍔部5が大きく傾かない。このため、突起7が被シール部材のシール面に対して大きく傾いて当たること、つまり倒れ気味の状態に塑性変形することが防止される。すなわち、突起7の先端がシール面12に加圧されて塑性変形した(潰れた)とき、該突起7とシール面12との接触面積が大きくなることが避けられるから、高いシール面圧が得れる。
【0033】
また、このように、突起7の異常変形が防止されるから、管継手等を分解してジャケットシール1を外した場合でも、このジャケットシール1を再利用することができる。
【0034】
<実施例>
図3に示す実施例ジャケットシール1及び図10に示すジャケットシールaを作成して、リーク試験を行なった。いずれもジャケットはアルミニウム製とし、弾性体はフッ素ゴム製とした。また、図3に示すT=1.79mm、D=0.29mm、W=1.79mm、弾性体3の断面積は2.633mmであり、図8に示すT=1.79mm、W=1.79mm、弾性体cの断面積は2.84mmである。
【0035】
リーク試験は、ジャケットシールをステンレス製フランジ間に締め付け、室温→150℃(1時間保持)→室温、というヒートサイクルを10回繰り返し、室温、昇温時、150℃到達時点、150℃に1時間保持した時点、降温時及び室温到達時点の各々でのリーク量を調べた。ジャケットシールのつぶし量(圧縮量)は0.6mm、0.8mm及び1.0mmの3種類とした。リーク量が「×10−9Pa・m/sec」のオーダー以上であるとき「リークあり」とし、「×10−10Pa・m/sec」のオーダー以下であるとき「リークなし」とした。
【0036】
結果は表1に示されている。同表から、実施例のように弾性体3に凹部8を形成すると、この弾性体3による反発力が確保され、シール性が向上することがわかる。
【0037】
【表1】
Figure 0004037647
【0038】
図4は実施例のジャケットシール1及び比較例のジャケットシールaの各々について、締め付け力とつぶし量との関係を調べた結果を示す。ジャケットシール1,aは、つぶし量が小さい場合の締め付け力には大差がないが、つぶし量1mm程度まではつぶし量が大きくなるに従って両者の締め付け力の差が大きくなっている。すなわち、実施例の方の締め付け力が大きくなっている。これから、実施例の場合は、弾性体3に凹部8を形成したことによってその反発力が大きくなり、高いシール性を確保する上で有利になっていることがわかる。
【0039】
<実施形態2>
図5及び図6に本実施形態のジャケットシール1を示す。この実施形態は、腹部4の肉厚よりも鍔部5の肉厚の方が相対的に小さく、この肉厚の小さい鍔部5に環状突起7が形成されている点に特徴があり、他は実施形態1と同じである。
【0040】
すなわち、鍔部5は、環状突起7よりも腹部4側の肉厚が該腹部4の肉厚よりも相対的に小さい。本実施形態の場合は、図6(A)に示すように、円弧状に形成された腹部4の中央部(鍔部5,5間の中央部)の肉厚が最も大きく、該中央部から両側の鍔部5,5にいくに従って肉厚が漸次小さくなって鍔部5に続いている。従って、鍔部5の環状突起7よりも腹部4側の肉厚は、該腹部4の中央部の肉厚よりも小さい。
【0041】
従って、ジャケット2は、環状突起7と腹部4との間の鍔部5の相対的に肉厚が薄くなった部位が最も曲がり易いものになる。よって、図6(B)に示すように、環状突起7が被シール部材のシール面12に当接してジャケットシール1が締め付けられたとき、一対の鍔部5,5は、腹部4の両側部位Sを言わば支点として鍔部5,5の先端同士の間隔、つまり開口幅が狭くなるように変形し、腹部4自体の曲がり両は少なくなる。このため、ジャケット2内の弾性体3がジャケット2の開口から膨出しようとする変形が抑えられ、被シール部材に対する反発力が確保されるため、シール性の向上に有利になる。
【0042】
<ジャケットシールの使用形態>
ジャケットシール1は、被シール部材間に介在させてシールする。図7はジャケットシール1を真空装置の管20と管20との継目に介在させた例を示す。すなわち、ジャケットシール1は、一方の管20の接続フランジ21の端面に形成された環状のシール溝22に設けられ、このシール溝22の底面(シール面)と他方の管20の端面(シール面)との間にボルト23とナット24とによって締め付けられている。
【0043】
図8はジャケットシール1を真空装置のL型バルブに使用した例を示す。同図において、25は内部にL型真空通路が形成されたバルブ容器、26はL型通路を開閉する弁体、27は弁体26を駆動するアクチュエータ、28はベローズである。ジャケットシール1は、バルブ容器25のアクチュエータ取付口周りの端面(シール面)とアクチュエータ27のシール板29との間に締め付けられている。
【0044】
図9はジャケットシール1を真空容器31の覗き窓ガラス32のシールに使用した例を示す。ジャケットシール1は窓ガラス32と真空容器31のシール面との間、並びに窓ガラス32と押え板33のシール面との間の各々に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るジャケットシールの断面図(図2のA−A線断面図)。
【図2】 同ジャケットシールの平面図。
【図3】 同ジャケットシールを図2のB−B線で拡大して示す断面図((A)は自由状態にあるときを示し、(B)は被シール部材にて締め付けられた状態を示す。)。
【図4】 実施例及び比較例のつぶし量と締め付け力との関係を示すグラフ図。
【図5】 本発明の実施形態2に係るジャケットシールの断面図
【図6】 同ジャケットシールの一部を拡大して示す断面図((A)は自由状態にあるときを示し、(B)は被シール部材にて締め付けられた状態を示す。)。
【図7】 ジャケットシールの使用例を示す断面図である。
【図8】 ジャケットシールの他の使用例を示す断面図である。
【図9】 ジャケットシールのさらに他の使用例を示す断面図である。
【図10】 比較例ジャケットシールの断面図。
【図11】 比較例ジャケットシールの一部を拡大して示す断面図((A)は自由状態にあるときを示し、(B)は被シール部材にて締め付けられた状態を示す。)。
【符号の説明】
1 ジャケットシール
2 金属製ジャケット
3 弾性体
4 腹部
5 鍔部
6 開口部
7 突起
8 凹部
9 突出部(凸部)
11 被シール部材
12 シール面

Claims (5)

  1. 環状の腹部とその両側の各々より内側又は外側へ張り出した一対の鍔部とを有する金属製ジャケットと、該ジャケット内に収容されている弾性体とを備えているジャケットシールにおいて、
    上記弾性体の上記ジャケットの開口側を向いた面には、上記鍔部に近い両側部にジャケット外方へ向かって突出した突出部が形成され、中央部に相対的にジャケット内方へ窪んだ凹部が形成されており、
    上記弾性体の両側突出部の先端は上記ジャケットの鍔部の先端と同一位置かそれよりも内側に位置していることを特徴とするジャケットシール。
  2. 請求項1に記載されているジャケットシールにおいて、
    上記凹部は、上記ジャケットの周方向に延びていることを特徴とするジャケットシール。
  3. 請求項1に記載されているジャケットシールにおいて、
    上記凹部は、ジャケット周方向に全周にわたって連続して延びる環状に形成されていることを特徴とするジャケットシール。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載されているジャケットシールにおいて、
    上記ジャケットは、上記鍔部の外面にジャケット周方向に全周にわたって連続して延び被シール部材のシール面に当接する環状突起を備えていることを特徴とするジャケットシール。
  5. 請求項4に記載されているジャケットシールにおいて、
    上記鍔部の肉厚が上記腹部の肉厚よりも相対的に小さいことを特徴とするジャケットシール。
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