JP4036713B2 - 非破壊検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁場の検出により試料を非破壊検査する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造では、半導体ウェーハ上に複数のダイ(チップ)を形成した後、ウェーハ検査を行う。ウェーハ検査には、非破壊検査装置が用いられる。非破壊検査装置の一例として、走査型SQUID顕微鏡などのSQUID検査装置が知られている。SQUID検査装置は、SQUID磁束計を用いた磁場の検出により試料を非破壊検査する。例えば、走査型SQUID顕微鏡は、試料の表面にレーザスポット光を照射し、それによって誘起された磁場の強度をSQUID磁束計(超伝導量子干渉磁束計)で検出する。磁場強度の分布は、SQUID磁束計の出力信号を用いて画像化される。この磁場分布画像を観察することにより、ウェーハを検査できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、SQUID磁束計などの磁場検出手段を用いる非破壊検査装置の改良を課題とする。より具体的には、磁場検出手段を用いて試料の欠陥を精度良く検出できる非破壊検査装置の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の非破壊検査装置は、表面および裏面を有する試料を走査して、その試料に設けられた所定の構造の欠陥を検出する。この非破壊検査装置は、(a)試料の裏面に対向させて配置された対物レンズと、(b)試料の裏面側に配置され、対物レンズを介して試料にレーザ光を照射する照射手段と、(c)試料上におけるレーザ光の照射位置を移動させて試料を走査する走査手段と、(d)試料の裏面側に配置され、対物レンズと試料との距離を調整してオートフォーカスを行うオートフォーカシング手段と、(e)試料の表面側に配置され、試料の走査によって発生する磁場を検出し、磁場分布データを取得する磁場検出手段とを備えている。この非破壊検査装置は、減算手段、比較手段及び判定手段も備えている。減算手段は、磁場分布データおよび所定の標準分布データの一方から他方を減算して差分データを生成する。比較手段は、差分データを正の第1しきい値および負の第2しきい値と比較する。判定手段は、レーザ光の一つの照射位置に対応する差分データが第1しきい値以上のとき、当該照射位置に第1の種類の欠陥が存在すると判定する。また、判定手段は、レーザ光の一つの照射位置に対応する差分データが第2しきい値以下のとき、当該照射位置に第2の種類の欠陥が存在すると判定する。また、この発明は、表面および裏面を有する試料を走査し、試料において同一の形状を有する複数の領域の各々について、その領域に設けられた所定の構造の欠陥を検出する非破壊検査装置にも係る。この非破壊検査装置は、上述した、(a)対物レンズ、(b)照射手段、(c)走査手段、(d)オートフォーカシング手段及び(e)磁場検出手段を備え、減算手段、比較手段及び判定手段も備える。減算手段は、第1の上記領域の磁場分布データから第2の上記領域の磁場分布データを減算して第1の差分データを生成するとともに、第2領域の磁場分布データから第3の上記領域の磁場分布データを減算して第2の差分データを生成する。比較手段は、第1差分データを正の第1しきい値および負の第2しきい値と比較するとともに、第2差分データを第1および第2しきい値と比較する。判定手段は、比較手段による比較の結果に応じて、第2領域における欠陥の有無を判定する。また、判定手段は、第1、第2および第3領域の共通の座標において第1差分データが第2しきい値以下かつ第2差分データが第1しきい値以上のとき、第2領域中の当該座標に第1の種類の欠陥が存在すると判定する。また、判定手段は、第1、第2および第3領域の共通の座標において第1差分データが第1しきい値以上かつ第2差分データが第2しきい値以下のとき、第2領域中の当該座標に第2の種類の欠陥が存在すると判定する。
【0005】
また、この発明に係る非破壊検査装置は、表面および裏面を有する試料を走査して、その試料に設けられた所定の構造の欠陥を検出する非破壊検査装置であって、上述した、(a)対物レンズ、(b)照射手段、(c)走査手段、(d)オートフォーカシング手段及び(e)磁場検出手段を備え、光減衰器及び減衰制御手段も備える。この非破壊検査装置では、オートフォーカシング手段は、照射手段によって試料に照射され、試料によって反射されたレーザ光を検出する光検出器と、対物レンズを移動させて対物レンズと試料との距離を変えるレンズ移動機構と、光検出器の出力に応じてレンズ移動機構を駆動するコントローラと、を備えている。この非破壊検査装置が備える光減衰器は、照射手段によって試料に照射され、試料によって反射されたレーザ光の強度を減衰させて光検出器に送る。減衰制御手段は、光検出器の入射光量に応じて光減衰器の減衰率をフィードバック制御する。この非破壊検査装置は、磁場検出手段によって取得された磁場分布データに基づいて欠陥を検出する。以上の本発明の各非破壊検査装置では、磁場検出手段が試料の表面側で誘起磁場を検出するとともに、オートフォーカシング手段が試料の裏面側でオートフォーカスを実行する。このため、フォーカスを保ったまま試料を走査することが可能となる。したがって、この非破壊検査装置は、高い精度で試料の欠陥を検出できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0007】
(実施形態1)
図1は、第1の実施形態に係る非破壊検査装置1の構成を示す概略図である。この非破壊検査装置1は、走査型レーザSQUID顕微鏡である。装置1は、半導体ウェーハ5の表面5aに設けられたデバイスパターンの欠陥の有無を非破壊検査する。
【0008】
図2は、半導体ウェーハ5の表面5aを示す平面図である。ウェーハ5は、複数のダイ52を有している。これらのダイ52は、ウェーハ5の表面5a上で2次元的に配列されている。各ダイ52には、所定の構造が形成されている。この構造は、半導体デバイスパターンである。これらのダイ52は、すべて同じデバイスパターンを有することを予定されている。非破壊検査装置1は、各ダイ52のデバイスパターンにおける欠陥の有無を検査する。
【0009】
再び、図1を参照する。非破壊検査装置1は、XYθステージ10、イメージング装置12、イメージング装置コントローラ13、SQUID磁束計16、コンピュータ18および表示装置20を有している。XYθステージ10、イメージング装置12およびSQUID磁束計16は、イメージング装置コントローラ13に電気的に接続されている。表示装置20は、コンピュータ18に電気的に接続されている。イメージング装置コントローラ13は、イメージング装置12とコンピュータ18の間に電気的に接続されている。SQUID磁束計16とイメージング装置コントローラ13の間には、プリアンプ17およびロックインアンプ19が電気的に接続されている。イメージング装置12とコンピュータ18との間には、オートフォーカスコントローラ145が電気的に接続されている。
【0010】
装置1によるウェーハ5の検査の際、ウェーハ5は、XYθステージ10上に載置される。XYθステージ10には、チャック8が設置されている。チャック8は、ウェーハ5の表面5aのエッジ部分を吸着してウェーハ5を保持する。チャック8は環状であり、その中央に開口部を有している。
【0011】
イメージング装置12は、ウェーハ5をその裏面5b側から撮像するための光学系である。イメージング装置12は、レーザ光源120、コリメータレンズ121、光スキャナ122、瞳投影レンズ123、ビームスプリッタ124、ハーフミラー125、コンデンサレンズ126および光検出器127を有する。イメージング装置12は、顕微鏡結像レンズ128および顕微鏡対物レンズ129をさらに有する。
【0012】
イメージング装置12は、レーザ光によってウェーハ5を走査し、磁場を誘起するとともに、ウェーハ5の反射光学像を取得する。イメージング装置12は、ウェーハ5の裏面5b側においてXYθステージ10の下方に配置されている。イメージング装置12から出射するレーザビームは、ウェーハ5の裏面5bに照射される。
【0013】
レーザ光源120は、赤外レーザ光を発する発光素子と光変調器を有する。この赤外レーザ光は、ウェーハ5を透過できる波長を有している。レーザ光源120は、イメージング装置コントローラ13を介して、コンピュータ18に電気的に接続されている。コンピュータ18が発光命令をコントローラ13に送ると、コントローラ13はレーザ駆動信号を生成し、レーザ光源120に送る。レーザ光源120は、このレーザ駆動信号に応答してレーザ光を発する。光変調器は、このレーザ光をある周波数で変調する。このように、レーザ光源120は、変調されたレーザ光を放出する。
【0014】
コリメータレンズ121は、レーザ光源120からレーザ光を受光し、平行レーザビームを生成する。このレーザビームは、ビームスプリッタ124によって光スキャナ122に送られる。
【0015】
光スキャナ122は、このレーザビームを反射して、瞳投影レンズへ送る。この反射角度は可変である。反射角度を連続的に変化させると、レーザビームが掃引される。これが、レーザビームの走査である。光スキャナ122は、レーザビームを2次元的に走査するXYスキャナである。光スキャナ122は、イメージング装置コントローラ13を介して、コンピュータ18に電気的に接続されている。コントローラ13は、コンピュータ18からスキャナ駆動命令を受け取る。このスキャナ駆動命令は、光スキャナ122によるレーザビームの走査方向および走査速度をコントローラ13に指示する。コントローラ13は、スキャナ駆動命令に応答してスキャナ駆動信号を生成し、光スキャナ122に送る。光スキャナ122は、このスキャナ駆動信号に応答して駆動する。この結果、光スキャナ122は、コンピュータ18が指示する走査方向および走査速度でレーザビームを走査する。
【0016】
光スキャナ122とXYθステージ10との間の光路上には、瞳投影レンズ123、顕微鏡結像レンズ128および顕微鏡対物レンズ129が配置されている。光スキャナ122からのレーザビームは、瞳投影レンズ123を透過して結像レンズ128に入射する。このレーザビームは、結像レンズ128を透過して対物レンズ129に入射する。対物レンズ129は、レーザビームをウェーハ5上に投影する。この結果、レーザビームは、ウェーハ5上でスポット光を成す。
【0017】
レーザビームの一部はウェーハ5によって反射され、対物レンズ129、結像レンズ128を透過する。この反射レーザ光は、瞳投影レンズ123、光スキャナ122およびビームスプリッタ124を通過してハーフミラー125に入射する。反射レーザ光の一部は、ハーフミラー125を透過してコンデンサレンズ126に入射する。コンデンサレンズ126は、反射レーザ光を集光して光検出器127に送る。光検出器127は、反射レーザ光のパワーに応じた信号を生成し、出力する。この出力信号は、コントローラ13に送られる。レーザビームでウェーハを走査すれば、光検出器127の出力信号は、ウェーハ5の画像情報を表すことになる。コントローラ13は、光検出器127の出力信号に基づいて、ウェーハ5の反射画像データを生成できる。
【0018】
イメージング装置12には、Z軸ステージ130が取り付けられている。Z軸ステージ130は、イメージング装置12をZ軸方向に沿って移動させることができる。Z軸方向は、ウェーハ5の主表面(表面5aおよび裏面5b)と実質的に垂直である。Z軸ステージ130の駆動によって、ウェーハ5の撮像距離を調整できる。
【0019】
XYθステージ10は、ウェーハ5の主表面と実質的に平行なXY平面内で、ウェーハ5を平行移動および回転させることができる。XYθステージ10は、ウェーハ5をXおよびY方向に沿って平行移動させることができる。また、XYθステージ10は、XY平面に垂直なZ軸の周りにウェーハ5を回転させることができる。XYθステージ10は、イメージング装置12から出射するレーザビームに対してウェーハ5を移動させることができる。したがって、XYθステージ10の駆動により、ウェーハ5におけるレーザビームの照射位置を変えることができる。
【0020】
XYθステージ10は、イメージング装置コントローラ13を介してコンピュータ18に電気的に接続されている。コントローラ13は、コンピュータ18からステージ駆動命令を受け取る。このステージ駆動命令は、ステージ10の移動方向、移動量、回転方向および回転量をコントローラ13に指示する。コントローラ13は、ステージ駆動命令に応答してステージ駆動信号を生成し、このステージ駆動信号をXYθステージ10に送る。XYθステージ10は、このステージ駆動信号に応答して駆動する。この結果、XYθステージ10は、コンピュータ18が指示する移動方向および移動量でウェーハ5を移動させ、また、コンピュータ18が指示する回転方向および回転量でウェーハ5を回転させる。
【0021】
装置1は、オートフォーカス装置を備えている。このオートフォーカス装置は、オートフォーカス用検出系14aとフォーカシングアクチュエータ14bから構成されている。オートフォーカス用検出系14aおよびフォーカシングアクチュエータ14bは、ウェーハ5へのレーザ光照射のオートフォーカスを共同で実行する。検出系14aは、4分割フォトダイオード140、シリンダレンズ142、コンデンサレンズ143、光減衰器144およびオートフォーカスコントローラ145を有する。オートフォーカスコントローラ145以外の素子は、イメージング装置12内に設置されている。4分割フォトダイオード140は、オートフォーカスコントローラ145に電気的に接続されている。オートフォーカスコントローラ145は、コンピュータ18に電気的に接続されている。フォーカシングアクチュエータ14bは、対物レンズ129に取り付けられている。アクチュエータ14bは、オートフォーカスコントローラ145に電気的に接続されている。
【0022】
ウェーハ5で反射されたレーザ光の一部は、ハーフミラー125で反射されて光減衰器144に送られる。光減衰器144は、反射レーザ光のパワーを減衰させることができる。光減衰器144は、反射レーザ光をコンデンサレンズ143に送る。コンデンサレンズ143は、反射レーザ光を集光してシリンダレンズ142に送る。シリンダレンズ142は、その母線に直交する平面内で反射レーザ光を収束させ、4分割フォトダイオード140に送る。4分割フォトダイオード140の出力信号は、オートフォーカスコントローラ145に送られる。
【0023】
SQUID磁束計16は、ウェーハ5の表面(パターン面)5aに対向するようにウェーハ5の上方に設置されている。SQUID磁束計16は、ウェーハ5へのレーザ光照射によって発生する磁場を検出する。赤外レーザ光がウェーハ5に照射されると、熱起電力または光起電力が発生する。この熱起電力または光起電力は、ウェーハ5内に電流を生じさせる。この電流によって、磁場が誘起される。この磁場は、ウェーハ5の構造を反映する。SQUID磁束計16は、この誘起磁場を検出する。SQUID磁束計16は、検出した磁場の強度に応じた出力電圧信号(計測磁場信号)を生成する。この計測磁場信号は、プリアンプ17へ送られる。
【0024】
プリアンプ17は、この計測磁場信号を増幅し、ロックインアンプ19へ送る。ロックインアンプ19は、計測磁場信号のうち特定の周波数成分のみを選択、増幅し、イメージング装置コントローラ13へ送る。この周波数は、レーザ光源120の変調周波数と同じである。
【0025】
イメージング装置コントローラ13は、ウェーハ5へのレーザ光照射によって誘起された磁場の分布を画像化することができる。コントローラ13は、ロックインアンプ19から計測磁場信号を受け取る。コントローラ13は、ウェーハ5上におけるレーザ光の照射位置(すなわち、走査位置)をピクセル位置に対応付ける。コントローラ13は、ウェーハ5上のある位置にレーザ光を照射したときの計測磁場信号レベルを、その照射位置に対応付けられたピクセルの輝度に変換する。これにより、ウェーハ5へのレーザ光照射によって誘起された磁場の画像データが得られる。以下では、この画像を「SQUID画像」と呼ぶことにする。SQUID画像データは、磁場の分布を示す磁場分布データでもある。SQUID画像データは、画像信号の形で処理されることがある。コントローラ13は、ダイ52の各々についてSQUID画像データを算出する。
【0026】
コントローラ13は、ウェーハ5の反射光像も取得する。コントローラ13は、光検出器127の出力信号を受け取る。コントローラ13は、ウェーハ5上のある位置にレーザ光を照射したときの光検出器127の出力信号レベルを、その照射位置に対応付けられたピクセルの輝度に変換する。これにより、ウェーハ5の反射光像の画像データが生成される。
【0027】
コンピュータ18は、イメージング装置コントローラ13を介して、XYθステージ10、レーザ光源120、光スキャナ122およびZ軸ステージ130の動作を制御する。また、コンピュータ18は、表示装置20の表示動作を制御する。
【0028】
コンピュータ18は、コントローラ13からウェーハ5のSQUID画像データおよび反射光像データを受け取る。コンピュータ18は、SQUID画像データを用いて各ダイ52内の欠陥の有無を判定する。コンピュータ18は、ダイ52内に欠陥が存在すると判定すると、その欠陥の位置を示す画像データを生成する。また、コンピュータ18は、必要に応じて、ダイ52の反射画像に欠陥位置を重ねた画像データを生成する。コンピュータ18は、生成した画像データを表示装置20に送る。
【0029】
表示装置20は、コンピュータ18から画像データを受け取る。表示装置20は、この画像データにしたがって画像を画面上に表示する。
【0030】
図3は、非破壊検査装置1を用いてウェーハ検査を開始するまでの流れを示すフローチャートである。オペレータは、まず、コンピュータ18に接続された入力装置(図示せず)を操作して、検査モードを選択する(ステップ310)。コンピュータ18は、選択された検査モードに応じて、走査スピードを自動選択する(ステップ320)。続いて、光源変調スピード(変調周波数)がコンピュータ18によって自動選択され、あるいはオペレータによって手動選択される(ステップ330)。この後、コンピュータ18は、オートフォーカス用検出系14aの応答周波数および4分割フォトダイオード140の出力信号の平均化範囲を自動選択する(ステップ340)。以上の工程が終了した後、ウェーハ5の検査が開始される(ステップ350)。
【0031】
以下では、非破壊検査装置1によるウェーハ検査処理を説明する。装置1は、ウェーハの走査、SQUID画像およびウェーハ反射光像の取得、欠陥の有無の判定、ならびに結果表示を実行する。SQUID画像およびウェーハ反射光像の取得の際には、オートフォーカスが行われる。
【0032】
非破壊検査装置1は、ウェーハ5上におけるレーザビームの照射位置を移動させて、ウェーハ5上のすべてのダイ52を走査する。レーザビームの照射位置の移動は、例えば、ステージスキャンと呼ばれる方法によって実行できる。ステージスキャンでは、XYθステージ10の移動により、ウェーハ5をレーザビームに対して相対的に移動させる。ステージスキャンでは、レーザビームは、光スキャナ122によって走査されずに固定される。
【0033】
ステージスキャンに代えて、レーザスキャンと呼ばれる方法によって照射位置を移動させることもできる。図4は、レーザスキャンによる照射位置の移動を示す概略図である。レーザスキャンでは、行列状に配列された複数の走査領域61に順次にレーザビームが照射される。これらの走査領域は、同一の形状を有している。走査領域61の形状および大きさは、ダイ52の形状および大きさに加え、SQUID磁束計16の感度領域、SQUID磁束計16とウェーハ5との間の距離に応じて決められる。レーザビームの照射位置は、走査ステージ10の駆動と光スキャナ122によるレーザビームの移動(走査)の双方を用いて移動させられる。矢印60で示されるように、レーザビームの走査は、単一の走査領域内で照射位置を移動させるために使用される。矢印62で示されるように、ステージ10の駆動は、一つの走査領域61から別の走査領域61へ照射位置を移動させるために使用される。
【0034】
ウェーハ5へのレーザビームの照射により、磁場が誘起される。この誘起磁場は、SQUID磁束計16によって検出される。イメージング装置コントローラ13は、プリアンプ17およびロックインアンプ19によって増幅された計測磁場信号を受け取る。コントローラ13は、この計測磁場信号を用いて、各ダイ52のSQUID画像データを生成する。
【0035】
レーザビームの一部は、ウェーハ5に進入し、ウェーハ5のデバイスパターンによって反射される。この反射レーザ光は、光検出器127によって検出される。レーザビームの照射位置はウェーハ5の全体にわたって移動するから、光検出器127の出力信号は、ウェーハ5のデバイスパターン全体の反射光像を示す。イメージング装置コントローラ13は、光検出器127の出力信号に基づいて、ウェーハ5の反射光像データを生成する。
【0036】
イメージング装置コントローラ13は、ウェーハ5のSQUID画像および反射光像を取得する際、オートフォーカスを実行する。この実施形態では、非点収差法によってオートフォーカスを行う。非点収差法は公知なので、簡単に説明するに留める。ウェーハ5のデバイスパターンによって反射されたレーザ光の一部は、ハーフミラー125によって反射され、オートフォーカシング用検出系14aに入射する。
【0037】
この反射レーザ光は、光減衰器144によって減衰される。光減衰器144は、レーザ光源120の出力パワーが被検査ウェーハに応じた最適な値に調整された後、4分割フォトダイオード140に入射する光量の変化を抑える働きをする。したがって、光減衰器144によって、検出系14aのダイナミックレンジを広げ、4分割フォトダイオード140の性能を活かすことができる。光減衰器144の減衰率は、4分割フォトダイオード140の総入射光量が一定になるように、オートフォーカスコントローラ145によってフィードバック制御される。このフィードバック制御は、4分割フォトダイオード140の出力信号に基づいて実行される。
【0038】
この実施形態では、磁場励起用の光源とオートフォーカス用の光源とが同一なので、ウェーハ5と4分割フォトダイオード140の間に光減衰器144を配置することが有益である。光減衰器144を用いることにより、磁場励起に必要なレーザ光パワーを維持しつつ、4分割フォトダイオード140の出力信号がダイナミックレンジから外れないようにレーザ光のパワーを減衰させられる。これにより、レーザ光源120の出力パワーを低減することなく、適切なオートフォーカスを実行できる。
【0039】
光減衰器144から出射したレーザ光は、コリメータレンズ143によって収束された後、シリンダレンズ142に入射する。シリンダレンズ142は、反射レーザ光を回転非対称に収束させる。シリンダレンズ142の光軸に沿って反射レーザ光がフォーカスを結ぶ位置は、互いに直交する一対の方向の間で異なる。このため、反射レーザ光は、互いに直交する一対の線として、異なる焦点面に結像する。これら一対の方向を、仮にx方向およびy方向とする。x方向およびy方向は、ともにシリンダレンズ142の光軸に対して垂直である。
【0040】
ウェーハ5の表面5aにレーザ光のフォーカスが合うと4分割フォトダイオード140の出力がx方向およびy方向で等しくなるように、イメージング装置12の位置をあらかじめ調整しておく。イメージング装置12の位置は、Z軸ステージ130の駆動によって調整できる。オートフォーカスコントローラ145は、4分割フォトダイオード140の出力信号をx方向およびy方向間で作動増幅して、x方向およびy方向間の出力バランスを求める。ウェーハ5に対するフォーカスがはずれると、x方向およびy方向のどちらかで、より大きな出力が検出される。どちらの方向の出力が大きいかに応じて、フォーカスのずれ方向が分かる。コントローラ145は、フォーカスのずれが少なくなるようにフォーカシングアクチュエータ145を駆動させ、対物レンズ129の位置を調整する。このようなオートフォーカスは、ウェーハ5の走査中、継続して実行される。つまり、ウェーハ5のSQUID画像および反射光像は、常にオートフォーカスが実行された状態で取得される。
【0041】
オートフォーカスコントローラ145は、図3のステップ320で設定された走査スピードおよび図3のステップ330で設定された光源変調スピード(変調周波数)に応じてオートフォーカス用検出系14aの応答周波数を調整し、光検出器127の出力信号を平均化する。応答周波数および平均化範囲の設定は、図3のステップ340で実行される。
【0042】
応答周波数の調整および光検出器出力の平均化は、レーザ光源120がこの実施形態のように磁場励起用の光源とオートフォーカス用の光源を兼ねている場合に特に有益である。このことを理解するために、反射率の空間的変動が激しい試料にオートフォーカス用のレーザ光を照射し、反射戻り光をフォーカシング検出センサで検出する場合を考える(図5を参照)。この場合、図6(a)に示されるように、反射戻り光のレベルがオートフォーカス検出系のダイナミックレンジを超えてしまい、オートフォーカスが働かなくなることがある。また、光源を変調する場合も、変調の周波数によっては、反射戻り光のレベルが検出系のダイナミックレンジを超えてしまい、オートフォーカスが働かなくなる。特に、オートフォーカシング用の光源に磁場励起用の光源を流用する場合は、反射戻り光がダイナミックレンジ内に収まるように光源のパワーを低下させると、ウェーハ画像の取得が困難になる。このような周波数帯域では、光減衰器144は追従できないレベルとなるため、後段での対策が必要となり、電気回路系にておこなう。したがって、この平均化処理は、光減衰器144の応答速度より高周波の帯域で有効となり、フォーカシングアクチュエータの応答速度に制限される。
【0043】
そこで、この実施形態のオートフォーカスコントローラ145は、光源の変調周波数および走査スピードに応じて検出系の応答周波数を変えるとともに、反射戻り光を平均化してからオートフォーカスのフィードバック制御に使用する。これにより、反射戻り光のレベルがオートフォーカス検出系14aのダイナミックレンジに収まるようになる(図6(b))。したがって、常に安定したオートフォーカスが実行される。
【0044】
図3のステップ340では、オートフォーカスコントローラ145が、コンピュータ18から指令を受けて内部回路を切り替えることにより、4分割フォトダイオード140の出力信号の平均化範囲を調整する。走査中のある一定範囲において出力信号を鈍らせると、信号の細かな変化を観察できなくなる。この範囲が平均化範囲である。出力信号を平均化する方法としては、時定数の大きいフィルタに信号を通すフィルタ方式のほか、ある時間にわたって信号を積算する方法がある。4分割フォトダイオード140の出力信号の平均化により、ウェーハ5の小さな凹凸がオートフォーカスに影響を与えることがなくなる。また、レーザ光源120を変調したときに、オートフォーカスがその変調の影響を受けなくなるという利点もある。さらに、4分割フォトダイオード140の出力信号のS/Nが上昇するという利点もある。
【0045】
コンピュータ18は、イメージング装置コントローラ13で生成された各ダイ52のSQUID画像に基づいて、各ダイ52内の欠陥の有無を判定する。SQUID磁束計16によって検出される磁場は、ダイ52に含まれるデバイスの構造に応じて変化する。また、磁場は良品の場合も不良品の場合も検出されるが、その現われ方が異なる。これは、故障により、回路中を流れる電流の経路がかわってくるためである。このため、ダイ52のSQUID画像を単独で観察しても、欠陥を精度良く検出することは難しい。そこで、コンピュータ18は、各ダイ52のSQUID画像データを、あらかじめ用意された良品ダイのSQUID画像データと比較することにより、各ダイ52内の欠陥の有無を判定する。
【0046】
以下では、図7を参照しながら、欠陥判定処理を詳しく説明する。図7は、欠陥判定処理の説明図である。図7の「計測SQUID画像」は、一つのダイ52の走査によって生成されるSQUID画像の一例である。符号71、72は、ダイ52中の欠陥を示している。計測SQUID画像中の破線は、走査経路の一つである。これらの欠陥71および72は、同じ走査経路上に位置するものとする。計測SQUID画像の下に示されている電圧信号は、その計測SQUID画像の画像信号の一部である。この信号部分は、計測SQUID画像中の破線に沿った走査によって生成される。したがって、この信号部分の横軸座標(時間情報)は、その破線によって示される走査経路上のレーザビームの照射位置に対応し、また、計測SQUID画像においてその破線上のピクセル位置に対応する。
【0047】
図7の「良品SQUID画像」は、良品ダイに関する計測磁場信号から生成されるSQUID画像である。良品SQUID画像は、ウェーハ検査装置1を用いて良品ダイを事前に検査することにより取得される。良品SQUID画像中の破線は、走査経路の一つである。この走査経路は、計測SQUID画像中の破線が示す走査経路と同一である。つまり、これらの走査経路は、それぞれ良品ダイおよび被検査ダイの同一座標を通過する。良品SQUID画像の下に示されている電圧信号は、その良品SQUID画像の画像信号の一部である。この信号部分は、良品SQUID画像中の破線に沿った走査によって生成される。したがって、この信号部分の横軸座標(時間情報)は、その破線によって示される走査経路上のレーザビームの照射位置に対応し、また、良品SQUID画像においてその破線上のピクセル位置に対応する。
【0048】
計測SQUID画像中の欠陥71は、良品ダイの同一箇所に比べて高い輝度を有する。つまり、欠陥71は、プラスの輝度方向を有している。これは、欠陥71の走査により検出される磁場強度が、良品ダイの同一箇所の走査により検出される磁場強度より高いことに起因する。このような欠陥をプラス欠陥と呼ぶことにする。一方、欠陥72は、良品ダイの同一箇所に比べて低い輝度を有する。つまり、欠陥72は、マイナスの輝度方向を有している。これは、欠陥72の走査により検出される磁場強度が、良品ダイの同一箇所の走査により検出される磁場強度より低いことに起因する。このような欠陥をマイナス欠陥と呼ぶことにする。このように、欠陥には、SQUID磁束計16によって検出される磁場強度を高くするものと低くするものとがある。
【0049】
コンピュータ18は、各ダイ52の欠陥の有無を検査するために、各ダイ52の計測SQUID画像を良品SQUID画像と比較する。具体的には、コンピュータ18は、計測SQUID画像データから良品SQUID画像データを減算して、差画像データを生成する。生成された差画像は、図7の右側に「減算SQUID画像」として示されている。理想的な差画像では、欠陥のみが表示される。
【0050】
図7において、差画像の下に示されている電圧信号は、その差画像の画像信号の一部である。この信号部分は、差画像中の破線に沿った走査によって得られる。差画像信号では、欠陥71が信号の山71a、すなわち信号レベルの上昇として現れる。また、差画像信号では、欠陥72が信号の谷72b、すなわち信号レベルの降下として現れる。このように、差画像信号の山は、被検査ダイ52のプラス欠陥を示す。また、差画像信号の谷は、被検査ダイ52のマイナス欠陥を示す。
【0051】
コンピュータ18は、この差画像信号のレベルを所定のしきい値と比較する。コンピュータ18は、二つの異なるしきい値を有している。以下では、高い方のしきい値を第1しきい値、低い方のしきい値を第2しきい値と呼ぶことにする。図7では、第1しきい値が破線81で、第2しきい値が破線82でそれぞれ示されている。この実施形態では、第1しきい値は正値であり、第2しきい値は負値である。コンピュータ18は、差画像信号のレベルが第1しきい値以上または第2しきい値以下の場合に、欠陥が検出されたと判定する。第1しきい値以上の一連の信号部分および第2しきい値以下の一連の信号部分が、それぞれ一つの欠陥と認識される。二つのしきい値を用いるのは、プラス欠陥とマイナス欠陥を判別するためである。
【0052】
図8は、二つのしきい値の算出方法を説明するための図である。第1および第2しきい値は、装置1を用いて、二つの良品ダイのそれぞれについてSQUID画像データを取得することにより算出される。この算出は、コンピュータ18が実行する。コンピュータ18は、これらのSQUID画像データの一方から他方を減算して差画像データを生成し、その差画像の輝度ヒストグラムを算出する。コンピュータ18は、輝度ヒストグラムの標準偏差も算出する。第1しきい値は、(輝度ヒストグラムのピーク値)+(標準偏差のk倍)によって算出される。第2しきい値は、(輝度ヒストグラムのピーク値)−(標準偏差のk倍)によって算出される。ここで、kは所定の定数である。kの値は、ウェーハ検査装置1のオペレータが任意に設定できる。
【0053】
コンピュータ18は、より適切な第1および第2しきい値を得るために、マージ機能を有している。マージ機能は、しきい値を設定するためのサンプル数を増やす機能である。マージ機能は、新たに一つ以上のダイについてSQUID画像を取得し、既存のSQUID画像との間で減算処理を行い、輝度ヒストグラムのサンプル数を増やす。マージ機能を達成するため、輝度ヒストグラムの算出に用いられたSQUID画像は、コンピュータ18内の記憶装置に保存される。
【0054】
コンピュータ18は、第1しきい値以上の差画像信号レベルを与えるピクセル位置にプラス欠陥が存在すると判定する。図7の例では、コンピュータ18は、山71aのうち第1しきい値81以上の部分をプラス欠陥と判定する。また、コンピュータ18は、第2しきい値以下の差画像信号レベルを与えるピクセル位置にマイナス欠陥が存在すると判定する。図7の例では、コンピュータ18は、谷72bのうち第2しきい値82以下の部分をマイナス欠陥と判定する。差画像信号の横軸座標は、SQUID画像のピクセル位置およびダイ52におけるレーザビームの照射位置に対応している。コンピュータ18は、欠陥と判定された信号部分の横軸座標から、その欠陥の位置を算出できる。
【0055】
コンピュータ18は、すべてのダイ52について欠陥の有無を判定すると、判定結果を示す画像のデータを生成する。この画像データは、表示装置20に送られる。これにより、表示装置20の画面上では、検出された欠陥がウェーハマップ上に表示される。また、装置1のオペレータによってダイ52が指定されると、コンピュータ18は、より詳細な結果表示用の画像データを生成する。この画像データも、表示装置20に送られ、画面に表示される。これにより、指定されたダイ52内の欠陥位置情報がそのダイ52の反射画像に重ねて表示される。なお、欠陥は、その種類に応じて異なる表示態様で表示される。例えば、プラス欠陥とマイナス欠陥を違う色で表示してもよい。
【0056】
以下では、非破壊検査装置1の利点を説明する。装置1は、主に、四つの利点を有している。
【0057】
第1に、装置1は、高い精度でウェーハ5のデバイスパターンの欠陥を検出できる。これは、装置1が、オートフォーカス装置によってフォーカスを保ちながらウェーハ5を走査するためである。これにより、装置1は、高い分解能でSQUID画像を取得できる。このため、ウェーハ欠陥の検出精度が高まる。
【0058】
特に、本実施形態では、取得したSQUID画像を良品SQUID画像と比較することにより欠陥を検出する。この場合、複数のウェーハのSQUID画像を同じ条件で取得することが重要である。装置1は、オートフォーカスを実行しながらSQUID画像を取得する。したがって、反りのあるウェーハがある場合や、XYθステージ10の駆動が均一でない場合にも、オートフォーカスによって同じ撮像条件が作られる。このため、装置1は、信頼性の高い欠陥検出を実行できる。
【0059】
第2に、装置1は、鮮明なウェーハ反射光像を取得できる。これも、装置1がフォーカスを保ちながらウェーハを走査するためである。装置1は、検出された欠陥の位置を、鮮明なウェーハ反射光像に重ねて表示できる。したがって、欠陥の位置を把握しやすい。
【0060】
第3に、装置1は、安定したオートフォーカスを実行できる。これは、装置1が、光源120の変調周波数および走査のスピードに応じて、検出系14aの応答周波数を調整し、信号出力を平均化するからである。
【0061】
第4に、装置1は、ウェーハ5の欠陥の種類を判別できる。これは、計測SQUID画像信号と良品SQUID画像信号から得られる差画像信号のレベルを、正負の二つのしきい値と比較するからである。正のしきい値によってプラス欠陥の有無を判定し、負のしきい値によってマイナス欠陥を判定するので、これらの欠陥を判別できる。これら2種類の欠陥の位置は、異なる表示態様で表示される。したがって、装置1のオペレータは、欠陥の種類をその表示態様から確認できる。
【0062】
(第2実施形態)
以下では、この発明の第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態に係る非破壊検査装置2の構成を示す概略図である。装置2は、第1実施形態の装置1と異なり、磁場励起用のレーザ光源220とは別個のオートフォーカス用光源247を備えている。
【0063】
装置2が有するオートフォーカス装置は、オートフォーカス用検出系24aとフォーカシングアクチュエータ24bから構成されている。検出系24aは、4分割フォトダイオード240、シリンダレンズ242、偏光ビームスプリッタ246、レーザダイオード247、コンデンサレンズ243、λ/4板(1/4波長板)248およびオートフォーカスコントローラ245を有する。検出系24aは、イメージング装置22の外部に設置されている。4分割フォトダイオード240およびレーザダイオード247は、オートフォーカスコントローラ245に電気的に接続されている。オートフォーカスコントローラ245は、レーザダイオード247に駆動電流を供給する。オートフォーカスコントローラ245は、コンピュータ18に電気的に接続されている。フォーカシングアクチュエータ24bは、対物レンズ229に取り付けられている。アクチュエータ24bは、オートフォーカスコントローラ245に電気的に接続されている。
【0064】
磁場励起用の光源220とオートフォーカス用の光源247とが別個なので、検出系24aに光減衰器は含まれていない。これは、第1実施形態との相違点である。オートフォーカスコントローラ245は、4分割フォトダイオード240の総入射光量が一定になるように、レーザダイオード247の出力パワーをフィードバック制御する。このフィードバック制御は、4分割フォトダイオード240の出力信号に基づいて実行される。
【0065】
イメージング装置22は、オートフォーカス検出系を含まない点および対物レンズと結像レンズの間にダイクロイックミラーが配置されている点を除いて、第1実施形態のイメージング装置12と同様の構成を有している。イメージング装置22は、ウェーハ5をその裏面5b側から撮像するための光学系である。イメージング装置22は、レーザ光源220、コリメータレンズ221、光スキャナ222、瞳投影レンズ223、ビームスプリッタ224、コンデンサレンズ226および光検出器227を有する。イメージング装置22は、顕微鏡結像レンズ228および顕微鏡対物レンズ229をさらに有する。これらの構成要素は、第1実施形態のイメージング装置12の構成要素と同じなので、重複する説明を省略する。
【0066】
結像レンズ228と対物レンズ229の間の光路上には、ダイクロイックミラー225が配置されている。ダイクロイックミラー225は、レーザ光源220から発するレーザ光を透過させ、レーザダイオード247から発するレーザ光を反射する。結像レンズ228に入射したレーザビームはダイクロイックミラー225を透過して対物レンズ229に入射する。対物レンズ229は、レーザビームをウェーハ5上に投影する。この結果、レーザビームは、ウェーハ5上でスポット光を成す。
【0067】
レーザビームの一部はウェーハ5によって反射され、対物レンズ229を透過してダイクロイックミラー225に入射する。この反射レーザ光は、ダイクロイックミラー225を透過し、さらに結像レンズ228を透過する。この反射レーザ光は、瞳投影レンズ223、光スキャナ222およびビームスプリッタ224を通過してコンデンサレンズ226に入射する。コンデンサレンズ226は、反射レーザ光を集光して光検出器227に送る。光検出器227は、反射レーザ光のパワーに応じた信号を生成し、出力する。この出力信号は、コントローラ13に送られる。したがって、レーザビームでウェーハ5を走査すれば、コントローラ13は、ウェーハ5の反射画像データを取得できる。
【0068】
オートフォーカス用検出系24aは、オートフォーカス用のレーザ光(以下、「オートフォーカス光」と呼ぶ)をウェーハ5の裏面5bに照射する。このレーザ光は、レーザダイオード247から発する。オートフォーカス光とレーザ光源220からのレーザ光とは、共通の光軸に沿って対物レンズ229を透過し、ウェーハ5に照射される。したがって、レーザダイオード247からのオートフォーカス光を用いてフォーカシングを行えば、レーザ光源220からのレーザ光もフォーカシングできる。
【0069】
オートフォーカス光の波長は、1.3μmである。この波長の光は、ウェーハ5を透過するが、OBIC効果は起こさない。このため、装置2は、SQUID磁束計16による磁場計測に影響を与えることなくオートフォーカスを実行できる。
【0070】
レーザダイオード247がオートフォーカス光を放出すると、そのオートフォーカス光はビームスプリッタ246で反射され、コンデンサレンズ243を透過して、λ/4板248に入射する。λ/4板248は、オートフォーカス光の互いに直交する偏波成分に位相差を与える。オートフォーカス光は、λ/4板248を透過すると、イメージング装置22のダイクロイックミラー225に入射する。このオートフォーカス光は、ダイクロイックミラー225によって反射され、対物レンズ229を透過してウェーハ5の裏面5bに照射される。
【0071】
このオートフォーカス光は、ウェーハ5を透過し、デバイスパターンで反射される。この反射されたオートフォーカス光は、対物レンズ229を透過し、ダイクロイックミラー225で反射され、オートフォーカス検出系24aのλ/4板248に送られる。λ/4板248は、再び、オートフォーカス光の偏波成分に位相差を与える。λ/4板248を透過した反射オートフォーカス光は、コンデンサレンズ243に入射する。コンデンサレンズ243は、反射オートフォーカス光を集光してビームスプリッタ246に送る。反射オートフォーカス光は、ビームスプリッタ246を透過して、シリンダレンズ242に入射する。シリンダレンズ242は、その母線に直交する平面内で反射レーザ光を収束させ、4分割フォトダイオード240に送る。4分割フォトダイオード240の出力信号は、オートフォーカスコントローラ245に送られる。
【0072】
非破壊検査装置2を用いてウェーハ検査を開始するまでの流れは、実施形態1と同じである(図3を参照)。また、装置2は、第1実施形態の装置1と同様の方法により、ウェーハの走査、SQUID画像およびウェーハ反射光像の取得、欠陥の有無の判定、ならびに結果表示を実行する。SQUID画像およびウェーハ反射光像の取得の際には、オートフォーカスが行われる。オートフォーカスコントローラ245は、第1実施形態と同様に、非点収差法によりオートフォーカスを行う。さらに、オートフォーカスコントローラ245は、第1実施形態と同様に、レーザダイオード247の変調周波数および走査のスピードに応じて、検出系24aの応答周波数を調整し、信号出力を平均化する。
【0073】
この実施形態の非破壊検査装置2は、第1実施形態の非破壊検査装置1と同じ利点を有している。つまり、装置2は、オートフォーカス装置によってフォーカスを保ちながらウェーハ5を走査するため、高い精度でウェーハ5のデバイスパターンの欠陥を検出できる。また、装置2は、鮮明なウェーハ反射光像を取得できる。さらに、装置2は、オートフォーカス用光源247の変調周波数および走査のスピードに応じて、検出系24aの応答周波数を調整し、信号出力を平均化するので、安定したオートフォーカスを実行できる。さらに、装置2は、計測SQUID画像信号と良品SQUID画像信号から得られる差画像信号のレベルを、正負の二つのしきい値と比較するので、ウェーハ5の欠陥の種類を判別できる。
【0074】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0075】
上記実施形態では、非点収差法を用いてオートフォーカスを行う。しかし、非点収差法の代わりに、他のオートフォーカス法を任意に採用することができる。
【0076】
上記実施形態では、欠陥の有無を判定するために、ダイ52の計測SQUID画像を、あらかじめ取得した良品ダイのSQUID画像と比較する。しかし、この代わりに、複数のダイ52の計測SQUID画像同士を比較してもよい。
【0077】
以下では、図10および図11を参照しながら、異なるダイ52間のSQUID画像比較による欠陥検査処理を説明する。図10は、この欠陥検査処理の概略説明図である。図11は、この欠陥検査処理の詳細説明図である。説明の便宜上、第1実施形態の非破壊検査装置1でこの欠陥検査処理が実行されるものと考える。ただし、この欠陥検査処理は、第2実施形態の非破壊検査装置2にも同様に適用できる。
【0078】
図10の左側には、(n−1)番目のダイ52とn番目のダイ52の計測SQUID画像が示されている。ここで、nは2以上の整数である。以下では、(n−1)番目のダイ52をダイ(n−1)と呼び、n番目のダイ52をダイ(n)と呼ぶことにする。これらは、例えば、走査経路に沿って隣接して配置されたダイ52である。符号73、74は、ダイ(n−1)中の欠陥を示している。符号75、76は、ダイ(n)中の欠陥を示している。欠陥73および75は、上述したマイナス欠陥であり、欠陥74および76は、上述したプラス欠陥である。各計測SQUID画像中の破線は、走査経路の一つである。各破線によって示される走査経路は、ダイ(n−1)およびダイ(n)の共通の位置座標を通過する。欠陥73〜76は、いずれも破線の走査経路上に位置するものとする。
【0079】
図10において計測SQUID画像の右側に示される電圧信号は、その計測SQUID画像中の破線に沿った走査により得られる画像信号である。ダイ(n−1)の画像信号には、欠陥73が谷73bとして現れ、欠陥74が山74aとして現れる。同様に、ダイ(n)の画像信号には、欠陥75が谷75bとして現れ、欠陥76が山76aとして現れる。
【0080】
コンピュータ18は、すべてのダイ52に関して、ダイ(n−1)の計測SQUID画像とダイ(n)の計測SQUID画像を比較する。つまり、ダイ(1)とダイ(2)、ダイ(2)とダイ(3)、…ダイ(N−1)とダイ(N)間で、それぞれ計測SQUID画像が比較される。ここで、Nはダイの総数である。具体的には、コンピュータ18は、ダイ(n−1)の計測SQUID画像からダイ(n)の計測SQUID画像を減算して、差画像信号を生成する。差画像信号の一部は、図10の右側に示されている。差画像信号では、欠陥74および75が山74aおよび75aとして現れ、欠陥73および76が谷73bおよび76bとして現れる。このように、この差画像信号の山は、ダイ(n−1)のプラス欠陥またはダイ(n)のマイナス欠陥を示す。また、この差画像信号の谷は、ダイ(n−1)のマイナス欠陥またはダイ(n)のプラス欠陥を示す。差画像信号の横軸座標は、ダイの位置座標に対応する。
【0081】
コンピュータ18は、この差画像信号のレベルを第1および第2のしきい値と比較する。上記実施形態と同様に、第1しきい値は正値であり、第2しきい値は負値である。これらのしきい値の算出方法は、図8を参照して上述した通りである。コンピュータ18は、差画像信号のレベルが第1しきい値以上または第2しきい値以下の場合に、欠陥が検出されたと判定する。第1しきい値以上の一連の信号部分および第2しきい値以下の一連の信号部分が、それぞれ一つの欠陥と認識される。この信号部分の横軸座標は、ダイ(n−1)およびダイ(n)の共通の位置座標に対応する。
【0082】
差画像信号のうち第1しきい値以上の部分は、ダイ(n−1)のプラス欠陥である可能性とダイ(n)のマイナス欠陥である可能性を有する。同様に、第2しきい値以下の部分は、ダイ(n−1)のマイナス欠陥である可能性とダイ(n)のプラス欠陥である可能性を有する。欠陥がどちらのダイに含まれるのかを特定するため、コンピュータ18は、ダイ(n)とダイ(n+1)間の計測SQUID画像の比較結果を利用する。以下では、図11を参照しながら、欠陥検査処理をさらに詳しく説明する。
【0083】
図11の左側には、ダイ(1)〜(6)の計測SQUID画像が示されている。ダイ(1)、(2)、(5)および(6)は、欠陥を有さない。ダイ(3)は、マイナス欠陥77を有している。ダイ(4)は、プラス欠陥78を有している。図11の中央には、相隣る番号のダイ間の差画像信号が示されている。図11において「減算(m−1)−m」(mは、2以上N以下の整数。ここで、Nはダイの総数。)は、ダイ(m−1)の計測SQUID画像信号からダイ(m)の計測SQUID画像信号を減算することを意味する。
【0084】
図11に示されるように、コンピュータ18は、すべてのm値について順次に減算(m−1)−mを実行する。その後、すべての差画像信号について、その信号レベルを第1および第2しきい値と比較する。減算2−3による差画像信号には、第1しきい値81を上回るピーク値を有する山77aが現れている。コンピュータ18は、山77aのうち第1しきい値81以上の部分を欠陥と判定する。この欠陥は、ダイ2のプラス欠陥である可能性と、ダイ3のマイナス欠陥である可能性がある。
【0085】
減算3−4による差画像信号には、減算2−3による差画像信号の山77aと同じ位置に、第2しきい値82を下回るピーク値を有する谷77bが現れている。コンピュータ18は、谷77bのうち第2しきい値82以下の部分を欠陥と判定する。この欠陥は、ダイ(3)のマイナス欠陥である可能性と、ダイ(4)のプラス欠陥である可能性がある。
【0086】
減算2−3および減算3−4によって共通に予想されるのは、ダイ(3)のマイナス欠陥だけである。したがって、コンピュータ18は、ダイ(3)にマイナス欠陥が存在すると判定する。このように、コンピュータ18は、減算2−3による差画像信号と減算3−4による差画像信号の双方において同一の横軸座標に欠陥が検出されると、ダイ(3)中において、その横軸座標に対応する位置座標に欠陥が存在すると判定する。
【0087】
減算3−4による差画像信号には、第2しきい値82を下回るピーク値を有する谷78bも現れている。コンピュータ18は、谷78bのうち第2しきい値82以下の部分を欠陥と判定する。この欠陥は、ダイ(3)のマイナス欠陥である可能性と、ダイ(4)のプラス欠陥である可能性がある。減算4−5による差画像信号には、減算3−4信号における谷78bと同じ位置に、第1しきい値81を上回るピーク値を有する山78aが現れている。コンピュータ18は、山78aのうち第1しきい値81以上の部分を欠陥と判定する。この欠陥は、ダイ(4)のプラス欠陥である可能性と、ダイ(5)のマイナス欠陥である可能性がある。減算3−4および減算4−5によって共通に予想されるのは、ダイ(4)のプラス欠陥だけである。したがって、コンピュータ18は、ダイ(4)中にプラス欠陥が存在すると判定する。ダイ(4)における欠陥の位置座標は、差画像信号における欠陥の横軸座標から特定される。
【0088】
このように、欠陥コンピュータ18は、減算(n−1)−nによる差画像信号と減算n−(n+1)による差画像信号の双方において同一の横軸座標に欠陥が検出されると、ダイ(n)において、その横軸座標に対応する位置座標に欠陥が存在すると判定する。また、欠陥コンピュータ18は、減算(n−1)−nによる差画像信号で欠陥が検出され、減算n−(n+1)による差画像信号において同一の横軸座標に欠陥が検出されない場合は、ダイ(n−1)に欠陥が存在すると判定する。さらに、欠陥コンピュータ18は、減算n−(n+1)による差画像信号で欠陥が検出され、減算(n−1)−nによる差画像信号において同一の横軸座標に欠陥が検出されない場合は、ダイ(n+1)に欠陥が存在すると判定する。どのダイに欠陥が存在するかが特定されれば、その欠陥が差画像信号において山であるか谷であるかに応じて、その欠陥の種類も特定される。
【0089】
なお、「二つの差画像信号の同一の横軸座標に欠陥が検出される」とは、横軸座標が完全に一致する場合のほか、所定の許容値だけ横軸座標がずれている場合を含んでいてもよい。この場合、二つの差画像の同一画素にそれぞれ欠陥が検出される場合のほか、二つの差画像の欠陥の位置が数ピクセルずれている場合も、同一の画素に欠陥が存在するとみなされる。所定値以内のずれを許容するのは、欠陥の検出位置の誤差を考慮したものである。
【0090】
コンピュータ18は、すべてのダイ52について欠陥の有無を判定すると、判定結果を示す画像を生成する。表示装置20は、その生成された画像を画面上に表示する。この画像の生成および表示は、上記実施形態に関して説明した通りである。
【0091】
【発明の効果】
この発明の非破壊検査装置は、試料の裏面側から磁場励起用レーザ光を照射して試料の表面側から誘起磁場を検出するとともに、試料の裏面側からオートフォーカス光を照射してオートフォーカスを実行する。これにより、フォーカスを保ったまま試料を走査できる。したがって、この発明の非破壊検査装置は、高い精度で試料の欠陥を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】ウェーハ5の表面を示す概略平面図である。
【図3】ウェーハ検査を開始するまでの流れを示すフローチャートである。
【図4】ウェーハ5の走査方法の一例を示す概略平面図である。
【図5】オートフォーカス光の検出の様子を示す概略図である。
【図6】(a)はダイナミックレンジを超えた信号光量を示すグラフであり、(b)はダイナミックレンジ内に抑えられた信号光量を示すグラフである。
【図7】被検査ダイおよび良品ダイ間の磁場分布データの比較による欠陥判定処理の説明図である。
【図8】第1および第2しきい値の算出方法の説明図である
【図9】この発明の第2実施形態の構成を示す概略図である。
【図10】異なるダイ間の磁場分布データの比較による欠陥判定処理の概略説明図である。
【図11】図10の欠陥判定処理の詳細説明図である。
【符号の説明】
1および2…非破壊検査装置、10…走査手段としてのXYθステージ、12…照射手段としてのイメージング装置、13…イメージング装置コントローラ、14a…オートフォーカス用検出系、14b…レンズ移動機構としてのオートフォーカシングアクチュエータ、16…SQUID磁束計、18…コンピュータ、20…表示装置、122…走査手段としての光スキャナ、145…オートフォーカスコントローラ。
Claims (10)
- 表面および裏面を有する試料を走査し、前記試料に設けられた所定の構造の欠陥を検出する非破壊検査装置であって、
前記試料の裏面に対向させて配置された対物レンズと、
前記試料の裏面側に配置され、前記対物レンズを介して前記試料にレーザ光を照射する照射手段と、
前記試料上における前記レーザ光の照射位置を移動させて前記試料を走査する走査手段と、
前記試料の裏面側に配置され、前記対物レンズと前記試料との距離を調整してオートフォーカスを行うオートフォーカシング手段と、
前記試料の表面側に配置され、前記試料の走査によって発生する磁場を検出し、磁場分布データを取得する磁場検出手段と、
前記磁場分布データおよび所定の標準分布データの一方から他方を減算して差分データを生成する減算手段と、
前記差分データを正の第1しきい値および負の第2しきい値と比較する比較手段と、
前記レーザ光の一つの照射位置に対応する前記差分データが前記第1しきい値以上のとき、当該照射位置に第1の種類の欠陥が存在すると判定し、前記レーザ光の一つの照射位置に対応する前記差分データが前記第2しきい値以下のとき、当該照射位置に第2の種類の欠陥が存在すると判定する判定手段と、
を備える非破壊検査装置。 - 表面および裏面を有する試料を走査し、前記試料において同一の形状を有する複数の領域の各々について、その領域に設けられた所定の構造の欠陥を検出する非破壊検査装置であって、
前記試料の裏面に対向させて配置された対物レンズと、
前記試料の裏面側に配置され、前記対物レンズを介して前記試料にレーザ光を照射する照射手段と、
前記試料上における前記レーザ光の照射位置を移動させて前記試料を走査する走査手段と、
前記試料の裏面側に配置され、前記対物レンズと前記試料との距離を調整してオートフォーカスを行うオートフォーカシング手段と、
前記試料の表面側に配置され、前記試料の走査によって発生する磁場を検出し、磁場分布データを取得する磁場検出手段と、
第1の前記領域の磁場分布データから第2の前記領域の磁場分布データを減算して第1の差分データを生成するとともに、前記第2領域の磁場分布データから第3の前記領域の磁場分布データを減算して第2の差分データを生成する減算手段と、
前記第1差分データを正の第1しきい値および負の第2しきい値と比較するとともに、前記第2差分データを前記第1および第2しきい値と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果に応じて、前記第2領域における欠陥の有無を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、
前記第1、第2および第3領域の共通の座標において前記第1差分データが前記第2しきい値以下かつ前記第2差分データが前記第1しきい値以上のとき、前記第2領域中の当該座標に第1の種類の欠陥が存在すると判定し、
前記第1、第2および第3領域の共通の座標において前記第1差分データが前記第1しきい値以上かつ前記第2差分データが前記第2しきい値以下のとき、前記第2領域中の当該座標に第2の種類の欠陥が存在すると判定する
非破壊検査装置。 - 前記判定手段によって判定された欠陥の位置を示す画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段によって生成された画像を画面上に表示する表示装置と、
をさらに備える請求項1または2記載の非破壊検査装置であって、
前記画像において前記第1の種類の欠陥は、第1の表示態様で表示され、
前記画像において前記第2の種類の欠陥は、前記第1表示態様と異なる第2の表示態様で表示される
請求項1または2記載の非破壊検査装置。 - 前記オートフォーカシング手段は、
前記照射手段によって前記試料に照射され、前記試料によって反射されたレーザ光を検出する光検出器と、
前記対物レンズを移動させて前記対物レンズと前記試料との距離を変えるレンズ移動機構と、
前記光検出器の出力に応じて前記レンズ移動機構を駆動するコントローラと、
を備えている
請求項1または2記載の非破壊検査装置。 - 前記オートフォーカシング手段は、
前記試料の裏面に光を照射するオートフォーカス光源と、
前記オートフォーカス光源によって前記試料に照射され、前記試料によって反射された光を検出する光検出器と、
前記対物レンズを移動させて前記対物レンズと前記試料との距離を変えるレンズ移動機構と、
前記光検出器および前記レンズ移動機構と電気的に接続され、前記光検出器の出力信号に応じて前記レンズ移動機構を駆動するコントローラと、
を備えている
請求項1または2記載の非破壊検査装置。 - 表面および裏面を有する試料を走査し、前記試料に設けられた所定の構造の欠陥を検出する非破壊検査装置であって、
前記試料の裏面に対向させて配置された対物レンズと、
前記試料の裏面側に配置され、前記対物レンズを介して前記試料にレーザ光を照射する照射手段と、
前記試料上における前記レーザ光の照射位置を移動させて前記試料を走査する走査手段と、
前記試料の裏面側に配置され、前記対物レンズと前記試料との距離を調整してオートフォーカスを行うオートフォーカシング手段であって、前記照射手段によって前記試料に照射され、前記試料によって反射されたレーザ光を検出する光検出器と、前記対物レンズを移動させて前記対物レンズと前記試料との距離を変えるレンズ移動機構と、前記光検出器の出力に応じて前記レンズ移動機構を駆動するコントローラと、を有する前記オートフォーカシング手段と、
前記試料の表面側に配置され、前記試料の走査によって発生する磁場を検出し、磁場分布データを取得する磁場検出手段と、
前記照射手段によって前記試料に照射され、前記試料によって反射されたレーザ光の強度を減衰させて前記光検出器に送る光減衰器と、
前記光検出器の入射光量に応じて前記光減衰器の減衰率をフィードバック制御する減衰制御手段と、
を備え、
前記磁場分布データに基づいて前記欠陥を検出する
非破壊検査装置。 - 前記光検出器の出力信号を平均化処理する平均化手段をさらに備え、
前記コントローラは、前記光検出器の平均化処理された出力信号に応じて前記レンズ移動機構を駆動する
請求項4〜6の何れか一項記載の非破壊検査装置。 - 前記走査手段による走査のスピードに応じて、前記光検出器および前記コントローラからなる電気系の応答周波数を調整する手段をさらに備える請求項4〜6の何れか一項記載の非破壊検査装置。
- 前記照射手段は、前記レーザ光の光源と、この光源を変調するための変調器と、を備えており、
前記変調器による変調の周波数に応じて、前記光検出器および前記コントローラからなる電気系の応答周波数を調整する手段をさらに備える請求項4〜6の何れか一項記載の非破壊検査装置。 - 前記照射手段によって前記試料に照射され、前記試料によって反射されたレーザ光の強度を減衰させて前記光検出器に送る光減衰器と、
前記光検出器の入射光量に応じて前記光減衰器の減衰率をフィードバック制御する減衰制御手段と、
をさらに備える請求項4記載の非破壊検査装置。
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