JP4036429B2 - 基板処理チャンバ、基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

基板処理チャンバ、基板処理装置および基板処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理チャンバ、基板処理装置および基板処理方法に関し、より特定的には、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板の如きFPD(FlatPanel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板および光ディスク用基板、電子部品などのエレクトロニクス分野における各種基板(以下、単に「基板」と称する)、その他の各種部材を、高圧状態の処理流体を用いて処理する基板処理チャンバ、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品等が形成された基板の洗浄における脱フロン化の流れに伴い、超臨界二酸化炭素のような低粘度の高圧状態の処理流体を剥離液またはリンス液として使用することが注目されている。
【0003】
また、近年の半導体デバイスの縮小化(シュリンク)によって、更にデバイスの設計ルール(テクノロジーノード)がより微細化しており、その勢いは更に加速されている。この様な半導体デバイスにおいては、構造上非常に微細な溝(トレンチ)や穴(ホール)の洗浄が必要である。前者はキャパシタ(コンデンサーの容量部分)や横配線(平面的な配線)、後者は縦配線(三次元的な配線、横配線と横配線との接続、トランジスタのゲート電極への接続)等である。
【0004】
この様な微細な構造は、その幅の深さの比、いわゆるアスペクト比(縦横比)が非常に大きくなってきており、幅が狭く深い溝や径が小さく深い穴を形成している。この幅や径がサブミクロンになっていて、そのアスペクト比も10を超えるようなものが出現している。この様な微細構造をドライエッチング等で半導体基板上に製造した後には、上部の平坦部分のみならず、溝や穴の側壁やその底にレジスト残骸や、ドライエッチングで変質したレジスト、底の金属とレジストの化合物、酸化した金属等の汚染が残っている。
【0005】
これらの汚染は、従来、溶液系の薬液によって洗浄していた。しかし、この様な微細な構造では、薬液の侵入及び純水による置換がスムーズにいかなくなり、洗浄不良が生じるようになってきている。また、エッチングされた絶縁物が配線による電気信号の遅延を防止するために、低誘電率の材料(いわゆるLow−k材)を使用しなくてはならなくなり、薬液によってその特性である低誘電率が悪化すると言う問題が発生している。その他、配線用の金属が露出している場合は、金属を溶解する薬液が使用できない等の制限も生じている。
【0006】
このような、半導体デバイスの微細構造の洗浄に、その特性から超臨界流体が注目されている。超臨界流体とは、図8に示すように、臨界圧力Pc以上かつ臨界温度Tc以上(同図網掛け部分)で得られる物質の状態をいう。この超臨界流体は、液体と気体の中間的性質を有するため、精密な洗浄に適しているといえる。
【0007】
すなわち、超臨界流体は、液体に近い密度を持ち溶解性が高いため、有機成分の洗浄に有効であり、気体のように拡散性が優れるため、短時間に均一な洗浄が可能であり、気体のように粘度が低いため、微細な部分の洗浄に適しているのである。また、超臨界流体では、溶液系の薬液のように低誘電率の絶縁物に浸透しても残留しないため、その特性を変化させることが無い。従って、半導体デバイスの微細構造の洗浄に非常に適していると言え、おおいに注目されている。
【0008】
そして、このような性質を利用する超臨界流体洗浄法によれば、他の洗浄法と比較して作業者や環境に優しく、微細で複雑な構造物の溝や細孔の汚れも容易に除去することができる。また、超臨界流体を乾燥法として用いることもできる。
【0009】
この超臨界流体に変化させる物質には、二酸化炭素、水、亜酸化窒素、アンモニア、エタノール等が用いられる。主に二酸化炭素は、臨界圧力Pcが7.4MPa、臨界温度Tcが約31℃であり、比較的簡単に超臨界状態が得られること、及び無毒であることから、多く用いられている。図8は、以上のような二酸化炭素の相平衡図を示したグラフである。
【0010】
以上のような超臨界流体洗浄法ないし乾燥法を、例えば半導体デバイス製造プロセスにおいて用いる場合には、まずその前に、エッチング工程やレジスト剥離工程などにおいて半導体基板を所定の薬液に浸すウェット処理が行われる。その後、当該ウェット処理によって半導体基板に付着した薬液や各種パーティクルを洗い流し、乾燥させる超臨界流体処理が行われることになる。したがって、一般的な従来例において、上記ウェット処理用のチャンバ(処理槽)と超臨界流体処理用のチャンバとは、それぞれが個別に設けられている。
【0011】
しかし、このような構成によれば、両チャンバの設置面積の増大や、両チャンバ間の搬送時間ロスによるスループットの低下が避けられないばかりか、搬送途中の半導体基板が大気に暴露されることによってウォータマークや外部環境からの汚染が生じることになる。さらに、ウェット処理後の濡れた状態にある半導体基板は、搬送途中で部分的に乾燥してしまう可能性もある。このような局所的な乾燥は、特に、微少な3次元構造で形成されたマイクロエレクトロメカニカルデバイス(MEMS)などの素子破壊につながる。
【0012】
そこで、上記のウェット処理および超臨界流体処理を1つのチャンバのみで行う基板処理チャンバが提案されている。図9は、このような基板処理チャンバの概略断面図であり、特開平8−250464号公報において開示されている。図9において、容器1の内部には、ロック10から装入された基板2が置かれ、容器1上方には液体取り入れ部3と、液化ガス取り入れ部5と、気体排出部6とが設けられ、容器側面には加熱用の取り入れ開口8と、排出開口9とが設けられ、容器1下方には液体流出部4が設けられている。
【0013】
ウェット処理の際には、容器1上方に設けられた液体取り入れ部3から液体が供給されて容器1内を満たし、処理が終了すると容器1下方に設けられた液体流出部4から排出される。その後、液化ガス取り入れ部5から液化二酸化炭素等が入れられて、さらに加熱・加圧される。すると、二酸化炭素は超臨界流体へと変化して、基板2の洗浄ないし乾燥を行うことができる。最後に、気体排出部6を開口して、容器1内部の圧力を徐々に周囲の大気圧へ降下させ、ロック10から基板2取り出す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例においては、以下の3つの問題点がある。上記従来例においては、第一に、容器内に液体を満たす構成となっているので、液やガスの取り入れ口および排出口付近での液置換効率が低下する。なぜなら、取り入れ口および排出口付近の構造は、壁面に比べて凹凸のある複雑な形状をしており、そこに液の残留が生じ易いからである。したがって、本従来例においては、液置換の効率低下によって、全体の処理効率ないしスループットが低下することになる。
【0015】
第二に、本従来例によれば、容器内に液体を満たす構成となっているので、一回の処理で消費される液体が増えてしまう。容器内でのウェット処理は、基板の表面近傍にのみ必要であって、それ以外の部分に供給される液体は本来、不要であり、その分だけ消費量が増えてしまう。
【0016】
第三に、基板にウェット処理を行う際には、基板表面における処理液の流れを制御することが肝要である。しかし、上記従来例においては、そのための具体的手段がなんら開示されておらず、そのままでは所望の処理性能を達成できない。特に、複数の基板を整列させて処理を行うバッチ洗浄においては、基板間で最適化された処理液流れが生成されず十分な洗浄効果が得られない。
【0017】
それ故に、本発明の目的は、これらの問題点を解決して、液置換効率が優れたスループットの高い構造を有する基板処理チャンバ、基板処理装置、および基板処理方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、第1の発明は、基板に対して所定の液体によるウェット処理と、所定の処理流体による高圧処理を行う基板処理チャンバであって、基板を内部で支持する基板保持手段を有する筐体と、液体を筐体内へ供給する液供給手段と、液体を筐体外へ排出する液排出手段と、筐体の所定位置に開口された処理流体供給口を介して、高圧処理の際に高圧処理流体を前記筐体内へ供給する処理流体供給手段と、筐体の所定位置に開口された処理流体排出口を介して、高圧処理の際に高圧処理流体を前記筐体外へ排出する処理流体排出手段と、筐体内において前記液体が占有する空間を所定の範囲内に限定する液体限定手段とを備え、処理流体供給口および処理流体排出口は、限定された前記範囲外の所定位置に開口され、ウェット処理の間、処理流体供給手段が処理流体供給口を介して常圧の処理流体を筐体内へ供給し、処理流体排出手段が処理流体排出口を介して筐体内の気体を排出することによって、常圧の処理流体が筐体内にパージされることを特徴とする。
【0019】
第1の発明によれば、ウェット処理と高圧処理を1つのチャンバでのみ行いながら、高圧処理流体の供給口と排出口が筐体内に供給される液体から分離された構造が提供される。よって、液の供給や排出がスムーズに行われると共に、筐体内をウェット処理から高圧処理に移行する際にも、筐体内の処理流体の置換が速やかに行われる。その結果、全体のスループットが向上した。さらに、高圧状態の処理流体が供給された際に、供給部位に残液が無く、液跳ねによる処理性能の低下が防止できる。
【0020】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、液体限定手段は、所定の限界液面高を超えて溢れた液体を筐体外へ排出するオーバフロー手段を含むことを特徴とする。
【0021】
第2の発明によれば、液体が限界液面まで満たされるに止まるように構成されるので、確実に高圧処理流体の供給口と排出口が筐体内に供給される液体から分離される。また、当該限界液面は、物理的に規定されるので何らかの原因で制御ができなくなったとしても、安全か確実にオーバフローを継続することができる。その結果、ウェット処理はオーバフローによる液流れにより所望の処理性能が達成されるとともに、高圧処理においても残液の液跳ねが防止され所望の処理性能が達成される。
【0022】
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、液体限定手段は、液体の液面を検知して所定の限界液面高を超えないように、液供給手段が供給する液体量および液排出手段が排出する液体量の一方または双方を制御する液面検知制御手段を含むことを特徴とする。
【0023】
上記のように、第3の発明によれば、液面を任意の高さに容易に制御できると共に、オーバフローを行うための開口部等を省略して、さらに側壁の形状をシンプルにすることができる。したがって、液置換の効率を高めて、全体の処理効率ないしスループットを上げることができる。
【0024】
第4の発明は、第1の発明または第3の発明に従属する発明であって、液供給手段は、基板の上方に設置されて、基板に対してダウンフローで液を供給するダウンフロー手段を含むことを特徴とする。
【0025】
第4の発明によれば、ダウンフローによる液流れにより所望の処理性能が達成されるウェット処理と、高圧処理を1つのチャンバで行う基板処理チャンバを提供することができる。
【0026】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属する発明であって、液体供給手段は、筐体内に設けられて、液体をその内部に収容するウェット処理用内槽を含むことを特徴とする。
【0027】
第5の発明によれば、ウェット処理を必要最小限の領域で行うことができ、処理に必要な薬液等の液体の量を少なくすることができるので、環境汚染に対する配慮が少なくて済み、廃液処理コストを低く抑えることができる。
【0028】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属する発明であって、限定された範囲外の所定位置から限定された範囲内の所定位置までの間で、基板保持手段を移動させる基板移動手段をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
第6の発明によれば、基板の出し入れを容易にすることができる基板処理チャンバが提供される。
【0030】
第7の発明は、第1の発明ないし第6の発明のいずれかに従属する発明であって、筐体に開口されたアルコール供給口を介して、筐体内へアルコールを供給するアルコール供給手段をさらに備え、アルコール供給口は、限定された範囲外の所定位置に開口されることを特徴とする。
【0031】
第7の発明によれば、アルコールを基板表面に均一に付着させて、基板の表面に付着する水分をアルコールで置換することができるとともに、アルコール供給口が液体に浸かることがないために、液の残留が生じやすい複雑な形状をしている開口部分が液置換の効率を低下させることがなく、全体の処理効率ないしスループットを上げることができる。
【0032】
第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれかに記載の基板処理チャンバと、基板処理チャンバにおける処理前および処理済みの複数の基板を載置し、搬入出が行われるローダ・アンローダ部と、ローダ・アンローダ部から処理前の基板を基板処理チャンバへ搬送し、処理済みの基板を基板処理チャンバからローダ・アンローダ部へ搬送する基板搬送部とを備える、基板処理装置を特徴とする。
【0033】
第8の発明によれば、ウェット処理と高圧処理が1つのチャンバで行なわれる基板処理チャンバを用い、基板を自動搬送される基板処理装置が提供される。この基板処理装置によれは、設置スペースが削減されるとともに処理効率を上げることができる。
【0036】
ここで、本発明において用いられる高圧流体は、所定の高圧状態が1MPa以上であればよく、好ましくは、高密度、高溶解性、低粘度、高拡散性の性質が認められる流体である。安全性、価格、超臨界状態にするのが容易、といった点で、二酸化炭素が好ましい。
【0037】
高圧流体を用いるのは、拡散係数が高く、溶解した汚染物質を媒体中に分散することができるためであり、より高圧にして超臨界流体にした場合には、気体と液体の中間の性質を有するようになって微細なパターン部分にもより一層浸透することができるためである。よって亜臨界流体や高圧ガスを用いて実施できることは言うまでもない。また、高圧流体の密度は、液体に近く、気体に比べて遥かに大量の添加剤を含むことが出来る。
【0038】
さらに、洗浄および洗浄後のリンス工程では、5MPa以上に昇圧される処理流体を供給すれば好適に実施できる。そして、5〜30MPaで行うことが好ましく、より好ましくは7.1〜20MPaである。
【0039】
なお、亜臨界流体とは、一般的に図8において、臨界点手前の領域にある高圧状態の液体を言う。この領域の流体は、超臨界流体とは、区別される場合があるが、密度等の物理的性質は連続的に変化するため、物理的な境界は存在しなく、亜臨界流体として使用される場合もある。亜臨界あるいは広義には臨界点近傍の超臨界領域に存在するものは高密度液化ガスとも称する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る基板処理用チャンバの概略断面図で、高圧処理流体として超臨界流体(以下、SCFと称す)を用いたものである。図中において、矢印は流体の流れ方向を表している。
【0041】
図1において、SCFを用いた基板処理用チャンバ(以下、SCFチャンバ100と称する)は、ウェハ保持部101によって支持された半導体基板などのウェハ102を格納している。典型的には、ウェハ102は、図1の断面に対して垂直方向に複数枚(例えば50枚)が支持されて、所定の間隔をあけてほぼ平行に配列される。当該ウェハ102は、SCFチャンバ100の上部に開口されたウェハ投入口の蓋103を開けて出し入れされる。
【0042】
また、SCFチャンバ100へは複数のラインが接続される。液供給ライン104は、ウェット処理用の所定の液体としての薬液および純水(DIW)を供給する。これらは、液供給弁105を介して、液噴出管106からSCFチャンバ100内に噴出される。
【0043】
典型的には、当該液噴出管106には、所定の間隔で噴出用の開口部が設けられ、支持された複数枚のウェハ102に対して下方から均一の量および圧力で薬液や純水を噴出するように、ウェハ102の配列方向と平行に、SCFチャンバ100の側壁底部付近に設置される。このように設置することによって、ウェハ表面の流れ制御を行うことができ、特に複数基板のバッチ処理を行う際に処理性能の優れたウェット処理を行うことができる。
【0044】
また、液供給ライン104内に残った液は、液出弁107を経て、チャンバ外へ排出(ドレン)される。具体的には、後述するウェット処理の終了後にSCFチャンバ100から液供給弁105の区間で液供給ライン104内に残留した液は、SCFの導入による圧力で押し出し排出される。
【0045】
SCF供給ライン108は、SCFまたは気体の二酸化炭素を供給する。なお、供給される二酸化炭素の状態は液体または亜臨界であってもよい。これらは、SCF供給弁109を介して、SCFチャンバ100の側壁上方に開口されたSCF供給口110からチャンバ内に供給される。また、SCF排出ライン113は、チャンバ内のSCFまたは気体の二酸化炭素を排出する。これらは、SCFチャンバ100の側壁上方に開口されたSCF排出口111からSCF排出弁112を介して、チャンバ外へ排出される。なお、排出された二酸化炭素は、図示されていない循環系を通って再利用されてもよい。
【0046】
アルコール供給ライン114は、エタノールやプロパノール(IPA:イソプロピルアルコール)等のアルコールを蒸気(ベーパ)または液体噴霧(スプレー)の形で供給する。アルコール供給弁115を介して、SCFチャンバ100の側壁に設けられたアルコール供給口116からチャンバ内に供給または液体噴霧される。また、当該ライン内に残ったアルコールは、アルコール排出弁117を介して、チャンバ外へ排出される。具体的には、後述するウェット処理の終了後にSCFチャンバ100からアルコール供給弁115の区間でアルコール供給ライン114に残留したアルコールは、SCFの導入による圧力で押し出し排出される。
【0047】
液排出ライン120は、液供給ライン104から供給されたSCFチャンバ100内の薬液等を排出する。SCFチャンバ100内において、限界液面122を超える量の薬液等は、SCFチャンバ100の側壁に開口された2つのオーバフロー用排出口118からオーバフロー用開閉弁119を介して、チャンバ外へ排出される。なお、排出された薬液等は、図示されていない循環系を通って再利用されてもよい。また、チャンバ内の薬液等を全て排出する場合には、排液弁121を開けて、チャンバ外へ排出する。
【0048】
以上のように、薬液等が限界液面122まで満たされるに止まるように構成すれば、SCF供給口110およびSCF排出口111は、限界液面122よりも上方に設置されている。したがって、これらの開口部や、SCF供給弁109およびSCF排出弁112が薬液等に浸かることはない。したがって、液の残留が生じやすい複雑な形状をしているこれらの部分が液置換の効率を低下させることもない。その結果、全体のスループットが向上した。さらに、SCFが供給された際に、開口部に残液が無く、液跳ねによる処理性能の低下が防止できる。
【0049】
また、当該限界液面122は、SCFチャンバ100の側壁に開口されたオーバフロー用排出口118の開口位置によって物理的に規定されるので、オーバフロー用開閉弁119が開いている限り、液面が限界液面122を超えることはない。したがって、何らかの原因で制御できなくなったとしても、安全かつ確実にオーバフローを継続することができる。
【0050】
なお、上記の構成はそれぞれ本発明の構成と以下のように相当する。すなわち、SCFチャンバ100を構成する側壁等の枠体が筐体、オーバフロー用排出口118が液体限定手段に相当する。
【0051】
次に、この構成による第1の実施形態に係る基板処理チャンバで行われる基板の洗浄動作を説明する。図2は、上記SCFチャンバ100を用いたウェット処理およびSCF処理の流れを示したフローチャートである。以下、図2を参照しつつ、基本的な処理の流れについて説明する。
【0052】
図2のステップS1において、SCFチャンバ100には液供給ライン104から液供給弁105を介して供給された純水を予め満たしておく。その後、蓋103が開けられて、ウェハ102が投入される。投入されたウェハは、ウェハ保持部101によって支持される。最後に、蓋103が閉められて、その内部が外気から遮断される。なお、液供給弁105は、開いたままの状態であってもよい。その場合には、純水が供給され続け、オーバフロー用排出口118から排出され続ける。
【0053】
蓋103が閉められると、ステップS2において、SCF供給弁109が開けられ、SCFチャンバ100内へSCF供給ライン108から常圧の二酸化炭素ガスの供給が開始される。また、SCF排出弁112も同時に開けられるので、供給されたガスは、SCF排出口111からSCF排出ライン113を通って排出される。このようにして、SCFチャンバ100内の雰囲気が二酸化炭素ガスでパージされていく。なお、常圧の二酸化炭素ガスの供給は、後述するステップS7の処理まで続される。
【0054】
ステップS3において、SCFチャンバ100には、純水に替えて、液供給ライン104から薬液が供給され、薬液処理が行われる。当該薬液処理は、必要な時間だけ行われる。なお、薬液処理に先立って、純水を取り除く必要がある場合には、排液弁121を開けて、SCFチャンバ100内の純水をダンプ(急激に排液)する。
【0055】
薬液処理が終了すると、次にステップS4において、SCFチャンバ100には、薬液に替えて、液供給ライン104から純水が供給され、純水によるリンス処理が行われる。当該リンス処理は必要な時間だけ行われる。リンス処理が終了すると、液供給弁105が閉じられる。なお、ステップS3と同様に、リンス液を取り除く場合には、排液弁121を開けて、薬液をダンプする。
【0056】
ステップS5において、ウェット処理が必要な回数だけ行われたか判断される。薬液処理を複数回行う必要がある場合には、必要な回数を満たすまで、処理はステップS3へ戻り、繰り返し行われる。必要な回数だけ薬液処理およびリンス処理が行われたと判断された場合には、ウェット処理は終了し、処理はステップS6へ進む。
【0057】
ステップS6において、まず、SCFチャンバ100内の純水をダンプするために、排液弁121が開けられる。なお、すでに排水されている場合には当該処理は省略される。排水が終了すると、再び排液弁121が閉じられる。次に、アルコール供給弁115が開けられて、アルコール供給ライン114からアルコールが供給される。アルコール供給口116から蒸気で供給または液体が噴霧されたアルコールは、ウェハ102の表面に均一に付着する。こうして、ウェハ102の表面に付着する水分をアルコールで置換することができる。最後に、必要量のアルコールが供給されると、アルコール供給弁115が閉じられる。なお、このようなアルコール置換処理が必要ない場合には、本処理を省略することができる。
【0058】
以上の処理が終了すると、ステップS7において、SCF供給ライン108から供給される二酸化炭素ガスの昇温および昇圧が開始される。ここで、SCF供給弁109はもちろん、SCF排出弁112も、昇圧の妨げにならない程度に、または昇圧を助ける程度に開けられる。
【0059】
ステップS8において、液排出弁107およびアルコール排出弁117が開けられ、チャンバ内の圧力によって、液供給ライン104の液供給弁105までの区間やアルコール供給ライン114のアルコール供給弁115までの区間などに残った成分がチャンバ外へ排出される。完全に排出されると、液排出弁107およびアルコール排出弁117も閉じられる。
【0060】
ステップS9において、SCFチャンバ100内に存在する二酸化炭素が前述した臨界点を超えてSCF状態となるまで昇温・昇圧されたか否かが判断される。臨界点を超えて所定の温度・圧力に達した場合には、処理はステップS10へ進む。未だ達していない場合には、処理はステップS7へ戻り、昇温・昇圧が継続される。なお、ライン中に残った成分がチャンバ外へ完全に排出されると、ステップS8の処理は省略される。
【0061】
ステップS10において、SCFチャンバ100内に存在するSCF状態の二酸化炭素により、SCFによる高圧処理が行われる。SCF処理中は、SCF供給弁109およびSCF排出弁112以外の弁は閉じられている。
【0062】
ステップS11において、SCF処理に必要な所定の時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過していない場合には、処理はステップS10へ戻って続行される。所定時間が経過すると、処理はステップS12へ進む。
【0063】
SCF処理が完了すると、ステップS12において、SCF供給弁109が閉められ、SCF排出弁112が開けられて、SCFチャンバ100内に存在するSCFを排出する処理が行われる。そうして、SCFチャンバ100の圧力が常圧まで低下すると、排出処理は終了する。
【0064】
ステップS13において、常圧に戻ったSCFチャンバ100の蓋103を開けて、SCFチャンバ100内からウェット処理で洗浄され、およびSCF処理で乾燥されたウェハ102を取り出す。
【0065】
以上のように、本実施形態に係るSCFチャンバ100は、オーバフロー用排出口118により限界液面122が規定され、SCF供給口110およびSCF排出口111は限界液面122よりも上方に設置されている。したがって、これらの開口部や、SCF供給弁109およびSCF排出弁112が薬液等に浸かることはない。したがって、液の残留が生じやすい複雑な形状をしているこれらの部分が液置換の効率を低下させることもない。その結果、全体のスループットが向上した。
【0066】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係る基板処理用チャンバの概略断面図である。図3において、本SCFチャンバ200は、図1のSCFチャンバ100とほぼ同様の構造を有する。したがって、共通の構成部分には共通の番号を付して、説明を省略する。
【0067】
ただし、本SCFチャンバ200は、図1のSCFチャンバ100とは異なり、側壁に開口された2つのオーバフロー用排出口118およびオーバフロー用開閉弁119が省略されており、液面を検知するための検知器123を備える。具体的には、検知器123は、液面に対して垂直に下ろされて、その下端が液中で開口している細管と、その内部に封じられた気体の圧力を計測する液面レベルセンサとで構成され、液面が限界液面122の高さに達したことを検知する。
【0068】
もちろん、検知器123は、超音波距離測定器やフロートスイッチなどが用いられる場合など、どのような構成であってもよく、限界液面122の高さ付近に設置される必要もない。また、検知器123は、後述するように、検知された液面の高さを制御する制御機能を含んでいてもよい。
【0069】
さらに、本SCFチャンバ200において、図1のSCFチャンバ100とは異なり、液噴出管106は、支持された複数枚のウェハ102に対して上方から均一の量および圧力で薬液や純水を噴出するように、限界液面122付近のSCFチャンバ100側壁に設置される。もっとも、液噴出管106は、ウェハ102に対して上方であれば、どの位置に設置されてもよい。ただし、SCF供給口110およびSCF排出口111に薬液等が付着することのない位置であることが好ましい。
【0070】
図4は、複数枚のウェハを処理するバッチ処理の場合を示し、液噴出管106から各ウェハ102へダウンフローで液を噴出する様子を表した斜視模式図である。図中の矢印は薬液等の流れを表している。図4において、液噴出管106には、複数のウェハ102に対応する1つまたは複数の開口部が設けられている。開口部の形状はスリット状であっても、円孔状であってもよく、その数や大きさ、位置などはどのようなものであってもよい。
【0071】
液噴出管106に薬液等が供給されると、開口部から所定の量および圧力で薬液等が噴出し、下方に設置されたウェハ102へ降りかかる。このようなダウンフローによれば、ウェハ表面における処理液の流れを容易かつ効果的に均一化することができる。したがって、以上のような構成は、基板表面の流れ制御が重要である複数基板のウェット処理に適しているといえる。
【0072】
次に、検知器123の動作について、前述した図2を参照しつつ、説明する。
本SCFチャンバ200を用いたウェット処理およびSCF処理の基本的な流れは、図2に示された第1の実施形態における場合と同様である。ただし、図2のステップS1において、液供給弁105が開いたままの状態である場合には、純水が供給され続けるが、純水が限界液面122に達したことを検知器123が検知した場合には、排液弁121が開かれて、純水の液面が限界液面122と同じ高さになるように制御される。当該制御は、制御機能を含む検知器123が行ってもよいし、図示されない制御部が行ってもよい。
【0073】
また、ステップS3の薬液処理およびステップS4のリンス処理においても同様に、薬液または純水が限界液面122に達したことを検知器123が検知した場合には、排液弁121が開かれたり、液供給弁105が閉じられたりして、薬液または純水の液面が限界液面122と同じ高さになるように制御される。このようにして、薬液または純水の可動範囲ないし占有空間が限定されることになる。
【0074】
以上のように、本SCFチャンバ200には、検知器123が用いられて、薬液または純水が限界液面122と同じ高さになるように制御する構成および動作により、任意の高さに容易に制御することができると共に、オーバフロー用排出口118およびオーバフロー用開閉弁119を省略して、さらに側壁の形状をシンプルにすることができる。したがって、液置換の効率を高めて、全体の処理効率ないしスループットを上げることができる。
【0075】
<第3の実施形態>
図5は、第3の実施形態に係る基板処理用チャンバの概略断面図である。図5において、本SCFチャンバ300は、図1のSCFチャンバ100とほぼ同様の構造を有する。したがって、共通の構成部分には共通の番号を付して、説明を省略する。
【0076】
ただし、本SCFチャンバ300は、図1のSCFチャンバ100とは異なり、液供給ライン104および液供給弁105に替えて、SCFチャンバ300の底面付近に液供給ライン125および液供給弁126を備える。図5に示されるように、SCFチャンバ300の底面にはダンプ用の開口部が設けられているが、当該開口部と液排出ライン120に接続する排液弁121との間に、液供給ライン125が接続され、液供給弁126が設けられる。したがって、液はSCFチャンバ300の底面から上方に向かって供給される。
【0077】
次に、本SCFチャンバ300は、図1のSCFチャンバ100と異なり、液出管106および液排出弁107が省略され、新たに整流板124を備える。整流板124は、上記ダンプ用の開口部上方に被さるように設けられ、下方から供給される液の流れを上方へ向かって整流する。
【0078】
典型的には、整流板124は、複数の開口部が開けられたパンチング板であるが、液を整流してウェハ102表面の流れを制御することができるものであれば、フィンや立体的な構造物であってもよく、その形状は限定されない。
【0079】
なお、本SCFチャンバ300を用いたウェット処理およびSCF処理の流れは、第1の実施形態に係るSCFチャンバ100の場合とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0080】
以上のように、本SCFチャンバ300は、図1のSCFチャンバ100から液噴出管106および液排出弁107を省略して、さらに側壁の形状をシンプルにすることができる。また、図1のSCFチャンバ100や図3のSCFチャンバ200とは異なって、本SCFチャンバ300では、その底面に設けられるダンプ用の開口部を介して薬液等が出入りする。したがって、開口部周辺の液置換が十分に行われる。以上のような構成によって、本SCFチャンバ300は、液置換の効率を高めて、全体の処理効率ないしスループットを上げることができる。
【0081】
<第4の実施形態>
図6は、第4の実施形態に係る基板処理用チャンバの概略断面図である。図6において、本SCFチャンバ400は、図1のSCFチャンバ100と一部分の構造を共通にする。したがって、共通の構成部分には共通の番号を付して、説明を省略する。
【0082】
ただし、本SCFチャンバ400は、図1のSCFチャンバ100とは異なり、新たにウェット処理用内槽127と、オーバフロー用排出路130と、ウェハ102を昇降するための本発明の基板移動手段としてのエレベータ129とを備え、図1のウェハ保持部101に替えて、エレベータ129に接続されたウェハ保持部128を備える。
【0083】
ウェット処理用内槽127は、その内部に薬液または純水が供給される。供給された薬液等の液面が限界液面122を越えると、溢れ出した薬液等は、ウェット処理用内槽127の側面ないし周囲に隣設されたオーバフロー用排出路130を通って、外部へ排出される。したがって、ウェット処理用内槽127の内部であって、限界液面122を超えない所定の空間内に、薬液等の可動範囲ないし占有空間が限定されることになる。
【0084】
なお、図6において、液供給ライン104、液供給弁105、液噴出管106、および液排出弁107は図示されていないが、第1または第2の実施形態における場合と同様に、本SCFチャンバ400にも備えられているものとする。例えば、液噴出管106は、複数枚のウェハ102に対して均一の量および圧力で薬液や純水を噴出するように、ウェハ102の配列方向と平行に、ウェット処理用内槽127内部の底部付近または限界液面122付近に設置される。
【0085】
また、第2の実施形態における場合と同様に、オーバフロー用排出路130およびオーバフロー用開閉弁119が省略されて、検知器123が備えられてもよい。さらに、第3の実施形態における場合と同様に、液噴出管106および液排出弁107が省略され、新たに整流板124が備えられてもよい。
【0086】
ところで、図6において、SCF供給口110およびSCF排出口111は、SCFチャンバ400の側壁上方に開口されている。しかし、これらの開口部は、薬液等に触れない限り、ウェット処理用内槽127およびオーバフロー用排出路130以外のどの位置に設けられてもよい。したがって、これらの開口部は、液の可動範囲ないし限定空間の外であれば、限界液面122より下に設けられてもよい。例えば、これらの開口部は、SCFチャンバ400の底面や底面付近の側面に設けられてもよい。以上は、アルコール供給口116の開口位置についても同様である。
【0087】
次に、エレベータ129の動作について、前述した図2を参照しつつ、説明する。本SCFチャンバ400を用いたウェット処理およびSCF処理の基本的な流れは、図2に示された第1の実施形態における場合と同様である。
【0088】
もっとも、図2のステップS1において、蓋103が開けられて、ウェハ102が投入される際、エレベータ129は、ウェハ保持部128を限界液面122より上へ持ち上げておく。典型的には、エレベータ129は、SCFチャンバ400の外部へ露出するまでウェハ保持部128を持ち上げておく。ウェハ保持部128がウェハ102を支持すると、ウェハ102は、純水が満たされたウェット処理用内槽127へエレベータ129によって静かに下ろされていく。
【0089】
また、ステップS3〜S6において、薬液または純水をダンプする場合には、排液弁121が開けられる前に、ウェハ102は、エレベータ129によってウェット処理用内槽127から限界液面122よりも上に静かに引き上げられる。このように、ウェハ102は、エレベータ129によって所定の速度で薬液または純水から静かに引き出されるので、リンス処理時に純水はウェハ102の表面のみの残留付着範囲が限られる。その結果、後工程でアルコール置換を行う際にアルコールの必要量が削減される。
【0090】
さらに、ステップS13において、常圧に戻ったSCFチャンバ400内から処理が完了したウェハ102を取り出す際に、エレベータ129は、SCFチャンバ400の外部へ露出するまでウェハ保持部128を上へ持ち上げる。そうすれば、ウェハ102を取り出して、次の工程のために搬出する作業を容易にすることができる。
【0091】
以上のように、本SCFチャンバ400は、エレベータ129を備えることによって、ウェハ102の出し入れを容易にすることができるとともに、ウェハ102に対するアルコール消費量が低減できる。また、ウェット処理用内槽127を備えることによって、第1ないし第3の実施形態における場合よりも、処理に必要な薬液等の量を少なくすることができるので、環境汚染に対する配慮が少なくて済み、廃液処理コストを低く抑えることができる。
【0092】
<第5の実施形態>
図7は、第1ないし第4の実施形態に係るSCFチャンバを複数個備えた基板処理装置のレイアウトを例示した模式図である。図7において、基板処理装置1000は、ローダ・アンローダ部1700と、第1ないし第3のSCFチャンバ1301〜1303より構成される処理部と、基板搬送ユニット1400とを備える。
【0093】
ローダ・アンローダ部1700の符号1100は、カセット載置部で、処理前にウェハを複数枚収容して搬入されてきたカセットを載置しておくローダ部と、処理を終えたウェハを収容したカセットが載置され、そのカセットの搬出が行われるアンローダ部とを含む。そして、カセットからウェハを処理部へ搬入・搬出する搬送ロボット1200とでローダ・アンローダ部1700を構成している。
【0094】
処理部の第1ないし第3のSCFチャンバ1301〜1303は、第1ないし第4の実施形態に係るどのようなSCFチャンバであってもよい。また、基板処理装置1000は、3つのSCFチャンバを含むように構成したが、その数はいくつであってもよい。
【0095】
基板搬送ユニット1400は、第1ないし第3のSCFチャンバ1301〜1303と搬送ロボット1200との間で、処理部内を移動することで基板の搬送を行うロボットで構成される。搬送ロボット1200は、基板搬送ユニット1400とカセット載置部1100との間で基板移動を行うロボットである。
【0096】
搬送ロボット1200は、ローダ部に装置外部から基板が到着したときには、それを受け取って、受け渡し位置1500で待つ基板搬送ユニット1400に当該基板を渡す。また、基板搬送ユニット1400が処理を終えた基板を運んできたときには、搬送ロボット1200は、受け渡し位置1500で当該基板を受け取って、所定のアンローダ部へ載置する。
【0097】
以上のように、本基板処理装置によれば、複数のSCFチャンバを用いて基板を効率よく処理することができるので、全体の処理効率ないしスループットを上げることができる。
【0098】
なお、本発明は、上述した実施例および変形例に限定されるものではなく、以下のように他の形態でも実施することができる。
【0099】
(1)上記実施形態において、ウェハ10は複数枚で説明しているが、一枚であってもよく、さらには基板以外の被洗浄物であってもよい。
【0100】
(2)上記実施形態では、高圧処理流体として二酸化炭素を用いた場合を説明するが、その他、亜酸化窒素、アルコール、エタノール、水等の超臨界流体の状態へ変化できる物質であってもよい。
【0101】
(3)上記実施形態では、SCF処理は基板の乾燥処理を行っているが、SCFによる高圧処理として洗浄処理、または洗浄処理と乾燥処理を行うものであってもよい。さらに、SCFで現像処理を行った後に、ウェット処理を行うものであってもよい。
【0102】
(4)また、供給される高圧処理流体は、高圧流体と所定の薬剤との混合物を使用してもよい。すなわち、SCFチャンバ100内へ供給されるSCFには、必要に応じて助剤や相溶化剤が混合されてもよい。この、薬剤の種類や数は、対象基板や洗浄目的等に基づいて自由に設定することができる。
【0103】
ここで助剤と相溶化剤について説明する。
前述のような超臨界流体洗浄法においては、所望の洗浄効果を得るために、被洗浄物および洗浄対象である汚れに応じた薬剤等(以下、助剤と称する)をSCFに混合して用いる。例えば、二酸化炭素流体はヘキサン程度の溶解力を有しているため、基板表面の水分や油脂分等の除去は容易に行えるが、レジストやエッチングポリマー等の高分子汚染物質に対する溶解力は不十分であって、二酸化炭素単独でこれらの汚染物質を剥離・除去することは難しい。このため、二酸化炭素にさらに薬剤を添加して、高分子汚染物質を剥離・除去する。
【0104】
この添加する薬剤を助剤と称するが、助剤としては、洗浄成分に塩基性化合物を用いることが好ましい。レジストを多用される高分子物質を加水分解する作用があり、洗浄効果が高いためである。塩基性化合物の具体例としては、第四級アンモニア水酸化物、第四級アンモニアフッ化物、アルキルアミン、アルカノールアミン、ヒドロキシルアミン(NH2 OH)およびフッ化アンモニウム(NH2 F)よりなる群から選択される1種以上の化合物が挙げられる。また、エッチング処理に使用する場合、SCFにアミン、フッ化アンモン等のレジスト剥離液を助剤として混合させている。
【0105】
そして、乾燥や現像の場合は、乾燥または現像すべきレジストの性質に応じて、キシレン、メチルイソブチルケトン、第4級アンモニウム化合物、フッ素系ポリマー等を薬剤とすればよい。
【0106】
上記塩基性化合物等の洗浄成分が高圧流体に非相溶である場合には、この洗浄成分を二酸化炭素に溶解もしくは均一分散させる助剤となり得る相溶化剤を薬液として用いることが好ましい。相溶化剤としては、洗浄成分を高圧流体と相溶化させることができれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシドが好ましいものとして挙げられる。
【0107】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る高圧処理流体を用いた基板処理用チャンバの概略断面図である。
【図2】SCFチャンバ100を用いたウェット処理およびSCF処理の流れを示したフローチャートである。
【図3】第2の実施形態に係る高圧処理流体を用いた基板処理用チャンバの概略断面図である。
【図4】液噴出管106から各ウェハ102へダウンフローで液を噴出する様子を表した斜視模式図である。
【図5】第3の実施形態に係る高圧処理流体を用いた基板処理用チャンバの概略断面図である。
【図6】第4の実施形態に係る高圧処理流体を用いた基板処理用チャンバの概略断面図である。
【図7】第1ないし第4の実施形態に係るSCFチャンバを複数個備えた基板処理装置のレイアウトを例示した模式図である。
【図8】超臨界流体として用いられる二酸化炭素の相平衡図を示したグラフである。
【図9】ウェット処理および超臨界流体処理を1つのチャンバのみで行う従来例に係る基板処理チャンバの概略断面図である。
【符号の説明】
100 SCFチャンバ
101 ウェハ保持部
102 ウェハ
103 蓋
104 液供給ライン
105 液供給弁
106 液噴出管
107 液排出弁
108 SCF供給ライン
109 SCF供給弁
110 SCF供給口
111 SCF排出口
112 SCF排出弁
113 SCF排出ライン
114 アルコール供給ライン
115 アルコール供給弁
116 アルコール供給口
117 アルコール排出弁
118 オーバフロー用排出口
119 オーバフロー用開閉弁
120 液排出ライン
121 排液弁
122 限界液面
123 検知器
124 整流板
125 液供給ライン
126 液供給弁
127 ウェット処理用内槽
128 ウェハ保持部
129 エレベータ
130 オーバフロー用排出路
200〜400 SCFチャンバ
1000 基板処理装置
1100 カセット載置部
1200 搬送ロボット
1301 第1のSCFチャンバ
1302 第2のSCFチャンバ
1303 第3のSCFチャンバ
1400 基板搬送ユニット
1500 受け渡し位置
1700 ローダ・アンローダ部

Claims (8)

  1. 基板に対して所定の液体によるウェット処理と、所定の処理流体による高圧処理を行う基板処理チャンバであって、
    基板を内部で支持する基板保持手段を有する筐体と、
    前記液体を前記筐体内へ供給する液供給手段と、
    前記液体を前記筐体外へ排出する液排出手段と、
    前記筐体の所定位置に開口された処理流体供給口を介して、前記高圧処理の際に高圧の記処理流体を前記筐体内へ供給する処理流体供給手段と、
    前記筐体の所定位置に開口された処理流体排出口を介して、前記高圧処理の際に高圧の記処理流体を前記筐体外へ排出する処理流体排出手段と、
    前記筐体内において前記液体が占有する空間を所定の範囲内に限定する液体限定手段とを備え、
    記処理流体供給口および前記処理流体排出口は、限定された前記範囲外の所定位置に開口され
    前記ウェット処理の間、前記処理流体供給手段が前記処理流体供給口を介して常圧の前記処理流体を前記筐体内へ供給し、前記処理流体排出手段が前記処理流体排出口を介して前記筐体内の気体を排出することによって、前記常圧の処理流体が前記筐体内にパージされることを特徴とする、基板処理チャンバ。
  2. 前記液体限定手段は、所定の限界液面高を超えて溢れた前記液体を前記筐体外へ排出するオーバフロー手段を含む、請求項1に記載の基板処理チャンバ。
  3. 前記液体限定手段は、前記液体の液面を検知して所定の限界液面高を超えないように、前記液供給手段が供給する液体量および前記液排出手段が排出する液体量の一方または双方を制御する液面検知制御手段を含む、請求項1に記載の基板処理チャンバ。
  4. 前記液供給手段は、前記基板の上方に設置されて、前記基板に対してダウンフローで液を供給するダウンフロー手段を含む、請求項1または請求項3に記載の基板処理チャンバ。
  5. 前記液体供給手段は、前記筐体内に設けられて、前記液体をその内部に収容するウェット処理用内槽を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理チャンバ。
  6. 前記限定された前記範囲外の所定位置から限定された前記範囲内の所定位置までの間で、前記基板保持手段を移動させる基板移動手段をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板処理チャンバ。
  7. 前記筐体に開口されたアルコール供給口を介して、前記筐体内へアルコールを供給するアルコール供給手段をさらに備え、
    前記アルコール供給口は、限定された前記範囲外の所定位置に開口されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理チャンバ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の基板処理チャンバと、
    前記基板処理チャンバにおける処理前および処理済みの複数の基板を載置し、搬入出が行われるローダ・アンローダ部と、
    前記ローダ・アンローダ部から処理前の前記基板を前記基板処理チャンバへ搬送し、処理済みの前記基板を前記基板処理チャンバから前記ローダ・アンローダ部へ搬送する基板搬送部とを備える、基板処理装置。
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