以下、本発明の第1の実施形態である補助熱源併用太陽温水器1について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である補助熱源併用太陽温水器1のブロック図であり、図2は、混合装置10近傍の斜視図であり、図3は、図2に示すA−A線矢視方向の断面図であり、図4は、図2に示すB−B線矢視方向の断面図である。なお、図1に示すように、第1の実施形態である補助熱源併用太陽温水器1は、第1混合水栓7および第2混合水栓8で構成された混合装置10を備えることにより、太陽温水器3で生成された温水(以下、ソーラー水と呼ぶ)を最大限に活用して、補助熱源併用太陽温水器1に必要なエネルギーの節約を可能とするものである。
はじめに、補助熱源併用太陽温水器1の概略構成について説明する。図1に示すように、補助熱源併用太陽温水器1は、水道栓12、当該水道栓12に水道水配管15を介して、接続され、太陽光の熱を利用してソーラー水を生成する太陽温水器3、当該太陽温水器3の下流側に接続され、ソーラー水が通過するソーラー水配管18、当該ソーラー水配管18の下流側一端部に接続され、ソーラー水を貯留する貯留タンク4、当該貯留タンク4内に設けられ、タンク内のソーラー水を加熱して熱水に変換する加熱ヒータ5、貯留タンク4の下流側に接続され、タンク内の熱水が通過する熱水配管20、当該熱水配管20の下流側一端部と、ソーラー水配管18から分岐するソーラー水配管19の下流側一端部とに接続され、設定温度に基づいて、熱水およびソーラー水の混合割合を調整して一次混合水を生成する第1混合水栓7、当該第1混合水栓7の下流側に接続され、一次混合水が通過する混合水配管21、当該混合水配管21の下流側一端部と、水道水配管15から分岐する水道水配管16の下流側一端部とに接続され、設定温度に基づいて、一次混合水および水道水の混合割合を調整して、設定温度に調整された二次混合水を生成する第2混合水栓8、当該第2混合水栓8の下流側に接続され、二次混合水を適温水として外部に供給する蛇口13から構成されている。そして、蛇口13の下方には、浴槽14が配設されている。なお、第1混合水栓7と、第2混合水栓8とは、混合装置10を構成している。
なお、貯留タンク4内に設けられた加熱ヒータ5は、電気(又はガス)で稼働する熱源装置であり、一般的な電気(ガス)温水器に適用されるものである。そして、加熱ヒータ5は、太陽温水器3の補助熱源として設けられ、貯留タンク4内に貯留されたソーラー水を、約70℃まで加熱して熱水に変換する。よって、貯留タンク4内には、常時約70℃の熱水が貯留している。なお、熱水の設定温度は、70℃に限らず変更可能である。
次に、本発明の特徴である混合装置10について説明する。図2に示すように、混合装置10は、第1混合水栓7と、第2混合水栓8とで構成され、混合水配管21を介して互いに上下に連結している。そして、第1混合水栓7では、太陽温水器3から供給されるソーラー水と、貯留タンク4内の熱水とを混合して一次混合水を生成する。また、第2混合水栓8では、第1混合水栓7から供給される一次混合水と、水道栓12(図1参照)から供給される水道水とを混合して二次混合水を生成する。以下、第1混合水栓7および第2混合水栓8の構造について各々説明する。なお、図2の右側を、第1混合水栓7(第2混合水栓8)の右側とし、図2の左側を、第1混合水栓7(第2混合水栓8)の左側とする。図3および図4もそれに準ずる。
まず、第1混合水栓7の構造について、図2および図3を参照して説明する。図2に示すように、第1混合水栓7は、略水平方向に延設され、略円柱状に形成された水栓本体部30と、当該水栓本体部30の軸線方向右側一端部に設けられ、温度設定可能な有底円筒形状の温度設定ダイヤル31と、水栓本体部30の外側面上部の温度設定ダイヤル31の近傍に突設され、ソーラー水が入水するソーラー水入水口34と、水栓本体部30の外側面上部の左側端部近傍に突設され、熱水が入水する熱水入水口33と、水栓本体部30の外側面下部の左側端部近傍で、熱水入水口33とは反対の位置に突設され、一次混合水が出水する混合水出水口35とから構成されている。
ここで、図2に示すように、温度設定ダイヤル31は、水栓本体部30の軸線方向の右側一端部を覆うようにして、水栓本体部30と同軸上に設けられている。そして、温度設定ダイヤル31の外周面幅方向の水栓本体部30側の一端部近傍には、湯温の目盛り31aが所定温度毎に刻まれている。また、図3に示すように、温度設定ダイヤル31の内側の底面の略中心部には、平面視略リング状の変位桿嵌合部32が突設され、その変位桿嵌合部32の内側には、略棒状の変位桿48の一端部が嵌合している。また、変位桿48の長手方向の中央部近傍の外周面には、送りネジ部49が形成されている。なお、この送りネジ部49のネジのピッチ幅は狭く形成されている。これは、第1混合水栓7には、高温の熱水が通過するため、後述する感熱樹脂43の膨張により、連結桿44を介して変位桿48が右側に強く押圧され、変位桿48が右側に回転しながら移動してしまうのを防止するためであり、所謂、セルフロック構造を形成している。
次に、水栓本体部30の内側の構造について説明する。図3に示すように、水栓本体部30の軸線方向右側一端部近傍には、底の厚い椀型の空洞である変位調整室55が設けられ、水栓本体部30の中央の内部には、略円柱状の空洞であるシリンダ調節室56が設けられ、水栓本体部30の軸線方向左側一端部近傍の内部には、略円柱状の空洞である混合室57が設けられている。そして、変位調整室55とシリンダ調節室56とを仕切る壁の中央には、挿通口51が設けられ、シリンダ調節室56と混合室57とを仕切る壁の中央には、挿通口53が設けられている。そして、挿通口53の内側面の、シリンダ調節室56側の端の角部には、後述する圧縮バネ42が係合する係合段部53aが設けられている。また、水栓本体部30の軸線方向右側一端部の側面の略中央には、温度設定ダイヤル31の変位桿48が、外側から挿入する挿入穴54が設けられ、その挿入穴54の内側面には、変位桿48の送りネジ部49が係合可能な雌ねじが形成されている。
さらに、熱水入水口33の内側には、水栓本体部30の径方向内側にやや延設され、熱水が通過する熱水入水路33aが形成されている。そして、その熱水入水路33aの下流側一端部近傍より、水栓本体部30の右側に向かって熱水入水路33bが略水平に延設されている。さらに、この熱水入水路33bの下流側一端部は、水栓本体部30の径方向内側に向かって折り返され、入水穴45を介してシリンダ調節室56に導通している。また、ソーラー水入水口34の内側には、水栓本体部30の径方向内側に延設され、ソーラー水が通過するソーラー水入水路34aが形成されている。そして、ソーラー水入水路34aの下流側一端部は、入水穴46を介してシリンダ調節室56に導通している。一方、混合水出水口35には、水栓本体部30の径方向内側に延設され、一次混合水が通過する混合水出水路35aが形成されている。そして、混合水出水路35aの上流側一端部は、入水穴47を介して混合室57に導通している。
そして、シリンダ調節室56には、略円筒状のシリンダ弁40が収納されている。このシリンダ弁40は、シリンダ弁40の位置を調整保持するシリンダ弁調整管40aを、自身の軸線上に備えている。さらに、このシリンダ弁調整管40aの長手方向右側一端部は、シリンダ弁40の開口する右側側面から突出して延設され、その先端部は挿通口51に隙間なく挿入されている。一方、シリンダ弁調整管40aの長手方向左側他端部も、シリンダ弁40の開口する左側側面から突出し、挿通口53の略中央に挿入されている。また、シリンダ弁調整管40aは、自身の長手方向右側一端部側は開口され、その反対の他端部側は閉塞されている。そして、その管の閉塞側には、温度による膨張係数が大きい略棒状の感熱樹脂43が隙間なく埋め込まれ、そのシリンダ弁調整管40aの左側他端部には、周囲の湯温を感知する感熱部41が設けられている。さらに、シリンダ弁調整管40aの感熱樹脂43が埋め込まれた管内には、略棒状の連結桿44の長手方向一端部が嵌め込まれている。そして、連結桿44の該一端部とは反対の他端部は、シリンダ弁調整管40aの先端部から突出して延設され、温度設定ダイヤル31の裏面から突出する変位桿48の先端部と接触している。
また、シリンダ弁40の内周面と、シリンダ弁調整管40aの外周面との隙間には、ソーラー水が通過するシリンダ通路50が形成されている。そして、シリンダ通路50は、ソーラー水入水路34aとつながっている。また、シリンダ弁調整管40aの長手方向中間部近傍の外周面には、右側が高くなった係合段部40bが形成されている。そして、この係合段部40bと、係合段部53aとの間に圧縮バネ42が係合している。したがって、この圧縮バネ42によって、シリンダ弁40は、水栓本体部30の右側に向かって常に付勢され、付勢されたシリンダ弁40から突出する連結桿44の先端部が、変位桿48の先端部と接触することにより、シリンダ調節室56内におけるシリンダ弁40の位置が決定されるようになっている。
そして、図2に示すように、上記構成からなる第1混合水栓7において、熱水入水口33には、接続部材20aを介して、熱水配管20の下流側一端部が接続され、ソーラー水入水口34には、接続部材19aを介して、ソーラー水配管19の下流側一端部が接続され、混合水出水口35には、接続部材21bを介して、混合水配管21の上流側一端部が接続される。
次に、第2混合水栓8の構造について、図2および図4を参照して説明する。図2に示すように、第2混合水栓8は、第1混合水栓7(図3参照)と左右反対の構造となっている。図2および図4に示すように、第2混合水栓8は、略水平方向に延設され、略円柱状に形成された水栓本体部60と、当該水栓本体部60の軸線方向左側一端部に設けられ、温度設定可能な有底円筒形状の温度設定ダイヤル61と、水栓本体部60の外側面上部の温度設定ダイヤル61の近傍に突設され、水道水が入水する水道水入水口64と、水栓本体部60の外側面上部の右側端部近傍に突設され、一次混合水が入水する混合水入水口63と、水栓本体部60の外側面下部の右側端部近傍であって、混合水入水口63とは反対の位置に突設され、一次混合水が出水する混合水出水口65(図4参照)とから構成されている。
ここで、図2に示すように、温度設定ダイヤル61は、水栓本体部60の軸線方向の左側一端部を覆うようにして、水栓本体部60と同軸上に設けられている。そして、温度設定ダイヤル61の外周面幅方向の水栓本体部60側の一端部近傍には、湯温の目盛り61aが所定温度毎に刻まれている。また、図4に示すように、温度設定ダイヤル61の内側底面の略中心部には、リング状の変位桿嵌合部62が突設され、その変位桿嵌合部62の内側には、略棒状の変位桿78の一端部が嵌合している。また、変位桿78の長手方向の中央部近傍の外周面には、送りネジ部79が形成されている。なお、変位桿78の送りネジ部79のネジ山の数は、第1の混合水栓7の変位桿48の送りネジ部49(図3参照)のネジ山の数より少なくなっている。
次に、水栓本体部60の内側の構造について説明する。図4に示すように、水栓本体部60の軸線方向左側一端部近傍の内部には、底の厚い椀型の空洞である変位調整室85が設けられ、水栓本体部60の中央の内部には、略円柱状の空洞であるシリンダ調節室86が設けられ、水栓本体部60の軸線方向右側一端部近傍の内部には、略円柱状の空洞である混合室87が設けられている。そして、変位調整室85とシリンダ調節室86とを仕切る壁の中央には、挿通口81が設けられ、シリンダ調節室86と混合室87とを仕切る壁の中央には、挿通口83が設けられている。そして、挿通口83の内側面の、シリンダ調節室86側の端の角部には、後述する圧縮バネ72が係合する係合段部83aが設けられている。また、水栓本体部60の軸線方向左側一端部の側面の略中央には、変位調整室85と挿通し、温度設定ダイヤル61の変位桿78が挿入する挿入穴69が設けられ、その挿入穴69の内側面には、変位桿78の送りネジ部79が係合可能な雌ねじが形成されている。
さらに、混合水入水口63には、水栓本体部60の径方向内側にやや延設され、一次混合水が通過する混合水入水路63aが形成されている。そして、その混合水入水路63aの下流側端部近傍より、水栓本体部60の左側に向かって略水平に延設された混合水入水路63bが形成されている。そして、混合水入水路63bの下流側先端部は、水栓本体部60の径方向内側に向かって折り返され、入水穴75を介してシリンダ調節室86に導通している。また、水道水入水口64には、水栓本体部60の径方向内側に延設され、水道水が通過する水道水入水路64aが形成されている。そして、水道水入水路64aは、入水穴76を介してシリンダ調節室86に導通している。一方、混合水出水口65には、水栓本体部60の径方向内側に延設され、二次混合水が通過する混合水出水路65aが形成されている。そして、混合水出水路65aの上流側端部は、入水穴77を介して混合室87に導通している。
また、シリンダ調節室86には、略円筒状のシリンダ弁70が収納されている。このシリンダ弁70は、シリンダ弁70の位置を調整保持するシリンダ弁調整管70aを、自身の軸線上に備えている。さらに、このシリンダ弁調整管70aの長手方向左側一端部は、シリンダ弁70の開口する左側側面の略中央から突出して延設され、その先端部は挿通口81に隙間なく挿入されている。一方、シリンダ弁調整管70aの長手方向右側他端部も、シリンダ弁70の開口する右側側面の略中央から突出し、挿通口83の略中央に挿入されている。また、シリンダ弁調整管70aは、自身の長手方向左側一端部側は開口され、その反対の他端部側は閉塞されている。そして、その管の閉塞側には、温度による膨張係数が大きい略棒状の感熱樹脂73が隙間なく埋め込まれ、そのシリンダ弁調整管70aの右側他端部には、周囲の湯温を感知する感熱部71が設けられている。さらに、シリンダ弁調整管70aの感熱樹脂73が埋め込まれた管内には、略棒状の連結桿74の長手方向一端部が嵌め込まれている。そして、連結桿74の該一端部とは反対の他端部は、シリンダ弁調整管70aの先端部から突出して延設され、温度設定ダイヤル61の裏面から突出する変位桿78の先端部と接触している。
さらに、シリンダ弁70の内周面と、シリンダ弁調整管70aの外周面との隙間には、水道水が通過するシリンダ通路80が形成されている。そして、シリンダ通路80は、水道水入水路64aとつながっている。また、シリンダ弁調整管70aの長手方向中間部近傍の外周面には、左側が高くなった係合段部70bが形成されている。そして、この係合段部70bと、係合段部83aとの間には、圧縮バネ72が係合して配設されている。したがって、この圧縮バネ72によって、シリンダ弁70は、水栓本体部60の左側に向かって常に付勢され、付勢されたシリンダ弁70から突出する連結桿74の先端部が、変位桿78の先端部に接触することにより、シリンダ調節室86内におけるシリンダ弁70の位置が決定されるようになっている。
そして、図2に示すように、上記構成からなる第2混合水栓8において、混合水入水口63には、接続部材21aを介して、混合水配管21の下流側一端部が接続され、水道水入水口64には、接続部材16aを介して、水道水配管16の下流側一端部が接続され、混合水出水口65(図4参照)には、蛇口13が接続される。なお、蛇口13は、混合水出水口65(図4参照)に接続される接続部材13dと、当該接続部材13dに設けられ、流量を調整する流量バルブ13cと、接続部材13dの下流側に接続され、二次混合水が流れる湯配管13bと、当該湯配管13bの下流側先端部に設けられ、湯を外部に供給する供給口13aとから構成されている。
次に、上記構成からなる混合装置10の動作について説明する。例えば、図1に示す浴槽14に供給する湯の温度を42℃に設定する場合、以下の動作がおこなわれる。はじめに、図2に示す第1混合水栓7の温度設定ダイヤル31を回転させて、湯温を42℃に設定する。一方、第2混合水栓8の温度設定ダイヤル61も回転させて、同じく42℃に設定する。このとき、図3に示すように、第1混合水栓7では、温度設定ダイヤル31の回転によって、変位桿48が挿入穴54にねじ込まれる。そして、この回転量が変位量となり、変位桿48の位置を、水栓本体部30の左側方向に変位させる。そして、この変位量は、圧縮バネ42で押圧されたシリンダ弁40の連結桿44を介して、シリンダ弁40の位置を左側方向に変位させる。すると、熱水入水路33bの入水穴45およびソーラー水入水路34aの入水穴46が、シリンダ弁40の外側面によって、開放又は閉塞される。よって、シリンダ弁40の変位量が、入水穴45および入水穴46の開口面積の比率を決定するようになっている。
また、これらの開口面積の比率は、シリンダ弁40の変位量により、互いに反比例するように設定され、入水穴45から流入する熱水の量と、入水穴46から流入するソーラー水の量とが決定される。そして、ソーラー水は、ソーラー水入水路34a、シリンダ調節室56、シリンダ通路50を通過して混合室57に流入し、熱水は、熱水入水路33a、33b、シリンダ調節室56を通過して混合室57に流入し、互いに混合されることにより、一次混合水が生成される。また、混合室57で混合された一次混合水の湯温は、シリンダ弁調整管40aの感熱部41に伝わる。そして、感熱部41に伝わった温度は、熱膨張係数の大きな感熱樹脂43に伝わるため、その湯温によって感熱樹脂43が膨張又は収縮する。したがって、感熱樹脂43の体積変化は、連結桿44を基準に、シリンダ弁40を温度補正する方向に動かす。
ここで、例えば、太陽温水器3のソーラー水の温度が10℃と低く、温度設定ダイヤル31で設定した42℃より低い場合、第1の混合水栓7の感熱樹脂43は収縮するので、シリンダ弁40は、水栓本体部30の右側に移動する。そのため、ソーラー水入水路34aの入水穴46の開口面積が縮小され、熱水入水路33bの入水穴45の開口面積は拡大するので、ソーラー水の量が減り、熱水の量が増える。すると、混合室57には、42℃の一次混合水が生成されるので、混合水出水口35からは、設定温度と同じ42℃に調整された一次混合水が吐出する。
また、それとは逆に、太陽温水器3のソーラー水の温度が80℃と高く、温度設定ダイヤル31で設定した42℃より高い場合、第1の混合水栓7の感熱樹脂43は膨張するので、シリンダ弁40は、水栓本体部30の左側に移動する。そのため、ソーラー水入水路34aの入水穴46の開口面積が拡大され、熱水入水路33bの入水穴45の開口面積は縮小するので、ソーラー水の量が増え、熱水の量が減少する。すると、混合室57には、42℃よりも高い温度の一次混合水が生成されるので、混合水出水口35からは、42℃よりも高い温度の一次混合水が吐出する。このとき、貯留タンク4内に貯留する熱水は、ほとんど使用されず、設定温度よりも高い温度のソーラー水を、第2混合水栓8でそのまま使用することができるため、加熱ヒータ5の電力量(又はガスの消費量)を大幅に節約することができる。
次に、一次混合水が設定温度(42℃)に調整された場合における、第2混合水栓8での動作について説明する。第1混合水栓7の混合水出水口35から吐出された一次混合水は、混合水配管21(図2参照)を通過して、第2混合水栓8の混合水入水口63に流入する。一方、水道水入水口64には、水道栓12の水道水配管16(図2参照)から水道水が流入する。そして、第2混合水栓8では、上記説明した第1混合水栓7での処理と同じ処理がおこなわれる。
図4に示すように、第2混合水栓8でも、温度設定ダイヤル61の回転量が、変位量となって変位桿78の位置を、水栓本体部60の右側方向に変位させる。そして、この変位量は、圧縮バネ72で押圧されたシリンダ弁70に結合された連結桿74を介して、シリンダ弁70の位置を右側方向に変位させる。すると、混合水入水路63bの入水穴75および水道水入水路64aの入水穴76が、シリンダ弁70の外側面によって閉塞され、シリンダ弁70の変位量が、入水穴75および入水穴76の開口面積の比率を決定する。また、これらの開口面積の比率も、シリンダ弁70の変位量により反比例するように設定されている。よって、入水穴75から流入する一次混合水の量と、入水穴76から流入する水道水の量とが決定される。そして、水道水は、水道水入水路64a、シリンダ調節室86、シリンダ通路80を通過して混合室87に流入し、一次混合水は、混合水入水路63a、63b、シリンダ調節室86を通過して混合室87に流入し、互いに混合されることにより、二次混合水が生成される。
また、一次混合水および水道水は、混合室87に流入して混合され、混合室87に混合された二次混合水の湯温は、シリンダ弁調整管70aの感熱部71に伝わる。感熱部71に伝わった温度は、熱膨張係数の大きな感熱樹脂73に伝わるため、感熱樹脂73が膨張又は収縮する。そして、感熱樹脂73の体積変化は、連結桿74を基準に、シリンダ弁70を温度補正する方向に動かす。なお、第2混合水栓8に流入した一次混合水は、第1混合水栓7で、設定温度(42℃)に調整されている。そのため、シリンダ弁70の外側面は、入水穴76を閉塞する方向に移動し、混合室87には、水道水はほとんど流入せずに、一次混合水のみがそのまま流入する。そして、混合室87に流入した一次混合水は、二次混合水として、混合水出水口65から吐出し、蛇口13から設定温度に調整された二次混合水を適温水として外部に供給することができる。
次に、一次混合水が設定温度(42℃)よりも高く調整された場合における、第2混合水栓8での動作について説明する。図2に示すように、第1混合水栓7の混合水出水口35から吐出された一次混合水は、混合水配管21を通過して、第2混合水栓8の混合水入水口63に流入する。一方、水道水入水口64には、水道栓12に連結された水道水配管16から水道水が流入する。そして、第2混合水栓8では、上記説明した第1混合水栓7での処理と同じ処理がおこなわれる。即ち、図4に示すように、温度設定ダイヤル61の回転にしたがって、シリンダ弁70の位置が変位し、その変位量が、入水穴75および入水穴76の開口面積比率を決定する。そして、入水穴75から流入する一次混合水の量と、入水穴76から流入する水道水の量とが決定され、両者が混合室87に流入することにより、設定温度に調整された二次混合水が得られる。こうして、二次混合水は、混合水出水口65から吐出されることにより、蛇口13(図2参照)から設定温度に調整された二次混合水を適温水として外部に供給することができる。
以上説明したように、第1の実施形態の補助熱源併用太陽温水器1によれば、第1混合水栓7および第2混合水栓8からなる混合装置10を備えることにより、太陽温水器3で生成されたソーラー水を最大限活用しつつ、熱水の使用量を最小限にとどめることにより、補助熱源併用太陽温水器1にかかる有償エネルギー(電力量又はガス量)を節約できる。そして、第1混合水栓7では、太陽温水器3で生成されたソーラー水と、貯留タンク4で加熱された熱水とを混合して、一次混合水を生成する。例えば、太陽温水器3で生成されたソーラー水の温度が、設定温度よりも低い場合は、第1混合水栓7で生成される一次混合水は、ソーラー水に熱水を混合することによって設定温度に調整される。したがって、第2混合水栓8では、一次混合水には、水道水がほとんど混合されず、設定温度に調整された二次混合水として、そのまま蛇口13から外部に供給される。一方、太陽温水器3で生成されたソーラー水の温度が、設定温度よりも高い場合は、熱水の使用量を最小限にし、ソーラー水の使用量を最大限にして、一次混合水を生成する。したがって、第1混合水栓7で生成される一次混合水は、設定温度よりも高い温度となる。そして、第2混合水栓8において、設定温度よりも高い一次混合水を、温度の低い水道水との混合割合を調整することで、設定温度に調整された二次混合水を生成することができる。
次に、本発明の第2の実施形態である補助熱源併用太陽温水器150について、図5乃至図7を参照して説明する。図5は、第2の実施形態である補助熱源併用太陽温水器150のブロック図であり、図6は、混合水栓ユニット100近傍の斜視図であり、図7は、図6に示すC−C線矢視方向断面図である。なお、第2の実施形態である補助熱源併用太陽温水器150は、第1の実施形態の混合装置10に替え、混合水栓ユニット100を備えたものである。また、図6に示すように、混合水栓ユニット100は、設置性および操作性の観点より、第1の実施形態の第1混合水栓7と、第2混合水栓8とを一体のユニットにしたものであり、混合装置10を変形したものである。なお、補助熱源併用太陽温水器150は、混合水栓ユニット100以外は、第1の実施形態の補助熱源併用太陽温水器1と同じ構成であるため、混合水栓ユニット100以外の構成については、上記説明を援用して簡略して説明する。
まず、補助熱源併用太陽温水器150の概略構成について説明する。図5に示すように、補助熱源併用太陽温水器150は、水道栓12、当該水道栓12に水道水配管15を介して、接続され、太陽光の熱を利用してソーラー水を生成する太陽温水器3、当該太陽温水器3の下流側に接続され、ソーラー水が通過するソーラー水配管18、当該ソーラー水配管18の下流側一端部に接続され、ソーラー水を貯留する貯留タンク4、当該貯留タンク4内に設けられ、タンク内のソーラー水を加熱して熱水に変換する加熱ヒータ5、貯留タンク4の下流側に接続され、タンク内の熱水が通過する熱水配管20、当該熱水配管20の下流側一端部と、ソーラー水配管18から分岐するソーラー水配管19の下流側一端部と、水道水配管15から分岐する水道水配管16の下流側一端部とに接続され、ユニット内で一次混合水を生成し、その一次混合水を利用して、設定温度に調整された二次混合水を生成する混合水栓ユニット100、当該混合水栓ユニット100の下流側に接続され、二次混合水を適温水として外部に供給する蛇口13から構成されている。そして、蛇口13の下方には、浴槽14が配設されている。
次に、混合水栓ユニット100の構造について説明する。図6および図7に示すように、混合水栓ユニット100は、略水平方向に延設され、略円柱状に形成された水栓本体部300と、当該水栓本体部30の軸線方向右側一端部に設けられ、温度設定可能な有底円筒形状の温度設定ダイヤル310と、水栓本体部300の外側面上部の温度設定ダイヤル310の近傍に突設され、ソーラー水が入水するソーラー水入水口840と、水栓本体部300の外側面上部の左側端部近傍に突設され、熱水が入水する熱水入水口830と、水栓本体部300の外側面下部の右側端部近傍に突設され、水道水が入水する水道水入水口850と、水栓本体部300の外側面下部の左側端部近傍に突設され、二次混合水が出水する混合水出水口860とから構成されている。
また、図7に示すように、混合水栓ユニット100は、熱水とソーラー水とを混合して一次混合水を生成する第1混合部700と、一次混合水と水道水とを混合して二次混合水を生成する第2混合部800とで構成され、第1混合部700の下方に第2混合部800が連結した構成となっている。なお、第1混合部700は、第1の実施形態の第1混合水栓7に相当し、第2混合部800は、第1の実施形態の第2混合水栓8に相当する働きをする。そして、水栓本体部300の軸線方向右側一端部近傍の内部には、底の厚い椀型の空洞である変位調整室91が設けられている。この変位調整室91は、第1混合部700および第2混合部800において、上下に貫通して形成され、互いに共有されている。また、水栓本体部300の軸線方向右側一端部の側面の略中央には、挿入穴510が設けられ、その挿入穴510の内側面には、後述する変位桿480の送りネジ部490が係合可能な雌ねじが形成されている。
ここで、温度設定ダイヤル310は、水栓本体部300の軸線方向の右側一端部を覆うようにして、水栓本体部300と同軸上に設けられている。また、温度設定ダイヤル310の内側底面の略中心部には、平面視略リング状の変位桿嵌合部320が突設され、その変位桿嵌合部320の内側には、棒状の変位桿480の一端部が嵌合している。また、変位桿480の長手方向の中央部近傍の外周面には、送りネジ部490が形成されている。そして、変位桿480の該一端部とは反対の他端部側には、正面視略円形状の連動連結板480aが設けられている。
次に、第1混合部700について説明する。図7に示すように、第1混合部700は、水栓本体部300の上部に配設されている。そして、第1混合部700は、第1の実施形態の第1混合水栓7と同じ構成となっている。第1混合部700は、略半円柱状の水栓本体部300aを本体とし、その水栓本体部300aの中央の内部には、略円柱状の空洞であるシリンダ調節室92が設けられ、水栓本体部300aの長手方向左側一端部近傍の内部には、略円柱状の空洞である混合室93が設けられている。そして、変位調整室91とシリンダ調節室92とを仕切る壁の中央には、挿通口111が設けられ、シリンダ調節室92と混合室93とを仕切る壁の中央には、挿通口112が設けられている。
さらに、第1混合部700の上部に突設された熱水入水口830には、熱水が通過する熱水入水路830a,熱水入水路830bが形成されている。そして、熱水入水路830bの下流側先端部は、入水穴105を介してシリンダ調節室92に導通している。また、ソーラー水入水口840には、ソーラー水が通過するソーラー水入水路840aが形成され、その下流側一端部は、入水穴106を介してシリンダ調節室92に導通している。
また、シリンダ調節室92には、略円筒状のシリンダ弁101が収納されている。このシリンダ弁101は、第1の実施形態のシリンダ弁40と同じ構造であり、シリンダ弁調整管101aを自身の軸線上に備え、そのシリンダ弁調整管101a内の奥側には、感熱樹脂103、略棒状の連結桿98の長手方向一端部が嵌め込まれている。そして、そのシリンダ弁調整管101aの、感熱樹脂103が埋め込まれた側の一端部には、周囲の湯温を検知する感熱部117が設けられている。また、連結桿98の該一端部とは反対の他端部は、温度設定ダイヤル310の内側から突出する変位桿480の連動連結板480aに接触している。また、シリンダ弁101は、圧縮バネ89によって、水栓本体部300aの右側に向かって常時付勢され、シリンダ弁101から突出する連結桿98の先端部が、変位桿480の連動連結板480aに接触することにより、シリンダ調節室92内におけるシリンダ弁101の位置が決定されるようになっている。また、シリンダ弁101内には、一次混合水が通過するシリンダ通路120が形成されている。
次に、第2混合部800について説明する。図7に示すように、第2混合部800は、水栓本体部300の下部に配設されている。そして、第2混合部800は、第1の実施形態の第2混合水栓8を上下反転した構成となっている。第2混合部800は、略半円柱状の水栓本体部300bを本体とし、その水栓本体部300bの中央の内部には、略円柱状の空洞であるシリンダ調節室95が設けられ、水栓本体部300bの長手方向左側一端部近傍の内部には、略円柱状の空洞である混合室94が設けられている。そして、変位調整室91とシリンダ調節室95とを仕切る壁の中央には、挿通口114が設けられ、シリンダ調節室95と混合室94とを仕切る壁の中央には、挿通口115が設けられている。
さらに、第2混合部800の下部に突設された水道水入水口850には、水道水が通過する水道水入水路850aが形成され、その水道水入水路850aの下流側先端部は、入水穴107を介してシリンダ調節室95に導通している。また、混合水出水口860には、二次混合水が吐出する混合水出水路860aが形成され、その上流側一端部は、入水穴108を介して混合室94に導通している。また、第2混合部800のシリンダ調節室95と、第1混合部700の混合室93との間には、一次混合水が通過する混合水入水路99が形成され、その混合水入水路99と、シリンダ調節室95との接続部には、入水穴109が設けられている。
そして、シリンダ調節室95にも、略円筒状のシリンダ弁102が収納されている。このシリンダ弁102は、第1の実施形態である第2の混合水栓8のシリンダ弁70と同じ構造である。シリンダ弁102は、シリンダ弁調整管102aを備え、その管内には、感熱樹脂110、略棒状の連結桿104の長手方向一端部が嵌め込まれている。そして、そのシリンダ弁調整管102aの、感熱樹脂110が埋め込まれた側の一端部には、周囲の湯温を検知する感熱部118が設けられている。そして、連結桿104の該一端部とは反対の他端部は、温度設定ダイヤル310の裏面から突出する変位桿480の連動連結板480aに接触している。また、シリンダ弁102は、圧縮バネ89によって、常に水栓本体部300bの右側に向かって付勢され、シリンダ弁102の連結桿104の先端部が、変位桿480の連動連結板480aに接触することにより、シリンダ弁102の位置が決定される。また、シリンダ弁102内には、水道水が通過するシリンダ通路130が形成されている。
そして、図6に示すように、上記構成からなる混合水栓ユニット100において、熱水入水口830には、接続部材を介して、熱水配管20の下流側一端部が接続され、ソーラー水入水口840には、接続部材を介して、ソーラー水配管19の下流側一端部が接続され、水道水入水口850には、水道水配管16の下流側一端部が接続され、混合水出水口860には、蛇口13が接続される。
次に、上記構成からなる混合水栓ユニット100の動作について説明する。例えば、図5に示す浴槽14に供給する湯の温度を42℃に設定する場合、以下の動作がおこなわれる。はじめに、図6に示す混合水栓ユニット100の温度設定ダイヤル310を回転させて、湯温を42℃に設定する。このとき、図7に示すように、混合水栓ユニット100では、温度設定ダイヤル310の回転によって、変位桿480が挿入穴510にねじ込まれる。そして、この回転量が変位量となり、変位桿480の位置を、水栓本体部300の左側方向に移動させる。そして、この変位量は、シリンダ弁101、102の連結桿98、104を介して、水栓本体部300の左側方向にともに変位させることができる。したがって、図2に示す第1の実施形態の混合装置10のように、第1混合水栓7および第2混合水栓8において、それぞれ温度設定する手間を省くことができる。そして、第1混合部700では、熱水入水路830bの入水穴105およびソーラー水入水路840aの入水穴106が、シリンダ弁101の外側面によって閉塞又は開放されるため、シリンダ弁101の変位量が、入水穴105および入水穴106の開口面積の比率を決定する。
そして、この開口面積の比率は、シリンダ弁101の変位量により反比例するように設定され、入水穴105から流入する熱水の量と、入水穴106から流入するソーラー水の量とが決定される。さらに、第1の実施形態の第1混合水栓7のシリンダ弁40と同様に、熱水は、熱水入水路830a、830bおよびシリンダ調節室92を通過し、ソーラー水は、ソーラー水入水路840a、シリンダ調節室92およびシリンダ通路120を通過することにより、混合室93に熱水とソーラー水とが流入する。そして、両者が混合室93に流入することにより、一次混合水が得られる。ここで、混合室93で混合された一次混合水の湯温は、シリンダ弁調整管101aの感熱部117に伝わる。感熱部117に伝わった温度は、熱膨張係数の大きな感熱樹脂103に伝わるため、感熱樹脂103が膨張又は収縮する。そして、感熱樹脂103の体積変化は、連結桿98を基準に、シリンダ弁101を温度補正する方向に動かすようになっている。
そして、例えば、太陽温水器3のソーラー水の温度が10℃と低く、温度設定ダイヤル310で設定した42℃より低い場合、感熱樹脂103は収縮するので、シリンダ弁101は、水栓本体部300の右側に移動する。そのため、入水穴105の開口面積が拡大し、入水穴106の開口面積は縮小するので、ソーラー水の量が減り、熱水の量が増える。こうして、第1混合部700の混合室93には、設定温度と同じ42℃に調整された一次混合水が生成される。
また、それとは逆に、太陽温水器3のソーラー水の温度が80℃で、温度設定ダイヤル310で設定した42℃より高い場合、第1混合部700において、シリンダ弁101の感熱樹脂103は膨張するので、シリンダ弁101は、水栓本体部300の左側に移動する。そのため、入水穴106の開口面積が拡大し、入水穴105の開口面積は縮小するので、ソーラー水の入水量が増え、熱水の量が減少する。そして、混合室93には、少なくとも42℃よりも高い温度の一次混合水が生成される。このとき、貯留タンク4(図5参照)内に貯留する熱水は、ほとんど使用されず、設定温度よりも高い温度のソーラー水を、第2混合部800でそのまま使用することができるため、加熱ヒータ5の電力量(又はガス量)を大幅に節約することができる。
次に、一次混合水が設定温度(42℃)に調整された場合における、第2混合部800での動作について説明する。第1混合部700の混合室93から吐出された一次混合水は、混合水入水路99および入水穴109を通過して、第2混合水栓8のシリンダ調節室95に流入する。一方、水道水入水口850には、水道栓12の水道水配管16(図6参照)から水道水が流入する。そして、第2混合部800では、上記説明した第1混合部700での処理と同じ処理がおこなわれる。
そして、第2混合部800でも、温度設定ダイヤル310により、シリンダ弁102の位置を左側方向に変位させる。すると、水道水入水路850aの入水穴107および混合水入水路99の入水穴109が、シリンダ弁102の外側面によって閉塞されるため、シリンダ弁102の変位量が、入水穴107および入水穴109の開口面積の比率を決定する。そして、この開口面積の比率は、シリンダ弁102の変位量により反比例するように設定され、入水穴109から流入する一次混合水の量と、入水穴107から流入する水道水の量とが決定される。さらに、一次混合水は、混合水入水路99およびシリンダ調節室95を通過し、水道水は、水道水入水路850a、シリンダ調節室95およびシリンダ通路130を通過することにより、混合室94に一次混合水と水道水とが流入する。こうして、両者が混合室94に流入することにより、二次混合水が得られる。
また、混合室94で混合された二次混合水の湯温は、シリンダ弁調整管102aの感熱部118に伝わる。この感熱部118に伝わった温度は、熱膨張係数の大きな感熱樹脂110に伝わるため、感熱樹脂110が膨張又は収縮する。そして、感熱樹脂110の体積変化は、連結桿104を基準に、シリンダ弁102を温度補正する方向に動かす。なお、第2混合部800に流入した一次混合水は、第1混合部700において、設定温度(42℃)に調整されているため、シリンダ弁102の外側面は、入水穴107を閉塞し、入水穴109を開放する方向に移動する。そのため、混合室94には、水道水はほとんど流入せず、一次混合水のみが混合室94に流入する。そして、混合室94に流入した一次混合水は、二次混合水として、混合水出水口860から吐出され、蛇口13(図5参照)から設定温度となった二次混合水を適温水として外部に供給することができる。
次に、一次混合水が設定温度(42℃)よりも高く調整された場合における、第2混合部800での動作について説明する。図7に示すように、第1混合部700の混合室93から吐出された一次混合水は、混合水入水路99を流れ、入水穴109を通過して、第2混合部800のシリンダ調節室95に流入する。一方、水道水入水口850には水道水が流入する。そして、入水穴109から流入する一次混合水の量と、入水穴107から流入する水道水の量とが、上記動作と同様に決定され、両者が混合室94に流入することにより、設定温度に調整された二次混合水が得られる。こうして、設定温度(42℃)に調整された二次混合水は、混合水出水口860から吐出され、蛇口13(図5参照)から設定温度となった二次混合水を適温水として外部に供給することができる。
以上説明したように、第2の実施形態である補助熱源併用太陽温水器150によれば、第1の実施形態の混合装置10に替えて、混合装置10と同様の処理をおこなう混合水栓ユニット100を備えている。この混合水栓ユニット100は、第1の実施形態の第1混合水栓7と、第2混合水栓8とを一体型のユニットにしたものである。そのため、1つの温度設定ダイヤル310の切換えのみで、第1混合部700および第2混合部800の温度設定を同時におこなうことができ、温度設定の操作が簡単である。また、第1混合部700および第2混合部800が1つにユニット化されているので、風呂場や台所などへの設置が容易となる。
次に、本発明の効果を確認するため、各種確認試験をおこなった。以下、それらの結果について、図8乃至図12を参照して説明する。
(試験1)
試験1では、従来の補助熱源併用太陽温水器500(図11参照)と、第1の実施形態である補助熱源併用太陽温水器1(図1参照)との年間における電気使用量の比較について検討をおこなった。図8は、試験1の結果を示すグラフである。そして、試験1では、A:従来の補助熱源併用太陽温水器500を一般家庭用の浴室に取り付けた場合と、B:本発明を適用した補助熱源併用太陽温水器1を一般家庭用の浴室に取り付けた場合とに分け、大人2名が使用した場合における月別電気使用量(KW/H)を年間通して比較した。
図8に示すように、Aに示す従来の補助熱源併用太陽温水器500およびBに示す補助熱源併用太陽温水器1の何れも、冬場の電気使用量は高く、夏場の電気使用量は低い傾向を示した。これは、冬場は夏場より、太陽光の照射が弱いため、太陽温水器で生成されるソーラー水の温度が低いため、貯留タンクでの加熱が必要とされるからと推測される。そして、Aに示す従来の補助熱源併用太陽温水器500の月平均の電気使用量は、約308.5KW/Hであったのに対して、補助熱源併用太陽温水器1の月平均の電気使用量は、約180.2KW/Hであった。また、補助熱源併用太陽温水器1の電気使用量は、従来の補助熱源併用太陽温水器500の電気使用量を、年間通して常に下回った。したがって、本発明の補助熱源併用太陽温水器1は、従来の補助熱源併用太陽温水器500に比べ、電気使用量を大幅に節約できることが確認された。
(試験2)
試験2では、従来の電気温水器のみに対する、従来の補助熱源併用太陽温水器500と、第1の実施形態である補助熱源併用太陽温水器1との省エネ率の比較検討をおこなった。図9は、試験2の結果を示すグラフである。なお、図9に示すA、B、Cは、次に示す通りである。
○試験条件
A:電気温水器・・・従来の一般家庭用のもの
B:従来の補助熱源併用太陽温水器500(図11参照)
C:本発明の補助熱源併用太陽温水器1(図1参照)
・水道水の温度:20℃(平均)、貯留タンク内の熱水の温度:70℃に設定
・太陽温水器で生成されたソーラー水の温度が42℃以上の場合における、2−1:浴槽に42℃、200Lのお湯を満たすときに必要とするエネルギーと、2−2:Aを基準としたBおよびCの省エネ率(%)を算出した。なお、2−1は、貯留タンクに設けられた加熱ヒータの消費したエネルギーを算出したものとし、2−2のデータは、貯留タンク内の熱水の使用量に基づいて算出した。
図9に示すように、Aの電気温水器に要した必要エネルギーは、4400kcalであったのに対し、Bの従来の補助熱源併用太陽温水器500に要した必要エネルギーは、2464kcalであり、Cの補助熱源併用太陽温水器1に要した必要エネルギーは、0kcalであった。Bでは、太陽温水器のソーラー水を利用するが、ソーラー水の温度が42℃以上であるにも関わらず、一度、貯留タンク内で70℃まで加熱するため、電力消費量を十分に節約することができない。ところが、Cでは、太陽温水器のソーラー水が42℃以上であるため、貯留タンク内の熱水は全く利用せず、ソーラー水に水道水を混合することにより湯温調整をおこなった。したがって、浴槽に42℃、200Lのお湯を満たすときに必要とするエネルギーは0kcalとなり、必要エネルギーを大幅に節約することができた。なお、Bの省エネ率は44%であったのに対して、Cの省エネ率は100%であり、非常に高い省エネ率を達成することができた。
(試験3)
試験3では、試験2と同じ試験条件において、ソーラー水の温度が30℃以下の場合における省エネ率の比較検討をおこなった。図10は、試験3の結果を示すグラフである。なお、図10に示すA、B、Cは、次に示す通りである。
○試験条件
A:電気温水器・・・従来の一般家庭用のもの
B:従来の補助熱源併用太陽温水器500(図11参照)
C:本発明の補助熱源併用太陽温水器1(図1参照)
・水道水の温度:3℃(平均)、貯留タンク内の熱水の温度:70℃に設定
・太陽温水器で生成されたソーラー水の温度が30℃以下の場合における、2−1:浴槽に42℃、200Lのお湯を満たすときに必要とするエネルギーと、2−2:Aを基準としたBおよびCの省エネ率(%)を算出した。なお、3−1は、貯留タンクに設けられた加熱ヒータの消費したエネルギーを算出したものとし、3−2のデータは、貯留タンク内の熱水の使用量に基づいて算出した。
図10に示すように、Aの電気温水器に要した必要エネルギーは、7800kcalであったのに対し、Bの従来の補助熱源併用太陽温水器500に要した必要エネルギーは、4656kcalであり、Cの補助熱源併用太陽温水器1に要した必要エネルギーは、2400kcalであった。Bでは、太陽温水器のソーラー水を全て、貯留タンク内で70℃まで加熱し、それから42℃まで水道水で温度を下げるため、電力消費量を十分に節約することができない。ところが、Cでは、太陽温水器のソーラー水は30℃以下であるが、湯温を42℃まで上昇させるために必要な最小限の熱水量を、貯留タンクから利用することができるため、電力消費量の節約が可能となった。なお、Bの省エネ率は40%であったのに対して、Cの省エネ率は70%であり、高い省エネ率を達成することができた。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、各種の変形が可能である。例えば、太陽温水器3で生成されたソーラー水が流れる配管に温度センサを設け、さらに、ソーラー水配管19、熱水配管20、混合水配管21、水道水配管16などに電磁弁、又はサーボ弁をそれぞれ設けてもよい。そして、温度センサの測定温度に基づいて、それら電磁弁又はサーボ弁の開閉を制御する制御装置を設けて、混合装置10の湯温調整をおこなってもよい。また、混合水栓ユニット100についても、同様の温度センサ、電磁弁又はサーボ弁、制御装置を設けてもよい。