JP4036251B2 - カメラ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ本体をケース内に収納したカメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、道路、河川、公共施設などで、主に屋外の風雨にさらされる環境に設置される監視カメラや防犯カメラなどのカメラ装置は、特開平9−230493号公報などに記載された構造が知られている。
【0003】
すなわち、カメラ本体をその光軸方向に細長い断面ほぼ四角形枠状のケース内に収納し、ケースの長手方向の一端面にカメラ本体のレンズが臨む透明な前面ガラスを設けている。
【0004】
また、ケースの前端を前面ガラスの上方域に突出させて庇として機能させることにより、太陽光の直射や、雨水が前面ガラスに付着するのを防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカメラ装置では、カメラ本体の撮影方向に対応してケースも向けられるので、撮影方向によっては、雨水がケースの上面を伝わって前面ガラスに流れ落ちることがある。ケースの上面を伝わる雨水はケースの上面に付着していた汚れを一緒に流すので、この汚れた雨水が前面ガラスに流れ落ちると、前面ガラスが汚れやすい。
【0006】
前面ガラスが汚れると、透過率が低下し、カメラ本体で撮影される映像が暗い、ぼける、ひずむ、ゆがむなどの映像品質の低下を招き、映像の認識性が損なわれる。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ケースを伝わる雨水によってカメラ本体で撮影を行なう透光部が汚れるのを防止し、映像の品質および認識性を向上できるカメラ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のカメラ装置は、周囲に樋部を有する上部カバーおよび透光部を有する下部カバーを備え、上部カバーと下部カバーとの接合面とともに樋部が所定の排水方向に向けて下降傾斜されたケースと;ケース内に収納されたカメラ本体と;を具備しているもので、上部カバーを伝わる雨水を樋部で受け止めるとともに所定の排水方向に導いて排水し、樋部より下部側に配置された下部カバーの透光部が上部カバーを伝わる雨水によって汚れるのを防止し、下部カバーの透光部を通じてカメラ本体で撮影する映像の品質および認識性を向上させる。さらに、上部カバーと下部カバーの分離によってカメラ本体の調整を容易にし、透光部の種類などに応じた任意の下部カバーを用いて上部カバーと組み合わせ可能とする。
【0009】
請求項2記載のカメラ装置は、請求項1記載のカメラ装置において、排水方向はカメラ本体の撮影方向に対して反対側とされるもので、樋部を伝わって排水される雨水が、カメラ本体の映像に写り込むのを防止する。
【0010】
請求項3記載のカメラ装置は、請求項1または2記載のカメラ装置において、透光部の少なくとも外面に光触媒膜が形成されているもので、触媒作用によって透光部の汚れを分解除去し、さらに、樋部が所定の排水方向に向けて下降傾斜されていることで、上部カバーの周囲に樋部が形成されていても、太陽光を光触媒膜に直接当たりやすくし、透光部の汚れの分解効果および汚れの洗浄効果を向上させる。
【0011】
求項記載のカメラ装置は、請求項1ないし3いずれか一記載のカメラ装置において、下部カバーは透光性を有する樹脂製でほぼ半球面状に形成されているもので、下部カバーの上昇する側をカメラ本体の撮影方向に対応させることにより、下部カバーの成形時にひずみなどが発生しやすい周縁部を利用せずにすみ、ひずみなどが少なく透光性が安定した中央側を利用し、映像品質を向上させる。
【0012】
請求項記載のカメラ装置は、請求項記載のカメラ装置において、下部カバー内のカメラ本体を覆うとともにカメラ本体の撮影方向に対応して切欠部を有するカメラカバーが配設されているもので、下部カバーの全面が透光部とされても、カメラカバーでカメラ本体を覆って隠蔽し、カメラ装置を意識させない。
【0013】
請求項記載のカメラ装置は、請求項1ないしいずれか一記載のカメラ装置において、カメラ本体はケース内で撮影方向を変更可能とするもので、ケースを造営物に設置した状態でも任意の方向を撮影可能とする。
【0014】
請求項記載のカメラ装置は、請求項1ないしいずれか一記載のカメラ装置において、ケース内にヒータが配設されているもので、カバー面の結露防止および凍結防止を可能とし、さらに、カメラ本体の動作許容温度を確保し、寒冷地などでの使用に対応可能とする。
【0015】
請求項記載のカメラ装置は、請求項記載のカメラ装置において、ヒータは赤外線ランプであるので、ケース内に容易に配置可能とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3に第1の実施の形態を示し、図1はカメラ装置の一部を切り欠いた側面図、図2はカメラ装置の一部を切り欠いた正面図、図3はカメラ装置の底面図である。
【0017】
図において、カメラ装置は、カメラ装置本体1を有し、このカメラ装置本体1は、取付金具2を介して、地面や建物の外壁などに設置されるポール3に取り付けられている。
【0018】
カメラ装置本体1は、ケース11を有し、このケース11は、上部カバー12および下部カバー13を有し、これら上部カバー12および下部カバー13がそれぞれ上部リング14および下部リング15を介して互いに密閉状態に組み合わされ、ほぼ球形の形状に形成されている。
【0019】
上部カバー12は、例えば金属製でほぼ半球面状に形成され、上部に取付金具2にねじ止めで取り付けられる平坦状の取付部21が形成され、周縁部にフランジ部22が形成され、このフランジ部22が上部リング14の上面にねじ止め固定されている。
【0020】
下部カバー13は、例えばアクリルなどの透光性を有する樹脂製でほぼ半球面状に形成されている。すなわち、下部カバー13の全面が透光部23として構成されている。下部カバー13の周縁部にはフランジ部24が形成され、このフランジ部24が下部リング15の上面にねじ止め固定されている。
【0021】
下部カバー13の外面には、例えばチタンアルコキシド溶液をディップ法などで塗布したり、真空蒸着法などの物理気相成長法(PVD法)などにより、二酸化チタン(TiO2)の光触媒膜が形成されている。この光触媒膜は、例えば400nm以上の可視光透過および例えば400nm以下の紫外線吸収膜であり、特に後述するCCDの感度の良い波長に対応した可視光の透過性を有する。また、下部カバー13の材質が例えばソーダライムガラス製の場合には、シリカ(SiO2)を主成分とする中間層(アンダーコート)を介して光触媒膜が形成され、ソーダライムガラスから析出される不純物やナトリウム(Na)などのアルカリ成分によって光触媒膜が劣化するのが防止される。なお、下部カバー13の内面にも光触媒膜を形成してもよい。
【0022】
上部リング14および下部リング15は、例えば樹脂製で環状に形成され、互いに凹凸係合されて着脱可能にねじ止め固定されている。上部リング14と上部カバー12および下部カバー13との間には、全周にわたって環状のパッキング25が配置され、それらの間が密閉されている。
【0023】
上部リング14の周縁部に沿ってケース11の周囲に突出配置される樋部26が形成されている。この樋部26は上部リング14の周縁上面に凹溝状に形成され、所定の排水方向に対応した1箇所には上部リング14の周面に連通する排水溝27が切り欠き形成されている。この所定の排水方向とはポール3の方向に対応している。
【0024】
また、ケース11内には、カメラ本体31およびカメラカバー32が収納されている。
【0025】
カメラ本体31は、撮像素子として図示しないCCDを有し、このCCDの前方にはレンズ33が配置されており、撮影される像がレンズ33を通じてCCDに結像されて電気信号に変換される。カメラ本体31の後部にはカメラコード34が接続されている。
【0026】
カメラ本体31は支持機構35によって撮影方向を変更可能に支持されている。この支持機構35は、カメラ本体31の両側を回動軸36を介して回動可能に支持する両側の取付台37を有し、この取付台37が上部リング14の下面に取り付けられる回転台38に支持されている。回転台38は、上部リング14の下面に円弧状に形成された複数の取付溝39に対して複数の取付ねじ40で取り付けられ、取付溝39に対する取付ねじ40の螺合位置に応じて回動位置を調整可能になっており、さらに、カメラ装置本体1の後述する設置姿勢において、水平状態になるように予め傾斜状態に取り付けられている。
【0027】
カメラ本体31にはブラケット41が取り付けられ、このブラケット41に複数のランプホルダ42を介して例えば冷陰極ランプなどの光源としての紫外線ランプ(ブラックランプ)43が着脱可能に取り付けられている。紫外線ランプ43は、カメラ本体31の周囲すなわち下側および両側に沿って配置されるほぼU字状に形成され、レンズ33の前面より後側に配置されている。
【0028】
カメラカバー32は、遮光部材として機能するもので、例えば金属製で下部カバー13とほぼ同心円状のほぼ半球面状に形成され、カメラ本体31の上下方向の撮影方向の範囲に対応して帯状の切欠部45が形成されている。カメラカバー32の周縁部にフランジ部46が形成され、このフランジ部46が上部リング14の下面に取り付けられている。フランジ部46は、上部リング14の下面に円弧状に形成された複数の取付溝47に対して複数の取付ねじ48で取り付けられ、取付溝47に対する取付ねじ48の螺合位置に応じて回動位置を調整可能になっており、さらに、カメラ装置本体1の後述する設置姿勢において、水平状態になるように予め傾斜状態に取り付けられている。
【0029】
そうして、カメラ装置本体1を取付金具2を介してポール3に取り付けた設置状態では、カメラ装置本体1の垂直方向の中心軸Sが地上面からの垂直線に対して所定角度傾斜される。すなわち、上部カバー12と下部カバー13との接合面のポール3側が下降傾斜し、ポール3と反対側が上昇傾斜される。そして、ポール3側に排水溝27が配置され、樋部26が排水方向である排水溝27に向けて下降傾斜される。
【0030】
このカメラ本体31の撮影方向は、カメラ本体31を回動軸36を中心として回動させることにより上下方向の向きが調整設定され、回転台38を上部リング14に対して回動させることにより水平方向の向きが調整設定される。このカメラ本体31の水平方向の向きを調整設定する場合には、カメラカバー32を一体的に回動させてカメラ本体31との位置関係を一定に保つ。
【0031】
下部カバー13を通じて撮影される像がレンズ33でカメラ本体31のCCDに結像されて電気信号に変換され、この電気信号がカメラコード34を通じて伝送されてモニタなどに写し出される。
【0032】
そして、カメラ装置は、ケース11の下部カバー13の周面形状をほぼ半球面状に形成するとともに、ケース11全体としてもほぼ球状に形成し、このケース11内にカメラ本体31を収納したので、カメラ装置を意識させることなく、景観にも対応させることができる。
【0033】
また、下部カバー13の外面に形成された光触媒膜は、410nm以下の紫外線が照射されると、チタニア結晶が約3.0eVのバンドギャップを有するので、このバンドギャップによりチタニア微粒子に電子ホールが生じ、この電子ホールの移動により表面に電子移動反応が生じ、この電子移動反応ではホールがバンドギャップ分のエネルギーに相当する電子を引き抜く力、すなわち酸化力を持っているため、このホールの酸化力によってチタニア結晶の表面に付着あるいは接触した物質を変化させる。
【0034】
この光触媒膜が形成された下部カバー13の外面に太陽光や紫外線ランプ43からの紫外線を含む光線照射されると、光触媒膜は触媒作用および親水作用を呈し、この触媒作用によって下部カバー13の外面に付着する汚れを分解除去できるとともに、親水作用および下部カバー13の曲面によって下部カバー13の外面に付着する雨水などの水滴を流れやすくできる。光触媒膜に雨水が当たることより、分解された汚れが流されて洗浄される。そのため、汚れや水滴に対して下部カバー13の透光性を確保でき、下部カバー13を通じてカメラ本体31で撮影される映像の品質や認識性を向上できる。
【0035】
なお、カメラ装置本体1の中心軸Sの傾斜角度をより大きくし、図1に示す矢印Uの方向を上方に向けてカメラ装置本体1の設置することにより、雨水が下部カバー13に直接当たりやすくなり、雨水によって汚れを流す洗浄効果を高めることができる。
【0036】
光触媒膜が可視光透過および紫外線吸収膜であるので、十分な光触媒作用が得られた上で、可視光の透過率の低下を抑制でき、CCDの感度を損なうことなく、映像品質を向上できる。
【0037】
また、カメラ本体31のレンズ33より後側に紫外線ランプ43を配設したので、紫外線ランプ43からの光線がカメラ本体31のレンズ33に入射せず、カメラ本体31で撮影される映像に影響を及ぼすことなく、紫外線ランプ43からの光線を光触媒膜に照射して触媒効果を向上させることができる。
【0038】
紫外線ランプ43がカメラ本体31に支持されるので、カメラ本体31と紫外線ランプ43との関係が一定となって、カメラ本体31の撮影方向の光触媒膜に対して紫外線ランプ43から一定の光線を照射できる。
【0039】
紫外線ランプ43がカメラ本体31の周囲に沿って配置されるほぼU字状の形状に形成されるので、1つの紫外線ランプ43からの光線で必要な照射範囲を十分に照射できる。なお、紫外線ランプ43の形状は環状に形成してもよい。
【0040】
紫外線ランプ43が小形軽量な冷陰極ランプであるので、カメラ本体31に間近に配置でき、カメラ装置を小形に構成できる。
【0041】
また、降雨時において、上部カバー12を伝わって流れ落ちる雨水は、樋部26で受け止められ、樋部26の傾斜によって樋部26の溝内を排水方向に流れ、排水溝27から外部に排水される。そのため、樋部26より下部側に配置された下部カバー13が上部カバー12を伝わる雨水によって汚れるのを防止でき、下部カバー13を通じてカメラ本体31で撮影する映像の品質および認識性を向上できる。
【0042】
排水方向をカメラ本体31の撮影方向に対して反対側とするので、樋部26を伝わって排水される雨水がカメラ本体31の映像に写り込むのを防止できる。
【0043】
樋部26が排水方向に向けて下降傾斜されていることで、ケース11の周囲に樋部26が形成されていても、太陽光や雨水が下部カバー13の外面の光触媒膜に直接当たりやすくでき、下部カバー13の外面の汚れの分解効果および汚れの洗浄効果を向上できる。
【0044】
ケース11は樋部26を有する上部カバー12および透光部23を有する下部カバー13を備え、上部カバー12と下部カバー13との接合面が排水方向に下降傾斜されているので、樋部26の下降傾斜を容易に設定でき、さらに、上部カバー12と下部カバー13の分離によってカメラ本体31の調整を容易に行なえ、任意の上部カバー12と下部カバー13とを組み合わせることができる。
【0045】
また、下部カバー13は透光性を有する樹脂製でほぼ半球面状に形成されているが、下部カバー13の上昇する側をカメラ本体31の撮影方向に対応させることにより、下部カバー13の成形時にひずみなどが発生しやすい周縁部を撮影に利用せずにすみ、ひずみなどが少なく透光性が安定した中央側を利用でき、映像品質を向上できる。
【0046】
また、下部カバー13の全面が透光部23とされても、この下部カバー13内に収納されるカメラ本体31をカメラカバー32で覆うので、カメラ本体31を隠蔽して、カメラ装置を意識させないようにできる。
【0047】
また、ケース11内でカメラ本体31の撮影方向を変更可能とするので、ケース11を設置した状態でも任意の方向を撮影できる。
【0048】
なお、下部ケース13の一部のみを透光部23とし、他の部分を遮光部に形成してもよい。
【0049】
次に、図4ないし図6に第2の実施の形態を示し、図4はカメラ装置の一部を切り欠いた側面図、図5はカメラ装置の一部を切り欠いた正面図、図6はカメラ装置の底面図である。
【0050】
第1の実施の形態では下部カバー13の形状がほぼ半球面状であったのに対して、この第2の実施の形態では下部カバー13の周面を多角形状に形成したものである。
【0051】
すなわち、下部カバー13は、例えば金属製で、下面部51が六角形状に形成されるとともにこの下面部51の各辺に対応して6面の側面部52が形成され、側面部52の下端側が内側間隔が狭まるとともに上端側の内側間隔が広がるように形成されている。下部カバー13の上端周縁にはフランジ部53が形成され、このフランジ部53が下部リング15の上面にねじ止め固定されている。
【0052】
下部カバー13の1つの側面部52には撮影窓54が形成され、この撮影窓54の内側に透光部23として例えばソーダライムガラス製のガラス板55がパッキング56を介して密閉配置されている。
【0053】
ガラス板55の外面には、シリカ(SiO2)を主成分とする中間層(アンダーコート)を介して、二酸化チタン(TiO2)の光触媒膜が形成されている。
【0054】
また、ケース11内でカメラ本体31を支持する支持機構35の取付台37は、回転台38に対して回動軸61を支点として回動可能に取り付けられ、カメラ本体31の水平方向の向きを調整可能になっている。
【0055】
そうして、カメラ装置本体1を取付金具2を介してポール3に取り付けた設置状態では、カメラ装置本体1の垂直方向の中心軸Sが地上面からの垂直線に対して所定角度傾斜される。すなわち、上部カバー12と下部カバー13との接合面のポール3側が下降傾斜し、ポール3と反対側が上昇傾斜される。そして、ポール3と反対側に下部カバー13の撮影窓54が配置され、また、ポール3側に排水溝27が配置されて、樋部26が排水方向である排水溝27に向けて下降傾斜される。
【0056】
このカメラ本体31の撮影方向は、カメラ本体31を回動軸36を中心として回動させることにより上下方向の向きが調整設定され、取付台37を回動軸61を中心として回動させることにより水平方向の向きが調整設定される。
【0057】
下部カバー13のガラス板55を通じて撮影される像がレンズ33でカメラ本体31のCCDに結像されて電気信号に変換され、この電気信号がカメラコード34を通じて伝送されてモニタなどに写し出される。
【0058】
そして、カメラ装置は、ケース11の下部カバー13の周面形状を多角形状に形成するとともに、ケース11全体としてもほぼ球状に近似した形状に形成し、このケース11内にカメラ本体31を収納したので、カメラ装置を意識させることなく、景観にも対応させることができる。
【0059】
さらに、この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0060】
なお、前記各実施の形態において、ケース11内にはヒータや赤外線ランプを配設してもよく、これらヒータや赤外線ランプによって、下部カバー13面の結露防止および凍結防止ができ、さらに、カメラ本体31の動作許容温度を確保し、寒冷地などでの使用に対応できる。特に、赤外線ランプであれば、ケース11内に容易に配置できる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載のカメラ装置によれば、上部カバーの周囲に樋部を設け、上部カバーと下部カバーとの接合面とともに樋部を所定の排水方向に向けて下降傾斜させているので、上部カバーを伝わる雨水を樋部で受け止めるとともに所定の排水方向に導いて排水し、樋部より下部側に配置された下部カバーの透光部が上部カバーを伝わる雨水によって汚れるのを防止でき、下部カバーの透光部を通じてカメラ本体で撮影する映像の品質および認識性を向上できる。さらに、上部カバーと下部カバーの分離によってカメラ本体の調整を容易に行なえ、透光部の種類などに応じた任意の下部カバーを用いて上部カバーと組み合わせることができる。
【0062】
請求項2記載のカメラ装置によれば、請求項1記載のカメラ装置の効果に加えて、排水方向をカメラ本体の撮影方向に対して反対側とするので、樋部を伝わって排水される雨水がカメラ本体の映像に写り込むのを防止できる。
【0063】
請求項3記載のカメラ装置によれば、請求項1または2記載のカメラ装置の効果に加えて、透光部の少なくとも外面に光触媒膜を形成したので、触媒作用によって透光部の汚れを分解除去でき、しかも、樋部が所定の排水方向に向けて下降傾斜されていることで、上部カバーの周囲に樋部が形成されていても、太陽光が光触媒膜に直接当たりやすくでき、透光部の汚れの分解効果および汚れの洗浄効果を向上できる。
【0064】
求項記載のカメラ装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載のカメラ装置の効果に加えて、下部カバーは透光性を有する樹脂製でほぼ半球面状に形成されている場合に、下部カバーの上昇する側をカメラ本体の撮影方向に対応させることにより、下部カバーの成形時にひずみなどが発生しやすい周縁部を利用せずにすみ、ひずみなどが少なく透光性が安定した中央側を利用でき、映像品質を向上できる。
【0065】
請求項記載のカメラ装置によれば、請求項記載のカメラ装置の効果に加えて、下部カバーの全面が透光部とされても、この下部カバー内に収納されるカメラ本体をカメラカバーで覆うので、カメラ本体を隠蔽して、カメラ装置を意識させないようにできる。
【0066】
請求項記載のカメラ装置によれば、請求項1ないしいずれか一記載のカメラ装置の効果に加えて、ケース内でカメラ本体の撮影方向を変更可能とするので、ケースを造営物に設置した状態でも任意の方向を撮影できる。
【0067】
請求項記載のカメラ装置によれば、請求項1ないしいずれか一記載のカメラ装置の効果に加えて、ケース内にヒータを配設するので、カバー面の結露防止および凍結防止ができる。さらに、カメラ本体の動作許容温度を確保し、寒冷地などでの使用に対応できる。
【0068】
請求項記載のカメラ装置によれば、請求項記載のカメラ装置の効果に加えて、ヒータが赤外線ランプであるので、ケース内に容易に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すカメラ装置の一部を切り欠いた側面図である。
【図2】 同上カメラ装置の一部を切り欠いた正面図である。
【図3】 同上カメラ装置の底面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示すカメラ装置の一部を切り欠いた側面図である。
【図5】 同上カメラ装置の一部を切り欠いた正面図である。
【図6】 同上カメラ装置の底面図である。
【符号の説明】
11 ケース
12 上部カバー
13 下部カバー
23 透光部
26 樋部
31 カメラ本体
32 カメラカバー
45 切欠部

Claims (8)

  1. 周囲に樋部を有する上部カバーおよび透光部を有する下部カバーを備え、上部カバーと下部カバーとの接合面とともに樋部が所定の排水方向に向けて下降傾斜されたケースと;
    ケース内に収納されたカメラ本体と;
    を具備していることを特徴とするカメラ装置。
  2. 排水方向はカメラ本体の撮影方向に対して反対側とされる
    ことを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
  3. 透光部の少なくとも外面に光触媒膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のカメラ装置
  4. 下部カバーは透光性を有する樹脂製でほぼ半球面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のカメラ装置。
  5. 下部カバー内のカメラ本体を覆うとともにカメラ本体の撮影方向に対応して切欠部を有するカメラカバーが配設されている
    ことを特徴とする請求項記載のカメラ装置。
  6. カメラ本体はケース内で撮影方向を変更可能とする
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか一記載のカメラ装置。
  7. ケース内にヒータが配設されている
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか一記載のカメラ装置。
  8. ヒータは赤外線ランプである
    ことを特徴とする請求項記載のカメラ装置。
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