JP4035890B2 - 画像処理装置及び方法、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び方法、並びに記録媒体に関し、特に、サブサンプリングにより画像を圧縮する際、画質の劣化を抑えるようにした画像処理装置及び方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データを圧縮する手法としてサブサンプリング法がある。これは、画像中の画素データから視覚的に重要度の低い画素データを間引くことにより、所望の圧縮を実現する手法である。
【0003】
圧縮画像から復元を行う場合、サブサンプルされなかった画素データは、サブサンプルした画素データを補間することにより画素値を算出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のサブサンプリング法では、画素データを間引いて圧縮を行っているので、復元すると画質が良くないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画質の劣化を抑え、画質の向上を図るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像処理装置は、入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理装置において、サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮手段と、圧縮手段で圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元手段とを備え、圧縮手段は、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の画像処理方法は、入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理方法において、サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮ステップと、圧縮ステップで圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元ステップとを含み、圧縮ステップは、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の記録媒体は、入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理装置に、サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮ステップと、圧縮ステップで圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元ステップとを含み、圧縮ステップは、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更する処理を実行させるプログラムを記録することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の画像処理装置においては、圧縮手段が、サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮し、復元手段が、圧縮手段で圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する。また、圧縮手段は、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更する。
【0010】
請求項3に記載の画像処理方法及び請求項4に記載の記録媒体が記録するプログラムにおいては、圧縮ステップで、サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮し、復元ステップで、圧縮ステップで圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する。また、圧縮ステップで、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と、以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。但し、勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0012】
即ち、請求項1に記載の画像処理装置は、入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理装置において、サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮手段(例えば、図1に示す入力処理部1)と、圧縮手段で圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元手段(例えば、図1に示す出力処理部6)とを備え、圧縮手段は、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更することを特徴とする。
【0013】
図1は、本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。輝度信号(Y)及び色差信号(Cr,Cb)からなるビデオ信号が入力処理部1に入力されると、入力処理部1において、輝度信号は13.5MHz、色差信号はその1/2の6.75MHzでそれぞれ8ビットでサンプリングされる。ここで、色差信号はさらに帯域を狭くしても、その劣化が輝度信号に比べて分かりにくいため、サブサンプリングされる。
【0014】
ビデオ圧縮部2は、入力処理部1から供給されるビデオデータ(輝度データ及び色差データ)をMPEG方式で圧縮し、誤り訂正符号化処理を行って、出力している。記録部3は、ビデオ圧縮部2から供給される圧縮後のビデオデータを、磁気テープ7に記録する。
【0015】
一方、ビデオデータを復元する場合、再生部4は、磁気テープ7からクロックを検出し、そのクロックを基準にしてビデオデータを再生し、ビデオ伸長部5に供給する。ビデオ伸長部5は、再生部4から供給されるビデオデータに対して、誤り訂正処理を施し、MPEG方式で伸長し、出力している。出力処理部6は、ビデオ伸長部5から供給されるビデオデータを復元し、図示せぬ装置に出力している。
【0016】
次に、入力処理部1でサブサンプリングする際、送出する画素(画素値)について、図2及び図3を参照して説明する。ここでは、図2に示すように、4×9(縦×横)画素ブロックを、水平方向に1/2画素圧縮する場合について説明する。各画素には、左側から順番に0乃至8の番号が付けてある。水平方向に1/2画素圧縮するので、偶数番号の画素のみを送出し、奇数番号の画素は偶数番号の画素の補間で復元する。補間を2画素平均で行う場合、奇数番号の画素値は以下のように算出される。
【0017】
画素1=(画素0+画素2)/2
画素3=(画素2+画素4)/2
画素5=(画素4+画素6)/2
画素7=(画素6+画素8)/2
【0018】
図3は、図2から1ライン分だけ抽出して示してある。図3(A)は、サブサンプリングされる前の元の画素値I0乃至I8を示しており、図3(B)は、 復元する場合の画素値を示している。奇数番号の画素値は偶数番号の2画素平均で決定されている。
【0019】
ここで、図3に示すように、サブサンプルされる画素2に着目すると、画素2が影響を及ぼす画素は画素1乃至3であることが分かる。i番目の画素の画素値をIiとし、i番目の画素の自乗誤差をDiとすると、画素1乃至3の自乗誤 差は式(1)乃至式(3)で表される。
【0020】
【数1】
【0021】
【数2】
【0022】
【数3】
【0023】
画素2の画素値を変更し、変更後の画素値をI’2とし、変更後のi番目の画 素の自乗誤差をD’iとすると、画素1乃至3の自乗誤差は式(4)乃至式(6)で表される。
【0024】
【数4】
【0025】
【数5】
【0026】
【数6】
【0027】
変更後の自乗誤差の和をDとすると、Dの値が最小のときが画質の劣化が最も小さい。従って、このときのI’2を求めて送出すれば良い。
【0028】
【数7】
【0029】
式(7)に式(4)乃至式(6)を代入すると、式(8)となる。
【0030】
【数8】
【0031】
式(8)をI’2で偏微分すると、式(9)となる。
【0032】
【数9】
【0033】
式(9)=0とすると式(10)となり、このときDは最小となる。
【0034】
【数10】
【0035】
式(10)よりI’2を求めると、式(11)となる。
【0036】
【数11】
【0037】
従って、サブサンプリングされる前の元の画素値I2を送出するのではなく、自乗誤差を考慮に入れたI’2(式(11)参照)を送出する。
【0038】
次に、入力処理部1におけるサブサンプリング圧縮処理について図4のフローチャートを参照して説明する。先ず、サブサンプリング圧縮処理が開始されると、ステップS1において、ビデオ信号として原画像データが入力処理部1に供給される。
【0039】
ステップS2において、入力処理部1は、圧縮率に応じてサブサンプルする画素を決定し、ステップS3に進む。ステップS3において、入力処理部1は、間引かれた画素の画素値を、サブサンプルした画素の画素値から補間して算出する。
【0040】
ステップS4において、入力処理部1は、補間により算出された画素と原画素から自乗誤差を演算し、ステップS5に進む。ステップS5において、入力処理部1は、入力画像全体の自乗誤差の和が最小となるように、サブサンプルする画素の画素値を変更し、ステップS6に進む。
【0041】
ステップS6において、入力処理部1は、変更したサブサンプル画像を圧縮画像として送出し、処理は終了される。
【0042】
尚、本明細書中において、上記処理を実行するコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体には、磁気ディスク、CD−ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、ディジタル衛星などのネットワークの伝送媒体も含まれる。
【0043】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の画像処理装置、請求項3に記載の画像処理方法、及び請求項4に記載の記録媒体に記録されたプログラムによれば、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、注目画素データの画素値を変更するようにしたので、画像の劣化を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】サブサンプリングを説明するための図である。
【図3】復元する場合の補間を説明するための図である。
【図4】サブサンプリング圧縮処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力処理部, 2 ビデオ圧縮部, 3 記録部, 4 再生部, 5 ビデオ伸長部, 6 出力処理部, 7 磁気テープ
Claims (4)
- 入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理装置において、
サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮手段と、
前記圧縮手段で圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元手段と
を備え、
前記圧縮手段は、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び前記注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、前記注目画素データの画素値を変更する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記圧縮手段は、前記線形補間により算出される画素データの画素値、及び前記注目画素データの画素値を変更して得られる画素値と、元の画素データの画素値それぞれの自乗誤差の和が最小となるように、サブサンプルする画素データの画素値を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理方法において、
サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮ステップと、
前記圧縮ステップで圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元ステップと
を含み、
前記圧縮ステップは、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び前記注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、前記注目画素データの画素値を変更する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 入力されたデジタル画像データをサブサンプリングにより圧縮処理する画像処理装置に、
サブサンプルする画素データの画素値を変更し、圧縮する圧縮ステップと、
前記圧縮ステップで圧縮された画素データの画素値から線形補間により画像を復元する復元ステップと
を含み、
前記圧縮ステップは、サブサンプルする画素データの画素値を用いた線形補間であって、サブサンプルする画素データのうちの、1の注目している注目画素データの画素値を変更して得られる画素値を用いた線形補間により算出される画素データ、及び前記注目画素データの画素値を変更して得られる画素値の画素データの劣化が最も小さくなるように、前記注目画素データの画素値を変更する
処理を実行させるプログラムを記録することを特徴とする記録媒体。
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