JP4035464B2 - 複合材料の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂の内部に繊維や粒子等の強化材を配してなる複合材料は、様々な分野で利用されている。そして、この種の複合材料を製造する方法として、強化材を所定の形状に成形することによって成形体(プリフォーム)を製作し、この成形体に樹脂を含浸させる方法(RTM成形法)が知られている。例えば、真空圧を用いたRTM成形法(Vacuum-asisted Resin Transfer Molding:VaRTM法)は、真空圧のみで樹脂を含浸させ、製造装置の小型化を図ることができる好適な方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
図4を参照しながら、従来のVaRTM法について説明する。ここでは、強化材として繊維を用いた繊維複合材料の製造例を説明する。
【0004】
本製造方法では、まず、繊維物からなるプリフォームを治具100内に配置する。治具100の一端側には注入ポート101が形成され、他端側には排出ポート102が形成されている。樹脂の注入時には、配管を介して排出ポート102に接続された真空ポンプ104を起動し、真空ポンプ104によって治具100内を減圧する(真空引き)。これにより、樹脂供給缶103と治具100内との圧力差が駆動力となり、樹脂供給缶103の樹脂が注入ポート101を通じて治具100内に流入する。そして、治具100内のプリフォームの全体に樹脂が含浸され、排出ポート102から余分な樹脂が排出されるようになった後、配管のバルブ105,106を閉鎖する。その後、治具100内を所定温度にまで加熱し、樹脂を硬化させる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−337244号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−328127号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、注入される樹脂は粘度が高く、また、治具100内の樹脂の流通路(すなわち、治具100内のプリフォームの周囲及び内部)は流通面積が小さい。そのため、プリフォームに樹脂を含浸させる際に、樹脂は治具100内で大きな流通抵抗を受けるので、治具100内を円滑に流れにくい。その結果、注入ポート101付近では樹脂の量が相対的に多く、排出ポート102付近では樹脂の量が相対的に少なくなりやすかった。また、プリフォームの形状によっては、特定の箇所に樹脂がたまりやすい場合もある。
【0008】
軽量かつ高強度な複合材料を得るためには、強化材の含有率が高いことが好ましい。そのため、治具100内の余分な樹脂を排除することにより、強化材の含有率を向上することが望まれる。しかし、従来の製造方法では、治具100内の余分な樹脂はすべて排出ポート102から排出されるので、排出ポート102から離れた位置(特に、注入ポート101付近の位置)等では余分な樹脂がたまりやすかった。そのため、樹脂がたまりやすい箇所では強化材の含有率Vfが低く、そのことにより複合材料の軽量化及び強度向上に一定の限界があった。
【0009】
また、従来の製造方法では、治具100内の樹脂の分布が不均一になりやすいという問題があった。すなわち、注入ポート101付近では樹脂の量が相対的に多く、排出ポート102付近では樹脂の量が相対的に少なくなりやすかった。その結果、強化材の含有率が部分的に不均一になりやすく、製造後の複合材料の性状が一定になりにくいという課題があった。
【0010】
これらの課題に対し、注入時の樹脂の温度を上げることによって樹脂の粘度を下げ、治具の全体にわたって樹脂を流れやすくする方法が考えられる。しかし、樹脂の温度を上げると、樹脂の硬化に要する時間が短くなる。そのため、注入途中に樹脂が硬化してしまい、結果として、注入ポート101付近の余分な樹脂が硬化したり、強化材の含有率Vfが不均一になりやすかった。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂の含浸時に、治具内から余分な樹脂を排出し、また、治具内の樹脂の不均一な分布を是正することにより、性状の安定した軽量かつ高強度の複合材料を製造することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の製造方法は、樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する方法であって、注入ポートと排出ポートとが形成された治具の内部に、強化材からなる成形体を配置する工程と、前記注入ポートを通じて前記治具内に樹脂を注入すると共に、前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する第1含浸工程と、前記排出ポートを通じての樹脂の排出を継続しつつ、前記注入ポートからの樹脂の注入を停止して前記注入ポートから樹脂を排出する第2含浸工程と、樹脂の排出を停止し、樹脂を硬化させる工程とを備えている方法である。
【0013】
上記製造方法では、第1含浸工程において、樹脂が注入ポートから治具内に注入されるとともに、排出ポートを通じて治具内の樹脂が排出される。注入された樹脂は、治具内を流れた後、排出ポートから排出される。このような樹脂の流れによって、治具内の成形体が樹脂に含浸される。
【0014】
一方、第1含浸工程では、排出ポートから離れた位置の樹脂は排出されにくいため、治具内の樹脂の分布は、注入ポート付近の樹脂量が相対的に多い不均一な分布になりやすい。また、余分な樹脂が注入ポート付近にたまりやすい。
【0015】
しかし、上記製造方法では、第1含浸工程の後に第2含浸工程を行い、注入ポートからの樹脂の注入が停止され、逆に、当該注入ポートから治具内の樹脂が排出される。これにより、排出ポートから離れている位置、すなわち注入ポート付近の樹脂は、注入ポートから排出される。したがって、注入ポート側にたまった樹脂は円滑に排出されるので、治具内の樹脂の不均一な分布は是正される。また、注入ポート付近にたまった余分な樹脂は、効率的に排出される。その結果、性状の安定した軽量かつ高強度の複合材料を得ることができる。
【0016】
本発明に係る第2の製造方法は、樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する方法であって、注入ポートと排出ポートと補助排出ポートとが形成された治具の内部に、強化材からなる成形体を配置する工程と、前記注入ポートを通じて前記治具内に樹脂を注入すると共に、前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する第1含浸工程と、前記排出ポートを通じての樹脂の排出を継続しつつ、前記注入ポートからの樹脂の注入を停止して前記補助排出ポートから樹脂を排出する第2含浸工程と、樹脂の排出を停止し、樹脂を硬化させる工程とを備えている方法である。
【0017】
上記第2の製造方法においても、第1含浸工程で生じた余分な樹脂の滞留及び樹脂分布の不均一を、第2含浸工程によって是正することができる。補助排出ポートを樹脂のたまりやすい部分に設けることにより、余分な樹脂をより効率的に排出することができ、また、治具内の樹脂分布をより均一化することができる。
【0018】
本発明に係る第1の製造装置は、樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する装置であって、注入ポートと排出ポートとが形成され、強化材からなる成形体を封入する治具と、樹脂を供給する樹脂供給源と、1又は2以上の樹脂排出手段と、第1通路開閉手段を有し、前記樹脂供給源の樹脂を前記注入ポートに導く注入通路と、第2通路開閉手段を有し、前記樹脂排出手段によって前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する排出通路と、第3通路開閉手段を有し、前記樹脂排出手段によって前記注入ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する補助排出通路とを備えているものである。
【0019】
上記第1製造装置によれば、前記第1製造方法を好適に実行することができる。すなわち、第1含浸工程の際には、第1通路開閉手段及び第2通路開閉手段を開放すると共に第3通路開閉手段を閉鎖し、樹脂供給源から注入ポートを通じて治具内に樹脂を注入すると共に、排出ポートを通じて治具内の樹脂を排出通路に排出する。一方、第2含浸工程の際には、第1通路開閉手段を閉鎖すると共に第3通路開閉手段を開放し、治具内の樹脂を排出ポートを通じて排出通路に排出すると同時に、注入ポートを通じて補助排出通路に排出する。これにより、治具内の余分な樹脂が効率的に排出され、また、治具内の樹脂の不均一な分布が是正される。したがって、性状の安定した軽量かつ高強度な複合材料を製造することができる。
【0020】
本発明に係る第2の製造装置は、樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する装置であって、注入ポートと排出ポートと補助排出ポートとが形成され、強化材からなる成形体を封入する治具と、樹脂を供給する樹脂供給源と、1又は2以上の樹脂排出手段と、第1通路開閉手段を有し、前記強化材に樹脂を含浸させる第1含浸工程の際に前記樹脂供給源の樹脂を前記注入ポートに導く注入通路と、第2通路開閉手段を有し、前記第1含浸工程の際及び前記注入ポートから樹脂を注入した後の第2含浸工程の際に、前記樹脂排出手段によって前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する排出通路と、第3通路開閉手段を有し、前記第2含浸工程の際に、前記樹脂排出手段によって前記補助排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する補助排出通路とを備えているものである。
【0021】
上記第2製造装置によれば、前記第2製造方法を好適に実行することができる。すなわち、第1含浸工程の際には、第1通路開閉手段及び第2通路開閉手段を開放すると共に第3通路開閉手段を閉鎖し、樹脂供給源から注入ポートを通じて治具内に樹脂を注入すると同時に、排出ポートを通じて治具内の樹脂を排出通路に排出する。一方、第2含浸工程の際には、第1通路開閉手段を閉鎖すると共に第3通路開閉手段を開放し、治具内の樹脂を排出ポートを通じて排出通路に排出すると同時に、補助排出ポートを通じて補助排出通路に排出する。これにより、治具内の余分な樹脂が効率的に排出され、また、治具内の樹脂の不均一な分布が是正される。したがって、性状の安定した軽量かつ高強度の複合材料を製造することができる。
【0022】
本発明に係る第3の製造装置は、前記第1又は第2の製造装置において、前記治具が、前記成形体を支持する支持台と、前記支持台上において前記成形体を覆うフィルムシートとを備え、前記支持台と前記フィルムシートとの間に前記成形体を封入するものである。
【0023】
このことにより、治具を簡易かつ小型に構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示す製造装置20は、VaRTM法を用いて複合材料を製造する装置である。製造装置20は、樹脂が蓄えられた樹脂供給缶1と、強化材からなる成形体を収容する治具8と、真空ポンプ7とを備えている。なお、以下では、成形体として、繊維物からなるプリフォームを用いることとする。
【0026】
治具8の一端側には注入ポート5が設けられ、その他端側には排出ポート6が設けられている。なお、ここでいう一端及び他端とは、治具8内における樹脂の流路の一端及び他端のことであり、必ずしも幾何学的な意味での両端を意味するものではない。ただし、本実施形態では、治具8内の樹脂の流路は一方向(図1及び図2における左右方向)に延びる直線状に形成されているので、幾何学的な意味での両端が流路の両端となる。
【0027】
図2に示すように、治具8は、繊維織物からなるプリフォーム25を支持する支持台31と、支持台31に置かれたプリフォーム25の全体を覆うバギングシート32とから構成されている。なお、バギングシート32は、支持台31との間に真空空間を形成するためのフィルムシートであり、その形状や種類は特に限定されるものではない。治具8には、ヒータ等からなる加熱装置35が設けられている。
【0028】
図1に示すように、樹脂供給缶1と注入ポート5とは、注入管11によって接続されている。注入管11には、第1通路開閉手段として供給バルブ2が設けられている。排出ポート6は、排出管12を介して真空ポンプ7に接続されている。排出管12には、治具8から回収した樹脂を収容する樹脂トラップ9が設けられており、排出ポート6と樹脂トラップ9との間には第2通路開閉手段として排出バルブ3が設けられている。樹脂トラップ9と真空ポンプ7との間には、圧力計10が設けられている。この圧力計10は、主として系内の真空度を確認するために用いられる。
【0029】
さらに製造装置20には、注入管11と排出管12とをつなぐ補助排出管13が設けられている。補助排出管13の一端は、注入管11における供給バルブ2と注入ポート5との間に接続されている。補助排出管13の他端は、排出管12における排出バルブ3と樹脂トラップ9との間に接続されている。この補助排出管13には、第3通路開閉手段として補助排出バルブ4が設けられている。
【0030】
なお、図示は省略するが、製造装置20には、各バルブ2,3,4や加熱装置35の制御等を行う制御装置が設けられている。
【0031】
次に、本製造装置20を用いて複合材料を製造する方法を説明する。
【0032】
まず、所定の形状に成形されたプリフォーム25を治具8内に設置する。次に、系内の真空引きを行う。具体的には、供給バルブ2を閉じ、排出バルブ3及び補助排出バルブ4を開いた状態で、真空ポンプ7を起動する。
【0033】
系内の真空引きを行った後、第1含浸工程を行う。第1含浸工程では、補助排出バルブ4を閉じ、供給バルブ2を開く。すると、樹脂供給缶1内の樹脂は、注入管11及び注入ポート5を通じて治具8内に注入される。治具8内に注入された樹脂は、プリフォーム25の周囲及び内部を流通する。すなわち、プリフォーム25が樹脂に含浸される。その後、樹脂がプリフォーム25の全体に行き渡り、治具8内の余分な樹脂は排出ポート6から排出される。排出ポート6から排出された樹脂は、排出管12を流れ、樹脂トラップ9に回収される。
【0034】
上記第1含浸工程では、治具8内の樹脂分布は、注入ポート5側の方が排出ポート6側よりも樹脂量が多い不均一な分布となる。また、注入ポート5の付近に、余分な樹脂がたまりやすい。そこで、第1含浸工程の後、以下の第2含浸工程を行う。
【0035】
第2含浸工程では、供給バルブ2を閉じ、補助排出バルブ4を開く。これにより、真空ポンプ7の吸引力が注入ポート5側にも作用し、注入ポート5からも治具8内の樹脂の一部が排出される。つまり、排出ポート6からの樹脂の排出を継続しつつ、注入ポート5から樹脂の排出を行う。これにより、注入ポート5側にたまっていた余分な樹脂が排出され、また、治具8内における樹脂の不均一な分布が是正される。
【0036】
なお、上記第1及び第2含浸工程の際には、樹脂の粘度を低下させるために、加熱装置35によって治具8を加熱し、樹脂の温度をある程度上昇させておくことが好ましい。樹脂の粘度を下げることにより、樹脂を流れやすくするためである。ただし、樹脂の温度が高すぎると、含浸工程中に樹脂が硬化してしまうおそれがある。そこで、樹脂が直ちに硬化しない程度に樹脂の温度を上げることが好ましい。なお、このような温度は樹脂の種類によって定まるので、加熱装置35による加熱量は樹脂の種類に応じて適宜調節すればよい。
【0037】
上記第2含浸工程の後、排出バルブ3及び補助排出バルブ4を閉じ、真空ポンプ7を停止する。そして、加熱装置35で治具8内の樹脂を加熱し、樹脂を硬化させる。その結果、樹脂の内部に繊維強化材が含有されてなる複合材料が得られる。
【0038】
本製造方法によれば、第2含浸工程において、排出ポート6に加えて注入ポート5からも樹脂を排出するので、注入ポート5付近にたまった樹脂を円滑に排出することができる。すなわち、排出ポート6から離れた位置にあるため排出ポート6からは排出しにくい余分な樹脂を、容易に排出することができる。
【0039】
このように治具8内の余分な樹脂が排出されやすいので、複合材料における単位体積あたりの繊維含有率Vfを高くすることができる。したがって、軽量かつ高強度な複合材料を製造することができる。
【0040】
また、治具8内における樹脂の不均一な分布を是正することができ、繊維含有率Vfを従来よりも一定化することができる。したがって、性状の安定した複合材料を得ることができる。
【0041】
支持台31とバギングシート32とにより治具8を構成することとしたので、治具8を簡易かつ安価に構成することができる。また、治具8を小型化することができる。
【0042】
上記実施形態では、注入ポート5及び排出ポート6はそれぞれ1つずつ設けられていたが、注入ポート5及び排出ポート6の一方又は両方は、2つ以上設けられていてもよい。成形体の寸法が大きい場合には、注入ポート5及び排出ポート6を複数設けることが好ましい。
【0043】
上記実施形態では、第2含浸工程の際に、注入ポート5及び排出ポート6からの樹脂の排出を1台の真空ポンプ7で行っていた。しかし、排出ポート6からの排出を行う真空ポンプ7とは別に、注入ポート5からの排出を行う他の真空ポンプを設けることも可能である。例えば、補助排出管13の一端を他の真空ポンプに接続し、2台の真空ポンプを用いて第2含浸工程を行ってもよい。このように、真空ポンプ7の台数は何ら限定されるものではない。
【0044】
上記実施形態は、治具8内を減圧することによって樹脂を注入するものであった(いわゆるVaRTM法)。すなわち、樹脂供給側を大気圧下とし、排出側を負圧としていた。しかし、本発明に係る方法は、VaRTM法に限定されず、例えば、樹脂供給側を加圧し、排出側を大気圧としてもよい。すなわち、圧力差によって樹脂を注入する限り、樹脂供給側及び排出側の圧力は何ら限定されるものではない。
【0045】
上記実施形態では、第2含浸工程の際に、排出ポート6に加えて注入ポート5から樹脂を排出することとしていた。そのため、注入ポート5の付近に別途新たな排出ポートを設ける必要がなく、ポートの数を少なくすることができる。しかし、第2含浸工程の際に樹脂を排出するための補助排出ポートを、別途新たに設けるようにしてもよい。例えば、注入ポート5の近傍に、補助排出管13に接続された補助排出ポートを設けるようにしてもよい。
【0046】
また、プリフォーム25の形状によっては、注入ポート5の近傍以外であっても、特定の箇所に余分な樹脂がたまりやすい場合も考えられる。そのような場合には、余分な樹脂がたまりやすい箇所に補助排出ポートを設けることが好ましい。例えば、図3に示すように、治具8における図中左上部分に樹脂がたまりやすい場合には、当該部分に補助排出ポート14を設けるようにしてもよい。このことにより、注入ポート5の近傍以外に樹脂がたまりやすい箇所が存在していたとしても、余分な樹脂を円滑に排出することができる。すなわち、補助排出ポート14を設けることにより、ポートの数は増えるものの、余分な樹脂をより効率的に排出することが可能となる。なお、補助排出ポート14の形状、寸法及び個数は、何ら限定されるものではない。
【0047】
上記実施形態は、強化材として繊維を用いた複合材料の製造方法であったが、強化材として粒子等の他の材料を用いる複合材料であっても、同様の方法により製造することができる。
【0048】
なお、本製造方法により製造される複合材料は、例えば、航空機の部品(主翼、補助翼、胴体等)、鉄道車両、船舶、風力発電用のプロペラ等、様々な分野で利用することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、治具内に樹脂を注入した後、排出ポートからの樹脂の排出を継続しつつ、注入ポート又は補助排出ポートからも樹脂の排出を行うこととした。そのため、余分な樹脂のたまりやすい箇所から樹脂を効率的に排出することができ、複合材料における強化材の含有率を高めることができる。したがって、複合材料を軽量化することができ、その強度を向上することができる。また、治具内における樹脂分布の不均一を是正することができ、性状の安定した複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る複合材料の製造装置の構成図である。
【図2】 治具の概略断面図である。
【図3】 変形例に係る複合材料の製造装置の構成図である。
【図4】 従来の製造装置の構成図である。
【符号の説明】
1 樹脂供給缶(樹脂供給源)
2 供給バルブ(第1通路開閉手段)
3 排出バルブ(第2通路開閉手段)
4 補助排出バルブ(第3通路開閉手段)
5 注入ポート
6 排出ポート
7 真空ポンプ
8 治具
9 樹脂トラップ
10 圧力計
11 注入管(注入通路)
12 排出管(排出通路)
13 補助排出管(補助排出通路)
14 補助排出ポート
20 製造装置
25 プリフォーム(成形体)
31 支持台
32 バギングシート(フィルムシート)
35 加熱装置

Claims (5)

  1. 樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する方法であって、
    注入ポートと排出ポートとが形成された治具の内部に、強化材からなる成形体を配置する工程と、
    前記注入ポートを通じて前記治具内に樹脂を注入すると共に、前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する第1含浸工程と、
    前記排出ポートを通じての樹脂の排出を継続しつつ、前記注入ポートからの樹脂の注入を停止して前記注入ポートから樹脂を排出する第2含浸工程と、
    樹脂の排出を停止し、樹脂を硬化させる工程と、
    を備えている複合材料の製造方法。
  2. 樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する方法であって、
    注入ポートと排出ポートと補助排出ポートとが形成された治具の内部に、強化材からなる成形体を配置する工程と、
    前記注入ポートを通じて前記治具内に樹脂を注入すると共に、前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する第1含浸工程と、
    前記排出ポートを通じての樹脂の排出を継続しつつ、前記注入ポートからの樹脂の注入を停止して前記補助排出ポートから樹脂を排出する第2含浸工程と、
    樹脂の排出を停止し、樹脂を硬化させる工程と、
    を備えている複合材料の製造方法。
  3. 樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する装置であって、
    注入ポートと排出ポートとが形成され、強化材からなる成形体を封入する治具と、
    樹脂を供給する樹脂供給源と、
    1又は2以上の樹脂排出手段と、
    第1通路開閉手段を有し、前記樹脂供給源の樹脂を前記注入ポートに導く注入通路と、
    第2通路開閉手段を有し、前記樹脂排出手段によって前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する排出通路と、
    第3通路開閉手段を有し、前記樹脂排出手段によって前記注入ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する補助排出通路と、
    を備えている複合材料の製造装置。
  4. 樹脂内に強化材が含有されてなる複合材料を製造する装置であって、
    注入ポートと排出ポートと補助排出ポートとが形成され、強化材からなる成形体を封入する治具と、
    樹脂を供給する樹脂供給源と、
    1又は2以上の樹脂排出手段と、
    第1通路開閉手段を有し、前記強化材に樹脂を含浸させる第1含浸工程の際に前記樹脂供給源の樹脂を前記注入ポートに導く注入通路と、
    第2通路開閉手段を有し、前記第1含浸工程の際及び前記注入ポートから樹脂を注入した後の第2含浸工程の際に、前記樹脂排出手段によって前記排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する排出通路と、
    第3通路開閉手段を有し、前記第2含浸工程の際に、前記樹脂排出手段によって前記補助排出ポートを通じて前記治具内の樹脂を排出する補助排出通路と、
    を備えている複合材料の製造装置。
  5. 請求項3又は4に記載の複合材料の製造装置であって、
    前記治具は、前記成形体を支持する支持台と、前記支持台上において前記成形体を覆うフィルムシートとを備え、前記支持台と前記フィルムシートとの間に前記成形体を封入する複合材料の製造装置。
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