JP4034740B2 - Dna合成用のプライマーの選定方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は,選択的にDNAを合成するためのプライマーを選定する方法に関する。
背景技術
病原体およびその他の疾病の診断を遺伝子を用いて行う場合(遺伝子診断),検査試料中に含まれるRNAからcDNAを合成し,さらにPCR法等を用いてDNAを増幅した後にこれを検出する方法が用いられる。DNAの増幅はRNAから逆転写反応によりcDNAを生成させた後に行うため,逆転写反応を開始させるプライマーの塩基配列が検出感度および効率に大きく影響を与える。
従来は,このプライマーとして,検査対象の遺伝子・病原体に特異的なプライマー(遺伝子特異的プライマー),哺乳動物のメッセンジャーRNA(mRNA)の多くが持つpoly(A)配列に結合するmRNA用プライマー(オリゴdTプライマー)および全てのRNAと非特異的に結合するプライマー(ランダムヘキサマー)の三種が用いられてきた。これらのうち,遺伝子特異的プライマーは特定の遺伝子を逆転写させる効率が高いが,対象以外の遺伝子は逆転写されないため,多くの遺伝子を対象とする検査を行う場合には,多種の遺伝子特異的プライマーを調製する必要があるため多額のコストを要するという問題点がある。例えば,大腸菌の特定の株に特異的なプライマーセットとして4000種類のプライマーの混合物が用いられている。このような特異的プライマーを用いる検出方法は,特に食中毒患者からの試料の検査など対象微生物が不明である場合には実用的ではない。また,遺伝子特異的プライマーを用いた場合には,検出可能な塩基配列が限定されるため,塩基配列が若干異なる可能性のある多数の遺伝子を検出することが困難である。特に,細菌類やウイルスは種間で遺伝子の配列が若干異なる上に,頻繁に遺伝子の突然変異を起こすため,これらの変種を検出しうる遺伝子特異的プライマーの選定は非常に難しい。一方,オリゴdTプライマーは,poly(A)配列を持つmRNAに対しては比較的高い効率で検出が可能であるが,poly(A)配列を持たないmRNAとして転写される遺伝子を検出することができないという問題点がある。また,非特異的にRNAからcDNAを合成するランダムヘキサマーを用いた場合には,細胞内のRNA中で大きな割合を占めるリボゾームRNAや高度リピート配列に対応するcDNAが大量に合成されてしまうため,目的とする遺伝子・病原体の検出効率が低いという問題点がある。
したがって,本発明の目的は,ランダムヘキサマーと同様に,細菌,ウイルス,寄生虫,真菌などに由来するRNAを非特異的に逆転写するが,リボゾームRNAおよび高度リピート配列を逆転写する頻度が低いプライマーの混合物(制限プライマーミックス)を選定する方法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は,DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定方法を提供する。該方法は,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,該頻度情報に基づき,該非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,を含むことを特徴とする。
別の観点においては,本発明のプライマー選定方法は,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,該頻度情報に基づき,該非標的配列に出現する頻度が低く,該標的配列に出現する頻度が高い所定の選択特性をもつモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,を含むことを特徴とする。
好ましくは,該プライマー選定ステップは,モチーフが該非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下であり,該標的配列に出現する頻度が所定の高頻度閾値以上であるとき,そのモチーフが該所定の選択特性をもつと判定することを特徴とする。また好ましくは,該プライマー選定ステップは,モチーフが該非標的配列に出現する頻度と該標的配列に出現する頻度の相違に基づいて,そのモチーフが所定の選択特性をもつか否かを判定することを特徴とする。
本発明のプライマー選定方法の特に好ましい観点においては,非標的配列はリボゾームまたは高度リピート配列の塩基配列である。また好ましい観点においては,標的配列は正常細胞に存在しない異常RNA,例えば,細菌,ウイルス,寄生虫または真菌に由来するRNAの塩基配列である。
別の観点においては,本発明は,DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定装置であって,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成部と,該頻度情報に基づき,該非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定部と,を含むことを特徴とするプライマー選定装置を提供する。好ましくは,本発明のプライマー選定装置は,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成部と,該頻度情報に基づき,該非標的配列に出現する頻度が低く,該標的配列に出現する頻度が高い所定の選択特性をもつモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定部と,を含む。
さらに別の観点においては,本発明は,DNA合成用のプライマーを選定するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,該頻度情報に基づき,該非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,を該コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供する。好ましくは,本発明のプログラムは,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,該頻度情報に基づき,該非標的配列に出現する頻度が低く,該標的配列に出現する頻度が高い所定の選択特性をもつモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,を該コンピュータに実行させることを特徴とする。
別の観点においては,本発明は,DNA合成用のプライマーを選定するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体を提供する。
さらに別の観点においては,本発明は,上述の本発明のプライマー選定方法により選定されたプライマーの配列を有するオリゴヌクレオチド混合物,ならびに該混合物を含むcDNA合成用キットを提供する。本発明はまた,上述の本発明のオリゴヌクレオチド混合物をプライマーとして,逆転写酵素またはDNA合成酵素を用いてDNAを合成することを特徴とするDNAの製造方法を提供する。このようにして合成されたDNAは,PCRのテンプレートとして,およびオリゴヌクレオチドのアレイを用いるハイブリダイゼーションアッセイ系のプローブとして用いることができる。本発明はまた,試料において正常細胞に存在しないRNAを検出する方法であって,試料からRNAを抽出し,請求項23記載のオリゴヌクレオチド混合物をプライマーとして逆転写によりcDNAを合成し,そして,該cDNA中に正常細胞に存在しないRNAに対応する配列が存在するか否かを判定することを特徴とする方法を提供する。正常細胞に存在しないRNAは,好ましくは,細菌,ウイルス,寄生虫または真菌に由来するRNAである。
本発明にしたがえば,ランダムヘキサマーと同様に,細菌,ウイルス,寄生虫,真菌等に由来するRNAを非特異的に逆転写するが,リボゾームRNAおよび高度リピート配列を逆転写する頻度が低いプライマーを容易に選定することができる。本発明にしたがって選定されたプライマーの混合物(制限プライマーミックス)を用いて逆転写反応を行うことにより,逆転写産物中に占める検出対象のcDNAの比率が増加するため,ヒトや家畜に感染した細菌,ウイルス,寄生虫,真菌等を高い感度で検出することができる。また,本発明の制限プライマーミックスを用いることにより,このような細菌やウイルスの遺伝子配列が不明の場合であっても,正常細胞に存在しない異常RNAを高感度で検出することができる。本発明の制限プライマーミックスは,特に,食中毒患者からの糞便試料を用いて未知の病原体を検出するアッセイにおいて有用である。
発明を実施するための最良の形態
以下,本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
プライマーの選定方法
図1は,本実施の形態におけるプライマー選定装置のハードウエア構成例を示している。プライマー選定装置1は,本発明のプライマー選定方法を実行する。
図1に示されるように,プライマー選定装置1は,CPU3,ROM5,RAM7,ハードディスク9,CD−ROM等の媒体装着部11,キーボード等の入力装置13,ディスプレイ,プリンタ等の出力装置15および通信装置17を含む。
図1から明らかなように,プライマー選定装置1は,汎用のコンピュータで構成されてよい。本発明のプライマー選定方法を実現するためのプログラムがコンピュータにインストールされる。このプログラムがCPU3により実行されて,プライマー選定装置1が実現される。プライマー選定装置1は,インターネット等の通信により他のコンピュータからアクセスされてもよい。そして,他のコンピュータからの要求に応えてプライマーを選定してもよい。
図2は,プライマー選定装置1の機能ブロック図である。図2において,プライマー長さ取得部21は,プライマーの長さを取得する。この取得された長さをもつ適切なプライマーが,以降の解析処理にて求められる。プライマー長さは,例えば,オペレータによりキーボードを用いて入力される。また,プライマー長さは,通信により取得されてもよい。プライマー長さは,塩基長で表される。本実施形態では,プライマー長さを「分析塩基単位」とも称する。プライマー長さは,標的配列および非標的配列の性質に応じて,当業者が適宜選択することができる。好ましくはプライマー長さは4−30塩基である。4塩基より短いとプライミングの効率が低く,30塩基を越えるとプライマー合成のコストが高くなる。より好ましくはプライマー長さは6−20塩基であり,最も好ましくは6−9塩基である。
モチーフ生成部23は,プライマー長さに基づき,プライマー候補モチーフ群を生成する。モチーフは,プライマー長さ(分析塩基単位)をもつ塩基配列のパターンである。そして,プライマー候補モチーフ群は,与えられたプライマー長さにて実現可能なモチーフの集合である。例えば,塩基がA,C,G,Tの4種類であり,プライマー長さが6である場合,プライマー候補モチーフ群は,すべての可能な塩基配列を有する6塩基のモチーフ4(=4096)個の集合である。プライマー候補モチーフ群は,以降の処理にて,プライマー候補のモチーフの集合として使われる。
配列情報取得部25は,プライマー選定処理に使う塩基配列を取得する。ここでは,非標的配列および標的配列が取得される。非標的配列は,逆転写されるべきでない配列である。一方,標的配列は,優先的に逆転写されるべき配列である。例えば,細胞に感染したウイルスを検出するためのプライマーが選定されるき,非標的配列の例が細胞のリボゾーム配列であり,標的配列の例が検出すべきウイルスの配列である。配列の情報は,例えば,媒体装着部に装着された記録媒体(CD−ROM等)から取得される。配列は,通信等の他の手法により,公共のデータベース等から取得されてもよく,DNA配列決定装置に装備されるコンピュータから取得されてもよい。
頻度情報生成部27は,プライマー候補モチーフ群の各モチーフが配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める。頻度情報生成部27は,非標的頻度情報生成部29および標的頻度情報生成部31を含む。非標的頻度情報生成部29は,非標的配列(例えばリボゾーム)におけるモチーフ出現頻度を求める。標的頻度情報生成部31は,標的配列(例えば検出すべきウイルス)におけるモチーフ出現頻度を求める。
プライマー選定部33は,頻度情報生成部27により求められた頻度情報に基づき,プライマー候補モチーフ群からプライマーを選定する。標的頻度情報生成部31は,所定の選択特性をもつモチーフをプライマーとして選定する。選択特性は,後述するように,非標的配列に出現する頻度が低く,前記標的配列に出現する頻度が高いことを示すプライマーの特性である。典型例では,あるモチーフの非標的配列での出現頻度が所定の低頻度閾値以下であり,同モチーフの標的配列での出現頻度が所定の高頻度閾値以上のとき,そのモチーフが本実施形態の選択特性をもつと判断される。低頻度閾値および高頻度閾値の値は,検出の目的および対象の特性を考慮して,当業者が容易に設定するか,または実験的に求めることができる。
本実施形態では,プライマー選定部33により選定されたプライマーの集合を,制限プライマーミックスという。プライマーセット出力処理部35は,制限プライマーミックスの情報を出力するための処理を行う。典型的には,制限プライマーミックスの情報は,プリンターおよびディスプレイ等の出力装置から出力される。制限プライマーミックスの情報は,通信により他のコンピュータ等へ出力されてもよい。好ましくは,制限プライマーミックスの情報は,DNA合成機の運転を制御するコンピュータに送られる。
図3は,図2のプライマー選定装置1によるプライマー選定処理の概要を示している。この例では,プライマー長さ(分析塩基単位)が6であり,非標的配列がリボゾームであり,標的配列がウイルスである。
図3に示されるように,モチーフ生成部23は,6塩基の長さを有するモチーフの群を生成する。モチーフ群は,典型的には4種類の塩基のすべての組み合わせを含むが,プライマーの推定二次構造を考慮して,または非標的配列または標的配列に関する従来の知見に基づいて,モチーフ群から特定の配列を排除してもよい。頻度情報生成部27の非標的頻度情報生成部29は,モチーフ群の各モチーフがリボゾーム配列中に出現する頻度を求める。ここでは,リボゾーム配列中の任意の連続する6塩基からなる部分配列がモチーフ群の各モチーフと比較される。リボゾーム配列の始端から6文字の部分配列が選択され,モチーフ群を参照して,選択された6文字に該当するモチーフを選択し,該当するモチーフの頻度に「1」が加えられる。すなわち,頻度の値が1ずつ増加する。次に,1塩基ずらして部分配列が選択され,同様の処理が行われる。このようにして,非標的頻度情報生成部29は,リボゾーム配列全体における各モチーフの出現頻度を求める。一方,頻度情報生成部27の標的頻度情報生成部31は,モチーフ群の各モチーフがウイルス配列中に出現する頻度を求める。この処理は,上述のリボゾームに関する処理と同様でよい。このようにして,プライマー選定装置1は,モチーフ群の生成および塩基配列中における各モチーフの出現頻度の集計を行う。
図4は,頻度の集計結果の一例を表す表である。プライマー選定部33が,図4の頻度情報に基づき,モチーフ群からモチーフを選定する。プライマー選定部33は,リボゾームに出現する頻度が低く,かつ,ウイルスに出現する頻度が高いモチーフを求める。
例えば,図4においては,モチーフ1は,リボゾームでの出現頻度が高く,ウイルスでの出現頻度が低い。また,モチーフ2は,リボゾームおよびウイルスでの出現頻度が高い。また,モチーフ3は,リボゾームおよびウイルスでの出現頻度が低い。これらのモチーフ1〜3は,プライマーとして選ばれない。一方,モチーフ4は,リボゾームでの出現頻度が低く,ウイルスでの出現頻度が高い。そこで,モチーフ4は,プライマーとして選択される。同種の特性をもつモチーフがさらに選択され,プライマーのセットが得られる。
上述のように,プライマー選定部33は,リボゾームに出現する頻度が低く,ウイルスに出現する頻度が高いモチーフをプライマーの配列として選定する。出現頻度の大きさは,このプライマーを用いて逆転写反応を実施したときの逆転写の頻度の大きさと相関する。すなわち,あるモチーフのリボゾーム中での出現頻度が低いとき,そのモチーフを有するプライマーからリボゾーム配列が逆転写される頻度も低い。あるモチーフのウイルス中での出現頻度が高いとき,そのモチーフを有するプライマーからウイルス配列が逆転写される頻度も高い。したがって,上述の処理により,プライマー選定部33は,ウイルスに由来する配列を優先的に逆転写するプライマーで構成される適切なプライマーセットを選定することができる。
図5は,頻度情報の生成および処理の例を示すフローチャートである。図5の処理は,非標的配列および標的配列のどちらの頻度を求めるときにも適用される。
まず,プライマー長取得部21が分析塩基単位(プライマー長)を取得し,これにより分析塩基単位が決定される(S10)。そして,モチーフ生成部23が,分析塩基単位をもつ可能な全てのモチーフを自動生成する(S12)。これにより,プライマー候補モチーフ群(モチーフ一覧)が得られる。
S14では,配列情報取得部25が,分析対象の配列の情報を取得する。分析対象の配列は,非標的配列または標的配列である。配列情報取得部25は,二重鎖の片側の情報を取得する。S16では,配列情報がテキストデータに変換される。そして,S18では,テキストの始端から6文字の部分配列が選択される(分析塩基単位が6塩基である場合)。ここでは,この選択された部分配列を選択配列と呼ぶ。S20では,モチーフ一覧を参照して,選択された6文字に該当するモチーフを選択する。S22では,該当するモチーフの頻度に「1」が加えられる。すなわち,頻度の値が1ずつ増加する。
S24では,選択配列が1文字シフトされる。S26にて,選択配列の文字数が分析塩基単位(6)以上であるか否かが判定される。S26がYESの場合,S20に戻る。S26がNOの場合,塩基配列の全範囲について頻度の取得が終了したことを意味する。そこで,S26がNOの場合,S28に進む。
次に,S28では,反対鎖テキストが生成される。より詳細には,S16では,頻度情報生成部27は,二重鎖の片側の配列情報をテキストデータに変換した。S28では,S16のテキストデータを,反対鎖のテキストデータに変換する。AがTに,TがAに,CがGに,GがCに変換される。さらに,テキストの方向が反転される。
S30〜S38は,S18〜S26と同様の処理である。S30〜S38により,頻度情報生成部27は,反対鎖テキストにおけるモチーフ出現頻度の集計結果を得る。S38がNOであれば,反対鎖の全範囲を対象として頻度が求められている。すなわち,二重鎖の両側の配列について頻度の集計が得られている。そこで,S38がNOであれば,頻度情報生成処理が終了する。なお,S28〜S38は,二重鎖を想定する必要がある場合に行われればよい。
以上,図5の頻度情報生成処理を説明した。上記の処理によれば,頻度情報生成部27において,モチーフ一覧中の各モチーフの出現回数の集計結果が,頻度情報として得られる。既に述べたように,図5の処理は,非標的配列における頻度を求めるときにも,標的配列における頻度を求めるときにも適用される。また,図示されないが,頻度情報は,プライマー選定装置1の記憶装置に記憶される。
図6は,プライマー選定部33がプライマーを選定する処理の一例を示すフローチャートである。プライマー選定部33は,非標的配列における頻度の情報を参照し(S50),モチーフ一覧に示されるモチーフ群から,所定の低頻度閾値以下の出現頻度をもつモチーフを選ぶ(S52)。さらに,プライマー選定部33は,標的配列における頻度の情報を参照し(S54),所定の高頻度閾値以上の出現頻度をもつモチーフを選ぶ(S56)。プライマー選定部33は,S52およびS56の両方で選択されたモチーフのセットを,本実施形態の制限プライマーセットとして特定する(S58)。このプライマーセットに含まれるプライマーは,非標的配列を逆転写しにくく,標的配列を逆転写しやすい傾向をもつ。このようにして,本実施形態の好適な制限プライマーセットが得られる。
図7は,プライマー選定部33がプライマーを選定する処理のもう一つの例を示すフローチャートである。プライマー選定部33は,各モチーフについて非標的配列および標的配列における頻度の情報を参照し(S70),相違パラメータを計算する(S72)。相違パラメータは,標的配列での出現頻度と非標的配列での出現頻度の相違を表すパラメータである。相違パラメータは,非標的配列での出現頻度に対する標的配列での出現頻度の比であってもよく,標的配列での出現頻度と非標的配列での出現頻度の差であってもよい。後者の場合,差を求める前に標的配列と非標的配列の長さの相違にしたがって出現頻度の値を出現確率の値に補正する必要がある。あるいは,相違パラメータは,標的配列および非標的配列における出現頻度の順位の差または比であってもよく,その他の関数により求めてもよい。
図7の例では,相違パラメータは,非標的配列での出現頻度に対する標的配列での出現頻度の比である。S72では,プライマー選定部33は,相違パラメータである出現頻度の比に基づき,モチーフ一覧に示されるモチーフ群からプライマーを選ぶ(S74)。出現頻度の比が大きいとき,非標的配列での頻度が低く,かつ,標的配列での頻度が高い。すなわちこのモチーフは本実施形態の選択特性をもつ。そこで,S74では,プライマー選定部33は,所定の頻度比閾値以上の出現頻度比をもつモチーフを選ぶ。選ばれたモチーフのセットが,制限プライマーセットとして特定される(S76)。このようにして,プライマー選定部33は,非標的配列を逆転写しにくく,標的配列を転写しやすい傾向をもつプライマーを選択できる。したがって,図7の処理によっても,本実施形態の好適な制限プライマーセットが得られる。
ここで,図6および図7において,プライマー選定部33は,各モチーフが選択特性を有するか否かを判定している。ここでいう選択特性とは,非標的配列に出現する頻度が低く,標的配列に出現する頻度が高い特性である。この選択特性が本実施形態ではプライマー選定基準として用いられている。そして図6では,低頻度閾値および高頻度閾値を用いて選択特性の判定が行われた。また,図7では,相違パラメータを用いて選択特性の判定が行われた。
しかし,本発明はこれらの処理に限定されない。プライマー選定装置1は,以下に例示される処理により,適当な選択特性をもつモチーフを求めてもよい。
例えば,出現頻度は,配列中での出現回数以外の数値で表されてもよい。例えば,出現頻度は出現確率で表されてもよい。また,出現頻度は,正規分布の偏差値のような別の統計的数値で表されてもよい。その他にも,出現頻度は,頻度の高低を示す別のパラメータで表されてもよい。
また,本実施形態では,モチーフの選定のために,頻度の順位を用いることも可能である。例えば,非標的配列での頻度順位が所定の上限値以下であり,標的配列での頻度順位が所定の下限値以上のとき,プライマー選定装置1は,モチーフが適当な選択特性をもつと判断する。
また,図7の処理は,標的頻度と非標的頻度での出現頻度の相違を表す相違パラメータを用いた。図7の例では,相違パラメータは,出現頻度の比であるが,例えば,相違パラメータは出現頻度の差でもよい。標的配列での出現頻度と非標的配列での出現頻度の差が所定の値以上のとき,プライマー選定装置1が,モチーフが適当な選択特性をもつと判断する。ここでは,出現確率の差が好適に用いられる。あるいは,頻度順位に基づいて相違パラメータを決定してもよい。
図8は,本発明の別の実施形態におけるプライマー選定装置1の動作を示すフローチャートである。上述の実施形態では,予めプライマーの長さが決められていた。一方,本実施形態では,プライマー選定装置1は,適切な塩基長をもつプライマーを求める。プライマー選定装置1の構成は,既に述べた実施の形態(図1および図2と同様でよい)。
図8を参照すると,プライマー選定装置1は,まず,プライマー長さを初期値n0に設定する(S80)。初期値n0は,例えば5である。そして,プライマー選定装置1は,頻度情報を生成する(S82)。S82は,図5に示された処理でよい。さらに,プライマー選定装置1は,頻度情報からプライマーを選定する(S84)。S84は,図6または図7に示された処理でよい。
次に,プライマー選定装置1は,S84で得られたプライマーの数を,所定の要求プライマー数と比較する(S86)。そして,プライマー選定装置1は,プライマーの数が,要求プライマー数以上か否かを判定する。S86がNOであれば,プライマー選定装置1は,プライマー長さを一つ延ばし(S88),S82に戻る。S86がYESであれば,処理を終了する。
このように,本実施形態によれば,プライマー選定装置1は,複数のプライマー長さの各々について,頻度情報に基づきプライマーセットを選定する処理を行う。そして,プライマー選定装置1は,要求数を満たす数のプライマーが得られる範囲で,最小の長さのプライマーで構成されるプライマーセットを求める。
したがって,本実施形態によれば,短いプライマーで構成され,かつ,適当な数のプライマーをもつプライマーセットが得られる。プライマーが短いので,オリゴヌクレオチド合成のコストを削減でき,かつ,適当な数のプライマーが得られるので,逆転写の効率もよい。
以上,非標的配列としてリボゾームを例として本発明のプライマー選定方法について説明してきたが,当業者は,非標的配列として例えば高度リピート配列を用いた場合にも同様にして適切なプライマーを選定しうることを理解するであろう。
さらに,本発明のプライマー選定方法は,標的配列,例えばウイルス配列が未知である場合にも適用することができる。この場合,頻度情報生成部27は非標的頻度情報生成部29からなり,ここでは非標的配列の頻度情報のみが求められる。次に,プライマー選定部33は,非標的頻度情報のみに基づいてプライマーを選定する。選定は,例えば,モチーフが非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下である場合に,このモチーフをプライマーとして選定することにより行うことができる。
また,本発明のプライマー選定方法は,標的配列,例えばウイルス配列が複数である場合にも適用することができる。この場合,プライマーは,上述の配列未知の場合と同様に,非標的頻度情報のみに基づいて選定されてもよく,あるいは,それぞれの標的に対応する複数の標的頻度情報を参照することにより選定されてもよい。例えば,各標的について図5−8に記載されるステップにより適切なプライマーを選定した後にこれらのプライマーを混合してもよく,あるいは,各標的についての標的頻度情報を統合して数学的または統計学的に処理した後に,非標的頻度情報と比較することによりプライマーを選定してもよい。
プライマーの製造および使用
上述のようにして選定されたプライマーの配列にしたがって,それぞれの配列を有するオリゴヌクレオチドの混合物(制限プライマーミックス)を製造する。オリゴヌクレオチドの合成方法は当該技術分野においてよく知られており,例えば汎用のDNA合成装置(例えば394合成器,Applied Biosystems社)を用いて製造することができる。
次に,この制限プライマーミックスを用いて生化学的手段によりcDNAを合成することができる。被検材料とその対照材料からRNAを抽出後,上述のように作成した制限プライマーミックスをプライマーとして逆転写酵素によりcDNAを合成する。合成されたcDNAは,効率の高いPCR検査において用いることができる。以下に,cDNA合成の詳細を説明する。
RNAを抽出する材料としては,細菌が感染した組織,ウイルスが感染した細胞およびpoly(A)配列を持たないRNAを検出する必要がある細胞などがあげられる。
RNAを抽出するためには,グアニジン−イソチオシアネート混合液または適当な界面活性剤,例えばSDS,NP−40,トリトンX−100,デオキシコール酸等を用いて,ホモジナイサーを用いた方法や凍結融解等の物理学的方法によって,細胞を部分的または完全に破壊,可溶化する。次に,染色体DNAを,ポリトロン等のミキサーもしくは注射筒を用いて,ある程度せん断し,その後,蛋白質と核酸分画とを分別する。この分別操作には,特にフェノール・クロロホルム抽出もしくは超遠心を用いるCsCl重層法等が一般的に用いられる。
また,上記方法においては,RNaseによるRNAの分解を防ぐために,RNaseインヒビター,例えばLife Technologies社のRNase Inhibitor,Ambion社のSuper RNaseInn等を添加しておくのが良い。
抽出されたRNAを鋳型としたcDNAの合成は,鋳型としてRNA,プライマーとして上述のように合成した制限プライマーミックス,dNTP(dATP,dGTP,dCTPおよびdTTP)混合物の存在下で,逆転写酵素を用いてRNAに相補的な一本鎖cDNAを合成する。逆転写酵素としては,例えば,SuperScriptII(RNaseH)(In Vitrogen社)を用い,添付の指針に記載の条件下で逆転写反応を行うことができる。
このようにして選択的に合成されたcDNAを用いて,PCR法等により,細菌・RNAウイルス等の病原体を検出することができる。また,細菌・RNAウイルス等と被検材料の遺伝子を含む複数の対象遺伝子についてPCRによる検査を実施することができる。たとえば,このように合成したcDNAの一部を用いて,口腔内の炎症を起こした細胞の標本について癌関連の遺伝子の異常の有無を調べた後,その結果として細菌・RNAウイルス等を検査する必要が生じた場合に残りのcDNAを用いてこれらを検査することができる。
また,本発明のプライマーミックスを用いて作成されたcDNAは,非特定の塩基配列を検出するためにも用いることができる。細菌が感染した組織やRNAウイルスの感染細胞と非感染の対照細胞について,それぞれ上述のようにcDNAを合成した後,二重鎖のcDNAを合成し,サブトラクション法の1つとして知られるRDA法(Representational Difference Analysis)に基づく方法を実施することにより,細菌やウイルスの特定の塩基配列に依存せずにこれらの塩基配列を増幅することができ,このことにより未同定の病原体を検出することが可能となる。
上述の逆転写反応終了時のcDNAは,RNAと結合した状態であるが,これにRNaseHおよびDNAポリメラーゼを反応させることによりRNAをDNAに置換して二重鎖のcDNAとする。この二重鎖のcDNAについてRDA法を実施する。RDA法の概要を図9に示す。RDA法とは,二重鎖のcDNAを,パリンドローム配列を認識し5’突出の断端を生成する制限酵素(例えばAGCTの配列を認識するDpnII)で切断し,二種類のリンカーをT4DNAリガーゼおよび制限酵素で順次結合・切断を繰り返した後、二種の配列のヘテロ二重鎖をPCRにより増幅させることにより、一方のcDNAにのみ存在する配列を選択的に増幅させる方法である。すなわち、図9に示すように,DpnII切断断片と結合する粘着末端を生じる24塩基および12塩基の二種のオリゴマーから構成されるリンカー1(5’−AGCACTCTCCCAGCCTCTCACCGAG−3’(リンカープライマー1)および5’−GATCCTCGGTGA−3’(リンカープライマー2))(Lisitsyn,et al.(1993)Science 259,946)を、DpnIIで切断されたcDNAとリガーゼ反応液中で混合し,リガーゼを加えて14℃で保温することにより,cDNAとリンカー1を共有結合(リンカーの連結)させる。このDpnIIによる切断とリンカーの連結を、感染細胞由来のcDNAと非感染細胞由来のcDNAの双方について実施する(感染細胞および非感染細胞由来リンカー付cDNA)。次に、感染細胞および非感染細胞由来リンカー付cDNAをTaqポリメラーゼを含むTaqポリメラーゼ合成混合液と混合し、72℃で10分間反応させることにより,24塩基のリンカープライマー1の相補鎖をcDNAの3’末端から合成させる(感染細胞および非感染細胞由来リンカー配列合成cDNA)。感染細胞および非感染細胞由来リンカー配列合成cDNAについて,24塩基のリンカープライマー1をプライマーとしたPCR反応を行うことにより、感染細胞および非感染細胞由来のcDNAのDpnII切断断片を増幅する(感染細胞および非感染細胞由来アンプリコン)。
ここで増幅された感染細胞および非感染細胞由来アンプリコンの両端にはDpnIIで切断可能なリンカーが含まれているため,これらを切断する。切断後cDNAと切り離されたリンカー1に相当する配列は,ミニカラムクロマトグラフィー(Amersham社)またはシリカゲルを利用した低分子DNA除去キット(BIO101 GeneCleanII,Biogen社)等によって除去する(DpnII切断感染細胞由来アンプリコンおよびDpnII切断非感染細胞由来アンプリコン)。DpnII切断感染細胞由来アンプリコンについては,末端にリンカー2(5’−ACCGACGTCGACTATCCATGAACG−3’(リンカープライマー3)および5’−GATCCGTTCATG−3’(リンカープライマー4))を、リンカー1を連結したときと同様の方法により、改めて連結する(リンカー2接続感染細胞由来アンプリコン)。リンカー2接続感染細胞由来アンプリコンを過剰量のDpnII切断非感染細胞由来アンプリコンと混合した後,99℃で加熱後緩やかに冷却することにより,感染細胞と非感染細胞由来のcDNA(アンプリコン)についてヘテロ二重鎖を形成させる。このヘテロ二重鎖の形成においては,非感染細胞由来のcDNA(アンプリコン)のモル比率が大きいため,感染細胞由来のcDNA(アンプリコン)のうち非感染細胞に存在するcDNA(アンプリコン)と塩基配列が相同の断片のほとんどは非感染細胞のcDNA(アンプリコン)とヘテロ二重鎖を形成する。感染細胞由来アンプリコンのうち、ウイルスのRNAから合成されたアンプリコンと相同の配列は、非感染細胞由来のアンプリコンには存在しないため、リンカー2接続感染細胞由来アンプリコン同士が二重鎖を形成する。結果としてウイルスに由来するアンプリコンのみがその両端にリンカープライマー3が連結している二重鎖を形成する。
つづいて、感染細胞および非感染細胞由来cDNAのリンカー配列を合成した際と同様にTaqポリメラーゼによりリンカープライマー3の反対鎖を合成した後に,24塩基のリンカープライマー3をプライマーとしてPCR反応を実施する。PCR反応で効率良く増幅反応が進行するためには二重鎖DNAの両端にプライマーと相同の配列が存在する必要があるが、上記反応の場合には二重鎖の両端にリンカープライマー3と相同な配列を持つcDNA(アンプリコン)のみが増幅する。非感染細胞には存在せず感染細胞にのみ存在するRNAのうち主要なものは,細菌・RNAウイルス等に由来するRNAであるため,このRDA法によって細菌・RNAウイルス等の断片が増幅される。これをアガロースゲル中で電気泳動した後,エチジウムブロミドにより染色することによりDNA断片を可視化して検出する。あるいは,特異的プライマーを用いてハイブリダイゼーションにより検出してもよく,適切なプラスミドに挿入した後シークエンシングしてもよい。このようにして,塩基配列特異的プライマーを用いることなく感染細胞中の細菌・RNAウイルス等を検出することができる。
すなわち,本発明の制限プライマーミックスを用いれば,ウイルス種を特定しないまま細菌・RNAウイルス等の病原体を検出・解析することが可能になる。たとえば,動物の正常細胞RNA由来のcDNA断片を準備しておくことにより,原因不明の疾病によって死亡した動物の材料について感染していた細菌やRNAウイルスを迅速に同定することが可能となる。また,HIVのように高頻度で塩基配列の置換を起こすため,ウイルス特異的なプライマーオリゴマーを選定することが困難である病原体についても,検出・解析が容易となる。このように,本発明によるRNAを検出することにより,非特定のウイルスの検査を行う際の検出および作業効率を飛躍的に向上させることができる。
さらに,本発明のプライマーミックスは,RNAをテンプレートとする場合のみならず,DNAをテンプレートとしてDNAを合成する場合にも用いることができる。例えば,本発明のプライマーミックスを用いてPCR反応を実施することにより,目的とするDNAを優先的に増幅させることができる。
また,塩基配列決定において,ランダムプライマーの代わりに本発明のプライマーミックスを用いることにより,目的とする遺伝子の塩基配列決定を効率的に行うことができる。
実施例
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが,本発明は実施例によって限定されることはない。
実施例1
ヒトリボゾームRNAの塩基配列(GenBank受託番号U13369)を用いて,プライマー長さを6塩基として生成したモチーフ群の各モチーフについて,リボゾーム配列における出現頻度を求めた。頻度の低い96種のモチーフを選択し,DNA合成機(Abacus、シグマジェノシスInc)を用いて選択されたモチーフの配列を有するオリゴデオキシリボヌクレオチドを合成した。
実施例2
ヒトの細胞としてHEp−2細胞(ヒト咽喉頭がん由来細胞株,アカゲサルの細胞としてLLC細胞(アカゲザル,腎臓由来細胞株),ウシの細胞としてMDBK細胞(ウシ,腎臓由来細胞株)を使用した。また,RNAウイルスの感染例として,ヒトの細胞についてはヒトRSウイルス,アカゲザルの細胞についてはヒトパラインフルエンザウイルス3型を,ウシの細胞についてはウシパラインフルエンザウイルス3型を用いた。感染した細胞各10個を培養プレートより剥離し,遠心管により集めた後,5mlのリン酸緩衝液に再懸濁後,遠心によって試験管底部に細胞を集め,上清を除くことにより,培養液などの混入の少ない細胞を得た。
これらの細胞からRNAを抽出するため,遠心後の細胞を1mlのTrizol液(Life Technologies社)に懸濁した後,ポリトロンホモジナイザー(Kinematica社)により細胞をせん断・溶解した。続けて,各細胞のせん断・溶解液に対して0.6mlのクロロホルム溶液を加えて撹拌した後に遠心分離することにより,蛋白質を有機溶媒層に,核酸を水層に分離した。各試料の水層に,0.6mlのイソプロパノールを加えて撹拌後遠心(12,000×g,10分)をすることによりRNAを沈殿させ,上清をマイクロピペットにより除去することによりRNAを分離した。このRNAには抽出途中に混入した塩類が含まれているため,1mlの70%エタノールを加え,RNAを再懸濁後遠心することによりRNAを沈殿させ,上清を除去して逆転写の鋳型に用いるRNAを調製した。
cDNAの合成は,鋳型として精製したRNA1μg,プライマーとして実施例1の制限プライマーミックス各0.5pmol,100nmolのdNTP(dATP,dGTP,dCTPまたはdTTP,Sigma−Aldrich社),0.1MBqの[α−32P]dCTP(HAS社製造,日本アイソトープ協会販売),200ユニットの逆転写酵素(Super ScriptII,InVitrogen社),5倍濃度の逆転写用緩衝液(Super ScriptIIに添付),2μlのRNaseインヒビター(Super RNaseIn,Ambion社)を混合後,超純水(ミリポア社逆浸透純水製造装置により作成)により20μlに容量をあわせた反応液を試料ごとに氷上で作成した。従来の方法と比較するための対照として,制限プライマーミックスの代わりに50ngのオリゴdTプライマーまたは50pmolのランダムヘキサマーを添加した反応液も氷上で作成した。これらの反応液を42℃に設定したヒートブロック(TAH−1B,TAITEC)に入れて30分間保温することにより,RNAに相補的な一本鎖cDNAを合成した。
これらのcDNAの分子量を可視化するため,32Pで標識されているcDNA2μlを0.1%ブロモフェノールブルー,50%ホルムアミド,10% ホルムアルデヒドで80℃で5分間保温後,7%ホルムアルデヒドと1×MOPS緩衝液(20mM MOPS,5mM 酢酸ナトリウム,1mM EDTA)を含む1.5%アガロースゲル(AgaroseS,ニッポンジーン株式会社)中を,100V電位,1×MOPS緩衝液中で電気泳動した。
泳動後のゲル中のcDNAは,アガロースゲルは、ナイロン膜(ByodineB,Pall社)の上に密着後,ゲル乾燥機(アトー AE−3701)中で吸引しつつ乾燥された。アガロースゲル内のcDNAは、乾燥したアガロース膜上に残るかナイロン膜に移動するとともに固定された。この乾燥アガロース膜とナイロン膜を密着させたまま、放射線検出機(Phophor Imager Cyclone,Packard社)のIPプレートに感光することにより泳動像を可視化した。結果を図10に示す。図中,左端より6レーン,次の6レーンおよび右端の5レーンは,それそれランダムヘキサマー,オリゴdTプライマーおよび制限プライマーミックスを使用して合成されたcDNAについての泳動像を示す。各6レーンまたは5レーンは,使用した細胞ごとにウシ,ヒトおよびサルの標記に分かれるが,これらは,それぞれ細胞株としてMDBK細胞(ウシ,腎臓由来細胞株),HEp−2細胞(ヒト咽喉頭がん由来細胞株)またはLLC細胞(アカゲザル,腎臓由来細胞株)を用いたことを示す。”ウイルス感染の有無”の欄に”+”と記載されている場合には,RNAウイルスの感染例として,ウシ細胞の場合ウシパラインフルエンザウイルス3型,ヒト細胞の場合ヒトRS−ウイルス,サル細胞の場合ヒトパラインフルエンザウイルス3型で細胞を感染したことを示す。ただし,サルのRNAウイルス感染細胞を制限プライマーミックスを用いて逆転写した事例はここには示されていない。
図10から明らかなように,オリゴdTプライマーと同様に,ランダムヘキサマーと比較して高分子量のcDNAが得られたことが示された。
実施例3
感染細胞としては,牛パラインフルエンザウイルスに感染したMDBK細胞を使用し,非感染細胞にはMDBK細胞を使用した。実施例1と同じ方法および試薬によりRNAを抽出し,cDNAを合成した。cDNAに相補的なDNAは,26μlのcDNA合成反応溶液中に10μlの5×第2鎖合成緩衝液(250mM Tris(pH7.5),250mM NaCl,200mM(NHSO,35mM MgCl,25ユニットのE.coli DNAポリメラーゼ(東洋紡績)および2.25ユニットのRNaseH(東洋紡績),5μlの0.1M DTTを含む50μlの溶液を調整し16℃で3時間反応させる反応によりcDNAと相補的なRNAをDNAに置換した。結果としてRNAの塩基配列情報を持つ二重鎖のDNAが感染細胞および非感染細胞のそれぞれについて合成された。
感染および非感染の細胞について得られたcDNA全量を100μlの溶液中で20ユニットの制限酵素DpnII(New England BioLab,Inc.)で切断したのち,シリカマトリックスを用いたリンカープライマー除去キット(DNA Clean and Concentrator5,Zymo Research,Inc.)によりDpnII切断断片のうち40塩基対以下の断片を除去した(DpnII切断cDNAおよびDpnII切断非感染細胞由来cDNA)。20μlの溶出液(DNA Clean and Concentrator5に添付,ZymoResearchInc.)中のDpnII切断cDNAおよびDpnII切断非感染細胞由来cDNAは,それぞれ10μlずつを2μlのリンカー1(リンカープライマー1(5’−AGCACTCTCCCAGCCTCTCACCGAG−3’)およびリンカープライマー2(5’−GATCCTCGGTGA−3’))1nmolと混合後,さらに12μlのライゲーション反応液(Promega社 Rapid Ligation Kit)および1μlのリガーゼ(Promega社 Rapid Ligation Kit)と混合し、14℃で30分間保温することによりリンカー1をDpnII切断端に付加した(感染細胞および非感染細胞由来リンカー付cDNA)。次に、5ユニットのTaqポリメラーゼ(Sigma−Aldrich),10×Taqポリメラーゼ緩衝液(Sigma−Aldrich),0.3mMのdNTPを含む100μlの反応溶液を72℃で10分保温することにより、24塩基のリンカープライマー1の相補鎖をcDNAの3‘末端から合成させた(感染細胞および非感染細胞由来リンカー配列合成cDNA)。この反応液に50pmolの24塩基のリンカープライマー1を加えてPCR反応(95℃1分・70℃3分を20サイクル)を実施することにより,感染細胞および非感染細胞由来のcDNAのDpnII切断断片を増幅した(感染細胞および非感染細胞由来アンプリコン)。
ここで増幅された感染細胞および非感染細胞由来アンプリコンの両端にはDpnIIで切断可能なリンカーが含まれているため,これらを100μlの溶液中で20ユニットの制限酵素DpnIIにより切断した。切断後cDNAと切り離されたリンカー1に相当する配列は,シリカゲルを利用した低分子DNA除去キット(BIO101 GeneCleanII,Biogen社)によって除去された(DpnII切断感染細胞由来アンプリコンおよびDpnII切断非感染細胞由来アンプリコン)。DpnII切断感染細胞由来アンプリコンについては,前述の方法に従い末端にリンカー2(5’−ACCGACGTCGACTATCCATGAACG−3’(リンカープライマー3)および5’−GATCCGTTCATG−3’(リンカープライマー4))が、リンカー1を連結したときと同様の方法により、改めて連結された(リンカー2接続感染細胞由来アンプリコン)。
20ngのリンカー2接続感染細胞由来アンプリコンを2μgのDpnII切断非感染細胞由来アンプリコンと混合した後,10分の1容量の3M酢酸ナトリウムおよび2.5倍量のエタノールを加えることにより、混合液中のcDNA(アンプリコン)をすべて沈殿させた。この沈殿を乾燥後、4μlの3×EE緩衝液(10mM N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸),1mM EDTA,pH8.0)中に溶解し,99℃で3分加熱後急冷し,ここに5M NaCl溶液を1μl加えた後,67℃で20時間保温することにより感染細胞由来および非感染細胞由来の二種のcDNA(アンプリコン)をハイブリダイズさせた。
ハイブリダイズ終了後、その溶液をTE緩衝液(10mM Tris,1mMEDTA,pH8,0)で200倍希釈した後、その溶液の1μlを5ユニットのTaqポリメラーゼ(Sigma−Aldrich),10×Taqポリメラーゼ緩衝液(Sigma−Aldrich),0.3mMのdNTPを含む100μlの反応溶液に加え72℃で10分保温することによりリンカープライマー3の反対鎖を合成した。その後に,50pmolの24塩基のリンカープライマー3(5’−ACCGACGTCGACTATCCATGAACG−3’)を加えてPCR反応(95℃1分・70℃3分を20サイクル)を実施することにより,DpnII切断断片を増幅した。
この反応では両端にリンカー配列を持つウイルス由来cDNAの制限酵素切断断片のみが増幅されることが期待された。2%アガロースゲル中(1×TAE緩衝液中)で非変性条件で泳動した結果を図11に示す。レーン1および2:ウシパラインフルエンザウイルス3型で感染されたMDBK細胞(図中ウイルス感染の有無”+”で示す)および非感染MDBK細胞(図中ウイルス感染の有無”−”で示す)から抽出したRNA(図中”RNA”で示す);レーン4および5:逆転写することにより合成されたcDNAを二重鎖cDNAとした反応産物(図中”二本鎖cDNAs”で示す);レーン6および7:二重鎖cDNAを制限酵素DpnIIで切断後リンカーを接続した後,リンカー配列をプライマーとして非特異的に増幅した反応産物(図中”アンプリコン”で示す);レーン8:ランダムプライマーを用いて作成した二重鎖cDNAを非特異的に増幅した反応産物をRDAの原法に従って処理してウイルス感染細胞に特異的なDpnII切断断片を増幅した反応産物(図中”RDA(アンプリコン(Inf)−アンプリコン(Host))”で示す);レーン9:RDA法の一部を利用して増幅した感染細胞特異的なRNA由来のDNA断片(図中,”RDAcDNA(Inf)−アンプリコン(Host))”で示す)。
RDA法の際の感染細胞由来リンカーつきDNA断片と非感染細胞由来DNA断片の混合比率は,1:100(”RDA(アンプリコン(Inf)−アンプリコン(Host))”および”RDA(cDNA(Inf))−アンプリコン(Host))”のうちの右側のレーン)または1:10(”RDA(cDNA(Inf))−Amplicon(Host))”のうちの左側のレーン)である。図中”M”で示す分子量マーカーは,低分子量より100,200,300,400,500(高濃度),600,700,800,900,1000,2000(高濃度)および3000(高濃度)塩基対のバンドから構成される。二重鎖cDNA中には,cDNA合成中分解されなかったリボゾームRNAが含まれている。
図11から明らかなように,この制限プライマーミックスを用いて合成されたcDNAについてのRDA法によって,感染細胞にのみ存在するウイルスRNAが増幅された。
産業上の利用性
本発明にしたがって選定されたプライマーの混合物を用いることにより,ヒトや家畜の細胞中において細菌やウイルスの遺伝子を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は,本実施の形態におけるプライマー選定装置のハードウエア構成例を示す。
図2は,プライマー選定装置の機能ブロック図である。
図3は,図2のプライマー選定装置によるプライマー選定処理の概要を示す。
図4は,頻度の集計結果の一例を表す表である。
図5は,頻度情報の生成および処理の例を示すフローチャートである。
図6は,プライマー選定部がプライマーを選定する処理の一例を示すフローチャートである。
図7は,プライマー選定部がプライマーを選定する処理の別の例を示すフローチャートである。
図8は,本発明の別の実施形態におけるプライマー選定装置1の動作を示すフローチャートである。
図9は,RDA法(Representational Difference Analysis)の概要を示す。
図10は,本発明のプライマーミックスを用いてRNAから逆転写した一本鎖cDNAの電気泳動写真を示す。
図11は,本発明のプライマーミックスを用いて製造した二本鎖DNAおよびこれを増幅した反応産物の電気泳動写真を示す。

Claims (25)

  1. DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定方法であって,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,
    を含むことを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プライマー選定方法。
  2. DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定方法であって,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下であり,かつ前記標的配列に出現する頻度が所定の高頻度閾値以上であるモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,
    を含むことを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プライマー選定方法。
  3. DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定方法であって,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記頻度情報に基づき,モチーフが前記非標的配列に出現する頻度と前記標的配列に出現する頻度の相違に基づいてプライマーを選定するプライマー選定ステップと,
    を含むことを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プライマー選定方法。
  4. 非標的配列がリボゾームの塩基配列である,請求項1−3のいずれかに記載の方法。
  5. 非標的配列がリピート配列の塩基配列である,請求項1−3のいずれかに記載の方法。
  6. 標的配列が細菌,ウイルス,寄生虫または真菌の塩基配列である,請求項2または3に記載の方法。
  7. DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定装置であって,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成部と,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定部と,
    を含むことを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プライマー選定装置。
  8. DNA合成用のプライマーを選定するプライマー選定装置であって,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成部と,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下であり,かつ前記標的配列に出現する頻度が所定の高頻度閾値以上であるモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定部と,
    を含むことを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プライマー選定装置。
  9. 非標的配列がリボゾームの塩基配列である,請求項7または8に記載の装置。
  10. 非標的配列がリピート配列の塩基配列である,請求項7または8に記載の装置。
  11. 標的配列が細菌,ウイルス,寄生虫または真菌の塩基配列である,請求項8記載の装置。
  12. DNA合成用のプライマーを選定するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって,
    前記プログラムは,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プログラム。
  13. DNA合成用のプライマーを選定するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって,
    前記プログラムは,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下であり,かつ前記標的配列に出現する頻度が所定の高頻度閾値以上であるモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、プログラム。
  14. 非標的配列がリボゾームの塩基配列である,請求項12または13に記載のプログラム。
  15. 非標的配列がリピート配列の塩基配列である,請求項12または13に記載のプログラム。
  16. 標的配列が細菌,ウイルス,寄生虫または真菌の塩基配列である,請求項13記載のプログラム。
  17. DNA合成用のプライマーを選定するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体であって,
    前記プログラムは,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下のモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、コンピュータ読取可能記録媒体。
  18. DNA合成用のプライマーを選定するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体であって,
    プライマー候補モチーフ群の各モチーフが非標的配列に出現する頻度および標的配列に出現する頻度を示す頻度情報を求める頻度情報生成ステップと,
    前記頻度情報に基づき,前記非標的配列に出現する頻度が所定の低頻度閾値以下であり,かつ前記標的配列に出現する頻度が所定の高頻度閾値以上であるモチーフをプライマーとして選定するプライマー選定ステップと,
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とし、ここで、前記モチーフの長さは6塩基以上である、コンピュータ読取可能記録媒体。
  19. 非標的配列がリボゾームの塩基配列である,請求項17または18に記載の記録媒体。
  20. 非標的配列がリピート配列の塩基配列である,請求項17または18に記載の記録媒体。
  21. 標的配列が細菌,ウイルス,寄生虫または真菌の塩基配列である,請求項18記載の記録媒体。
  22. 請求項4記載の方法により、プライマー長さを6塩基としてプライマーを選定し、選定されたプライマーの配列からなるオリゴヌクレオチドの混合物を製造し、前記オリゴヌクレオチドの混合物をプライマーとして,前記非標的配列および前記標的配列の存在下で、逆転写酵素またはDNA合成酵素を用いてDNAを合成することを特徴とする,DNAの製造方法。
  23. 試料において正常細胞に存在しないRNAを検出する方法であって,
    請求項1−6のいずれかに記載の方法によりプライマーを選定し、選定されたプライマーの配列からなるオリゴヌクレオチドの混合物を製造し、ここで非標的配列はリボゾームの塩基配列であり、
    試料からRNAを抽出し,
    前記オリゴヌクレオチドの混合物をプライマーとして逆転写により前記RNAからcDNAを合成し,そして,
    該cDNA中に正常細胞に存在しないRNAに対応する配列が存在するか否かを判定することを特徴とする方法。
  24. 正常細胞に存在しないRNAが,細菌,ウイルス,寄生虫または真菌に由来するRNAである,請求項23記載の方法。
  25. 試料が食中毒患者の糞便である,請求項23記載の方法。
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