JP4034328B2 - 発光検出装置および座標検出装置 - Google Patents
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この座標検出装置は、電子黒板や大型のディスプレイと共に一体化して利用される。
また、レーザビーム光をスキャンして、座標位置を指示するペンに備えられた鏡からの反射光を検出してペンによって指示された座標位置を検出するものがある。
また、特許文献2には、単一の発光手段とその周囲に複数の受光素子を備え、発光手段から出た光を再帰性反射シート(レトロリフレクター)で反射させて受光素子で受光した光の強度から指示位置を演算する光指示入力装置が記載されている。
さらに、特許文献4には、レーザ光を回転ミラーでスキャンさせ、光反射球面体を備えた位置指示器によって反射されたレーザ光を光検出器で検出し、その検出したときの回転ミラーの回転角度から位置を検出する三次元座標入力装置が記載されている。
また、ビーム光をスキャンして反射光を受光したときのスキャン方向から座標位置を検出する従来の座標位置検出装置では、モータ等のビーム光をスキャンさせる機構が必要となり、位置検出の信頼性が低く、また装置全体の小型化が困難である。
また、従来の発光及び受光素子を備えた装置と、この装置とは空間的に離れた位置に配置された再帰性反射シートとから構成される座標検出装置は、再帰性反射シートを動かすことによって空間的に離れた位置を指示するものであり、ある固定された平面内での座標検出をするものではない。
ここで、前記集光手段は、光学レンズ、又は微小なスリットを有するアパーチャーを用いることができる。
たとえば、前記集光手段は、前記座標入力領域面と平行な方向のみを集光するシリンドリカルレンズを用いてもよい。
また、前記集光手段は、前記反射光をスポット光にしぼる透過孔を1つ有したアパーチャーを用いてもよい。
さらに、前記受光素子は、前記座標入力領域面と平行な方向に細長い1次元PSDを用いてもよい。
また、この発明は、予め、受光角度、PSD上の受光位置、及び、PSDが発生する電気信号との対応関係を定めておき、PSDによって直接計測される電気信号の値から、前記反射光の受光角度を計算する制御回路を同一の筐体に組み込んだことを特徴とする。
また、発光手段からの光を座標入力領域面と平行であって扇形状に集光する光学レンズを、前記発光手段の光の方向に対して前方であって所定の間隔だけ離れた位置に、さらに備えてもよい。
受光角度検出の信頼性を向上させるために、前記各組の発光・検出手段の発光手段の発光を所定の時間間隔で順次行わせる時分割制御手段をさらに備えてもよい。
また、表示表面が座標入力領域となる表示装置をさらに備える場合には、誤動作を防止するため、表示表面上に赤外線カットフィルタを配置することが好ましい。
また、位置指示手段が有する再帰性反射部は、入射光を反射するために鏡が取付けられていることが好ましく、さらに先端付近に設けることが好ましい。
さらに、入射光をその入射光路と同じ方向に反射するために、再帰性反射部はいわゆる「コーナーキューブ」と呼ばれる互いに直交する3つの平面鏡から構成される微小な反射鏡を多数配置した構造とすることが好ましい。
また、集光手段としてアパーチャーを用いる場合は、反射光をスポット光にしぼる透過孔を1つ有したアパーチャーを用いればよい。
ところで、PSDは、光の受光位置によって異なる電気信号を発生する素子である。PSD上の受光位置と、角度検出手段に入射してくるペンからの反射光の受光角度は1対1に対応しているため、予め「受光角度」、「PSD上の受光位置」及びPSDが発生する電気信号との対応関係を定めておけば、PSDによって直接計測される電気信号の値から、ペンからの反射光の受光角度が計算され、さらに幾何学的原理により、ペンの指示位置が求められる。
ここで前記したように発光光軸と受光光軸がどちらも座標入力領域の略中央を向くように、発光手段と角度検出手段とからなる発光・検出手段を座標入力領域に対して配置してもよい。このように、発光・検出手段は、光をスキャンする機構を有することもなく、座標入力領域に対して配置されるので、簡単な構成とすることができる。
また、2組の発光・検出手段が用いられる場合、座標入力領域の中心(基準点)から見て、全く同方向に存在しないように、所定の間隔だけ離れて配置されればよい。
座標入力領域の中心と発光・検出手段の位置関係は、特に限定されるものではなく、前記したように座標入力領域が四角形の場合は、2組の発光・検出手段をそれぞれ、四角形の隣り合う2つの角に配置すればよい。
また、前記した時分割制御手段及び演算手段は、MPUを中心とした、いわゆるマイクロコンピュータによって実現できる。
ここでは、四角形状の平面板である座標入力面1の隣接する2つの角(k1,k2)に、発光検出装置2,3を固定して設置する。この2つの発光検出装置2,3から座標入力面1上に光が発射される。
一方、利用者は、位置指示棒、すなわちペン5で座標入力面1上の任意の位置を指し示す。
発光検出装置2,3は、どちらも同じ構成を持つものを用い、発光部2−1,3−1と、受光角度検出部2−2,3−2とから構成される。
ここで、発光検出装置2,3は、発光部から発光される光の発光光軸と、受光角度検出部の受光光軸とがどちらも座標入力面の基準点4の方向を向くように、座標入力面1に対して設置される。なお、発光検出装置は、前記した発光・検出手段に相当し、発光部は発光手段に、受光角度検出部は角度検出手段に相当する。
また、座標入力面1の角k2を原点(0,0)とし、座標入力面1上の位置を横方向をY軸,縦方向をX軸とするX−Y座標系で表わすものとする。
ここで、発光検出装置のうち発光部2−1,3−1は、光源(LED)6と光学レンズ7とから構成される。光学レンズ7は、像の一方向の倍率のみを変えることを特徴とするシリンドリカルレンズ、又は像の一方向の倍率のみを変え、しかも入射角度による倍率の変化が無いことを特徴とするトロイダルレンズを利用する。
また、発光検出装置のうち受光角度検出部2−2,3−2は、PSD8とシリンドリカルレンズ9とから構成される。
ここで、LED6としては、可視光線を発光するものでもよいが、赤外線(波長890nm)を発光するL2656(浜松ホトニクス社製)を使用するものとする。
また、光学レンズ7としては、座標入力面1と垂直な方向の長さが10mm,座標入力面1と平行で赤外光の発光光軸と垂直な方向の長さが10mm程度の大きさで、焦点距離6mm程度のものを用いる。
さらに、光学レンズの焦点位置にLED6の発光点がくるように固定配置する。
PSD8は、図に示すように、座標入力面1と平行な方向に細長い構造とし、受光面は入射光を電気信号に変換するためのPN接合面となっている。
この電流(I1,I2)をA/D変換し、マイクロコンピュータによって演算することによって、受光点S0の位置が特定でき、さらにはペン5からの反射光の受光角度を計算することができる。この演算処理を行う制御回路については後述する。
ここで、シリンドリカルレンズ9は、座標入力面1及びPSD8の受光面と平行な方向の長さを10mm,座標入力面1と垂直な方向の長さを10mm程度としたものを用い、シリンドリカルレンズ9の光学的中心位置とPSD8の受光面との距離が6.5mmとなるように配置する。
また、ペン5からの反射光が直接PSD8の受光面へ入力しないように、シリンドリカルレンズ9の周囲に黒色ABS等の材料で作ったマスク10を配置する。
なお、前記したマスク10の座標入力面1に平行な方向の長さは、PSD8の受光面の長さ(=13mm)よりも大きければよいが、たとえば、図4の場合には、15mm程度あればよい。
図3に、アパーチャー11を用いた発光検出手段2,3の構成の概念図を示す。
この実施例の場合には、ペン5からの反射光のうち、透過孔12を通過した光のみがスポット光としてPSD8の受光点S0に受光される。アパーチャー11としては、黒色ABS等の材料で作られた薄い板を用いればよい。
ここで、図4と同様に、PSD8の受光面の長さを13mmとした場合、PSD8の受光面からその半分の距離6.5mmだけ離れた位置に、PSD8の受光面とアパーチャーの表面とが平行になるようにアパーチャー11を配置する。
また、アパーチャー11の大きさは、ペン5からの反射光がPSD8の受光面に直接入射しないように、PSD8の受光面よりも大きいことが好ましい。
たとえば、PSDの受光面の大きさ13mm×1mmに対して、アパーチャー11の大きさは15mm×3mm程度とすることができる。
透過孔12は、座標入力面1と平行な方向ではPSD8の受光面の長さ(13mm)よりも短く、座標入力面1と垂直な方向ではPSDの受光面の長さ(1mm)よりも長くする。たとえば、図5に示すように、2mm×2mmの大きさとすることができる。
ただし、発光部(LED6,光学レンズ7)と受光角度検出部(PSD8,シリンドリカルレンズ9又はアパーチャー11)とは、互いに発光,受光のじゃまにならないようにできるだけ近接させて配置させ、さらにLED6から出た赤外光の発光光軸と、シリンドリカルレンズ9又はアパーチャー11によって受光される赤外光の受光光軸とが同一方向となるように配置させることが必要である。
この制御回路はLED6の発光タイミングの制御と、PSD8から出力された電流(I1,I2)の演算を行うものである。
同図に示すように、制御回路は、MPU27を中心として、プログラム及びデータを記憶するROM25,RAM26,発光時間間隔を制御するためのタイマー28,インタフェースドライバ29,A/Dコンバータ23及びLEDドライバ24がバス接続された構成からなる。
PSD8から出力された電流(I1,I2)は、アンプ21に入力され、増幅される。そして増幅された電流信号は、アナログ演算回路22で
この後、MPU27によって受光角度及びペンの位置座標の演算が行われる。
また、インタフェースドライバ29を介してパソコン等に演算された座標データを出力するために出力端子を設けることが好ましい。
ペン5は、いわゆる筆記具と同様の形状を有し、その先端部、すなわち発光検出装置2,3から発せられた光が通過する領域に、「光を反射する構造」(再帰性反射部)を備える。そして特に、この「光を反射する構造」は、発光検出装置2,3から発せられた光の入射方向と同一の方向に反射する再帰性構造である。
コーナーキューブは、図9に示したように、3つの平面鏡を互いに直角になるように組み合わせたものである。一般に、ガラスの立方体から一隅を切りとった図の太い線で囲まれた部分が、コーナーキューブとして用いられる。
このように構成されたコーナーキューブでは、入射光が3つの面で1回ずつ反射された後に、反射光は正確に入射光と同一の方向に戻っていく。
また、図8に示すように、隣り合うコーナーキューブの向きを逆にして配置すると、一段につき62個のコーナーキューブから構成でき、図8のように3段構成とすると合計186個のコーナーキューブから構成できる。
なお、反射光が入射光と同一方向となる構造としてコーナーキューブを用いるものを示したが、反射光と入射光が同一方向となる再帰性を有するものであれば、他の構造を用いてもよい。
同様に、発光検出装置3の発光部3−1のLED6から出射された赤外光のうち線分p2の方向に出た光はペン5に当たり、その反射光は同じ線分p2を逆に進み、受光角度検出部3−2のPSD8に受光される。
PSD8に受光された光は、図2等で示したようにPSD8に対する入射角度によってPSDの受光面上の異なる位置にスポット光を形成する。
ここで、線分p2は、座標入力面1の角k2を2等分する線分a2からθ2の角度をなし、線分p1は、座標入力面1の角k1を2等分する線分a1からθ1の角度をなすものとする。
ここで、PSD8の受光面は、座標入力面1の2辺と45°の角度をなす線分a1と垂直とする。すなわち、シリンドリカルレンズ9の中心とPSD8の受光面の中央とを結んだ線分a1が受光光軸及び発光光軸と一致する。
また、シリンドリカルレンズ9の中心とPSD8の受光面の中央との距離をLとし、PSD8の受光面の長さを2Lとする。
このとき、電流と、PSDの受光位置とは次の関係が成立する。
ところで、図10(b)により、D1/L=tanθ1という関係が成立するから、反射光の入射角度θ1は、次式から求められる。
θ1=tan-1(D1/L)
θ2=tan-1(D2/L)
Y=Xtan(45−θ2)
Y=(A−X)tan(45−θ1)
ここで、Aは、図1に示すように、座標入力面1の横方向の長さである。
なお、(θ1,θ2)及び(X,Y)は、定式化されているので、ROMにこれらの数式をプログラム化して組み込めば、MPU27の演算によって容易に求めることができる。
また、演算結果である(X,Y)の座標値は、インタフェースドライバ29を介してパソコン等へ転送され、ペンによる指示位置の表示や、指示位置に対応するコマンド入力などの処理に利用できる。
すなわち、10msecごとに、交互に2つのLEDのうちどちらか一方を発光させるようにすればよい。この制御は、MPU27がタイマー28を用いて行う。
このようにLED発光の時分割制御をすれば、赤外光の誤検出もなくなり、ペン5が移動する場合にも十分追従して位置検出が可能である。
また、上記した実施例では、座標入力面1として平面板を用いることを前提していたが、これに限定するものではなく、表示装置、たとえばCRTやLCDの表示画面を用いてもよい。
CRTやLCDを用いる場合は、表示光がPSD8に入射して誤検出される影響をなくすため、前記した赤外線発光LEDを用いることが好ましく、PSD8としては赤外線発光LEDのピーク発光波長を検出することのできるものを用いることが好ましい。
さらに、CRTやLCDから発生する赤外線が座標検出に悪影響を及ぼさないようにするため、PVC樹脂等で作られた赤外線カットフィルタを表示画面上に配置することが好ましい。
2 発光検出装置
3 発光検出装置
2−1 発光部
2−2 受光角度検出部
3−1 発光部
3−2 受光角度検出部
4 基準点
5 ペン
6 光源(LED)
7 光学レンズ
8 PSD
9 シリンドリカルレンズ
10 マスク
11 アパーチャー
12 透過光
21 アンプ
22 アナログ演算回路
23 A/Dコンバータ
24 LEDドライバ
25 ROM
26 RAM
27 MPU
28 タイマー
29 インタフェースドライバ
Claims (15)
- 発光手段と、該発光手段からの光を再帰性反射部を介して反射された反射光の受光角度を検出する角度検出手段とからなる2組以上の発光・検出手段を備え、
1つの発光・検出手段を構成する発光手段と角度検出手段が、それぞれの光軸がどちらも座標入力領域の略中央を向くように近接配置され、
2組以上の発光・検出手段が、互いに座標入力領域の周辺部に所定の間隔をおいて配置される座標検出装置に用いる座標検出装置用の発光検出装置であって、
前記発光手段は、発光手段からの光を座標入力領域面と平行であって扇形状に集光し、
前記角度検出手段は、前記扇形状に集光した光が前記再帰性反射部を介して反射された反射光を、受光される位置によって前記反射光の受光角度に対応した信号を発生する1次元の受光素子を有し、
前記受光素子は、前記反射光を受光することによって、前記反射光の受光角度に対応した信号を出力することを特徴とする座標検出装置用の発光検出装置。 - 前記受光素子の前方にあって反射光を集光する集光手段を有することを特徴とする請求項1記載の発光検出装置。
- 前記集光手段は、前記座標入力領域面と平行な方向のみを集光するシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項2記載の発光検出装置。
- 前記集光手段は、前記反射光をスポット光にしぼる透過孔を1つ有したアパーチャーであることを特徴とする請求項2記載の発光検出装置。
- 前記受光素子は、前記座標入力領域面と平行な方向に細長い1次元PSDであることを特徴とする請求項1記載の発光検出装置。
- 予め、受光角度、PSD上の受光位置、及び、PSDが発生する電気信号との対応関係を定めておき、PSDによって直接計測される電気信号の値から、前記反射光の受光角度を計算する制御回路を同一の筐体に組み込んだことを特徴とする請求項5記載の発光検出装置。
- 前記発光手段からの光を前記座標入力領域面と平行であって扇形状に集光する光学レンズを、前記発光手段の光の方向に対して前方であって所定の間隔だけ離れた位置に備えたことを特徴とする請求項1または2記載の発光検出装置。
- 前記光学レンズは、前記発光手段から発散された光のうち前記座標入力領域面と垂直な方向に発散された光が座標入力領域面と平行な扇形状に集光されるシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項7記載の発光検出装置。
- 前記光学レンズは、前記発光手段から発散された光のうち前記座標入力領域面と垂直な方向に発散された光が座標入力領域面と平行な扇形状に集光されるトロイダルレンズであることを特徴とする請求項7記載の発光検出装置。
- 前記発光手段、前記光学レンズ、前記集光手段、前記受光素子、からなる発光検出装置を一体成型したことを特徴とする請求項7記載の発光検出装置。
- 請求項1記載の発光検出装置を有することを特徴とする座標検出装置。
- 座標入力領域となる4角平面状の座標入力板をさらに備え、前記2組以上の発光・検出手段が、それぞれ前記座標入力板のいずれかの角に備えられたことを特徴とする請求項11記載の座標検出装置。
- 前記各組の発光・検出手段の発光手段の発光を、所定の時間間隔で順次行わせるために、時分割制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項11記載の座標検出装置。
- 請求項1記載の発光検出装置と、前記再帰性反射部を有する位置指示手段とからなる座標検出装置であって、
前記各組の発光検出手段の受光角度検出手段によって検出された複数の受光角度を用いて、前記位置指示手段によって指示された座標入力領域上の位置を演算する演算手段を有することを特徴とする座標検出装置。 - 前記位置指示手段が、ペン形状の指示棒であって、その先端部の周囲に、微小なコーナーキューブからなる再帰性反射部を複数個配置したことを特徴とする請求項14記載の座標検出装置。
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