JP4033980B2 - Method for producing cycloolefin - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ルテニウム触媒存在下に単環芳香族炭化水素を水素添加してシクロオレフィンを製造する方法に関するものである。
シクロオレフィン類、特にシクロヘキセン類は有機化学工業製品の中間原料としてその価値が高く、特にポリアミド原料、リジン原料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
シクロオレフィン類の製造方法は様々な方法が知られており、その中でも単環芳香族炭化水素をルテニウム触媒を用いて部分的に水素添加する方法が最も一般的であり、選択率や収率を改良アップする方法として、触媒成分や担体の種類、あるいは反応系への添加物としての金属塩などについて検討した結果が多く報告されている。
【0003】
その中でも、シクロオレフィンの収率が比較的高い、水及び亜鉛が共存する反応系においては、例えば、(1)単環芳香族炭化水素を水及び少なくとも1種の亜鉛化合物の共存下、中性もしくは酸性条件下に水素により部分還元するに際し、触媒として30〜200Åの平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を担体に担持した触媒を用いて行う方法(特公平8−25919号公報)、(2)ルテニウム触媒の存在下に、単環芳香族炭化水素を部分的に水素添加してシクロオレフィンを製造するに当たり、反応系中に、飽和溶解度以下の量の、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛の中の少なくとも1種をすべて溶解状態で存在させて行う方法(特公平5−12331号公報)、(3)単環芳香族炭化水素を水の存在下、水素により部分還元するに際し、200Å以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする水素化触媒粒子を用い、少なくとも1種の固体性塩基性亜鉛の共存下、中性または酸性の条件下に反応を行う方法(特公平8−19012号公報)、(4)亜鉛を予め含有したルテニウム化合物を還元することによって得られるルテニウム触媒を用いて、水及び水溶性亜鉛化合物存在下、酸性条件で単環芳香族炭化水素を水素により部分還元する方法(特公平2−16736公報)などが提案されている。
【0004】
さらに、ルテニウム触媒を用いて水及び硫酸亜鉛存在下に単環芳香族炭化水素を水素により部分還元してシクロオレフィンを得る方法において、水相中の硫酸亜鉛濃度が反応成績にどの様に影響するかについても検討が既に行われており、シクロオレフィンの選択率が最も高くなる最適硫酸亜鉛濃度が存在することが知られている(Applied Catalysis A:General,89(1992)77−102)。
【0005】
ルテニウム触媒を用いて単環芳香族炭化水素を部分的に水素により部分水素添加してシクロオレフィンを製造する方法を工業的に実施しようとする場合には、効率的生産の妨げになる触媒の入れ替え頻度を出来るだけ少なくしたいので、長期間触媒を使用することが好ましい。しかし、その場合にシクロオレフィンの選択率が経時的に変化することが見出された。触媒を用いて反応を開始した後、極初期においてはシクロオレフィンの選択率は一般的に向上するが、さらにその後にはシクロオレフィンの選択率は低下していく。製造目的であるシクロオレフィンの選択率が低下することはできるだけ避けた方が効率的である。
【0006】
しかしながら、上記の先行文献には触媒の長期使用によるシクロオレフィン選択率の低下についての解決方法に触れたものはなく、また触媒の長期使用によるシクロオレフィン選択率の変化、特にその低下についての記述さえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ルテニウム触媒を長期間使用した場合に発生するシクロオレフィンの選択率の低下を、反応系に存する水相中の金属硫酸塩の濃度を増加させていくことで解決し、単環芳香族炭化水素を水素添加してシクロオレフィンを効率良く製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ルテニウム触媒、水及び金属硫酸塩存在下、単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、驚くべき事実として触媒の存する水相中に溶解した金属硫酸塩の最適濃度が触媒を長期間使用することで変化することを見出し、常にその最適濃度に合わせてあるいはその最適濃度に近づけて該金属硫酸塩濃度を増加させることでシクロオレフィンの選択率の低下を大きく押さえ込むことに成功し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は下記の通りである。
1)ルテニウム触媒、水及び金属硫酸塩存在下、単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、触媒の存する水相中に溶解した金属硫酸塩濃度を増加させつつ反応を行うことを特徴とするシクロオレフィンの製造方法。
【0010】
2)該金属硫酸塩が少なくとも硫酸亜鉛を含む金属硫酸塩であることを特徴とする上記1記載の方法。
3)該水相中の金属硫酸塩の濃度が1×10−5〜5.0mol/lの範囲で金属硫酸塩の濃度を増加させることを特徴とする上記1又は2記載の方法。
【0011】
4)該水が該単環芳香族炭化水素の0.5〜20重量倍存在することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5)該ルテニウム触媒が、予めルテニウム化合物を還元して得られる金属ルテニウムからなることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6)該ルテニウム触媒が、非担持型触媒であって該金属ルテニウムの平均結晶子径が200Å以下であることを特徴とする上記5記載の方法。
【0012】
7)該ルテニウム化合物が、亜鉛化合物を含有するルテニウム化合物であって、ルテニウムに対して亜鉛を0.1〜50重量%含有することを特徴とする上記6記載の方法。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明における単環芳香族炭化水素とは、ベンゼン、トルエン、キシレン、及び通常炭素数1〜4の低級アルキル基で置換したベンゼン等である。
【0013】
本発明の反応圧力は一般に10〜200atmで好ましくは20〜70atmである。反応圧力が低すぎるとシクロオレフィンの選択率が低下し、また反応圧力が高すぎると反応器に供給する水素や単環芳香族炭化水素を高圧にしなければならず、共に非効率的である。
また、本発明において、反応温度は、一般に50〜250℃でるあが、好ましくは100〜200℃である。反応温度が低すぎると反応速度が低下し、反応温度を上げすぎると触媒であるルテニウムの平均結晶子径の成長を促進する結果を招く。
【0014】
本発明で用いるルテニウム触媒は、数々のルテニウム化合物を予め還元して得られる金属ルテニウムからなる触媒である。このルテニウム化合物には、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、あるいは硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、あるいは各種のルテニウムを含む錯体、例えばルテニウムカルボニル錯体、ルテニウムアセチルアセトナート錯体、ルテノセン錯体、ルテニウムアンミン錯体、及び、係る錯体から誘導される化合物を用いることができる。さらに、これらルテニウム化合物を2種以上混合して用いることも一向に差し支えない。
【0015】
これらのルテニウム化合物の還元法としては、水素や一酸化炭素などによる接触還元法、あるいはホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンなどによる化学還元法が用いられる。このうち好ましくは水素による接触還元であり、通常50〜450℃、好ましくは100〜400℃の条件で還元活性化する。還元温度が50℃未満では還元に時間がかかりすぎ、また、450℃を超えるとルテニウムの凝集が進み、活性や選択性に悪影響を及ぼすことがある。尚、この還元は気相で行っても液相で行ってもよいが好ましくは液相還元である。液相中で還元操作を行うことで、反応に悪影響を及ぼす不純物の除去が同時に行えるからである。
【0016】
また、ルテニウム化合物の還元前もしくは還元後において、他の金属や金属化合物、例えば、亜鉛、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、銅、金、白金などやかかる金属の化合物を加えることによって得られるルテニウムを主体とするものを用いてもよい。かかる金属や金属化合物を使用する場合には、ルテニウム原子に対する原子比として通常0.001〜20の範囲で選択される。この中でも好ましくは亜鉛や亜鉛化合物であり、亜鉛や亜鉛化合物はルテニウム化合物を還元する前に加えられるのが好ましく、その加える量としてはルテニウムに対して亜鉛が0.1〜50重量%含有する量がとりわけ好ましい。
【0017】
ルテニウム触媒は、担体に担持させて使用しても良い。担体としては特に制限されるものではないが、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステンなど、あるいは、かかる金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、硫酸塩、難水溶性金属塩、あるいは、このような担体となりうるものを2種以上化学的あるいは物理的に組み合わせた化合物や混合物などが例示される。ルテニウムの担持方法としては特に制限されるものではないが、吸着法、イオン交換法、浸せき法、共沈法、乾固法などが例示される。ルテニウムの担持量についても特に制限されるものではないが、通常担体に対して0.001〜20重量%である。しかし好ましくは、ルテニウムを担体に担持せず、そのまま用いた方がよい。
【0018】
さらに、ルテニウム触媒がルテニウム化合物を予め還元することによって得られる金属ルテニウムからなる非担持型触媒の場合、該金属ルテニウムの平均結晶子径は好ましくは200Å以下である。これを超える平均結晶子径では活性点が存在するルテニウム触媒の表面積が減少し、触媒活性が低下するので効率的ではない。このルテニウム触媒の平均結晶子径の測定は、用いるルテニウム触媒をX線回折法によって得られる回折線幅の拡がりからScherrerの式より算出される。具体的には、CuKα線をX線源として用いて、回折角(2θ)で44°付近に極大を持つ回折線の拡がりから算出される。またこの平均結晶子径の下限値としては理論的に結晶単位より大きな値であって、現実的には10Å以上である。
【0019】
本発明において、用いるルテニウム触媒の量は反応系に存在する水の量によって決まり、その水が形成する水相の単位体積当たりのルテニウム触媒重量で規定される。具体的には、水相1000mlに対してルテニウム触媒を0.01〜100gの割合で用いることが出来る。
本発明の反応系においては水が存在していなければならない。その量は反応形式によって異なるが、用いる原料単環芳香族炭化水素に対して0.001〜100重量倍である。水の量が少なすぎるとシクロオレフィンの選択率の低下を招き、また水の量が多すぎると反応器が大きくなる等弊害があるため、好ましくは用いる原料単環芳香族炭化水素に対して0.5〜20重量倍を反応器内に共存させるのが良い。但し、いずれの場合においても反応条件において原料及び生成物を主成分とする有機物液相と、水を含む液相とが1相とならない量の水が存在している必要がある。言い換えると、原料及び生成物が主成分の有機物液相つまりオイル相と水が主成分の水相が相分離した状態、つまりオイル相と水相の液2相状態となる量の水が存在していなければならない。尚、ここに言う主成分とは、該液相を構成する成分のうちモル数にして最大割合を示す成分のことである。
【0020】
また反応系に共存させる水が形成する水相中の水素イオン濃度つまりpHは、7.0以下の酸性または中性でなければならない。
さらに、本発明は、金属硫酸塩が存在している必要があり、反応系においてその金属硫酸塩の全量が固体で存在する必要は特になく、反応系に存在する水相に少なくとも一部あるいは全部が溶解状態で存在する必要がある。反応系に存在させる金属硫酸塩は、亜鉛、鉄、ニッケル、カドミウム、ガリウム、インジウム、マグネシウム、アルミニウム、クロム、マンガン、コバルト、銅などが例示され、これらを2種以上併用してもよいし、かかる金属硫酸塩を含む複塩であってもよい。特に、金属硫酸塩として硫酸亜鉛を用いるのが好ましい。また用いる金属硫酸塩の量は、反応系に存在する水相中の濃度が1×10-5〜5.0mol/lであること好ましく、金属硫酸塩として硫酸亜鉛を少なくとも用いる場合には1×10-3〜2.0mol/lがより好ましい。
【0021】
本発明の反応系へは、従来知られた方法の如くに下記の金属塩を存在させてもよい。金属塩の種類としては、周期表のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1族金属、マグネシウム、カルシウムなどの2族金属(族番号はIUPAC無機化学命名法改訂版(1989)による)、あるいは亜鉛、マンガン、コバルト、銅、カドミウム、鉛、砒素、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、バナジウム、クロム、銀、金、白金、ニッケル、パラジウム、バリウム、アルミニウムなどの金属硝酸塩、塩化物、酸化物、水酸化物、酢酸塩、燐酸塩など、又はこれらを2種以上化学的及び/又は物理的に混合して用いることなどが例示される。この中でも水酸化亜鉛、酸化亜鉛などの亜鉛塩の添加は好ましく、特に水酸化亜鉛を含む複塩、例えば、一般式(ZnSO4)m・(Zn(OH)2)nで示されるm:n=1:0.01〜100の複塩の存在は好ましい。
【0022】
金属塩の使用量は、水相を酸性あるいは中性に保てる限り、特に制限はないが、通常は用いるルテニウムに対して1×10-5〜1×105重量倍である。
これらは反応系内のどこに存在してもかまわず、存在形態については、必ずしも全量が水相に溶解している必要はない。
さらに水の他に水酸基を1つ以上持つ1種類以上の有機物が反応系内に存在していても良く、その量についても特に制限はないが、水及び単環芳香族炭化水素とそれらから得られるシクロオレフィンとシクロパラフィンの両方を反応条件下溶解させ得るものについては、反応系内に存在する水相とオイル相が液相として1相とならない範囲であることが好ましい。つまり、該有機物の添加量は該反応液が該水相及び該オイル相の液相2相状態の存在を保ちうる範囲であることが好ましい。
【0023】
本発明の重要な特徴は、ルテニウム触媒、水及び金属硫酸塩存在下、単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、触媒の存する水相中の金属硫酸塩濃度を増加させて反応を行う点にある。ルテニウム触媒を用いて単環芳香族炭化水素を部分的に水素により部分水素添加してシクロオレフィンを製造する方法を工業的に実施しようとする場合には、反応の際に副生するシクロパラフィンの生成を押さえ、目的化合物であるシクロオレフィンの選択率をできるだけ高くなる条件で反応させることが望ましい。そのために反応系に存する水相中の金属硫酸塩の濃度はシクロオレフィンの選択率が最大となる値あるいはその値に近いところで通常は反応を行うべきである。しかし、従来はこの金属硫酸塩の最適濃度が触媒の長期使用により変化していくという知見がないばかりか、また変化するということ自体が一般に予想されていなかった。
【0024】
発明者らの実験から、今回初めて触媒の長期使用による金属硫酸塩の最適濃度の変化、つまり触媒を長期間使用するとシクロオレフィンの選択率が最大となる水相中金属硫酸塩濃度が変化していくことが確認され、触媒の長期使用時におけるシクロオレフィン選択率の経時的低下に対して、その原因の一つを明らかにするとともに、その選択率の低下を大きく抑制することに成功した。
【0025】
すなわち、触媒の長期使用によって変化する水相中の最適金属硫酸塩濃度に合せて、反応を行う水相中の金属硫酸塩の濃度を変化させていくことで、シクロオレフィンの選択率を最大あるいはそれに近いところでシクロオレフィンを製造することができる。シクロオレフィンの選択率向上による効果は、シクロオレフィンを工業的に製造する標準的規模の設備が年産10万トン程度であることを考えると、シクロオレフィン量にして年間数千トン規模の改善となり、非常に大きい効果と評価できる。
【0026】
このシクロオレフィンの選択率が最大となる水相中の金属硫酸塩の濃度は、経時的に反応系内からルテニウム触媒が存する触媒スラリーの一部を抜き出して、それに水あるいは反応に使用している金属硫酸塩を添加して、濃度の異なる金属硫酸塩の触媒スラリーを調整し、それをバッチ実験等により反応評価することで確認できる。
【0027】
この結果、シクロオレフィン選択率が最大となる点が判明するので、その点に近づけるように反応系内の水相中金属硫酸塩濃度を調整すればよい。その具体的な調整方法としては、金属硫酸塩濃度を上昇させる場合には、その金属硫酸塩を反応系に追添する方法が簡便である。その際には、金属硫酸塩を水に溶解したり、あるいは混合したりすることで反応系に追添すればよい。金属硫酸塩の濃度を低下させたい場合には、触媒スラリーを一部抜出し、静置沈降して、金属硫酸塩の溶解した上澄みを水と交換した後に、その触媒スラリーを再び反応系に戻せばよい。これら方法には、用いる反応形式に応じて適宜簡便な方法を選択すればよい。
【0028】
本発明で明らかにされた現象、つまりシクロオレフィンの選択率が最大となる金属硫酸塩の濃度が変化していく現象がなぜ起こるのかは十分には解明できていないが、用いるルテニウム触媒の活性点が反応条件に長時間さらされることで何らかの変化を受けているためと考えられる。
本発明の方法によれば、通常、触媒活性も向上するので、極めて有効な方法と言える。実施例にも示すように本発明の方法にしたがって、金属硫酸塩の濃度をよりシクロオレフィン選択率を高める方向へ変化させると触媒活性も同時に向上し、結果として、より長期間の触媒の使用をも可能になる。
【0029】
本発明の製造方法は、回分式反応方式及び連続式反応方式の両方に適用できる。特に触媒の入れ替えの機会が少ない連続式反応方式で有効な方法となる。
連続式反応方式を用いる場合の原料の反応転化率は、10〜90mol%の範囲で適宜選択され、経済的視点でみれば、より好ましくは30〜70mol%の範囲である。
【0030】
本発明の方法によれば、100時間以上もの長時間あるいは長期間、シクロオレフィンを効率的に製造出来る。但し、その時間は必ずしも連続している必要はない。要は使用している触媒が反応条件下にどの程度の時間曝されたかが問題となる。
【0031】
【発明実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例に示されるベンゼンの転化率とシクロヘキセンの選択率は、実験の濃度分析値を基に次に示す式により算出した値を表したものである。
【0032】
シクロヘキセン選択率(%)=[(反応により生成したシクロヘキセンのモル数)/P]×100
P(モル数)=(反応により生成したシクロヘキセンのモル数)+(反応により生成したシクロヘキサンのモル数)
さらに、原料としたベンゼンの転化率は、実験の濃度分析値を基に次に示す式より算出した転化率を表したものである。
【0033】
ベンゼン転化率(%)=[(反応により消費されたベンゼンのモル数)/(反応器へ供給したベンゼンのモル数)]×100
また、図3及び図4では、触媒活性をベンゼン転化率40%で評価し、その計算式は下記に示す通りである。
ベンゼン転化率40%における触媒活性(1/h)=[(ベンゼン転化率40mol%における1時間当たりのベンゼン反応重量のグラム数)/(反応に使用したルテニウム触媒の重量のグラム数)]
【0034】
【参考例1】
(実験1)
連続的にベンゼンと水素を電磁誘導攪拌機付の反応器に供給しつつ、連続的に反応器から触媒スラリーと未反応ベンゼンを含む生成オイルを抜き出し分離し、この分離した触媒スラリーは再び反応器に連続的に戻すことの出来る連続反応装置を用いて、高速攪拌下で100時間の連続反応をおこなった。この連続反応後の触媒スラリーを回収して、その中から触媒スラリー量280mlずつ5本を取り分けた。
【0035】
次に、この5本の触媒スラリーに硫酸亜鉛を異なる量添加溶解し、あるいは水を異なる量加えて、触媒スラリー中の硫酸亜鉛濃度が各々異なる触媒スラリーを調製した。さらにこの後、触媒スラリーの体積を同じにするために、これら触媒スラリーを静置沈降させ上澄みを適宜除去して、触媒スラリー体積をすべて常温常圧下280mlとした。そして、これら触媒スラリーを次に記載した方法で順次バッチ反応を行い、スラリー中の硫酸亜鉛の濃度とシクロヘキセンの選択率の関係を調べた。
【0036】
バッチ反応は、触媒スラリー280mlを内容積1リットルの内面をテフロンコーティングしたオートクレーブに仕込み、内部のガスを水素で十分置換して反応容器を密閉、誘導攪拌法により高速攪拌を行いつつ130℃まで昇温した後、高圧水素を導入して50atmまで昇圧、この昇圧完了直後に130℃の液体ベンゼン140mlを一機にオートクレーブ内に圧入し、水素を圧入しつつ反応圧力50atm、130℃で高速攪拌下で行った。
【0037】
また、このバッチ反応中、経時的に反応液を一部抜き出してオイル中の組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。これにより得た分析値より、ベンゼン転化率40mol%時におけるシクロヘキセンの選択率を内挿して求めた。さらにバッチ反応後の触媒スラリーを回収、そのスラリー中の水相に常温常圧下で溶解している硫酸亜鉛を原子吸光度法により分析した。この結果を図1に示す。
【0038】
また、図1〜2に示した結果と同様の傾向を示す結果が、ベンゼン転化率40mol%以外のところでも見られた。
(実験2)
連続反応装置における反応時間のみ1500時間とし、その他は実験1と同様の方法で行った。この結果を図1に示す。
【0039】
尚、実施例1の実験1及び2で行った連続反応装置で用いた触媒スラリーは、あらかじめ水酸化亜鉛を含有させた水酸化ルテニウムを還元し得た亜鉛を6重量%含有するルテニウム触媒(平均結晶子径約58Å)15g、分散剤としてジルコニアを70g(平均結晶子径約200Å)、水を1500ml、ZnSO4・7H2O(和光純薬製特級)を265gからなる触媒スラリーである。また連続反応中に分離した該生成オイル中に含まれる水は該オイルを冷却することで分離して再び反応器に戻して、触媒スラリーの水及び溶解している硫酸亜鉛が減少するのを防止した。
【0040】
さらに、該連続反応装置の内容積は3リットルの内面をテフロンコーティングしたオートクレーブであり、連続反応中のベンゼン供給量は250ml/h、反応器から触媒スラリーと未反応ベンゼンを含む生成オイルを抜き出す量は1000ml/hである。
参考例1の結果、図1に示すように、100時間連続反応後の触媒スラリーのベンゼン転化率40mol%におけるシクロヘキセンの選択率が最も高くなる領域は水相中硫酸亜鉛濃度が0.4〜0.6mol/lの間であるのに対して、1500時間後の同シクロヘキセン選択率が最も高くなる領域は水相中硫酸亜鉛濃度が0.7〜0.9mol/lの間に移動していることがわかる。これにより、シクロヘキセン選択率が最も高くなる水相中硫酸亜鉛濃度が明らかに変化していることがわかる。つまり、シクロヘキセンの高選択率を保つためには、硫酸亜鉛濃度を変化させることが重要だということである。
【0041】
【参考例2】
ルテニウム触媒として、亜鉛を含まない水酸化ルテニウムを予め還元して得たルテニウム触媒(平均結晶子径約59Å)を用いた以外は参考例1と同様の実験を行った。その結果を図2に示す。
参考例2の結果、図2に示すように、100時間連続反応後の触媒スラリーのベンゼン転化率40mol%におけるシクロヘキセンの選択率が最も高くなる領域は水相中硫酸亜鉛濃度が0.3〜0.5mol/lの間であるのに対して、1500時間後の同シクロヘキセン選択率が最も高くなる領域は水相中硫酸亜鉛濃度が0.6〜0.9mol/lの間であることがわかる。シクロヘキセン選択率が最も高くなる水相中硫酸亜鉛濃度が明らかに変化していることがわかる。
【0042】
尚、参考例1及び2の実験においては、オイル相と水相の液2相が存在する条件下ですべて反応が行われ、水相中のpHはすべて酸性あるいは中性であった。
以上の結果から、ルテニウム触媒を長時間使用する際にシクロヘキセン選択率を高く維持するためには、水相中に存する硫酸亜鉛濃度、つまり金属硫酸塩の濃度を経時的に変化させることが非常に重要であることがわかる。さらに付け加えるなら、シクロオレフィン選択率がピークとなる金属硫酸塩濃度付近では、図3及び図4に示す様に、より金属硫酸塩濃度が高くなれば触媒活性が向上するので、シクロオレフィン選択率を高く維持するために金属硫酸塩濃度を増加させれば、シクロオレフィン選択率だけでなく、触媒活性も向上し、より効率的にシクロオレフィンを製造できることになる。
【0043】
【実施例1】
連続反応において、水相中硫酸亜鉛濃度を変えることで、経時的に低下するシクロヘキセン選択率を抑制する実験を行った。反応器に参考例1で用いたルテニウム触媒5.0g、ジルコニア25g、水1500ml及びZnSO4・7H2O(和光純薬製特級)で構成された触媒スラリーを仕込んで密閉した後、反応装置内部の気相部の空気を水素により十分置換した。その後、反応器内の触媒スラリーを130℃まで昇温し、水素を圧入して反応器の圧力を50atmとした。この状態で、ベンゼンを連続的に反応器へ供給して、高速攪拌下で反応を開始した。反応中に消費される水素は必要量を連続的に反応器へ供給し、また未反応ベンゼンを含む反応生成オイルは反応器外へ連続的に抜き出した。このオイルに含まれる水や極微量の金属塩は、全量回収し、適宜、反応器へ戻した。さらに、この抜き出したオイルの組成をガスクロマトグラフィーで適宜分析して、このオイル中に含まれるベンゼン濃度が40mol%となるように、反応器へ連続的に供給しているベンゼンの量を調整した。
【0044】
反応を開始してから1500時間後に水相中の硫酸亜鉛濃度が0.8mol/lとなる様に反応器へ硫酸亜鉛を適量追添した。図5に、この実験で得た結果を示す。
尚、反応中に反応器内に存在する水相における硫酸亜鉛濃度を分析するために、反応開始後100時間、1400時間及び1600時間の時点で、反応器から触媒スラリーを一部、系外へ抜き出して、水相中の硫酸亜鉛濃度を分析した。この結果を表1に示す。
【0045】
本実施例で用いた連続反応実験装置は、内面をテフロンコーティングした内容積3リットルの反応器を持ち、触媒スラリーと未反応ベンゼンを含む反応生成オイルを分離するための装置を反応器内部に組み込んだ実験装置であり、反応器外へは未反応ベンゼンを含む生成オイルが取り出せる仕組みとした。触媒スラリーの水分等が系外へ取り出すオイルに溶解して減少するのを防ぐために、このオイル中の水分等は全て回収して、反応器へ適宜戻した。
【0046】
【実施例2】
ルテニウム触媒として、参考例2で用いたルテニウム触媒を用いた他は、実施例1と同様に実験を行った。
図6及び表2に本実施例の結果を示す。
実施例1及び2の結果より、硫酸亜鉛濃度を変えることで、シクロヘキセン選択率の経時的低下が抑制できたことがわかる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、シクロオレフィンの選択率の低下を抑制しつつ、シクロオレフィンを効率的に長時間製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で行った実験1及び実験2における、水相中硫酸亜鉛濃度とベンゼン転化率40mol%時のシクロヘキセン選択率との関係を示す図である。
【図2】参考例2で行った実験1及び実験2における、水相中硫酸亜鉛濃度とベンゼン転化率40mol%時のシクロヘキセン選択率との関係を示す図である。
【図3】参考例1で行った実験1及び実験2における、水相中硫酸亜鉛濃度と、ベンゼン転化率40mol%時の単位触媒重量当たりのベンゼン重量消費速度、つまり触媒活性との関係を示す図である。
【図4】参考例2で行った実験1及び実験2における、水相中硫酸亜鉛濃度と、ベンゼン転化率40mol%時の単位触媒重量当たりのベンゼン重量消費速度、つまり触媒活性との関係を示す図である。
【図5】実施例1において、反応器外へ抜き出したオイルの組成分析から算出したベンゼン転化率及びシクロヘキセン選択率の経時的変化を示す図である。
【図6】実施例2において、反応器外へ抜き出したオイルの組成分析から算出したベンゼン転化率及びシクロヘキセン選択率の経時的変化を示す図である。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a method for producing a cycloolefin by hydrogenating a monocyclic aromatic hydrocarbon in the presence of a ruthenium catalyst.
Cycloolefins, especially cyclohexenes, have high value as intermediate raw materials for organic chemical products, and are particularly useful as polyamide raw materials, lysine raw materials, and the like.
[0002]
[Prior art]
Various methods for producing cycloolefins are known, and among them, the method of partially hydrogenating monocyclic aromatic hydrocarbons using a ruthenium catalyst is the most common, and the selectivity and yield are reduced. As a method for improving, many studies have been conducted on the types of catalyst components and carriers, or metal salts as additives to the reaction system.
[0003]
Among them, in a reaction system in which the yield of cycloolefin is relatively high and water and zinc coexist, for example, (1) monocyclic aromatic hydrocarbon is neutralized in the presence of water and at least one zinc compound. Alternatively, in the case of partial reduction with hydrogen under an acidic condition, a method is carried out using a catalyst in which particles containing, as a main component, metal ruthenium having an average crystallite diameter of 30 to 200 mm as a catalyst are supported on a carrier (Japanese Patent Publication No. 8-25919) In the production of cycloolefin by partially hydrogenating monocyclic aromatic hydrocarbons in the presence of a ruthenium catalyst in the presence of a ruthenium catalyst, zinc oxide and water in an amount below the saturation solubility in the reaction system. A method in which at least one of zinc oxides is present in a dissolved state (Japanese Patent Publication No. 5-12331), (3) a monocyclic aromatic hydrocarbon is partially hydrogenated in the presence of water When starting, a hydrogenation catalyst particle mainly composed of metal ruthenium having an average crystallite size of 200 mm or less is used, and the reaction is performed under neutral or acidic conditions in the presence of at least one kind of solid basic zinc. (4) A monocyclic fragrance under acidic conditions in the presence of water and a water-soluble zinc compound using a ruthenium catalyst obtained by reducing a ruthenium compound containing zinc in advance. A method of partially reducing a group hydrocarbon with hydrogen (Japanese Patent Publication No. 216736) has been proposed.
[0004]
Furthermore, in the method of obtaining cycloolefin by partial reduction of monocyclic aromatic hydrocarbons with hydrogen in the presence of water and zinc sulfate using a ruthenium catalyst, how the zinc sulfate concentration in the aqueous phase affects the reaction results It is known that there is an optimum zinc sulfate concentration at which cycloolefin selectivity is highest (Applied Catalysis A: General, 89 (1992) 77-102).
[0005]
Replacing the catalyst that hinders efficient production when industrially implementing a process for producing cycloolefins by partially hydrogenating monocyclic aromatic hydrocarbons partially with hydrogen using a ruthenium catalyst Since it is desired to reduce the frequency as much as possible, it is preferable to use a catalyst for a long time. However, it has been found that in that case the selectivity of cycloolefin varies over time. After the reaction is started using the catalyst, the selectivity for cycloolefin generally improves at the very initial stage, but further, the selectivity for cycloolefin decreases thereafter. It is more efficient to avoid as much as possible a decrease in the selectivity of cycloolefin, which is the production purpose.
[0006]
However, none of the above-mentioned prior art documents touched upon a solution for the reduction in cycloolefin selectivity due to long-term use of the catalyst, and even a description of the change in cycloolefin selectivity due to long-term use of the catalyst, particularly the reduction thereof. Absent.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention reduces the selectivity of cycloolefin generated when a ruthenium catalyst is used for a long period of time, and reduces the concentration of metal sulfate in the aqueous phase in the reaction system. increase It is an object of the present invention to provide a method for efficiently producing a cycloolefin by hydrogenating a monocyclic aromatic hydrocarbon.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have surprisingly found that in the presence of a ruthenium catalyst, water, and a metal sulfate, a monocyclic aromatic hydrocarbon is partially hydrogenated with hydrogen to react to produce a cycloolefin. The optimum concentration of metal sulfate dissolved in the catalyst is found to change with long-term use of the catalyst, and the metal sulfate concentration is always adjusted to or close to the optimum concentration. increase As a result, the reduction in cycloolefin selectivity was successfully suppressed, and the present invention was completed.
[0009]
That is, the present invention is as follows.
1) In the presence of ruthenium catalyst, water and metal sulfate, monocyclic aromatic hydrocarbons are partially hydrogenated and reacted with hydrogen to produce cycloolefin. The concentration of metal sulfate dissolved in the aqueous phase in which the catalyst exists The increase A process for producing cycloolefin, wherein the reaction is performed while
[0010]
2) The metal sulfate is a metal sulfate containing at least zinc sulfate. 1 The method described.
3) The concentration of metal sulfate in the aqueous phase is 1 × 10 -5 Metal sulfate concentration in the range of ~ 5.0 mol / l increase The above 1 characterized in that Or 2 The method described.
[0011]
4) The water is present in an amount of 0.5 to 20 times by weight of the monocyclic aromatic hydrocarbon. 3 The method in any one of.
5) The ruthenium catalyst is composed of metal ruthenium obtained by reducing a ruthenium compound in advance. 4 The method in any one of.
6) The ruthenium catalyst is a non-supported catalyst, and the metal ruthenium has an average crystallite size of 200 mm or less. 5 The method described.
[0012]
7) The ruthenium compound is a ruthenium compound containing a zinc compound, and contains 0.1 to 50% by weight of zinc with respect to ruthenium. 6 The method described.
Hereinafter, the present invention will be described in more detail. The monocyclic aromatic hydrocarbon in the present invention includes benzene, toluene, xylene, benzene substituted with a lower alkyl group usually having 1 to 4 carbon atoms, and the like.
[0013]
The reaction pressure of the present invention is generally 10 to 200 atm, preferably 20 to 70 atm. If the reaction pressure is too low, the selectivity of cycloolefin decreases, and if the reaction pressure is too high, hydrogen and monocyclic aromatic hydrocarbons supplied to the reactor must be at high pressure, both of which are inefficient.
In the present invention, the reaction temperature is generally 50 to 250 ° C, preferably 100 to 200 ° C. If the reaction temperature is too low, the reaction rate decreases, and if the reaction temperature is too high, the growth of the average crystallite diameter of ruthenium as a catalyst is promoted.
[0014]
The ruthenium catalyst used in the present invention is a catalyst made of ruthenium metal obtained by reducing a number of ruthenium compounds in advance. This ruthenium compound includes, for example, halides such as chloride, bromide, iodide, or nitrates, sulfates, hydroxides, or complexes containing various kinds of ruthenium, such as ruthenium carbonyl complexes, ruthenium acetylacetonate complexes, ruthenocenes. Complexes, ruthenium ammine complexes, and compounds derived from such complexes can be used. Further, a mixture of two or more of these ruthenium compounds may be used.
[0015]
As a reduction method of these ruthenium compounds, a catalytic reduction method using hydrogen, carbon monoxide, or the like, or a chemical reduction method using formalin, sodium borohydride, hydrazine, or the like is used. Of these, catalytic reduction with hydrogen is preferable, and reduction activation is usually performed under conditions of 50 to 450 ° C., preferably 100 to 400 ° C. When the reduction temperature is less than 50 ° C., the reduction takes too much time. When the reduction temperature exceeds 450 ° C., aggregation of ruthenium proceeds, which may adversely affect activity and selectivity. This reduction may be carried out in the gas phase or in the liquid phase, but is preferably liquid phase reduction. This is because the reduction operation in the liquid phase can simultaneously remove impurities that adversely affect the reaction.
[0016]
In addition, before or after the reduction of the ruthenium compound, other metals and metal compounds, such as zinc, chromium, molybdenum, tungsten, manganese, cobalt, nickel, iron, copper, gold, platinum, and such metal compounds are added. A material mainly composed of ruthenium may be used. When such a metal or metal compound is used, the atomic ratio relative to the ruthenium atom is usually selected in the range of 0.001 to 20. Among these, zinc and zinc compounds are preferable, and zinc and zinc compounds are preferably added before the ruthenium compound is reduced, and the amount to be added is an amount of 0.1 to 50% by weight of zinc with respect to ruthenium. Is particularly preferred.
[0017]
The ruthenium catalyst may be used by being supported on a carrier. The carrier is not particularly limited, but magnesium, aluminum, silicon, calcium, titanium, vanadium, chromium, manganese, cobalt, iron, nickel, copper, zinc, zirconium, hafnium, tungsten, or the like Examples thereof include oxides, composite oxides, hydroxides, sulfates, sparingly water-soluble metal salts, and compounds or mixtures obtained by chemically or physically combining two or more of those that can serve as such carriers. The ruthenium loading method is not particularly limited, and examples thereof include an adsorption method, an ion exchange method, a dipping method, a coprecipitation method, and a dry solidification method. The amount of ruthenium supported is not particularly limited, but is usually 0.001 to 20% by weight based on the carrier. However, it is preferable to use ruthenium as it is without supporting it on the carrier.
[0018]
Further, when the ruthenium catalyst is a non-supported catalyst made of metal ruthenium obtained by reducing a ruthenium compound in advance, the average crystallite diameter of the metal ruthenium is preferably 200 mm or less. An average crystallite size exceeding this is not efficient because the surface area of the ruthenium catalyst in which the active sites exist is reduced and the catalytic activity is lowered. The average crystallite diameter of the ruthenium catalyst is calculated from the Scherrer equation from the broadening of the diffraction line width obtained by the X-ray diffraction method of the ruthenium catalyst used. Specifically, it is calculated from the spread of a diffraction line having a maximum in the vicinity of 44 ° in diffraction angle (2θ) using CuKα ray as an X-ray source. The lower limit value of the average crystallite diameter is theoretically larger than the crystal unit and is actually 10 mm or more.
[0019]
In the present invention, the amount of the ruthenium catalyst used is determined by the amount of water present in the reaction system, and is defined by the weight of the ruthenium catalyst per unit volume of the aqueous phase formed by the water. Specifically, the ruthenium catalyst can be used at a ratio of 0.01 to 100 g with respect to 1000 ml of the aqueous phase.
Water must be present in the reaction system of the present invention. The amount varies depending on the reaction mode, but is 0.001 to 100 times the weight of the raw material monocyclic aromatic hydrocarbon used. If the amount of water is too small, the selectivity of the cycloolefin is reduced, and if the amount of water is too large, the reactor becomes large. .5 to 20 times by weight is preferably allowed to coexist in the reactor. However, in any case, it is necessary that there is an amount of water in which the organic liquid phase mainly composed of the raw material and the product and the liquid phase containing water do not become one phase under the reaction conditions. In other words, there is an amount of water that results in a phase separation of the organic liquid phase of the raw material and product, that is, the oil phase and the aqueous phase of water, that is, the liquid phase of the oil phase and the water phase. Must be. In addition, the main component said here is a component which shows the maximum ratio in the number of moles among the components which comprise this liquid phase.
[0020]
Further, the hydrogen ion concentration, that is, pH in the aqueous phase formed by the water coexisting in the reaction system must be acidic or neutral at 7.0 or lower.
Further, in the present invention, the metal sulfate needs to be present, and it is not particularly necessary that the total amount of the metal sulfate is present in the reaction system, and at least a part or all of the water phase present in the reaction system is not required. Must exist in a dissolved state. Examples of the metal sulfate to be present in the reaction system include zinc, iron, nickel, cadmium, gallium, indium, magnesium, aluminum, chromium, manganese, cobalt, copper, and the like. A double salt containing such a metal sulfate may be used. In particular, it is preferable to use zinc sulfate as the metal sulfate. The amount of metal sulfate used is such that the concentration in the aqueous phase present in the reaction system is 1 × 10. -Five ˜5.0 mol / l, preferably 1 × 10 when zinc sulfate is used as the metal sulfate. -3 -2.0 mol / l is more preferable.
[0021]
In the reaction system of the present invention, the following metal salt may be present as in a conventionally known method. The types of metal salts include Group 1 metals such as lithium, sodium, and potassium in the periodic table, Group 2 metals such as magnesium and calcium (group numbers are in accordance with the revised IUPAC inorganic chemical nomenclature (1989)), zinc, manganese , Cobalt, copper, cadmium, lead, arsenic, iron, gallium, germanium, vanadium, chromium, silver, gold, platinum, nickel, palladium, barium, aluminum and other metal nitrates, chlorides, oxides, hydroxides, acetic acid Examples thereof include salts, phosphates, and the like, or a mixture of two or more of them chemically and / or physically. Among these, addition of zinc salts such as zinc hydroxide and zinc oxide is preferable. Particularly, double salts containing zinc hydroxide, for example, the general formula (ZnSO Four ) m ・ (Zn (OH) 2 ) n The presence of a double salt represented by m: n = 1: 0.01 to 100 is preferable.
[0022]
The amount of the metal salt used is not particularly limited as long as the aqueous phase can be kept acidic or neutral, but it is usually 1 × 10 6 relative to the ruthenium used. -Five ~ 1x10 Five Weight times.
These may be present anywhere in the reaction system, and the total amount of the existing forms does not necessarily have to be dissolved in the aqueous phase.
Further, in addition to water, one or more organic substances having one or more hydroxyl groups may be present in the reaction system, and the amount thereof is not particularly limited, but is obtained from water and monocyclic aromatic hydrocarbons and them. For those capable of dissolving both the cycloolefin and cycloparaffin obtained under the reaction conditions, it is preferable that the water phase and the oil phase existing in the reaction system do not become one phase as a liquid phase. That is, the amount of the organic substance added is preferably within a range in which the reaction liquid can maintain the liquid phase and the oil phase of the aqueous phase.
[0023]
An important feature of the present invention is that in the presence of a ruthenium catalyst, water and a metal sulfate, a monocyclic aromatic hydrocarbon is partially hydrogenated and reacted with hydrogen to produce a cycloolefin. Metal sulfate concentration increase It is in the point to let you react. When the process for producing cycloolefins by partially hydrogenating monocyclic aromatic hydrocarbons partially with hydrogen using a ruthenium catalyst is to be carried out industrially, cycloparaffins by-produced during the reaction It is desirable to suppress the formation and to perform the reaction under conditions that increase the selectivity of the target compound, cycloolefin, as much as possible. Therefore, the concentration of the metal sulfate in the aqueous phase in the reaction system should usually be carried out at a value where the selectivity for cycloolefin is maximized or close to that value. However, in the past, there was no knowledge that the optimum concentration of the metal sulfate would change with the long-term use of the catalyst, and it was generally not expected that this would change.
[0024]
From experiments by the inventors, the change in the optimum concentration of metal sulfate due to the long-term use of the catalyst for the first time, that is, the metal sulfate concentration in the aqueous phase where the cycloolefin selectivity becomes maximum when the catalyst is used for a long time has changed. As a result, one of the causes was clarified with respect to the time-dependent decrease in cycloolefin selectivity during long-term use of the catalyst, and the decrease in the selectivity was greatly suppressed.
[0025]
In other words, the cycloolefin selectivity can be maximized or reduced by changing the concentration of metal sulfate in the aqueous phase in which the reaction is carried out in accordance with the optimum concentration of metal sulfate in the aqueous phase that changes with long-term use of the catalyst. A cycloolefin can be produced in the vicinity. Considering that the standard scale facility for industrially producing cycloolefin is about 100,000 tons per year, the effect of improving the selectivity of cycloolefin is an improvement of several thousand tons per year in terms of cycloolefin amount. It can be evaluated as a very large effect.
[0026]
The concentration of the metal sulfate in the aqueous phase at which the cycloolefin selectivity is maximized is a part of the catalyst slurry in which the ruthenium catalyst is present from the reaction system over time, and is used for water or the reaction. This can be confirmed by adding metal sulfates to prepare catalyst slurries of metal sulfates having different concentrations and evaluating the reaction by batch experiments or the like.
[0027]
As a result, the point at which the cycloolefin selectivity is maximized is found, and the metal sulfate concentration in the aqueous phase in the reaction system may be adjusted to approach that point. As a specific adjustment method, when the metal sulfate concentration is increased, a method of adding the metal sulfate to the reaction system is simple. In that case, the metal sulfate may be added to the reaction system by dissolving it in water or mixing it. If you want to reduce the concentration of the metal sulfate, extract a part of the catalyst slurry, let it settle, and replace the supernatant in which the metal sulfate is dissolved with water, then return the catalyst slurry to the reaction system again. Good. For these methods, a simple method may be appropriately selected according to the reaction format to be used.
[0028]
Although the phenomenon clarified in the present invention, that is, the phenomenon in which the concentration of the metal sulfate that maximizes the selectivity of cycloolefin changes, has not been fully elucidated, the active point of the ruthenium catalyst to be used has not been clarified yet. Is considered to have undergone some change by being exposed to reaction conditions for a long time.
According to the method of the present invention, since the catalytic activity is usually improved, it can be said that the method is extremely effective. As shown in the examples, according to the method of the present invention, when the concentration of the metal sulfate is changed to increase the cycloolefin selectivity, the catalytic activity is improved at the same time. Will also be possible.
[0029]
The production method of the present invention can be applied to both a batch reaction system and a continuous reaction system. In particular, it is an effective method in a continuous reaction system with few opportunities for catalyst replacement.
The reaction conversion rate of the raw material in the case of using the continuous reaction system is appropriately selected in the range of 10 to 90 mol%, and more preferably in the range of 30 to 70 mol% from the economical viewpoint.
[0030]
According to the method of the present invention, cycloolefin can be produced efficiently for a long time of 100 hours or more or for a long time. However, the time does not necessarily have to be continuous. In short, the problem is how long the catalyst used has been exposed to the reaction conditions.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated based on an Example, this invention is not limited to an Example, unless the summary is exceeded.
The conversion rate of benzene and the selectivity of cyclohexene shown in the following examples represent values calculated by the following formula based on experimental concentration analysis values.
[0032]
Cyclohexene selectivity (%) = [(number of moles of cyclohexene produced by reaction) / P] × 100
P (number of moles) = (number of moles of cyclohexene produced by the reaction) + (number of moles of cyclohexane produced by the reaction)
Furthermore, the conversion rate of benzene as a raw material represents the conversion rate calculated from the following equation based on the concentration analysis value of the experiment.
[0033]
Benzene conversion (%) = [(moles of benzene consumed by reaction) / (moles of benzene fed to the reactor)] × 100
3 and 4, the catalytic activity was evaluated at a benzene conversion rate of 40%, and the calculation formula is as shown below.
Catalytic activity at 40% benzene conversion rate (1 / h) = [(gram of benzene reaction weight per hour at
[0034]
[Reference Example 1]
(Experiment 1)
While continuously supplying benzene and hydrogen to a reactor equipped with an electromagnetic induction stirrer, the product oil containing catalyst slurry and unreacted benzene is continuously extracted from the reactor and separated, and the separated catalyst slurry is again supplied to the reactor. Using a continuous reaction apparatus capable of continuously returning, a continuous reaction was performed for 100 hours under high-speed stirring. The catalyst slurry after the continuous reaction was recovered, and five of the catalyst slurry amount was 280 ml each.
[0035]
Next, different amounts of zinc sulfate were added to and dissolved in these five catalyst slurries, or different amounts of water were added to prepare catalyst slurries with different zinc sulfate concentrations in the catalyst slurry. Thereafter, in order to make the volume of the catalyst slurry the same, these catalyst slurries were allowed to settle and settled, and the supernatant was appropriately removed so that the catalyst slurry volume was 280 ml under normal temperature and normal pressure. These catalyst slurries were sequentially subjected to batch reaction by the method described below, and the relationship between the concentration of zinc sulfate in the slurry and the selectivity for cyclohexene was examined.
[0036]
In the batch reaction, 280 ml of catalyst slurry was charged into an autoclave with an inner volume of 1 liter and the inner surface was Teflon-coated, and the internal gas was sufficiently replaced with hydrogen, the reaction vessel was sealed, and the temperature was raised to 130 ° C. while stirring at high speed by induction stirring. After heating, high pressure hydrogen was introduced and the pressure was increased to 50 atm. Immediately after the completion of this pressure increase, 140 ml of liquid benzene at 130 ° C. was injected into the autoclave as a unit, and hydrogen was injected and the reaction pressure was 50 atm at 130 ° C. with high speed stirring. I went there.
[0037]
During the batch reaction, a part of the reaction solution was extracted over time, and the composition in the oil was analyzed by gas chromatography. From the analytical value thus obtained, the selectivity for cyclohexene at a benzene conversion rate of 40 mol% was interpolated. Further, the catalyst slurry after the batch reaction was recovered, and zinc sulfate dissolved in the aqueous phase in the slurry at room temperature and normal pressure was analyzed by an atomic absorption method. The result is shown in FIG.
[0038]
Moreover, the result which shows the tendency similar to the result shown in FIGS. 1-2 was also seen in places other than
(Experiment 2)
Only the reaction time in the continuous reaction apparatus was 1500 hours, and the others were performed in the same manner as in Experiment 1. The result is shown in FIG.
[0039]
The catalyst slurry used in the continuous reaction apparatus conducted in Experiments 1 and 2 of Example 1 was a ruthenium catalyst containing 6% by weight of zinc obtained by reducing ruthenium hydroxide previously containing zinc hydroxide (average). A catalyst slurry comprising 15 g of crystallite diameter of about 58 mm, 70 g of zirconia as a dispersant (average crystallite diameter of about 200 mm), 1500 ml of water, and 265 g of ZnSO4 · 7H2O (special grade made by Wako Pure Chemical Industries). Also, water contained in the product oil separated during the continuous reaction is separated by cooling the oil and returned to the reactor again to prevent reduction of catalyst slurry water and dissolved zinc sulfate. did.
[0040]
Further, the internal volume of the continuous reaction apparatus is an autoclave having a 3 liter inner surface coated with Teflon, the supply amount of benzene during the continuous reaction is 250 ml / h, and the amount of the produced oil containing catalyst slurry and unreacted benzene is extracted from the reactor. Is 1000 ml / h.
As a result of Reference Example 1, as shown in FIG. 1, the region where the selectivity of cyclohexene at the benzene conversion rate of 40 mol% of the catalyst slurry after 100 hours of continuous reaction is highest is the concentration of zinc sulfate in the aqueous phase is 0.4-0. The region where the selectivity to cyclohexene after 1500 hours is highest is shifted between 0.7 to 0.9 mol / l in the aqueous phase, whereas it is between .6 mol / l. I understand that. Thereby, it can be seen that the concentration of zinc sulfate in the aqueous phase at which the cyclohexene selectivity is highest is clearly changed. In other words, it is important to change the zinc sulfate concentration in order to maintain high selectivity for cyclohexene.
[0041]
[Reference Example 2]
The same experiment as in Reference Example 1 was conducted, except that a ruthenium catalyst (average crystallite diameter of about 59 mm) obtained by previously reducing ruthenium hydroxide not containing zinc was used as the ruthenium catalyst. The result is shown in FIG.
As a result of Reference Example 2, as shown in FIG. 2, the region in which the selectivity of cyclohexene is highest at a benzene conversion rate of 40 mol% in the catalyst slurry after 100 hours of continuous reaction is 0.3 to 0 in the aqueous phase. It can be seen that the region where the selectivity to cyclohexene after 1500 hours is highest is between 0.6 and 0.9 mol / l in the aqueous phase, whereas it is between 0.5 mol / l. . It can be seen that the zinc sulfate concentration in the aqueous phase where the cyclohexene selectivity is the highest is clearly changed.
[0042]
In the experiments of Reference Examples 1 and 2, all reactions were carried out under conditions where there were two liquid phases, an oil phase and an aqueous phase, and the pH in the aqueous phase was all acidic or neutral.
From the above results, in order to maintain a high cyclohexene selectivity when using a ruthenium catalyst for a long time, it is very important to change the concentration of zinc sulfate in the aqueous phase, that is, the concentration of metal sulfate over time. It turns out to be important. In addition, in the vicinity of the metal sulfate concentration at which the cycloolefin selectivity peaks, as shown in FIGS. 3 and 4, the catalyst activity improves as the metal sulfate concentration increases, so the cycloolefin selectivity is increased. If the metal sulfate concentration is increased in order to keep it high, not only the cycloolefin selectivity but also the catalytic activity is improved, and the cycloolefin can be produced more efficiently.
[0043]
[Example 1]
In a continuous reaction, an experiment was conducted to suppress the cyclohexene selectivity, which decreases with time, by changing the zinc sulfate concentration in the aqueous phase. The reactor was charged with a catalyst slurry composed of 5.0 g of the ruthenium catalyst used in Reference Example 1, 25 g of zirconia, 1500 ml of water and ZnSO4 · 7H2O (special grade made by Wako Pure Chemical Industries) and sealed, and the gas phase inside the reactor was then sealed. Part of the air was fully replaced with hydrogen. Thereafter, the catalyst slurry in the reactor was heated to 130 ° C., and hydrogen was injected to make the reactor pressure 50 atm. In this state, benzene was continuously supplied to the reactor, and the reaction was started under high-speed stirring. The required amount of hydrogen consumed during the reaction was continuously supplied to the reactor, and the reaction product oil containing unreacted benzene was continuously extracted out of the reactor. The total amount of water and trace amount of metal salt contained in this oil was recovered and returned to the reactor as appropriate. Further, the composition of the extracted oil was appropriately analyzed by gas chromatography, and the amount of benzene continuously supplied to the reactor was adjusted so that the concentration of benzene contained in the oil was 40 mol%. .
[0044]
After 1500 hours from the start of the reaction, an appropriate amount of zinc sulfate was added to the reactor so that the zinc sulfate concentration in the aqueous phase was 0.8 mol / l. FIG. 5 shows the results obtained in this experiment.
In addition, in order to analyze the zinc sulfate concentration in the aqueous phase existing in the reactor during the reaction, a part of the catalyst slurry from the reactor was removed from the system at 100 hours, 1400 hours, and 1600 hours after the start of the reaction. The zinc sulfate concentration in the aqueous phase was extracted and analyzed. The results are shown in Table 1.
[0045]
The continuous reaction experimental apparatus used in the present example has a reactor having an inner volume of 3 liters whose inner surface is coated with Teflon, and an apparatus for separating the reaction product oil containing catalyst slurry and unreacted benzene is incorporated inside the reactor. It was a test device, and it was designed so that the produced oil containing unreacted benzene could be taken out of the reactor. In order to prevent the moisture and the like of the catalyst slurry from dissolving and decreasing in the oil taken out of the system, all the moisture and the like in this oil was recovered and returned to the reactor as appropriate.
[0046]
[Example 2]
The experiment was conducted in the same manner as in Example 1 except that the ruthenium catalyst used in Reference Example 2 was used as the ruthenium catalyst.
FIG. 6 and Table 2 show the results of this example.
From the results of Examples 1 and 2, it can be seen that the change in cyclohexene selectivity over time could be suppressed by changing the zinc sulfate concentration.
[0047]
[Table 1]
[0048]
[Table 2]
[0049]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, a cycloolefin can be manufactured efficiently for a long time, suppressing the fall of the selectivity of a cycloolefin.
[Brief description of the drawings]
1 is a graph showing the relationship between the concentration of zinc sulfate in an aqueous phase and the cyclohexene selectivity at a benzene conversion rate of 40 mol% in Experiment 1 and Experiment 2 performed in Reference Example 1. FIG.
2 is a graph showing the relationship between the zinc sulfate concentration in the aqueous phase and the cyclohexene selectivity at a benzene conversion rate of 40 mol% in Experiment 1 and Experiment 2 performed in Reference Example 2. FIG.
FIG. 3 shows the relationship between the zinc sulfate concentration in the aqueous phase and the benzene weight consumption rate per unit catalyst weight when the benzene conversion rate is 40 mol%, that is, the catalyst activity, in Experiment 1 and Experiment 2 performed in Reference Example 1. FIG.
4 shows the relationship between the zinc sulfate concentration in the aqueous phase and the benzene weight consumption rate per unit catalyst weight when the benzene conversion rate is 40 mol%, that is, the catalyst activity, in Experiment 1 and Experiment 2 performed in Reference Example 2. FIG. FIG.
5 is a graph showing changes with time in the benzene conversion rate and cyclohexene selectivity calculated from the composition analysis of oil extracted outside the reactor in Example 1. FIG.
6 is a graph showing changes with time in the benzene conversion rate and cyclohexene selectivity calculated from the composition analysis of the oil drawn out of the reactor in Example 2. FIG.
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