JP4033549B2 - 処置具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば内視鏡下外科手術を行う際に体腔内の洗滌を行うための送水吸引機能を備えた処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、患者の体内を外科手術する際には、手術中に体腔内の汚れを排除するための洗滌作業を行うことが必要になる。この洗滌作業を行う場合には例えば特開平6−294470号公報や、特開平10−193号公報などに示されているような送水吸引機能を備えた処置具である送水吸引管が使用される。
【0003】
この送水吸引管には、患者の体内に挿入される管体が設けられている。この管体の基端部に連結された手元側の操作部には送水吸引管の送水・吸引を制御するための送水・吸引制御手段が設けられている。そして、この管体を通じて体腔内を洗浄するための送水と、送水後に洗浄液や、血液、血の塊等の物質の吸引を行うようになっている。
【0004】
また、送水吸引管の送水・吸引制御手段としては例えば図21(A),(B)に示すような押しボタン式の金属バルブaや、図22(A),(B)に示すような押しボタン式のピストンバルブbなどが従来から採用されている。
【0005】
ここで、図21(A),(B)に示すような押しボタン式の金属バルブaには例えば流体管路a1の出口管路(または入口管路)a2に連結された金属製のバルブ本体a3が設けられている。このバルブ本体a3には出口管路(または入口管路)a2と対向する位置に送水(または吸引)口金a4が突設されている。
【0006】
さらに、このバルブ本体a3には流体管路a1を開閉する金属製の開閉弁a5の装着孔a6が流体管路a1の中心軸方向と直交する方向に延設されている。ここで、開閉弁a5の弁体a7には流体管路a1の上下流間(出口管路(または入口管路)a2と送水(または吸引)口金a4との間)を連通する連通孔a8と、流体管路a1の上下流間の連通を遮断する管路閉塞部a9とが形成されている。そして、開閉弁a5の弁体a7は装着孔a6に沿って図21(A)に示すように開閉弁a5の管路閉塞部a9によって流体管路a1の上下流間の連通を遮断する閉位置と、図21(B)に示すように開閉弁a5の連通孔a8を流体管路a1に連通させた開位置との間で摺動自在に装着されている。
【0007】
さらに、装着孔a6内には開閉弁a5の弁体a7を閉位置方向に付勢するコイルばねa10が配設されている。そして、このコイルばねa10のばね力に抗して開閉弁a5の弁体a7を押し込み操作することにより、開閉弁a5を開位置に切換えるようになっている。
【0008】
また、図22(A),(B)に示す押しボタン式のピストンバルブbには略円筒状のプラスチック製のバルブ本体b1が設けられている。このバルブ本体b1の外周面には出口管路(または入口管路)b2と、送水(または吸引)口金b3とがバルブ本体b1の中心軸方向に沿って上下にずらした位置に配置されている。
【0009】
さらに、このピストンバルブbにはバルブ本体b1の筒内に中心軸方向に沿って上下方向に移動可能に装着されたピストンb4と、このピストンb4の一端部(頭部)に連結されたピストンヘッドb5と、ピストンb4の他端部に装着された例えばゴム製の弁体b6とが設けられている。ここで、弁体b6はバルブ本体b1の筒内壁面に圧接されている。
【0010】
また、ピストンヘッドb5にはピストンb4を図22(A)に示す定位置で保持するゴムボタンb7が装着されている。このようにピストンb4が定位置で保持されている状態ではバルブ本体b1の筒内壁面に圧接されている弁体b6が出口管路(または入口管路)b2と、送水(または吸引)口金b3との間に配置されている。そのため、この状態では出口管路(または入口管路)b2と、送水(または吸引)口金b3との間の連通が弁体b6によって遮断され、ピストンバルブbが閉位置で保持されるようになっている。そして、ゴムボタンb7の付勢力に抗してピストンバルブbが押し込み操作された場合には図22(B)に示すように弁体b6がバルブ本体b1の筒内壁面に沿って下方向に摺動し、出口管路(または入口管路)b2と、送水(または吸引)口金b3との間が連通されてピストンバルブbが開位置に切換え操作されるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図21(A),(B)の押しボタン式の金属バルブaの場合には開閉弁a5の弁体a7の外周面とバルブ本体a3における装着孔a6の内周面との間の金属面同士の嵌合部分によってバルブ本体a3の内部の水密性を確保する構成になっている。そのため、バルブ本体a3の内部の水密性を完全に確保することは困難である。
【0012】
さらに、開閉弁a5の弁体a7の外周面とバルブ本体a3における装着孔a6の内周面との間の金属面同士の摺動部分にはグリース等の潤滑剤を塗布する必要があるので、毎回の手入れ作業が必要になり、金属バルブaの保守・点検等の作業が面倒なものとなるうえ、洗滌、消毒、滅菌等の作業性もあまり良くない問題がある。
【0013】
また、図22(A),(B)に示す押しボタン式のピストンバルブbの場合にはバルブ本体b1の内部に形成される出口管路(または入口管路)b2と、送水(または吸引)口金b3との間の流路に段差が形成されるので、例えば吸引時、或いは送水時における管路抵抗が大きくなる問題がある。そのため、吸引性能が低下し、吸引作業に時間がかかるとともに、段差の部分に汚物が詰まりやすい問題がある。
【0014】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、洗滌性が良く、安価で、かつ特に吸引機能に優れ、大量に吸引するうえで有利な処置具を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は体腔内に挿入される細長い挿入部内に洗滌流体の送水管路と吸引管路とが配設され、かつ上記挿入部の基端部に手元側の操作部が連結され、上記送水管路を開閉する送水弁と上記吸引管路を開閉する吸引弁とがそれぞれ上記操作部に配設された処置具において、上記挿入部の先端部に配設された先端開口部と、上記操作部に形成された吸引用の開口部との間を結ぶ略直線状の直管路によって上記吸引管路を形成し、上記吸引弁の装着孔を上記吸引管路に対して直交する方向に延設するとともに、上記装着孔の中心軸方向に移動可能な上記吸引弁の軸体を設け、この軸体に上記吸引管路における上記装着孔の上、下流間を連通する連通孔を形成し、かつ上記連通孔と上記吸引管路との間を連通させる開位置と、上記連通孔と上記吸引管路との連通を遮断させる閉位置との間で上記吸引弁の軸体を移動可能に支持し、常時は上記吸引弁の軸体を上記閉位置方向に付勢する付勢手段と、上記吸引弁の軸体を上記閉位置に移動させた際に、上記装着孔と上記吸引弁の軸体との間の空間を上記吸引弁の軸体の上下で仕切る一対のリング状弁体と、これらの両リング状弁体間に配置され、上記装着孔の内部を上記吸引管路の上流側と下流側とに仕切るブリッジ型弁体とを設け、さらに上記ブリッジ型弁体における上記装着孔の周壁面との接触面積を小さくする摺動抵抗減少手段を設けたことを特徴とする処置具である。
そして、常時は付勢手段によって吸引弁の軸体を閉位置方向に付勢して吸引弁の軸体を閉位置に移動させた状態で保持し、この状態で一対のリング状弁体によって装着孔と吸引弁の軸体との間の空間を吸引弁の軸体の上下で仕切るとともに、これらの両リング状弁体間のブリッジ型弁体によって装着孔の内部を吸引管路の上流側と下流側とに仕切る。さらに、摺動抵抗減少手段によってブリッジ型弁体における装着孔の周壁面との接触面積を小さくすることにより、吸引弁を開閉操作する際の摺動抵抗を減少させてグリース等の潤滑剤を使用する必要性をなくしている。また、付勢手段の付勢力に抗して吸引弁の軸体を開位置まで移動させることにより、略直線状の直管路によって吸引管路を形成する。これにより、吸引管路中の段差部をなくして患者の体内からの吸引作業時の吸引管路の管路抵抗を低減し、大量に吸引しやすくするとともに、吸引管路内の洗滌性を高め、吸引管路中での汚物の詰まりを防止するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A),(B)乃至図7(A)〜(C)を参照して説明する。図1(A),(B)は本実施の形態の送水吸引機能を備えた処置具である送水吸引管1を示すものである。この送水吸引管1には体腔内に挿入される細長い挿入部ユニット2と、この挿入部ユニット2の基端部に着脱可能に連結された手元側の操作部3とが設けられている。
【0017】
また、挿入部ユニット2には図2(A),(B)に示すように細長いアウターパイプ4と、このアウターパイプ4内に配設されたインナーパイプ5とが設けられている。ここで、インナーパイプ5は図5(A)に示すようにアウターパイプ4の中心軸上から外れた偏心位置に配置され、かつアウターパイプ4の内周面に接触させた状態で固定されている。そして、インナーパイプ5内に送液管路6、アウターパイプ4とインナーパイプ5との間に吸引管路7がそれぞれ形成されている。
【0018】
また、インナーパイプ5の先端部は図2(B)に示すようにアウターパイプ4の先端部位置よりも後方位置に配置されている。そして、アウターパイプ4の先端部にはインナーパイプ5が配置されていない円形の内部空間4aが形成されている。さらに、アウターパイプ4の先端部外周面には円形の内部空間4aと対応する部分に小径な複数の開口部4bが形成されている。
【0019】
また、挿入部ユニット2の後端部には手元側操作部3との連結部8が設けられている。この連結部8には略リング状の連結具9が設けられている。この連結具9の前端部側にはアウターパイプ固定穴9aが形成されている。そして、この連結具9のアウターパイプ固定穴9a内にアウターパイプ4の基端部が挿入された状態で、嵌着されている。
【0020】
また、連結具9の後端部側にはアウターパイプ4と略同径の円柱状の連結ブロック10が突設されている。この連結ブロック10には図5(B)に示すようにインナーパイプ5の後端部が挿入される第1の貫通穴10aと、アウターパイプ4とインナーパイプ5との間の吸引管路7に連通する吸引用接続管11の一端部が嵌着される第2の貫通穴10bとが形成されている。
【0021】
さらに、インナーパイプ5の後端部は連結ブロック10の後端面から後方に突出されている。そして、このインナーパイプ5の後方突出部の部分によって送水用接続管12が形成されている。なお、吸引用接続管11の他端部は送水接続管12と平行に連結ブロック10の後端面から後方に突出されている。
【0022】
さらに、連結具9の外周面には連結ブロック10の前端部と対応する部分にリング状の第1の係合溝9bが形成されている。そして、この第1の係合溝9bに連結用のゴムキャップ13の前端部が係合されている。
【0023】
また、手元側の操作部3には挿入部ユニット2との連結部側に挿入部着脱部14が設けられている。この挿入部着脱部14には図3(A)に示すように挿入部ユニット2の連結ブロック10が挿脱可能に挿入される挿入部連結口14aが形成されている。さらに、この挿入部連結口14aの内底部には図2(C)に示す送水用接続穴14bと、吸引用接続穴14cとがそれぞれ形成されている。
【0024】
また、挿入部着脱部14における挿入部連結口14aの開口端縁部位には手元側操作部3の挿入部連結口14aと挿入部ユニット2の連結ブロック10との間の接合部をシールするOリングなどのシール部材15が嵌着されている。さらに、挿入部着脱部14における挿入部連結口14aの周縁部位外周面にはリング状の第2の係合溝14dが形成されている。
【0025】
そして、手元側操作部3と挿入部ユニット2との連結時には手元側操作部3の挿入部連結口14aに挿入部ユニット2の連結ブロック10が挿入され、挿入部ユニット2の送水接続管12および吸引用接続管11がそれぞれ手元側操作部3の送水用接続穴14bおよび吸引用接続穴14cに挿脱可能に挿入されるようになっている。さらに、この状態で、挿入部着脱部14の第2の係合溝14dにゴムキャップ13の後端部が係脱可能に係合され、手元側操作部3と挿入部ユニット2との間が着脱可能に連結されるようになっている。
【0026】
また、本実施の形態の操作部3には操作部本体16と、この操作部本体16の下面に着脱可能に取付けられたゴム製の下キャップ17とが設けられている。さらに、操作部本体16の内部には図2(A)に示すように洗滌流体の送水路18と、吸引路19とが形成されている。
【0027】
ここで、吸引路19は挿入部ユニット2内の管路7と同軸に配置され、吸引用接続管11と同径に形成されている。そして、吸引路19の前端部は挿入部着脱部14の吸引用接続穴14cの後端部に連通されている。さらに、吸引路19の後端部は操作部3の端末部に突設された吸引口金(吸引用開口部)20に連結されている。これにより、挿入部ユニット2のアウターパイプ4の先端部に配設された先端開口部4cと、操作部3の端末部に形成された吸引口金20との間を結ぶアウターパイプ4とインナーパイプ5との間の吸引管路7と、吸引用接続管11と、操作部3内の吸引路19とからなる略直線状の直管路によって吸引管路が形成されている。
【0028】
また、洗滌流体の送水路18は吸引路19と略平行に配置されている。そして、この送水路18の後端部には送水口金21が連結されている。さらに、送水路18の前端部は挿入部着脱部14の送水用接続穴14bの後端部に後述する送水弁22の装着孔である送水シリンダ23を介して連通されている。
【0029】
また、本実施の形態の操作部3には洗滌流体の送水路18を開閉する送水弁22と、吸引路19を開閉する吸引弁24とがそれぞれ設けられている。これらの送水弁22および吸引弁24は挿入部ユニット2の軸方向と同軸方向に沿って一定の距離を存して並設されている。ここで、操作部本体16には吸引弁24の装着孔である吸引シリンダ25が吸引路19に対して直交する方向に延設されている。この吸引シリンダ25は吸引路19および送水路18と交差させた状態で、操作部本体16の上,下面間に貫通されている。そして、この吸引シリンダ25の下面開口部は下キャップ17によって閉塞されている。
【0030】
また、送水シリンダ23は吸引シリンダ25と略平行に形成されている。さらに、この送水シリンダ23は吸引路19および送水路18の前端部と交差させた状態で、操作部本体16の上,下面間に貫通されている。ここで、下キャップ17には送水シリンダ23内に挿入される係合突起17aが形成されている。この係合突起17aは吸引路19の近傍位置まで延設されている。そして、この送水シリンダ23の下面開口部は下キャップ17の係合突起17aによって閉塞されている。
【0031】
また、操作部本体16には吸引シリンダ25の開口部の周縁部位に略リング状の吸引弁取付け部26が突設され、同様に送水シリンダ23の開口部の周縁部位に略リング状の送水弁取付け部27が突設されている。これらの吸引弁取付け部26および送水弁取付け部27の突出端部には外向きに屈曲されたフランジ状の屈曲部26a,27aがそれぞれ形成されている。
【0032】
また、吸引弁24には吸引シリンダ25の中心軸方向に移動可能な吸引ピストン(軸体)28と、この吸引ピストン28の頭部に連結された吸引ピストンヘッド29と、この吸引ピストンヘッド29の周囲に装着された略円筒状のゴムばねである吸引ボタン(付勢手段)30とが設けられている。これらの吸引ピストン28、吸引ピストンヘッド29および吸引ボタン30は一体的に組付けられた一体部品によって構成されている。
【0033】
また、吸引ボタン30の下端部には内方に向けて屈曲された係合部30aが形成されている。この吸引ボタン30の係合部30aは吸引弁取付け部26の屈曲部26aに係脱可能に係合されて吸引弁24が吸引シリンダ25に取付けられるようになっている。
【0034】
また、吸引ピストンヘッド29の外周面には図4(A)に示すように円形断面の一部を切欠させた位置決め用の切欠部29aが形成されている。ここで、吸引弁取付け部26における吸引ピストンヘッド29の挿入穴26aには吸引ピストンヘッド29の切欠部29aと対応する形状の突出部26bが形成されている。そして、吸引弁24が吸引シリンダ25に取付けられた状態では吸引ピストンヘッド29の切欠部29aと吸引弁取付け部26の挿入穴26aにおける突出部26bとの係合部によって吸引シリンダ25に対して吸引弁24が吸引ピストンヘッド29の軸回り方向の回り止めが行われ、吸引ピストンヘッド29の軸回り方向の位置決めが行われるようになっている。
【0035】
また、吸引ピストン28の軸部の外径寸法は吸引シリンダ25の内径寸法よりも小径に形成されている。そして、この吸引ピストン28の軸部の外周面と吸引シリンダ25の内周面との間には流体の流通が可能なリング状の流路空間が形成されている。
【0036】
さらに、図3(A)〜(C)に示すように吸引ピストン28の軸部外周面には例えばシリコンゴム等の弾性体で形成された略リング状の3つの弁体31,32,33が突設されている。これらの弁体31,32,33は吸引シリンダ25の内周面に圧接されている。
【0037】
また、吸引ピストン28の軸部における吸引ボタン30側に最も近い第1の弁体31と、中央位置の第2の弁体32との間には吸引路19の軸心方向に沿って連通孔34が穿設されている。そして、吸引弁24の吸引ボタン30が押し込み操作された状態で、図6(A)に示すように吸引ピストン28の連通孔34が吸引路19と対向する位置に移動され、吸引路19における吸引シリンダ25の上、下流間を連通するようになっている。この連通孔34の孔径は吸引路19の内径寸法と略同径、または吸引路19の内径寸法よりも大径に形成されている。
【0038】
また、吸引ピストン28の軸部における第2の弁体32と、最下位置の第3の弁体33との間には図4(B)に示すように吸引シリンダ25の内部を吸引路19の上流側と下流側とに仕切るブリッジ型弁体35が設けられている。ここで、吸引ボタン30のばね力によって吸引ピストン28が定位置で保持されている状態では、吸引ピストン28の軸部における第2の弁体32と、最下位置の第3の弁体33との間の部分が吸引路19と対向する位置に配置され、ブリッジ型弁体35によって吸引路19が閉塞されるようになっている。
【0039】
さらに、ブリッジ型弁体35における吸引シリンダ25の周壁面との接触部位には略山形断面の先細状の接触部(摺動抵抗減少手段)35aが形成されている。そして、この先細状の接触部35aによってブリッジ型弁体35と吸引シリンダ25の周壁面との接触面積を小さくして吸引ピストン28の移動時の摺動抵抗を減少させるよになっている。
【0040】
そして、本実施の形態の吸引弁24では吸引ボタン30によって吸引ピストン28を吸引シリンダ25と吸引路19との間を連通させる開位置と、吸引シリンダ25と吸引路19との連通を遮断させる閉位置との間で移動可能に支持し、常時は吸引ボタン30のばね力によって吸引ピストン28を閉位置方向に付勢するようになっている。
【0041】
また、送水弁22には送水ピストン36と、この送水ピストン36の頭部に連結された送水ピストンヘッド37と、送水ピストン36の下端部に装着されたゴム製の弁体38と、送水ピストンヘッド37に取付けられたゴム製の送水ボタン39とが設けられている。
【0042】
ここで、送水ボタン39の下端部には内方に向けて屈曲された係合部39aが形成されている。この送水ボタン39の係合部39aは送水弁取付け部27の屈曲部27aに係脱可能に係合されて送水弁22が送水シリンダ23に取付けられるようになっている。
【0043】
また、送水ピストン36の弁体38は送水シリンダ23の内周面に圧接されている。ここで、送水ピストン36の弁体38は送水ボタン39の付勢力によって常時は図2(A)に示すように送水路18と送水用接続穴14bとの間の連通を遮断する閉位置で保持されている。そして、送水時には送水ボタン39の付勢力に抗して送水弁22の送水ボタン39を押し込み操作することにより、送水ピストン36の弁体38が送水シリンダ23の内周面に沿って摺動される。このとき、図6(A)に示すように送水ボタン39が最大押し込み位置まで押し込み操作された状態で、送水ピストン36の弁体38が送水用接続穴14bと吸引用接続穴14cとの間の仕切り壁との接触位置まで移動されるようになっている。これにより、送水路18と送水用接続穴14bとの間が連通され、送水弁22が開位置に切換え操作されるようになっている。
【0044】
さらに、本実施の形態の送水吸引管1では挿入部ユニット2として図1(A),(B)〜図6(A),(B)に示す挿入部ユニット2とは構成が異なる複数種類の挿入部ユニット、例えば図7(A),(B)に示す第1の交換用挿入部ユニット2Aや、図7Cに示す第2の交換用挿入部ユニット2B等が予め準備されている。そして、送水吸引管1の使用時には複数種類の挿入部ユニット2、2A,2Bの中から処置の内容に応じて好適な構造の挿入部ユニット2(または2A,2B)が適宜選択的に操作部3の挿入部着脱部14に連結されるようになっている。
【0045】
例えば、図7(A),(B)に示す第1の交換用挿入部ユニット2Aにはシングルパイプからなる細長いシース41が設けられている。このシース41の先端部には小径な複数の開口部41aが形成されている。さらに、このシース41の基端部には略リング状の連結具42が設けられている。この連結具42の前端部側にはシース固定穴42aが形成されている。そして、この連結具42のシース固定穴42a内にシース41の基端部が挿入された状態で、嵌着されている。
【0046】
また、連結具42の後端部側には円柱状の連結ブロック43が突設されている。この連結ブロック43には軸心方向に延設された2つの貫通孔43a,43bが形成されている。そして、一方の第1の貫通孔43a内に送水用接続管44の一端部、他方の第2の貫通孔43b内に吸引用接続管45の一端部がそれぞれ嵌着されている。
【0047】
また、連結具42の前端部外周面にはOリング装着溝46が形成されている。そして、このOリング装着溝46にはOリング47が嵌着されている。さらに、連結具42の後端部外周面にはゴムキャップ48の係合溝49が形成されている。この係合溝49に連結用のゴムキャップ48の前端部が係合されている。
【0048】
そして、送水吸引管1の手元側操作部3と第1の交換用挿入部ユニット2Aとの連結時には手元側操作部3の挿入部連結口14aに挿入部ユニット2Aの連結ブロック43が挿入され、挿入部ユニット2Aの送水接続管44および吸引用接続管45がそれぞれ手元側操作部3の送水用接続穴14bおよび吸引用接続穴14cに挿脱可能に挿入されるようになっている。さらに、この状態で、挿入部着脱部14の第2の係合溝14dにゴムキャップ48の後端部が係脱可能に係合され、手元側操作部3と挿入部ユニット2Aとの間が着脱可能に連結されるようになっている。
【0049】
また、連結具42の外周面には前後方向の略中央部位に雄ねじ部50が形成されている。この雄ねじ部50には例えば図7(A)に示すようにアウターシース51の基端部が必要に応じて着脱可能に連結されるようになっている。
【0050】
また、アウターシース51の先端部には略有底円筒状の先端部材52が嵌着されている。この先端部材52には略半球状の先端球状面53が形成されている。さらに、この先端部材52の先端球状面53には複数の小孔54が全体に亙り形成されている。
【0051】
また、図7(C)に示す第2の交換用挿入部ユニット2Bは図7(B)に示す第1の交換用挿入部ユニット2Aのシース41よりもパイプ径が細い小径シース61を設けたものである。この小径シース61の先端部外周面には小径な複数の開口部61aが形成されている。さらに、この小径シース61の基端部には図7(B)に示す第1の交換用挿入部ユニット2Aの連結具42と略同様の構成の連結具62が設けられている。この連結具62の構成は図7(B)の第1の交換用挿入部ユニット2Aと同様であり、ここでは同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。そして、この第2の交換用挿入部ユニット2Bも第1の交換用挿入部ユニット2Aと同様の手順で送水吸引管1の手元側操作部3に連結されるようになっている。
【0052】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の送水吸引管1の使用時には複数種類の挿入部ユニット2、2A,2Bの中から処置の内容に応じて好適な構造の挿入部ユニット2(または2A,2B)が適宜選択的に操作部3の挿入部着脱部14に連結される。ここで、例えば図1(A),(B)〜図6(A),(B)に示す挿入部ユニット2が操作部3の挿入部着脱部14に連結された場合の作用は次の通りとなる。
【0053】
まず、常時(非操作時)は送水ボタン39および吸引ボタン30のばね力によって送水弁22および吸引弁24がそれぞれ図2(A)に示す定位置で保持される。この状態では送水ピストン36の弁体38は送水路18と送水用接続穴14bとの間の連通を遮断する閉位置で保持され、送水路18が閉状態で保持される。さらに、吸引弁24では吸引ピストン28の軸部における第2の弁体32と、最下位置の第3の弁体33との間の部分が吸引路19と対向する位置に配置され、ブリッジ型弁体35によって吸引路19が閉塞状態で保持される。
【0054】
また、送水時には送水ボタン39の付勢力に抗して送水弁22の送水ボタン39を押し込み操作する。このとき、送水ピストン36の弁体38が送水シリンダ23の内周面に沿って摺動される。そして、図6(A)に示すように送水ボタン39が最大押し込み位置まで押し込み操作されると、送水ピストン36の弁体38が送水用接続穴14bと吸引用接続穴14cとの間の仕切り壁との接触位置まで移動される。これにより、送水路18と送水用接続穴14bとの間が連通され、送水弁22が開位置に切換え操作される。
【0055】
この状態では送水口金21から供給される例えば生理食塩水等の洗滌水は送水路18から送水シリンダ23内を経て、挿入部ユニット2の送水接続管12に導入され、インナーパイプ5内の送液管路6を通して先端側に供給される。このとき、インナーパイプ5内の送液管路6を通して供給された洗滌水は送液管路6の先端部からアウターパイプ4の先端部の内部空間4aを経てアウターパイプ4の複数の開口部4bおよび先端開口部4cを介して体内に導入される。
【0056】
また、送水の停止は手指を送水ボタン39から放すことにより行われる。このとき、送水ボタン39から手指を放すと、送水ボタン39の付勢力によって送水ピストン36が定位置方向に引き上げられる。そのため、送水ピストン36の弁体38は図2(A)に示すように送水路18と送水用接続穴14bとの間の連通を遮断する閉位置まで戻され、送水路18が閉状態に切換えられる。
【0057】
また、吸引時には吸引ボタン30の付勢力に抗して吸引弁24の吸引ボタン30を押し込み操作する。このとき、吸引ピストン28の各弁体31,32,33、35が吸引シリンダ25の内周面に沿って摺動される。そして、図6(A)に示すように吸引ボタン30が最大押し込み位置まで押し込み操作されると、吸引ピストン28の第1の弁体31と、第2の弁体32との間の部分が吸引路19と対向する位置に配置され、吸引ピストン28の連通孔34が吸引路19と対向する位置まで移動される。これにより、吸引路19における吸引シリンダ25の上、下流間が吸引ピストン28の連通孔34を通して連通される。そのため、この場合には吸引口金20側からの吸引力が、アウターパイプ4とインナーパイプ5との間の吸引管路7と、吸引用接続管11と、操作部3内の吸引路19とからなる略直線状の直管路を介してアウターパイプ4の先端開口部4c側に作用し、体内からの吸引が行われる。
【0058】
なお、吸引の停止は手指を吸引ボタン30から放すことにより行われる。このとき、吸引ボタン30から手指を放すと、吸引ボタン30の付勢力によって吸引ピストン28が定位置方向に引き上げられ、図2(A)に示すように吸引ピストン28の軸部における第2の弁体32と、最下位置の第3の弁体33との間の部分が吸引路19と対向する位置まで移動される。そのため、この状態では図4(B)に示すようにブリッジ型弁体35によって吸引路19が閉塞され、吸引動作が停止される。
【0059】
また、管路内の洗浄時には図6(A)に示すように送水ボタン39が押し込み操作されるとともに、吸引ボタン30も同時に押し込み操作される。これにより、送水弁22が開位置に切換え操作されて送水口金21から供給される洗滌水が送水路18から送水シリンダ23内を経て、挿入部ユニット2の送水接続管12に導入され、インナーパイプ5内の送液管路6を通して先端側に供給される。このとき、吸引弁24の吸引ボタン30の押し込み操作によって吸引口金20側からの吸引力が、アウターパイプ4とインナーパイプ5との間の吸引管路7と、吸引用接続管11と、操作部3内の吸引路19とからなる略直線状の直管路を介してアウターパイプ4の先端開口部4c側に作用し、体内からの吸引が行われる。そのため、インナーパイプ5内の送液管路6を通して先端側に供給される洗滌水によって吸引管路7内の汚れを洗い流すとともに、その汚れた水を直線状の直管路を介して吸引することにより、容易に管路内の洗浄作業が行われる。
【0060】
また、操作部3の挿入部着脱部14に図7(B)に示す第1の交換用挿入部ユニット2Aが連結された場合にはシース41の管路内を通して送水、或いは吸引の各動作がそれぞれ独立に行われる。なお、図7(C)に示す第2の交換用挿入部ユニット2Bが操作部3の挿入部着脱部14に連結された場合も同様である。
【0061】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では挿入部ユニット2のアウターパイプ4の先端開口部4cと、操作部3の端末部の吸引口金20との間を結ぶアウターパイプ4とインナーパイプ5との間の吸引管路7と、吸引用接続管11と、操作部3内の吸引路19とからなる略直線状の直管路によって吸引管路を形成したので、従来のように吸引管路内に段差部が形成される場合に比べて吸引時における管路抵抗を軽減することができる。そのため、吸引時に従来のような吸引管路内の段差部による流れの損失が少ないので、従来に比べて吸引効率が良く、吸引作業時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、吸引弁24における吸引ピストン28の連通孔34の孔径は吸引路19の内径寸法と略同径、または吸引路19の内径寸法よりも大径に形成したので、吸引弁24の吸引ボタン30を押し込み操作して直管路の吸引管路を形成した際にこの連通孔34の孔内で格別に大きな流路抵抗を受けるおそれがない。そのため、吸引弁24のバルブ開放時に吸引管路の途中に従来のピストン軸の様な障害物がないため、吸引管路内に生体組織片等の汚物が詰まりにくい。その結果、吸引管路内に汚物が詰まることを防止して円滑な吸引動作を行わせることができ、洗滌性が良く、安価で、かつ特に吸引機能に優れ、大量に吸引するうえで有利となる。
【0063】
また、本実施の形態では送水、吸引を行うための操作ボタン39、30が挿入部ユニット2の中心軸と同軸上に沿って配置されているので、左利きの作業者でも右利きの作業者でも同様に使用することができ、使い勝手が良い。
【0064】
さらに、本実施の形態ではブリッジ型弁体35における吸引シリンダ25の周壁面との接触部位には略山形断面の先細状の接触部35aを形成したので、吸引弁24の開閉操作時におけるブリッジ型弁体35の摺動抵抗を軽減することができる。そのため、ブリッジ型弁体35の先細状の接触部35aと吸引シリンダ25の周壁面との接触部位にグリース等の潤滑油を塗布する必要がないので、保守、点検等の作業性が良くなる。
【0065】
また、図8(A)〜(C)乃至図11(A)〜(D)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図8(A)〜(C)参照)の送水吸引管1における手元側の操作部3の構成を次の通り変更したものである。
【0066】
すなわち、本実施の形態では図11(A)〜(C)に示すように合成樹脂材料をモールドで薄肉成形した操作部本体71と、この操作部本体71の周囲に装着される図11(D)に示す例えばゴム製の弾性カバー72とによって手元側の操作部3を構成したものである。ここで、弾性カバー72は使用者が手元側の操作部3を把持した際に使用者の手が接触する操作部本体71の少なくとも一部分に配設されている。
【0067】
さらに、この弾性カバー72は第1の実施の形態の下キャップ17を兼ねる構成になっている。この弾性カバー72には吸引シリンダ25の下面開口部を閉塞する閉塞部と、送水シリンダ23の下面開口部に挿入される係合突起72aとがそれぞれ形成されている。そして、弾性カバー72を操作部本体71に装着した状態では吸引シリンダ25の下面開口部がこの弾性カバー72によって閉塞されるとともに、送水シリンダ23の下面開口部に弾性カバー72の係合突起72aが挿入されて閉塞されている。
【0068】
また、操作部本体71の両側面および下面には外向きに突設された複数の係合ピン73が突設されている。さらに、弾性カバー72には操作部本体71と対応する形状の凹部74が形成されている。この凹部74には操作部本体71の各係合ピン73と対応する部位にピン嵌合凹部75が形成されている。そして、弾性カバー72を操作部本体71に装着する際には弾性カバー72の凹部74に操作部本体71を嵌着させるとともに、操作部本体71の各係合ピン73を弾性カバー72の各ピン嵌合凹部75にそれぞれ嵌合させるようになっている。
【0069】
また、操作部本体71の外周面には使用者が手元側の操作部3を把持した際に持ちやすい最適な曲面形状に使用者の手指の形状に合わせて成形した成形面76が形成されている。
【0070】
そこで、本実施の形態では操作部本体71の周囲にゴム製の弾性カバー72を装着して手元側の操作部3を構成したので、使用者が手元側の操作部3を把持した際に持ちやすくなる。そのため、操作性が良くなり、送水吸引管1の使用時には長時間の作業でも疲れ難くなる効果がある。
【0071】
さらに、弾性カバー72によって第1の実施の形態の下キャップ17を兼ねる構成にしたので、手元側の操作部3の構成部品の点数を減らすことで安価に製作可能である。
【0072】
また、図12(A),(B)および図13(A),(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図8(A)〜(C)参照)の送水吸引管1の挿入部ユニット2の構成を次の通り変更したものである。
【0073】
すなわち、本実施の形態では挿入部ユニット2に外管81と内管82とを備えた2重管83が設けられている。ここで、外管81は内管82に対してスライド可能に取り付けられている。
【0074】
また、内管82の基端部は第1の実施の形態の挿入部ユニット2の連結具9に相当する固定管体84に連結固定されている。さらに、外管81の基端部は可動管体85に連結固定されている。
【0075】
また、内管82の固定管体84の外周面には雄ねじ部86が形成されている。さらに、外管81の可動管体85の内周面には固定管体84の雄ねじ部86に螺着されるねじ穴部87が形成されている。
【0076】
また、外管81の先端開口部の周縁部内周面には内方に向けて突出させたリング状の絞り部88が突設されている。さらに、内管82の先端開口部の周縁部内周面には内方に向けて略L字状に屈曲させたリング状の絞り部89が突設されている。
【0077】
また、内管82の先端部の絞り部89と外管81の先端部の絞り部88との間にはリング状の弾性部材90が挟まれるように組込まれている。この弾性部材90のリングの開口部は外管81の先端部の絞り部88と略同径に形成されている。
【0078】
そして、本実施の形態の送水吸引管1の使用時には外管81の可動管体85を内管82の固定管体84に対して回転させることにより、固定管体84の雄ねじ部86と可動管体85のねじ穴部87との螺合部の螺進動作によって外管81を内管82に対して軸心方向にスライドさせることができる。ここで、例えば図13(A)に示すように外管81が定位置(初期位置)で保持されている状態から外管81が手元側にスライドすると内管82の絞り部89と外管81の絞り部88との間で弾性部材90が圧縮されて変形する。このとき、弾性部材90は内方向に膨張する状態で弾性変形するので、弾性部材90のリングの内径寸法が縮小する。そのため、元々あけられていた挿入部ユニット2の先端開口部の穴径を絞ることができるので、この状態で送水吸引管1を通して送水することにより、送水圧力が弾性部材90の絞り変形前と同圧力のままでも挿入部ユニット2の先端開口部から噴出される水流を速くすることができ、勢いよく送水させることができる。
【0079】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では外管81の可動管体85を内管82の固定管体84に対して回転させることにより、弾性部材90を圧縮させてこの弾性部材90を内方向に膨張させる状態で弾性変形させることができる。これにより、挿入部ユニット2の先端開口部の内径寸法を変化させることができるので、送水吸引管1を通して送水する際に容易に必要な送水速度に調整することができる。そのため、生理食塩水の入ったパックやタンクを吊るしたり、カフバック等で加圧したりして送水吸引管1の送水圧を得ている場合でも処置に最適な送水速度を送水圧を変えることなく選択できる。
【0080】
また、図14(A)〜(D)乃至図17は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図8(A)〜(C)参照)の送水吸引管1の挿入部ユニット2に湾曲機能を追加したものである。
【0081】
すなわち、本実施の形態の挿入部ユニット2には図15(A)に示すように細長いアウターパイプ91と、このアウターパイプ91内に配設されたインナーパイプ92とからなる二重管93が設けられている。
【0082】
さらに、本実施の形態の挿入部ユニット2の二重管93の先端部には図14(B)〜(D)に示す湾曲部94が設けられている。ここで、二重管93の先端部には略リング状の接続管95が連結されている。この接続管95の先端部には可撓性を備えた湾曲チューブ96の基端部が固定されている。
【0083】
また、湾曲チューブ96の先端部にはリング状の先端駒97がリング状のガイド部材98によって固定されている。さらに、先端駒97には複数本、本実施の形態では4本のワイヤ99a〜99dの先端部が固定されている。
【0084】
ここで、2本のワイヤ99a,99bの基端部側は二重管93のアウターパイプ91とインナーパイプ92との間を介して手元側に延出されている。また、他の2本のワイヤ99c,99dの基端部側は接続管95に固定されている。
【0085】
また、湾曲部94には湾曲チューブ96の外周面上に並設された複数、本実施の形態では4つの短筒状のスライド駒100が設けられている。これらのスライド駒100には図15(B)に示すように4本のワイヤ99a〜99dの挿通孔がそれぞれ形成されている。そして、これらのスライド駒100は先端駒97と接続管95との間で4本のワイヤ99a〜99dにガイドされながら湾曲チューブ96の外周面に沿って軸心方向にスライド可能に支持されている。
【0086】
また、4つのスライド駒100の後端部外周面には後方のスライド駒100の前端部内周面が嵌合するリング状の嵌合凹部が形成されている。そして、4つのスライド駒100は相互に嵌合して直線状(または曲線状)に連結可能になっている。
【0087】
さらに、4つのスライド駒100における二重管93の軸心方向の合計の長さは短い方の2本のワイヤ99c,99dの長さよりも短くなるように設定されている。そして、先端駒97と接続管95との間には4つのスライド駒100が配置されていない部分に湾曲用の空隙部101が形成されている。
【0088】
また、二重管93の基端部には湾曲部94を湾曲操作するための操作手段102が配設されている。この操作手段102には図16(A)に示すようにアウターパイプ91の基端部に固定された第1の固定部材103と、インナーパイプ92の基端部に固定された第2の固定部材104と、回転ノブ105とが設けられている。ここで、第2の固定部材104は第1の実施の形態の手元側操作部3との連結具9を兼ねるものである。
【0089】
また、回転ノブ105の内周面には図16(B)に示すように4つのガイド溝105aが二重管93の軸心方向に沿って延設されている。さらに、第1の固定部材103の後端部には略円筒状のガイド筒体106が固定されている。このガイド筒体106には回転ノブ105の内腔に挿入されるガイド筒107が設けられている。このガイド筒107の外周面には雄ねじ部108が形成されている。
【0090】
また、回転ノブ105とガイド筒107との間には二重管93の軸心方向に沿ってスライド可能なリング状のスライダ109が配設されている。このスライダ109の外周面には回転ノブ105の4つのガイド溝105aとそれぞれ係合する係合突起110が突設されている。さらに、このスライダ109の内周面にはガイド筒107の外周面の雄ねじ部108と螺合するねじ穴部111が形成されている。
【0091】
そして、回転ノブ105の回転時には回転ノブ105の4つのガイド溝105aとスライダ109の係合突起110との係合部を介して回転ノブ105の回転がスライダ109に伝達され、このスライダ109が回転ノブ105とともに回転駆動されるようになっている。このとき、スライダ109の回転にともないスライダ109のねじ穴部111とガイド筒107の雄ねじ部108との螺合部を介してスライダ109がガイド筒107の雄ねじ部108に沿って螺進駆動される。そのため、回転ノブ105の回転時にはスライダ109が二重管93の軸心方向にスライド駆動されるようになっている。
【0092】
また、第2の固定部材104の前端面には凹陥状のガイド穴112が形成されている。このガイド穴112内にはワイヤ止め部材113が二重管93の軸心方向に移動可能に収納されている。このワイヤ止め部材113には二重管93のアウターパイプ91とインナーパイプ92との間を介して手元側に延出されている2本のワイヤ99a,99bの基端部側が固定されている。このワイヤ止め部材113はスライダ109の後端部に対向配置されている。そして、スライダ109の移動動作にともないワイヤ止め部材113がガイド穴112に沿って二重管93の軸心方向に移動可能になっている。
【0093】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では湾曲部94が直線状態で保持されている非湾曲状態(図14(B)〜(D)中に実線で示す)では回転ノブ105内のスライダ109は図16(A)に示すようにこのスライダ109の先端部がガイド筒体106に当接された位置、すなわちスライダ109のスライド範囲の最先端位置に移動した状態で保持されている。
【0094】
また、湾曲部94を湾曲操作する場合には予め湾曲部94の所望の湾曲形状に合わせて湾曲部94の4つのスライド駒100の位置を移動させ、空隙部101の位置を調整する。例えば、湾曲部94を大きく湾曲させる場合には図14(B)に示すように4つのスライド駒100の全てを先端側に移動させ、空隙部101の位置を4つのスライド駒100の後方に配置する。この状態で、回転ノブ105を回転操作すると、スライダ109が二重管93の軸心方向にスライド駆動される。このとき、このスライダ109の動作中、スライダ109の後端部によってワイヤ止め部材113が後方に向けて押圧され、ワイヤ止め部材113がガイド穴112に沿って二重管93の軸心方向に移動してガイド穴112の内底部側に押し込み操作される。さらに、このワイヤ止め部材113の動作によって2本のワイヤ99a,99bが手元側に牽引されるので、図14(B)中に仮想線で示すように湾曲部94の空隙部101の部分が湾曲される。
【0095】
また、回転ノブ105を回転操作する前に、図14(D)に示すように4つのスライド駒100の全てを後端側に移動させ、空隙部101の位置を4つのスライド駒100の前方に配置した状態で、回転ノブ105を回転操作することにより、同図中に仮想線で示すように湾曲部94の先端部側のみを湾曲させることができる。さらに、図14(C)に示すように4つのスライド駒100を前後に分配し、前後のスライド駒100間に空隙部101を配置することにより、図14(B)中に仮想線で示す湾曲状態と、図14(D)中に仮想線で示す湾曲状態との間の中間状態で湾曲部94を湾曲させることができる。
【0096】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では湾曲部94の4つのスライド駒100をスライドさせて空隙部101を任意の位置に配置することで湾曲部94の湾曲形状を自在に変えることが可能である。
【0097】
そのため、体腔内の洗滌等の処置を行う場合に、一台の送水吸引管1で様々な処置部位に対し、最適な挿入部の曲げ形状を選択できるので、処置部位や、トラカールの刺入位置によらず最適な処置が行え、より処置がしやすくなる。また、例えば胸腔部や、腹腔部等の各処置部位毎に専用の送水吸引管1を準備する必要がなくなるので、医療設備のコスト削減を図ることができる。さらに、腹腔部等の処置具として使用した場合にはトラカール挿入時に湾曲部94の湾曲形状をストレート状態にできるため、汎用性に優れる。
【0098】
また、図18(A)〜(C)乃至図20は本発明の第5の実施の形態を示すものである。図18(A),(B)は本実施の形態の送水吸引機能を備えた処置具である送水吸引管121を示すものである。この送水吸引管121には体腔内に挿入される細長いシース(挿入部)122と、このシース122の基端部に連結された手元側の操作部123とが設けられている。
【0099】
また、手元側の操作部123には吸引口金124と、送水口金125とが略平行に配設されている。ここで、吸引口金124はシース122の中心軸と同軸上に配置されている。
【0100】
また、シース122の後端部には移動管体126が連結されている。この移動管体126の後端部外周面には大径な固定管体127が配設されている。この固定管体127の前端部には図19(A),(B)に示すように移動管体126の後端部外周面に圧接される圧接部128が内部側に向けて突設されている。
【0101】
また、吸引口金124の前後方向略中央部位にはフランジ状の円板部129が形成されている。そして、この円板部129によって固定管体127の後端開口部が閉塞されている。さらに、吸引口金124における円板部129よりも前側の部分によって吸引バルブのピストン部124aが形成されている。
【0102】
さらに、移動管体126の後端部内周面には略管状の吸引バルブ構成体130が固定されている。この吸引バルブ構成体130には固定管体127の内部に配置されるリリース孔130aと、移動管体126の内部に配置される吸引路開閉部130bとが設けられている。ここで、吸引路開閉部130bは吸引口金124の前端開口部と対向する位置に配置されている。
【0103】
また、吸引バルブ構成体130の内周面には吸引路開閉部130bの開操作時に吸引口金124の外周面に圧接されるシール用の突起部130cが突設されている。
【0104】
また、本実施の形態の手元側操作部123には吸引バルブの開閉操作用の略U字状のハンドル131が設けられている。このハンドル131の前側のレバー部131aは移動管体126の外周面に固定されている。さらに、このハンドル131の後ろ側のレバー部131bは吸引口金124の円板部129の外面側に固定されている。そして、常時はこのハンドル131のばね力によって手元側操作部123の移動管体126は図19(A),(B)に示す定位置で保持されている。この状態では吸引バルブ構成体130のリリース孔130aは開状態で保持され、吸引路開閉部130bは閉状態で保持されるようになっている。そのため、この状態では吸引口金124からの吸引圧力は吸引バルブ構成体130のリリース孔130aから逃げ、シース122の管内には作用しないようになっている。
【0105】
また、ハンドル131を握り、前側のレバー部131aと後ろ側のレバー部131bとの間の間隔を狭めることにより、移動管体126が図20に示すように後方に移動するようになっている。このときの移動管体126の後退動作にともない吸引バルブ構成体130が図20に示すように変形し、リリース孔130aが閉じるとともに、吸引口金124のピストン部124aによって吸引バルブ構成体130の吸引路開閉部130bが開操作されるようになっている。このとき、吸引バルブ構成体130の突起部130cが吸引口金124のピストン部124aに当たって吸引圧がシース122の管内に作用するようになっている。
【0106】
なお、ハンドル131を放すと移動管体126が図19(A),(B)に示す定位置に戻り、リリース孔130aが閉じるとともに、吸引バルブ構成体130の吸引路開閉部130bが閉じるようになっている。
【0107】
また、移動管体126の外周面には送水口金125との連結部132が突設されている。この送水口金125の前方には送水バルブ133が配設されている。この送水バルブ133には送水シリンダ134と、この送水シリンダ134内に配設された送水ピストン135とが設けられている。さらに、送水ピストン135の頭部にはピストンヘッド136が配設されている。
【0108】
また、送水ピストン135の内端部には送水シリンダ134の開閉用の弁体137が固定されている。さらに、ピストンヘッド136には送水ボタン138が装着されている。そして、この送水ボタン138の付勢力によって送水ピストン135が図19(B)に示す定位置で保持されるようになっている。この状態では送水バルブ133の弁体137は送水シリンダ134を閉塞する位置で保持されている。そして、送水ボタン138を押し込み操作すると送水バルブ133の弁体137は図20に示すように送水シリンダ134を開く開位置まで移動するようになっている。
【0109】
そこで、上記構成のものにあってはシース122の管内の管路と吸引口金124の吸引管路とが同軸の為、吸引操作の際、吸引管路内に汚物等詰まりにくい。また、吸引操作時の管路抵抗も少ない為、よりスムーズに大量に吸引することができる。さらに、構造が簡単な為、洗滌性が良い。
【0110】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 内視鏡下外科手術用処置具で体腔内の洗滌を行うための送水吸引管において、体腔内に挿入するための挿入部と、送水、吸引を制御するための弁装置を備えた操作部を有し、送水、吸引を行うための操作ボタンが挿入部軸と同軸に配置され、送水、吸引を行うための先端開口部と吸引源に接続するための操作部後端にある吸引口金開口部まで管路がほぼ同軸に配置されていて、挿入部内、操作部内および操作部後端にある吸引口金までの吸引管路径は先端開口部の径と同じかそれ以上であり、弾性部材からなり、通常管路を遮断するための形状を有していて、ボタン(またはレバー)操作により管路径より狭くなる部分がない変形により管路を開放する吸引操作を制御するための弁手段と、管路径以上の開放孔を有しこの開放孔と吸引管路を同軸に保持するための位置決め手段を備え、通常はキャップを兼ねた弾性部材により管路を遮断する位置に付勢され、管路を完全に遮断しかつ摺動抵抗を極力減らすための形状のブリッジ弁を有する吸引ピストンとを具備する送水吸引管。
【0111】
(付記項2) 挿入部が外管と内管を備えた2重管になっていて、外管は内管に対してスライド可能に取り付けられ、前記挿入部先端の管路内に先端開口部の径と同径の孔を有する弾性部材が外管と内管に挟まれるように配置されていて、外管が手元側にスライドすると前記弾性部材は圧縮により変形し先端開口部付近の径を変化自在に可能である送水吸引管。
【0112】
(付記項3) 挿入部内に先端から手元側まで伸びる弾性ワイヤを複数本備え、挿入部の一部が複数の短筒状部材で構成されていて、短筒部材は前記ワイヤを挿通させるための孔を有し、相互に勘合して直線状(または曲線状)に連絡可能で、前記短筒部材で構成される部分にはワイヤが露出する短筒部材のない空隙部分が設けられていて、短筒部材の内側には先端開口部より可撓性のチューブが配置され、前記ワイヤのうち数本は近位端で挿入部手元側に挿入部軸方向にスライド可能に配置された部材に固定されていて、前記スライド部材をスライドさせることでワイヤにテンションをかけ前記短筒部で構成された空隙部分が湾曲されるとともに、前記空隙部を前記短筒部材をスライドさせて任意の位置に設けることで湾曲部を自在に変えることが可能である送水吸引管。
【0113】
(付記項4) 操作部の手の当たる部分に配置された弾性部材を保持するのに最適な形状に形成し、操作部の少なくとも一部が上記弾性部材により覆われている送水吸引管。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば挿入部の先端開口部と、操作部の吸引用の開口部との間を結ぶ略直線状の直管路によって吸引管路を形成し、吸引弁の装着孔を吸引管路に対して直交する方向に延設するとともに、装着孔の中心軸方向に移動可能な吸引弁の軸体を設け、この軸体に吸引管路における装着孔の上、下流間を連通する連通孔を形成し、かつ連通孔と吸引管路との間を連通させる開位置と、連通孔と吸引管路との連通を遮断させる閉位置との間で吸引弁の軸体を移動可能に支持し、常時は吸引弁の軸体を閉位置方向に付勢する付勢手段と、吸引弁の軸体を閉位置に移動させた際に、装着孔と吸引弁の軸体との間の空間を吸引弁の軸体の上下で仕切る一対のリング状弁体と、これらの両リング状弁体間に配置され、吸引管路を装着孔の上流側と下流側とに仕切るブリッジ型弁体とを設け、さらにブリッジ型弁体における装着孔の周壁面との接触面積を小さくする摺動抵抗減少手段を設けたので、洗滌性が良く、安価で、かつ特に吸引機能に優れ、大量に吸引するうえで有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すもので、(A)は処置具の手元側操作部の側面図、(B)は処置具の挿入部の先端部側の側面図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態の処置具における手元側操作部の縦断面図、(B)は処置具の挿入部の先端部側の縦断面図、(C)は(A)の2C−2C線断面図、(D)は(A)の2D−2D線断面図。
【図3】 (A)は第1の実施の形態の処置具における手元側操作部から挿入部ユニットを取外した状態を示す要部の縦断面図、(B)は吸引ボタンの内部構成を示す縦断面図、(C)は(B)の3C−3C線断面図。
【図4】 (A)は図3(B)の4A−4A線断面図、(B)は図3(B)の4B−4B線断面図。
【図5】 (A)は第1の実施の形態の処置具における挿入部ユニットのアウターパイプ内のインナーパイプの配置状態を示す横断面図、(B)は挿入部ユニットの接続管を示す横断面図。
【図6】 第1の実施の形態の処置具の作用を説明するもので、(A)は処置具における手元側操作部の縦断面図、(B)は処置具の挿入部の先端部側の縦断面図。
【図7】 第1の実施の形態の処置具に付け替える3種類の交換用挿入部ユニットを示す縦断面図。
【図8】 本発明の第2の実施の形態の処置具における手元側操作部全体を示すもので、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図。
【図9】 第2の実施の形態の処置具における手元側操作部の内部構成を示す縦断面図。
【図10】 図9の10−10線断面図。
【図11】 (A)は第2の実施の形態の処置具における手元側操作部の操作部本体を示す平面図、(B)は同側面図、(C)は同正面図、(D)はゴムカバーの外観を示す側面図。
【図12】 本発明の第3の実施の形態の処置具を示すもので、(A)は手元側操作部の縦断面図、(B)は挿入部の先端部を示す縦断面図。
【図13】 (A)は第3の実施の形態の処置具における絞りの非作動状態を示す要部の縦断面図、(B)は同絞りの作動状態を示す要部の縦断面図。
【図14】 本発明の第4の実施の形態の処置具を示すもので、(A)は手元側操作部の側面図、(B)〜(D)は湾曲部の湾曲形状の変化状態を示す側面図。
【図15】 (A)は第4の実施の形態の処置具における湾曲部の要部の縦断面図、(B)は(A)の15B−15B線断面図、(C)は(A)の15C−15C線断面図、(D)は(A)の15D−15D線断面図。
【図16】 (A)は第4の実施の形態の処置具における手元側操作部の要部の縦断面図、(B)は(A)の16B−16B線断面図。
【図17】 第4の実施の形態の処置具における手元側操作部の湾曲操作時の要部の縦断面図。
【図18】 本発明の第5の実施の形態の処置具を示すもので、(A)は平面図、(B)は同側面図、(C)は同背面図。
【図19】 第5の実施の形態の処置具の内部構成を示すもので、(A)は手元側操作部の横断面図、(B)は同縦断面図。
【図20】 第5の実施の形態の処置具の動作状態を示す要部の縦断面図。
【図21】 従来の吸引バルブの一例を示すもので、(A)はバルブの閉状態を示す要部の縦断面図、(B)はバルブの開状態を示す要部の縦断面図。
【図22】 従来の吸引バルブの他の例を示すもので、(A)はバルブの閉状態を示す要部の縦断面図、(B)はバルブの開状態を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
2 挿入部ユニット
3 操作部
4c 先端開口部
18 送水路(送水管路)
19 吸引路(吸引管路)
20 吸引口金(吸引用開口部)
22 送水弁
24 吸引弁
25 吸引シリンダ(吸引弁装着孔)
28 吸引ピストン(軸体)
30 吸引ボタン(付勢手段)
31,32,33 リング状弁体
34 連通孔
35 ブリッジ型弁体
35a 接触部(摺動抵抗減少手段)
Claims (1)
- 体腔内に挿入される細長い挿入部内に洗滌流体の送水管路と吸引管路とが配設され、かつ上記挿入部の基端部に手元側の操作部が連結され、上記送水管路を開閉する送水弁と上記吸引管路を開閉する吸引弁とがそれぞれ上記操作部に配設された処置具において、
上記挿入部の先端部に配設された先端開口部と、上記操作部に形成された吸引用の開口部との間を結ぶ略直線状の直管路によって上記吸引管路を形成し、
上記吸引弁の装着孔を上記吸引管路に対して直交する方向に延設するとともに、
上記装着孔の中心軸方向に移動可能な上記吸引弁の軸体を設け、この軸体に上記吸引管路における上記装着孔の上、下流間を連通する連通孔を形成し、
かつ上記連通孔と上記吸引管路との間を連通させる開位置と、上記連通孔と上記吸引管路との連通を遮断させる閉位置との間で上記吸引弁の軸体を移動可能に支持し、常時は上記吸引弁の軸体を上記閉位置方向に付勢する付勢手段と、
上記吸引弁の軸体を上記閉位置に移動させた際に、上記装着孔と上記吸引弁の軸体との間の空間を上記吸引弁の軸体の上下で仕切る一対のリング状弁体と、これらの両リング状弁体間に配置され、上記装着孔の内部を上記吸引管路の上流側と下流側とに仕切るブリッジ型弁体とを設け、
さらに上記ブリッジ型弁体における上記装着孔の周壁面との接触面積を小さくする摺動抵抗減少手段を設けたことを特徴とする処置具。
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