JP4033292B2 - 動画像符号化のための量子化制御方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像符号化のための量子化制御方式に関し、特に、ビットレートが制限された映像配信サービスなどにおいても画像全体の主観画質を向上させることができる動画像符号化のための量子化制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動画像符号化の国際標準であるMPEG−2の符号化検証モデルTest Model5[1]においては、図6にその概念を示すよう、マクロブロックごとの発生ビット数を入力し、目標符号化ビット数を出力する仮想バッファを導入し、発生ビット数の目標符号化ビット数に対する過不足をこの仮想バッファに蓄積し、量子化制御にフィードバックする。
【0003】
ここではマクロブロック(16×16画素)ごとの重み係数、すなわち視覚感度w(k)を下記(1)式により算出し、量子化パラメータを、視覚感度w(k)と仮想バッファの占有量dとを用いて下記(2)式により算出する。なお、ピクチャの目標ビット数をT、ピクチャ内マクロブロック数をMBcntとすると、目標符号化ビット数は、T/MBcntで表される。
量子化パラメータ=占有量d×視覚感度w(k) ・・・(2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術においては、(1)式から明らかなように、基本的に視覚感度をマクロブロックの輝度分散のみに基づいて決定しており、マクロブロックごとの重み付けが動画像に対する人間の視覚感度に対応した最適なものには必ずしもなっていないという問題がある。
【0005】
また、マクロブロックを構成する8×8画素のブロックの輝度分散のうちの最も小さい輝度分散ack(k)を用いてマクロブロックの視覚感度w(k)を算出しているため、精細領域中に平坦ブロックが単独で存在する場合に、算出した視覚感度は、平坦ブロックを含むマクロブロックとそれを含まないマクロブロックとで大きく異なり、性質がほぼ等しいと考えられる精細領域どうしの視覚感度が大きく変動するという問題がある。
【0006】
また、これにより算出した量子化パラメータを用いて量子化制御を行うと、単独で存在する平坦ブロックを含むマクロブロックは、ノイズがあまり目立たないにもかかわらず量子化が精細に行われ、それに対して多くのビット数が配分されるため、最適なビット配分がなされているとは言えない。
【0007】
本発明の目的は、動画像に対する人間の視覚特性を高精度に表す視覚優先度に基づいてビット配分を最適にすることができ、その結果、制限されたビット数で画像全体の主観画質を向上させることができる動画像符号化のための量子化制御方式を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は、入力されるピクチャ単位に、各マクロブロックを構成するブロックごとの輝度分散値を決定する輝度分散値決定手段と、前記輝度分散値に基づいて各マクロブロックごとに、輝度分散の度合いを示すテクスチャ属性パラメータを算出するテクスチャ属性パラメータ算出手段と、ピクチャ内の各オブジェクトについて人間が注視する度合いを、該オブジェクトに含まれるマクロブロックの動き量の平均、マクロブロックごとに動きが散乱している度合い、該オブジェクトがピクチャ内で目立つ度合いの少なくとも一つの指標を用いて数値化することによりオブジェクトごとの注視度を算出する注視度算出手段と、前記テクスチャ属性パラメータを前記注視度で除算することにより、各マクロブロックごとに、動画像に対する人間の視覚特性を表す視覚優先度パラメータを算出する視覚優先度パラメータ算出手段と、前記視覚優先度パラメータを当該ピクチャに対する平均量子化パラメータで除算することにより量子化パラメータを算出する量子化パラメータ算出手段とを備えた点に第1の特徴がある。
【0009】
また、本発明は、前記テクスチャ属性パラメータ算出手段が、マクロブロックを構成するブロックごとの輝度分散値の内の最低値以外の輝度分散値、あるいはマクロブロックを構成するブロックごとの輝度分散値の平均値を用いて当該マクロブロックのテクスチャ属性パラメータを算出する点に第2の特徴がある。
【0010】
また、本発明は、前記最低値以外の輝度分散値が、2番目に小さい輝度分散値である点に第3の特徴がある。
【0011】
また、本発明は、前記テクスチャ属性パラメータ算出手段が、ピクチャ内オブジェクトの境界に位置するマクロブロックのテクスチャ属性パラメータについては隣接マクロブロックのテクスチャ属性パラメータおよびオブジェクトごとの注視度により修正する点に第4の特徴がある。
【0012】
さらに、本発明は、前記オブジェクトごとの注視度が、該オブジェクトに含まれるマクロブロックの動き量の平均、マクロブロックごとに動きが散乱している度合い、該オブジェクトがピクチャ内で目立つ度合いの少なくとも一つの指標を用いて定義されたものである点に第5の特徴がある。
【0013】
第1の特徴によれば、マクロブロックごとのテクスチャ属性パラメータをオブジェクトごとの注視度で除算することにより、各マクロブロックごとに、動画像に対する人間の視覚特性を表す視覚優先度パラメータを算出しているため、マクロブロックの輝度分散のみに基づいて視覚感度を算出するものに較べて人間の視覚特性により適合した量子化を行うことができ、画像全体の主観画質を向上させることができる。
【0014】
また、第2および第3の特徴によれば、精細なマクロブロック中に平坦なブロックが単独に存在する場合でも不必要にビットが消費されることがなくなり、ビット配分を最適化できる。
【0015】
さらに、第4の特徴によれば、色の変化の大きい部分やエッジ部を人間の視覚特性に対応して鮮明にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る量子化制御方式が適用される動画像符号化装置の一例のブロック構成図である。同図において、減算器11は、入力画像aから動き補償予測部12で得られた予測画像を減算し、予測誤差信号を生成する。この予測誤差信号は、DCT(直交変換)部13において、例えば8×8画素のブロック単位でDCT係数に変換される。
【0017】
量子化部14は、量子化制御部15からの量子化パラメータに従ってDCT係数を量子化する。量子化制御部15は、前処理部16から入力されるオブジェクトごとへのクラスタリング結果およびオブジェクトごとの注視度、当該ピクチャ(画面)について設定された目標誤差電力に基づいて量子化パラメータを算出する。量子化部14の出力は、可変長符号化(VLC)部15で可変長符号化された後、動きベクトル情報と共に多重化されてバッファに一時的に蓄えられる。
【0018】
また、量子化部14からの出力は、逆量子化部18で逆量子化され、逆DCT部19で予測誤差信号に再生され、加算器20で動き補償予測部12からの予測画像と加算される。この加算により得れらた復号画像は、フレームメモリ21に蓄積される。
【0019】
動き検出部22は、順次入力される入力画像aにもとづいて画像の動きを検出し、動きベクトル情報を出力する。この画像の動きは、例えば16×16画素のマクロブロックを単位として検出される。動き補償予測部12は、フレームメモリ21に蓄積された復号画像と動き検出部22からの動きベクトル情報とにより予測画像を生成し、減算器11と加算器20に出力する。なお、切換スイッチ部23は、動画像シーケンスの最初やシーン・チェンジなどでフレーム間予測を行わないように切り変えるものである。このときにはフレーム内予測を行うのが普通である。
【0020】
図2は、本発明に係る量子化制御方式の一実施形態の処理フローを示し、図1の量子化制御部15での処理である。この量子化制御方式は、入力画像、ピクチャ内オブジェクトを構成するマクロブロックグループ(以下、MBグループと記し、これをjで識別する。)へのクラスタリング結果およびMBグループごとの注視度v(j)、ピクチャについて設定された目標量子化誤差電力Dを入力とし、マクロブロック(これをkで識別する。)ごとの量子化パラメータQ(k)を算出する。量子化パラメータQ(k)は、マクロブロックレイヤでのビット配分を決定するために量子化部14(図1)に与えられる。
【0021】
まず、ピクチャ内のオブジェクトに対応して、マクロブロックをMBグループへグループ化(クラスタリング)する処理、MBグループごとの注視度v(j)を取得する処理について説明する。この処理は、前処理部16(図1)で行われる。
【0022】
マクロブロックのMBグループへのグループ化は、ピクチャレイヤでマクロブロックをその属性に基づいてグループ化することにより行われる。このグループ化は、ピクチャ内オブジェクトを抽出することと言える。このグループ化のための基準とする属性(分類基準値)は、マクロブロックごとの輝度成分、色差成分、動き量のうちの少なくとも一つ指標を用いて定義することができる。この処理により、例えば人物、車両、背景、あるいはそれらが画像特徴にしたがってさらに区分された部分ごとにマクロブロックをグループ化できる。
【0023】
図3は、動き量と2つの色差成分Pb、Pr(0〜255レベル)とからなる3次元座標を分類基準値とする例を示し、ピクチャ内の各マクロブロックについて動き量および色差成分Pb、Prを求めてこの3次元座標上にプロットし、3次元座標位置の近いマクロブロックを同一グループとしてグループ化する。例えば、動き量を2段階に分け、色差成分Pb、Prをそれぞれ5段階に分ければ、マクロブロックを最大50種類の属性のものにグループ化することができる。
【0024】
なお、色差成分Pb、Prは、マクロブロックにおける各色差成分の平均値とすればよく、マクロブロックの動き量は、まず、再生順における直前のフレームを参照してマクロブロックの動きベクトルVf(k)を求め、次に、この動きベクトルVf(k)に対してパンやズームなどのカメラ操作に起因する成分を除くグローバル動き補正を行ってオブジェクトに特化した動きのみを示す補正ベクトルVg(k)を求め、その絶対値|Vg(k)|を動き量とすることにより求めることができる。
【0025】
注視度v(j)は、ピクチャ内の各部分について人間が注視する度合いを表すものであり、一般にピクチャ内のオブジェクトごとに異なっていると考えられる。したがって、前記のようにして得られたMBグループについて適当な指標を用いて数値化することによりオブジェクトごとの注視度v(j)を得ることができる。
【0026】
人間の動視力特性は、その部分のピクチャ内での動きや周囲との差異などに関係するため、注視度v(j)を得るに際しての指標を、オブジェクトに含まれるマクロブロックの動き量の平均L(j)、オブジェクト内でマクロブロックごとに動きが散乱している度合R(j)、オブジェクトがピクチャ内で目立つ度合いK(j)のうちの少なくとも一つとすることができる。
【0027】
前記3つの指標L(j)、R(j)、K(j)を用いて注視度v(j)を算出する場合には、オブジェクトに含まれるマクロブロックの動き量の平均L(j)を、グローバル補正前の動き量Vf(k)の絶対値|Vf(k)|のMBグループ内平均を求めることにより算出する。
【0028】
また、オブジェクト内でマクロブロックごとに動きが散乱している度合R(j)を、同一MBグループ内の全マクロブロックについて、同一MBブロックに含まれる隣接マクロブロック(これをk′で識別する。)に対するVg(k)の散乱度R(j,k)を下記(3)式に従い算出した上で、MBグループ内平均を求めることにより算出する。
ここで、Vgx、Vgyは、Vgのそれぞれx軸方向成分、y軸方向成分を表す。
【0029】
また、当該オブジェクトがピクチャ内で目立つ度合いK(j)を、当該オブジェクトの希少性Ka(j)と異質性Kb(j)とから算出する。希少性Ka(j)は、MBグループ内の平均動き量、平均色差成分によりオブジェクトをマクロブロックの分類基準値に基づいて、例えば50種類に分類し、それら分類されたもののピクチャ内での発生頻度を表すヒストグラムを求め、発生頻度が小さいものほど値が大きくなるようにされたものとして定義される。
【0030】
また、異質性Kb(j)は、異なるMBグループと隣接するポイント(これをpで識別する。)において、MBグループ間での分類基準値の差Kb(j,p)を求め、この差Kb(j,p)のMBグループ内平均を求めることにより算出できる。
【0031】
オブジェクトがピクチャ内で目立つ度合いK(j)は、前記のようにして算出した希少性Ka(j)と異質性Kb(j)とから下記(4)、(5)式により算出できる。ただし、関数Sは、引数とする関数の出力を平滑化するために導入するシグモイド関数である。
S(Ka(j))×S(Kb(j))>1 の場合
K(j)=S(Ka(j))×S(Kb(j))・・・(4)
それ以外の場合 K(j)=1 ・・・(5)
【0032】
各オブジェクトについての注視度v(j)は、前記のようにして算出した3つの指標L(j)、R(j)、K(j)を用いて下記(6)式により算出できる。
v(j)=S(K(j))/(S(L(j))×S(R(j)))・・・(6)
【0033】
これにより算出した注視度v(j)は、動きが小さく、動きの散乱が小さく、ピクチャ内で目立っているオブジェクトに対して大きな値となり、人間の動視力特性および注視特性に合ったものとなる。
【0034】
次に、量子化制御について図2のフローに従って順に説明する。まず、マクロブロックを構成する、例えば8×8画素のブロック(これをlで識別する。)の輝度分散値clv(l)を決定する(S1)。この輝度分散値clv(l)としては、当該ブロック及びその上下左右に隣接する4ブロックの計5ブロックの輝度分散値をそれぞれ算出し、それらにランク オーダ フィルタ(rank order filter)を適用し、最低値以外の輝度分散値、例えば2番目に小さな値を抽出したものを補正された輝度分散値として適用する。なお、各ブロックについての補正された輝度分散値として最小値を抽出すると、単独の孤立した平坦ブロックの輝度分散値が適用されてしまうため、前記のように最低値以外の輝度分散値、例えば2番目に小さな値を適用することが好ましい。
【0035】
次に、ブロックごとの輝度分散値clv(l)に基づいてマクロブロックのテクスチャ属性パラメータt(k)を算出する(S2)。テクスチャ属性パラメータt(k)は、MBグループあるいはマクロブロックに属するブロックの輝度分散値clv(l)の平均値あるいは最小値A(k)を求め、これをシグモイド関数Sに適用することにより下記(7)式で求めることができる。
t(k)=S(A(k)) ・・・(7)
【0036】
なお、飛び越し走査により動画像が再生されるものである場合には、図4に示すように、フレームにおけるブロックの輝度分散ax,y以外に、当該フレームを構成する第1フィールドおよび第2フィールドのブロックにおける輝度分散bx,yにフィルタを適用してそれぞれ、例えば2番目に小さな値a′0,0、・・・を抽出し、それらを含めた輝度分散の内の最小値あるいは平均値を当該マクロブロックの補正輝度分散値A(k)とすることが好ましい。
【0037】
ここで、MBグループどうしの境界に位置するマクロブロックでは、隣接するMBグループの属性が混在している可能性が高い。さらに、そのようなマクロブロックは、人間は色の変化が大きい部分あるいはエッジ部を注視する傾向がある、という部分に該当する可能性が高い。そのため、このような領域では、視覚優先度を高くすることにより主観画質の向上が期待できる。そこで、先に前処理部で得られた、ピクチャ内のオブジェクトを構成するマクロブロックグループへのクラスタリング結果を用いてマクロブロックがMBグループの境界に位置するか否かを調べ(S3)、境界に位置するマクロブロックBMBに対しては、図5に示すように、次の操作を施す。
【0038】
まず、BMBおよびその上下左右に隣接する4つのマクロブロックのオブジェクト注視度v(j0)の最大値をvmax、BMBおよびその上下左右に隣接する4つのマクロブロックのテクスチャ属性パラメータt(k)の最小値をtminとしたとき(S4)、これら最大値vmaxおよび最小値tminを用いてBMBのテクスチャ属性t(k)を下記(8)式により修正する(S5)。
t(k)=(v(j0)/vmax)×tmin ・・・(8)
【0039】
次に、視覚優先度パラメータw(k)を、前記(6)、(7)あるいは(8)式で求めたv(j)およびt(k)を用いて下記(9)式によりを算出する(S6)。
w(k)=t(k)/v(j) ・・・(9)
この視覚優先度パラメータw(k)は、マクロブロックごとの量子化パラメータQ(k)を算出(S7)するために使用される。
【0040】
量子化パラメータQ(k)は、ピクチャ単位で設定された当該ピクチャの目標量子化誤差電力Dに近づけるべく、当該ピクチャに対する平均量子化パラメータQAVE(i)を設定した後、下記(10)式により求めることができる。
Q(k)=w(k)/QAVE(i) ・・・(10)
【0041】
なお、ピクチャレイヤでの目標量子化誤差電力Dの設定については、本出願人による既出願(特願2001-370521号)の明細書中に記載しているので、詳細な説明は省略するが、その概略は、ピクチャごとの割り当てビット数とDCT計数の分散の関数であるレート−歪みの関係式からピクチャごとの量子化誤差電力を算出し、算出された量子化誤差電力に基づいて目標量子化誤差電力を設定するというものである。
【0042】
以上のようにして算出した量子化パラメータQ(k)を用いて量子化を行い、ビット配分を行うことにより、視覚優先度パラメータw(k)の変動が平均量子化パラメータQAVE(i)の設定により吸収されるため、視覚優先度パラメータw(k)を正規化する必要がない。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、種々に変更および修正が可能である。例えば、オブジェクトの抽出、すなわちマクロブロックのグループ化に際し、分類基準により分類されたMBグループの面積が小さい場合、上下左右方向で隣接する、分類基準値の近い隣接MBグループを、MBグループの面積が予め決められた面積を上回るまで統合して最終的なMBグループとすることができ、これによれば算出される視覚優先度を劣化させることなく処理を軽減することができる。
【0044】
また、オブジェクトに含まれるマクロブロックの動き量の平均L(j)を算出するに際し、他のものから極端に異なっている動き量を算出から除外するようにすることにより、ノイズなどの影響をなくすことができる。
【0045】
【発明の効果】
以上に詳細に説明したように、本発明によれば、符号化に先立ってピクチャ内のオブジェクトおよびマクロブロックの構成を高精度に解析することができ、符号化部にてピクチャ内の局所的なビット配分を最適化できる。これにより視覚的に目立たない領域での劣化はあるものの、視覚的に目立つ領域での符号化性能の向上が顕著であるため、画像全体の主観画質を向上することができる。
【0046】
動画像符号化を用いた映像伝送サービスにおいては、殆ど量子化が行われているため、本発明は、映像伝送サービスに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る前処理部と動画像符号化部を備えた動画像符号化装置の一例のブロック構成図である。
【図2】 図1の前処理部における処理の一実施形態のフロー図である。
【図3】 オブジェクト抽出のための分類基準の説明図である。
【図4】 テクスチャ属性パラメータの決定の原理説明図である。
【図5】 境界に位置するマクロブロックに対する操作の説明図である。
【図6】 MPEG-2の符号化検証モデルTest Model5[1]の概念図である。
【符号の説明】
11・・・減算器、12・・・動き補償予測部、13・・・DCT部、14・・・量子化部、15・・・量子化制御部、16・・・前処理部、17・・・VLC、18・・・逆量子化部、19・・・逆DCT部、20・・・加算器、21・・・フレームメモリ、22・・・動き検出部、23・・・切換スイッチ部
Claims (4)
- 動画像符号化のための量子化制御方式において、
入力されるピクチャ単位に、各マクロブロックを構成するブロックごとの輝度分散値を決定する輝度分散値決定手段と、
前記輝度分散値に基づいて各マクロブロックごとに、輝度分散の度合いを示すテクスチャ属性パラメータを算出するテクスチャ属性パラメータ算出手段と、
ピクチャ内の各オブジェクトについて人間が注視する度合いを、該オブジェクトに含まれるマクロブロックの動き量の平均、マクロブロックごとに動きが散乱している度合い、該オブジェクトがピクチャ内で目立つ度合いの少なくとも一つの指標を用いて数値化することによりオブジェクトごとの注視度を算出する注視度算出手段と、
前記テクスチャ属性パラメータを前記注視度で除算することにより、各マクロブロックごとに、動画像に対する人間の視覚特性を表す視覚優先度パラメータを算出する視覚優先度パラメータ算出手段と、
前記視覚優先度パラメータを当該ピクチャに対する平均量子化パラメータで除算することにより量子化パラメータを算出する量子化パラメータ算出手段とを備えたことを特徴とする動画像符号化のための量子化制御方式。 - 前記テクスチャ属性パラメータ算出手段は、マクロブロックを構成するブロックごとの輝度分散値の内の最低値以外の輝度分散値、あるいはマクロブロックを構成するブロックごとの輝度分散値の平均値を用いて当該マクロブロックのテクスチャ属性パラメータを算出することを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化のための量子化制御方式。
- 前記最低値以外の輝度分散値は、2番目に小さい輝度分散値であることを特徴とする請求項2に記載の動画像符号化のための量子化制御方式。
- 前記テクスチャ属性パラメータ算出手段は、ピクチャ内オブジェクトの境界に位置するマクロブロックのテクスチャ属性パラメータについては隣接マクロブロックのテクスチャ属性パラメータおよびオブジェクトごとの注視度により修正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動画像符号化のための量子化制御方式。
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