JP4032795B2 - 黒鉛ブロックの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、黒鉛ブロックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
黒鉛化炉に炭素材料骨材、バインダおよび触媒からなる材料を焼成した原ブロック又は黒鉛ルツボをコークスからなる詰粉と交互に配置し、更にこれらの周囲にコークスからなる詰粉を充填して両側に置かれた電極に通電することによって黒鉛化処理を行う間接通電法が知られている。
【0003】
特公昭54−3682号公報には、粘結材を含まない無定形炭素粉末あるいは人造黒鉛質粉末に焼結促進剤して硼酸を添加し、加圧下で焼成する高密度黒鉛成型体の製造法が記載されている。
【0004】
また、特開平5−78111号公報には、複数の焼成体を接着後、黒鉛化炉に詰粉を充填し、両端の電極から加圧した状態で焼成体に通電加熱して黒鉛化する黒鉛材料の製造法が記載されている。
【0005】
また、特開平5−78112号公報には、両端面に炭素質スラリを塗布した炭素の焼成体の複数個を、端面同士を向かい合わせて前記炭素質スラリを介して黒鉛化炉の長手方向に一直線に配列接続し、黒鉛炉に詰粉を充填し、焼成体の両端の電極から加圧した状態で焼成体に通電加熱して黒鉛化する黒鉛材料の製造方法が記載されている。
【0006】
また、特開2000−73105号公報には、入口扉を経て搬入される粉末原料を真空状態の雰囲気にする前室と、前室の下流側にあって前室から搬送される粉末原料を掴み装置で断熱材に囲まれたモールド内に取り込み通電加熱装置とモールドを囲み抵抗加熱する抵抗加熱装置とで同時に加圧と加熱して加圧成形材とする通電ホットプレス室と、通電ホットプレス室の下流側にあって通電ホットプレス室から搬送され高温加熱状態にある加圧成形材を所定の温度に冷却する冷却室と、冷却室の下流にあって冷却室から搬送される加圧成形材を真空状態から大気中に戻して出口扉から搬出する後室と、前室乃至後室まで順次下流側に粉末原料又は加圧成形材を搬送する搬送装置と、前室乃至後室までの夫々の入口・出口には気密性を有する仕切扉を配置する連続ホットプレス装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来、原ブロックを焼成して形成し、高温熱処理によって黒鉛化を図る場合に、接着した複数の原ブロックの周囲にコークスなどの詰粉を充填したり、原ブロックとコークスなどの詰粉を交互に配置し、これらの周囲に更にコークスなどの詰粉を配置して電極間に通電を行う通電加熱式の黒鉛化方法、装置が知られている。この方法、装置は原ブロックである焼成体に電流を流して、焼成体自体を発熱させることによって黒鉛化処理(直接通電法)を行うが、焼成体の周囲に詰粉を充填し、詰粉を発熱させて加熱体として、そして、保温及び酸化防止を行う方式であり、充填された詰粉の助けを借りて3000℃付近の温度まで昇温することを特徴としている。従って、この方法、装置によれば詰粉の加熱に多大の投入電力を要し、高温処理後における大量の詰粉の排除、処分処理を要し、連続化による稼動性向上の障害となっている。また、焼結体周囲に充填する詰粉部分の抵抗値を一定にするのが困難であり、炉内電流に偏りが生じ、部分的な昇温が起こりやすく、昇温した部分は電極抵抗が減少して、電流が大量に流れ、更にその部分の温度を上昇せしめ、焼成体中で温度差が発生し、亀裂発生の原因となる。
【0008】
本発明は、以上に鑑み直接通電法を採用するに当り前述した諸種の望ましくない現象の原因となる詰粉の充填を取り止めて黒鉛化工程の原価低減およびリードタイム短縮を行うことのできる黒鉛ブロックの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、特に炭素材料である骨材とバインダと黒鉛化結晶を促進させる触媒を含有して焼成、形成された原ブロックを使用して黒鉛ブロックを生成するに当り、触媒成分の析出部を限定し、面仕上げをやり易くした黒鉛ブロックの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、連続した黒鉛化を可能とする黒鉛ブロックの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、コークス粉、コールタールピッチおよび必要に応じた触媒(例えば、鉄、ニッケル、チタン、ケイ素、硼素等の金属、これらの炭化物、酸化物)を加熱混練し、粉砕し、成形し、焼成して原ブロック(炭素ブロック)を生成し、詰粉不存在の状態で黒鉛化ブロックあるいは黒鉛ブロックを直接的に生成する黒鉛化を行う。生成された黒鉛ブロックは必要に応じて、例えば、粉末処理等の加工が施される。このように詰粉不存在が本発明にとって重要な事項であるが、詰粉としての効果が期待できないような状況下での粉を存在させることまでも排除するものではない。当然のことであるが、詰粉不存在によって原ブロックの周囲は空間とされる。
【0011】
本発明は、以下に述べる黒鉛ブロックの製造方法によって上記課題の1つまたはそれ以上を解決する。
本発明は、黒鉛化可能な炭素成形体、例えば炭素材料骨材と、バインダと、および黒鉛化を促進させる触媒を含有して焼成されて形成された原ブロックを通電可能にして保持し、大気よりも酸素の少ない雰囲気中で、原ブロックに通電加熱を行って内部に高密度黒鉛化部を、そして表面部に触媒成分の析出部を形成し、かつ該触媒の析出部(触媒昇華物)を研削等によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法を提供する。
【0012】
本発明は、少なくとも炭素材料骨材とバインダとを含有して形成された原ブロックを通電可能にして電極間に保持し、大気よりも酸素の少ない雰囲気中で、かつ前記原ブロックおよび電極の周囲に詰粉不存在の下で原ブロックに通電加熱を行って黒鉛化処理を行い、以って黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法を提供する。
【0013】
上記の炭素成形体の原料としては、一般的に黒鉛化可能な炭素成形体あるいは黒鉛化を促進させる触媒を含有する黒鉛化可能な炭素成形体があり、具体的には(A)炭素材料である骨材と(B)バインダを含む二成分系と、(A)骨材と(B)バインダ及び(触媒以外の成分を含む場合には二成分として取り扱ってもよい)(C)黒鉛化結晶を促進させる触媒を含む三成分系がある(他の成分を含む場合は三成分として取り扱ってよい)。
上記(A)と(B)もしくは(A)と(B)と(C)とで黒鉛化可能な炭素成形体である原ブロックが生成される。
【0014】
骨材としては、石炭及び石油から得られるコークス類、油煙、フェノール系樹系或いはゴム系重合体を焼成して得られるカーボンブラック人造黒鉛、天然黒鉛等が挙げられる。これらの骨材の粒径は0.1〜300μmが好ましく、特に1〜50μmが好ましい。骨材の粒径が0.1μm未満では、骨材粒子が2次凝集して混練性が低下し、300μmを越えると目的とする電気特性、摺動特性の効果が得られないおそれがある。
【0015】
バインダとしては、タールピッチ、コールタール、或いはフェノール系樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂、ブタジエン、ウレタン等のゴム系重合体が挙げられる。
また、触媒としては、例えば、鉄、ニッケル、チタン、ケイ素、硼素等の金属、これらの炭化物、酸化物等が挙げられる。
【0016】
本発明の実施例においては、上記の(A)骨材と(B)バインダの配合割合は、前記骨材を100重量部に対して前記バインダを10〜300重量部が好ましく、特に70〜150重量部が好ましい。バインダが10重量部未満では骨材同士の密着性が充分でなく良好なブロック成形品が得られないおそれがある。また、前記バインダが300重量部を越えると目的とする電気特性、摺動特性が得られないおそれがある。
【0017】
また、原料が三成分系の場合、(A)骨材と(B)バインダ及び(C)触媒の配合割合は、骨材とバインダの配合割合は、上記の二成分系の配合割合の範囲内であればよく、触媒は前記骨材を100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が好ましい。触媒が1重量部未満では黒鉛化が不均一となり目的の結晶黒鉛を得られない場合がある。触媒が50重量部を越えると焼成時における触媒のブロック成形品表面への析出が効率的に進行しない場合があり目的とする電気特性、摺動特性の効果が得られないおそれがある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に使用する黒鉛ブロックの製造装置1の構成概要を示す図である。図において、黒鉛化処理室2は、原ブロック3の入口部である搬入空間室4と、中央に位置する高温熱処理装置6を備える高温熱処理室5と黒鉛化処理された黒鉛化ブロック7を収容する搬出空間室8からなる。搬出空間室8に隣接して研削機10などの切削装置が置かれた面仕上げ室9が配設される。従って、搬入空間室4と搬出空間室8とは高温熱処理室5を中央にして左右に対峙して配置される関係となる。搬入空間室4、高温熱処理室5、搬出空間室8および面仕上げ室は直列配置とされ、統一の水平面上に配設されることになる。
【0019】
図1にあっては黒鉛化処理室2は、二重の部室として中央室を高温熱処理室5としているが、それぞれ別体の部屋として構成してもよい。黒鉛化処理室2および高温熱処理室5にはそれぞれ真空形成装置である真空ポンプ12、13が接続される。本発明において「真空」とは、圧力が通常の大気圧より低い希薄気体の状態をいい、気体分子が全く存在しないという仮想の状態をいうのではない。
【0020】
真空ポンプ12、13に代えて、もしくはこれらに並設して不活性ガス投入装置(図示せず)を設けて黒鉛化処理室2および高温熱処理室5内に不活性ガスを投入することができるようにする。
【0021】
台車15で運搬されて来た原ブロックはロボット(図示せず)などの搬入装置によってもしくは作業者によって複数個、搬入空間室4に搬入され、原ブロックは1つずつコンベア16などの移送装置によって高温熱処理室5に搬入される。勿論、作業者が行ってもよい。搬入空間室が第1の真空もしくは不活性ガス雰囲気室であり、高温熱処理室5が第2の真空もしくは不活性ガス雰囲気室となる。
高温熱処理室5は入り口部17および出口部18を有する。
【0022】
高温熱処理室5に配設される高温熱処理装置6は、水平に(鉛直もしくは他の方向であってもよい)対峙配置した2つの電極21、22、それぞれ電極21、22を取り付けた水平方向である電極方向に移動可能とされた加圧装置23、24(加圧装置23、24は電極21、22を保持する保持装置としての機能をも有する)、更には電極21、22への通電を行う通電装置25および電力投入の制御を行うコンピュータ装置26(制御装置)を備える。電極21、22への通電は直流もしくは交流のいずれでもよい。
【0023】
原ブロック3は両電極21、22に挟まれて保持され、加圧装置23、24に加圧され、電極21、22との接触が充分になされるようにする。ここで、原ブロック3は、両電極21、22に直接的に保持される。直接的に保持とは、電極21、22によって保持する場合と導電性のよい後述するようなカーボンシートを介在させて保持することを含み、このような場合、カーボンシートを含めて電極と見てよい。従って、直接的に通電するとは、カーボンシートなどの導電性のよい材料を介して通電する場合も含む。
【0024】
当該高温熱処理装置6は、原ブロック3や電極21、22の周囲にコークスなどの詰粉を充填することを要しない。要は、詰粉を原ブロック3および電極21、22の周囲に詰粉不存在下で通電を後述のように行う。
【0025】
原ブロック3の上下方向もしくは/および横方向の周囲には空隙を置いて反射板(平板でなくてもよい)27を配設する。反射板27は熱反射板としての機能を有し、原ブロック3から放熱された熱を原ブロック3に戻す作用をなす。
【0026】
通電装置25によって電極21、22に通電すると電気は周囲に詰粉がないために原ブロック3に集中して集電され、流れる。この集中した電力投入によって原ブロック3自体の発熱によって原ブロック3を3000℃付近まで昇温する。周囲に詰粉がないために電流を原ブロック3に均一化して流すことができる。電流を原ブロック3に均一化して流すことは均一化した製品を製造するに当って重要である。詰粉が周囲に存在する場合には電流は充填した詰粉にも流れるために電流は均一化して流れない。原ブロック3の周囲に詰粉を充填しない、すなわち詰粉不存在で処理を行う理由の1つはここにある。
また、反射板27の作用によって熱が原ブロック3に戻されて3000℃を保持するのに役立つ。
【0027】
図3に、本実施例における電流の流れ方を従来例である黒鉛化炉としてアチソン炉を使用した場合を比較例に採って図示する。本実施例にあっては、電極間に1つの原ブロックを狭持していて周囲に詰粉は不存在のために電流は原ブロックに流れ、他の部分に流れることはない。これに対してアチソン炉にあっては図示するように、電流は並設された複数の原ブロックばかりでなく、コークス等の詰粉にも流れるための損失は大きなものとなっている。
【0028】
本実施例において、少なくとも詰粉は充填することは要せず、最も望ましい形態としては空間状態とすることである。また、このことは図3に示すように電流を原ブロック3に集中して流すことでもある。これによって投入された電流は、昇温、すなわち黒鉛化に有効に使用されることになる。
【0029】
図4に、図3のような構造の場合における触媒成分の析出の状況を図示する。本実施例にあっては、原ブロック表面に黒鉛化触媒成分が析出する。尚、当然のことながら原ブロックに触媒が使用されていない場合には析出物が生成されることはない。アチソン炉使用の場合には、コークス等の詰粉に黒鉛化触媒析出物が付着し、黒鉛化処理後の詰粉の処理に多大の費用と多大の労力を要し、連続化の障害となる。
【0030】
図5に、加熱冷却時間比較を図示する。本実施例にあっては、3000℃付近までの加熱を5分(min)以内に行っており、そして10分以内には冷却している。特に、この時間設定は、黒鉛ブロックを電池用に使用するときには重要である。他の用途の場合にあっても30分以内の処理にすることが望ましい。すなわち、急速加熱急速冷却を行っている。従って、高温熱処理室5は、高速高温熱処理室ということができ、ここで高速とは30分以内、望ましくは10分以内処理を言う。これに対して、アチソン炉にあっては、複数個の原ブロックが一時に処理されるが、この処理に要する時間は30日(day)を要し、管理が大変なものとなっている。
高温熱処理によって原ブロック3について黒鉛化を行い、黒鉛化ブロックを生成することができる。
【0031】
原ブロック3が前述したように三成分を含有し、触媒を含有する場合には、黒鉛化ブロックは内部部分の高密度の黒鉛化部分と、黒鉛化部分の周囲、すなわち表面部に触媒成分が析出した析出部分とから構成されることになる。
【0032】
詰粉を使用した直接通電法にあっては、詰粉自体が発熱・昇温化されるため触媒成分は詰粉に析出する。本実施例の場合には詰め粉が不存在のため触媒成分は生成した黒鉛化ブロックの皮部、すなわち表面部に1〜1.5mmのような薄い層を形成して析出する。このことは触媒成分の除去と共に回収し面使用する上で重要な意味を有する。
【0033】
本実施例においては、上記の触媒はブロック成形品を焼成して黒鉛化する過程で、その成形品の表面に析出、付着したり、焼成炉中に揮発する(従来の詰粉を使用する方式にあって、前述のように、詰粉に析出物が析出、付着する)。ブロック成形品の表面に析出、付着した触媒成分は研削することにより除去し回収することができる。また、揮発した触媒成分についても焼却炉に練通した冷却回収装置を設ける等の手段により回収することができる。例えば、触媒として炭化ケイ素を用いた場合には黒鉛化されたブロック成形品の表面近傍(ブロックサイズ300mm×200mm×150mmに対する炭化ケイ素の析出厚さ5〜30mm)に炭化ケイ素が析出し、ブロック成形品の内部には触媒が殆ど存在しない均質な状態の黒鉛層が形成される。成形品の表面より研削除去した炭化ケイ素は再生して繰り返し使用できる。
【0034】
形成された黒鉛化ブロックは黒鉛化ブロック7としてコンベア31などの移送装置によって搬出空間室8に搬出され、保持される。この黒鉛化ブロック7は、適宜面仕上げ室9に移送され、研削機10などの切削装置によって前述した析出部が削除されて面仕上げがなされる。
【0035】
黒鉛化ブロック7は、面仕上げされて、面仕上げのない二成分系材料からなる場合には、そのままの状態で(ただし、付着物は取り外しがなされる)、黒鉛ブロック32とされ、面仕上げ室9から外部に出され、台車33によって移送される。
尚、面仕上げ室9には、集塵機34が付されて室内がクリーンとされる。
【0036】
図2に両電極21、22によって原ブロック3を挟持する状況を示す。原ブロック3は電極21、22の面に配設されたカーボンシート41、42を介して保持される。熱処理前にあってはカーボンシート41、42は独立体であるが、熱処理後にあっては生成された黒鉛化ブロックに接着するので、取り出しを含めた取り扱いが極めて楽である。
【0037】
原ブロック3の周囲には空隙43を置いて反射体としてのカーボン円筒44が配設される。ここでは当該カーボン円筒44を含めて図1の反射板17で総称することにする。
【0038】
図6から図8の第2の実施例を先の実施例よりより詳細に示す。先の実施例と同一の構成には同一の番号を付して説明の省略をすることがある。基本的構成は先の実施例と同一であり、多くは先の実施例の説明が準用される。図6は、第二の実施例である装置全体の平面図、図7はその立面図であり、図8は電極部構造を示し、先の実施例の図2に相当する。
【0039】
これらの図(図5〜図8)において、搬入空間室4の前方に位置する原ブロック3の導入側には、接着材塗布室51(接着材塗布装置用フード)が設けてある。
【0040】
接着材塗布室51、搬入空間室4、高温熱処理室5、搬出空間室8および面仕上げ室9を水平状に貫いて搬送装置52が設けてある。従って、原ブロック3、黒鉛化ブロック7および黒鉛ブロック32はこの搬送装置52上を搬送される。搬送装置52は、搬送装置制御機70によって動作が制御される。
【0041】
接着材塗布室51には、搬送装置52に沿って接着材塗布装置50としての接着材塗布機53、カーボンシート排出用のエアシリンダ54、一連のカーボンシート群55、カーボンシート押し出し用のエアシリンダ56が設けてあり、これらの装置よって押し出された1枚(片側1枚、他側1枚)のカーボンシートは、原ブロック3の両側に接着されて、搬送装置52上を流れる。
【0042】
この例にあっては、電極21、22と加圧装置23、24との間には銅部材61、62が設けてあって、加圧装置23、24はこれらの銅部材61、62を介して、更に電極21、22を介して挟まれた原ブロック3を押圧することになる。加圧装置23、24はエアシリンダあるいは油圧シリンダ等から構成される。加圧装置23、24にはロードセル63、64が設けられる。
【0043】
銅部材61、62にはトランス65(交流、直流どちらでもよい)が配線67によって接続され、投入電力は電力制御盤66によって制御される。この電力制御盤66は先の実施例のコンピュータ装置26に相当し、トランス65は通電装置25に相当する。
また、電極21、22は一対の遮熱部68が設けられる。これは、先の実施例の反射板27に相当する作用をなす。
【0044】
搬送装置52の下方側には原ブロック3の昇降装置69が設けてあって、原ブロック3は1個ずつ個別に電極21、22間に持ち上げられ、電極21、22によって狭持される。
一対の遮熱部68にはそれぞれ遮熱装置稼動装置61、62が接続される。
【0045】
高温熱処理室5には加熱室入口側扉63が、そして加熱室出口側扉64が設けられ、かつ高熱処理用の雰囲気導入管65が設けられ、この雰囲気導入管65に雰囲気絞り弁66が設けられる。この雰囲気導入管65から不活性ガスが導入される。高温加熱処理室5で生成された排ガス放出のための排ガス放出管67が設けられ、この排ガス放出管67には不純物分解装置68および排気ポンプ69が設けられる。
【0046】
搬入空間室4には上記と同様にして雰囲気制御のために雰囲気絞り弁71、排気ポンプ72が設けられる。また、搬入空間室4の入口部には入口用扉73が、そして搬出空間室8の出口部には出口用扉74が設けられる。
【0047】
面仕上げ室9は、集塵用フードでもあり、集塵機81、ブロア82が接続され、塵が収集される。
面仕上げ室9内において、搬送装置52に沿ってカッター93、表面仕上げ装置94が設けられる。
【0048】
図8において、電極21、22には交換用黒鉛電極83、84を設け、これらの交換用黒鉛電極83、84によって一対のカーボンシート35を接着、保持するようにしてもよい。
電極21、22、銅部材61、62にはそれぞれ冷却水循環配管85、86を設けて冷却水を流れて電極21、22および交換用黒鉛電極83、84の冷却を行う。
【0049】
次に試作品について黒鉛化特性を評価した状況について説明する。
表1は評価に使用した装置の概要を示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004032795
【0051】
図9は、通電を行うに当ってのフローを示す。図において、電極間に原ブロックとカーボンシートを挟込み(S1)、原ブロックをカーボン円筒で囲う(S2)。原ブロックを加圧装置で固定し(13MPa)(S3)、雰囲気を真空排気して13Pa(1.27×10−4atm)になし(S4)、不活性ガス(アルゴンor窒素)置換を行い(S5)、雰囲気圧力を66kPa(0.66atm)に調整した(S6)。しかる後に通電を行った(S7)。試験は、投入電力および投入時間を変えて試料1〜8について行った。これによって製造された黒鉛ブロックの黒鉛化特性に対する昇温速度の影響を調べた。
【0052】
その結果、温度上昇速度150℃/min→500℃/minに変化させた場合でも黒鉛化特性への影響は無いことが判った。500℃/minの昇温速度とは、アチソン炉の平均昇温速度2℃/minと比べても300倍も大きな値となっている。更に昇温速度を上げることで電力原単位向上が期待できることが判った。
【0053】
最大投入電力(47kW)、保持時間(約6min)、温度上昇速度(500℃/min)の一定条件下で、雰囲気の影響を調べた。
その結果、黒鉛化特性はいずれも良好な値であり、雰囲気による製品特性への影響は無いことが判った。
【0054】
図10に黒鉛化特性評価を行うに当ってのステップを示す。試作後試験片について表面付着物取り外しを行い、Si又はSi化合物(触媒成分の析出物)の析出状況を調べ、重量測定によって重量減少率測定を行い、外側切削(厚さ1.0〜1.5mm)を行い、灰分、比抵抗、格子定数等の測定を行い、評価を行った。
【0055】
図11は評価結果を示す。試験片No.2および試験片No.6を除いて良結果を得ることができた。
図12に最大投入電力保持時間に対する最大投入電力との関係において電池特性良好範囲○と特性未達領域×を示す。
これらの試験により、最適な黒鉛化条件が存在することが判った。従って、本製造方法で黒鉛を製造する場合の条件は、下記のようにすることが好ましい。
【0056】
ブロック成形品に投入する電力および電流値は,大きければ大きいほど黒鉛化特性は良好となる。しかし、投入電力が大きすぎると、ブロック材内部で突沸が起こり破損することがある。一方、投入電力が所定の電力(電流)以下になると黒鉛化が進まない。また、ブロック成形品のサイズにより、黒鉛化に必要な投入電力および電流の範囲が決定される。従って、ブロックサイズとしては、電極に接触させる面の断面積が、2,500〜40,000mmであり、長さが200〜500mmの直方体であることが好ましく、その成形品の密度が、1.0〜1.8g/cmであることが好ましく、1.3〜1.6g/cmであることがより好ましい。投入電力および電流は、ブロックサイズにより異なるが前記のサイズにおいて、500〜1,300kW(電流15,000〜50,000A)が好ましい。具体的には、ブロック成形品のサイズが100mm×100mm×300mmの場合は、投入電力500〜600kW(電流15,000〜25,000A)が好ましい。また、ブロックサイズ150mm×150×300mmの場合は投入電力900〜1,100kW(電流35,000〜45,000A)が好ましい。また、ブロックサイズ100mm×100mm×400mmの場合は、投入電力700〜800kW(電流15,000〜25,000A)が好ましい。また、ブロックサイズ150mm×150mm×400mmの場合は、投入電力1,100〜1300kW(電流40,000〜50,000A)が好ましい。
【0057】
そのときの黒鉛化温度への到達時間は、短いほど電力効率がよい。しかし、到達時間を早くしすぎると、ブロック成形品内の揮発分及び黒鉛化触媒の拡散および炭素の昇華が瞬間的に増大し、ブロック成形品の内部で突沸が起こることがある。従って黒鉛化温度への到達時間の範囲は、1min〜10minが好ましい。より好ましいのは、2min〜4minである。
【0058】
また、黒鉛化温度到達後の保持時間は、長ければ長いほど黒鉛化特性は良好になる。逆に電力効率は短いほど良くなる。従って、黒鉛化温度到達後の保持時間の範囲は、1min〜10minが好ましい。より好ましいのは、2min〜4minである。
【0059】
雰囲気は、酸素分を含まない雰囲気ならばアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気および真空で黒鉛化は可能となる。アルゴンガス雰囲気および窒素ガス雰囲気の2種類の条件で試作を実施した結果を図11に示す。いずれも、黒鉛化特性に差異は認められず、良好な黒鉛化特性である。
【0060】
電力設備は、交流電源と直流電源のどちらかを用いてもかまわない。交流電源を用いた場合には、力率改善用のコンデンサが必要となる。また、直流電源を用いた場合は、力率低下は生じないため、より電力効率がよくなる。従って、電力設備には、直流電源を用いたほうが好ましい。
【0061】
本実施例で生成したいずれの黒鉛粉末は、各種治具、軸受け、シール、るつぼ、放電加工電極材、発熱体、高温容器内張り、原子炉用などに用いられる比較的高密度の特殊炭素黒鉛材料として使用し得る。
【0062】
本実施例によれば、ブロック1枚(個別)毎直接通電加熱を行い、黒鉛化を行う技術を提供できる。雰囲気を真空もしくは不活性ガスにすることで詰粉なしの黒鉛化が可能である。そして、更に連続面仕上げを行い、人件費削減及び電力原削減及びリードタイム短縮を達成することができる。例えば現行の黒鉛炉(アチソン炉)によるリードタイム30日をブロック連続黒鉛化によって5分に短縮することができる。
【0063】
以上のように、炭素原材料骨材と、バインダと、および黒鉛化を促進させる触媒を含有して焼成されて形成された1個の原ブロックを電極間に通電可能にして直接的に保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、前記原ブロックに直接通電加熱を行って内部に高密度黒鉛化部を、そして表面部に触媒成分の析出部を形成し、かつ該触媒の析出部を研削等によって削除して黒鉛ブロックを形成する黒鉛ブロックの製造方法が構成される。
【0064】
また、炭素材料骨材と、バインダと、および黒鉛化を促進させる触媒を含有して焼成されて形成された原ブロックを通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記原ブロックおよび電極の周囲に詰粉不存在の下で原ブロックに直接通電加熱を行って内部に高密度黒鉛化部を、そして表面部に触媒成分の析出部を形成し、かつ該触媒の析出部を研削等によって削除して黒鉛ブロックを形成する黒鉛ブロックの製造方法を構成される。
【0065】
また、炭素材料骨材と、バインダと、および黒鉛化を促進させる触媒を含有して焼成されて形成された原ブロックを複数個、第1の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを第2の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを電極間に直接的に通電可能にして加圧保持し、原ブロックに直接通電加熱を行って内部に高密度黒鉛化部を、そして表面部に触媒成分の析出部を形成し、かつ形成された黒鉛化ブロックを個別に研削等によって前記析出部の削除を行う領域に搬出し、該領域にて前記析出部の削除を行って黒鉛ブロックを形成する黒鉛化ブロックの製造方法が構成される。
【0066】
また、電極間に直接的に保持あるいは直接的に通電可能にしてとは、電極面にカーボンシートを配設するようにして保持あるいは通電を行う黒鉛ブロックの製造方法が構成される。
【0067】
また、少なくとも炭素材料骨材とバインダとを含有して形成された原ブロックを個別に通電可能にして電極間に直接的に保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記原ブロックおよび電極の周囲に詰粉不存在の下で1つの原ブロックに直接通電加熱を行って黒鉛化処理を行い、以って黒鉛ブロックを形成する黒鉛ブロックの製造方法が構成される。
【0068】
また、少なくとも炭素材料骨材とバインダとを含有して形成された原ブロックを通電可能にして電極間に直接的に保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記原ブロックおよび電極の周囲に詰粉不存在の下で1つの原ブロックに集中した電力投入による直接通電加熱を行って黒鉛化処理を行い、以って黒鉛ブロックを形成する黒鉛ブロックの製造方法が構成される。
【0069】
また、少なくとも炭素材料骨材とバインダとを含有して形成された原ブロックを複数個、第1の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを第2の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを電極間に直接的に通電可能にして加圧保持し、かつ前記原ブロックおよび電極の周囲に詰粉不存在の下で原ブロックに集中した電力投入による直接通電加熱を行って黒鉛化処理を行い、以って黒鉛ブロックを形成し、そして形成された黒鉛ブロックを個々に搬出する黒鉛ブロックの製造方法が構成される。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、前述した諸種の望ましくない現象の原因となる詰粉の充填を取り止めて直接通電による黒鉛化ブロックあるいは黒鉛ブロックを生成することができ、黒鉛化工程の原価低減およびリードタイム短縮を行うことのできる黒鉛ブロックの製造方法を提供できる。特に、従来必要とされた詰粉の不使用は廃材を極めて減少せしめ、原ブロックへの電流の均一化した流れを形成し、均一した製品を製造する上で重要である。また、炭素材料である骨材とバインダと黒鉛化結晶を促進させる触媒が使用された場合には、触媒成分の析出を黒鉛化ブロックの表面部に形成できるので削除による黒鉛ブロックの生成を容易に行うことができる。
また、連続したブロック1枚毎直接通電加熱による黒鉛化技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の製造装置の構成概要を示す図。
【図2】図1の一部詳細図。
【図3】電流の流れ方を示す図。
【図4】析出物の生成あるいは付着状況を示す図。
【図5】加熱冷却時間を示す図。
【図6】他の実施例の製造装置の構成を示す平面図。
【図7】図6の立面図。
【図8】電極部構造図。
【図9】通電開始するためのフローチャート図。
【図10】黒鉛化特性評価を行うためのステップを示す図。
【図11】試験結果図。
【図12】電力上昇速度および必要投入電力を示す図。
【符号の説明】
1…黒鉛ブロックの製造装置、2…黒鉛化処理室、3…原ブロック、4…搬入空間室、5…高温熱処理室、6…高温熱処理装置、7…黒鉛化ブロック、8…搬出空間室、9…面仕上げ室、10…研削機、12、13…真空ポンプ、15、33…台車、16、31…コンベア、21、22…電極、23、24…加圧装置、25…通電装置、26…コンピュータ装置、27…反射板(カーボン円筒を含む)、32…黒鉛ブロック。

Claims (14)

  1. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である原ブロックを対峙配置した2つの電極を介して加圧装置によって加圧しおよび通電可能にして保持し、大気よりも酸素の少ない雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに集中通電加熱を行う高温化処理時に、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分薄い析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  2. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である1個の原ブロックを電極間に通電可能にして直接的に保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  3. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である焼成されて形成された原ブロックを通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、かつ前記原ブロックおよび電極の周囲に詰粉不存在の下で前記対峙配置した2つの電極間で原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理して黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  4. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である焼成されて形成された原ブロックを通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  5. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である焼成されて形成された原ブロックを通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で原ブロックに集中した直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  6. 炭素材料骨材と、バインダと、および黒鉛化を促進させる触媒を含有して焼成されて形成された原ブロックを複数個、第1の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを第2の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に前記原ブロックを対峙配置した電極間に直接的に通電可能にして加圧保持し、前記電極間で前記原ブロックの側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在下で、前記対峙配置した電極間で前記原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ形成された黒鉛化ブロックを個別に研削によって前記析出部の削除を行う領域に搬出し、該領域にて前記析出部の削除を行って黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  7. 請求項2から6のいずれかにおいて、電極間に直接的に保持あるいは直接的に通電可能にしてとは、電極面にカーボンシートを配設するようにして保持あるいは通電を行うことを含むことを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  8. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である原ブロックを対峙配置した2つの電極を介して加圧装置によって加圧しおよび通電可能にして保持し、大気よりも酸素の少ない雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに集中通電加熱を行う高温化処理時に、原ブロック自体を発熱させ、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  9. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である1個の原ブロックを電極間に通電可能にして直接的に保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、前記原ブロック自体発熱させ、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  10. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である焼成されて形成された原ブロックを対峙配置した2つの電極を介して加圧装置によって加圧しおよび通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、前記原ブロック自体発熱させ、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  11. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である焼成されて形成された原ブロックを対峙配置した2つの電極を介して加圧装置によって加圧しおよび通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を 形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、原ブロック自体発熱させ、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  12. 炭素材料骨材と、バインダとおよび黒鉛化を促進させる触媒とを含有した黒鉛化可能な炭素成形体である焼成されて形成された原ブロックを対峙配置した2つの電極を介して加圧装置によって加圧しおよび通電可能に直接的に電極に加圧保持し、真空中あるいは不活性ガスの雰囲気中で、かつ前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在の下で、前記対峙配置した2つの電極間で前記原ブロックに集中した直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、原ブロック自体に発熱させ、内部に高密度黒鉛化部を、そして前記空間に面する表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ該触媒成分の析出部を研削によって削除して黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  13. 炭素材料骨材と、バインダと、および黒鉛化を促進させる触媒を含有して焼成されて形成された原ブロックを複数個、第1の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを第2の真空中あるいは不活性ガスの雰囲気空間に搬入し、個別に原ブロックを対峙配置した電極間に直接的に通電可能にして加圧保持し、前記電極間で前記原ブロック側方に空間を形成し、前記原ブロックの周囲の該空間は詰粉不存在下で、前記対峙配置した電極間で前記原ブロックに直接集中通電加熱を行う高温化処理時に、前記原ブロック自体発熱させ、内部に高密度黒鉛化部を、そして表面部に触媒成分の薄い層の析出部を形成する電極間高温化処理によって黒鉛化ブロックを形成し、かつ形成された黒鉛化ブロックを個別に研削によって前記析出部の削除を行う領域に搬出し、該領域にて前記析出部の削除を行って黒鉛ブロックを形成することを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれかにおいて、前記原ブロックの周囲に空隙を介在させて熱反射板を置いて原ブロックから放熱される熱を原ブロックに反射させることを特徴とする黒鉛ブロックの製造方法。
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