JP4031753B2 - ポンプ用軸封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生物(人間,動植物,魚介類)に直接的又は間接的に関与する海水(例えば、魚類を育成,貯蔵,洗浄する生簀等に使用される海水)を扱う水中ポンプ等のポンプの軸封手段として好適するポンプ用軸封装置に関するものである。
一般に、モータ室からインペラ室へと延びるインペラ軸を有する水中ポンプ等のポンプにあっては、軸封装置によってインペラ室の高圧流体がモータ室に侵入するのを防止するようにしているが、このようなポンプ用軸封装置としては、モータ室とインペラ室との間に封液室を形成して、封液室とモータ室及びインペラ室との間を、夫々、インペラ軸に設けた回転側密封環と封液室ケーシングに設けた静止側密封環とが相対回転摺接する端面接触形のメカニカルシールで軸封するように構成したものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
ところで、メカニカルシールは、密封環の構成材上、両密封環の一方をセラミックス等の硬質材で構成すると共に他方を自己潤滑性を有するカーボン等の軟質材で構成したもの(以下「硬質材/軟質材シール」という)と、両密封環を共にセラミックス等の硬質材で構成したもの(以下「硬質材/硬質材シール」という)とに大別されるが、上記したようなポンプ用軸封装置にあっては、封液室とモータ室とをシールするメカニカルシール(以下「第1メカニカルシール」という)を硬質材/軟質材シールとし、封液室とインペラ室とをシールするメカニカルシール(以下「第2メカニカルシール」という)を硬質材/硬質材シールとしているのが一般的である。
すなわち、硬質材/軟質材シールは、カーボン等の軟質材製密封環が自己潤滑性を有するために、密封環間の相対回転摺接運動が円滑に行なわれ、密封環間の焼付等が生じ難いものであり、一般的なシール条件下では最適するものである。このような点から、第1メカニカルシールとしては硬質材/軟質材シールが採用される。一方、第2メカニカルシールについては、硬質材/軟質材シールを採用すると、硬質材製密封環と軟質材製密封環との接触により摩耗粉が発生して、この摩耗粉がインペラ室の被密封流体に混入することになる。したがって、被密封流体が摩耗粉によるコンタミネーションを嫌う食品や薬品等である場合には、硬質材/軟質シールは適用できない。また、ポンプが扱う流体(被密封流体)は海水等のように固形成分を含むスラリ流体であることが多いため、硬質材/軟質材シールを使用すると、両密封環の接触部分での摩耗,損傷が激しく、長期に亘って良好な軸封機能(シール機能)を発揮できないといった耐久性上の問題が生じる。このような点から、第2メカニカルシールについては、摩耗粉の発生が少なく耐久性に富む硬質材/硬質材シールを採用しており、一般には、両密封環を炭化珪素材(焼結炭化珪素)で構成している。
而して、上記した軸封装置にあって、封液室にはタービン油等の潤滑油が充填されていて、第2メカニカルシールを硬質材/硬質材シールとしたことによる欠点を補っている。すなわち、炭化珪素材等の硬質材はカーボン等のような自己潤滑性を有しないものであり、摩擦係数が高いものであることから、硬質材/硬質材シールにあっては、両密封環の摺動による発熱や摩耗が激しく、長期に亘って良好な軸封機能を発揮できない。しかし、両密封環間には封液室の潤滑油により潤滑膜が形成されることから、硬質材/硬質材シールにあっても、密封環間の相対回転摺接運動が円滑に行なわれて、上記した発熱,摩耗等の問題は効果的に回避される。
実開平3−98371号公報
しかし、被密封流体が、生物(人間,動植物,魚介類)に直接的又は間接的に関与する海水(魚介類を育成,貯蔵,洗浄する生簀等に使用される海水であり、以下「生物関連流体」と総称する)である場合には、封液室に充填される液体(以下「封液」という)としてタービン油等の潤滑油を使用することができない。すなわち、封液は密封環間に潤滑膜を形成することから、密封環間からインペラ室の生物関連流体(被密封流体)に混入する虞れがある。このため、封液として潤滑油を使用すると、例えば、生物関連流体が魚介類養殖用生簀の海水である場合には、直接的には養殖魚に悪影響を及ぼし、間接的には当該養殖魚を食する人間に悪影響を及ぼすことになる。
したがって、被密封流体が上記した生物関連流体である場合には、封液として、被密封流体に対して不活性であり(封液の混入により被密封流体を変質させたりすることがない)且つ生物学的又は衛生的に有害でないものを使用する必要がある。一般的には、被密封流体の性状や使用目的に応じて、水や流動パラフィンが使用される。
しかし、このような水,流動パラフィン等の封液は、タービン油等の潤滑油に比して、潤滑性に乏しいものであるから、密封環間の封液による潤滑性を期待することができず、封液室を設けることによっては硬質材/硬質材シールの欠点を解消することができず、良好な軸封機能を発揮することができない。
本発明は、このような問題を生じることなく、生物関連流体(海水)であるインペラ室の被密封流体を良好にシールすることができるポンプ用軸封装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、モータ室とインペラ室との間に封液室を形成し、封液室とインペラ室との間をメカニカルシールで軸封するように構成されたポンプ用軸封装置であって、インペラ軸が上下方向に延びてモータ室から封液室を通過してインペラ室へと垂下しており、上記メカニカルシールが、封液室ケーシングに固定した静止側密封環とその上位に配置されており且つ弾性材製のベローズ並びに金属材製のドライブリング及びドライブケースを介してインペラ軸に軸線方向移動可能に且つ相対回転不能に保持された回転側密封環とこれを静止側密封環へと押圧附勢するスプリングとを具備して、両密封環の対向端面たる密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である封液室とその内周側領域であるインペラ室とをシールするように構成され端面接触形のメカニカルシールであり、インペラ室の被密封流体が生物に直接的又は間接的に関与する海水であるポンプ用軸封装置において、上記の目的を達成すべく、特に、封液室にインペラ室の被密封液体に対して不活性であり且つ生物学的若しくは衛生学的に有害とならないを供給し、封液室とインペラ室との間をシールするメカニカルシールの両密封環のうち、一方を炭化珪素材で構成すると共に、他方を、緻密質の炭化珪素組織中に球状カーボンを分散配置してなる複合炭化珪素材で構成しておくことを提案するものである。なお、密封環の一方を自己潤滑性を有する複合炭化珪素材で構成していることから、封液を選定するに当たっては被密封流体との関係が考慮され、密封環間の封液による潤滑性については考慮する必要は殆どない。
本発明の軸封装置にあっては、封液室とインペラ室との間を、上記した炭化珪素材製の密封環と複合炭化珪素材製の密封環との組み合わせからなる端面接触形のメカニカルシールで軸封するようにしており、特に、複合炭化珪素材が炭化珪素材と同様の硬質材でありながらカーボンと同等の自己潤滑性を有するものであることから、密封環間の潤滑膜形成材として使用される封液がタービン油等の潤滑油に比して潤滑性の低い水であっても、密封環間の摺動抵抗が潤滑油を使用した場合と同等若しくはそれ以上に小さくなり、冒頭で述べた如き硬質材/硬質材シールを使用することによる問題は生じることがない。
ところで、上記した複合炭化珪素焼結材にあって、炭化珪素組織は、焼成時において、炭化珪素粒子同士の結合及び自己収縮が生じて、緻密化する。一方、炭化珪素組織中に配置された球状カーボンについては、炭化珪素粒子で囲繞されるが、その炭化珪素粒子の結合,収縮挙動を均等に受けることになる。すなわち、炭化珪素組織をなす部分は焼結時において大きく収縮する(一般に、炭化珪素は焼結時において約1/2程度の容積減となる)ことから、球状カーボンはこれを囲繞している炭化珪素組織部分の収縮力によって強力に圧縮されることになる。そして、その圧縮力は、球状カーボンが球形をなしていることから、球状カーボンの外周面に均等に作用することになる。その結果、球状カーボンと炭化珪素粒子との結合力は、上記した炭化珪素組織部分の収縮による外周側からの圧縮作用によって大幅に増大することになる。特に、収縮による圧縮力が球状カーボンに均等に作用することから、収縮による球状カーボンの保持力は極めて強大となり、物理的な結合力は極めて大きくなる。これらのことから、球状カーボンは、緻密な炭化珪素組織中に強固に保持されることになる。その結果、容易に脱落することなく、密封環間に潤滑膜を形成する封液が潤滑性の低いものである条件下でにおいても、更にはドライ運転のような潤滑膜が形成されない条件下においても良好且つ安定した潤滑機能(摺動機能)を発揮することができる。すなわち、炭化珪素本来の特性を損なうことなく、潤滑性を向上させ得るものである。
また、上記複合炭化珪素焼結材にあっては、焼成時に、球状カーボンと炭化珪素組織部分との境界領域にSiC−C結合と考えられる中間層が形成されることになる。すなわち、各球状カーボンとその周囲の炭化珪素組織との間には黒鉛化された中間層が形成されることになる。黒鉛化が進行した中間層にあっては、ラマンシフト1590cm-1付近において、黒鉛のSP2散乱を示すラマンスペクトル強度が球状カーボンの中心部における当該強度より高くなっており、三次元的なSP3構造(ダイヤモンド構造)色の強いアモルファス状態から二次元的なSP2構造(黒鉛構造)色の強いアモルファス状態へ移行したものと推察される。したがって、球状カーボンの周縁にかかる中間層が形成されることにより、摺動特性が更に向上することになる。そして、かかる中間層の存在による摺動特性の顕著な向上が図られるためには、中間層の厚みが少なくとも1μmであることが必要であり、4〜10μmであることがより好ましい。
また、球状カーボンは、例えば、熱硬化樹脂(フェノール樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,エポキシ樹脂等)や粘着性を有する半固体,固体の炭化水素混合物であるれき青物(天然アスファルト,コールタール・ピッチ,石油系重質油等)を真球状にしたものを熱処理して得られるものであり、摺動性に富むものであるが、この球状カーボンの平均粒径(以下「カーボン径」という)が5μm未満である場合又は球状カーボンの炭素珪素に対する含有率(この含有率は、(球状カーボンの含有量/炭化珪素の含有量)×100で与えられるものであり、以下「カーボン含有率」という)が2mass%未満である場合には、球状カーボンによる潤滑性(摺動性)の向上機能が十分に発揮されない。かかる球状カーボンによる潤滑性の向上機能が十分に発揮されるためには、カーボン径が10μm以上であり且つカーボン含有率が0.5mass%以上であることが必要である。特に、カーボン径が10μm以上であり且つカーボン含有率が5mass%以上である場合には、球状カーボンによる潤滑性の向上機能が顕著に発揮される。しかし、カーボン径が50μmを超える場合又はカーボン含有率が20mass%を超える場合には、上記した炭素珪素組織部分による球状カーボンの保持性や炭化珪素組織の緻密性を図ることができない。かかる球状カーボンの保持性や炭化珪素の緻密性を図るためには、カーボン径が50μm以下であり且つカーボン含有率が20mass%以下であることが必要である。
本発明のポンプ用軸封装置によれば、被密封流体たる生物関連流体つまり海水(例えば、魚類を育成,貯蔵,洗浄する生簀等に使用される海水)に混入しても何らの悪影響を及ぼさない水を封液として使用していることから、万一、封液がインペラ室側に漏れるようなことがあっても、生物関連流体の性状を変質させたり、生物関連流体を使用(飲用等)する生物に悪影響を及ぼすようなことがない。しかも、インペラ室と封液室との間の軸封手段として、炭化珪素材製の密封環と高度の自己潤滑性と炭化珪素特有の利点(耐摩耗性等)とを併せ持つ複合炭化珪素材製の密封環との組み合わせからなる硬質材/硬質材シールを使用しているから、封液として硬質材/硬質材シールの欠点(密封環間の摺動性に劣る)を補い得ない低潤滑性の水を使用しているにも拘らず、硬質材/硬質材シールの利点(耐久性等)をそのまま担保しつつ良好なシール機能(軸封機能)を発揮することができる。
図1は本発明の軸封装置1の一例を示す縦断正面図であり、この軸封装置1は、魚介類養殖用生簀に設置された水中ポンプの軸封手段であり、図1に示す如く、モータ室2及びインペラ室3と両室2,3間に形成された封液室4との間に、夫々、端面接触形の第1及び第2メカニカルシール5,6を配設して、インペラ室3の被密封流体である生物関連流体(海水)をモータ室2に侵入させないように軸封するように構成されたものである。
モータ室2には、インペラ軸7を回転駆動するためのモータ及びインペラ軸7を回転自在に支持するための軸受が配置されている。インペラ軸7は上下方向に延びる回転軸であり、モータ室2から封液室4を通過してポンプ室たるインペラ室3へと垂下しており、その下端部にはインペラが取り付けられている。封液室4は、モータ室2との間の仕切壁(以下「第1仕切壁」という)8a及びインペラ室3との間の仕切壁(以下「第2仕切壁」という)8bを含む封液室ケーシング8によって囲繞形成された独立室であり、後述する如く、インペラ室3の被密封液体(この例では、生簀の海水)に対して不活性であり且つ生物(この例では、養殖魚介類及びこれを食する人間)に有害でない封液が充填されている。インペラ軸7は、第1及び第2仕切壁8a,8bを貫通している。なお、封液室ケーシング8は、モータ室2及びインペラ室3を形成するポンプケーシングの一部をなすものである。
封液室4には、被密封液に対して不活性であり且つ生物学的又は衛生学的に有害でない液体(封液)が充填されている。具体的には、被密封流体であるインペラ室3内の生物関連流体(海水)の性状,使用目的に応じて、封液として水が使用されている。
両メカニカルシール5,6は、封液室4内に、ダブルシール形態で軸線方向(上下方向)に並列配置されている。第1メカニカルシール5は、図1に示す如く、シールケースの第1仕切壁8に固定されて、インペラ軸4に遊嵌された第1静止側密封環10と、第1静止側密封環10に対向してインペラ軸4に軸線方向移動可能に且つ相対回転不能に嵌挿保持された第1回転側密封環11と、第1回転側密封環11を第1静止側密封環10へと押圧附勢するスプリング12とを具備して、両密封環10,11の対向端面たる密封端面10a,11aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である封液室4とその内周側領域であるモータ室2とをシールするように構成されている。第2メカニカルシール6は、図1に示す如く、第1メカニカルシール7の下位にこれとはタンデム形態をなして配置されたものであり、シールケースの第2仕切壁9に固定されて、インペラ軸4に遊嵌された第2静止側密封環13と、第2静止側密封環13に対向してインペラ軸4に軸線方向移動可能に且つ相対回転不能に嵌挿保持された第2回転側密封環14と、第2回転側密封環14を第2静止側密封環13へと押圧附勢するスプリング12とを具備して、両密封環13,14の対向端面たる密封端面13a,14aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である封液室4とその内周側領域であるインペラ室2とをシールするように構成されている。
各静止側密封環10,13は、図1に示す如く、弾性材(フッ素ゴム,NBR等)製の第1保持リング15,16及びこれに全部又は一部を埋設した金属材(SUS304等)製の第2保持リング17,18,19を介して、仕切壁8a,8bの軸貫通孔20,21に嵌合固定されている。
各回転側密封環11,14は、図1に示す如く、弾性材(NBR等)製のベローズ22,23並びに金属材(SUS304等)製のドライブリング24,25及びドライブケース26,27を介して、インペラ軸4に軸線方向移動可能に且つ相対回転不能に保持されている。両ベローズ24,25の基端部は、相互に近接させた状態でインペラ軸4に嵌合されると共に、当該基端部に嵌合したドライブリング24,25によりインペラ軸4に固定されている。各ベローズ22,23の先端部は軸線方向(上下方向)に伸縮可能であり、この先端部に、円筒状のドライブケース26,27を介して、回転側密封環11,14が固着されている。各ドライブケース26,27には、ドライブリング24,25の外周部に形成した凹部24a,25aに係合する係合突起26a,27aが形成されていて、回転側密封環11,14のインペラ軸4に対する相対回転を阻止している。凹部24a,25aと係合突起26a,27aとは軸線方向に相対移動可能に係合されていて、ベローズ22,23の先端部が伸縮しうる範囲において、回転側密封環11,14の軸線方向移動を許容する。
スプリング12は、図1に示す如く、両ベローズ22,23の先端部間に介在されていて、両回転側密封環11,14を相互に離間する方向に押圧附勢している。すなわち、両回転側密封環11,14の静止側密封環10,13への押圧を一つのスプリング12により行なうように工夫されている。
而して、第1メカニカルシール5は、冒頭で述べたものと同様に、一般的な硬質材/軟質材シールに構成されている。この例では、第1静止側密封環10を炭化珪素等のセラミックスで構成すると共に第1回転側密封環11を自己潤滑性を有するカーボン材(焼結カーボン)で構成してある。一方、第2メカニカルシール6は、本発明に従って、両密封環13,14の一方を炭化珪素材で構成すると共に他方を緻密質の炭化珪素組織中に球状カーボンを分散配置してなる複合炭化珪素材で構成した硬質材/硬質材シールとしてある。この例では、第2回転側密封環14を一般的な緻密質の炭化珪素焼結体で構成すると共に、第2静止側密封環13を球状カーボンを配合した複合炭化珪素材で構成してある。
複合炭化珪素材製の第2静止側密封環13は、例えば、次のような焼結原料混合工程,造粒工程,予備成形工程,焼成工程,仕上げ工程により製作される。なお、第1静止密封環10並びに第1及び第2回転側密封環11,14の構成材は周知のものであるから、製造方法等の詳細については説明を省略する。
[焼結原料混合工程]
主材である平均粒子径0.7μmのα型炭化珪素(α−SiC)粉末100gと、焼結助剤としての炭化ホウ素(B4 C)粉末0.5gと、カーボン源としてのフェノール樹脂(残炭率50%)4gと、成形助剤としての平均分子量6000のポリエチレングリコール(PEG#6000)2g及びステアリン酸1gとを基本配合として、この基本配合材料に更に球状カーボンを添加し、これらをメタノール溶剤と混合させて、ボールミルにより24時間混合し、焼結原料(混合スラリ)を得る。球状カーボンとしては、例えば、フェノール樹脂を真球状にしたものを熱処理して得られたものが使用されるが、一般に、グラッシカーボン(Glassy Carbon)組成をなす平均粒径10〜50μm(好ましくは20〜50μm)のものが好適する。また、焼結原料におけるカーボン含有率(=(球状カーボンの含有量/炭化珪素の含有量)×100)は、0.5〜20mass%(好ましくは5〜20mass%)とする。
[造粒工程]
焼結原料混合工程で得られた焼結原料をスプレードライヤーにより噴霧乾燥することによって造粒(顆粒化)して、球状の造粒材(顆粒)を得る。
[予備成形工程]
造粒工程で得られた造粒材を所定の金型に充填した上、成形面圧1500kg/cm2で冷間プレス成形して、第2静止側密封環13に対応する環状形態をなす予備成形体を得る。なお、予備成形体の形状は、焼結時における収縮を考慮して設定される。
[焼成工程]
予備成形工程で得られた予備成形体を、加圧することなく、アルゴン雰囲気中において所定温度(以下「焼成温度」という)で所定時間(以下「焼成時間」という)保持することにより焼成して、密封環13に相当する環体形状をなす複合炭化珪素焼結体を得る。焼成条件、特に焼成温度及び焼成時間は、後述するように、焼成により球状カーボンと緻密質炭化珪素との間に黒鉛化した中間層が形成されるように設定される。
[仕上げ工程]
焼成工程で得られた複合炭化珪素焼結体の端面をRa=0.05の鏡面に表面研磨(ラップ)する等により、当該研磨面を密封端面13aとする密封環13を得る。
このような工程を経て得られた密封環13のラップ表面(密封端面13a)の組織を光学顕微鏡で観察してみると、図2に示す如く、グラッシカーボン組成をなす球状カーボンXが、炭化珪素粒子同士が結合した緻密な炭化珪素組織Y中に、散点状に分散配置されており、球状カーボンXとその周囲の炭化珪素組織Yとの境界に中間層Zが形成されている。
炭化珪素組織Yにおいては、焼成により炭化珪素粒子同士の結合及び自己収縮が生じて、緻密化する。一方、炭化珪素組織Y中に配置された球状カーボンXについては、その周囲における炭化珪素粒子の結合,収縮挙動を均等に受けることになり、炭化珪素組織Yとの物理的な結合力は極めて大きくなる。その結果、接触状態にある密封環13,14の相対運動(相対回転摺接)によって、炭素珪素粒子や球状カーボンXが脱落,離脱することがない。したがって、かかる構成の複合炭化珪素焼結体は、固体潤滑材たる球状カーボンXを含有しているに拘わらず、固体潤滑材を含有しない緻密質の炭化珪素焼結体と同等の物理的特性(機械的強度,密度等)を有するものである。しかも、当該複合炭化珪素焼結体で構成された密封環13にあっては、密封端面13aに分散配置された固体潤滑材たる球状カーボンXの存在によって、緻密質の炭化珪素焼結体で構成された密封環に比して、摺動特性が大幅に向上する。
また、球状カーボンXの中央部及びその周縁部の中間層Zを、レーザラマン分光装置によりラマンスペクトル分光分析してみると、図3に示す如く、1333cm-1付近にダイヤモンドSP3散乱によるピークが、また1590cm-1付近に黒鉛SP2散乱によるピークが、夫々顕著に現われている。そして、黒鉛SP2散乱によるピーク(1590cm-1付近のピーク)は、図3(a)に示す球状カーボンXの中央部におけるラマンスペクトルと同図(b)に示す中間層Zにおけるラマンスペクトルとを比較すれば明らかなように、中間層Zにおいて顕著に強度増加しており、球状カーボンXはその周縁部において構造改質され、黒鉛化されていることが理解される。すなわち、球状カーボンXの周縁部に形成される中間層Zは、三次元的なSP3構造(ダイヤモンド構造)色の強いアモルファス状態から二次元的なSP2構造(黒鉛構造)色の強いアモルファス状態へ移行したものと推察される。翻れば、ラマンスペクトルにおける1590cm-1付近のピーク強度の変動が、中間層Zの構造改質(黒鉛化)を示す指標となると理解される。
したがって、球状カーボンXを含有する複合炭化珪素焼結体で構成された密封環13にあっては、上記した球状カーボンXによる潤滑性に、球状カーボンXの周縁に形成される中間層Zによる黒鉛特有の潤滑性が加味されることによって、密封端面13a全体の摺動特性が大幅に向上することになる。
このように、球状カーボンXを含有させた複合炭化珪素焼結体で構成された密封環13にあっては、球状カーボンX及びこれと緻密質炭化珪素粒子との間に形成された黒鉛化層Zが固体潤滑材として働き、炭化珪素製の密封環14との間の摩擦係数(密封端面13a,14a間の摩擦係数)の大幅な低減を実現できると共に、密封端面13a,14a間の発熱温度を低く(100℃前後)抑えることができ、封液をタービン油等の潤滑油に比して潤滑性に極めて低い水を使用している条件下においても(更には、ドライ条件下においても)、密封端面13a,14aが焼きつきを生じて異常摩耗することなく、低い摩擦係数を安定的に維持することができ、鳴き現象(両密封環の相対回転摺接部分で相互の擦り合いによる騒音が発生する現象であり、以下「鳴き」という)も発生しない。また、球状カーボンXを緻密質炭化珪素マトリックスY中に強固に保持された状態(つまり、焼結過程での炭化珪素マトリックスYの収縮による物理的な包抱作用及び球状力―ボンXとこれに隣接する炭化珪素粒子との間で化学的な結合作用が生じた状態)での高い相対密度の複合炭化珪素焼結体の形成が可能となり、球状カーボン粒子の脱落を可及的に防止できると共に、脱落後の跡孔に起因する早期摩耗や異常摩耗を防止できる。なお、黒鉛粒子を炭化珪素組織中に分散配置させた複合炭化珪素焼結体にあっては、黒鉛粒子自体が結晶性が高く反応性に乏しいため、炭化珪素粒子とは化学的な結合を生じず且つ黒鉛粒子に存在する微細な空隙により緻密な焼結が阻害されて、高い相対密度が得られず、黒鉛粒子への物理的な包抱作用も小さく、摩耗進行も速く、摩耗量も多い。
したがって、密封環13,14の一方(上記の例では、静止側密封環13)を、上記した如く、球状カーボンXが緻密な炭化珪素組織Yに分散配置されており且つ球状カーボンXの周縁部に黒鉛化された中間層Zが形成される複合炭化珪素焼結体で構成しておくことにより、被密封流体が液体である場合には勿論、気体である場合においても、鳴きによる騒音,振動の発生、密封端面13a,14aの異常摩耗,焼き付きによる寿命低下及び摩耗粉,脱落粒子によるコンタミネーションを防止して、第2メカニカルシール6ないし軸封装置1としての機能を良好に発揮させることができる。
ところで、炭化珪素材製の密封環と複合炭化珪素材製の密封環との組み合わせからなる硬質材/硬質材シール(第2メカニカルシール6)における摺動特性を確認するために、図4に示す縦型スラスト試験機30を使用して、次のような実験を行なった。
すなわち、縦型スラスト試験機30は、図4に示す如く、上面に第1環状試験片A(第2静止側密封環13に相当)がセットされた固定台31を、スプリング32を介して、上下動可能且つ回転不能に設けると共に、下面に第2環状試験片B(第2回転側密封環に相当)がセットされた回転台33を、固定台31の直上位に配して、回転軸34の下端部に固着してなるものであり、両環状試験片A,Bをスプリング32により圧接させた状態で相対回転させるように構成されている。また、表1に示した点(焼結原料混合工程における球状カーボンの平均粒径、添加量及びカーボン含有率(表1では「含有率」と表示している)並びに焼成工程における焼成条件たる焼成温度及び焼成時間)を除いて、前記した第2静止側密封環13の製作工程(以下「基準製作工程」という)と同一の工程(焼結原料混合工程,造粒工程,予備成形工程,焼成工程,仕上げ工程)により、同一形状をなす11種類の第1環状試験片A1〜A11を得た。また、焼結原料混合工程において主材として平均粒子径0.6μmのβ型炭化珪素(β−SiC)粉末100gを使用した点及び基本配合材料に球状カーボンを添加しない点並びに焼成工程における焼成条件(焼成温度及び焼成時間)を表1に示す如く設定した点を除いて、前記基準製作工程と同一の工程(造粒工程,予備成形工程,焼成工程,仕上げ工程)により、第2環状試験片Bを得た。なお、第2環状試験片Bは、後述する比較実験で使用するものを含めて、15個製作した。
而して、複合炭化珪素材製の第1環状試験片A1〜A11を固定台31にセットすると共に炭化珪素材製の第2環状試験片Bを回転台33にセットし、負荷圧力:0.1MPa,周速:2m/sのドライ条件下で回転軸34を回転駆動(2時間の連続回転)させ、各環状試験片について第1環状試験片Aと第2環状試験片Bとの摺動面(密封端面に相当)の摩耗量、摩擦係数及び摺動面温度を求めると共に、鳴き発生の確認及び摺動面状態の判定を行った。その結果は、表2に示す通りであった。
また、上記した実験との比較を行なうために、第1環状試験片Aとして複合炭化珪素材を使用しない場合についても、上記した縦型スラスト試験機を使用して同様の実験を行なった。すなわち、固定台31に、次のようにして得られた第2環状試験片A12〜A14をセットすると共に、回転台33に第2環状試験片Bをセットして、負荷圧力:0.1MPa,周速:2m/sのドライ条件下で回転軸34を回転駆動(2時間の連続回転)させ、各環状試験片について第1環状試験片Aと第2環状試験片Bとの摺動面(密封端面に相当)の摩耗量、摩擦係数及び摺動面温度を求めると共に、鳴き発生の確認及び摺動面状態の判定を行った。その結果は、表2に示す通りであった。ここに、第1環状試験片A12は、第2環状試験片Bと同一の製作工程により得られたもので、当該第2環状試験片Bと同一材質(炭化珪素)のものである。また、第1環状試験片A13は、焼結原料混合工程における基本配合材料に混合させる固体潤滑材として球状カーボンに代えて鱗片黒鉛(平均粒径、添加量及び含有率((鱗片黒鉛の含有量/主材たる炭化珪素の含有量)×100)は表1に示す通りである)を使用した点並びに焼成工程における焼成条件たる焼成温度及び焼成時間を表1に示す如く設定した点を除いて、前記基準製作工程と同一の工程(焼結原料混合工程,造粒工程,予備成形工程,焼成工程,仕上げ工程)により製作されたものである。また、第1環状試験片A14は、鱗片黒鉛の粒径,添加量,含有率を表1に示す如くした点を除いて、上記した第1環状試験片A13と同一工程により製作されたものである。
なお、表2においては、鳴きが全く発生しなかったものを「○」で、また鳴きを発生したものを「×」で示した。また、摺動面状態の判定は、実験終了後において環状試験片を取り外して、その摺動面における環状痕及び摩耗粉の発生度を目視観察することにより、行った。環状痕については、表2において、環状痕(レコード溝状の環状溝)が明瞭に目視観察されたものについては「×」を付し、環状痕が目視によっては全く認められなかったものには「○」を付した。また、摩耗粉については、表3において、摩耗粉が大量に発生したものには「×」を付し、摩耗粉が僅かに発生したものには「△」を付し、摩耗粉が全く発生していないものには「○」を付した。
表3に示す実験結果から明らかなように、球状カーボンを配合した複合炭化珪素材で構成される第1環状試験片A1〜A11については、何れも、このような複合炭化珪素材で構成されない第1環状試験片A12〜A14に比して、炭化珪素製の第2環状試験片Bとの摺接による摩擦係数が非常に低くなり、鳴きが生じず、摺動面温度(発熱)も抑制され、著しく摩耗が減少していることが理解される。これは、主として、球状カーボン及び黒鉛化された中間層が固体潤滑材として機能する等により密封環の摺動性が大幅に向上したことによるものである。
ところで、固体潤滑材として球状カーボンを使用した第1環状試験片A1〜A11の相対密度は、表1に示す如く、固体潤滑材として鱗片黒鉛を使用した第1環状試験片A13,A14に比して極めて高く、固体潤滑材を含有しない緻密質炭化珪素焼結体である第1及び第2環状試験片A12,Bの相対密度に近い値となっており、このことから、固体潤滑材を含有させてもそれがカーボン組成(グラッシカーボン組成)をなす球状体(球状カーボン)であるときには、全体として十分に緻密化された高密度,高強度の焼結体が得られることが理解される。
また、球状カーボンを含有させた各第1環状試験片A1〜A11のラップ面(密封端面)を光学顕微鏡を使用して画像処理し、球状カーボンの周縁部に形成された中間層(黒鉛化層)の厚みを測定したところ、表1に示す如く、すべて1μm以上であり、焼成温度が高いもの又は焼成時間が長いもの程、中間層の厚みが大きいことが判明した。このことから、所定範囲内で焼成温度又は焼成時間を増加するに従って中間層の成長が促進されることが理解される。また、各試験片A1〜A11のラップ面における表面組織を光学顕微鏡により観察したところ、炭化珪素組織と球状カーボンとの境界には全く隙間が認められず、両者が密に接着していることが確認された。さらに、炭化珪素組織から球状カーボンが脱落した部分も全く認められず、炭化珪素粒に沿って球状カーボンが破断していることが観察された。これは、焼結工程での炭化珪素マトリックスの収縮による物理的な包抱作用、及び球状カーボンとその周囲の炭化珪素との間で生じた化学的な結合作用により、球状カーボンが緻密質炭化珪素マトリックス中に強固に保持された状態となっているためであり、球状カーボン粒子の脱落を防止できるとともに、脱落後の跡孔に起因する早期摩耗や異常摩耗の防止もできることが理解される。
これらのことから、球状カーボンを含有する複合炭化珪素材製の密封環と炭化珪素材製の密封環とからなる端面接触形のメカニカルシールは、両密封環が炭化珪素材製のものとしたメカニカルシールや球状カーボン以外の固体潤滑材を含有する複合炭化珪素材製の密封環と炭化珪素材製の密封環とからなるメカニカルシールに比して、ドライ条件においても良好なシール機能を発揮することが理解される。したがって、封液として潤滑油に比して潤滑性に劣る水を使用した場合にも、本発明の軸封装置によって被密封流体を良好にシールしうることが理解される。
Figure 0004031753
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なお、本発明の軸封装置は、上記した例に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。例えば、上記した軸封装置1にあっては、第1及び第2メカニカルシール5,6をベローズ形のものとし、両シール5,6の附勢手段を一つのスプリングで兼用させるようにしたが、各メカニカルシール5,6をベローズを使用しない独立構造のものとする等、それらの構成は任意である。また、第2静止側密封環13を炭化珪素材製のものとし、第2回転側密封環14を球状カーボンを配合した複合炭化珪素材製のものとしてもよい。また、本発明の軸封装置は、水中ポンプ以外のポンプにも適用することができるものであり、封液として潤滑油を使用することができない各種分野(生物関連流体である海水を扱う分野)において好適に使用することができる。
本発明に係るポンプ用軸封装置の一例を示す縦断正面図である。 当該軸封装置に使用される複合炭化珪素材製の密封環(又は第1環状試験片)のラップ表面(密封端面)の組織図である。 当該ラップ表面のラマンスペトル図であり、(a)図は球状カーボンの中央部におけるラマンスペクトルを示し、(b)図は当該球状カーボンの周縁部である中間層におけるラマンスペクトルを示している。 縦型スライド試験機を示す正面図である。
符号の説明
1…軸封装置、2…モータ室、3…インペラ室、4…封液室、5…第1メカニカルシール(モータ室と封液室との間をシールする端面接触形のメカニカルシール)、6…第2メカニカルシール(インペラ室と封液室との間をシールする端面接触形のメカニカルシール)、7…インペラ軸、8…封液室ケーシング、10…第1静止側密封環、11…第1回転側密封環、12…スプリング、13…第2静止側密封環、14…第2回転側密封環、X…球状カーボン、Y…炭化珪素組織、Z…中間層。

Claims (3)

  1. モータ室とインペラ室との間に封液室を形成し、封液室とインペラ室との間をメカニカルシールで軸封するように構成されたポンプ用軸封装置であって、インペラ軸が上下方向に延びてモータ室から封液室を通過してインペラ室へと垂下しており、上記メカニカルシールが、封液室ケーシングに固定した静止側密封環とその上位に配置されており且つ弾性材製のベローズ並びに金属材製のドライブリング及びドライブケースを介してインペラ軸に軸線方向移動可能に且つ相対回転不能に保持された回転側密封環とこれを静止側密封環へと押圧附勢するスプリングとを具備して、両密封環の対向端面たる密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である封液室とその内周側領域であるインペラ室とをシールするように構成され端面接触形のメカニカルシールであり、インペラ室の被密封流体が生物に直接的又は間接的に関与する海水であるポンプ用軸封装置において、
    封液室にインペラ室の被密封流体に対して不活性であり且つ生物学的若しくは衛生学的に有害とならないを供給し、封液室とインペラ室との間をシールするメカニカルシールの両密封環のうち、一方を炭化珪素材で構成すると共に、他方を、緻密質の炭化珪素組織中に球状カーボンを分散配置してなる複合炭化珪素材で構成したことを特徴とするポンプ用軸封装置。
  2. 前記複合炭化珪素材が、10〜50μmの球状カーボンを0.5〜20mass%含有するものであることを特徴とする、請求項1に記載するポンプ用軸封装置。
  3. 前記複合炭化珪素材が、球状カーボンの周縁部に黒鉛化層が形成されたものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載するポンプ用軸封装置。
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