JP4030702B2 - 弁体 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、弁体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、血管造影用カテーテルのような管体を血管内に導入する医療用管体導入具等、弁体の設けられた種々の医療用具が知られている。
【0003】
従来の弁体には、両端面に開口(到達)する一文字状のスリットが形成された円柱状の弾性体からなる弁体、貫通孔が形成された円柱状の第1の弾性体と両端面に開口するY字状のスリットが形成された円柱状の第2の弾性体とからなる弁体等がある。
【0004】
しかしながら、前記弁体では、特に管体を挿入する際や引き抜く際に、スリットが開き、管体との間に隙間ができ、これにより液漏れが生じてしまうことがある。
【0005】
また、管体を長期間挿入している場合には、弁体がそのスリットが開いた形に変形してしまい、これにより、管体を引き抜いた後でもスリットが閉じず、液漏れが生じてしまう。
【0006】
このような液漏れを抑制するためには、スリットの幅を小さくすればよいが、スリットの幅を小さくすると、管体を挿入する際や引き抜く際の摩擦抵抗が大きくなり、その操作がし難くなる。
【0007】
そこで、このような問題を解決するために、一方の端面のみに開口(到達)する切り込みと、この切り込みと内部において交差し、他方の端面のみに開口する切り込みとが形成された円柱状の弾性体からなる弁体が提案されている(特公平2−949号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特公平2−949号公報には、弁体を変形させるという概念はない。
【0009】
本発明者は、一方の切り込みの内面同士が圧着されるように弁体を変形させることにより、コネクタ等の接続操作性を損うことなく、より液密性を高めることができ、より確実に液漏れを防止できることを見出した。
【0010】
本発明の目的は、構造が簡易であり、操作が容易であり、長期間利用でき、かつ確実に液漏れを防止することができる弁体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0012】
(1) 一対の端面を有し、少なくとも一部分が弾性材料で構成された弁体であって、
前記弁体は、板状であり、前記一対の端面のうちの一方の端面は、外側に露出し、他方の端面は、流路内に露出し、該弁体には、前記一方の端面に開口し、前記他方の端面に開口しない第1の切り込みと、該第1の切り込みと内部において交差し、前記他方の端面に開口し、前記一方の端面に開口しない第2の切り込みとが設けられており、
前記弁体は、前記一方の端面側が凸となるように湾曲し、これにより前記第2の切り込みの内面同士が圧着されており、
前記一方の端面における前記第1の切り込みと、前記他方の端面における前記第2の切り込みとが略直交し、
前記湾曲の方向と、前記一方の端面における前記第1の切り込みの方向とが略一致し、
前記湾曲の方向に対して垂直な方向と、前記他方の端面における前記第2の切り込みの方向とが略一致していることを特徴とする弁体。
【0017】
(2) 前記第1の切り込みの内面同士が圧着されるように変形している上記(1)に記載の弁体。
【0018】
(3) 前記弁体の全体に圧縮力が加えられている上記(1)または(2)に記載の弁体。
【0019】
(4) 前記弁体を変形状態に保持する保持部材を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の弁体。
【0023】
(5) 一対の端面を有し、少なくとも一部分が弾性材料で構成された弁体であって、
前記弁体は、前記一対の端面のうちの一方の端面が外周面となり、他方の端面が内周面となる筒状をなし、該弁体の内腔により流路の少なくとも一部が構成され、前記弁体には、前記一方の端面に開口し、前記他方の端面に開口しない第1の切り込みと、該第1の切り込みと内部において交差し、前記他方の端面に開口し、前記一方の端面に開口しない第2の切り込みとが設けられており、
前記弁体を変形状態に保持する保持部材を有し、前記弁体は、前記第1の切り込みと前記第2の切り込みとの交差部を上方としたとき、前記保持部材により側方から押圧され、これにより前記第2の切り込みの内面同士が圧着されるように変形しており、
前記一方の端面における前記第1の切り込みと、前記他方の端面における前記第2の切り込みとが略直交し、
前記弁体の軸方向に対して垂直な方向と、前記一方の端面における前記第1の切り込みの方向とが略一致し、
前記弁体の軸方向と、前記他方の端面における前記第2の切り込みの方向とが略一致していることを特徴とする弁体。
【0024】
(6) 前記一方の端面のうち、前記第1の切り込みの近傍は、平面または凹面である上記(5)に記載の弁体。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の弁体を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の弁体の第1実施形態(自然状態)を示す斜視図、図2は、図1に示す弁体を備えた混注具の構成例を示す斜視図である。
【0027】
これらの図に示すように、弁体2は、板状の弾性体で構成されており、その自然状態での形状、すなわち、後述するハウジング4に装着される前の形状は、図1に示すように、略直方体(平板状)をなしている。
【0028】
ここで、「自然状態」とは、弁体2に外力を付与しないときの状態を言う。
この弁体2は、後述する当該弁体2の湾曲の方向(図2中矢印Aで示す方向)に対して垂直な方向(図2中矢印Bで示す方向)、すなわち、後述する流路61の方向に沿って並設された2つの弁部3を有している。なお、これらの弁部3の構成は、同様であるので、代表的に一方の弁部3を説明する。
【0029】
弁部3には、内部において互いに部分的に交差する第1の切り込み31および第2の切り込み32がそれぞれ形成されている。
【0030】
第1の切り込み31は、一対の端面(面)21、22のうちの一方(図1中上側)の端面21に開口(到達)し、他方(図1中下側)の端面22には開口していない。
【0031】
逆に、第2の切り込み32は、他方の端面22に開口し、一方の端面21には開口していない。
【0032】
この第1の切り込み31と第2の切り込み32とは、十文字状に交差しており、すなわち、第1の切り込み31と第2の切り込み32との交差角度は、90°となっている(端面21における第1の切り込み31と、端面22における第2の切り込み32とは、直交している)が、この交差角度は、90°に限らない。
【0033】
また、自然状態において、第1の切り込み31および第2の切り込み32は、それぞれ、閉じている。
【0034】
また、第1の切り込み31および第2の切り込み32の形状は、それぞれ、円弧状(略半円)であるが、この形状に限定されないことは言うまでもない。
【0035】
また、第1の切り込み31と第2の切り込み32との交差部33の長さLは、特に限定されないが、弁体2の厚さ(特に弁部3の厚さ)の20〜50%程度が好ましく、30〜40%程度がより好ましい。
【0036】
また、弁体2の厚さ、特に弁部3の厚さは、例えば、挿入される硬質パイプ(管体)の外径(直径)や長さ、当該弁体2の内外圧力差、第2の切り込み32の内面同士の圧着力等の諸条件に応じて、挿入し易い厚さに設定されるが、硬質パイプの外径(直径)の0.1倍以上であるのが好ましく、0.3〜1倍程度であるのがより好ましい。また、比較的大きな内外圧力差に対応するためには、硬質パイプの外径(直径)の2倍以上であるのが好ましい。
【0037】
なお、弁体2の厚さは、本実施形態では一定であるが、一定でなくてもよい。例えば、弁体2の弁部3の厚さを他の部分の厚さより厚くしてもよく、また、薄くしてもよい。
【0038】
また、弁体2のショアA硬度は、20〜80程度が好ましく、30〜50程度がより好ましい。
【0039】
また、弁体2を構成する素材の伸び率は、大きい程好ましく、具体的には、500%以上であるのが好ましい。
【0040】
弁体2の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴムや、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種エラストマー等の弾性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
前記弁体2を製造するには、例えば、第1の切り込み31および第2の切り込み32が形成されていない板状の弾性体を成形し、得られた弾性体に第1の切り込み31および第2の切り込み32をそれぞれ形成する。
【0042】
図2に示すように、混注具(液体混注具)1は、前述した弁体2と、硬質のハウジング(保持部材)4とで構成されている。
【0043】
ハウジング4は、ハウジング本体41と、開口421が形成された蓋部材42とで構成されている。
【0044】
このハウジング4の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、環状ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリ−(4−メチルペンテン−1)等の各種樹脂や、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン等の各種金属や、アルミナ等の各種セラミックスや、これらの複合体等が挙げられる。
【0045】
弁体2は、端面21が外側となり、端面22が内側となり、かつ第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように変形(弾性変形)し、その状態(変形状態)で、ハウジング4のハウジング本体41と蓋部材42とで挟持されることにより、そのハウジング4に液密に固定されている。すなわち、弁体2は、ハウジング4により、前記変形状態に保持されている。なお、各弁部3は、それぞれ、開口421の位置に位置している。
【0046】
ここで、「変形」とは、外力を付与しないときの形状に対して、その少なくとも一部が異なる形状になること(相似形であって、寸法が変る場合を含む)を言う。
【0047】
本実施形態では、弁体2は、外側(図2中上側)に凸、すなわち端面21側が凸となるように、所定の方向に湾曲しており、これにより第2の切り込み32の内面同士が圧着される。また、第1の切り込み31は、閉じている。
【0048】
この弁体2の湾曲の方向(図2中矢印Aで示す方向)は、端面21における第1の切り込み31の方向と等しい(一致している)。
【0049】
これにより、第1の切り込み31にそれを開く力を与えることなく、弁体2を湾曲させることができ、第1の切り込み31を閉じた状態に維持できるので、清浄作業(例えば、弁体2の端面21の清浄等)を容易に行うことができる。
【0050】
また、弁体2の湾曲の方向に対して垂直な方向(図2中矢印Bで示す方向)と、端面22における第2の切り込み32の方向とが一致している。
【0051】
これにより、第2の切り込み32の内面同士をより確実に圧着することができる。
【0052】
前記第2の切り込み32の内面同士の圧着の強さは、弁体2の物性、切り込みの形状、変形の度合等の諸条件を変更することによって様々に設定することができる。
【0053】
また、弁体2の全体に圧縮力が加えられているのが好ましい。
これにより、第1の切り込み31および第2の切り込み32に対する圧力(第1の切り込み31の内面同士および第2の切り込み32の内面同士の圧着の強さ)がそれぞれ高くなり、細菌等の混入をより確実に防止することができる。
【0054】
なお、弁体の変形の具体例としては、前記平板状の弁体が湾曲する場合の他、例えば、湾曲している板状の弁体が平板状になる場合、湾曲している板状の弁体の湾曲の度合いが増減する場合、湾曲している板状の弁体が逆方向に湾曲する場合、弁体の全体または部分的に、圧縮力や引張力を加えた場合等が挙げられる。
【0055】
この混注具1の図2中左側には、チューブ51の一端側が、その内腔と混注具1の中空部62とが連通するように接続されている。
【0056】
また、混注具1の図2中右側には、図示しないチューブの一端側が、その内腔と混注具1の中空部62とが連通するように接続されている。
【0057】
なお、前記混注具1の中空部62、チューブ51の内腔および図示しないチューブの内腔とで、流路61の主要部が構成される。
【0058】
この流路61(中空部62)の方向は、弁体2の端面22における第2の切り込み32の方向、すなわち、弁体2の湾曲の方向に対して垂直な方向(図2中矢印Bで示す方向)と等しい。
【0059】
流路61(中空部62)の内径(直径)は、特に限定されず、用途等に応じて適宜設定されるが、一般的な医療用液体混注具の流路直径である1〜20mm程度が好ましい。
【0060】
また、図示しないが、弁体2の端面21のうち、第1の切り込み31の近傍(弁部3における端面21)は、平面または凹面(例えば、湾曲凹面)であるのが好ましい。
【0061】
これにより、硬質パイプを弁部3に挿入する場合に、それを容易、迅速かつ確実に行うことができる。
【0062】
すなわち、弁体2の弁部3の周囲における端面21は、湾曲凸面(凸面)であり、弁部3における端面21のみが平面または凹面であるので、弁部3の位置を容易かつ確実に把握することができる。そして、弁部3における端面21は、平面または凹面であるので、それが凸面である場合に比べ、硬質パイプが滑り難く、これにより硬質パイプを弁部3に容易に挿入することができる。
【0063】
次に、弁体2(混注具1)の作用を説明する。
弁体2の弁部3に、例えば硬質パイプ(管体)等が挿入(挿通)されていないときは、図2に示すように、第1の切り込み31および第2の切り込み32は、それぞれ、閉じており、第2の切り込み32の内面同士は、圧着され、これにより流路61の液密性(気密性)が保持される。
【0064】
流路61(中空部62)に、例えば、別の輸液ラインやシリンジから液体を側注(注入)したり、また、流路61を流れる液体をサンプリングする場合には、弁部3に図示しない所定の硬質パイプを挿入する。
【0065】
弁部3の第1の切り込み31から前記硬質パイプを挿入する際は、第1の切り込み31と第2の切り込み32との交差部33の内面がその硬質パイプの外周面に密着し、液密性が保持される。
【0066】
そして、硬質パイプが挿入されているときは、交差部33の内面がその硬質パイプの外周面に密着し、液密性が保持される。この場合、弁体2は、第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように湾曲しているので、第2の切り込み32のうち、開く部分の幅が最小限に抑えられる。この状態で、前記液体の側注やサンプリングを行う。
【0067】
前記液体の側注やサンプリングが終了した後、弁部3から硬質パイプを引き抜く。この際も、前記と同様に、液密性が保持される。
【0068】
以上説明したように、この弁体2(混注具1)によれば、第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように弁体2が湾曲(変形)しているので、弁部3に、何も挿入(挿通)されていないときはもちろんのこと、例えば硬質パイプが挿入されているときでも、また、異なる外径の硬質パイプが挿入されているときでも、また、硬質パイプの挿入時および引き抜き時でも、液密性が確保され、弁体2からの液漏れを確実に防止することができる。
【0069】
また、第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように弁体2が湾曲しているので、硬質パイプを長期間挿入している場合、その硬質パイプを引き抜いた後も確実に液密状態となり、弁体2からの液漏れを確実に防止することができる。すなわち、耐久性が非常に良い。
【0070】
また、流路61内の圧力が上昇し、流路61(中空部62)の横断面における面積(流路面積)が増加するように弁体2が変形した場合には、第2の切り込み32の内面同士の圧着の強さが増大し、これにより流路61内の液体が弁体2から漏れるのを防止することができる。
【0071】
また、仮に、第1の切り込み31内や第2の切り込み32内に若干の液体が残った場合には、硬質パイプが引き抜かれると、第1の切り込み31および第2の切り込み32がそれぞれ閉じ、その切り込み内に滞留していた液体はすべて排出される。
【0072】
また、弁体2は、第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように湾曲しているので、第1の切り込み31や第2の切り込み32の幅を比較的大きくしても、弁体2からの液漏れを防止することができる。
【0073】
そして、第1の切り込み31や第2の切り込み32の幅を比較的大きくすることにより、硬質パイプの挿入時および引き抜き時の摩擦抵抗を比較的小さくすることができ、これにより、硬質パイプの挿入、引き抜き等の操作を容易に行うことができる。
【0074】
また、交差部33以外の部分では、第1の切り込み31や第2の切り込み32の内面が、挿入された硬質パイプの全周に渡って接触していなくても、弁体2からの液漏れを防止することができる。このため、硬質パイプを挿入したときの弁体2(第1の切り込み31や第2の切り込み32)の変形量を比較的小さくすることができ、これにより、硬質パイプを長期間挿入している場合、その硬質パイプを引き抜いた後も確実に液密状態となり、弁体2からの液漏れを確実に防止することができる。
【0075】
また、弁体2の端面21における第1の切り込み31の方向は、弁体2の湾曲の方向と等しいので、その第1の切り込み31は閉じた状態を維持でき、これにより、清浄作業(例えば、弁体2の端面21の清浄等)を容易に行うことができる。
【0076】
また、弁体2の端面22における第2の切り込み32の方向は、流路61の方向と等しいので、流路61に沿って液体が流れたとき、弁体2に対し、第2の切り込み32が開く方向の力は作用せず、このため、第2の切り込み32は開き難い。
【0077】
そして、第2の切り込み32が仮に開いたとしても、端面22における第2の切り込み32の方向は、流路61の方向と等しいので、液体は、第2の切り込み32内やその近傍においても円滑に流れる。すなわち、乱流が生じ難く、液体が滞留するのを防止することができる。
【0078】
また、弁体2は、構造が簡易である。
また、前記弁体2を用いることにより、デッドスペースや、液体が滞留し易い段差のほとんどない滑らかな流路61を備えた混注具1が実現する。
【0079】
また、針を使用する必要がないので、刃先が弁体2を切断して生じるコアリングや、液漏れを起こさないという利点がある。
【0080】
なお、前記実施形態では、弁体2の弁部3の数は、2つであるが、本発明では、弁体2の弁部3の数は、1つでもよく、また、3つ以上でもよい。すなわち、弁体2の弁部3の数は、単数でもよく、また、複数でもよい。
【0081】
また、本発明では、自然状態において第1の切り込み31が開いており、変形後においてその第1の切り込み31が閉じるように構成されていてもよい。この場合、自然状態における第1の切り込み31としては、例えば、溝等が挙げられる。
【0082】
また、本発明では、自然状態において第2の切り込み32が開いており、変形後においてその第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように構成されていてもよい。この場合、自然状態における第2の切り込み32としては、例えば、溝等が挙げられる。
【0083】
また、本発明では、変形後において、第1の切り込み31の内面同士および第2の切り込み32の内面同士がそれぞれ圧着されるように構成されていてもよい。以下、この実施形態(第1実施形態の第2例)を説明する。
【0084】
図3は、本発明の弁体の第1実施形態の第2例(自然状態)を示す斜視図である。なお、前述した第1実施形態の弁体2との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0085】
同図に示すように、弁体2は、板状の弾性体で構成されており、その自然状態での図3中の矢印の方向から見たときの形状(外形)、すなわち、ハウジング4に装着される前の図3中の矢印の方向から見たときの形状は、略台形をなしている。
【0086】
この場合、前記台形の一方の端面21側(図3中上側)の辺の長さは、他方の端面22側(図3中下側)の辺の長さより長く設定されている(端面21の面積は、端面22の面積より大きく設定されている)。
【0087】
弁体2がハウジング4に装着されると、その弁体2が湾曲し、これにより第2の切り込み32の内面同士が圧着され、また、ハウジング4により弁体2の端面21側が図3中横方向に圧縮され、これにより第1の切り込み31の内面同士が圧着される。
これにより、細菌等の混入をより確実に防止することができる。
【0088】
また、この弁体2(混注具1)によれば、前述した第1実施形態の弁体2(混注具1)と同様の効果が得られる。
【0089】
次に、本発明の弁体の第2実施形態を説明する。
図4は、本発明の弁体の第2実施形態(第2実施形態の弁体を備えた混注具の構成例)を示す斜視図、図5(a)は、図4に示す自然状態における弁体の横断面図、図5(b)は、図4中のC−C線での断面図(横断面図)である。なお、前述した第1実施形態の弁体2との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0090】
これらの図に示すように、弁体7は、円筒状(筒状)の弾性体で構成され、弁部3を有している。
【0091】
弁部3の第1の切り込み31は、弁体7の外周面(一方の端面)71に開口し、内周面(他方の端面)72には開口していない。
【0092】
逆に、弁部3の第2の切り込み32は、弁体7の内周面72に開口し、外周面71には開口していない。
【0093】
第1の切り込み31および第2の切り込み32の形状は、それぞれ、円弧状(弓形)であるが、この形状に限定されないことは言うまでもない。
【0094】
この弁体7では、その軸方向に対して垂直な方向と、外周面71における第1の切り込み31の方向とが一致している。
【0095】
これにより、第1の切り込み31を閉じた状態にすることができ、清浄作業(例えば、弁体7の外周面71の清浄等)を容易に行うことができる。
【0096】
また、弁体7の軸方向と、内周面72における第2の切り込み32の方向とが一致している。
【0097】
これにより、第2の切り込み32の内面同士をより確実に圧着することができる。
【0098】
なお、弁体7の内腔73により、流路61の一部分または主要部が構成される。従って、この流路61(内腔73)の方向は、弁体7の軸方向、すなわち、内周面72における第2の切り込み32の方向と等しい。
【0099】
この弁体7の自然状態での形状、すなわち、ハウジング8に装着される前の形状は、図5(a)に示すように、円筒状をなしている。
【0100】
前記弁体7を製造するには、例えば、第1の切り込み31および第2の切り込み32の形成されていない円筒状の弾性体を連続押出成形し、得られた弾性体に第1の切り込み31および第2の切り込み32をそれぞれ形成する。
【0101】
第2の切り込み32を形成するには、例えば、弁体7の一方の開口から刃の深さの一定のカッターを挿入し、そのカッターで内周面72から切り込む。
【0102】
また、第2の切り込み32を形成するには、例えば、第1の切り込み31を形成した後、弁体7をその第1の切り込み31が開くように変形させ、開いた第1の切り込み31からカッターで内周面72に向かって切り込んでもよい。
【0103】
また、弁体7を製造するには、例えば、第1の切り込み31が形成されておらず、第2の切り込み32が溝として形成されている円筒状の弾性体を成形し、得られた弾性体に第1の切り込み31を形成してもよい。自然状態において第2の切り込み32が開いていても、弁体7は、第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように変形するので、確実に機能する。
【0104】
図4に示すように、混注具1は、前述した弁体7と、硬質のハウジング(保持部材)8とで構成されている。
【0105】
図5(b)に示すように、ハウジング8の横断面での形状は、C字状をなしている。すなわち、ハウジング8の全体形状は、円筒の図4および図5中上側を除去したような形状をなしている。
【0106】
このハウジング8の外周部には、ハウジング8の軸方向に沿って、一対の溝81、81が形成されている。
【0107】
図5(b)に示すように、弁体7は、弁部3が図5中上側となり、その弁部3の外周面71が露出し、かつ、弁部3がハウジング8の位置に位置するように、ハウジング8内に挿入され、そのハウジング8により挟持されている。
【0108】
すなわち、弁体7は、第1の切り込み31と第2の切り込み32との交差部33を図5中上側(上方)にしたとき、側方から、ハウジング8の対応する部分で押圧され、これにより第2の切り込み32の内面同士が圧着されるように変形し(押し潰され)、その状態(変形状態)で、ハウジング8により前記変形状態に保持されている。
【0109】
この弁体7の変形後の横断面での外形および内形、すなわち、ハウジング8に装着された状態での横断面での外形および内形は、それぞれ、略円形である。
【0110】
なお、図5(a)に示す弁体7の自然状態での外径(直径)aと、図5(b)に示すハウジング8の内径(直径)bとは、それぞれ、外径aが内径bより大きくなるように設定される。
【0111】
この混注具1の図4中左側には、例えば、図示しないチューブの一端側が、その内腔と弁体7の内腔73とが連通するように接続され、また、図4中右側には、例えば、図示しないチューブの一端側が、その内腔と弁体7の内腔73とが連通するように接続される。この場合は、前記弁体7の内腔73およびそのチューブの内腔とで、流路61の主要部が構成される。
【0112】
また、この弁体7では、その軸方向の長さを調整する(比較的長くする)ことにより、前記チューブを省略することができる。すなわち、弁体7の内腔73により、流路61の主要部を構成することができる。
【0113】
この弁体7(混注具1)によれば、前述した第1実施形態の弁体2(混注具1)と同様の効果が得られる。
【0114】
そして、この弁体7は、円筒状であるので、前述した第1実施形態の弁体2より滑らかな流路61が形成される。すなわち、弁体7を用いることにより、デッドスペースや、液体が滞留し易い段差のない滑らかな流路61を備えた混注具1が実現する。
【0115】
また、弁体7は、円筒状であるので、第2の切り込み32を自然状態のときに開くような形状(例えば、溝)にしたり、また、弁体7が偏心したり、弁体7が若干潰れたとしても、確実に機能する。
【0116】
なお、前記実施形態では、弁体7の弁部3の数は、1つ(単数)であるが、本発明では、弁体7の弁部3の数は、2つ以上(複数)でもよい。
【0117】
また、弁体7は、ハウジング8に、例えば接着剤で接着されていてもよい。
また、ハウジング8の外周側には、安定性が向上するように、平らな部分が設けられていてもよい。
【0118】
また、他の送液デバイスを接続するための、弁体7の端部に接続された接続ポートが設けられていてもよい。
【0119】
次に、本発明の弁体の第3実施形態を説明する。
図6(a)は、本発明の弁体の第3実施形態(自然状態)を示す横断面図、図6(b)は、図6(a)に示す弁体を備えた混注具の構成例を示す横断面図である。なお、前述した第2実施形態の弁体7との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0120】
同図に示すように、弁体7は、内腔73が偏心している円筒状(筒状)の弾性体で構成されている。すなわち、弁体7の厚さ(肉厚)は、一定ではない。
【0121】
そして、この弁体7では、弁部3、すなわち、第1の切り込み31および第2の切り込み32は、弁体7の厚さが最も厚くなる位置に配置されている。
【0122】
換言すれば、弁部3の厚さ、すなわち、第1の切り込み31および第2の切り込み32の位置する部分の厚さが最も厚くなるように、弁体7の厚さが設定されている。
【0123】
この弁体7(混注具1)によれば、前述した第2実施形態の弁体7(混注具1)と同様の効果が得られる。
【0124】
そして、この弁体7では、弁部3の厚さが最も厚いので、前述した第2実施形態の弁体7に比べ、より確実に液密性が保持され、また、耐圧が高く、弁体2からの液漏れをより確実に防止することができる。
【0125】
次に、本発明の弁体の第4実施形態を説明する。
図7(a)および図7(b)は、それぞれ本発明の弁体の第4実施形態(自然状態)を示す横断面図、図7(c)は、図7(a)または図7(b)に示す弁体を備えた混注具の構成例を示す横断面図である。なお、前述した第2実施形態の弁体7との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0126】
同図に示すように、弁体7は、筒状の弾性体で構成されている。
この弁体7の自然状態における横断面での外形、すなわち、ハウジング8に装着される前の横断面での外形は、図7(a)および図7(b)に示すように、略楕円形である。
【0127】
また、弁体7の自然状態における横断面での内形、すなわち、ハウジング8に装着される前の横断面での内形は、図7(a)および図7(b)に示すように、略半円形である。
【0128】
そして、弁体7の変形後の横断面での外形、すなわち、ハウジング8に装着された状態での横断面での外形は、図7(c)に示すように、略楕円形である。
【0129】
また、弁体7の変形後の横断面での内形、すなわち、ハウジング8に装着された状態での横断面での内形は、図7(c)に示すように、略円形である。
【0130】
また、弁体7の厚さ(肉厚)は、一定ではなく、弁部3、すなわち、第1の切り込み31および第2の切り込み32は、弁体7の厚さが最も厚くなる位置に配置されている。
【0131】
換言すれば、弁部3の厚さ、すなわち、第1の切り込み31および第2の切り込み32の位置する部分の厚さが最も厚くなるように、弁体7の厚さが設定されている。
【0132】
図7(a)に示す弁体7では、自然状態において第2の切り込み32が閉じている。
【0133】
また、図7(b)に示す弁体7では、自然状態において第2の切り込み32が開いている。すなわち、自然状態における第2の切り込み32は、V字状の溝である。
【0134】
これら図7(a)に示す弁体7および図7(b)に示す弁体7のいずれについても前述したしたように、変形後、すなわち、ハウジング8に装着された状態では、図7(c)に示すように、その変形により第2の切り込み32の内面同士が圧着される。
【0135】
この弁体7(混注具1)によれば、前述した第2実施形態の弁体7(混注具1)と同様の効果が得られる。
【0136】
そして、この弁体7では、横断面での外形を略楕円形から略円形に変形させるので、前述した第2実施形態の弁体7に比べ、より確実に液密性が保持され、また、耐圧が高く、弁体2からの液漏れをより確実に防止することができる。
【0137】
また、弁部3の厚さが最も厚いので、前述した第2実施形態の弁体7に比べ、より確実に液密性が保持され、また、耐圧が高く、弁体2からの液漏れをより確実に防止することができる。
【0138】
次に、本発明の弁体の第5実施形態を説明する。
図8は、本発明の弁体の第5実施形態(第5実施形態の弁体を備えた混注具の構成例)を示す横断面図である。なお、前述した第3実施形態の弁体7との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0139】
同図に示すように、弁体7の外周部には、一対の溝74、74が軸方向に沿って形成されている。
【0140】
そして、ハウジング8の図8中上側における内周部の前記一対の溝74、74に対応する位置には、その一対の溝74、74に係合し得る一対のリブ(凸条)82、82が形成されている。
【0141】
これにより、ハウジング8に対する弁体7の回転(変位)や、ハウジング8からの弁体7の離脱等が防止される。
【0142】
なお、前記一対の溝74、74と、一対のリブ82、82とで、離脱防止手段が構成される。
【0143】
この弁体7(混注具1)によれば、前述した第3実施形態の弁体7(混注具1)と同様の効果が得られる。
【0144】
そして、この弁体7には溝74が設けられているので、ハウジング8に対する弁体7の回転(変位)や、ハウジング8からの弁体7の離脱、例えば、挿入されている硬質パイプを引き抜く際のハウジング8からの弁体7の離脱等を防止することができる。
【0145】
また、この弁体7では、弁体とハウジングとを接着剤で接着する場合に比べ、ハウジング8に弁体7を容易に装着することができる。
【0146】
なお、本発明では、ハウジング8に溝が設けられ、弁体7に、前記溝に係合し得るリブが設けられていてもよい。
【0147】
また、本発明では、前記離脱防止手段は、溝とリブとの組み合わせに限らず、この他、例えば、凹部と凸部との組み合わせ、溝と凸部との組み合わせ等が挙げられる。
【0148】
次に、本発明の弁体の第6実施形態を説明する。
図9は、本発明の弁体の第6実施形態(第6実施形態の弁体を備えた混注具の構成例)を示す斜視図である。なお、前述した第3実施形態の弁体7との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0149】
同図に示すように、弁体7は、その軸方向、すなわち、流路61(内腔73)の方向に沿って並設された2つの弁部3を有している。
【0150】
この場合、前記2つの弁部3の第2の切り込み32は、弁体7の軸方向に沿って延在する共通の1本(1条)の切り込みで構成されている。
【0151】
これにより、複数(本実施形態では2つ)の弁部3を有する弁体7を製造するに際し、第2の切り込み32を1つ形成すればよいので、製造が容易であり、生産性が高い。
【0152】
なお、前述したように、自然状態において、この第2の切り込み32は、閉じていてもよく、また、開いていてよい。いずれの場合も、弁体7がハウジング8に装着された状態では、弁体7が変形し、第2の切り込み32の内面同士が圧着される。
【0153】
また、弁体7の外周面71のうち、第1の切り込み31の近傍(弁部3における外周面71)が、平面または凹面になっている。なお、本実施形態では、前記弁部3における外周面71は、図9に示すように湾曲凹面である。
【0154】
これにより、硬質パイプを弁部3に挿入する場合に、それを容易、迅速かつ確実に行うことができる。
【0155】
すなわち、弁体7の弁部3の周囲における外周面71は、湾曲凸面(凸面)であり、弁部3における外周面71のみが平面または凹面であるので、弁部3の位置を容易かつ確実に把握することができる。そして、弁部3における外周面71は、平面または凹面であるので、それが凸面である場合に比べ、硬質パイプが滑り難く、これにより硬質パイプを弁部3に容易に挿入することができる。
【0156】
また、ハウジング8の図9中上側の部分のうち、各弁部3に対応する部分には、それぞれ、その弁部3の位置を示す指標として、切欠部83が形成されている。
これにより、弁部3の位置を容易かつ確実に把握することができる。
【0157】
なお、前述したように、弁部3における外周面71が平面または凹面とされており、これが弁部3の位置を示す指標となるので、前記切欠部83を省略してもよいことは、言うまでもない。
【0158】
また、この混注具1の図9中左側には、例えば、図示しないチューブの一端側が、その内腔と弁体7の内腔73とが連通するように連結部91を介して接続され、また、図9中右側には、例えば、図示しないチューブの一端側が、その内腔と弁体7の内腔73とが連通するように図示しない連結部を介して接続される。
【0159】
この弁体7(混注具1)によれば、前述した第3実施形態の弁体7(混注具1)と同様の効果が得られる。
【0160】
そして、この弁体7では、その外周面71の第1の切り込み31の近傍(弁部3における外周面71)が平面または凹面になっているので、硬質パイプを弁部3に挿入する場合に、それを容易、迅速かつ確実に行うことができる。
【0161】
以上、本発明の弁体を、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
【0162】
例えば、本発明では、前記各実施形態の任意の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0163】
また、本発明では、弁体の形状は、板状や筒状に限定されない。
また、本発明では、弁体のうちの一部のみが弾性材料で構成されていてもよい。
【0164】
また、本発明の弁体を混注具に適用する場合、その混注具の形態(種類)は、特に限定されず、例えば、ポンプ式または重力式点滴用輸液セット等の輸液セットの混注ポートや、混注用マニホールド、Yサイト、人工肺や人工腎臓の血液回路の混注兼サンプリングポート、血液バッグのサンプリングポート、留置針を血管内に留置した際、血液の逆流を防止する逆止弁等が挙げられる。
【0165】
また、本発明の弁体の用途は、特に限定されず、前記混注具の他、例えば、血管中にカテーテルを挿入する際、導入口となるカテーテルイントロデューサや、尿道留置カテーテルや、スワンガンツカテーテル等のバルーン用のバルブ等が挙げられる。
なお、本発明の弁体は、医療用のものには限定されない。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の弁体によれば、何も挿入(挿通)されていないときはもちろんのこと、例えば硬質パイプ(管体)等の棒状体が挿入されているときでも、また、異なる外径の棒状体が挿入されているときでも、また、棒状体の挿入時および引き抜き時でも、液密性が確保され、弁体からの液漏れを確実に防止することができる。
【0167】
また、第2の切り込みの内面同士が圧着されるように弁体が変形しているので、棒状体を長期間挿入している場合、その棒状体を引き抜いた後も、確実に液密状態となり、弁体からの液漏れを確実に防止することができる。
【0168】
また、第2の切り込みの内面同士が圧着されるように弁体が変形しているので、第1の切り込みや第2の切り込みの幅を比較的大きくしても、弁体からの液漏れを防止することができる。
【0169】
そして、第1の切り込みや第2の切り込みの幅を比較的大きくすることにより、棒状体の挿入時および引き抜き時の摩擦抵抗を比較的小さくすることができ、これにより、棒状体の挿入、引き抜き等の操作を容易に行うことができる。
【0170】
また、本発明の弁体は、構造が簡易である。
また、弁体が筒状をなしている場合には、より確実に液密性が確保され、弁体からの液漏れをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弁体の第1実施形態(自然状態)を示す斜視図である。
【図2】図1に示す弁体を備えた混注具の構成例を示す斜視図である。
【図3】本発明の弁体の第1実施形態の第2例(自然状態)を示す斜視図である。
【図4】本発明の弁体の第2実施形態(第2実施形態の弁体を備えた混注具の構成例)を示す斜視図である。
【図5】図5(a)は、図4に示す自然状態における弁体の横断面図、図5(b)は、図4中のC−C線での断面図(横断面図)である。
【図6】図6(a)は、本発明の弁体の第3実施形態(自然状態)を示す横断面図、図6(b)は、図6(a)に示す弁体を備えた混注具の構成例を示す横断面図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は、それぞれ本発明の弁体の第4実施形態(自然状態)を示す横断面図、図7(c)は、図7(a)または図7(b)に示す弁体を備えた混注具の構成例を示す横断面図である。
【図8】本発明の弁体の第5実施形態(第5実施形態の弁体を備えた混注具の構成例)を示す横断面図である。
【図9】本発明の弁体の第6実施形態(第6実施形態の弁体を備えた混注具の構成例)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 混注具
2 弁体
21、22 端面
3 弁部
31 第1の切り込み
32 第2のの切り込み
33 交差部
4 ハウジング
41 ハウジング本体
42 蓋部材
421 開口
51 チューブ
61 流路
62 中空部
7 弁体
71 外周面
72 内周面
73 内腔
74 溝
8 ハウジング
81 溝
82 リブ
83 切欠部
91 連結部
Claims (6)
- 一対の端面を有し、少なくとも一部分が弾性材料で構成された弁体であって、
前記弁体は、板状であり、前記一対の端面のうちの一方の端面は、外側に露出し、他方の端面は、流路内に露出し、該弁体には、前記一方の端面に開口し、前記他方の端面に開口しない第1の切り込みと、該第1の切り込みと内部において交差し、前記他方の端面に開口し、前記一方の端面に開口しない第2の切り込みとが設けられており、
前記弁体は、前記一方の端面側が凸となるように湾曲し、これにより前記第2の切り込みの内面同士が圧着されており、
前記一方の端面における前記第1の切り込みと、前記他方の端面における前記第2の切り込みとが略直交し、
前記湾曲の方向と、前記一方の端面における前記第1の切り込みの方向とが略一致し、
前記湾曲の方向に対して垂直な方向と、前記他方の端面における前記第2の切り込みの方向とが略一致していることを特徴とする弁体。 - 前記第1の切り込みの内面同士が圧着されるように変形している請求項1に記載の弁体。
- 前記弁体の全体に圧縮力が加えられている請求項1または2に記載の弁体。
- 前記弁体を変形状態に保持する保持部材を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の弁体。
- 一対の端面を有し、少なくとも一部分が弾性材料で構成された弁体であって、
前記弁体は、前記一対の端面のうちの一方の端面が外周面となり、他方の端面が内周面となる筒状をなし、該弁体の内腔により流路の少なくとも一部が構成され、前記弁体には、前記一方の端面に開口し、前記他方の端面に開口しない第1の切り込みと、該第1の切り込みと内部において交差し、前記他方の端面に開口し、前記一方の端面に開口しない第2の切り込みとが設けられており、
前記弁体を変形状態に保持する保持部材を有し、前記弁体は、前記第1の切り込みと前記第2の切り込みとの交差部を上方としたとき、前記保持部材により側方から押圧され、これにより前記第2の切り込みの内面同士が圧着されるように変形しており、
前記一方の端面における前記第1の切り込みと、前記他方の端面における前記第2の切り込みとが略直交し、
前記弁体の軸方向に対して垂直な方向と、前記一方の端面における前記第1の切り込みの方向とが略一致し、
前記弁体の軸方向と、前記他方の端面における前記第2の切り込みの方向とが略一致していることを特徴とする弁体。 - 前記一方の端面のうち、前記第1の切り込みの近傍は、平面または凹面である請求項5に記載の弁体。
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