JP4029811B2 - センサ付きハブユニット - Google Patents

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この発明は、自動車を構成するハブユニットと自動車の各種情報を検出するセンサ装置とが一体化されたセンサ付きハブユニットに関する。
自動車においては、その制御を行うために種々の情報が必要であることから、車体側に固定される車体側軌道部材、車輪が取り付けられる車輪側軌道部材、および両部材の間に配置された二列の転動体を有するハブユニットに、センサ装置を設けることが提案されている。例えば、特許文献1には、車体側軌道部材の内端面に環状の支持部材を取り付け、この環状支持部材に歪みセンサを貼り付けたセンサ付きハブユニットが開示されている。
特開平3−209016号公報
近年、自動車の制御手段として、ABS制御(アンチロックブレーキシステム)に加えて、発進時や加速時に駆動輪をスピンさせない駆動力制御やコーナリング時の横滑りを抑制するブレーキ力制御などが実施されているが、より精度のよい制御を行うために、これらの制御に有効に使用できるデータの検出が重要となっている。このような実情に鑑み、本発明者らは、タイヤ(車輪)にかかる接地荷重を精度よく測定して、車両制御の向上を図るという課題を創出した。
これに対し、特許文献1のセンサ付きハブユニットでは、環状支持部材の歪みを測定するものであるので、この歪みからタイヤ接地荷重を求める場合に、誤差が大きくなり、歪みセンサの測定値から精度よくタイヤ接地荷重を得ることができないという問題があった。また、タイヤ接地荷重のうち、上下方向、左右方向および前後方向の各成分を求めるためには、センサの数が例えば3つ必要となり、コストが高くつくという問題もあった。
この発明の目的は、センサを使用してタイヤ接地荷重を精度よく求めることができるようにするとともに、このためのセンサの数を各車輪につき1つにすることが可能なセンサ付きハブユニットを提供することにある。
第1の発明によるセンサ付きハブユニットは、車体側に固定される車体側軌道部材、車輪取付け用のフランジを有する内軸および内軸に嵌められた内輪を有し車輪が取り付けられる車輪側軌道部材、ならびに両軌道部材の間に配置された二列の転動体を有するハブユニットと、センサ装置とを備えているセンサ付きハブユニットにおいて、センサ装置は、逆磁歪効果を検知する磁歪センサを有し、磁歪センサは、車体側軌道部材の周上1カ所のみに設置されており、その設置箇所は、最上部または最下部から所定角度離れた位置とされていることを特徴とするものである。
ハブユニットの最上部または最下部に生じる歪みは、左右方向タイヤ接地荷重によるもの(前後方向タイヤ接地荷重の影響がほとんどゼロ)であり、ハブユニットの最上部と最下部とのちょうど中間部(最上部または最下部から90°離れた位置)では、前後方向タイヤ接地荷重によるもの(左右方向タイヤ接地荷重の影響がほとんどゼロ)である。そして、ハブユニットの最上部または最下部から所定角度離れた位置で生じる歪みは、左右方向タイヤ接地荷重および前後方向タイヤ接地荷重の両方によるものとなり、これが磁歪センサで検知される。ここで、「所定角度」は、例えば、ほぼ45°とされるが、30〜60°程度の範囲で適宜決められてもよく、要するに、左右方向タイヤ接地荷重および前後方向タイヤ接地荷重の両方の影響が現れる範囲で適宜決定される。
磁歪センサは、逆磁歪効果(物質が歪むあるいは変形すると磁力が現れる現象)を計測するセンサであり、磁歪センサとしては、例えば、透磁率の高い磁性線に高周波電流を印加したときの磁性線両端間のインピーダンスが外部磁場によって変化する電磁気現象を利用して外部磁場を計測する磁気インピーダンスセンサ(MIセンサ)、インピーダンスが応力により変化することを利用した応力インピーダンスセンサ(SIセンサ)などが挙げられる。
走行する車両の速度変化や姿勢変化に伴って、各タイヤに掛かる接地荷重が変動するが、この際、転動体が車輪側軌道部材および車体側軌道部材に及ぼす力がタイヤ接地荷重に応じて変化する。この力の変化は、転動体近傍の車輪側軌道部材および車体側軌道部材の歪み変動量として現れ、歪みの変動量を磁歪センサで検知して逆算することにより、タイヤ接地荷重の変動量を求めることができる。
センサは、車両の前後左右4カ所のハブユニットにそれぞれ取り付けられる。最上部または最下部から所定角度離れた位置に磁歪センサを設置した場合、タイヤ接地荷重の上下方向、左右方向および前後方向のすべての成分がセンサの出力に含まれる。例えば、車両が左へ旋回すれば、右側(前後共)のハブユニットのセンサの出力が増加し、この状態で減速すれば、右前側のハブユニットのセンサの出力がさらに増加する。したがって、各センサの出力から、各タイヤにかかる合成接地荷重が求まるほか、左輪側の前後センサの出力合計と右輪側の前後センサの出力合計との差からは、旋回時の荷重移動量が、前輪側の左右センサの出力合計と後輪側の左右センサの出力合計との差から制動時の荷重移動量がそれぞれ求まり、これにより、タイヤ接地荷重を使用した車両制御が可能となる。
磁歪センサは、内輪の軸方向の引張り歪みを測定可能なように、内輪の肩部端面に臨まされていることがあり、また、磁歪センサは、内輪の径方向の引張り歪みを測定可能なように、内輪の肩部外周面に臨まされていることがある。また、車体側軌道部材の圧縮歪みを測定可能なように、車体側軌道部材の径方向外方から臨まされているようにしてもよい。
この発明のセンサ付きハブユニットを備えた車両の制御に際しては、上記磁歪センサの出力と、ステアリング角度、アクセル踏み量、ブレーキ踏み量などとを組み合わせることにより、タイヤ接地荷重に基づいたより精度の高い制御を行うことができる。
内輪の引張り歪みを測定する磁歪センサを有するセンサ付きハブユニットが車両の前後左右4カ所に配置されており、前輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向前寄りに、後輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向後寄りにそれぞれ位置させられていることがあり、また、車体側軌道部材の圧縮歪みを測定する磁歪センサを有するセンサ付きハブユニットが車両の前後左右4カ所に配置されており、前輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向前寄りに、後輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向後寄りにそれぞれ位置させられていることがある。磁歪センサは、歪みが引張り歪みか圧縮歪みかによってその出力特性が異なるため、すべての磁歪センサを例えば進行方向前寄りに設置すると、内輪の引張り歪みを測定するものでは、減速時のみ、車体側軌道部材の圧縮歪みを測定するものでは、加速時のみしか適切に前後方向タイヤ接地荷重を検知できないが、前輪側では進行方向の前寄りに、後輪側では進行方向の後寄りに磁歪センサを設置することにより、前輪側および後輪側のいずれか一方で減速時の前後方向荷重の測定が、同他方で加速時の前後方向タイヤ接地荷重の測定が可能となり、加速時および減速時にかかわらず、前後方向タイヤ接地荷重を求めることができる。
第2の発明によるセンサ付きハブユニットは、車体側に固定される車体側軌道部材、車輪取付け用のフランジを有する内軸および内軸に嵌められた内輪を有し車輪が取り付けられる車輪側軌道部材、ならびに両軌道部材の間に配置された二列の転動体を有するハブユニットと、センサ装置とを備えているセンサ付きハブユニットにおいて、センサ装置は、車体側軌道部材を基準にした車輪側軌道部材の変位の変化を検知する変位センサを有し、変位センサは、車輪側軌道部材を臨むように車体側軌道部材の周上1カ所のみに設置され、その設置箇所は、最上部または最下部から所定角度離れた位置とされていることを特徴とするものである。
ハブユニットの最上部または最下部に生じる変位は、左右方向タイヤ接地荷重によるもの(前後方向タイヤ接地荷重の影響がほとんどゼロ)であり、ハブユニットの最上部と最下部とのちょうど中間部(最上部または最下部から90°離れた位置)では、前後方向タイヤ接地荷重によるもの(左右方向タイヤ接地荷重の影響がほとんどゼロ)である。そして、ハブユニットの最上部または最下部から所定角度離れた位置で生じる変位は、左右方向タイヤ接地荷重および前後方向タイヤ接地荷重の両方によるものとなり、これが変位センサで検知される。ここで、「所定角度」は、例えば、ほぼ45°とされるが、30〜60°程度の範囲で適宜決められてもよく、要するに、左右方向タイヤ接地荷重および前後方向タイヤ接地荷重の両方の影響が現れる範囲で適宜決定される。
変位センサとしては、渦電流式のもの、レーザー式のもの、PSDを使用した光学式のもの、超音波式のもの、磁気式のもの、磁歪式のものなどのいずれであってもよく、また、非接触式でなく接触式であってもよい。
走行する車両の速度変化や姿勢変化に伴って、各タイヤに掛かる接地荷重が変動するが、この際、車輪側軌道部材(特に内輪)および車体側軌道部材の変位がタイヤ接地荷重に応じて変化する。この変位の変化を変位センサで検知して逆算することにより、タイヤ接地荷重の変動量を求めることができる。
センサは、車両の前後左右4カ所のハブユニットにそれぞれ取り付けられる。最上部または最下部から所定角度離れた位置に変位センサを設置した場合、タイヤ接地荷重の上下方向、左右方向および前後方向のすべての成分が変位センサの出力に含まれる。例えば、車両が左へ旋回すれば、右側(前後共)のハブユニットのセンサの出力が増加し、この状態で減速すれば、右前側のハブユニットのセンサの出力が増加する。したがって、各センサの出力から、各タイヤにかかる合成接地荷重が求まるほか、左輪側の前後センサの出力合計と右輪側の前後センサの出力合計との差からは、旋回時の荷重移動量が、前輪側の左右センサの出力合計と後輪側の左右センサの出力合計との差から制動時の荷重移動量がそれぞれ求まり、これにより、タイヤ接地荷重を使用した車両制御が可能となる。
第2の発明によるセンサ付きハブユニットにおいて、変位センサは、内輪の径方向の変位を測定可能なように、内輪の肩部端面に臨まされていることがあり、変位センサは、車体側軌道部材に径方向外方から臨まされていることがあり、変位センサは、車体側軌道部材のフランジに軸方向内方から臨まされていることがある。
第1の発明のセンサ付きハブユニットによると、磁歪センサが逆磁歪効果を検出するので、タイヤ接地荷重を精度よく検出することができる。そして、前後または左右のセンサの出力の差を求めることにより、荷重移動量を検出することができる。こうして得られたタイヤ接地荷重および荷重移動量は、ABS制御におけるスリップ率の代替えデータとして使用されるほか、駆動力制御やブレーキ力制御などにおいて使用され、車両制御の精度向上に資することができる。
第2の発明のセンサ付きハブユニットによると、各ハブユニットに付き1つの変位センサを設置するだけで、タイヤ接地荷重を検出することができ、さらに、前後または左右のセンサの出力の差を求めることにより、荷重移動量を検出することができる。こうして得られたタイヤ接地荷重および荷重移動量は、ABS制御におけるスリップ率の代替えデータとして使用されるほか、駆動力制御やブレーキ力制御などにおいて使用され、車両制御の精度向上に資することができる。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、第1の発明のセンサ付きハブユニットの第1実施形態を示している。以下の説明において、左右は図1の左右をいうものとする。なお、左が車両の内側に、右が車両の外側となっている。
このセンサ付きハブユニットは、ハブユニット(1)と、その回転およびタイヤ接地荷重を検出するセンサ装置(2)とを備えている。
ハブユニット(1)は、車体側に固定される車体側軌道部材(3)、車輪が取り付けられる車輪側軌道部材(4)、両部材(3)(4)の間に2列に配置された複数の転動体である玉(5)、および各列の玉(5)をそれぞれ保持する保持器(6)を備えている。
車体側軌道部材(3)は、軸受の外輪(固定輪)機能を有しているもので、内周面に2列の外輪軌道が形成されている円筒部(12)と、円筒部(12)の左端部近くに設けられて懸架装置(車体)にボルトで取り付けられるフランジ部(13)とを有している。
車輪側軌道部材(4)は、第1の軌道溝(15a)を有する大径部(15)および第1の軌道溝(15a)の径よりも小さい外径を有する小径部(16)を有している内軸(14)と、内軸(14)の小径部(16)外径に嵌め止められて右面が内軸(14)の大径部(15)左面に密接させられている内輪(17)とからなる。内軸(14)の右端近くには、車輪を取り付けるための複数のボルト(19)が固定されたフランジ部(18)が設けられている。内輪(17)の右部には、内軸(14)の軌道溝(15a)と並列するように、軌道溝(17a)が形成されており、内輪(17)の左部に肩部(17b)が形成されている。車体側軌道部材(3)の右端部と内軸(14)との間には、シール装置(20)が設けられている。内軸(14)の小径部(16)の左端部には、おねじ部が設けられており、このおねじ部にねじ合わされたナット(21)によって、内輪(17)が内軸(14)に固定されている。車体側軌道部材(3)の左端部には、カバー(22)が被せ止められている。
センサ装置(2)は、車体側軌道部材(3)に取り付けられた支持部材(7)と、支持部材(7)に取り付けられた磁歪センサ(8)と、磁歪センサ(8)の出力を処理する処理手段(図示略)とを備えている。磁歪センサ(8)は、磁気インピーダンスセンサとされており、そのセンシング面は、車輪側軌道部材(4)の内輪(17)の左端面における引張り歪みを測定するように、内輪(17)の左端面に径方向外方から臨まされている。
磁歪センサ(8)は、被検出部材が鉄系材料の場合には、圧縮歪みに対しては、これに直交する方向から、また、引張り歪みに対しては、これと同じ方向から臨まされたときに最大の感度を示す。したがって、図1に示すように、この内輪(17)の左端面の引張り歪みを検知するように、磁歪センサ(8)を内輪肩部(17b)のすぐ外方に配置することにより、大きな逆磁歪効果が検知される。
ここで、図1において、磁歪センサ(8)は、最上部に位置するように示されているが、これは便宜上のもので、実際には、1台の車両において、前輪側のハブユニット(1)では、磁歪センサ(8)が図6にAで示す進行方向前寄りに(図に示す左向きの矢印が進行方向を示している。)、後輪側のハブユニット(1)では、磁歪センサ(8)が図6にBで示す進行方向後寄りにそれぞれ位置させられている。こうして、この実施形態の磁歪センサ(8)は、最上部から約45°周方向に離れた位置に1つだけ設置されている。
タイヤに接地荷重(ラジアル荷重およびアキシアル荷重)が作用すると、ハブユニット(1)各部には圧縮または引張りの歪みが生じる。ハブユニット(1)の最上部または最下部に生じる歪みは、左右方向タイヤ接地荷重によるもの(前後方向タイヤ接地荷重の影響がほとんどゼロ)であり、ハブユニット(1)の最上部と最下部とのちょうど中間部(最上部または最下部から90°離れた位置)では、前後方向タイヤ接地荷重によるもの(左右方向タイヤ接地荷重の影響がほとんどゼロ)である。そして、図6にAまたはBで示す位置で生じる歪みは、左右方向タイヤ接地荷重および前後方向タイヤ接地荷重の両方によるものとなり、これが磁歪センサ(8)で検知される。
例えば、車両が左へ旋回すれば、右側(前後共)のハブユニット(1)のセンサ(8)の出力が増加し、左側(前後共)のハブユニット(1)のセンサ(8)の出力が減少する。車両が右へ旋回したときは、この逆となる。また、車両が減速すれば、前側(左右共)のハブユニット(1)のセンサ(8)の出力が増加し、後側(左右共)のハブユニット(1)のセンサ(8)の出力が減少する。車両が加速したときは、この逆になる。また、車両が左へ旋回しかつ減速すれば、右前側のハブユニット(1)のセンサ(8)の出力が最大に、左後側のハブユニット(1)のセンサ(8)の出力が最小となり、右後側と左前側のハブユニット(1)のセンサ(8)については、旋回の大きさと減速の大きさとの相対的大小関係に応じて、その出力が増加または減少する。
したがって、各センサ(8)の出力から、各タイヤにかかる合成接地荷重が求まるほか、左輪側の前後センサの出力合計と右輪側の前後センサの出力合計との差からは、旋回時の荷重移動量が、前輪側の左右センサの出力合計と後輪側の左右センサの出力合計との差から制動時の荷重移動量がそれぞれ求まり、これにより、タイヤ接地荷重を使用した車両制御が可能となる。
図2は、第1の発明のセンサ付きハブユニットの第2実施形態を示している。この第2実施形態のセンサ付きハブユニットは、センサ装置の構成が第1実施形態のものと異なっており、以下の説明においては、同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態のセンサ付きハブユニットのセンサ装置(2)は、車体側軌道部材(3)に取り付けられた支持部材(7)と、支持部材(7)に取り付けられた磁歪センサ(9)と、磁歪センサ(9)の出力を処理する処理手段(図示略)とを備えている。そして、磁歪センサ(9)は、磁気インピーダンスセンサとされており、そのセンシング面は、車輪側軌道部材(4)の内輪(17)の外周面における引張り歪みを測定するように、車輪側軌道部材(4)の内輪肩部(17b)の左端部に軸方向左方から臨まされている。こうして、内輪(17)の軸方向引張り歪みを検知するように、磁歪センサ(9)を内輪肩部(17b)のすぐ左方に配置することにより、大きな逆磁歪効果が検知される。
ここで、図2において、磁歪センサ(9)は、最上部に位置するように示されているが、これは便宜上のもので、実際には、1台の車両において、前輪側のハブユニット(1)では、磁歪センサ(9)が図6にAで示す進行方向前寄りに、後輪側のハブユニット(1)では、磁歪センサ(9)が図6にBで示す進行方向後寄りにそれぞれ位置させられている。こうして、この実施形態の磁歪センサ(9)は、最上部から約45°周方向に離れた位置に1つだけ設置されている。
この実施形態でも磁歪センサ(9)の出力に対し第1実施形態と同様の処理が可能であり、各センサ(9)の出力から、各タイヤにかかる合成接地荷重が求まるほか、左輪側の前後センサの出力合計と右輪側の前後センサの出力合計との差からは、旋回時の荷重移動量が、前輪側の左右センサの出力合計と後輪側の左右センサの出力合計との差から制動時の荷重移動量がそれぞれ求まり、これにより、タイヤ接地荷重を使用した車両制御が可能となる。
図3は、第1の発明のセンサ付きハブユニットの第3実施形態を示している。この第3実施形態のセンサ付きハブユニットは、センサ装置の構成が第1実施形態のものと異なっており、以下の説明においては、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。
センサ装置(2)は、車体側軌道部材(3)に取り付けられた支持部材(7)と、支持部材(7)に取り付けられた磁歪センサ(10)と、磁歪センサ(10)の出力を処理する処理手段(図示略)とを備えている。そして、磁歪センサ(10)は、磁気インピーダンスセンサとされており、そのセンシング面は、車体側軌道部材(3)の外周面に径方向外方から臨まされている。
ここで、図3において、磁歪センサ(10)は、最下部に位置するように示されているが、これは便宜上のもので、実際には、1台の車両において、前輪側のハブユニット(1)では、磁歪センサ(10)が図6にCで示す進行方向前寄りに、後輪側のハブユニット(1)では、磁歪センサ(10)が図6にDで示す進行方向後寄りにそれぞれ位置させられている。こうして、この実施形態の磁歪センサ(10)は、最下部から約45°周方向に離れた位置に1つだけ設置されている。
タイヤに接地荷重(ラジアル荷重およびアキシアル荷重)が作用すると、ハブユニット(1)各部には圧縮または引張りの歪みが生じる。通常、ハブユニット(1)の二列の玉(5)間の中央を通る鉛直線(C)は、タイヤの中心(O)を通る鉛直線よりも軸方向外側にあり、ハブユニット(1)の車体側軌道部材(3)では、2列の玉(5)間の中央を通る鉛直線の近傍で相対的に大きな歪みが生じる。この車体側軌道部材(3)の歪みは、接地中心側である最下部において最大となる圧縮方向の歪みとなり、また、接地中心の反対側である最上部において、引張り方向で最大の歪みとなる。磁歪センサ(10)は、被検出部材が鉄系材料の場合には、圧縮歪みに対しては、これに直交する方向から、また、引張り歪みに対しては、これと同じ方向から臨まされたときに最大の感度を示す。したがって、図3に示すように、この車体側軌道部材(3)の軸方向圧縮歪みを検知するように、磁歪センサ(10)を車体側軌道部材(3)の玉近傍部の外周面のすぐ外方に配置することにより、大きな逆磁歪効果が検知される。
この実施形態でも磁歪センサ(10)の出力に対し第1実施形態と同様の処理が可能であり、各センサ(10)の出力から、各タイヤにかかる合成接地荷重が求まるほか、左輪側の前後センサの出力合計と右輪側の前後センサの出力合計との差からは、旋回時の荷重移動量が、前輪側の左右センサの出力合計と後輪側の左右センサの出力合計との差から制動時の荷重移動量がそれぞれ求まり、これにより、タイヤ接地荷重を使用した車両制御が可能となる。
なお、第3実施形態において、磁歪センサ(10)は、左列の玉(5)の近傍に臨まされているが、この位置と二列の玉(5)間の中央を通る鉛直線(C)を介して対称位置となる右列の玉(5)の近傍位置に磁歪センサ(10)を設けても上記と同様の効果を得ることができる。
また、各実施形態において磁歪センサ(8)(9)(10)を支持する支持部材(7)については、取付け位置およびその形状は特に限定されるものではない。
上記第1から第3までの各実施形態において、車体側軌道部材(3)および車輪側軌道部材(4)は、鉄系磁性体である機械構造用炭素鋼(S55C)製、転動部材(5)は、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)またはセラミックス製、保持器(6)は、樹脂製(ポリアミド66)とされている。ここで、転動部材(5)をセラミックス製とする場合、車体側軌道部材(3)および車輪側軌道部材(4)が磁性を有しているのに対し、転動部材(5)および保持器(6)は、非磁性材料によって形成されていることから、内輪(17)および内軸(14)の回転に伴ってこれらが磁歪センサ(8)(9)(10)に対し近づいたり遠ざかったりしても、内輪(17)の肩部(17b)近傍および内軸(14)の玉近傍部の磁場には影響を及ぼさないため、玉(5)および保持器(6)の回転に起因する誤差(ノイズ)が生じず、高感度の磁歪センサ(8)(9)(10)が検知するデータに含まれる誤差を非常に小さくすることができる。こうして、このセンサ付きハブユニットによると、磁歪センサ(8)(9)(10)によって、ハブユニット(1)の回転(回転数、回転速度、回転角度など)が求められるとともに、ハブユニット(1)にかかる力が精度よく検出される。
次いで、第2の発明によるセンサ付きハブユニットについて説明する。
第2の発明のセンサ付きハブユニットの第1実施形態を図4に示す。この実施形態では、図1ではセンサが磁歪センサ(8)とされているのに対し、磁歪センサに代えて変位センサ(11)が使用されている。そして、この変位センサ(11)により、内輪(17)肩部(17b)の外周面の径方向変位が検知されるようになされている。なお、図4において、センサ(11)以外は、図1に示したものと同じであり、同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
なお、第2の発明のセンサ付きハブユニットの第1実施形態においては、変位センサ(8)は、周上1カ所のみに設けられるが、図6のA,B,CおよびDのうちのどの位置に設置してもよい。
第2の発明のセンサ付きハブユニットの第2実施形態は、図3における磁歪センサ(10)を変位センサに置き換え、この変位センサにより、車体側軌道部材(3)の外周面の径方向変位を検知するようになされたものである。センサ(10)の内部構造は異なるが、この実施形態の図は、図3と同じであるので、その図示は省略する。
なお、この第2実施形態においても、変位センサは、周上1カ所のみに設けられるが、図6のA,B,CおよびDのうちのどの位置に設置してもよい。
図5は、第2の発明のセンサ付きハブユニットの第3実施形態を示す。この第3実施形態のセンサ付きハブユニットは、センサ装置の構成が第1実施形態のものと異なっており、以下の説明においては、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略する。
センサ装置(2)は、車体側軌道部材(3)に取り付けられた支持部材(7)と、支持部材(7)に取り付けられた変位センサ(11)と、変位センサ(11)の出力を処理する処理手段(図示略)とを備えている。そして、変位センサ(11)は、磁気インピーダンスセンサとされており、そのセンシング面は、車体側軌道部材(3)のフランジ(18)の左側面に軸方向内方(左方)から臨まされている。
なお、この第3実施形態においても、変位センサ(11)は、周上1カ所のみに設けられるが、図6のA,B,CおよびDのうちのどの位置に設置してもよい。
第2の発明のセンサ付きハブユニットの各実施形態において、その変位センサ(11)の出力に対し、第1の発明のセンサ付きハブユニットの各実施形態と同様の処理が可能である。すなわち、各センサ(11)の出力から、各タイヤにかかる合成接地荷重が求まるほか、左輪側の前後センサの出力合計と右輪側の前後センサの出力合計との差からは、旋回時の荷重移動量が、前輪側の左右センサの出力合計と後輪側の左右センサの出力合計との差から制動時の荷重移動量がそれぞれ求まり、これにより、タイヤ接地荷重を使用した車両制御が可能となる。
なお、第2の発明のセンサ付きハブユニットの各実施形態において、変位センサ(11)を支持する支持部材(7)については、取付け位置およびその形状は特に限定されるものではないが、支持部材(7)の基部は、車体側軌道部材(3)の車体に固定される部分近傍に固定されることが好ましい。
第1の発明によるセンサ付きハブユニットの第1実施形態を示す縦断面図である。 第1の発明によるセンサ付きハブユニットの第2実施形態を示す縦断面図である。 第1の発明によるセンサ付きハブユニットの第3実施形態を示す縦断面図である。 第2の発明によるセンサ付きハブユニットの第1実施形態を示す縦断面図である。 第2の発明によるセンサ付きハブユニットの第3実施形態を示す縦断面図である。 各実施形態のセンサ付きハブユニットを軸方向内方から見た図であり、各実施形態のセンサの径方向配置位置を説明するための図である。
符号の説明
(1) ハブユニット
(2) センサ装置
(3) 車体側軌道部材
(4) 車輪側軌道部材
(5) 玉(転動体)
(8) 径方向引張り歪み測定用磁歪センサ
(9) 軸方向引張り歪み測定用磁歪センサ
(10) 軸方向圧縮歪み測定用磁歪センサ
(11) 変位センサ
(17) 内輪
(17b) 内輪肩部

Claims (5)

  1. 車体側に固定される車体側軌道部材、車輪取付け用のフランジを有する内軸および内軸に嵌められた内輪を有し車輪が取り付けられる車輪側軌道部材、ならびに両軌道部材の間に配置された二列の転動体を有するハブユニットと、センサ装置とを備えているセンサ付きハブユニットにおいて、
    センサ装置は、逆磁歪効果を検知する磁歪センサを有し、磁歪センサは、内輪の引張り歪みおよび車体側軌道部材の圧縮歪みのいずれか一方を測定可能なように、車体側軌道部材の周上1カ所のみに設置されており、その設置箇所は、最上部または最下部から所定角度離れた位置とされていることを特徴とするセンサ付きハブユニット。
  2. 内輪の引張り歪みを測定する磁歪センサを有するセンサ付きハブユニットが車両の前後左右4カ所に配置されており、前輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向前寄りに、後輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向後寄りにそれぞれ位置させられている請求項1のセンサ付きハブユニット。
  3. 車体側軌道部材の圧縮歪みを測定する磁歪センサを有するセンサ付きハブユニットが車両の前後左右4カ所に配置されており、前輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向前寄りに、後輪側のハブユニットでは磁歪センサが進行方向後寄りにそれぞれ位置させられている請求項1のセンサ付きハブユニット。
  4. 車体側に固定される車体側軌道部材、車輪取付け用のフランジを有する内軸および内軸に嵌められた内輪を有し車輪が取り付けられる車輪側軌道部材、ならびに両軌道部材の間に配置された二列の転動体を有するハブユニットと、センサ装置とを備えているセンサ付きハブユニットにおいて、
    センサ装置は、車体側軌道部材を基準にした車輪側軌道部材の変位の変化を検知する変位センサを有し、変位センサは、車輪側軌道部材を臨むように車体側軌道部材の周上1カ所のみに設置され、その設置箇所は、最上部または最下部から所定角度離れた位置とされていることを特徴とするセンサ付きハブユニット。
  5. 前記変位センサは、車両の前後左右4カ所のハブユニットにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4のセンサ付きハブユニット。
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