JP4029575B2 - 燃料改質装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタノール等の燃料を改質して水素を発生させる燃料改質装置に関し、更に詳しくは、燃焼触媒上での燃焼反応によって発生した熱を、改質触媒の加熱や改質原料の気化に用いる触媒燃焼加熱方式の燃料改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、自動車などに搭載する移動用電源として、小出力の燃料電池が使用されるようになってきている。該燃料電池としては、改質ガスに水素と酸素を用いる水素酸素型燃料電池が主流であり、この水素を得るために燃料改質装置を利用している。
【0003】
前記燃料改質装置は、メタノールと水を気化して改質燃料ガスとし、該改質燃料ガスを改質触媒と接触させて改質反応を起こすことによって、改質ガスである水素ガスを生成している。しかし、前記の改質反応は吸熱反応であるため、反応を進行させるには、改質触媒を加熱する必要がある。
前記加熱を行う方法として、例えば、特開平3−109202号公報に記載された触媒燃焼加熱方式があるが、この方法では、担持した触媒濃度が燃焼燃料の流れ方向に沿って均一であるため、燃焼燃料が燃焼部の上流側でほとんど反応して発熱してしまい、下流側ではあまり発熱しないという問題があった。さらに、発熱が燃焼部内で不均一に起こると、改質触媒で起こる改質反応も部位によって不均一となり、改質反応が効率良く行われないという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記課題を解決し、改質触媒へ効率よく熱を供給して優れた改質性能を発揮し、また、改質装置が始動するまでの暖機時間を大幅に短縮することができる燃料改質装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料改質装置は、前記目的を達成するため、メタノールに熱を加えながら改質触媒で水蒸気改質することによって水素を生成する改質部と、燃焼燃料を燃焼触媒で燃焼させて発生させた熱を前記改質部に供給する燃焼部とを備えた燃料改質装置であって、前記改質部と燃焼部とを板材を介して配設し、この板材の改質部側の面に改質触媒層を形成する一方、燃焼部側の面に燃焼触媒層を形成し、前記燃焼触媒層は、アルミナ及び白金を含んでなり、前記燃焼部の上流側に入口を設け、この入口近傍に0.5〜2.0wt%の白金を担持させた燃焼触媒を配設する一方、前記燃焼部の下流側に出口を設け、この出口近傍に3.0〜5.0wt%の白金を担持させた燃焼触媒を配設し、前記燃焼触媒中の白金量を、前記燃焼燃料の流れ方向の上流側から下流側に沿って高い濃度になるように配置させたことを特徴とするものである。
【0007】
前記燃焼触媒層の厚さは、50〜200μmが好ましい。また、前記燃焼燃料の混合比は、メタノールを燃焼燃料とした場合、メタノール/酸素のモル比で1/4〜2/3が好ましい。
【0008】
前記燃料改質装置によれば、板材を介して、燃焼反応によって発生した熱を改質触媒に直接供給することができるため、熱効率が非常に優れている。この板材は担体であるため、燃焼触媒や改質触媒を担持することができる広く種々の材質、例えば金属製の薄板を好適に用いることができる。また、白金の濃度を上流側から下流側に向けて高い濃度になるように担持することにより、燃焼触媒の全体において均一な燃焼反応が可能となり、改質触媒への熱供給効率に優れ、改質性能が非常に向上する。さらに、前記燃焼燃料として常温のメタノールを前記入口から導入した場合、最初は、上流側の入口近傍では燃焼反応せずに下流側の出口近傍で反応を起こすため、出口近傍から熱が発生する。次いで、この熱が上流側の入口近傍に伝わると、該入口近傍でも燃焼を起こすため、燃焼部の全体が均一な燃焼反応になるまでの時間が短縮され、燃料改質装置を始動するまでの暖機時間が非常に短くなり、効率のよい改質装置となる。また、常温のメタノールで燃焼反応を起こすことが可能であるため、燃焼燃料を気化するための気化装置が不要となり、非常にコンパクトな改質装置とすることができる。
【0009】
また、本発明に係る燃料改質装置の燃焼部における熱の発生方法は、前記の燃料改質装置を始動させる段階では、前記燃焼燃料を燃焼部の出口から導入して該出口の近傍部で熱を発生させ、こののち、前記燃焼燃料を燃焼部の入口から導入して該入口の近傍部で熱を発生させている。
前記熱の発生方法によれば、まず最初に、燃焼部の出口から燃焼燃料を導入することにより、燃料導入量の多少にかかわらずに改質装置を始動するまでの暖機時間が非常に短縮され、燃焼部内での燃焼反応が安定した均一なものとなり、非常に高い改質性能を達成することができる。
【0010】
なお、本発明に係る燃焼触媒層の作製方法は、アルミナ、アルミナゾル、及び白金を混合及び撹拌してスラリー状触媒を調製し、該スラリー状触媒を前記板材に塗布して焼成することによって作製する。
前記スラリー触媒の調製は、アルミナとアルミナゾルと白金を混合撹拌するだけであるため、従来の含浸法や共沈法などに比べると、非常に簡略化した手順で作製することができる。また、アルミナゾルを混合することにより、適度な粘度を有し、経時変化の少ないスラリー状触媒となり、また、板材に塗布する際に、表面張力が緩和されて濡れ性が良好な塗布しやすいスラリーが得られ、密着性と皮膜強度の高い燃焼触媒を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係る燃料改質装置について、図面を用いて詳細に説明する。
[燃料改質装置の概要]
本発明の実施の形態に係る燃料改質装置には、図1に示すように、改質部1と燃焼部3とが設けられており、これらは一枚の金属製薄板5によって分け隔てられている。つまり、図1の中央側には、熱を発生させる燃焼部3が配設され、該燃焼部3の上下側には、改質燃料ガスを改質して改質ガスを生成する改質部1が配設されている。
【0012】
また、前記金属製薄板5の改質部側の面には改質触媒層7が形成され、燃焼部側の面には燃焼触媒層9が形成されている。該燃焼触媒層9には、白金(Pt)の成分が含有されており、この白金の含有濃度は、燃焼燃料11の流れ方向の上流側(入口側)13から下流側(出口側)15に沿って、0.5〜5.0wt%の範囲内で徐々に高くなるように担持されている。
【0013】
前記下流側15の端部に形成されている燃焼触媒層9中の白金濃度は、常温のメタノールを噴霧しただけで燃焼反応が起こる濃度であり、具体的には、3.0〜5.0wt%であり、好ましくは、4.0〜5.0wt%の範囲である。
さらに、前記上流側13に形成されている燃焼触媒層9中の白金濃度は、常温のメタノールを噴霧しただけでは燃焼反応が起こらないが、熱を供給すれば燃焼反応が起こる濃度であり、具体的には、0.5〜2.0wt%であり、好ましくは、0.5〜1.5wt%の範囲である。
【0014】
[燃焼触媒の作製方法]
前記燃焼触媒層9を作製する方法は、まず、イオン交換水に、γ―アルミナ、アルミナゾル及びジニトロジアンミン白金硝酸溶液を混合して撹拌することでスラリー状触媒を調製し、次いで、このスラリー状触媒を担体となる金属製薄板5に塗布し、焼成すればよい。
前記スラリー状触媒は、アルミナなどの酸化物粉末を添加して溶液の粘度を上げると共に、表面張力を緩和して濡れ性を向上させて、金属製薄板5の表面上に塗布しやすくさせており、焼成後の密着性や皮膜自体の強度も確保している。また、多孔質及び高活性のアルミナであるγ―アルミナを使用すると、該γ―アルミナの細孔内に白金が入り込んで担持され、活性点の多い高性能な触媒を得ることができる。さらに、アルミナゾルを触媒に混合することで、スラリー状である触媒が安定し、経時変化の少ないものとなり、また、担体である金属製薄板5に塗布及び焼成した触媒は、密着力に優れ耐久性が向上している。
【0015】
[担体]
担体の形状は、前記金属製薄板5などの板状の形状に特に限定されず、自由に選択することができる。このため、よりコンパクトで高効率な燃料改質装置を作製することが可能である。
【0016】
[作用]
前記の燃料改質装置によれば、図1と図2に示すように、前記燃焼部3の入口側13から燃焼燃料11、例えばメタノールガスと酸素を導入すると、金属製薄板5の燃焼部側の面に形成した燃焼触媒層9上にて燃焼反応が起こり熱17が発生し、その結果、例えば二酸化炭素と水蒸気等の燃焼排ガス19が生成される。この熱17は金属製薄板5を介して、改質部1側に直接伝達される。
一方、改質部1では、例えばメタノールガスと水蒸気からなる改質燃料21が導入されると、金属製薄板5の改質触媒層7に接触して改質反応が起こる。ここで、該改質反応は吸熱反応であるため、反応が進行するには熱が必要となるが、前記したように、燃焼触媒層9上から伝達された熱17によって、改質反応が効率良く進行する。その結果、前記改質燃料21は、水素と二酸化炭素からなる改質ガス23に変化する。
また、前記金属製薄板5の燃焼部3側に塗布した燃焼触媒層9中の白金の濃度を、燃焼燃料11の流れ方向で上流側13から下流側15に沿って徐々に高濃度になるように担持しているため、燃焼触媒層9の全体における燃焼が均一な反応となり、改質触媒層7へ効率よく熱を供給することができる。
【0017】
【実施例】
次いで、本発明に係る燃料改質装置及び該燃料改質装置の燃焼部における熱の発生方法について、実施例を通して更に詳細に説明する。
[実験方法]
まず、図3に示すように、ステンレス製のパイプ41(長さがL=230mm、外径がφ=6.35mm、板厚がt=0.3mm)の内面43に、0.1〜5.0wt%の範囲内で調製した各濃度の白金、及びアルミナからなるスラリー状触媒を塗布及び焼成することにより、燃焼触媒層9を形成した。この触媒担持パイプ41を電気炉45内に配置し、エアー47で霧状に噴霧した液体のメタノール49を供給し、燃焼反応実験を行った。燃焼反応は、パイプ41の入口端51からそれぞれ20,110,210mm(それぞれ、上流部61、中流部63、下流部65とする)の位置に挿入した熱電対によって触媒温度を測定することで確認した。燃焼燃料であるメタノール49を供給し始めてから1分以内に燃焼反応が起こった場合、そのままメタノール49を供給し、電気炉41は使用しなかった。供給開始後1分以内に反応が起こらなかった場合、触媒担持パイプ41の全体を電気炉41にて10℃/分の昇温速度で加熱し、一部でも燃焼反応が開始した時点で電気炉41による加熱は止めた。
【0018】
各白金含有量に対する燃焼開始温度を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004029575
【0020】
0.1wt%白金/アルミナ触媒については、150℃までの燃焼実験を試みた結果、この150℃に加熱しても燃焼反応が起こらなかった。これに対して、0.5wt%白金の場合はパイプ41の上流では反応しないが中流及び下流では約90℃以上で反応し、1.0wt%白金の場合は約70℃以上で気化して燃焼反応を起こし、3.0wt%白金は25℃(常温)で燃焼したが下流側から反応が始まり、5.0wt%白金は25℃で反応したが燃焼温度のばらつきは大きかった。このように、燃焼触媒による燃焼反応の起こり方は貴金属である白金の濃度に依存することが判明した。
【0021】
前記の性質を利用し、本願では、0.5〜5.0wt%の白金を担持した燃焼触媒層9を、上流側から下流側に沿って徐々に高濃度になるように形成することで、燃焼触媒層9での反応が均一な燃焼反応となり、改質触媒層7へ効率よく熱を供給することで優れた改質性能を実現することができる。また、上流側に常温では反応しない低濃度の燃焼触媒層9を形成することで、下流側から反応が起こり、燃焼触媒層9の温度が均一になるまでの時間が、従来のものに比べて非常に短くなり、改質装置を始動するまでの暖機時間を大幅に短縮することができる。さらに、下流側に高濃度の燃焼触媒層9を形成することで、常温のメタノール(液体)を空気で霧状に噴霧するだけで燃焼反応が可能であり、燃焼燃料11を気化するためのバーナー等が不要となり、コンパクトで非常に高効率な燃料改質装置を作製することができる。
【0022】
また、燃料改質装置が完全に冷えた状態から始動する場合には、始動時の最初の数分間(1〜2分)、燃焼燃料11の出口側から入口側に向けて逆に燃焼燃料11を導入することで下流側15の温度を急激に上昇させ、その後、通常通り、入口側から出口側に向けて燃焼燃料11を導入すると、燃焼触媒層9の温度が均一になるまでの時間を更に短縮することができ、燃焼燃料11の供給量の多少に関わらず、安定して改質装置が始動するまでの暖機時間を短縮することができることが判明した。
【0023】
以下に、実施例1,2及び比較例1,2を具体的に説明する。
[実施例1]
イオン交換水500gにγ−アルミナ300gとアルミナゾル200gを混合して撹拌し、アルミナ含有スラリーを調製した。さらに、このスラリーにジニトロジアンミン白金硝酸溶液を添加して撹拌することにより、スラリー状燃焼触媒を調製した。前記ジニトロジアンミン白金硝酸溶液の量は、スラリー状燃焼触媒中におけるアルミナに対する白金量が各々0.5,1.0,5.0wt%になるように混合し、3種類の白金濃度のスラリー状燃焼触媒を調製した。
【0024】
調製したスラリー状燃焼触媒を、図4に示す積層型改質装置71の金属製薄板5に塗布し、500℃で1時間焼成することにより、金属製薄板5の一方の面に燃焼触媒層9を形成した。該燃焼触媒層9中の白金濃度は、図5に示すように、燃焼燃料を導入する入口側73(上流側)から出口側75(下流側)にかけて、それぞれ0.5、1.0、5.0、5.0wt%と段階別に順に担持した。なお、前記燃焼触媒層9を形成した金属製薄板5の他方の面には、Cu−Zn/アルミナ触媒を燃焼触媒層9と同様の方法で形成し、前記金属製薄板5,5同士の間にはスペーサ72を配設し、かつ、これらの金属製薄板5及びスペーサ72を上面押さえ板87と下面押さえ板89との間に配設することによって、図4に示すような積層型の燃料改質装置71を作製した。
この燃料改質装置71を用いて、図4の上端に設けられた導入口77から燃焼燃料11を導入して下方に送給し、下端部から燃焼排ガスが上方に流れ、上端に設けられた排出口79から排出された。また、改質燃料21も、上端の導入口81から導入して下方に送給し、下端部から改質ガスが上方に流れて上端の排出口83から排出された。
【0025】
[実施例2]
実施例1と同様の触媒及び触媒担持方法で積層型改質装置を作製し、実施例1と同様の積層型改質装置71を使用し、最初の1分30秒間は燃焼燃料11を排出口79から導入口77に向けて逆に導入し、その後は、通常通りに導入口77から排出口79に向けて導入する燃焼燃料11の供給方法で改質反応実験を行った。一方、改質燃料21は実施例1と同様に、最初から導入口81より導入した。
【0026】
[比較例1]
実施例1,2と同様の方法で調製した5.0wt%のスラリー状燃焼触媒を、図6に示すように金属製薄板5の面全体に亘って塗布することで均一濃度の燃焼触媒層9を形成し、該燃焼触媒層9以外の改質触媒層7などは実施例1,2と同様の条件で積層型燃料改質装置71を作製した。
【0027】
[比較例2]
実施例1,2と同様の方法で調製した3.0、4.0、5.0wt%のスラリー状燃焼触媒を、図7に示すように、上流側から白金濃度が3.0、4.0、5.0、5.0wt%の燃焼触媒9を順に形成した。また、改質触媒などの他の条件は実施例1,2と同様にして積層型燃料改質装置71を作製した。
これらの実施例1,2と比較例1,2の改質装置71を、前記パイプ41による燃焼反応実験と同様に、メタノール49をエアー47で霧状に噴霧した燃焼燃料11を燃焼触媒層9に導入し、さらに、気化した改質燃料ガス21を改質触媒層7に導入し、改質反応実験を行った。
【0028】
燃焼触媒温度(上流:燃焼触媒流路入口から30mmの部位、中流:燃焼触媒流路の中間地点、下流:燃焼触媒流路出口前30mmの部位)の測定結果を図8〜図12に示す。
実施例1は、図8に示すように、下流と中流側から燃焼が始まり、約6分で燃焼触媒全体が400℃以上の均一燃焼になった。実施例2は、図9に示すように、最初に下流側が急速に燃焼し、燃焼燃料導入方向を逆転させてから上流と中流も燃焼が始まり、約4分で均一燃焼になったのに対して、比較例1は、図10に示すように、急速に上流側で燃焼が始まるが、中流と下流側は緩やかに温度が上昇し、約15分経過後も、上流側と下流側では約100℃の温度差があり、均一な燃焼にはならなかった。また、比較例2は、図11に示すように、比較例1と同様に急速に上流側から燃焼が始まり、中流と下流側は緩やかに温度が上昇し、全体が均一な燃焼になるまでに約15分間経過した。
【0029】
これらの結果から判るように、本願の燃焼触媒層9を用いると、燃焼部3における燃焼反応が均一な反応になるだけでなく、燃焼触媒層9の温度が均一になるまでの時間が従来のものに比べて非常に短くなり、改質装置を始動するまでの暖機時間を大幅に短縮することができる。
改質反応実験の改質率測定結果を図12に示す。これは、実施例1,2及び比較例1,2の改質反応実験を30分間行い、供給した燃料メタノール49に対する発生水素の量からメタノール改質率を計算した結果である。この結果から判るように、実施例1,2は、比較例1,2よりも改質性能に優れていた。これは、比較例1は、上流側で燃焼燃料11の大半が燃焼され均一な燃焼にならないため、改質触媒層7への熱供給効率が悪く、改質率も劣っており、比較例2は、均一燃焼は可能であるが、均一な燃焼になるまでに時間がかかってしまうことから、これも熱供給効率が悪くなったためである。
【0030】
これに対して、実施例1,2は、非常に短い時間で均一な燃焼になるため、改質触媒7への熱の供給を効率よく行うことができ、改質性能が非常に優れている。
また、改質率の向上や均一な燃焼になるまでの時間の短縮のために燃焼燃料11の供給量を上げたとき、比較例1,2では、上流側の温度が上がりすぎてしまい、燃焼触媒9及び改質触媒7が熱によって劣化してしまうという不具合が発生する。
これに対して、実施例1では、上流側では温度が上がりすぎるといったことはなく、供給量を上げても均一燃焼が可能である。また、実施例2においては、下流側から燃焼燃料11を導入する時間は1〜2分と短時間であるために、燃焼触媒9が劣化するほど温度が上昇することはなく、燃焼燃料11の供給量の多少に関わらず安定して均一燃焼が可能である。このように、本願の改質触媒を用いると、更にスケールアップしたメタノール改質装置も実現することが可能である。
【0031】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
例えば、図13と図14に示すように、一方の面には燃焼触媒層9を形成し、他方の面には何も形成しない金属製薄板5を作製し、燃焼触媒9上での燃焼反応による熱17を金属製薄板5を介して改質部1側に供給し、液体で導入した改質燃料91を気化及び予熱し、気体の改質燃料21を作成することができる。このとき、燃焼触媒層9内に含有される白金の濃度を上流側から下流側に沿って、1.0、3.0、5.0wt%と徐々に高い濃度にすることで均一に燃焼反応が起こり、効率よく改質燃料21を気化及び予熱することができる。また、この気化部85は積層型改質装置71内に一体構造として組み込むことができるため、よりコンパクトな改質装置を実現することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、板材を介して、燃焼反応によって発生した熱を改質触媒に直接供給することができ、熱効率が非常に優れている。
また、燃焼触媒中の白金濃度を部位によって変えているため、燃焼触媒全体において均一な燃焼反応が起こる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼触媒を上流側から下流側に沿って徐々に高濃度になるように形成した燃焼部、及び該燃焼部に隣接して配設された改質部を備えた燃料改質装置を示す概略図である。
【図2】燃焼部で発生した熱を改質部に直接供給する状態を示す概念図である。
【図3】燃焼触媒を担持したパイプによる燃焼反応実験装置の概略図である。
【図4】積層型改質装置を分解した斜視図である。
【図5】実施例1,2における担持燃焼触媒の濃度分布を示す金属製薄板の平面図である。
【図6】比較例1における担持燃焼触媒の濃度分布を示す金属製薄板の平面図である。
【図7】比較例2における担持燃焼触媒の濃度分布を示す金属製薄板の平面図である。
【図8】実施例1における燃焼反応の熱による温度変化を示すグラフである。
【図9】実施例2における燃焼反応の熱による温度変化を示すグラフである。
【図10】比較例1における燃焼反応の熱による温度変化を示すグラフである。
【図11】比較例2における燃焼反応の熱による温度変化を示すグラフである。
【図12】実施例1,2及び比較例1,2の改質率の測定結果を示すグラフである。
【図13】燃焼反応熱を改質燃料の気化及び予熱に使用する改質装置の概念図である。
【図14】図13の担持燃焼触媒の濃度分布を示す平面図である。
【符号の説明】
1 改質部
3 燃焼部
5 金属製薄板
7 改質触媒層
9 燃焼触媒層
11 燃焼燃料
13 上流側
15 下流側
17 熱
19 燃焼排ガス
21 改質燃料
23 改質ガス
41 パイプ
43 内面
45 電気炉
47 エアー
49 メタノール
51 入口端
61 上流部
63 中流部
65 下流部
71 積層型燃料改質装置
73 入口側
75 出口側
77,81 導入口
79,83 排出口
87 上面押さえ板
89 下面押さえ板

Claims (3)

  1. メタノールに熱を加えながら改質触媒で水蒸気改質することによって水素を生成する改質部と、燃焼燃料を燃焼触媒で燃焼させて発生させた熱を前記改質部に供給する燃焼部とを備えた燃料改質装置であって、前記改質部と燃焼部とを板材を介して配設し、この板材の改質部側の面に改質触媒層を形成する一方、燃焼部側の面に燃焼触媒層を形成し、前記燃焼触媒層は、アルミナ及び白金を含んでなり、前記燃焼部の上流側に入口を設け、この入口近傍に0.5〜2.0wt%の白金を担持させた燃焼触媒を配設する一方、前記燃焼部の下流側に出口を設け、この出口近傍に3.0〜5.0wt%の白金を担持させた燃焼触媒を配設し、前記燃焼触媒中の白金量を、前記燃焼燃料の流れ方向の上流側から下流側に沿って高い濃度になるように配置させたことを特徴とする燃料改質装置。
  2. 前記請求項に記載された燃料改質装置を作動させる場合に、始動段階では前記燃焼燃料を燃焼部の出口から導入して該出口の近傍部で熱を発生させ、こののち、前記燃焼燃料を燃焼部の入口から導入して該入口の近傍部で熱を発生させることを特徴とする、請求項の燃料改質装置の燃焼部における熱の発生方法。
  3. 前記燃焼触媒層は、アルミナ、アルミナゾル、及び白金を混合及び撹拌してスラリー状触媒を調製し、該スラリー状触媒を前記板材に塗布して焼成することによって作製したことを特徴とする請求項に記載の燃料改質装置製造方法。
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