JP4028490B2 - 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム - Google Patents

信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4028490B2
JP4028490B2 JP2004005988A JP2004005988A JP4028490B2 JP 4028490 B2 JP4028490 B2 JP 4028490B2 JP 2004005988 A JP2004005988 A JP 2004005988A JP 2004005988 A JP2004005988 A JP 2004005988A JP 4028490 B2 JP4028490 B2 JP 4028490B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
design
correlation
reliability
degree
rij
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004005988A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005202515A (ja
Inventor
賢治 廣畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2004005988A priority Critical patent/JP4028490B2/ja
Publication of JP2005202515A publication Critical patent/JP2005202515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4028490B2 publication Critical patent/JP4028490B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Complex Calculations (AREA)

Description

本発明は、多目的設計における信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラムに関する。
コンピュータの急速な進歩に伴い、応力/変形解析、熱解析、振動/騒音解析、電磁気解析、信号伝送解析、回路解析等が大規模な非線形問題に対しても比較的容易に実施できるようになってきている。電子機器およびその構成部品の開発においても、設計支援を目的として、信号伝送・ノイズ/熱/応力解析用のCAEソルバーが性能予測に利用されている。設計の合理化に向けては、性能だけではなく、信頼性/調達可能性/生産可能性/環境性/保守性/コストなどの多くの設計項目を対象とした多目的設計となる。これらの設計項目にはそれぞれスペックが存在し、そのスペックを満たすための設計支援方法が必要となる。近年、設計最適化分野や品質工学分野の近似解法として応答曲面法がその理論の平易さと近似手法としての利便さから広く利用されている。応答曲面法は、対象とする現象あるいはシステムに対する応答曲面近似式の構築と活用の為の方法論である。応答曲面近似式とは、n個(n>1)の変数xiから予測される応答yについての関係式を近似したものである。設計最適化や信頼性予測においては、近似解空間として多く利用されており、一回のCAE(Computer Aided Engineering)数値実験の計算コストが無視し得ない場合や、実験に多大な労力やコストがかかる場合、各実験を応答曲面近似式上での計算で代替することで、最適化あるいは信頼性予測を効率的に行うことが可能となる。
又、単一目的関数に対する最適解の探索を目的とした設計最適化だけではなく、複数の目的関数を同時に扱うことを目的とした多目的最適化手法が提案されている。複数の目的関数を同時に扱う場合に用いられる最適解の概念(例えば、非特許文献1参照)には、3つの概念、つまり(a)全最適解、(b)パレート最適解、(c)弱パレート最適解がある。完全最適解は、多目的設計問題の最適解が個々の単一問題の最適解ともなっている場合を意味する。パレート最適解は、少なくとも一つ以上の単一最適化問題において、多目的設計問題の最適解が最適とはならない解を指す。即ち、ある問題を最適化したことによって、残りの問題の最適化が妨げられる場合に相当する。パレート最適解と弱パレート最適解の違いは、一意な解を要求するか否かによる。
一方、信頼性解析の分野では、モンテカルロ法により不良発生確率(破損確率あるいはスペック未達確率)を算出する方法や、スペック限界曲面(不良が発生する領域と不良が発生しない領域の界面)までの距離をHasofer-Lind距離に基づき信頼性指標βとして近似的に求め、それを多次元正規分布のσ点と関連づけることで不良発生確率を評価する標準正規変換型の拡張1次近似2次モーメント法(以下において、「AFOSM(Advanced First Order Second Moment Method)」という。)が利用されている。標準正規変換型AFOSMは、非正規結合確率分布にも対応可能である。これらは、信頼性解析における単一の不良発生条件を対象にする場合(例えば、非特許文献2−4参照)、あるいは、複数の不良発生条件に応用する場合(例えば、非特許文献5−7参照)があり、任意の結合確率分布関数を対象にした信頼性(不良発生確率)についての信頼性解析法である。
又、原点からスペック限界曲面までの最短距離を算出し、各設計項目に関する最短距離をパラメータとした評価関数を用いて、設計ソリューション算定のための統一的評価指標を算出する信頼性解析法もある(例えば、特許文献1参照)。
坂和正敏著「非線形システムの最適化 一目的から多目的へ」森北出版、1986年 ハスファー(Hasofar, M.A.)及びリンド(Lind,N.C.)著、エンジニアメカニクス部門誌(Journal of Engineering Mechanics Division)、ASCE会議論文集(Proc.ASCE)、100巻、EM1号、1974年、P111 メルチャーズ(Melchers, R.E.)著「構造信頼性、分析及び予想(Structural Reliability; Analysis and Prediction)」エリスハワード(ELLIS HORWOOD)、1987年 ソフト−クリステンセン(Thoft-Christensen, P.)、ベイカー(Baker, M. J.)著「構造信頼性論理及びその応用(Structural Reliability Theory and its Applications)」、スプリンガー−ベルラーグ(Springer-Verlag)、1986年 ホヘンビクラー(Hohenbichler, M.)及びラックウィッツ(Rackwitz, R.)著「システム信頼性における一次的概念(First-Order Concepts in System Reliability)」、構造安全性(Structural Safety)、4号、1983年、P177 タング(Tang, L.K.)及びメルチャーズ(Melchers, R.E.)著「多規定積分の改良近似(Improved Approximation for Multinormal Intergral)」、構造安全性(Structural Safety)、4号、1987年、P81 パンディー(Pandey, M. D.)著「多規定積分評価のための有効近似(An Effective Approximation to Evaluate Multinormal Integgrals)」、構造安全性(Structural Safety)、20号、1998年、P51 特許出願番号2002−284463号
上述したように、応答曲面近似式を用いた各設計項目の特性値の予測や、各スペックに対する信頼性(不良発生確率)あるいはトータルの信頼性(不良発生確率)の予測が行われている。又、多目的最適化手法により、設計項目の特性値あるいは信頼性(不良発生確率)を指標にした多目的設計最適化も行われている。
しかしながら、多目的設計においては、負荷/材料/製造/解析に基づくばらつきや設計初期の不確定要素に基づく不確実性が内在するとともに、多くの設計項目の間にトレードオフの関係が存在する場合も多く、設計スペックに対するマージン(余裕度)をバランスよく配置することが課題となる。
又、製品の高性能・多機能化に向けて、設計マージンが削られる方向にある。そのため、設計に内在する不確実性を考慮した上で、多くの設計案に対する設計マージン(余裕度)を評価し、トレードオフとなるメカニズムを明らかにした上で設計を行うことが重要である。上述したように、複数の不良モードが存在する場合にトータルの不良発生確率を指標に多目的設計最適化が可能な方法が提案されているが、多目的設計を合理的に行うには最適解集合を求めるだけではなく、設計に内在する不確実性を考慮した上で多目的設計空間に潜む因果・相関関係も明らかにする必要がある。
又、多目的設計空間における不良発生確率は、設計マージン(信頼性指標)のみではなく、各不良モード間の相関度合にも依存するため、設計マージン(信頼性指標)あるいは設計マージンをパラメータとした評価関数のみによる設計最適化あるいは因果・相関分析では、トレードオフとなるメカニズムを明らかにするのに情報として不十分な場合もあると考えられる。
上記の問題に鑑み、本発明は、多目的設計における信頼性解析の中で、複数の設計マージン(信頼性指標)や各不良モード間の相関度合を指標として多目的設計最適化を行うことや、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合と各設計変数との間に潜む因果・相関関係を明らかにすることを支援する信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置であって、(イ)複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する応答曲面作成モジュールと、(ロ)許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する限界曲面表現モジュールと、(ハ)m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する信頼性指標算出モジュールと、(ニ)各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する相関度合算出モジュールと、(ホ)信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、多目的設計最適化を行う設計最適化モジュールとを備える信頼性解析装置であることを要旨とする。
ここで、「設計ソリューション」とは設計案とスペックの組み合わせを指す。又、「設計案」とは、複数の設計変数をそれぞれ一意的に決定した、設計変数群である。又、「設計空間」とは、設計項目に関わる各変数を軸とした空間を指す。又、「マージン」とは、設計に内在する不確実性を考慮した場合のスペックに対する余裕度を、各設計案の各不良モードについて定量的にあらわすものである。又、「不良モード間の相関度合」とは、ある設計案の各不良モード間の相関を定量的にあらわすものである。又、「スペック」とは、性能/機能/コスト/調達可能性/安全性/信頼性/環境性/製造性/リサイクル性/使用における快適性/美観性/意匠性/保守性などの製品あるいは部品にかかわる設計項目に対して目標とする、あるいは、規定された定量的な値を示す。又、「信頼性」とは、設計対象物が、製造時/信頼性検証試験時/耐用年数における使用期間において規定のスペックに関する限界状態に対し不確実要因のもとで不良が発生する確率、あるいは、設計段階において不確実要因のもとでスペックを満たさない確率などの不良発生確率を指す。
本発明の第1の特徴に係る信頼性解析装置によると、多目的設計における信頼性解析の中で、複数の設計マージン(信頼性指標)や各不良モード間の相関度合を指標として多目的設計最適化を行うことができる。
本発明の第2の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置であって、(イ)複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する応答曲面作成モジュールと、(ロ)許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する限界曲面表現モジュールと、(ハ)m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する信頼性指標算出モジュールと、(ニ)各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する相関度合算出モジュールと、(ホ)信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、因果・相関関係を分析する因果・相関関係分析モジュールとを備える信頼性解析装置であることを要旨とする。
本発明の第2の特徴に係る信頼解析装置によると、多目的設計における信頼性解析の中で、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合と各設計変数との間に潜む因果・相関関係を明らかにすることができる。
又、第1及び第2の特徴に係る信頼性解析装置における相関度合算出モジュールは、各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出してもよい。この信頼性解析装置によると、各スペック限界曲面の重なり度合を正確に算出することができる。
又、第1及び第2の特徴に係る信頼性解析装置における相関度合算出モジュールは、各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出してもよい。この信頼性解析装置によると、各スペック限界曲面の重なり度合を正確に算出することができる。
又、第1及び第2の特徴に係る信頼性解析装置における相関度合算出モジュールは、各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、スケーリングしてもよい。この信頼性解析装置によると、近似に伴う誤差を小さくすることができる。
本発明の第3の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置が、(イ)複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成するステップと、(ロ)許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現するステップと、(ハ)m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出するステップと、(ニ)各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップと、(ホ)信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、多目的設計最適化を行うステップとを含む信頼性解析方法であることを要旨とする。
本発明の第3の特徴に係る信頼性解析方法によると、多目的設計における信頼性解析の中で、複数の設計マージン(信頼性指標)や各不良モード間の相関度合を指標として多目的設計最適化を行うことができる。
又、第3の特徴に係る信頼性解析方法における多目的設計最適化を行うステップは、多目的遺伝的アルゴリズムを用いてもよい。この信頼性解析方法によると、容易に多目的設計最適化を行うことができる。
又、第3の特徴に係る信頼性解析方法は、信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、因果・相関関係を分析するステップを更に含んでもよい。この信頼性解析方法によると、複数の設計マージン(信頼性指標)や各不良モード間の相関度合を指標として多目的設計最適化を行うだけでなく、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合と各設計変数との間に潜む因果・相関関係を明らかにすることができる。
又、第3の特徴に係る信頼性解析方法は、各設計案について信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)との最適解集合を出力装置に表示するステップを更に含んでもよい。この信頼性解析方法によると、最適解集合を容易に認識することができる。
本発明の第4の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置が、(イ)複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成するステップと、(ロ)許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現するステップと、(ハ)m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出するステップと、(ニ)各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップと、(ホ)信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、因果・相関関係を分析するステップとを含む信頼性解析方法であることを要旨とする。
本発明の第4の特徴に係る信頼解析方法によると、多目的設計における信頼性解析の中で、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合と各設計変数との間に潜む因果・相関関係を明らかにすることができる。
又、第4の特徴に係る信頼性解析方法における因果・相関関係を分析するステップは、構造方程式モデリングを用いてもよい。この信頼性解析方法によると、各設計マージン(信頼性指標)間の因果・相関関係を縮約したかたちで抽出することができ、複合領域の信頼性設計に役立てることができる。
又、第4の特徴に係る信頼性解析方法は、信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)と設計変数とスペックとの間に潜む因果・相関関係を出力装置に表示するステップを更に含んでもよい。この信頼性解析方法によると、因果・相関関係を容易に認識することができる。
又、第3及び第4の特徴に係る信頼性解析方法における相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップは、各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出してもよい。この信頼性解析方法によると、各スペック限界曲面の重なり度合を正確に算出することができる。
又、第3及び第4の特徴に係る信頼性解析方法における相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップは、各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出してもよい。この信頼性解析方法によると、各スペック限界曲面の重なり度合を正確に算出することができる。
又、第3及び第4の特徴に係る信頼性解析方法における相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップは、各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、スケーリングするステップを更に含んでもよい。この信頼性解析方法によると、近似に伴う誤差を小さくすることができる。
本発明の第5の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置に、(イ)複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する手順と、(ロ)許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する手順と、(ハ)m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する手順と、(ニ)各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順と、(ホ)信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、多目的設計最適化を行う手順とを実行させる信頼性解析プログラムであることを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置に、(イ)複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する手順と、(ロ)許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する手順と、(ハ)m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する手順と、(ニ)各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順と、(ホ)信頼性指標βiと相関度合 rijとを指標として、因果・相関関係を分析する手順とを実行させる信頼性解析プログラムであることを要旨とする。
又、第5及び第6の特徴に係る信頼性解析プログラムにおける相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順は、各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出してもよい。
又、第5及び第6の特徴に係る信頼性解析プログラムにおける相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順は、各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出してもよい。
又、第5及び第6の特徴に係る信頼性解析プログラムにおける相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順は、各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、スケーリングするステップを更に含んでもよい。
本発明の第5及び第6の特徴に係る信頼性解析プログラムを読み出すことにより、信頼性解析装置等に上記の手順を実行させることが可能となる。
本発明によると、多目的設計における信頼性解析の中で、複数の設計マージン(信頼性指標)や各不良モード間の相関度合を指標として多目的設計最適化を行うことや、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合と各設計変数との間に潜む因果・相関関係を明らかにすることを支援する信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラムを提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
本発明の実施の形態に係る信頼性解析装置1は、処理演算装置(CPU)10を有し、応答曲面近似式作成モジュール10a、限界曲面表現モジュール10b、信頼性指標算出モジュール10c、相関度合算出モジュール10d、設計最適化モジュール10e、因果・相関関係分析モジュール10f、表示モジュール10gをCPU10に内蔵する構成とすることができる。これらのモジュールは、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにおいて、所定のプログラム言語を利用するための専用プログラムを実行することにより実現することができる。又、CPU)10には、データ保持部11、プログラム保持部12、入力装置13、出力装置14が接続されている。
応答曲面近似式作成モジュール10aは、各設計項目Yについて、設計変数Xに関する応答曲面近似式:Y=Response(X)(Response(X)は、例えば、直交多項式とする。)を作成する。
限界曲面表現モジュール10bは、標準化あるいは正規化した設計空間上で、応答曲面近似式を利用して、スペック限界曲面をスペック毎に表現する。
信頼性指標算出モジュール10cは、m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する。
相関度合算出モジュール10dは、各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する。
設計最適化モジュール10eは、信頼性指標と不良モード間の相関度合をパラメータとした設計最適化を行う。
因果・相関関係分析モジュール10fは、信頼性指標と不良モード間の相関度合をパラメータとした構造方程式モデリングによって因果・相関関係の分析を行う。
表示モジュール10gは、各設計案について信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)との最適解集合を出力装置14に表示する。又、表示モジュール10gは、信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)と設計変数とスペックとの間に潜む因果・相関関係を出力装置14に表示する。
入力装置13は、キーボード、マウス等の機器を指し、フロッピー(登録商標)ディスク装置、CD−ROM装置、DVD装置等も含む。入力装置から入力操作が行われると対応するキー情報がCPUに伝達される。
出力装置14は、モニタなどの画面を指し、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)パネル、エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等が使用可能である。又、出力装置14はプリンターなどでも構わない。
データ保持部11は、設計項目データや計算途中あるいは解析途中のデータを保存する。データ保持部11は、RAM、ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどの記録媒体である。
又、プログラム保持部12は、CPUに対して、各設計マージン、不良モード間の相関度合の算出や、設計最適化や因果・相関分析などを実行させるためのプログラムを保存する。プログラム保持部12は、RAM、ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどの記録媒体である。このようなプログラムを保持した記録媒体によれば、プログラムの保存、運搬、販売などを容易に行うことができる。
(信頼性解析方法)
次に、本実施形態に係る多目的設計における信頼性解析方法について、図2を用いて、具体的な流れを説明する。
(イ)まず、図2(a)に示すステップS101において、応答曲面近似式作成モジュール10aは、各設計項目Yについて、設計変数Xに関する応答曲面近似式:Y=Response(X)(Response(X)は、例えば、直交多項式とする。)を作成する。そして、コンピュータを利用した数値シミュレーションあるいは実験・試験により得られた設計項目データについて、平均値μと標準偏差σを利用して設計空間を標準化あるいは正規化する。ここで、「設計空間」とは、設計項目に関わる各変数を軸とした空間を指す。よって、変数の数が2つであれば二次元、3つであれば三次元、それ以上であれば多次元の空間となる。
又、「標準化」とは、各設計項目データの確率分布形を仮定しない場合の変換を指し、「正規化」とは、確率分布形を仮定する場合の変換を指す。標準化の方法としては、例えば、式(1)に示す方法が考えられる。式(1)では、Xは設計変数、μは平均値、σxiは標準偏差、uは標準化後の設計変数を示している。平均値を0、標準偏差を1として標準化を行っても良い。
=(X−μ)/σxi ……(1)
又、正規化の方法としては、例えば、式(2)に示すように、各設計変数の確率分布を考慮に入れて、各設計変数を標準正規確率変数に変換する方法などが考えられる。式(2)では、Xは設計変数、uは正規化後の設計変数、Fxiは各設計項目の確率分布関数、Φ−1は標準正規分布関数の逆関数を示している。
=Φ−1{Fxi(X)} ……(2)
各設計項目データや応答曲面近似式、標準化・正規化された設計空間はデータ保持部11に保存される。
(ロ)次に、ステップS102において、限界曲面表現モジュール10bは、標準化あるいは正規化した設計空間上で、応答曲面近似式を利用して、スペック限界曲面をスペック毎に表現する。例えば、標準化の場合であれば、式(1)において、Xがスペック値となる際の曲面をuにより表現する。「スペック限界曲面」とは、許容領域と非許容領域の界面、あるいは、不良が発生する領域と不良が発生しない領域の界面を指す。許容領域と非許容領域の界面とは、例えば、設計項目が冷却特性であれば、許容温度や熱抵抗の許容値を指す。又、不良が発生する領域と不良が発生しない領域の界面とは、例えば、設計項目がはんだ接合部強度特性であれば、破損領域と非破損領域の界面を指す。又、設計項目が調達可能性/生産可能性/環境性/保守性/コストの場合でも、許容領域と非許容領域の界面をスペック限界曲面と捉えることが可能である。表現されたスペック限界曲面は、データ保持部11に保存される。
(ハ)次に、ステップS103において、信頼性指標算出モジュール10c及び相関度合算出モジュール10dは、パラメータ(指標)として使用される、標準正規変換型AFOSMによる信頼性指標及び各不良モード間の相関度合を算出する。信頼性指標及び各不良モード間の相関度合は、データ保持部11に保存される。このパラメータ算出処理については、後に詳述する。
(ニ)次に、ステップS104において、設計最適化モジュール10eは、信頼性指標と不良モード間の相関度合をパラメータとした設計最適化を行う。設計最適化処理の結果は、データ保持部11に保存される。この設計最適化処理については、後に詳述する。
(ホ)次に、ステップS105において、因果・相関関係分析モジュール10fは、信頼性指標と不良モード間の相関度合をパラメータとした構造方程式モデリングによって因果・相関関係の分析を行う。因果・相関関係分析の結果は、データ保持部11に保存される。この因果・相関関係分析処理については、後に詳述する。
図2(a)では、パラメータ算出処理(ステップS103)の次に、設計最適化処理(ステップS104)及び因果・相関関係分析処理(ステップS105)を行っているが、図2(b)に示すように、パラメータ算出処理(ステップS103)の次に、設計最適化処理(ステップS104)のみを行ってもよく、図2(c)に示すように、パラメータ算出処理(ステップS103)の次に、因果・相関関係分析処理(ステップS105)のみを行ってもよい。
次に、パラメータ算出処理(ステップS103)の詳細について、図3〜6を用いて説明する。パラメータ算出処理では、(1)標準正規変換型AFOSM、あるいは(2)モンテカルロ法などの信頼性解析法により信頼性指標と各不良モード間の相関度合を算出する。
まず、標準正規変換型AFOSMを用いた場合のパラメータ算出処理ついて説明する。
(イ)図3のステップS201において、信頼性指標算出モジュール10cは、m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する。具体的には、図4に示すように、基本確率変数ベクトルXを互いに独立な標準正規確率変数ベクトルUに変換し、互いに独立な標準正規空間(u-空間) における原点から不良発生限界曲面までの最短距離を信頼性指標βとして定義する。Xが互いに独立であるならば(3)式を用いてXはUに変換することができる。 Xが独立でない場合は、Rosenblatt変換により独立な標準正規確率変数に変換可能である。(ただし、正規分布や対数正規分布である場合を除き、Xが任意の確率分布の場合、変換の過程において条件付確率密度関数の計算に数値解析が必要となる。)
Figure 0004028490
ここで、(3)式は非線形変換である。
u-空間における不良発生限界曲面gu (u)=0を設計点u*で接する超平面で近似し、原点からこの超平面への最短距離として求められた信頼性指標βを用いて、(4)式により不良発生確率の近似値が算出される。ここでΦは標準正規確率分布関数である。
Figure 0004028490
(ロ)次に、ステップS202において、相関度合算出モジュール10dは、各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する。具体的には、各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)から算出する場合と、各スペック限界曲面の各不良発生領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)から算出する場合とについて、以下に説明する。
内積 rij(i,j=1〜m,i>j)から算出する場合は、図5に示すように、標準正規型の信頼性指標を求める過程において、標準正規空間における不良発生限界曲面gi(u)=0の設計点u*で接する超平面の単位方向余弦ベクトルaiを算出する。−ai T u =ziとした場合、ziとzjの相関係数rijはai T a jとなる。ai T a jは原点から各不良発生限界曲面上の設計点(原点から限界曲面までの最短距離の点)を結ぶ各単位方向ベクトルの内積を示しており、各信頼性指標間の相関度合を示している。この内積値を不良モード相関度合として定義する。
面積 rij(i,j=1〜m,i>j)から算出する場合は、図6(a)に示すように、結合標準正規分布関数の規定のパーセント点(例えば99%点)からなる円形状面積と各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域の重なる面積(図6における斜線部)を求める。この面積を不良モード相関度合として定義する。又、図6(b)に示すように、各不良発生領域を設計点における接平面で近似し、この領域の重なった面積を不良モード相関度合としてもよい。
不良モードが複数存在する場合の結合不良発生確率は(5)式により表現できる。
Figure 0004028490
通常、結合標準正規確率分布Φ(β, R) を解析的に解くのは困難な場合が多い。又、数値解析を行う場合でも各変数が任意の確率密度関数の場合には多大なイテレーションを必要とする場合が多く、計算効率と精度が問題となる。更に、不良発生確率に換算した場合、スペック限界までの最短距離βiと各不良モード間の相関度合rijが信頼性に及ぼす影響度に関する情報が失われてしまう。そこで本実施形態では、トータルの不良発生確率をモンテカルロシミュレーションで求めることとは別に、βi と rijを指標として信頼性ベースの多目的最適化あるいは多変量解析を行う。
(ハ)標準正規変換型AFOSMは基本確率変数の確率分布を考慮に入れているが、基本確率変数ベクトルXから互いに独立な標準正規確率変数ベクトルUへの変換が非線型変換であるために、x-空間で限界状態面が線形であっても変換された限界状態面は非線形となり、この非線型性が強い場合には近似に伴う誤差が大きくなる場合があるため注意を要する。そのため、ステップS203において、限界状態面の非線形効果を考慮してスペック限界までの最短距離βiや各不良モード間の相関度合rijを、スペック限界状態面の曲率や凹凸度合、重なり度合に応じて、補正係数を加味する、あるいは、スケール変換した関数を考慮することにより多目的最適化や因果・相関分析(多変量解析)を行っても良い。
例えば、スペック限界曲面が大きな非線形性を有する場合あるいは凹凸がある場合、以下の処理などを行うことで方向余弦を決定することができる。
(1)最短距離から距離の小さい順に順次複数の距離を選定し、各信頼性指標と各方向余弦を求めた後、各方向余弦の合成ベクトルを方向余弦として算出する。
(2)各設計空間を領域分割することにより領域毎の設計点における方向余弦を求め、各不良モード間の内積として、目標とする内積値から最も離れた値、あるいは、最も近い値、あるいは、平均値を採用する。
(3)各設計空間を領域分割することにより領域毎の設計点における方向余弦をすべて求め、各不良モード間の内積として、すべての組み合わせについて算出し不良モードの相関指標として採用する。
(4)凹凸を有する曲面をフィルタリングすることによりスムージングした上で、最短距離を求め、設計点における方向余弦を算出する。
次に、モンテカルロ法を用いた場合のパラメータ算出処理ついて説明する。
(イ)図3のステップS201において、信頼性指標算出モジュール10cは、モンテカルロシミュレーションによりスペック限界を満たさない不良発生確率を算出することにより標準正規分布逆関数から信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する。
(ロ)次に、ステップS202において、相関度合算出モジュール10dは、各スペック限界曲面上の設計点周辺におけるサンプリングデータから各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する。具体的には、各設計変数について、モンテカルロ法により、各設計変数の確率分布に従う乱数(サンプリングデータ)を算出し、スペック限界曲面を満たさないサンプリング数より不良発生確率を算出する。得られた不良発生確率から、標準正規分布逆関数により信頼性指標を求めることが可能である。このとき、スペック限界曲面上のサンプリング点の中から、各設計変数の平均値からなる点までの距離が最短となるサンプリングデータを設計点とし、その周辺のサンプリングデータからスペック限界曲面の方向余弦を算出する。各不良モード相関は、各スペック限界曲面の方向余弦間の内積から求めることが可能である。
次に、設計最適化処理(ステップS104)の詳細について、図7を用いて説明する。設計最適化処理では、各設計項目について標準正規変換型AFOSMの中で得られる各信頼性指標βiと各不良モード間の相関度合rijを指標として、多目的設計における信頼性ベースの最適化を行う。
(イ)まず、ステップS301において、設計最適化モジュール10eは、目的関数と制約条件とを設定し、ステップS302において、設計最適化モジュール10eは、最適解集合を算出する。最適化にあたっては、各信頼性指標あるいは不良モード間の相関度合の間にトレードオフの関係が存在する場合もあるため、パレート解集合を求める最適化アルゴリズムが必要となる。多目的最適化アルゴリズムとしては、ε制約法や多目的遺伝的アルゴリズム(Multi Objective Genetic Algorithm: MOGA)などのパレート解集合を求める手法が提案されている。信頼性指標や各不良モード間の相関指標を目的関数あるいは制約条件とすることで、信頼性ベースの最適解集合の抽出が可能である。又、全設計項目に対するトータルの結合不良発生確率は、各設計項目の設計マージンの間に存在する相関の強さに依存するため、各信頼性指標間の相関度合を考慮に入れることも必要な場合があると考えられる。そのため、標準正規型AFOSMと多目的最適化アルゴリズムを組み合わせて各信頼性指標を目的関数として最適化を行う過程において、各内積ai T a jを算出し、各信頼性指標の相関度合を(1)制約条件あるいは(2)目的関数として追加することで、設計マージン間の相関を考慮して、信頼性指標による多目的最適化を行うことも可能である。ここで、不良モード間の相関の強さ、つまり各不良モードが同時に発生する可能性の高さは、一般的に各設計変数の適正化の容易さの観点から低い方が望ましいが、同時に各不良モードを発生させトータルの不良発生確率を小さくする方が良い場合もあると考えられるため、望目特性とした。nは設計変数の数、_min、_maxは各変数の最小値および最大値、_specは各パラメータのスペック値をそれぞれ示している。
(1) Maximize βi ( i=1,・・・,m)
Subject to uk_min < uk < uk_max ( k=1,・・・,n)
βii_soec ( i=1,・・・,m)
rij_spec_min < ai T a j < rij_spec_max ( i, j =1,・・・,m)
(2) Maximize βi ( i=1,・・・,m)
Optimize ai T a j ( i, j =1,・・・,m)
Subject to uk_min < uk < uk_max ( k=1,・・・,n)
βii_soec ( i=1,・・・,m)
このような多目的最適化アルゴリズムにより、例えば、目的関数や制約条件の種類や範囲を変化させつつ、それに対応した各最適解集合を求める。
(ロ)次に、ステップS303において、設計最適化モジュール10eは、各信頼性指標βi ( i=1,・・・,m)と各不良モード間の相関度合rij と各設計変数の確率分布パラメータの間のデータ構造を把握する。
(ハ)次に、ステップS304において、表示モジュール10gは、各設計案について信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)との最適解集合を出力装置14に表示する。具体的には、後述する図13のような画面が表示される。
次に、因果・相関関係分析処理(ステップS105)の詳細について、図8及び図9を用いて説明する。
重回帰分析では、単一の目的変数と説明変数間の関係を分析可能であるが、多くの目的変数と説明変数間の関係を分析するには不十分である。又、従来の(偏)相関分析では、各変数間の相関が直接相関か間接相関か擬似相関かを判断することが困難な場合が多い。そこで、因果・相関関係分析処理では、多目的設計(複合領域)における多くの設計項目に関する信頼性指標や不良モード間の相関度合と設計変数間のメカニズムを分析する。
(イ)まず、ステップS401において、因果・相関関係分析モジュール10fは、多目的設計空間領域の分類を行う。具体的には、多目的設計空間を従来技術のクラスター分析や自己組織化マップなどにより類型化し領域分類を行う。
(ロ)次に、ステップS402において、因果・相関関係分析モジュール10fは、観測変数、潜在変数、因果・相関関係の設定を行う。
(ハ)次に、ステップS403において、因果・相関関係分析モジュール10fは、因果・相関モデルの抽出を行う。ここで、多変量解析としては、複合領域に潜む潜在変数(潜在的な共通因子や構成概念)を含めた因果・相関関係モデルを構築可能な構造方程式モデリング(Structural Equation Model)を導入することが可能である。構造方程式モデリングは、社会・自然現象の因果関係を調べるためにJoreskog や Lawleyらを中心に開発された比較的に新しい統計的手法であり、近年、社会・人文科学分野およびマーケティング分野における新世代の多変量分析手法として広く利用され始めている。特徴としては、直接観測できない潜在変数を統計モデルに反映し因果関係を分析することが可能であること、いくつかの仮説について自由に統計モデルを形成しその妥当性を検証する中で因果関係を調べることが可能な検証的分析方法であることが挙げられる。構造方程式モデリングにより、各設計マージン(信頼性指標)間の因果・相関関係を縮約したかたちで抽出することができ、複合領域の信頼性設計に役立てることが可能となる。
信頼性指標と不良モード間の相関度合をパラメータとした構造方程式モデリングを実施する方法を以下(1)〜(3)に示す。
(1)構造方程式の作成
構造方程式モデリングでは潜在変数の構造方程式を以下のように表現する。
t = A t + u ……(6)
ここで,tは以下の構造変数ベクトルである。
t = [ f , v ]T ……(7)
構造変数には、構成概念fと、観測変数vが含まれる。tのサイズは(nf+nx)×1である。 f は確率変数fjを要素としもつサイズnfの確率ベクトル、vは確率変数viを要素としもつサイズnxの確率ベクトル、eは確率変数eiを要素としもつサイズnxの確率ベクトルを示している。uは以下に示す外生変数ベクトルである。外生変数には構成概念fに関する残差変数dと、観測変数vに関する残差変数eが含まれる。
u = [ d , e ]T …… (8)
サイズは(nf+nx)×1である。残差変数であるため、fのi番目の要素が外生変数であればdのi番目の要素はf iとなり、fのi番目の要素が内生変数であればdのi番目の要素は誤差変数d iとなる。同様に、vのi番目の要素が内生変数であればeのi番目の要素は誤差変数eiとなる。行列Aは以下のように表現できる。
Figure 0004028490
Aのサイズは(nf +nx)×(nf +nx)である。ここで、Aa,Ab,Ac,Adは以下のとおりである。
Aa: 構成概念f jから構成概念f iへの規定力を表現する係数αaijをij要素に配したサイズ(nf+nf)の係数行列
Ab: 構成概念f jから観測変数xiへの規定力を表現する係数αbijをij要素に配したサイズ(nx+nf)の係数行列、因子負荷行列、影響指標の行列ともいう
Ac: 観測変数xjから観測変数xiへの規定力を表現する係数αcijをij要素に配したサイズ(nx+nx)の係数行列
Ad: 観測変数xjから構成概念fiへの規定力を表現する係数αdijをij要素に配したサイズ(nf+nx)の係数行列、形成指標の行列ともいう
これらをまとめると以下のように表現できる。これにより、構成概念から観測変数あるいは、観測変数から観測変数への規定力だけではなく、構成概念から構成概念と、観測変数から構成概念への規定力も扱うことが可能となる。
Figure 0004028490
信頼性指標と不良モード間の相関度合をパラメータとした構造方程式モデリングでは、信頼性指標、不良モードの相関度合、各設計変数の確率分布パラメータ値が観測変数vとなる。構成概念f、行列Aa 、Ab 、Ac 、Adの各成分については、想定される複数の因果・相関モデルを立てる中で、その成分を考慮するかどうかを決める。又、各変数間の相関も同様に、想定される複数の因果・相関モデルを立てる中で、その相関を考慮するかどうかを決める。
例えば、図9に示す因果・相関モデルを仮説として立てた場合、αb41, αb51, αb42, αb52, αb61, αb62, αd11, αd13, αd22, αd23の成分と、設計変数1の確率分布パラメータX1と設計変数2の確率分布パラメータX2の相関を考慮したことになる。
(2)構造方程式モデルの共分散構造
観測変数の共分散行列をモデルの母数によって構造化する。まず構造変数ベクトルから観測変数のみをv = G tを使って取り出す。これを選択方程式といる。G=[ 0, I ]のようにゼロ行列と単位行列を横に並べたサイズnx×(nf+nx)の矩形の定数行列である。構造方程式より以下を得る。
v = G T u ……(11)
それゆえ観測変数の共分散構造は以下となる。
Σ = E [v v’ ]
= E [GT u(GTu)’ ]
= E [G T uu’ T’ G’ ]
= G T E [uu’ ] T’ G’
= G T Σu T ’ G’’ ……(12)
ここでΣu は以下のように表現された残差ベクトルの共分散行列である。
Figure 0004028490
確率変数viを要素としもつサイズnxの確率ベクトル、eは確率変数eiを要素としもつサイズnxの確率ベクトル、Aはi行j列に要素αijをもつサイズnx×nfの母数行列を示している。ここでeはvが外生変数であればviを、内生変数であればeiをi番目の要素としてもつサイズnxの残差ベクトルという。
(3)母数(パラメータ)の推定
観測データの分散共分散行列と、構造方程式モデルから再現された分散共分散行列が、できるだけ一致するようにパス係数と分散を求める。このような解を求める方法としては主に最尤法と最小2乗法があるが、ここでは最尤法について示す。母集団を固定された存在とみなし誤差を有する観測データから真の母集団を推測する古典的推定法と異なり、最尤法の考え方では、得られた標本データを固定したものと考えた上で、そのデータが得られる確率が最も高い母集団を想定し、パラメータを求める。このような解は対数尤度関数の最大化として求められる。構造方程式モデリングの最尤法では以下に示すような観測データとモデルとの差を最小化することによりパラメータ値を決定する。平均を利用しない場合には、以下の+Mの項が省略される。
Figure 0004028490
モデリングにあたっては,実際のデータとモデルの適合度をGFI(Goodness of Fit Index)やAIC(Akaike’s Information Criteria)などの指標を元に検証しつつ、信頼性指標、不良モードの相関度合、各設計変数の確率分布パラメータ値に関する統計モデルを改良・修正していき、適切な因果・相関モデルを抽出する。
(ニ)次に、ステップS404において、因果・相関関係モジュール10fは、多目的設計(複合領域)における多くの設計項目に関する信頼性指標や不良モード間の相関度合と設計変数間のメカニズムを把握する。
(ホ)次に、ステップS405において、表示モジュール10gは、信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)と設計変数とスペックとの間に潜む因果・相関関係を出力装置14に表示する。
(本実施形態に係る信頼性解析装置、方法、プログラムの作用及び効果)
従来の信頼性解析法の中で、近似不良発生確率を求める過程において、各不良モード間の相関を利用する場合もあったが、多目的設計の多目的最適化アルゴリズムや、多目的設計空間に潜む因果・相関分析において、信頼性指標と各不良モード間の相関度合の両方を、最適化アルゴリズムあるいは因果・相関分析アルゴリズムの指標としては利用していなかった。
本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムによると、各設計変数あるいはスペックの不確実性を考慮した上で、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合を指標として多目的設計最適化を行うことや、複数の設計マージンや各不良モード間の相関度合と各設計変数との間に潜む因果・相関関係を明らかにすることを支援することが可能となる。これにより、スペック限界までの最短距離βiと各不良モード間の相関度合rijが信頼性(トータルの不良発生確率)に及ぼす影響度情報を失うことなく、信頼性ベースの設計最適化や多変量解析が可能となり、各設計マージン/不良モード間の相関度合/設計変数/潜在変数間の関連図とその関連度合を明らかにすることができる。
又、本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムにおいて、多目的設計最適化を行う際、多目的遺伝的アルゴリズムを用いることができる。このため、容易に多目的設計最適化を行うことができる。
又、本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムにおいて、各設計案について信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)との最適解集合を出力装置に表示することができる。このため、最適解集合を容易に認識することができる。
又、本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムにおいて、因果・相関関係を分析する際、構造方程式モデリングを用いることができる。このため、各設計マージン(信頼性指標)間の因果・相関関係を縮約したかたちで抽出することができ、複合領域の信頼性設計に役立てることができる。
又、本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムにおいて、信頼性指標βi(i=1〜m)と相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)と設計変数とスペックとの間に潜む因果・相関関係を出力装置に表示することができる。このため、因果・相関関係を容易に認識することができる。
又、本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムにおいて、相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する際、各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)、あるいは、各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することができる。このため、各スペック限界曲面の重なり度合を正確に算出することができる。
又、本実施形態に係る信頼性解析装置、信頼性解析方法、信頼性解析プログラムにおいて、相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する際、各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、スケーリングすることができる。このため、近似に伴う誤差を小さくすることができる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援装置のCPU10内の各モジュールは、一つのCPU10内にあると記述したが、複数のCPU10に分けて備えられていても良い。その際、複数のCPU10間でデータのやりとりが行えるようにバスなどで装置間を接続する。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
次に、本実施形態に係る信頼性解析方法を半導体パッケージの実装構造設計に適用した実施例について、以下に説明する。
半導体パッケージの実装構造設計においては、半導体の高機能化・高発熱化に伴い、信号伝送特性や機械的特性に関する設計スペックに対し、マージン(余裕度)が小さくなる方向にある。そのため、信頼性設計において、想定する各実装設計案に対し、信号伝送特性/冷却特性/接合部熱疲労特性などの多くの設計項目について、設計に内在する不確実性を考慮した上で統合的にスペック限界までのマージンを評価することが一層重要になると考えられる。
ここでは、標準正規化した設計空間におけるスペックまでの距離(信頼性指標β)を指標として評価する手法を導入し、多くの設計項目が存在する複合領域の信頼性解析を行う方法を試みた。CPUモジュールの実装構造設計に試適用することにより、提案手法の有効性を検討した。
<対象>
図10に示すように、半導体パッケージの実装形態としては、(a) 2つのフリップチップ20を実装したSystem in Package (SiP)、(b)ワンチップのSystem on Chip (SoC)、(c)フリップチップBGAパッケージ24を2つ並べたSingle Chip Module (SCM)、の3つの実装形態を対象とした。冷却構造(モジュール全体の発熱量は80Wを仮定)としては、それぞれのチップの直上に、熱伝導グリースを介して放熱器(フィン)を配置した構造を想定した。ここで、SCMにおいては1PKGあたりのピン数が500ピン程度、SiPとSoCでは900ピン程度に相当するPKG(チップ寸法はSiP,SCMでは10mm角、SoCの場合は15mm角を仮定)を仮想的に設定した。
各設計案は、実装形態種類(SiP、SoC、SCM)、インターポーザ種類(樹脂基板、セラミック基板1、セラミック基板2)、インターポーザ寸法(30〜60mm角)、チップ間隔(SiPの場合:5〜15mm)の組み合わせから実現可能な58通りを評価対象とした。ただし、インターポーザの寸法はピンピッチを1.0mmとして4,6,8列、Full gridのそれぞれの場合に対応して決定した。設計項目としては、CPUモジュール設計において重要な、信号伝送特性(信号遅延時間,電圧損失)、モジュール熱抵抗、接合部熱疲労寿命(Inner Lead Bonding: ILB,Outer Lead Bonding: OLB)を対象とした。設計スペックは、信号伝送損失(30%以下)、信号伝送遅延(波長の1/4以下)、接合部必要寿命(温度サイクル試験(125℃⇔-40℃)にて1000サイクル以上)、チップ許容温度(85℃以下)、モジュール許容高さ(60mm以下: 冷却構造含む)を仮想的に想定した。
<応答曲面近似式作成処理>
1)信号伝送解析
まず、各インターポーザについて特性インピーダンスZ0が50Ω程度になるように配線のライン&スペース(配線幅,配線厚,絶縁層厚)を概算した。次に、準TEM近似をベースに信号伝送解析を行い、伝送損失特性(=導体損失+誘電損失 dB)と伝送遅延特性(遅延時間 nsec)の近似式を求めた。ただし、信号伝送配線としてマイクロストリップラインを想定し、設計変数は、周波数、インターポーザ材料特性(比誘電率εr、誘電正接tanδ),配線間距離Lとした。又、配線における不連続部や負荷容量の影響は、各実装形態について周波数に応じた修正係数(電磁界解析により算出)を乗じることにより考慮する。
Figure 0004028490
2)熱解析
冷却特性(=熱抵抗スペックR−放熱器熱抵抗Rf−接触熱抵抗Rs)は、まず、熱抵抗スペックRをチップ最高温度、環境温度、発熱量から求め、次に、接触熱抵抗Rs(熱伝導グリースに関するRsとチップ上面荷重との実測相関データより設定)と放熱器熱抵抗Rfを算出し、冷却特性(Rf+Rs)に関する応答曲面近似式を作成した。ただし、設計変数は、流量 (l/min)、放熱器熱伝導率(W/mK)、放熱器ベース厚(mm)、放熱器寸法(ただしフィンピッチ 2mm, 板厚 0.5mm)、発熱量、チップ温度、面積、環境温度とし、接触熱抵抗は、チップ上面荷重の温度サイクル時の変動を考慮し、各実装形態について最大値を設定した。
3)はんだ接合部応力解析
実験計画法に基づくサンプリングと応力シミュレーション結果に基づき、熱疲労寿命と相関のあるILB部とOLB部の非弾性ひずみ範囲に関する応答曲面近似式(RSM)をSiP、SCM、SoCのそれぞれの場合について算出した。ただし、チップ寸法、インターポーザ寸法、チップ間距離 (SiPの場合のみ)、ピン数、インターポーザ材料特性(弾性率,線膨張率)を設計変数とした。
<パラメータ算出処理>
図3に示したフローチャートに従い、各設計項目に関するβを指標に信頼性解析を行った。ここでは、各設計変数の不確実性は一律に±20%(正規分布,99%点)と仮想的に設定した。各設計項目に関するβを全設計案に対し算出したマップを図11に示す。又、ILBとOLBの非弾性ひずみ範囲については、それぞれの信頼性指標β1、β2に加え、各不良モード間の相関度合r12の関係マップを図12に示す。ここで、β1はILBの信頼性指標、β2はOLBの信頼性指標、β3は信号遅延の信頼性指標、β4は信号損失の信頼性指標、β5は冷却特性の信頼性指標をそれぞれ示している。
図11及び図12より、今回想定したスペックに対する各設計案のマージンや各不良モード間の相関度合を、信頼性指標βi(大きな値ほどマージン大)や相関指標rijにより把握することが可能であることがわかる。ここで、各設計項目が独立の場合には、信頼性指標βは、不良発生確率Pfと関連付けることが可能である(例えばβ=1,2,3に対しそれぞれPf = 1.6×10-1, 2.3×10-2, 1.3×10-3)。
<設計最適化処理>
図7に示すフローチャートに従い、信頼性指標β1と不良モードの相関値r12を指標としてパレート最適解を求めた。ここでは、信頼性指標β1と不良モードの相関値r12を目的関数として、信頼性指標β1ができるだけ大きな値に、又、不良モードの相関値r12ができるだけ小さな値になるようなパレート解集合を求めた。得られたパレート解を図13に点線で示す。これにより、設計マージンを確保しつつ、各不良モード間の相関値を小さくできる設計案を選定するのに有効である。一般的に、不良モード間の相関度合が小さい方が、設計改善に向けた方針を立てる際、設計変数を変更した場合に他の不良モードに影響を与える恐れが小さいため、変更に対する柔軟性を有し望ましいと考えられる。ただし、不確実要因に対するトータルの不良発生確率を小さくすることことのみが目的の場合には、各不良モード間の相関度合を大きくし、同時に複数の不良モードを発生させる場合が望ましい場合もあるため、望ましい各不良モード間の相関度合は状況に応じて設定する必要がある。
<因果・相関関係分析処理>
ここでは、設計ノウハウの蓄積において重要な複合領域の現象に潜んでいるメカニズム(因果・相関関係)を設計マージン(信頼性指標βi)と不良モード間の相関度合(相関指標rij)の観点から明らかにした例を示す。
信頼性指標と相関指標を用いて設計変数と設計マージン・不良モード相関との間の統計モデルを多変量解析手法(構造方程式モデリング)により探った検証結果を図14に示す。ただし、SCMの場合についての検証結果を示している。
設計変数としては、インターポーザの種類(1.樹脂基板、2.セラミック基板1、3.セラミック基板2)、インターポーザ寸法(30〜60mm角)、ピン数(500〜1000ピン)、チップ寸法(10〜20mm)を選び、実験計画法L81 により構造方程式モデリング用のデータを作成した。ここで、各設計変数の不確実性については、すべての変数について正規分布を仮定し、設定値±20%の範囲内に99%の確率で存在するような確率分布を設定した。信頼性指標としては、ILB接合部の熱疲労寿命に関する信頼性指標β1、OLB 接合部の熱疲労寿命に関する信頼性指標β2、信号電圧損失に関する信頼性指標β3、信号遅延時間に関する信頼性指標β4、SCMの熱抵抗に関する信頼性指標β5の5項目と、ILBとOLBの不良モード間の相関r12を対象とした。図14において、観測変数を四角形状、潜在変数を楕円形状、因果関係を単方向矢印(→)、相関関係を 双方向矢印( <−>)、誤差を丸形状で表している。単方向矢印に記載した値は標準化後のパス係数、双方向矢印に記載の値は相関係数、観測変数と潜在変数の右上に記載した値は標準化後の分散値をそれぞれ示している。ここで図4に示す因果・相関モデルの適合度は、GFI(Good of fit index)の値で0.8であった(GFIが1に近いほど適合度が高い)。2つの潜在変数は、それぞれチップ/インターポーザ/マザーボードの相対変位に関する潜在変数1と、半導体パッケージの曲げ剛性に関する潜在変数2と考えられる。潜在変数1は、チップとインターポーザの相対変位量と、インターポーザとマザーボードの相対変位量の比率と考えられ、チップとインターポーザの相対変位量が小さくなるほど、あるいは、インターポーザとマザーボードの相対変位量が大きくなるほど、潜在変数1の値が小さくなる。β1とβ2へのパス係数が正と負で符号が逆のため、β1とβ2がトレードオフ関係となる原因と考えられる。潜在変数2は、半導体パッケージの曲げ剛性が大きくなるほど大きな値となっており、β2とβ5へのパス係数が正と負で符号が逆になっているため、β2とβ5がトレードオフ関係となる原因であることがわかる。又、潜在変数2からr12へのパス係数が負の値のため、潜在変数2を大きくすれば、ILBとOLBの不良モード間の相関が小さくなる方向にあるこ
とがわかる。このように、本発明により、各設計マージン/不良モード間の相関度合/設計変数/潜在変数間の関連図とその関連度合が統計的に明らかになる。これにより、各設計マージンと不良モード相関がトレードオフ関係となるメカニズムを分析する、あるいは、設計マージンや各不良モード間の相関を改善するための設計方針を決定するのに、関連図と関連度合の情報を有効活用することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る信頼性解析装置のブロック図である。 本発明の実施の形態に係る信頼性解析方法のフローチャートである。 図2のパラメータ算出処理のフローチャートである。 標準正規変換型AFOSMの概念図である。 複数の不良モード相関の概念図である(その1)。 複数の不良モード相関の概念図である(その2)。 図2の設計最適化処理のフローチャートである。 図2の因果・相関関係分析処理のフローチャートである。 因果・相関関係モデルの例である。 半導体パッケージの実装方式概念図である。 信頼性指標のマップである。 信頼性指標と不良モード間の相関度合のマップである。 信頼性指標と不良モード間の因果・相関関係分析を示す図である。 因果・相関関係分析結果の一例である。
符号の説明
1 信頼性解析装置
10 中央処理装置(CPU)
10a 応答曲面近似式作成モジュール
10b 限界曲面表現モジュール
10c 信頼性指標算出モジュール
10d 相関度合算出モジュール
10e 設計最適化モジュール
10f 因果・相関関係分析モジュール
10g 表示モジュール
11 データ保持部
12 プログラム保持部
13 入力装置
14 出力装置
20 チップ
21 ソルダーボール
22 インターポーザ
23 マザーボード
24 フリップチップBGA

Claims (20)

  1. 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置であって、
    前記複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する応答曲面作成モジュールと、
    許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、前記応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する限界曲面表現モジュールと、
    前記設計空間の原点から前記スペック限界曲面までの最短距離を不良モードの信頼性指標としてm個の各スペック限界曲面毎に不良モードの信頼性指標を算出することにより、前記m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する信頼性指標算出モジュールと、
    前記各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、前記各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する相関度合算出モジュールと、
    前記信頼性指標βiと前記相関度合 rijとを指標として、多目的設計最適化を行う設計最適化モジュールと
    を備えることを特徴とする信頼性解析装置。
  2. 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置であって、
    前記複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する応答曲面作成モジュールと、
    許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、前記応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する限界曲面表現モジュールと、
    前記設計空間の原点から前記スペック限界曲面までの最短距離を不良モードの信頼性指標としてm個の各スペック限界曲面毎に不良モードの信頼性指標を算出することにより、前記m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する信頼性指標算出モジュールと、
    前記各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、前記各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する相関度合算出モジュールと、
    前記信頼性指標βiと前記相関度合 rij間の因果・相関関係を分析する因果・相関関係分析モジュールと
    を備えることを特徴とする信頼性解析装置。
  3. 前記相関度合算出モジュールは、前記設計空間の原点からスペック限界曲面までの最短距離となるスペック限界曲面上の点を設計点として、前記各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の信頼性解析装置。
  4. 前記相関度合算出モジュールは、前記各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の信頼性解析装置。
  5. 前記相関度合算出モジュールは、前記各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは前記各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、信頼性指標βiと相関度合 rijをスケーリングすることを特徴する請求項1〜4のいずれか1項に記載の信頼性解析装置。
  6. 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置が、
    前記複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成するステップと、
    許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、前記応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現するステップと、
    前記設計空間の原点から前記スペック限界曲面までの最短距離を不良モードの信頼性指標としてm個の各スペック限界曲面毎に不良モードの信頼性指標を算出することにより、前記m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出するステップと、
    前記各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、前記各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップと、
    前記信頼性指標βiと前記相関度合 rijとを指標として、多目的設計最適化を行うステップと
    を含むことを特徴とする信頼性解析方法。
  7. 前記多目的設計最適化を行うステップは、多目的遺伝的アルゴリズムを用いることを特徴する請求項6に記載の信頼性解析方法。
  8. 前記信頼性指標βiと前記相関度合 rij間の因果・相関関係を分析するステップを更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の信頼性解析方法。
  9. 各設計案について前記信頼性指標βi(i=1〜m)と前記相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)との最適解集合を出力装置に表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の信頼性解析方法。
  10. 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置が、
    前記複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成するステップと、
    許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、前記応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現するステップと、
    前記設計空間の原点から前記スペック限界曲面までの最短距離を不良モードの信頼性指標としてm個の各スペック限界曲面毎に不良モードの信頼性指標を算出することにより、前記m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出するステップと、
    前記各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、前記各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップと、
    前記信頼性指標βiと前記相関度合 rij間の因果・相関関係を分析するステップと
    を含むことを特徴とする信頼性解析方法。
  11. 前記因果・相関関係を分析するステップは、構造方程式モデリングを用いることを特徴する請求項10に記載の信頼性解析方法。
  12. 前記信頼性指標βi(i=1〜m)と前記相関度合rij(i,j=1〜m,i≠j)と前記設計変数と前記スペックとの間に潜む因果・相関関係を出力装置に表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の信頼性解析方法。
  13. 前記相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップは、前記設計空間の原点からスペック限界曲面までの最短距離となるスペック限界曲面上の点を設計点として、前記各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の信頼性解析方法。
  14. 前記相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップは、前記各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の信頼性解析方法。
  15. 前記相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出するステップは、前記各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは前記各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、信頼性指標βiと相関度合 rijをスケーリングするステップを含むことを特徴する請求項6〜14のいずれか1項に記載の信頼性解析方法。
  16. 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置に、
    前記複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する手順と、
    許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、前記応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する手順と、
    前記設計空間の原点から前記スペック限界曲面までの最短距離を不良モードの信頼性指標としてm個の各スペック限界曲面毎に不良モードの信頼性指標を算出することにより、前記m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する手順と、
    前記各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、前記各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順と、
    前記信頼性指標βiと前記相関度合 rijとを指標として、多目的設計最適化を行う手順と
    を実行させることを特徴とする信頼性解析プログラム。
  17. 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う信頼性解析装置に、
    前記複数の設計項目について、設計変数に関する応答曲面近似式を作成する手順と、
    許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面であるスペック限界曲面を、前記応答曲面近似式を利用して、m個のスペック毎に設計空間上で表現する手順と、
    前記設計空間の原点から前記スペック限界曲面までの最短距離を不良モードの信頼性指標としてm個の各スペック限界曲面毎に不良モードの信頼性指標を算出することにより、前記m個のスペックに対応したm個の不良モードに対する信頼性指標βi(i=1〜m)を算出する手順と、
    前記各スペック限界曲面の重なり度合を用いて、前記各不良モードの相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順と、
    前記信頼性指標βiと前記相関度合 rij間の因果・相関関係を分析する手順と
    を実行させることを特徴とする信頼性解析プログラム。
  18. 前記相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順は、前記各スペック限界曲面上の設計点における接平面の各方向余弦ベクトル間の内積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することを特徴とする請求項16又は17に記載の信頼性解析プログラム。
  19. 前記相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順は、前記各スペック限界曲面の非許容領域あるいは不良が発生する領域が重なる面積 rij(i,j=1〜m,i>j)を用いて算出することを特徴とする請求項16又は17に記載の信頼性解析プログラム。
  20. 前記相関度合 rij(i,j=1〜m,i>j)を算出する手順は、前記各スペック限界曲面の凹凸度合あるいは前記各スペック限界曲面の重なり度合に応じて、信頼性指標βiと相関度合 rijをスケーリングする手順を含むことを特徴する請求項16〜19のいずれか1項に記載の信頼性解析プログラム。
JP2004005988A 2004-01-13 2004-01-13 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム Expired - Fee Related JP4028490B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005988A JP4028490B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005988A JP4028490B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005202515A JP2005202515A (ja) 2005-07-28
JP4028490B2 true JP4028490B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=34820111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004005988A Expired - Fee Related JP4028490B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4028490B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018199387A1 (ko) * 2017-04-28 2018-11-01 성균관대학교산학협력단 전기기기 설계를 위한 최적해 산출 방법 및 장치

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4829674B2 (ja) * 2005-11-04 2011-12-07 住友化学株式会社 成形条件の設定方法、プログラムおよび射出成形機
JP4668057B2 (ja) * 2005-12-21 2011-04-13 財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 半導体装置設計支援装置、半導体装置設計支援方法、その方法をコンピュータにより実行可能なプログラム、及び、そのプログラムを記録した記録媒体
JP4785587B2 (ja) * 2006-03-24 2011-10-05 住友化学株式会社 成形条件の設定方法、プログラムおよび射出成形機
US20120036138A1 (en) * 2009-03-31 2012-02-09 Nec Corporation Method and apparatus for design space exploration in high level synthesis
JP6136977B2 (ja) * 2014-02-25 2017-05-31 マツダ株式会社 断熱層の設計方法、設計装置及び設計プログラム
JP6727089B2 (ja) * 2016-09-30 2020-07-22 株式会社日立製作所 マーケティング支援システム
CN111625937B (zh) * 2020-05-11 2024-05-14 中国人民解放军战略支援部队航天工程大学 一种非概率失效评定图可靠性分析方法
CN112504348B (zh) * 2020-12-11 2023-07-25 厦门汇利伟业科技有限公司 一种融合环境因素的物体状态显示方法和系统
CN113111310B (zh) * 2021-03-29 2022-09-06 北京理工大学重庆创新中心 多受力工况下焊点疲劳寿命测试数据归一化处理方法
CN117556642A (zh) * 2024-01-12 2024-02-13 南昌矿机集团股份有限公司 考虑不确定性的圆锥破碎机生产率可靠性分析方法
CN118094821B (zh) * 2024-04-17 2024-07-02 中国人民解放军海军工程大学 机械系统可靠度优化方法、装置、设备以及存储介质
CN118133642B (zh) * 2024-05-10 2024-07-16 武汉纺织大学 一种bga焊点参数优化方法及系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018199387A1 (ko) * 2017-04-28 2018-11-01 성균관대학교산학협력단 전기기기 설계를 위한 최적해 산출 방법 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005202515A (ja) 2005-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4028490B2 (ja) 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム
US9323870B2 (en) Method and apparatus for improved integrated circuit temperature evaluation and IC design
Zhuo et al. From layout to system: Early stage power delivery and architecture co-exploration
JP2006277370A (ja) 回路基板の品質解析システム及び品質解析方法
Juan et al. Statistical thermal evaluation and mitigation techniques for 3D chip-multiprocessors in the presence of process variations
Lee et al. Assessing the lifetime performance index of exponential products with step-stress accelerated life-testing data
CN102646146A (zh) 一种基于田口方法的散热器优化设计方法
Ferri et al. Strategies for improving the parametric yield and profits of 3D ICs
JP2004118719A (ja) 多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム
Bhat et al. Application of machine learning algorithms in prognostics and health monitoring of electronic systems: A review
Blanton et al. DREAMS: DFM rule EvAluation using manufactured silicon
Hirohata et al. Coupled thermal-stress analysis for FC-BGA packaging reliability design
CN113779839A (zh) 一种非均匀热界面材料导热效果的计算方法
Barui et al. Flexible modelling of a bivariate degradation process with a shared frailty and an application to fatigue crack data
Lu et al. Multi-objective inverse design of finned heat sink system with physics-informed neural networks
Oh et al. Probabilistic lifetime prediction of electronic packages using advanced uncertainty propagation analysis and model calibration
Springer et al. Future‐proofing photovoltaics module reliability through a unifying predictive modeling framework
Babu et al. Thermal diffusion in discontinuous media: A hybrid peridynamics-based machine learning model
JP2023010734A (ja) 温度条件の評価方法
US8543959B2 (en) Bonding controller guided assessment and optimization for chip-to-chip stacking
US20050278664A1 (en) Predicting power consumption for a chip
US20160239589A1 (en) Automatic calibration of thermal models
Palermo et al. An efficient design space exploration methodology for on-chip multiprocessors subject to application-specific constraints
Lee et al. Issues in product life cycle engineering analysis
Fahri Berk et al. Investigation of the effect and optimization of material properties on the printed circuit board

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees