JP4025963B2 - 気化圧力調整弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化圧力調整弁に係り、特に、液化ガス蒸発装置に好適な気化圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
気化圧力調整弁は、例えば液化ガス蒸発装置において、加熱手段によって内部を通流する液相の液化ガスを気化して気相の液化ガスとするための蒸発用流路の入口側に設けられる。そして、蒸発用流路から流出する気相の液化ガスの圧力に応じて蒸発用流路に流入する液相の液化ガスの流量を調整することにより、気化圧力を調整して気化圧力の変動を抑えている。このような気化圧力調整弁は、少なくとも1部がダイヤフラムで画成されたダイヤフラム室、ダイヤフラムの移動に連動して移動する弁棒に取り付けられた弁体、この弁体に対する弁座となると共に流体が通流する流路が形成された弁座部材、そして弁体及び弁座部材が設けられて流体が通流する流体室などを有している。流体室には、液化ガス蒸発装置の熱交換器に流入する前の液相の液化ガスが通流し、ダイヤフラム室は、気相の液化ガスが通流する管路などに連通するように設置される。
【0003】
従来の気化圧力調整弁では、弁座部材は、弁棒の周囲に同軸に筒状に形成された流路を有している。弁座部材の筒状に形成された流路の入口側の開口周囲には、リング状の突起部が形成されている。また、弁体は、弁棒の端部に固定されており、弁体の弁座部材に面する面は、ゴムなどの弾性材料で覆われており、弾性材料は、弁棒周囲で盛り上がった形状に形成されている。このような、従来の気化圧力調整弁では、弁座部材の突起部の先端部分が弁体の弾性材料で覆われた面に当接することで弁を閉じ、ダイヤフラム室内の圧力に応じて弁座部材の突起部の先端部分と弁体の弾性材料で覆われた面との間隔が変わることで流体の流量を調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の気化圧力調整弁では、例えば液化ガス蒸発装置に設けた場合において、気相の液化ガスの使用量つまり流量が比較的少なく気化圧力調整弁が比較的低流量で液相の液化ガスの流量を調整しなければならない場合など、弁が閉じた状態から開き始めたとき、弁座部材の突起部の先端部分が弁体の弾性材料で覆われた面から離れると、急に必要以上の大きな開口面積となる場合がある。このとき、液化ガスの使用量に対して必要量以上の液相の液化ガスが液化ガス蒸発装置の熱交換器に流れ込んでしまう。必要量以上の液相の液化ガスが液化ガス蒸発装置の熱交換器に流れ込むと、気化圧力が上がり、これにより弁が閉じてしまい、弁が閉じると気化圧力が下がるため、また弁が開き、また弁が開くことによって気化圧力が再び上がり、また弁が閉じてしまうという動作を繰り返すことになる。
【0005】
このように、従来の気化圧力調整弁では、気相の液化ガスの使用量つまり流量が比較的少ないなどの条件によって、弁の開口面積の増加率が大き過ぎ、必要量以上の液相の液化ガスが液化ガス蒸発装置の熱交換器に流れ込むことにより弁の開閉動作が繰り返されることになる。したがって、気化圧力が安定しなくなる場合があり、十分な気化圧力調整能力が得られない。このため、気化圧力調整弁の気圧調整能力の向上が望まれている。
【0006】
本発明の課題は、気化圧力調整能力を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の気化圧力調整弁は、少なくとも1部がダイヤフラムで画成されたダイヤフラム室と、ダイヤフラムの移動に連動して移動する弁棒に取り付けられた弁体と、この弁体に対する弁座となると共に流体の流路が形成された弁座部材と、弁座部材に対する弁座となると共に流体の流路が形成された筒状部材と、弁体、弁座部材、及び筒状部材が設けられて流体が通流する流体室とを有している。弁体は、弁棒の周囲に同軸に形成され、突出方向に向かって漸次縮径する円錐台状の凸部と、この凸部とは別個に形成されて弁棒の端部に固定された台座部とを有し、凸部は、台座部と、弁棒に設けられて凸部の移動範囲を規制する規制部との間で弁棒に沿って移動可能であり、かつ凸部の内周面と弁棒の外周面との間には隙間が形成されている。弁座部材は、弁棒と同軸に形成され、弁体の凸部に対応した形状で内部に向かって漸次縮径し、弁座部材に形成された流路に連通する凹部と、凹部の周囲に形成されたリング状の突起部とを有するとともに、凸部と、弁棒に設けられて弁座部材の移動範囲を規制する規制部との間で弁棒に沿って移動可能に形成されている。そして、弁体の凸部の外周面と弁座部材の凹部の内周面とが当接すること、弁体の台座部の凸部側の面と弁座部材の突起部とが当接すること、及び弁座部材と筒状部材とが当接することによって弁を閉じるとともに、ダイヤフラム室内の圧力に応じた弁棒の弁を開く方向への移動に連れて、流体の通流経路が、弁体の前記台座部と凸部との隙間、及び凸部の内周面と弁棒の外周面との隙間を通る第1経路から、弁体の凸部の外周面と弁座部材の凹部の内周面との隙間を主として通る第2経路へ変わり、さらに第2経路に加えて弁座部材と筒状部材との隙間を通る第3経路へ順次変わることによって流体の流量を調整する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0008】
このような構成とすれば、弁体に形成された凸部のテーパー状の面である外周面と弁座部材に形成された凹部のテーパー状の面である内周面との間隔で弁の開口面積が決まる。このため、従来の気化圧力調整装置に比べて開口面積の増加率を低減することができ、例えば気相の液化ガスの使用量つまり流量が比較的少ないなどの条件下などでも、弁の開閉動作が繰り返され、気化圧力が安定しなくなるような状態になり難い。したがって、気化圧力調整能力を向上できる。
【0010】
また、弁の開口面積の増加率を従来の気化圧力調整装置に比べて低減して気化圧力調整能力を向上できるのに加え、弁体の凸部の外周面と弁座部材の凹部の内周面とが当接すること、及び弁体の台座部の凸部側の面と弁座部材の突起部とが当接することによって弁を閉じるため、弁のシール性が向上し、信頼性が向上できる。したがって、気化圧力調整弁の気化圧力調整能力及び信頼性を向上できる。
【0012】
また、ダイアフラム室の圧力が下がり弁が開き始める際、最初、弁体の台座部と凸部との隙間、及び凸部の内周面と弁棒の外周面との隙間を通る経路(第1経路)が開き、この経路の開口面積の増加率が、弁の開口面積の増加率となる。さらに、弁棒が移動すると、弁体の凸部の外周面と弁座部材の凹部の内周面との隙間を通る経路(第2経路)が開き、この経路の開口面積の増加率が、弁の開口面積の増加率となる。さらに、弁棒が移動すると、第2経路に加えて弁座部材と筒状部材との隙間を通る経路(第3経路)へ順次変わる。このため、弁が閉じた状態から開き始める最初の段階では、弁体の台座部と凸部との隙間、及び凸部の内周面と弁棒の外周面との隙間という、より狭い流路、つまりより小さな開口面積の流路を流体が通流するため、弁の平均的な開口面積の増加率以上に開口面積が増加するのを抑えることができる。したがって、弁の開閉動作が繰り返され、気化圧力が安定しなくなるような状態を一層起こり難くでき、気化圧力調整能力を一層向上できるので好ましい。
【0013】
また、加熱手段によって内部を通流する液化ガスを加熱する蒸発用流路の入口側に設けられ、蒸発用流路から流出するとともにダイヤフラム室に連通する気相の液化ガスの圧力に応じて蒸発用流路に流入する液相の液化ガスの流量を調整する気化圧力調整弁として上記の気化圧力調整弁を備えた構成の液化ガス蒸発装置とする。
【0014】
このような構成の液化ガス蒸発装置とすれば、気化圧力が安定しなくなるような状態が起こり難いため、気相の液化ガスの供給安定性を向上できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第1の実施形態について図1及び図12を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の弁棒及び弁体の構成を示す断面図である。図3は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、弁が完全に閉じている状態を示す図である。図4は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、弁が開き始めたときの状態を示す図である。図5は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、液相弁が開いた状態を示す図である。図6は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、気相弁が開いた状態を示す図である。図7は、液相弁の凸部の構成を示す断面図である。図8は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置の概略構成を側面側の断面図である。図9は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置の概略構成を示す正面図である。図10は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置の概略構成を示す上面図である。図11は、従来の気化圧力調整弁の開口面積の変化と本発明の気化圧力調整弁の開口面積の変化とお比較説明する図である。図12は、弁が開き始めたときの開口面積の変化を説明する図である。
【0016】
本実施形態の気化圧力調整弁1は、図1に示すように、上面がダイヤフラム3で画成されたダイヤフラム室5、ダイヤフラム3の中央部に設けられた略円盤状の円盤部7aと円盤部7aから垂下された状態で取り付けられた棒状の棒状部7bからなるスペーサ部材7を開してダイヤフラム3と連動して上下方向に移動する弁棒9に取り付けられた弁体である液相弁11、液相弁11に対する弁座となると共に流体の流路が形成された弁座部材である気相弁13、そして液相弁11及び気相弁13が設けられた流体室15などを有している。本実施形態の気化圧力調整弁1では、ダイヤフラム室5の上方にダイヤフラム3を下方に付勢するばね17が設置されたばね室19が設けられており、ばね室19の上端部には、ばね17の付勢力を調整するための調整ねじ21と調整ねじ21の軸の先端に設けられてばね17の上端を押さえるばね押さえ23とからなるばね付勢力調整手段が設けられている。
【0017】
ダイヤフラム3のばね室19内側の面、つまりダイヤフラム3の上面には、ばね17の下端部を受ける円盤状のばね受け部材24が取り付けられている。ばね受け部材24は、ダイヤフラム3のダイヤフラム室5内側の面、つまりダイヤフラム3の下面側に取り付けられたスペーサ部材7の円盤状の部材と連結されている。ダイヤフラム室5には、気化圧力調整弁1を設けた装置や機器類の気体の管路などの圧力とダイヤフラム室5内の圧力を連動させるための図示していない流路が連通している。流体室15は、ダイヤフラム室5の下方に設けられており、下側に形成された一次側流体室15aと上側に形成された二次側流体室15bなどで形成されている。一次側流体室15aには、一次側流体室15aに流量を調整する流体を流入させるための流入流路25が連通している。二次側流体室15bには、一次側流体室15aから二次側流体室15b内に流入した流体を二次側流体室15bから流出させるための流出流路27が連通している。
【0018】
スペーサ部材7の棒状部7bは、ダイヤフラム室5内を下方に向けて通り、ダイヤフラム室5の底面から二次側流体室15bの上面に貫通する貫通穴27に挿入されている。弁棒9の上端部も貫通穴28に挿入されており、スペーサ部材7の棒状部7bの下端部と弁棒9の上端部とは、貫通穴28内で当接している。弁棒9は、二次側流体室15b内を通り、一次側流体室15a内まで垂下されている。弁棒9の下端部には、主に略円柱状の部材からなる液相弁11と、液相弁11の上方に位置して主に略円柱状の部材からなる気相弁13とが同軸に取り付けられている。弁棒9の下端部に取り付けられた液相弁11と気相弁13は、一次側流体室15a内に位置している。
【0019】
一次側流体室15a内には、一次側流体室15aの底部と液相弁11の底部との間に位置し、液相弁11を上方に付勢する液相弁用ばね29、一次側流体室15aの底部と液相弁13の底部との間に位置し、液相弁13を上方に付勢する気相弁用ばね31が設けられている。なお、液相弁用ばね29と気相弁用ばね31は、気相弁用ばね31の方が液相弁用ばね29に比べて全体に径が大きく、気相弁用ばね31内に液相弁用ばね29が同軸に設けられた状態で設置されている。一次側流体室15aと二次側流体室15bとの連結部33は、一次側流体室15aと二次側流体室15bよりも径が小さくなっており、くびれている。この連結部33に略円筒状で気相弁13に対する弁座となる部分を有する筒状部材35が一次側流体室15a側から填め込まれている。
【0020】
筒状部材35は、径が小さい円筒状の小径部35aと小径部35aの下側に形成されて小径部35aよりも径が大きい円筒状の大径部35bとを有している。小径部35aが一次側流体室15a側から連結部33に填め込まれ固定されている。小径部35aの下端部、つまり大径部35bの内側上部には断面山形でリング状に下方に突出して気相弁13に当接する突起部37が形成されている。大径部35bは、一次側流体室15a内にあり、大径部35bの内径は、気相弁13の最大外径とほぼ同じであり、気相弁13は、大径部35b内に上下移動可能な状態で収容されている。大径部35bを形成している側壁には、図示していない貫通穴が形成されている。
【0021】
ここで、弁棒9、液相弁11、そして気相弁13の構成についてさらに詳細に説明する。液相弁11は、図2乃至図6に示すように、略円盤状の台座部39と、台座部39とは別個に形成された略円錐台形状の凸部41とで構成されている。台座部39は、金属製で、略円盤状の部材の円盤面中央に打ち込まれて固定たされ弁棒9周囲の部分を除く上面と側面とをゴムなどの弾性材料43で覆ったものである。また、台座部39は、台座部39の底縁部の角が欠き取られた形状に形成されており、この欠き取られた部分45に液相弁用ばね29の上端部が当接する。凸部41は、図7に示すように、弁棒9が挿通される貫通穴47を有する金属製で円筒状の部材49の周囲に、ゴムなどの弾性材料で上に向かうに連れて漸次縮径するテーパー状に形成したテーパー状部材51を形成したものである。テーパー状部材51は、底部が円筒状に形成されており、テーパー状部材51の円筒状に形成された底部の下端部分が内側の円筒状部材49の下端面よりも突出して突出部分53となっている。
【0022】
弁棒9は、液相弁11の台座部39に打ち込まれた側の端部が他の部分よりも細く形成されており、液相弁11の凸部41には、弁棒9の細く形成された部分が挿通されている。液相弁11の凸部41の円筒状部材49が有する貫通穴47の内径は、弁棒9の細く形成された部分の径よりも大きく、かつ弁棒9の細く形成された以外の部分の径よりも小さく形成されている。したがって、弁棒9の細く形成された部分と他の部分との段差部分が液相弁11の凸部41の移動範囲を規制する規制部55となり、液相弁11の凸部41は、弁棒9に沿って、液相弁11の台座部39の弁棒9が打ち込まれた面と弁棒9に形成された規制部55との間を移動可能な状態になっている。また、液相弁11の凸部41の円筒状部材49が有する貫通穴47の内周面と弁棒9の細く形成された部分の外周面との間には隙間があり、流体の通流が可能になっている。
【0023】
気相弁13は、図2乃至図6に示すように、金属製で径が大きな略略円盤状の弁体部57と、径が小さく弁体部57と同軸で弁体部57と一体に形成された略円盤状の弁座部59とで構成されている。弁体部57の上面には、筒状部材35の突起部37に対応する位置に、リング状にゴムなどの弾性材料61が埋め込まれており、筒状部材35のリング状の突起部37は、気相弁13の弁座部59に埋設されたリング状の弾性材料61に当接する。弁座部59は、中央部に底面から内側に向けて漸次縮径するテーパー状の凹部63が設けられており、このテーパー状の凹部63は、液相弁11の凸部41に対応する形状に形成されている。弁座部59に形成された凹部63の開口縁部分は、断面山形でリング状に突出した突起部65となっている。また、弁座部59に形成された凹部63は、凹部63の最も縮径した部分に連続する気相弁内流路67に繋がっている。気相弁内流路67は、弁体部57の上面の中央部分からずれた位置に開口している。
【0024】
弁体部57の上面の中央部分には、弁棒9の径とほぼ同じ径の貫通穴69が下方に向けて形成されており、貫通穴69は、気相弁内流路67に連通している。弁棒9は、弁体部57の貫通穴69に挿通されており、気相弁内流路67の一部と凹部63を通って、気相弁13に気相弁13の弁体部57と弁座部59とに同軸に挿通された状態となっている。また、弁棒9には、気相弁13の移動を規制するリング状の規制部材71が設けられており、気相弁13は、弁棒9に沿って規制部材71と液相弁11の台座部39の上面との間で移動可能な状態になっている。また、気相弁13は、弁座部59のテーパー状に形成された凹部63の内周面が液相弁11のテーパー状に形成された凸部41の外周面と当接し、さらに、弁座部59の凹部63の開口縁部分に形成された突起部65が液相弁11の台座部39の弾性材料43で覆われた上面部分に当接し、液相弁11に対する弁座の役割を果たす。
【0025】
このような気化圧力調整弁1を備えた液化ガス蒸発装置は、図8乃至図10に示すように、筒状の胴の下端を閉塞すると共に上端に天板72を取り付けて閉塞した槽73、槽73内に設置されて液化ガス蒸発用の流路となるコイル状の管路75、コイル状管路75の下方に設置されたヒータ77、そして槽73の外側でコイル状管路75における液相の液化ガスの入口側となる端部に連結された気化圧力調整弁1などで構成されている。なお、槽73内には図示していない熱媒が収容され、コイル状管路75は熱媒に浸った状態となる。
【0026】
コイル状管路75は、上側に位置する端部が気化圧力調整弁1を設けた液相の液化ガスの入口側であり、下側に位置する端部がコイル状管路75内の液化ガスが流出する出口側となっている。したがって、気化圧力調整弁1には、図示していない液化ガスを収容した容器などに連結された液相の液化ガスが通流する液相用管路79が連結されている。つまり、液相用管路79は、気化圧力調整弁1の流入流路25に連結され、コイル状管路75の入口側端部は、気化圧力調整弁1の流出流路27に連結されている。液相用管路79には、液化ガスの流れに対して上流側から一次圧力計81、サーモバルブ83が順次設けられている。
【0027】
コイル状管路75の下側に位置する出口側端部は、図示していない気相の液化ガスを利用する機器や装置類に気相の液化ガスを供給する供給管路85に連結されている。供給管路85には、2次側圧力計87や安全弁89などが設けられている。また、供給管路85には、気化圧力調整弁1のダイヤフラム室5と供給管路85とを連通させるための流路、供給管路85内の圧力を気化圧力調整弁1のダイヤフラム室5に伝えるための流路となる圧力伝達用管路91が連結されている。また、槽73の天板72には、槽73内の熱媒の液位を検出してヒータ77などの作動を制御するためのレベルスイッチ93、槽73の側面には、槽73内の熱媒の液位を確認するための液位計95、槽73内の熱媒の温度を確認するための温度計97、ヒータ77やレベルスイッチ93を図示していない制御部などと電気的に接続するための中継ボックス99などを備えている。
【0028】
このような構成の液化ガス蒸発装置に設けられた本実施形態の気化圧力調整弁1の動作と本発明の特徴部について説明する。液化ガス蒸発装置の運転が行われている状態で気化圧力つまり供給管路85内の圧力が所定の値より高くなると、図1及び図3に示すように、気化圧力調整弁1のダイヤフラム室5内の圧力がイヤフラム3を下方に付勢するばね17の付勢力よりも大きくなり、ダイヤフラム3を上方に押し上げる。これに連れて、スペーサ部材7の棒状部7bが上方に上がると、気相弁13を上方に付勢する気相弁用ばね31の付勢力で気相弁13が上方に移動し、さらに、液相弁11を上方に付勢する液相弁用ばね29の付勢力で液相弁13が上方に移動する。そして、気相弁13の上面が筒状部材35の突起部37に当接し、そして、液相弁11の凸部41の外周面が気相弁13の凹部63の内周面に当接し、液相弁11の台座部39上面の弾性材料43が凸部41の下面側の突出部分53と、気相弁13の下面側の突起部65とに当接することで、液相弁11及び気相弁13が閉じた状態、つまり気化圧力調整弁1が完全に閉じた状態となる。
【0029】
気化圧力調整弁1が完全に閉じた状態になると、液化ガス蒸発装置のコイル状管路75への液相の液化ガスの供給がなくなるため、蒸発量が減って、気化圧力つまり供給管路85内の圧力が低下する。このとき、ダイヤフラム3を下方に付勢するばね17の付勢力が、ダイヤフラム室5内の圧力、そして液相弁11を上方つまり弁が閉じる方向に液相弁を付勢する液相弁用ばね29の付勢力にうち勝つと、スペーサ部材7の棒状部7bが下方に下がり始め、これによって弁棒9が下方に押し下げられ始める。
【0030】
弁棒9が下方に押し下げられ始めたとき、図4に示すように、まず、液相弁11の台座部39のみが、弁棒9の下方への移動によって押し下げられる。台座部39のみが押し下げられると、台座部39の上面と、凸部41の突出部分53及び気相弁13の突起部65との間に隙間が生じ、この隙間が弁の開口となる。流入流路25から一次側流体室15aに流入した液相の液化ガスは、液相弁11の台座部39の上面と気相弁13の突起部65との隙間、そして液相弁11の台座部39の上面と凸部41の突出部分53との隙間を通過した後、液相弁11の凸部41を構成している円筒状部材49の内周面と弁棒9の外周面との隙間を通過して気相弁13内に形成された気相弁内流路67に流入する。気相弁内流路67を通流した液化ガスは、連結部33を経て二次側流体室15bに流入して、流出流路27からコイル状管路75に向けて流出する。
【0031】
さらに弁棒9が押し下げられて、図5に示すように、弁棒9に形成された規制部55が液相弁11の凸部41の上端面に当接すると、液相弁11の凸部41が弁棒9の移動によって台座部39と共に下方に押し下げられる。これにより、液相弁11の凸部41に形成されたテーパー状の外周面と気相弁13の凹部63に形成されたテーパー状の内周面との間に隙間が生じる。この状態になると、流入流路25から一次側流体室15aに流入した液相の液化ガスは、液相弁11の台座部39の上面と気相弁13の突起部65との隙間から液相弁11の凸部41に形成されたテーパー状の外周面と気相弁13の凹部63に形成されたテーパー状の内周面との隙間を主に通流して、気相弁13内に形成された気相弁内流路67に流入することになる。
【0032】
この液相弁11の凸部41が移動している状態では、弁の開口は、凸部41の上端縁と気相弁13の凹部63の内周面との間のリング状の開口であり、このリング状の開口の面積が弁の開口面積となる。この状態での弁の開口面積は、液相弁11の凸部41が下方に押し下げられるにしたがって漸増する。なお、この状態では、液化ガスは、台座部39の上面と、凸部41の突出部分53及び気相弁13の突起部65との隙間、そして液相弁11の凸部41を構成している円筒状部材49の内周面と弁棒9の外周面との隙間を通る経路にはあまり通流しなくなる。
【0033】
さらに弁棒9が押し下げられて、弁棒9に設けられた規制部材71が気相弁13の上面に当接すると、図6に示すように、弁棒9の移動によって気相弁13も下方に押し下げられる。気相弁13が下方に押し下げられると、筒状部材35の突起部37と気相弁13の上面との間に隙間が生じる。この状態になると、流入流路25から一次側流体室15aに流入した液相の液化ガスは、液相弁11の台座部39の上面と気相弁13の突起部65との隙間から液相弁11の凸部41の外周面と気相弁13の凹部63の内周面との隙間を通流して気相弁13内に形成された気相弁内流路67から連結部33に流れると共に、筒状部材35の大径部35bの側壁に形成された図示していない貫通穴から筒状部材35の突起部37と気相弁13の上面との隙間を通過して連結部33に流れる。この気相弁13が開いた状態で気化圧力調整弁1の開口面積は、最大の状態となる。
【0034】
このような本実施形態の気化圧力調整弁1の開口面積の増加率と従来の気化圧力調整弁の開口面積の増加率との比較を、本実施形態の気化圧力調整弁1の開口面積変化101と従来の気化圧力調整弁の開口面積変化103を示した図11を例として説明する。なお、図11において、軸は気化圧力調整弁の開口面積を、軸は弁棒の移動量を示している。従来の気化圧力調整弁は、本願発明の気化圧力調整弁1のように液相弁11の凸部41や、気相弁13の凹部63を有しておらず、弁の開口面積の増加率は、気相弁の下面に断面山形でリング状に形成された突起部と液相弁の上面との隙間の増加量で決まる。
【0035】
これに対して、本願発明の気化圧力調整弁1は、液相弁11が開いてから気相弁13が開くまでの間の開口面積は、液相弁11の凸部41の上端縁と気相弁13の凹部63の内周面との間に形成されるリング状の開口部分の面積であるため、開口面積の増加率は、液相弁11の凸部41と気相弁13の凹部63との隙間が広がることと、液相弁11の凸部41が下方に移動するに連れてリング状の開口部分の径が大きくなることによって決まる。これにより、図11に示すように、本実施形態の気化圧力調整弁1における液相弁が開いてから気相弁が開くまでの間の弁棒の移動量に対する開口面積の増加率は、従来の気化圧力調整弁における開口面積の増加率に比べて低くなっている。
【0036】
ところで、従来の気化圧力調整弁や、本実施形態と同様の構成であるが台座部39と凸部41に相当する部分が一体に形成された液相弁を備えた気化圧力調整弁では、弁棒が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたとき、液相弁が開いてから気相弁が開くまでの間の平均的な開口面積の増加率よりも開口面積の増加率が一時的に大きくなる場合がある。図12は、このような状態を、弁棒が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたときにおける本実施形態の気化圧力調整弁1の開口面積変化107と、一体に形成された液相弁を備えた気化圧力調整弁の開口面積変化105とにより例示するものである。なお、図12は、例えば図11において弁棒が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたときに対応する部分Aに相当する部分のみの弁棒の移動量に対する気化圧力調整弁の開口面積の変化を示したものである。
【0037】
これに対し、本実施形態の気化圧力調整弁1では、弁棒9が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたとき、図4に示すように、まず、液相弁11の台座部39のみが、弁棒9の下方への移動によって押し下げられ、台座部39の上面と、凸部41の突出部分53及び気相弁13の突起部65との間に隙間と、液相弁11の凸部41を構成している円筒状部材49の内周面と弁棒9の外周面との隙間とが液化ガスの流路となる。したがって、図12に示すように、本実施形態の気化圧力調整弁1では、弁棒9が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたときの開口を、液相弁を一体に形成しれたときの開口よりも小さくできる。このため、弁を開き始めたときに、開口面積の増加率が一時的に大きくなるような開口面積の急な増加が抑えられ、弁棒9が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたときの開口面積の増加率が、液相弁が開いてから気相弁が開くまでの間の平均的な開口面積の増加率に近い増加率となっている。
【0038】
このように、本実施形態の気化圧力調整弁1では、弁体である液相弁11にテーパー状の凸部41を設け、液相弁11に対する弁座となる気相弁13に液相弁11の凸部41に対応する形状の凹部63を形成し、液相弁11の凸部41の外周面と気相弁13の凹部63の内周面との隙間を開口としている。これにより、従来の気化圧力調整弁の開口面積の増加率に比べて、開口面積の増加率を低減することができ、例えば気相の液化ガスの使用量つまり流量が比較的少ないなどの条件下などでも、弁の開閉動作が繰り返され、気化圧力が安定しなくなるような状態になり難く、気化圧力調整能力を向上できる。
【0039】
さらに、本実施形態の気化圧力調整弁1では、液相弁11が弁棒9に固定された台座部39、そして台座部39の上面と弁棒9に形成された規制部55との間で弁棒9に沿って移動可能な凸部41とで構成されている。これにより、弁棒9が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたとき、まず、液相弁11の台座部39のみが、弁棒9の下方への移動によって押し下げられ、台座部39の上面と凸部41の突出部分53及び気相弁13の突起部65との隙間、そして液相弁11の凸部41を構成している円筒状部材49の内周面と弁棒9の外周面との隙間が液化ガスの通流経路となる。
【0040】
したがって、弁が開き始める際、最初、液相弁11の台座部39と凸部41との隙間、及び凸部41の内周面と弁棒9の外周面との隙間を通る経路が開き、この経路の開口面積の増加率が、弁の開口面積の増加率となる。これにより、より小さな開口面積の流路における開口面積の増加率を、弁が開き始める際における弁の開口面積の増加率にできるため、弁の平均的な開口面積の増加率以上に開口面積が一時的に増加するのを抑えることができ、弁の開閉動作が繰り返され、気化圧力が安定しなくなるような状態を一層起こり難くでき、気化圧力調整能力を一層向上できるので好ましい。
【0041】
さらに、本実施形態の気化圧力調整弁1では、液相弁11の凸部41の外周面が気相弁13の凹部63の内周面に当接することに加え、液相弁11の台座部39の上面が気相弁13の下面側の突起部65とに当接することで弁を閉じた状態とする。したがって、これら当接部分の1箇所に異物などが挟まってシール性が失われても、他の当接部分でシール性を保てるうえ、液相弁11の凸部41の外周面が気相弁13の凹部63の内周面では面同士の当接でシールするため、従来気化圧力調整弁よりもシール面積が広くなるため、シール性を向上できる。また、シール性を向上できることにより、気化圧力調整弁の信頼性を向上できる。
【0042】
加えて、本実施形態の気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置とすれば、気化圧力が安定しなくなるような状態が起こり難いため、気相の液化ガスの供給安定性を向上できる。さらに、気化圧力調整弁の液相弁を介して液相の液化ガスが蒸発用の流路に流入してくる際、液相弁の急閉により発生するウォーターハンマー現象の発生を抑制できる。また、ウォーターハンマー現象の発生を抑制できることにより、配管などの振動の発生が抑えられるため、例えば配管の接続部の緩みなど、振動によって発生する装置の不具合の発生に対する保守点検作業を簡素化できる。さらに、液化ガス蒸発装置の使用寿命も延ばすことができる。
【0043】
また、本実施形態では、液相弁11の凸部41の下面側に突出部分53にを設け、凸部41の下面側の突出部分53が液相弁11の台座部39上面を覆う弾性材料43に当接することで、弁を閉じたときの十分なシール性を確保している。しかし、弁を閉じたときの十分なシール性を確保できれば、液相弁11の凸部41の下面側に突出部分53を形成せずに、例えば図13に示すように、凸部41の下面と台座部39の上面との間の弁棒9の部分にO−リング109を挿入して配置した構成などにすることもできる。なお、突出部分53を形成する凸部41のテーパー状部材51を形成する弾性材料は、圧縮性をよくするために、台座部39上面を覆う弾性材料43とりも硬度が低い材料を用いることが望ましい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図14乃至図17を参照して説明する。図14は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の弁棒及び弁体の構成を示す断面図である。図15は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、弁が完全に閉じている状態を示す図である。図16は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、液相弁が開いた状態を示す図である。図17は、本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、気相弁が開いた状態を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成及び特徴部などについて説明する。
【0044】
本実施形態の気化圧力調整弁が第1の実施形態の気化圧力調整弁と相違する点は、台座部と凸部とが別個の部材からなる構成の液相弁に代えて、台座部と凸部が一体に形成された液相弁を用いたことにある。すなわち、本実施形態の気化圧力調整弁に設けられた液相弁111は、図14乃至図17に示すように、台座部113、そして台座部113と一体に形成された凸部115で構成されている。台座部113は、金属製で略円柱状または略円盤状の部分の上面と側面とをゴムなどの弾性材料117で覆ったものである。凸部115は、台座部113の弾性材料117で覆われた円形の上面の中央部分に形成された円柱状部分の側面を、上に向かうに連れて漸次縮径するテーパー状に形成したゴムなどの弾性材料119で覆ったものである。弁棒9は、凸部115を構成する金属製の略円柱状部分に打ち込まれ固定されている。なお、本実施形態では、台座部113の上面を覆う弾性材料117とテーパー状の凸部115を形成する弾性材料119とは、同じ材料で一体に形成されている。
【0045】
このような本実施形態の気化圧力調整弁では、図15に示すように、液相弁111及び気相弁13が閉じた状態、つまり気化圧力調整弁が完全に閉じた状態になると、第1の実施形態で説明したように、液化ガス蒸発装置のコイル状管路75への液相の液化ガスの供給がなくなるため、蒸発量が減って、気化圧力つまり供給管路85内の圧力が低下する。このとき、ダイヤフラム3を下方に付勢するばね17の付勢力が、ダイヤフラム室5内の圧力、そして液相弁11を上方つまり弁が閉じる方向に液相弁を付勢する液相弁用ばね29の付勢力にうち勝つと、スペーサ部材7の棒状部7bが下方に下がり始め、これによって弁棒9が下方に押し下げられ始める。
【0046】
弁棒9が下方に押し下げられ始めると、図16に示すように、弁棒9の移動に連れて液相弁111が下方に押し下げられる。これにより、液相弁111の凸部115に形成されたテーパー状の外周面と気相弁13の凹部63に形成されたテーパー状の内周面との間に隙間が生じる。これにより、液相の液化ガスは、液相弁111の台座部113の上面と気相弁13の突起部65との隙間から、液相弁111の凸部115に形成されたテーパー状の外周面と気相弁13の凹部63に形成されたテーパー状の内周面との隙間を通流して、気相弁13内に形成された気相弁内流路67に流入することになる。この液相弁111の凸部115が移動している状態では、弁の開口は、凸部115の上端縁と気相弁13の凹部63の内周面との間のリング状の開口であり、このリング状の開口の面積が弁の開口面積となる点は第1の実施形態と同じである。したがって、弁の開口面積は、液相弁111のが下方に押し下げられるに連れて漸増する。
【0047】
さらに弁棒9が押し下げられて、弁棒9に設けられた規制部材71が気相弁13の上面に当接すると、図17に示すように、弁棒9の移動によって気相弁13も下方に押し下げられる。気相弁13が下方に押し下げられると、筒状部材35の突起部37と気相弁13の上面に埋設された弾性材料61との間に隙間が生じる。この状態になると、第1の実施形態と同様に、流入流路25から一次側流体室15aに流入した液相の液化ガスは、液相弁111の台座部113の上面と気相弁13の突起部65との隙間から液相弁111の凸部115の外周面と気相弁13の凹部63の内周面との隙間を通流して気相弁13内に形成された気相弁内流路67から連結部33に流れると共に、筒状部材35の大径部35bの側壁に形成された図示していない貫通穴から筒状部材35の突起部37と気相弁13の上面との隙間を通過して連結部33に流れる。この気相弁13が開いた状態で気化圧力調整弁1の開口面積は、最大の状態となる。
【0048】
第1の実施形態において説明したように、本実施形態の気化圧力調整弁では、弁棒が下方に押し下げられ始めて弁が開き始めたとき、開口面積が急に増大して、液相弁が開いてから気相弁が開くまでの間の平均的な開口面積の増加率よりも開口面積の増加率が一時的に大きくなる場合がある。しかし、気化圧力調整弁を通流する液化ガスなどの流量の範囲、気化圧力調整弁で流量を調整する値の範囲などの条件によっては、上記のような開口面積が急に増大して、液相弁が開いてから気相弁が開くまでの間の平均的な開口面積の増加率よりも開口面積の増加率が一時的に大きくなるような状態が起こらないか、起こっても液化ガス蒸発装置などに支障をきたさない場合がある。
【0049】
このような場合には、本実施形態の構成の気化圧力調整弁を用いることができ、従来の気化圧力調整弁の開口面積の増加率に比べて、開口面積の増加率を低減することができるため、例えば気相の液化ガスの使用量つまり流量が比較的少ないなどの条件下などでも、弁の開閉動作が繰り返され、気化圧力が安定しなくなるような状態になり難く、気化圧力調整能力を向上できる。
【0050】
また、本発明は、第1及び第2の実施形態の気化圧力調整弁に限らず、弁棒を介してダイヤフラムの移動に連動して移動する弁体を備えた様々な構成の気化圧力調整弁に適用できる。例えば、第1及び第2の実施形態では、気相弁を備えた構成について説明したが、気相弁を備えていない構成の気化圧力調整弁にも適用できる。また、シール性などに対して支障が生じにくいような使用条件では、液相弁の凸部の外周面と気相弁の凹部の内周面との当接のみで弁を閉じたときのシールが行われる構成にすることもできる。
【0051】
また、本発明の気化圧力調整弁は、第1の実施形態において例示した構成の液化ガス蒸発装置に限らず、気化圧力調整弁によって気化圧力を調整し、液相の液化ガスを加熱して気化する様々な構成の液化ガス蒸発装置に適用することができる。加えて、液化ガス蒸発装置に限らず、気化圧力を調整して、液相の流体を気相の流体にする様々な機器や装置類にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、気化圧力調整能力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第1の実施形態の弁棒及び弁体の構成を示す断面図である。
【図3】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第1の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、弁が完全に閉じている状態を示す図である。
【図4】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第1の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、弁が開き始めたときの状態を示す図である。
【図5】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第1の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、液相弁が開いた状態を示す図である。
【図6】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第1の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、気相弁が開いた状態を示す図である。
【図7】液相弁の凸部の構成を示す断面図である。
【図8】本発明を適用してなる気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置の一例の概略構成を側面側の断面図である。
【図9】本発明を適用してなる気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置の一例の概略構成を示す正面図である。
【図10】本発明を適用してなる気化圧力調整弁を備えた液化ガス蒸発装置の一例の概略構成を示す上面図である。
【図11】従来の気化圧力調整弁の開口面積の変化と本発明の気化圧力調整弁の開口面積の変化とお比較説明する図である。
【図12】弁が開き始めたときの開口面積の変化を説明する図である。
【図13】本発明を適用してなる第1の実施形態の気化圧力調整弁が備える液相弁の変形例を示す断面図である。
【図14】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第2の実施形態の弁棒及び弁体の構成を示す断面図である。
【図15】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第2の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、弁が完全に閉じている状態を示す図である。
【図16】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第2の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、液相弁が開いた状態を示す図である。
【図17】本発明を適用してなる気化圧力調整弁の第2の実施形態の概略構成及び動作を弁棒及び弁体周辺部分を拡大して示す断面図であり、気相弁が開いた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 気化圧力調整弁
3 ダイヤフラム
5 ダイヤフラム室
9 弁棒
11 液相弁
13 気相弁
15 流体室
39 台座部
41 凸部
63 凹部

Claims (2)

  1. 少なくとも1部がダイヤフラムで画成されたダイヤフラム室と、前記ダイヤフラムの移動に連動して移動する弁棒に取り付けられた弁体と、該弁体に対する弁座となると共に流体の流路が形成された弁座部材と、該弁座部材に対する弁座となると共に流体の流路が形成された筒状部材と、前記弁体、前記弁座部材、及び前記筒状部材が設けられて流体が通流する流体室とを有し、
    前記弁体は、前記弁棒の周囲に同軸に形成され、突出方向に向かって漸次縮径する円錐台状の凸部と、該凸部とは別個に形成されて前記弁棒の端部に固定された台座部とを有し、前記凸部は、前記台座部と、前記弁棒に設けられて前記凸部の移動範囲を規制する規制部との間で前記弁棒に沿って移動可能であり、かつ該凸部の内周面と前記弁棒の外周面との間には隙間が形成されており、
    前記弁座部材は、前記弁棒と同軸に形成され、前記弁体の凸部に対応した形状で内部に向かって漸次縮径し、前記弁座部材に形成された流路に連通する凹部と該凹部の周囲に形成されたリング状の突起部とを有するとともに、前記凸部と、前記弁棒に設けられて前記弁座部材の移動範囲を規制する規制部との間で前記弁棒に沿って移動可能であり、
    前記弁体の凸部の外周面と前記弁座部材の凹部の内周面とが当接すること、前記弁体の台座部の前記凸部側の面と前記弁座部材の突起部とが当接すること、及び前記弁座部材と前記筒状部材とが当接することによって弁を閉じ、前記ダイヤフラム室内の圧力に応じた前記弁棒の弁を開く方向への移動に連れて、流体の通流経路が、前記弁体の前記台座部と前記凸部との隙間、及び前記凸部の内周面と前記弁棒の外周面との隙間を通る第1経路から、前記弁体の凸部の外周面と前記弁座部材の凹部の内周面との隙間を主として通る第2経路へ変わり、さらに前記第2経路に加えて前記弁座部材と前記筒状部材との隙間を通る第3経路へ順次変わる気化圧力調整弁。
  2. 加熱手段によって内部を通流する液化ガスを加熱する蒸発用流路の入口側に設けられ、前記蒸発用流路から流出するとともに前記ダイヤフラム室に連通する気相の液化ガスの圧力に応じて前記蒸発用流路に流入する液相の液化ガスの流量を調整する気化圧力調整弁として請求項1に記載の気化圧力調整弁を備えたことを特徴とする液化ガス蒸発装置。
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