JP4024066B2 - Multilayer molded body and container - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多層成形体、殊に多層シートに関する。さらに詳しくは、本発明は特定の構成からなるポリエステルの多層成形体であり、耐熱性、透明性、耐衝撃性および経済性の要求される用途に用いられる耐熱容器を製造するための熱成形用シートとして特に好適な多層成形体、殊に多層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステルは、食品に対する安全性に優れるため、飲料用の包装容器など食品包装および容器の分野において広く用いられている。例えばポリエチレンテレフタレート樹脂からなるシートを熱成形して製造される中空状容器なども広く知られるところである。しかしながらポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PETと称する場合がある)は、ガラス転移温度が70℃付近のため用途によっては耐熱性が不足する場合がある。かかる用途おいては近年ポリエチレンテレフタレートに代わりガラス転移温度が120℃付近であるポリエチレンナフタレート(以下PENと称する場合がある)を用いて高耐熱性容器を製造する検討が広く行われている。
【0003】
しかし従来の熱成形用PETシートをそのままPENシートで置き換えることは、PENが未だ高価であるため経済的ではない。殊に短期間にその製品寿命を終えることの多い食品包装用途などにおいては高い経済性が求められる。現時点ではかかる包装は使用後に廃棄されることが多いためである。したがってPENシートおよびPETシートの多層シートの検討が行なわれている。
【0004】
かかる多層シートにおける問題は、PENとPETの間でその適正な熱成形温度が異なるため成形不良が生じる点である。すなわちPEN層では加熱不足による成形不良(肉厚ムラ、ボイドによる白化など)が、PET層では加熱過剰での結晶化による成形不良(白化など)が発生し、かかる多層シートの実用化は困難であった。
【0005】
上記問題を解決する試みとしては、例えば特開平03−133640号公報には、PET層とエチレンイソフタレート単位を共重合した共重合PEN層とからなるポリエステル多層成形品が開示されている。しかしながらかかる公報に具体的事例として記載された発明は、PETを表層に有する多層成形品であり、この発明においては耐熱性が十分に考慮されていなかった。また多くの具体的事例はPENの割合が高いものであり、したがってかかる公報は耐熱性および透明性が良好で、かつ経済性にも優れた多層成形体を開示しているとは言い難い。
【0006】
特開平11−70628号公報には、PENおよびPETからなる組成物より構成される層と、PENまたはPETを積層した多層成形体が記載されている。更にかかる多層成形体は、組成物より構成される層の結晶化挙動を特定の条件および範囲に制御することを特徴とするものである。しかしながらかかる公報に具体的事例として記載された発明は、成形体全体におけるPENの割合が高いものである。したがってかかる公報も経済性を十分満足した上で、耐熱性および透明性に優れた多層成形体を十分に開示するものではなかった。更に表層にPENを用いた場合は、得られた多層成形体の耐衝撃性が低く、その改良が望まれるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、PENとPETを多層構造とした多層成形体は、熱成形時にPENの成形条件まで加熱するとPETの層が結晶化し、透明性が損なわれる欠点があった。一方、例えば食品包装用途では、内容物を美しく見せること、すなわち高い透明性が要求される。また、食品包装の用途においては、食品の滅菌、調理、および温めなどのため、容器内で食品の加熱が可能であること、すなわち優れた耐熱変形性が望まれる場合がある。更に上述の如くかかる食品包装の用途では高い経済性が要求され、また殊に食品容器では良好な耐衝撃性も求められる。
【0008】
そこで本発明は優れた透明性、耐熱変形性、耐衝撃性、および経済性を備えた成形体を提供すること、殊に熱成形時に結晶化することなく容器の製造が可能なこれらの特性を満足する熱成形用シートを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリエチレンナフタレート系樹脂からなる樹脂組成物から構成された芯層(A層)と、全ジオール成分100モル%中共重合成分としてシクロヘキサンジメタノールを2〜50モル%含んでなる共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂1〜50重量%、ポリエチレンナフタレート系樹脂50〜99重量%およびポリエチレンテレフタレート系樹脂0〜40重量%からなる樹脂組成物から構成された表層(B層)を有し、A層の両面にB層を積層してなり、更に(I)下記式(1)の条件を満足し、かつ(II)A層とB層との厚みの割合(B層:A層:B層)が、該層の厚みの合計を100としたとき、B層:A層:B層=5〜25:50〜90:5〜25の範囲にある多層成形体に係るものである。
TgB―TgA ≧ 10 (1)
(ここで、TgAはJIS K7121に準拠して測定された芯層(A層)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(℃)、TgBはJIS K7121に準拠して測定された表層(B層)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(℃)。)
【0010】
本発明の好適な態様の1つは、上記A層を構成する樹脂組成物は、ポリエチレンテレフレタート系樹脂およびポリエチレンナフタレート系樹脂の合計100重量%中、ポリエチレンテレフレタート系樹脂80〜97重量%およびポリエチレンナフタレート系樹脂3〜20重量%からなる上記多層成形体に係るものである。
【0011】
本発明はの好適な態様の1つは、更に(III)下記式(2)の条件を満足する上記多層成形体に係るものである。
(TgB―TgA)/10 ≦ 253−TmA (2)
(ここで、TmAはJIS K7121に準拠して測定された芯層(A層)を構成する樹脂組成物の融点(℃)であり、TgBおよびTgAは上記式(1)に同じである。)
【0012】
本発明の好適な態様の1つは、上記ポリエチレンナフタレート系樹脂は、全酸成分100モル%中共重合成分としてテレフタル酸を5〜12モル%含んでなる上記多層成形体に係るものである。
【0013】
本発明の好適な態様の1つは上記多層成形体は多層シートである上記多層成形体に係るものである。
【0014】
本発明の好適な態様の1つは該多層シートを熱成形してなる容器に係るものである。
【0015】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の芯層(A層)はポリエチレンテレフタレート系樹脂およびポリエチレンナフタレート系樹脂からなる樹脂組成物から構成される。A層におけるポリエチレンテレフタレート系樹脂(以下“PET系樹脂”と称する場合がある)とは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであって、そのジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を85モル%以上、およびジオール成分としてエチレングリコールを85モル%以上含有してなるポリエステル樹脂である。A層におけるPET系樹脂は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を90モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましい。またA層におけるPET系樹脂は、ジオール成分としてエチレングリコールを90モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましい。
【0016】
A層におけるポリエチレンナフタレート系樹脂(以下“PEN系樹脂”と称する場合がある)とは、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであって、そのジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を75モル%以上、およびジオール成分としてエチレングリコールを85モル%以上含有してなるポリエステル樹脂である。A層におけるPEN系樹脂は、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を80モル%以上含むことが好ましく、85モル%以上含むことがより好ましい。またA層におけるPEN系樹脂は、ジオール成分としてエチレングリコールを87モル%以上含むことが好ましく、90モル%以上含むことがより好ましい。
【0017】
上記PET系樹脂およびPEN系樹脂における他のジカルボン酸成分の例としては、例えばテレフタル酸(PEN系樹脂の場合)、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸(PET系樹脂の場合)、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、およびエチレン−ビス−p−安息香酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0018】
更に上記PET系樹脂およびPEN系樹脂には、上記の芳香族ジカルボン酸以外に、脂肪族ジカルボン酸成分を共重合することができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
【0019】
上記PET系樹脂およびPEN系樹脂における他のジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−または−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールAなどを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して使用することができる。更にジオール成分としてわずかにポリエチレングリコールを共重合したPET系樹脂およびPEN系樹脂も使用できる。ポリエチレングリコールの分子量としては150〜6,000の範囲が好ましい。
【0020】
A層のPET系樹脂およびPEN系樹脂は、それぞれ1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
A層のPET系樹脂は、上記の中でも特に他の共重合成分を含まず実質的にテレフタル酸成分とエチレングリコール成分のみから製造されたポリエステル樹脂が好ましい。しかしながら、かかるポリエステル樹脂においても、通常重合時の副反応生成物としてジオール成分100モル%中、約0.5モル%以上のジエチレングリコール成分が含まれている。したがってA層の好適なPET系樹脂はジエチレングリコール成分を少量含むものであってよい。ジエチレングリコール成分は、ジオール成分100モル%中6モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましく、4モル%以下が更に好ましい。
【0022】
A層のPEN系樹脂は、上記の中でも特にジカルボン酸成分として85モル%以上の2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および15モル%以下のテレフタル酸、並びにジオール成分として実質的にエチレングリコール成分のみから製造されたポリエステル樹脂が好ましい。かかる好適なA層のPEN系樹脂は、耐熱性の観点からはテレフタル酸成分を含有しないことが好ましい。
【0023】
しかしながら、より本発明のより好ましい態様である式(2)を満足する状態とするためには、芯層(A層)において、その樹脂組成物の融点が低いことが有利となる。かかる条件を満足することにより更に良好な透明性が得られる。式(2)を満足するためには、A層の樹脂組成物においてPET系樹脂とPEN系樹脂との良好な相溶性が必要である。PEN系樹脂におけるテレフタル酸の共重合はこの点において有効であり、また耐熱性の低下も少ない。樹脂組成物の透明性の観点からは、A層のPEN系樹脂においてテレフタル酸成分を共重合する場合にはジカルボン酸100モル%中5モル%以上とすることが好ましい。テレフタル酸成分の割合はジカルボン酸100モル%中5〜12モル%がより好ましく、8〜12モル%が更に好ましい。
【0024】
芯層(A層)を構成する樹脂組成物におけるPET系樹脂とPEN系樹脂との割合は、式(1)の要件を満足する範囲であれば特に制限されるものではない。しかし経済性の点ではPEN系樹脂が不必要に多いことは好ましくない。より好適にはかかる樹脂組成物は、PET系樹脂およびPEN系樹脂の合計100重量%中、PET系樹脂80〜97重量%およびPEN系樹脂3〜20重量%であり、更に好適にはPET系樹脂90〜96重量%およびPEN系樹脂4〜10重量%であり、特に好適にはPET系樹脂93〜96重量%およびPEN系樹脂4〜7重量%である。
【0025】
次に表層(B層)を構成する樹脂組成物について説明する。本発明の表層(B層)は全ジオール成分100モル%中共重合成分としてシクロヘキサンジメタノールを2〜50モル%含んでなる共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂1〜50重量%、PEN系樹脂50〜99重量%およびPET系樹脂0〜40重量%からなる樹脂組成物から構成される。
【0026】
B層のPET系樹脂としては、A層のPET系樹脂と同様のものが使用できる。またB層のPEN系樹脂においても、A層のPET系樹脂と同様のものが使用できる。いずれも1種で、または2種以上を組み合わせて使用できることもA層の場合と同様である。またA層のPET系樹脂とB層のPET系樹脂は、互いに同一の場合または互いに異なる場合のいずれも選択できる。かかる関係はA層のPEN系樹脂およびB層のPEN系樹脂においても同様である。
【0027】
B層における好適なPEN系樹脂は、A層におけるそれと同様にジカルボン酸成分として85モル%以上の2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および15モル%以下のテレフタル酸、並びにジオール成分として実質的にエチレングリコール成分のみから製造されたポリエステル樹脂である。かかるB層における好適なPEN系樹脂において、そのジカルボン酸成分の割合は耐熱性、透明性、耐衝撃性、および経済性のいずれの特性をより重視するかによって、適宜調整できる。透明性を重視する場合にはテレフタル酸成分の割合はジカルボン酸100モル%中5〜12モル%がより好ましく、8〜12モル%が更に好ましい。
【0028】
B層を構成する樹脂組成物は、全ジオール成分100モル%中共重合成分としてシクロヘキサンジメタノールを2〜50モル%含んでなる共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂(以下“CHDM共重合PET系樹脂”と称する場合がある)を必須成分とする。かかる成分を特定割合で必須成分とすることにより、B層は、耐熱性の低下なしに、良好な耐衝撃性および透明性を備えることができる。結果としてこれらの特性を備えた多層成形体、殊に容器の提供を可能とする。
【0029】
かかるCHDM共重合PET系樹脂とは、そのジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を85モル%以上、並びにジオール成分として全ジオール成分100モル%中、エチレングリコール成分50〜98モル%およびシクロヘキサンジメタノール成分2〜50モル%含有してなり、エチレングリコール成分およびシクロヘキサンジメタノール成分の合計が全ジオール成分100モル%中85モル%以上であるポリエステル樹脂である。B層におけるCHDM共重合PET系樹脂は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を90モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましい。またB層におけるCHDM共重合PET系樹脂は、ジオール成分として全ジオール100モル%中、シクロヘキサンジメタノール成分を10〜40モル%含むことが好ましく、20〜30モル%がより好ましい。またCHDM共重合PET系樹脂は、ジオール成分として全ジオール100モル%中、エチレングリコール成分を60〜90モル%含むことが好ましく、70〜80モル%含むことがより好ましい。更にCHDM共重合PET系樹脂は、全ジオール100モル%中、シクロヘキサンジメタノール成分およびエチレングリコール成分を90モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましい。
【0030】
ここで、シクロヘキサンジメタノールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,3−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
【0031】
尚、芯層(A層)におけるPET系樹脂は上記CHDM共重合PET系樹脂を含むものであってよい。
【0032】
上記の各種ポリエステル樹脂の分子量は、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定された極限粘度数が0.4〜1.3dl/gの範囲であることが好ましく、0.45〜1.2dl/gの範囲がより好ましい。また上記の各層を構成する樹脂組成物の末端カルボキシル基量は特に制限されないものの、30eq/ton以下が好ましく、25eq/ton以下が更に好ましい。下限としては5eq/ton以上が実用上適切である。
【0033】
上記の各種ポリエステル樹脂を従来公知の製造方法によって製造することができる。すなわちジカルボン酸とジオールを直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはジカルボン酸ジメチルエステルとジオールを反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度数を増大させるために固相重合を行うことができる。
【0034】
上記のエステル交換反応またはエステル化反応および重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用することが好ましい。エステル交換触媒としてはMg化合物、Mn化合物、Ca化合物、Zn化合物などが使用され、例えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラート、および酸化物などが挙げられる。またエステル化反応は触媒を添加せずに、ジカルボン酸およびジオールのみで実施することが可能であるが、後述の重縮合触媒の存在下に実施することもできる。
【0035】
重縮合触媒としては、Ge化合物、Ti化合物、Sb化合物などが使用可能であり、例えば二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、および蓚酸チタンなどが挙げられる。安定剤としてリン化合物を用いることが好ましい。好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステル、亜リン酸およびそのエステル、次亜リン酸およびそのエステル、並びに次亜リン酸およびそのエステルなどが挙げられる。またエステル化反応時には、ジエチレングリコール副生を抑制するためにトリエチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウム、および炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物を添加することもできる。また得られたポリエステル樹脂には、各種の安定剤および改質剤を配合することができる。
【0036】
本発明の多層成形体は、上記芯層(A層)の両面に表層(B層)を積層してなり、更に(I)下記式(1)の条件を満足し、かつ(II)A層とB層との厚みの割合(B層:A層:B層)が、該層の厚みの合計を100としたとき、B層:A層:B層=5〜25:50〜90:5〜25の範囲にあるものである。
TgB―TgA ≧ 10 (1)
(ここで、TgAはJIS K7121に準拠して測定された芯層(A層)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(℃)、TgBはJIS K7121に準拠して測定された表層(B層)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(℃)。)
【0037】
本発明は上記特定の芯層(A層)および表層(B層)を使用すると共に、かかる特定の条件を満足した構成とすることで、耐熱性、透明性、耐衝撃性、および経済性に優れた多層成形体の提供を可能とする。上記式(1)において、A層に対するB層のガラス転移温度が10℃以上高くない場合には、多層化による耐熱性の向上効果が十分得られない。B層を構成する樹脂組成物は、かかる点において好適であると共に、透明性および耐衝撃性に優れるものである。尚、これらのガラス転移温度は、JIS K7121に準拠し、昇温速度20℃/minのDSC測定(示差走査熱量測定)により算出されるものである。
【0038】
上記式(1)における(TgB―TgA)の上限は50℃が適切である。(TgB―TgA)が50℃以上の場合は、A層のガラス転移温度の絶対値が不十分となり耐熱性が低下する場合がある。したがって上記式(1)は、より好ましくは下記式(3)、更に好ましくは下記式(4)、特に好ましくは下記式(5)の条件を満足する場合である。
10 ≦ TgB―TgA ≦ 50 (3)
15 ≦ TgB―TgA ≦ 40 (4)
20 ≦ TgB―TgA ≦ 40 (5)
またTgAの絶対値としては、65〜75℃が好ましく、70〜74℃がより好ましい。
【0039】
また本発明の多層成形体における上記芯層(A層)と表層(B層)との厚みの割合(B層:A層:B層)は、該層の厚みの合計を100としたとき、B層:A層:B層=5〜25:50〜90:5〜25の範囲であり、B層:A層:B層=8〜15:70〜84:8〜15の範囲であることがより好ましい。表層(B層)の厚みの割合が5より小さい場合には耐熱性が不十分となり、厚みの割合が25を超えた場合には高価なPEN系樹脂の割合が増加するに対して耐熱性が向上する効果が少ないため経済性の点で好ましくない。
【0040】
A層の両側に積層されたB層の厚みはそれぞれ同一であっても、また異なっていてもよいが、実質的に同一であることが好ましい。また厚みは多層成形体において必ずしも一定である必要はなく、厚みが連続的に、または不連続に変化するものであってもよい。
【0041】
多層成形体の厚みは特に限定されるものではないが、50〜1000μmの範囲が好ましく、100〜600μmの範囲がより好ましく、150〜500μmの範囲が更に好ましい。
【0042】
本発明は更に下記式(2)を満足することがより好適である。
(TgB―TgA)/10 ≦ 253−TmA (2)
(ここで、TmAはJIS K7121に準拠して測定された芯層(A層)を構成する樹脂組成物の融点(℃)であり、TgBおよびTgAは上記式(1)に同じである。)
【0043】
上記式(2)の条件を満足することにより、より透明性に優れた多層成形体、殊に熱成形用の多層シートを得ることができる。したがってA層の樹脂組成物は式(2)の条件を満足するよう調整されることが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂とは、元来非相溶の関係にあるが溶融状態で混合することによりエステル交換反応を伴って相溶化が進む。相溶化の進展によって融点の降下が起こり、上記TmAの値を低下させることができる。すなわち、芯層(A層)を構成する樹脂組成物は、式(2)を満足するように、樹脂組成だけでなく多層成形体の製造条件が調整されることが好ましい。尚、TmAの絶対値としては特に限定されるものではないが、245〜250℃の範囲が好ましく、246〜249℃の範囲がより好ましい。
【0044】
本発明の多層成形体は特にその形態を限定するものではないが、熱成形においても良好な透明性を達成可能であることから、多層シートおよびそれから熱成形により製造された成形品、殊に容器であることが好ましい。容器の中でも食品包装用容器が最適である。シートの製造方法としては、層を構成する樹脂組成物をTダイより溶融押出するTダイ法、カレンダー成形法、溶剤キャスティングする方法、およびインフレーション法などを挙げることができるがTダイ法が最も好適である。更にTダイ法によりシートを製造するにあたり、多層化する方法としては、Tダイ内において溶融樹脂を積層化する方法、および予め製造されたシート上に溶融樹脂を被覆して多層化する方法などを取ることができる。かかる多層化方法はTダイ法以外の方法においても同様に適用することが可能である。また各層独立に製造されたシートをラミネートすること方法も取り得る。上記の中でも特にTダイ内において溶融樹脂を積層化するTダイ法により本発明の多層シートを成形することが好ましい。
【0045】
本発明の多層シートを熱成形する方法としては、公知の真空成形、プラグアシスト付き真空成形、真空/圧空成形などを使用することができる。更に多層シートを熱成形して得られた成形品は、包装用途をはじめ、各種の電子・電気機器、車両、産業機械、農業資材、漁業資材、玩具、医療および雑貨など幅広い分野で使用が可能であり、殊に食品包装用途において好適な特性を有するものである。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施した例について説明する。尚、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)使用した樹脂
下記樹脂1〜樹脂4の樹脂を多層シートを構成する原料の樹脂組成物として使用した。
樹脂1:[ポリエチレンテレフタレート]
ポリエステルを構成するジカルボン酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がエチレングリコールからなり、o−クロルフェノール中35℃で測定した極限粘度数が0.75であるポリエチレンテレフタレートのペレット(帝人(株)製PET樹脂:TR8550T)
樹脂2:[シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート]
ポリエステルを構成する酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がエチレングリコールを主たる成分とし、ジオール成分の全量100モル%に対してシクロヘキサンジメタノールを20モル%共重合してなる共重合ポリエチレンテレフタレートのペレット(イーストマンケミカル社製:EASTAR6763)
樹脂3:[ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート]
ジカルボン酸成分100モル%中ナフタレンジカルボン酸が100モル%およびジオール成分100モル%中エチレングリコールが100モル%で構成され、o−クロロフェノール中35℃で測定されたその極限粘度数は0.55であるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレット(帝人(株)製:テオネックスTN8050)
樹脂4:[共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート]
ジカルボン酸成分100モル%中テレフタル酸が8モル%およびナフタレンジカルボン酸が92モル%、並びにジオール成分100モル%中エチレングリコールが100モル%で構成され、o−クロロフェノール中35℃で測定されたその極限粘度数は0.49である共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのペレット(帝人(株)製:テオネックスTN8756)
【0047】
(2)多層シートの製造
上記各樹脂原料を表1に記載の割合でタンブラーにより均一に混合した後、それぞれ単軸40mmφ(芯層用)および単軸30mmφ(表層用)の押出機に供給し、該押出機に接続された多層Tダイを用いて厚み0.3mmの2種3層構造の無延伸シートを製造した。なお冷却ロールには温度調整機が接続され、自在に冷却温度を制御することが可能であり、各シートにおいて最も製造が安定する30℃に調整した。なお実施例において式(1)のTmAは、(i)樹脂組成物の変更および(ii)シリンダ温度等の変更による製膜時の溶融樹脂温度の変化により変化させた。溶融樹脂温度はTダイから吐出される樹脂の温度を直接測定することにより求めた。なお、表層/芯層の厚み比は各押出機の吐出量により調整した。得られたシートの各層の厚みの割合はシート断面を偏光顕微鏡にて観察することより実測した。
【0048】
(3)多層シートの評価
下記の(I)および(II)((i)〜(iii))の評価を行った。
(I)各層のDSC測定
上記で製造された多層シートから、表層部または芯層部の樹脂を削りだし、DSC測定を行った。DSC測定は、JIS K7121規格に準拠し、昇温速度20℃/minで行った。
(II)容器の評価
上記で製造された多層シートから縦21cm×横15cm×深さ4cmの箱型の容器成形品を真空成形法により成形した。シートの加熱時間を調整することより、シート温度を90〜140℃まで変化させた。得られた容器は、成形品底部のリブ形状を判断基準としてその金型へのトレース性を目視観察された。真空成形時のシート温度は、結晶化による白化がなく最もトレース性が良好な温度とした。また金型温度は40℃とした。かかる条件下で得られた容器について下記(i)〜(iii)の評価を行った。
【0049】
(i)容器のヘーズ評価
多層シートを熱成形して得られた箱型の容器成形品に対して、その曇り度(ヘーズ)をJIS K7361に準拠して測定した。
(ii)容器の耐熱性評価
多層シートを熱成形して得られた箱型の容器成形品を、所定温度(70℃、80℃、および90℃)の熱風式乾燥機に入れ、10分後の容積変化率を測定した。容積変化率は、初期の容積に対する熱処理により収縮した容積の割合(%)として算出した。すなわち変化がなければ“0%”であり、熱処理後の容積が初期の容積の70%であれば“30%”となる。
(iii)容器の衝撃試験
多層シートを熱成形して得られた箱型の容器成形品に対して、常温にてJISK7124−2に準拠した衝撃試験を行い、貫通する全エネルギー量を求めた。
【0050】
実施例および比較例の条件および結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例1と比較例2を比較すると、実施例1は2種3層構造をとり、PEN系樹脂の全含有量は18重量%であるのに対し、比較例2では該PEN系樹脂の含有量は30重量%である。しかし耐熱性を比較すると明らかに実施例1の方が耐熱性に優れる。このことにより、本発明の特定の構成からなる多層成形体は、少ない耐熱性樹脂の含有量で高い耐熱性が発現されることが確認された。
【0053】
また、実施例1および実施例3からは、式(2)を満足することにより、より良好な透明性が達成されることが分かる。実施例1と比較例3から表層にシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートを配合しない場合、得られたシートの耐衝撃性が低下することが確認される。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、PEN系樹脂およびPET系樹脂からなりガラス転移温度(Tg)の異なる樹脂を積層化し、表層に高Tg、芯層に低Tgである樹脂組成物を用いることにより耐熱性が改善された多層成形体、殊に多層シートが提供される。更に本発明によれば芯層の融点を制御することにより熱成形時の加熱でも結晶化による白化のない、透明性に優れた熱成形された成形品が提供され、その奏する産業上の効果は極めて大である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a multilayer molded body, particularly a multilayer sheet. More specifically, the present invention is a polyester multilayer molded body having a specific structure, and is used for thermoforming to produce a heat-resistant container used for applications requiring heat resistance, transparency, impact resistance and economy. The present invention relates to a multilayer molded body particularly suitable as a sheet, particularly a multilayer sheet.
[0002]
[Prior art]
Thermoplastic polyesters are widely used in the field of food packaging and containers such as beverage packaging containers because they are excellent in food safety. For example, a hollow container manufactured by thermoforming a sheet made of polyethylene terephthalate resin is widely known. However, since polyethylene terephthalate resin (hereinafter sometimes referred to as PET) has a glass transition temperature of around 70 ° C., heat resistance may be insufficient depending on the application. In such applications, in recent years, studies have been widely conducted to produce highly heat-resistant containers using polyethylene naphthalate (hereinafter sometimes referred to as PEN) having a glass transition temperature of around 120 ° C. in place of polyethylene terephthalate.
[0003]
However, it is not economical to replace a conventional PET sheet for thermoforming with a PEN sheet as it is because PEN is still expensive. In particular, high economic efficiency is required for food packaging applications that often end their product life in a short period of time. This is because at present, such packaging is often discarded after use. Therefore, studies have been made on multilayer sheets of PEN sheets and PET sheets.
[0004]
The problem with such multilayer sheets is that poor molding occurs because the proper thermoforming temperature differs between PEN and PET. That is, molding failure due to insufficient heating (thickness unevenness, whitening due to voids, etc.) occurs in the PEN layer, and molding failure (whitening, etc.) due to crystallization due to excessive heating occurs in the PEN layer. there were.
[0005]
As an attempt to solve the above problem, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 03-133640 discloses a polyester multilayer molded article comprising a PET layer and a copolymerized PEN layer obtained by copolymerizing ethylene isophthalate units. However, the invention described as a specific example in this publication is a multilayer molded article having PET as a surface layer, and heat resistance is not sufficiently considered in this invention. In many specific cases, the proportion of PEN is high. Therefore, it is difficult to say that this publication discloses a multilayer molded article having good heat resistance and transparency and excellent in economic efficiency.
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-70628 describes a multilayer molded body obtained by laminating a layer composed of a composition composed of PEN and PET and PEN or PET. Further, such a multilayer molded article is characterized in that the crystallization behavior of a layer composed of the composition is controlled to a specific condition and range. However, the invention described as a specific example in such a gazette has a high ratio of PEN in the entire molded body. Therefore, this publication does not fully disclose a multilayer molded article excellent in heat resistance and transparency while sufficiently satisfying economic efficiency. Furthermore, when PEN was used for the surface layer, the resulting multilayer molded article had low impact resistance, and an improvement thereof was desired.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, a multilayer molded article having a multilayer structure of PEN and PET has a drawback that transparency is impaired when the PET layer is crystallized when heated to PEN molding conditions during thermoforming. On the other hand, for example, in food packaging applications, it is required to make the contents look beautiful, that is, high transparency. Further, in food packaging applications, it may be desired that food can be heated in a container, that is, excellent heat distortion resistance, in order to sterilize, cook, and warm the food. Further, as described above, high economic efficiency is required for such food packaging applications, and particularly, good impact resistance is also required for food containers.
[0008]
Therefore, the present invention provides a molded article having excellent transparency, heat distortion resistance, impact resistance, and economy, and in particular, has these characteristics that can produce a container without crystallization during thermoforming. It is an object of the present invention to provide a satisfactory thermoforming sheet.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention relates to a core layer (A layer) composed of a resin composition comprising a polyethylene terephthalate resin and a polyethylene naphthalate resin, and 2 to 50 mol of cyclohexanedimethanol as a copolymer component in 100 mol% of all diol components. Copolymerized polyethylene terephthalate resin 1 to 50% by weight, polyethylene naphthalate resin 50 to 99% by weight and polyethylene terephthalate resin 0 to 40% by weight of the surface layer (B layer) The layer B is laminated on both sides of the layer A, and (I) satisfies the condition of the following formula (1), and (II) the ratio of the thickness of the layer A and the layer B (layer B: A layer: B layer) is a multilayer composition in the range of B layer: A layer: B layer = 5-25: 50-90: 5-25, where the total thickness of the layers is 100. It relates to the body.
T g BT g A ≧ 10 (1)
(Where T g A is the glass transition temperature (° C.) of the resin composition constituting the core layer (A layer) measured according to JIS K7121, T g B is the glass transition temperature (° C.) of the resin composition constituting the surface layer (B layer) measured according to JIS K7121. )
[0010]
One of the preferred embodiments of the present invention is that the resin composition constituting the layer A is a polyethylene terephthalate resin 80 to 97 in a total of 100% by weight of the polyethylene terephthalate resin and the polyethylene naphthalate resin. The multilayer molded body is composed of 3% by weight and 3 to 20% by weight of polyethylene naphthalate resin.
[0011]
One of the preferred embodiments of the present invention relates to (III) the multilayer molded article that further satisfies the condition of the following formula (2).
(T g BT g A) / 10 ≦ 253-T m A (2)
(Where T m A is the melting point (° C.) of the resin composition constituting the core layer (A layer) measured in accordance with JIS K7121, and T g B and T g A is the same as the above formula (1). )
[0012]
One of the preferred embodiments of the present invention relates to the multilayer molded article, wherein the polyethylene naphthalate resin contains 5 to 12 mol% of terephthalic acid as a copolymer component in 100 mol% of the total acid components.
[0013]
One of the preferred embodiments of the present invention relates to the multilayer molded body, wherein the multilayer molded body is a multilayer sheet.
[0014]
One of the preferred embodiments of the present invention relates to a container formed by thermoforming the multilayer sheet.
[0015]
Details of the present invention will be described below.
The core layer (A layer) of the present invention is composed of a resin composition comprising a polyethylene terephthalate resin and a polyethylene naphthalate resin. The polyethylene terephthalate-based resin (hereinafter sometimes referred to as “PET-based resin”) in the A layer is a main repeating unit of ethylene terephthalate, the dicarboxylic acid component of which is 85 mol% or more, and a diol component As a polyester resin containing 85 mol% or more of ethylene glycol. The PET-based resin in the A layer preferably contains 90 mol% or more, more preferably 95 mol% or more of a terephthalic acid component as a dicarboxylic acid component. The PET resin in the A layer preferably contains 90 mol% or more, more preferably 95 mol% or more of ethylene glycol as a diol component.
[0016]
The polyethylene naphthalate resin (hereinafter sometimes referred to as “PEN resin”) in layer A is ethylene naphthalate as the main repeating unit, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid component is 75 as its dicarboxylic acid component. It is a polyester resin containing at least 85 mol% of ethylene glycol as a diol component. The PEN-based resin in the A layer preferably contains 80 mol% or more, more preferably 85 mol% or more of a 2,6-naphthalenedicarboxylic acid component as a dicarboxylic acid component. Further, the PEN resin in the A layer preferably contains 87 mol% or more, more preferably 90 mol% or more of ethylene glycol as a diol component.
[0017]
Examples of other dicarboxylic acid components in the PET resin and PEN resin include, for example, terephthalic acid (in the case of PEN resin), isophthalic acid, 2-chloroterephthalic acid, 2,5-dichloroterephthalic acid, 2-methyl Terephthalic acid, 4,4-stilbene dicarboxylic acid, 4,4-biphenyldicarboxylic acid, orthophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid (in the case of PET resin), 2,7-naphthalenedicarboxylic acid, bisbenzoic acid, bis (P-carboxyphenyl) methane, anthracene dicarboxylic acid, 4,4-diphenyl ether dicarboxylic acid, 4,4-diphenoxyethanedicarboxylic acid, 5-Na sulfoisophthalic acid, and ethylene-bis-p-benzoic acid . These dicarboxylic acids can be used alone or in admixture of two or more.
[0018]
In addition to the aromatic dicarboxylic acid, an aliphatic dicarboxylic acid component can be copolymerized with the PET resin and PEN resin. Examples of the aliphatic dicarboxylic acid component include adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, dodecanedioic acid, 1,3-cyclohexanedicarboxylic acid, and 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid.
[0019]
Examples of other diol components in the PET resin and PEN resin include ethylene glycol, diethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propanediol, 2,2-dimethyl-1,3-propanediol, trans -Or -2,2,4,4-tetramethyl-1,3-cyclobutanediol, 1,4-butanediol, neopentyl glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,4- Examples include cyclohexanedimethanol, 1,3-cyclohexanedimethanol, decamethylene glycol, cyclohexanediol, p-xylenediol, and bisphenol A. These can be used alone or in admixture of two or more. Furthermore, PET resins and PEN resins obtained by slightly copolymerizing polyethylene glycol as the diol component can also be used. The molecular weight of polyethylene glycol is preferably in the range of 150 to 6,000.
[0020]
The PET resin and PEN resin of the A layer can be used alone or in combination of two or more.
[0021]
Among the above, the PET resin of the A layer is preferably a polyester resin which does not contain other copolymer components and is substantially produced only from a terephthalic acid component and an ethylene glycol component. However, even in such a polyester resin, about 0.5 mol% or more of a diethylene glycol component is usually contained in 100 mol% of the diol component as a side reaction product during polymerization. Therefore, a suitable PET resin for the A layer may contain a small amount of a diethylene glycol component. The diethylene glycol component is preferably 6 mol% or less, more preferably 5 mol% or less, and still more preferably 4 mol% or less, in 100 mol% of the diol component.
[0022]
Among the above, the PEN resin of the A layer is composed of 85 mol% or more of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid component and 15 mol% or less of terephthalic acid as dicarboxylic acid component, and substantially only ethylene glycol component as diol component. The produced polyester resin is preferred. Such a preferred PEN resin of the A layer preferably does not contain a terephthalic acid component from the viewpoint of heat resistance.
[0023]
However, in order to satisfy the condition (2) which is a more preferred embodiment of the present invention, it is advantageous that the melting point of the resin composition is low in the core layer (A layer). Satisfactory transparency can be obtained by satisfying these conditions. In order to satisfy the formula (2), good compatibility between the PET resin and the PEN resin is required in the resin composition of the A layer. The copolymerization of terephthalic acid in the PEN resin is effective in this respect, and there is little decrease in heat resistance. From the viewpoint of the transparency of the resin composition, when the terephthalic acid component is copolymerized in the PEN resin of the A layer, the content is preferably 5 mol% or more in 100 mol% of the dicarboxylic acid. The proportion of the terephthalic acid component is more preferably 5 to 12 mol%, more preferably 8 to 12 mol%, in 100 mol% of the dicarboxylic acid.
[0024]
The ratio of the PET-based resin and the PEN-based resin in the resin composition constituting the core layer (A layer) is not particularly limited as long as it satisfies the requirement of formula (1). However, it is not preferable that the amount of PEN resin is unnecessarily large in terms of economy. More preferably, the resin composition is 80 to 97% by weight of a PET resin and 3 to 20% by weight of a PEN resin in a total of 100% by weight of a PET resin and a PEN resin, and more preferably a PET resin. The resin is 90 to 96% by weight and the PEN resin is 4 to 10% by weight, particularly preferably the PET resin 93 to 96% by weight and the PEN resin 4 to 7% by weight.
[0025]
Next, the resin composition constituting the surface layer (B layer) will be described. The surface layer (B layer) of the present invention comprises 1 to 50% by weight of a copolymerized polyethylene terephthalate resin containing 2 to 50% by mole of cyclohexanedimethanol as a copolymer component in 100% by mole of all diol components, and 50 to 99% by weight of a PEN resin. % And a resin composition comprising 0 to 40% by weight of a PET-based resin.
[0026]
As the PET resin for the B layer, the same one as the PET resin for the A layer can be used. Also, the PEN resin for the B layer can be the same as the PET resin for the A layer. It is the same as in the case of the A layer that both can be used alone or in combination of two or more. Further, the PET resin for the A layer and the PET resin for the B layer can be selected either when they are the same or different from each other. This relationship is the same for the PEN resin in the A layer and the PEN resin in the B layer.
[0027]
Suitable PEN-based resins in the B layer are, as in the A layer, 85 mol% or more of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid component and 15 mol% or less of terephthalic acid as the dicarboxylic acid component, and substantially ethylene as the diol component. It is a polyester resin produced only from the glycol component. In a suitable PEN-based resin in the B layer, the proportion of the dicarboxylic acid component can be appropriately adjusted depending on which of heat resistance, transparency, impact resistance, and economic properties are more important. When emphasizing transparency, the proportion of the terephthalic acid component is more preferably 5 to 12 mol%, more preferably 8 to 12 mol%, in 100 mol% of the dicarboxylic acid.
[0028]
The resin composition constituting the B layer is a copolymerized polyethylene terephthalate resin (hereinafter referred to as “CHDM copolymerized PET resin”) containing 2 to 50 mol% of cyclohexanedimethanol as a copolymer component in 100 mol% of all diol components. Is an essential component. By making such a component an essential component at a specific ratio, the B layer can have good impact resistance and transparency without a decrease in heat resistance. As a result, it is possible to provide a multilayer molded body having these characteristics, particularly a container.
[0029]
Such a CHDM copolymerized PET resin includes 85 mol% or more of a terephthalic acid component as a dicarboxylic acid component, and 50 to 98 mol% of an ethylene glycol component and a cyclohexanedimethanol component 2 in 100 mol% of all diol components as a diol component. It is a polyester resin containing ˜50 mol%, and the total of ethylene glycol component and cyclohexanedimethanol component is 85 mol% or more in 100 mol% of all diol components. The CHDM copolymerized PET-based resin in layer B preferably contains 90 mol% or more, more preferably 95 mol% or more of terephthalic acid as a dicarboxylic acid component. Moreover, it is preferable that the CHDM copolymerization PET-type resin in B layer contains 10-40 mol% of cyclohexanedimethanol components in 100 mol% of all diols as a diol component, and 20-30 mol% is more preferable. Further, the CHDM copolymerized PET resin preferably contains 60 to 90 mol%, more preferably 70 to 80 mol% of the ethylene glycol component in 100 mol% of all diols as the diol component. Further, the CHDM copolymerized PET resin preferably contains 90 mol% or more, more preferably 95 mol% or more of the cyclohexanedimethanol component and the ethylene glycol component in 100 mol% of the total diol.
[0030]
Here, examples of cyclohexanedimethanol include 1,4-cyclohexanedimethanol and 1,3-cyclohexanedimethanol, and 1,4-cyclohexanedimethanol is more preferable.
[0031]
The PET resin in the core layer (A layer) may contain the above CHDM copolymerized PET resin.
[0032]
The molecular weights of the above various polyester resins are preferably such that the intrinsic viscosity measured at 35 ° C. using o-chlorophenol as a solvent is in the range of 0.4 to 1.3 dl / g, 0.45 to 1.2 dl. The range of / g is more preferable. Moreover, although the terminal carboxyl group amount of the resin composition which comprises said each layer is not restrict | limited in particular, 30 eq / ton or less is preferable and 25 eq / ton or less is still more preferable. A lower limit of 5 eq / ton or more is practically appropriate.
[0033]
Said various polyester resin can be manufactured by a conventionally well-known manufacturing method. That is, dicarboxylic acid and diol are directly reacted to distill off water and esterify, followed by direct esterification by polycondensation under reduced pressure, or dicarboxylic acid dimethyl ester and diol to react to distill off methyl alcohol and ester After the exchange, it is produced by a transesterification method in which polycondensation is performed under reduced pressure. Further, solid state polymerization can be performed to increase the intrinsic viscosity number.
[0034]
In the transesterification or esterification reaction and polycondensation reaction, it is preferable to use a catalyst and a stabilizer. As the transesterification catalyst, Mg compound, Mn compound, Ca compound, Zn compound and the like are used. Examples thereof include acetates, monocarboxylates, alcoholates and oxides thereof. Further, the esterification reaction can be carried out only with dicarboxylic acid and diol without adding a catalyst, but can also be carried out in the presence of a polycondensation catalyst described later.
[0035]
As the polycondensation catalyst, Ge compounds, Ti compounds, Sb compounds and the like can be used, and examples thereof include germanium dioxide, germanium hydroxide, germanium alcoholate, titanium tetrabutoxide, titanium tetraisopropoxide, and titanium oxalate. . It is preferable to use a phosphorus compound as a stabilizer. Preferable phosphorus compounds include phosphoric acid and its ester, phosphorous acid and its ester, hypophosphorous acid and its ester, hypophosphorous acid and its ester, and the like. In addition, during the esterification reaction, a tertiary compound such as triethylamine, a quaternary ammonium hydroxide such as tetraethylammonium hydroxide, and a basic compound such as sodium carbonate can be added to suppress diethylene glycol by-product. Moreover, various stabilizers and modifiers can be blended in the obtained polyester resin.
[0036]
The multilayer molded body of the present invention is obtained by laminating a surface layer (B layer) on both surfaces of the core layer (A layer), and further satisfies (I) the condition of the following formula (1) and (II) A layer And the ratio of the thickness of the B layer (B layer: A layer: B layer), where the total thickness of the layers is 100, the B layer: A layer: B layer = 5-25: 50-90: 5 It is in the range of ˜25.
T g BT g A ≧ 10 (1)
(Where T g A is the glass transition temperature (° C.) of the resin composition constituting the core layer (A layer) measured according to JIS K7121, T g B is the glass transition temperature (° C.) of the resin composition constituting the surface layer (B layer) measured according to JIS K7121. )
[0037]
The present invention uses the specific core layer (A layer) and the surface layer (B layer), and has a configuration satisfying such specific conditions, thereby improving heat resistance, transparency, impact resistance, and economic efficiency. It is possible to provide an excellent multilayer molded article. In the above formula (1), when the glass transition temperature of the B layer with respect to the A layer is not higher than 10 ° C., the effect of improving the heat resistance due to the multilayering cannot be obtained sufficiently. The resin composition constituting the B layer is suitable in this respect, and is excellent in transparency and impact resistance. These glass transition temperatures are calculated by DSC measurement (differential scanning calorimetry) at a rate of temperature increase of 20 ° C./min in accordance with JIS K7121.
[0038]
(T in the above formula (1) g BT g A suitable upper limit for A) is 50 ° C. (T g BT g When A) is 50 ° C. or higher, the absolute value of the glass transition temperature of the A layer may be insufficient and the heat resistance may decrease. Therefore, the above formula (1) is more preferably when the condition of the following formula (3) is satisfied, further preferably the following formula (4) is satisfied, and particularly preferably the following formula (5) is satisfied.
10 ≦ T g BT g A ≦ 50 (3)
15 ≦ T g BT g A ≦ 40 (4)
20 ≦ T g BT g A ≦ 40 (5)
T g The absolute value of A is preferably 65 to 75 ° C, more preferably 70 to 74 ° C.
[0039]
Further, the ratio of the thickness of the core layer (A layer) and the surface layer (B layer) in the multilayer molded body of the present invention (B layer: A layer: B layer), when the total thickness of the layers is 100, B layer: A layer: B layer = 5-25: 50-90: 5-25, B layer: A layer: B layer = 8-15: 70-84: 8-15 Is more preferable. When the thickness ratio of the surface layer (B layer) is smaller than 5, the heat resistance becomes insufficient, and when the thickness ratio exceeds 25, the ratio of the expensive PEN resin increases, whereas the heat resistance increases. Since there is little improvement effect, it is not preferable in terms of economy.
[0040]
The thicknesses of the B layers stacked on both sides of the A layer may be the same or different, but are preferably substantially the same. Further, the thickness is not necessarily constant in the multilayer molded body, and the thickness may change continuously or discontinuously.
[0041]
Although the thickness of a multilayer molded object is not specifically limited, The range of 50-1000 micrometers is preferable, The range of 100-600 micrometers is more preferable, The range of 150-500 micrometers is still more preferable.
[0042]
The present invention more preferably satisfies the following formula (2).
(T g BT g A) / 10 ≦ 253-T m A (2)
(Where T m A is the melting point (° C.) of the resin composition constituting the core layer (A layer) measured in accordance with JIS K7121, and T g B and T g A is the same as the above formula (1). )
[0043]
By satisfying the condition of the above formula (2), it is possible to obtain a multilayer molded body having excellent transparency, particularly a multilayer sheet for thermoforming. Therefore, it is preferable that the resin composition of A layer is adjusted so that the conditions of Formula (2) may be satisfied. For example, a polyethylene terephthalate resin and a polyethylene naphthalate resin are originally incompatible, but compatibilization proceeds with a transesterification reaction by mixing in a molten state. The melting point decreases due to the progress of compatibilization, and the above T m The value of A can be reduced. That is, it is preferable that not only a resin composition but the manufacturing conditions of a multilayer molded object are adjusted so that the resin composition which comprises a core layer (A layer) may satisfy | fill Formula (2). T m Although it does not specifically limit as an absolute value of A, The range of 245-250 degreeC is preferable, and the range of 246-249 degreeC is more preferable.
[0044]
The multilayer molded body of the present invention is not particularly limited in its form, but since good transparency can be achieved even in thermoforming, the multilayer sheet and a molded article produced from the multilayer sheet by thermoforming, in particular, a container. It is preferable that Among containers, food packaging containers are most suitable. Examples of the sheet production method include a T-die method in which a resin composition constituting the layer is melt-extruded from a T-die, a calendar molding method, a solvent casting method, and an inflation method, but the T-die method is most preferred. It is. Further, when manufacturing a sheet by the T-die method, multilayering methods include a method of laminating a molten resin in a T-die and a method of multilayering by coating a molten resin on a previously manufactured sheet. Can be taken. Such a multilayering method can be similarly applied to methods other than the T-die method. Moreover, the method of laminating | stacking the sheet | seat manufactured independently for each layer can also be taken. Among the above, the multilayer sheet of the present invention is preferably formed by a T-die method in which molten resin is laminated in a T-die.
[0045]
As a method for thermoforming the multilayer sheet of the present invention, known vacuum forming, vacuum forming with plug assist, vacuum / pressure forming, or the like can be used. Furthermore, molded products obtained by thermoforming multilayer sheets can be used in a wide range of fields, including packaging applications, various electronic and electrical equipment, vehicles, industrial machinery, agricultural materials, fishery materials, toys, medical care, and miscellaneous goods. In particular, it has characteristics suitable for food packaging applications.
[0046]
【Example】
Hereinafter, examples in which the present invention is implemented will be described. The present invention is not limited to these examples.
(1) Used resin
The following resins 1 to 4 were used as a raw material resin composition constituting the multilayer sheet.
Resin 1: [Polyethylene terephthalate]
Polyethylene terephthalate pellets (polyethylene terephthalate PET resin, which has a limiting viscosity number of 0.75 measured in o-chlorophenol at 35 ° C., consisting of terephthalic acid as the dicarboxylic acid component constituting the polyester and ethylene glycol as the diol component) : TR8550T)
Resin 2: [Cyclohexanedimethanol copolymerized polyethylene terephthalate]
Polyester terephthalate pellets (yeast produced by copolymerizing 20 mol% of cyclohexanedimethanol with 100 mol% of the total amount of diol components, with terephthalic acid as the main component constituting the polyester and diol component as the main component. Man Chemical Co., Ltd .: EASTAR6763)
Resin 3: [Polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate]
It consists of 100 mol% naphthalenedicarboxylic acid in 100 mol% dicarboxylic acid component and 100 mol% ethylene glycol in 100 mol% diol component, and its intrinsic viscosity measured at 35 ° C in o-chlorophenol is 0.55. Polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate pellets (Teijin Limited: Teonex TN8050)
Resin 4: [Copolymerized polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate]
Consists of 8 mol% terephthalic acid and 92 mol% naphthalene dicarboxylic acid in 100 mol% dicarboxylic acid component, and 100 mol% ethylene glycol in 100 mol% diol component, measured in o-chlorophenol at 35 ° C. Copolymer polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate pellets having an intrinsic viscosity of 0.49 (manufactured by Teijin Limited: Teonex TN8756)
[0047]
(2) Manufacture of multilayer sheets
Each of the above resin raw materials is uniformly mixed by a tumbler at the ratio shown in Table 1, and then supplied to a single-axis 40 mmφ (for core layer) and single-axis 30 mmφ (for surface layer) extruder, respectively, and connected to the extruder. An unstretched sheet having a thickness of 0.3 mm and a two-layer / three-layer structure was manufactured using the multilayer T-die. A temperature adjuster is connected to the cooling roll, and the cooling temperature can be freely controlled. The temperature is adjusted to 30 ° C. where the production is most stable in each sheet. In the embodiment, T in the formula (1) m A was changed by (i) changing the resin composition and (ii) changing the molten resin temperature during film formation by changing the cylinder temperature or the like. The molten resin temperature was determined by directly measuring the temperature of the resin discharged from the T die. The thickness ratio of the surface layer / core layer was adjusted by the discharge amount of each extruder. The ratio of the thickness of each layer of the obtained sheet was measured by observing the sheet cross section with a polarizing microscope.
[0048]
(3) Evaluation of multilayer sheet
The following (I) and (II) ((i) to (iii)) were evaluated.
(I) DSC measurement of each layer
From the multilayer sheet produced above, the resin of the surface layer portion or the core layer portion was shaved and subjected to DSC measurement. The DSC measurement was performed at a heating rate of 20 ° C./min in accordance with JIS K7121 standard.
(II) Container evaluation
A box-shaped container molded product having a length of 21 cm, a width of 15 cm, and a depth of 4 cm was formed from the multilayer sheet produced above by a vacuum forming method. By adjusting the heating time of the sheet, the sheet temperature was changed from 90 to 140 ° C. The obtained container was visually observed for its traceability to the mold using the rib shape at the bottom of the molded product as a criterion. The sheet temperature at the time of vacuum forming was set to a temperature at which the traceability was the best without whitening due to crystallization. The mold temperature was 40 ° C. The following (i)-(iii) evaluation was performed about the container obtained on this condition.
[0049]
(i) Haze evaluation of containers
The haze of the box-shaped container molded product obtained by thermoforming the multilayer sheet was measured according to JIS K7361.
(Ii) Evaluation of heat resistance of container
A box-shaped container molded product obtained by thermoforming the multilayer sheet was placed in a hot air dryer at a predetermined temperature (70 ° C., 80 ° C., and 90 ° C.), and the volume change rate after 10 minutes was measured. The volume change rate was calculated as a ratio (%) of the volume contracted by the heat treatment with respect to the initial volume. That is, it is “0%” if there is no change, and “30%” if the volume after heat treatment is 70% of the initial volume.
(Iii) Container impact test
An impact test based on JISK7124-2 was performed at room temperature on a box-shaped container molded product obtained by thermoforming a multilayer sheet, and the total amount of energy penetrating was obtained.
[0050]
Table 1 shows the conditions and results of Examples and Comparative Examples.
[0051]
[Table 1]
[0052]
Comparing Example 1 and Comparative Example 2, Example 1 has a two-layer three-layer structure, and the total content of PEN resin is 18% by weight, whereas Comparative Example 2 contains the PEN resin. The amount is 30% by weight. However, when heat resistance is compared, Example 1 is clearly superior in heat resistance. Accordingly, it was confirmed that the multilayer molded article having a specific configuration of the present invention exhibits high heat resistance with a small content of the heat resistant resin.
[0053]
Moreover, from Example 1 and Example 3, it turns out that more favorable transparency is achieved by satisfying Formula (2). From Example 1 and Comparative Example 3, it is confirmed that when the cyclohexanedimethanol copolymerized polyethylene terephthalate is not blended in the surface layer, the impact resistance of the obtained sheet is lowered.
[0054]
【The invention's effect】
According to the present invention, heat resistance is improved by laminating resins composed of PEN resin and PET resin and having different glass transition temperatures (Tg), and using a resin composition having a high Tg for the surface layer and a low Tg for the core layer. An improved multilayer molded body, in particular a multilayer sheet, is provided. Furthermore, according to the present invention, by controlling the melting point of the core layer, there is provided a thermoformed molded article excellent in transparency without whitening due to crystallization even by heating during thermoforming, and the industrial effect exhibited by the product is It is extremely large.
Claims (6)
50≧TgB−TgA≧10 (1)
(ここで、TgAはJIS K7121に準拠して測定された芯層(A層)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(℃)、TgBはJIS K7121に準拠して測定された表層(B層)を構成する樹脂組成物のガラス転移温度(℃)。)A core layer (A layer) composed of a resin composition comprising a polyethylene terephthalate resin and a polyethylene naphthalate resin, and a copolymer comprising 2 to 50 mol% of cyclohexanedimethanol as a copolymer component in 100 mol% of all diol components It has a surface layer (B layer) composed of a resin composition consisting of 1 to 50% by weight of polymerized polyethylene terephthalate resin, 50 to 99% by weight of polyethylene naphthalate resin and 0 to 40% by weight of polyethylene terephthalate resin, and A B layers are laminated on both sides of the layer, and (I) the condition of the following formula (1) is satisfied, and (II) the ratio of the thickness of the A layer and the B layer (B layer: A layer: B layer) ) Is a multilayer laminate in a range of B layer: A layer: B layer = 5-25: 50-90: 5-25, where the total thickness of the layers is 100.
50 ≧ T g B−T g A ≧ 10 (1)
(Here, T g A is the glass transition temperature (° C.) of the resin composition constituting the core layer (A layer) measured according to JIS K7121, and T g B is measured according to JIS K7121. (The glass transition temperature (° C.) of the resin composition constituting the surface layer (B layer).)
(TgB−TgA)/10≦253−TmA (2)
(ここでTmAはJIS K7121に準拠して測定された芯層(A層)を構成する樹脂組成物の融点(℃)であり、TgBおよびTgAは上記式(1)に同じである。)Furthermore, (III) The multilayer molded object of any one of Claim 1 or 2 which satisfies the conditions of following formula (2).
(T g B−T g A) / 10 ≦ 253−T m A (2)
(Here, T m A is the melting point (° C.) of the resin composition constituting the core layer (A layer) measured according to JIS K7121, and T g B and T g A are expressed in the above formula (1). Same.)
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