JP4023010B2 - 自動車用アクスル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用アクスル装置に係り、詳しくは、ハブ脱着時における軸受ユニット構成部品の分離や損傷を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のアクスル装置に用いられる制動装置としては、近年、安定性や耐フェード性に優れることから、旧来のドラムブレーキに代えて、ディスクブレーキが採用されることが多くなっている。ディスクブレーキは、ホイールと一体に回転するブレーキディスクをキャリパに保持されたブレーキパッドによって締め付けるもので、ホイールの内部にブレーキディスクやキャリパを収めたアウトボード形式が一般に採用されている。
【0003】
アウトボード形式のディスクブレーキでは、図3にFF車の駆動輪側アクスル装置での例を示したように、ブレーキディスク1はハブ3に取り付けられている。図3において、符号5で示した部材は複列テーパローラ型の軸受ユニットであり、ボルト7によりナックルアーム9に締結された外輪11と、ハブ3の円筒部外周に圧入・一体化された内外二分割型の内輪13a、13bと、外輪11と内輪13a、13bとの間に介装された2列のテーパローラ15a、15bと、内外一対のダストシール17a、17bから構成されている。ハブ3は、この軸受ユニット5に回動自在に支持されると共に、ナット19および平ワッシャ21によってドライブシャフト23に締結されている。ハブ3には、図示しないホイールの装着に供されるハブフランジ25が形成されており、ブレーキディスク1はハブフランジ25の裏面にボルト27により締結されている。図3中、符号29で示した部材はハブフランジ25に圧入されたハブボルトであり、符号31で示した部材は等速ジョイントである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のアクスル装置では、ハブをドライブシャフトやアクスルシャフトから分離する際に、軸受ユニットを損傷することがあった。
通常、ホイールに装着されるタイヤは、自動車の走行形態(高速道路と市街地との走行割合等)にもよるが、数万キロメートルの走行によって使用限度まで摩耗する。したがって、整備作業者は、自動車の寿命が尽きるまでに、ホイールの脱着を伴うタイヤの交換を多数回行う他、ブレーキパッドの点検整備時等にもハブからホイールを脱着するが、その際に不注意等によってハブボルトのスレッド等を破損させることがあった。この場合、ハブボルトまたはハブ全体の交換が必要となるが、これらの交換作業にあたっては、いずれにせよ、ドライブシャフト(従動輪の場合には、アクスルシャフト)からハブを脱着する必要がある。
【0005】
図3に示したアクスル装置からハブ3を取り外す場合、整備作業者は、先ずナット19とボルト7とを緩め外した後、ブレーキディスク1と軸受ユニット5とが組み付けられた状態でドライブシャフト23およびナックルアーム9からハブ3を取り外す。次に、整備作業者は、図4に示したように、軸受ユニット5の外輪11を治具33に固定した後、油圧装置のロッド35等を用いてハブ3を軸受ユニット5に対して外側に相対移動させる。ところが、ハブ3には軸受ユニット5の内輪13bが圧入・一体化されているため、図4に示したように、ハブ3と伴に軸受ユニット5から外側の内輪13bが分離し、外側のテーパローラ15bやダストシール17bも内輪13bと共に分離してしまう。
【0006】
このような事態に陥った場合、整備作業者は、ハブ3から内輪13bを分離させて軸受ユニット5を再び組み立てることも可能であるが、その作業は非常に煩雑なものになると同時に、軸受ユニット5内に塵埃等が侵入したり、ダストシール17が変形する等の不具合も生じる。また、このような問題を避けるべく、軸受ユニット5を新品に交換した場合、メンテナンスコストが著しく上昇することになる。尚、実公平8−2520987号公報には、ブレーキディスクの内周面に軸受ユニットが通過可能な凹部を形成し、ハブと軸受ユニットとを分離せずにブレーキディスクをハブから取り外せるものが記載されている。しかしながら、同公報に記載されたアクスル装置においても、ハブを脱着する際においては、軸受ユニットから内輪が分離することは避けられない。
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、ハブ脱着時における軸受ユニット構成部品の分離や損傷を防止した自動車用アクスル装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するべく、ナットによりドライブシャフトまたはアクスルシャフトに結合されると共に、ホイールの装着に供されるハブフランジが先端側に形成され、かつ円筒部でドライブシャフトまたはアクスルシャフトに外嵌したハブと、径方向内方に延びる取付フランジを一体に有し該取付フランジでこのハブの内側に締結されたブレーキディスクと、アクスル支持部材と前記ハブの前記円筒部との間に介装され、内輪が前記ハブの前記円筒部に外嵌する軸受ユニットとを備えた自動車用アクスル装置において、前記ブレーキディスクは、その取付フランジの内径が前記軸受ユニットの内輪の外径より小さく設定されていて、該取付フランジの内側面が前記軸受ユニットの内輪の外端面に所定隙間をもって対峙していることを特徴とするものを提案する。この自動車用アクスル装置では、例えば、ブレーキディスクを治具により固定した状態で、油圧装置を用いてハブを軸受ユニットから外側に相対移動させる。すると、ブレーキディスクの取付フランジにより軸受ユニットの内輪が係止されるため、軸受ユニットの内輪や転動体の分離等が起こらなくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をFF車の駆動輪側アクスル装置に適用した一実施形態を図面を参照して説明する。尚、説明の便宜上、前述した従来装置と同一の部材には同一の符号を付す。
図1は、実施形態の要部を示す縦断面図である。同図に示したように、ブレーキディスク1はハブ3に取り付けられている。また、符号5で示した部材は複列テーパローラ型の軸受ユニットであり、ボルト7によりナックルアーム9に締結された外輪11と、ハブ3の円筒部外周に圧入・一体化された内外二分割型の内輪13a、13bと、外輪11と内輪13a、13bとの間に介装された2列のテーパローラ15a、15bと、内外一対のダストシール17a、17bから構成されている。ハブ3は、この軸受ユニット5に回動自在に支持されると共に、ナット19および平ワッシャ21によってドライブシャフト23に締結されている。ハブ3には、図示しないホイールの装着に供されるハブフランジ25が形成されており、ブレーキディスク1はハブフランジ25の裏面にボルト27により締結されている。図1中、符号29で示した部材はハブフランジ25に圧入されたハブボルトであり、符号31で示した部材は等速ジョイントであり、ドライブシャフト23に接続されている。
【0009】
本実施形態の場合、上述したように、アクスル装置の全体構成は前述した従来装置と同様であるが、ブレーキディスク1の形状が従来装置に対して異なっている。すなわち、ブレーキディスク1は内周側に比較的薄い取付フランジ41を有しており、この取付フランジ41の内径が軸受ユニット5の内輪13bの外径より所定量小さく形成されると共に、該取付フランジ41の内面と軸受ユニット5の外面とが所定の隙間をもって対峙している。
【0010】
以下、本実施形態の作用を述べる。
整備作業者は、ハブボルト29のスレッド等を破損させた場合、アクスル装置からハブ3を取り外した後、ハブボルト29やハブ3の交換を行う。この際、整備作業者は、先ずナット19とボルト7とを緩め外した後、ブレーキディスク1と軸受ユニット5とが組み付けられた状態でドライブシャフト23およびナックルアーム9からハブ3を取り外す。
【0011】
次に、整備作業者は、ボルト27を緩め外してハブ3とブレーキディスク1とを分離させた後、図2に示したように、ブレーキディスク1の外側面に治具43をあてがい、油圧装置のロッド35等を用いてハブ3を軸受ユニット5に対して相対移動させる。すると、治具43に係止されたブレーキディスク1は、その取付フランジ41の内側面で内輪13を含む軸受ユニット5の外側面に当接し、ロッド35の進入に応じてハブ3のみが分離されることになる。
【0012】
このように、本実施形態のアクスル装置では、従来装置で問題となっていた軸受ユニット5からの内輪13bの分離が起きず、軸受ユニット5が完全な状態で保存されるため、ハブ3の脱着時における整備作業者の負担や脱着作業に要する時間を大幅に軽減することができた。
【0013】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態は、FF車の駆動輪に本発明を適用したものであるが、FF車やFR車の従動輪に適用してもよい。また、ブレーキディスクや軸受ユニットの形状や形式の他、アクスル装置の具体的構成についても、上記実施形態での例示に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、設計上あるいは仕様上の要求等により適宜変更可能である。
【0014】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る自動車用アクスル装置によれば、ナットによりドライブシャフトまたはアクスルシャフトに結合されると共に、ホイールの装着に供されるハブフランジが先端側に形成され、かつ円筒部でドライブシャフトまたはアクスルシャフトに外嵌したハブと、径方向内方に延びる取付フランジを一体に有し外取付フランジでこのハブの内側に締結されたブレーキディスクと、アクスル支持部材と前記ハブの前記円筒部との間に介装され、その内輪が前記ハブの前記円筒部に外嵌する軸受ユニットとを備えた自動車用アクスル装置において、前記ブレーキディスクは、前記取付フランジの内径が前記軸受ユニットの内輪の外径より小さく設定されていて、該取付フランジの内側面が前記軸受ユニットの内輪の外端面に所定隙間をもって対峙しているものとしたため、ハブを軸受ユニットから相対移動させる際に、ブレーキディスクの取付フランジにより軸受ユニットの内輪が係止されるため、軸受ユニットの内輪や転動体の分離等が起こらなくなり、ハブの脱着時における整備作業者の負担や脱着作業に要する時間を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示した要部縦断面図である。
【図2】同実施形態におけるハブの分離作業を示した説明図である。
【図3】従来の自動車用アクスル装置を示した要部縦断面図である。
【図4】従来装置におけるハブの分離作業を示した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥ブレーキディスク
3‥‥ハブ
5‥‥軸受ユニット
9‥‥ナックルアーム
13a、13b‥‥内輪
23‥‥ドライブシャフト
41‥‥取付フランジ
43‥‥治具
Claims (1)
- ナットによりドライブシャフトまたはアクスルシャフトに結合されると共に、ホイールの装着に供されるハブフランジが先端側に形成され、かつ円筒部でドライブシャフトまたはアクスルシャフトに外嵌したハブと、径方向内方に延びる取付フランジを一体に有し該取付フランジでこのハブの内側に締結されたブレーキディスクと、アクスル支持部材と前記ハブの前記円筒部との間に介装され、内輪が前記ハブの前記円筒部に外嵌する軸受ユニットとを備えた自動車用アクスル装置において、
前記ブレーキディスクは、前記取付フランジの内径が前記軸受ユニットの内輪の外径より小さく設定されていて、該取付フランジの内側面が前記軸受ユニットの内輪の外端面に所定隙間をもって対峙していることを特徴とする自動車用アクスル装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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- 1998-11-04 JP JP31368798A patent/JP4023010B2/ja not_active Expired - Fee Related
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