JP4022726B2 - 非水系二次電池モジュールの制御法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系二次電池の充放電方法に関し、特に、蓄電システム用非水系二次電池モジュールの制御法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源を目指したエネルギーの有効利用及び地球環境問題の観点から、深夜電力貯蔵及び太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システム等が注目を集めている。例えば、特開平6−86463号公報には、エネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシステムとして、発電所から供給される電気、ガスコージェネレーション、燃料電池、蓄電池等を組み合わせたトータルシステムが提案されている。このような蓄電システムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が10Wh以下の携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい大型のものが必要とされる。このため、上記の蓄電システムでは、複数の二次電池を直列に積層し、電圧が例えば50〜400Vの組電池として用いるのが常であり、ほとんどの場合、鉛電池を用いていた。
【0003】
一方、携帯機器用小型二次電池の分野では、小型及び高容量のニーズに応えるべく、新型電池としてニッケル水素電池、リチウム二次電池の開発が進展し、180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度の可能性を有すること、及び、安全性、サイクル特性等の信頼性が金属リチウムを負極に用いたリチウム二次電池に比べ優れることから、その市場を飛躍的に延ばしている。
【0004】
これを受け、蓄電システム用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の候補として、リチウムイオン電池をターゲットとし、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIBES)等で精力的に開発が進められている。
【0005】
これら大型リチウムイオン電池のエネルギー容量は、100Whから400Wh程度であり、体積エネルギー密度は、200〜300Wh/lと携帯機器用小型二次電池並のレベルに達している。その形状は、直径50mm〜70mm、長さ250mm〜450mmの円筒型、厚さ35mm〜50mmの角形又は長円角形等の扁平角柱形が代表的なものである。
【0006】
しかし、これら大型リチウムイオン電池は、高エネルギー密度が得られるものの、その電池設計が携帯機器用小型電池の延長にあることから、直径又は厚さが携帯機器用小型電池の3倍以上の円筒型、角型等の電池形状とされる。この場合には、充放電時の電池の内部抵抗によるジュール発熱、或いはリチウムイオンの出入りによって活物質のエントロピーが変化することによる電池の内部発熱により、電池内部に熱が蓄積されやすい。このため、電池内部の温度と電池表面付近の温度差が大きく、これに伴って内部抵抗が異なる。その結果、充電量、電圧のバラツキを生じ易い。また、この種の電池は複数個を組電池にして用いるため、システム内での電池の設置位置によっても蓄熱されやすさが異なって各電池間のバラツキが生じ、組電池全体の正確な制御が困難になる。
【0007】
上記問題を解決する目的でW099/60652号、特開2000-251940号、特開2000-251941号、特開2000-260478号、特開2000-260477号の各公報には、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されている。該電池は独特の電池形状(扁平形状)により、これら電池を複数セル接続した非水系二次電池モジュールにおいては、モジュール内の各単電池間の温度ばらつきは小さい。
【0008】
蓄電システム用大型電池においては、例えば、3500サイクルを超える優れたサイクル寿命(小型二次電池の場合数百サイクル〜1000サイクル)が要求され、当然の事ながら単電池を複数セル接続した電池モジュールにおいてサイクル寿命を確保する必要がある。一般に単電池の特性がモジュールにそのまま反映される事はなく、特に単電池のばらつきによるモジュール特性の低下が問題となっている。
【0009】
リチウムイオン電池をモジュール化する場合、過充電、過放電を防止する安全性の目的から、通常単電池の電圧を監視する単セル制御が行われる。また、単電池のばらつきが生じ、内部抵抗の高い電池が先に充電規制電圧に到達した場合、バイパス回路により該当単電池のみの充電停止あるいは充電電流を下げる制御を実施する等、単電池の状態に応じて制御を実施し、単電池を複数セル接続したモジュールの特性を単電池に近づける様々な工夫がなされている。しかし、単電池を監視するICの精度は、年々良くなる傾向はあるが、コストを考慮した場合、25mV程度が限界であり、電池のばらつきを判断する為には、少なくとも単電池の電圧ばらつきが25mV〜50mV程度以上必要となる。現状、電池のばらつきは上述の様に充電時の単電池電圧で制御されており、充電電位カーブが比較的平坦なリチウムイオン電池、特にマンガンを正極、負極に黒鉛を用いたリチウムイオン電池では、25mVの電圧差が生じた場合、単電池間では相当大きなばらつき(例えば、充電状態で10%程度)となっている。単電池間のばらつきはモジュールサイクル寿命を低下させる原因であり、より早い時期での単電池間のばらつきを感知し、制御する必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非水系二次電池(単電池)を複数セル接続した非水系二次電池モジュールにおいて、単電池のばらつきを早期に感知し、あらかじめ決定された制御を実行できる非水系二次電池モジュールの制御法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、下記の非水系二次電池モジュールの制御法を提供するものである。
【0012】
項1.正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を備えた非水系二次電池(単電池)を複数セル接続した非水系二次電池モジュールにおいて、各単電池の電圧を監視し、非水系二次電池モジュールの放電深度が80%以上の状態において単電池の最小電圧と最大電圧の電圧差が設定値以上となった場合に、あらかじめ決定された制御を実行する事を特徴とする非水系二次電池モジュールの制御法。
【0013】
項2.前記非水系二次電池モジュールの放電深度が80%〜100%であり、単電池の最小電圧と最大電圧の電圧差の設定値が25mV〜500mV程度であり、あらかじめ決定された制御が単電池の充放電状態のばらつきを平準化する制御である請求項1に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0014】
項3.前記非水系二次電池の厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である項1又は2に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0015】
項4.前記正極がマンガン酸化物を主体とする項1又は2に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0016】
項5.前記負極がリチウムをドープ及び脱ドープ可能な物質を含む項1又は2に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0017】
項6.前記負極が黒鉛系物質を主体とする項5に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0018】
項7.前記扁平形状の表裏面の形状が矩形である項1から6のいずれかに記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0019】
項8.前記電池容器の板厚が0.2mm以上1mm以下である項1から7のいずれかに記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非水系二次電池モジュールに用いる扁平型非水系電池(単電池)の一実施形態について説明する。図1は、扁平な矩形(ノート型)の蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図であり、図2は、図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、非水系二次電池は、上蓋1及び底容器2からなる電池容器と、該電池容器の中に収納されている複数の正極101a、負極101b、101c、及びセパレータ104からなる電極積層体とを備えている。該実施の形態のような扁平型非水系二次電池の場合、正極101a、負極101b(又は積層体の両外側に配置された負極101c)は、例えば、図2に示すように、セパレータ104を介して交互に配置されて積層されるが、この配置に特に限定されず、積層数等は、必要とされる容量等に応じて種々の変更が可能である。また、図1及び図2に示す非水系二次電池の形状は、例えば縦300mm×横210mm×厚さ6mmであり、正極101aにLiMn24、負極101b、101cに炭素材料を用いるリチウム二次電池の場合、例えば、蓄電システムに用いることができる。
【0022】
各正極101aの正極集電体105aは、正極端子3に電気的に接続され、同様に、各負極101b、101cの負極集電体105bは、負極端子4に電気的に接続されている。正極端子3及び負極端子4は、電池容器すなわち上蓋1と絶縁された状態で取り付けられている。
【0023】
上蓋1及び底容器2は、図1中の拡大図に示したA点で全周の上蓋を溶かし込み、溶接されている。上蓋1には、電解液の注液口5が開けられており、電解液注液後、例えば、アルミニウム−変成ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を用いて封口される。最終封口工程は、少なくとも一回の充電操作の後に行うことがより好ましい。封口フィルム6による最終封口工程後の電池容器内の圧力は、大気圧未満であることが好ましく、更に好ましくは8.66×104Pa(650Torr)以下、特に好ましくは7.33×104(550Torr)以下である。これは、内圧が大気圧以上の場合、電池が設計厚みより大きくなり易く、或いは電池の厚みのばらつきが大きくなり易く、更には電池の内部抵抗及び容量がばらつきやすくなるからである。この圧力は、使用するセパレータ、電解液の種類、電池容器の材質及び厚み、電池の形状等を加味して決定されるものである。
【0024】
正極101aに用いられる正極活物質としては、リチウム系の正極材料であれば、特に限定されず、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、或いはこれらの混合物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系等を用いることができ、高電圧、高容量の電池が得られることから、好ましい。また、大型リチウム系二次電池の実用化において最重点課題である安全性を重視する場合、熱分解温度が高いマンガン酸化物が好ましい。このマンガン酸化物としてはLiMn24に代表されるリチウム複合マンガン酸化物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系、さらにはリチウムを量論比よりも過剰にしたLi1+xMn2-y4等が挙げられる。特に、上記マンガン酸化物を主体とする正極を用いる場合、その効果が大きい。
【0025】
負極101b、101cに用いられる負極活物質としては、リチウム系の負極材料であれば、特に限定されず、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料であることが、安全性、サイクル寿命などの信頼性が向上し好ましい。リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料としては、公知のリチウムイオン電池の負極材として使用されている黒鉛系物質、炭素系物質、錫酸化物系、ケイ素酸化物系等の金属酸化物、或いはポリアセン系有機半導体に代表される導電性高分子等が挙げられる。特に、上記黒鉛系物質を主体とする負極を用いる場合、その効果が大きい。
【0026】
セパレータ104の構成は、特に限定されるものではないが、単層又は複層のセパレータを用いることができ、少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましく、この場合、サイクル特性が向上する。また、セパレータ104の材質も、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロース系材料等が挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じ適宜決定される。
【0027】
非水系二次電池の電解質としては、公知のリチウム塩を含む非水系電解質を使用することができ、正極材料、負極材料、充電電圧等の使用条件により適宜決定され、より具体的にはLiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、或いはこれら2種以上の混合溶媒等の有機溶媒に溶解したもの等が例示される。また、電解液の濃度は特に限定されるものではないが、一般的に0.5mol/lから2mol/lが実用的であり、該電解液は当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。なお、本明細書で使用する非水系電解質とは、非水系電解液、有機電解液を含む概念を意味するものであり、また、ゲル状又は固体の電解質も含む概念を意味するものである。
【0028】
上記のように構成された非水系二次電池のエネルギー容量は、好ましくは30Wh以上、より好ましくは50Wh以上であり、且つエネルギー密度は、好ましくは180Wh/l以上、より好ましくは200Wh/lである。エネルギー容量が30Wh未満の場合、或いは、体積エネルギー密度が180Wh/l未満の場合は、蓄電システムに用いるには容量が小さく、充分なシステム容量を得るために電池の直並列数を増やす必要があること、また、コンパクトな設計が困難となることから蓄電システム用としては好ましくない。
【0029】
非水系二次電池は、扁平形状をしており、その厚さは12mm未満、より好ましくは10mm未満である。厚さの下限については電極の充填率、電池サイズ(薄くなれば同容量を得るためには面積が大きくなる)を考慮した場合、2mm以上が実用的である。電池の厚さが12mm以上になると、電池内部の発熱を充分に外部に放熱することが難しくなり、或いは電池内部と電池表面付近での温度差が大きくなり、内部抵抗が異なる結果、電池内での充電量、電圧のバラツキが大きくなる。なお、具体的な厚さは、電池容量、エネルギー密度に応じて適宜決定されるが、期待する放熱特性が得られる最大厚さで設計するのが、好ましい。
【0030】
また、非水系二次電池の形状としては、例えば、扁平形状の表裏面が角形、円形、長円形等の種々の形状とすることができ、角形の場合は、一般に矩形であるが、三角形、六角形等の多角形とすることもできる。さらに、肉厚の薄い円筒等の筒形にすることもできる。筒形の場合は、筒の肉厚がここでいう厚さとなる。また、製造の容易性の観点から、電池の扁平形状の表裏面が矩形であり、図1に示すようなノート型の形状が好ましい。
【0031】
電池容器となる上蓋1及び底容器2に用いられる材質は、電池の用途、形状により適宜選択され、特に限定されるものではなく、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等が一般的であり、実用的である。また、電池容器の厚さも電池の用途、形状或いは電池ケースの材質により適宜決定され、特に限定されるものではない。好ましくは、その電池表面積の80%以上の部分の厚さ(電池容器を構成する一番面積が広い部分の厚さ)が0.2mm以上である。上記厚さが0.2mm未満では、電池の製造に必要な強度が得られないことから望ましくなく、この観点から、より好ましくは0.3mm以上である。また、同部分の厚さは、1mm以下であることが望ましい。この厚さが1mmを超えると、電極面を押さえ込む力は大きくなるが、電池の内容積が減少し充分な容量が得られないこと、或いは、重量が重くなることから望ましくなく、この観点からより好ましくは0.7mm以下である。
【0032】
上記のように、非水系二次電池の厚さを12mm未満に設計することにより、例えば、該電池が30Wh以上の大容量且つ180Wh/lの高エネルギー密度を有する場合、高率充放電時等においても、優れた放熱特性を実現し、電池温度の上昇を抑制することができる。従って、内部発熱による電池の蓄熱が低減され、結果として電池の熱暴走も抑止することが可能となり信頼性、安全性に優れた非水系二次電池を提供することができる。
【0033】
上記のように構成された非水系二次電池(単電池)は、複数セル接続され非水系電池モジュールとし、家庭用蓄電システム(夜間電力貯蔵、コージェネレ-ション、太陽光発電等)、電気自動車等の蓄電システム等に用いることができる。
【0034】
以下に、本発明に係る非水系電池モジュールについて説明する。本発明における非水系電池モジュールは、例えば、上記扁平型非水系二次電池電池(単電池)を直列に複数枚接続したものであり、蓄電システムに用いる場合、その数は一般に4セル以上であり、最大100セル程度である。例えば、単電池(4.2V-3.0Vで充放電できる様に設計)を8枚直列接続した場合、モジュールの充放電は33.6V-24Vで制御される。しかしながら、単電池にばらつきがある場合、充放電時ある単電池は4.2V以上で充電され、ある単電池は4.2V以下で充電される場合がある。リチウムイオン電池において、規定上限電圧を超えた場合や規定下限電圧より低下した場合のように極度の単電池のばらつきが生じた場合(例えば、上記の例で1つの単電池が4.5Vで充電されたり、2.5Vまで放電された場合)、安全の理由から各電池電圧を監視し、モジュールの充放電を停止する。この場合、電圧監視精度は25mVあれば充分であり、特に、大きな問題とならない。しかし、電池のばらつきを感知して単電池ばらつきを抑止あるいはばらつきに対応した制御(例えば、ばらつきが生じた場合、各単電池を平準化する、劣化の大きい電池の充電規電圧を上昇させる)を実施する場合、より精度良く電池のばらつきを感知する必要がある。
【0035】
本発明の制御法は非水系二次電池モジュールの放電深度が80%以上の状態において単電池の最小電圧と最大電圧の電圧差が設定値以上となった場合、あらかじめ決定された制御を実行する。すなわち、モジュールの容量が100Ahの時、80%以上放電した放電末期の単電池の電圧を比較して、単電池のばらつきを判断する。放電深度は、好ましくは80%〜100%であり、より好ましくは90%〜100%である。この制御法によれば従来の充電時電圧で制御する方法に比べ、早い時期に電池ばらつきを感知でき、単電池ばらつきを抑止あるいはばらつきに対応した制御が可能となり、ばらつきによるモジュール劣化を最小限に留める事が可能となる。単電池の最小電圧と最大電圧の電圧差は、単電池及びモジュールの種類により適宜選択できるが、例えば、25mV〜500mV程度、好ましくはは、50mV〜250mV程度に設定することができる。設定値が低い場合、その電位差の測定、演算部が煩雑になり、実用的でなく、また、上限を超える場合、単電池のばらつきが進行しており、適切な時期に制御するという観点から好ましくない。
【0036】
あらかじめ決定された制御とは、単電池の充放電状態のばらつきを平準化する制御であり、例えば、充放電電流を特定のセルだけバイパスし充放電状態を平準化する制御、全電池を並列接続し充放電状態を平準化する制御等が挙げられる。この平準化制御に関しては、最小電圧と最大電圧差が設定値になると同時に実行する必要はなく、例えば、設定値に到達した後、次回の充電時、あるいは放電時に実施する事も可能であり、また、ユーザーに警告し、ユーザーが都合の良い時期に平準化制御を実行する事も可能である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
【0038】
(1)まず、リチウムマンガン複合酸化物としてのLiMn2O4とリチウムニッケル複合酸化物としてのLiNi0.8Co0.2O2と導電材であるアセチレンブラックとを乾式混合し、得られた混合物をバインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に均一に分散させて、スラリー-1を調製した。この時、正極中の固形分比率(重量比)を、リチウムマンガン酸リチウム:リチウムニッケル酸リチウム:アセチレンブラック:PVDF=74:18:3:5とした。次いて、スラリー-1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。
【0039】
図3-(a)は、正極の説明図である。本実施例において、正極101aの塗布面積(W1×W2)は、130×177mm2である。また、電極の短辺側には、電極が塗布されていない集電部106aが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。
【0040】
(2)一方、二重構造黒鉛粒子(商品名“OPCG-K"、大阪ガスケミカル製;黒鉛粒子コアの(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間隔(d002)=0.34nm以上)、黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル製、品番“25-28";(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満)および導電材であるアセチレンブラックを乾式混合した後、バインダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、スラリー-2を調製した。負極中の固形分比率(重量比)は、二重構造黒鉛粒子:黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ:アセチレンブラック:PVDF=64:28:2:6とした。次いで、スラリー-2を集電体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、負極を得た。得られた負極の密度は1.45g/ccであった。
【0041】
図3-(b)は、負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、133×181.5mm2である。また、電極の短辺側には、電極が塗布されていない集電部106bが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。
【0042】
さらに、上記と同様の手法により片面だけにスラリー-2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後述の(3)項の電極積層体において外側に配置される(図2中101c)。
【0043】
(3)図3に示すように、上記(1)項で得られた正極9枚と上記(2)項で得られた負極10枚(内片面2枚)とを、セパレータ材A(レーヨン系不織布、目付12.6g/m2)とセパレータ材B(ポリエチレン製微孔膜;目付13.3g/m2)とを合わせたセパレータ104を介して交互に積層し、さらに、電池容器との絶縁のために外側の負極101cのさらに外側にセパレータ材Bを配置して、電極積層体を作成した。なお、セパレータ104は、セパレータ材Aが正極側に位置し、セパレータ材Bが負極側に位置するように配置した。
【0044】
(4)図4に示す様に、厚さ0.5mmのSUS304製薄板を深さ5mmに絞り、底容器2を作成し、上蓋1も厚さ0.5mmのSUS304製薄板により作製した。次いで、上蓋1にアルミニウム製の正極端子3および銅製の負極端子4(頭部直径6mm、先端M3のねじ部)を取り付けた。正極および負極端子3、4は、ポリプロピレン製ガスケットにより上蓋1と絶縁した。
【0045】
(5)上記(3)項で作成した電極積層体の各正極集電部106aの穴を正極端子3に、また各負極集電部106bの穴を負極端子4に入れ、それぞれアルミニウム製および銅製のボルトで接続した後、接続された電極積層体を絶縁テープで固定し、図1の角部Aを全周に亘りレーザー溶接した。次いで、電池内を真空ポンプで減圧した後、注液口5(直径6mm)から、70gのエチレンカーボネート、及びジメチルカーボネートを体積比30:70に混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した電解液(3%の添加剤)を注液し、その時間を測定した。次いで、大気圧下で仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口し、電池の初期充電を実施した。
【0046】
(6)この電池の定格容量は11.5Ahであり、10時間率の電流とは1.15Aである。初期充電電流を0.5A、1A、2Aとし、4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて2Aの定電流で2.5Vまで放電した。
【0047】
(7)次に、電池の仮止め用ボルトを取り外した後、4×104Pa(300Torr)の減圧下に、直径12mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔-変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口して、幅148mm×高さ210mm×厚さ6.4mmの扁平形状のノート型電池を得た。
【0048】
該電池を8枚直列に接続した電池モジュールを作成し、このモジュールを2Aの電流で33.2Vまで充電し、2Aの定電流で26.4Vまで放電するサイクルを繰り返した。各単電池の電圧をモニターし単電池の最大電圧と最小電圧差が50mVとなるサイクル数を測定した。モジュール電圧が33.2V(放電深度0%)で監視した場合、1サイクル目8mVであった電位差は250サイクルにおいても25mV以下であったが、モジュール電圧が26.4V(放電深度100%)で監視した場合、1サイクル目15mV であった電位差は50サイクルで電圧差50mVとなり、そのばらつきを早期に感知する事が可能であった。
【0049】
(8)ばらつきを感知した後、8セルを並列接続し、12時間放置し各単電池の電圧ばらつきを平準化した。平準化後、再度8セルを直列接続し充放電を5回繰り返し、モジュール電圧が26.4Vとなった時の単電池の最小電圧と最大電圧差は20mVであり、ばらつきが50サイクル目に比べ小さかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の非水系二次電池モジュールの制御法によれば、早期に単電池のばらつきを感知することができ、より早い時期から単電池ばらつきの抑止あるいは該ばらつきに対応した制御が可能な為、電池ばらつきによるモジュール劣化対策が早期に実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図を示す図である。
【図2】図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図である。
【図3】図2に示す積層体を構成する正極、負極、及びセパレータの平面図である。
【図4】図1に示す電池の上蓋及び底容器を分離した状態で示す断面図である。
【符号の説明】
1 上蓋
2 底容器
3 正極端子
4 負極端子
5 注液口
6 封口フィルム
101a 正極(両面)
101b 負極(両面)
101c 負極(片面)
104 セパレータ
105a 正極集電体
105b 負極集電体
106a 正極集電片
106b 負極集電片

Claims (8)

  1. 正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を備えた非水系二次電池(単電池)を複数セル接続した非水系二次電池モジュールにおいて、各単電池の電圧を監視し、非水系二次電池モジュールの放電深度が80%〜100%の状態において単電池の最小電圧と最大電圧の電圧差が設定値25mV〜250mVとなった場合に、単電池の充放電状態のばらつきを平準化する制御を実行する事を特徴とする非水系二次電池モジュールの制御法。
  2. 前記非水系二次電池モジュールの放電深度が90%〜100%の状態において単電池の最小電圧と最大電圧の電圧差が設定値 25mV 250mV となった場合に、単電池の充放電状態のばらつきを平準化する制御を実行する請求項1に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
  3. 前記非水系二次電池の厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である請求項1又は2に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
  4. 前記正極がマンガン酸化物を主体とする請求項1又は2に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
  5. 前記負極がリチウムをドープ及び脱ドープ可能な物質を含む請求項1又は2に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
  6. 前記負極が黒鉛系物質を主体とする請求項5に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
  7. 前記扁平形状の表裏面の形状が矩形である請求項に記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
  8. 前記非水系二次電池の容器の板厚が0.2mm以上1mm以下である請求項1から7のいずれかに記載の非水系二次電池モジュールの制御法。
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