JP4022572B2 - ダムコンクリートの打設方法とこの打設方法に使用する打設プラント - Google Patents

ダムコンクリートの打設方法とこの打設方法に使用する打設プラント Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダムコンクリートを打設する方法と、この方法に使用する打設プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダムコンクリートは、モルタルを打設してその上に生コンクリートを打設する。モルタルは、先に打設したコンクリートと、その上に打設されるコンクリートとを一体的に結合する。ダムを構築するコンクリートは、極めて広い面積に生コンクリートを打設する。このため、全面に一緒に生コンクリートを打設できない。広い面積を複数の領域に区分し、区分された領域に、次々と生コンクリートを打設して構築される。生コンクリートを打設する領域には、先にモルタルを打設する。打設されたモルタルは、約1時間経過すると凝結を起こし、硬化した状態での強度が低下し、品質上問題となる。このため、生コンクリートを打設する区分された領域には、生コンクリートを打設する前に、厚さ2cmで1回当り約3m程度の量のモルタルを、1時間間隔で打設している。このように、ダムコンクリートは、モルタル打設と生コンクリート打設とを繰り返しながら、広い面積のコンクリートを構築している。
【0003】
さらに、生コンクリートは、1回に打設できる厚さが約1.5m以下に制限される。これよりも厚くすると、硬化するときの熱でコンクリートが加熱されて、硬化状態における強度が低下し、あるいはクラックが発生する原因となるからである。このため、生コンクリートは、1回に例えば約75cmの厚さに打設される。ダムコンクリートは、1回に75cmの厚さで、複数の領域に区分して生コンクリートを打設するので、頻繁にモルタル打設と生コンクリート打設とを繰り返して構築することになる。
【0004】
ダムコンクリートに打設する生コンクリートとモルタルは、生コン生産設備で製造される。生コン生産設備は大がかりなプラントであるために、ダムコンクリートの打設場所から離れて設置される。生コン生産設備で製造された生コンクリートとモルタルは、ベルトコンベアを使用して、打設場所に輸送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ベルトコンベアで、生コンクリートとモルタルの両方を輸送するプラントは、生コンクリートとモルタルを切り換えて交互に輸送する。このプラントは、生コンクリートを輸送するベルトコンベアをモルタルの輸送に併用する。ベルトコンベアは、生コンクリートの輸送を一時的に中断して、モルタルを輸送する。ダムコンクリートの打設において、たとえば、モルタルは1時間に1回の割合で輸送される。このため、モルタルの運搬及び打設による待ち時間の発生によって、生コンクリートの打設能力が低下しているのが実状である。
【0006】
さらに、このプラントは、モルタルを速やかに運搬するのが難しい。それは、モルタルを生コンクリートと同じ速度で輸送すると、モルタルがベルトコンベアから漏れやすいからである。とくに、モルタルは輸送路が曲がっている部分で、ベルトコンベアから漏れやすい。それは、モルタルが生コンクリートに比較して流動しやすいからである。モルタルは、通常の生コンクリートは言うに及ばず、ダムコンクリートに使用される超硬練りの生コンクリートに比較すると、極めて流動しやすく、ベルトコンベアから漏れやすい欠点がある。このため、モルタルと生コンクリートの両方を輸送するベルトコンベアは、速度を相当に遅くする必要があり、生コンクリートとモルタルの両方を能率よく輸送できなくなる欠点がある。
【0007】
さらに、生コンクリートを輸送するベルトコンベアでモルタルを輸送すると、ベルトやローラーにモルタルが付着する弊害もある。付着したモルタルは硬化して、簡単に除去できず、清掃に極めて手間がかかる欠点もある。
【0008】
さらにまた、生コンクリートとモルタルの両方を製造する生コン生産設備は、モルタルと生コンクリートとを交互に混練して製造するので、水や骨材の混合比を切り換えるときに、水や骨材の混合率を正確に設計値とするのが難しい欠点もある。また、生コンクリートとモルタルとを切り換えて製造するために、切り換えに時間がかかって、全体の製造能率が低下する欠点もある。
【0009】
本発明は、このような欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、生コンクリートとモルタルの両方をベルトコンベアで能率よく輸送できると共に、モルタルがベルトコンベアに付着するのを有効に防止でき、さらに生コン生産設備で能率よく生コンクリートを製造できるダムコンクリートの打設方法とこの打設方法に使用する打設プラントを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のダムコンクリートの打設方法は、生コン生産設備1で製造された生コンクリートを、ベルトコンベア2でもって、生コン生産設備1からダムコンクリートを打設する場所まで輸送する。さらに、ダムコンクリートの打設方法は、生コンクリートを輸送するベルトコンベア2を使用して、モルタル材料を水を添加しない状態として、貯溜場所からダムコンクリートの打設場所まで輸送する。水を添加しない状態のモルタル材料とは、完全に水分を含まない状態のみでなく、骨材に含有される水分によって、打設場所に輸送されてから、モルタルとして混練するまでに硬化しない状態を含む広い意味に使用する。砂等の細骨材は、多少の水分を含んでいるが、水分含有量が少ないと、含有水分によってセメントが硬化することはない。
【0011】
水を添加しないモルタル材料は、骨材とセメントを混合した状態、あるいは混合しないで別々に打設場所に輸送する。ダムコンクリートの打設場所に輸送されたモルタル材料は、ここで水を添加して混練して打設部分に打設する。
【0012】
本発明の請求項2のダムコンクリートの打設方法は、ベルトコンベア2でダムコンクリートの打設場所に移送された水を添加しないモルタル材料を、打設場所に設けた貯溜タンク7に蓄える。水を添加しないモルタル材料は、骨材とセメントを混合した状態、あるいは混合しない状態で貯溜タンク7に蓄える。モルタルを使用するときに、モルタル材料を貯溜タンク7から取り出して水を添加して混練して打設する。
【0013】
本発明の請求項3のダムコンクリートの打設方法は、水を添加しないモルタル材料を、空練り状態で貯溜場所から打設場所まで移送している。空練り状態とは、モルタル材料である細骨材とセメントを、水を添加することなく混合した状態である。細骨材とセメントは、あらかじめ計量して所定の混合比に空練りされて移送される。移送された空練り状態のモルタル材料は、打設場所で水を添加して混練して打設する。
【0014】
本発明のダムコンクリートの打設プラントは、生コン生産設備1で製造された生コンクリートをダムコンクリートの打設場所まで輸送するベルトコンベア2を備える。さらに、ダムコンクリートの打設プラントは、生コンクリートを輸送するベルトコンベア2を、モルタル材料を水を添加しない状態で貯溜場所からダムコンクリートの打設場所まで輸送する搬送手段に併用する。また、ダムコンクリートの打設場所には、水を添加していないモルタル材料に水を添加して混練するモルタル生産設備3を設けている。このモルタル生産設備3を使用して、ベルトコンベア2で輸送されたモルタル材料に水を添加してモルタルを製造して打設する。
【0015】
本発明の請求項5のダムコンクリートの打設プラントは、モルタル生産設備3を、貯溜タンク7とモルタルミキサー8とを搭載する自動車としている。
【0016】
本発明の請求項6のダムコンクリートの打設プラントは、水を添加しないモルタル材料を、空練り状態で貯溜場所から打設場所まで移送している。細骨材とセメントは、所定の混合比に空練りされてベルトコンベア2で移送される。移送された空練り状態のモルタル材料は、打設場所で水を添加して混練して打設する。
【0017】
本発明の請求項7のダムコンクリートの打設プラントは、モルタル生産設備3が、セメントと細骨材とを別々に貯溜する貯溜タンク7を備える。ベルトコンベア2は、細骨材とセメントとを別々に輸送する。細骨材とセメントとを別々に打設場所に輸送して、別々の貯溜タンク7に蓄えるプラントは、水分含有量の多い細骨材を打設場所に輸送して貯蔵できる。生コンクリートを生産するまで、細骨材がセメントに混合されないからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのダムコンクリートの打設方法と打設プラントを例示するものであって、本発明はダムコンクリートの打設方法と打設プラントを下記のものに特定しない。
【0019】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】
図1に示すダムコンクリートの打設プラントは、生コン生産設備1で生産された生コンクリートを打設場所に輸送するベルトコンベア2と、打設場所に設けられるモルタル生産設備3とを備える。
【0021】
生コン生産設備1は、セメントと骨材に水を添加して混練して生コンクリートを生産する。生コン生産設備1は、生コンクリートの打設場所から離れた場所に設置される。生コン生産設備1は、大がかりな設備であるので、ダムコンクリートの打設場所には設置されず、打設場所から離れた場所に設置して、ここで生産された生コンクリートを打設場所に輸送する。
【0022】
生コン生産設備1は、骨材とセメントの貯蔵タンク4と、貯蔵タンク4から取り出した骨材とセメントを計量する計量器5と、計量器5で計量された骨材とセメントに、定量の水を添加して混練するミキサー6とを備えている。貯蔵タンク4は、生コンクリート用の骨材と、モルタル用の細骨材とを別々に蓄えている。
【0023】
図1に示す生コン生産設備1は、骨材とセメントの貯蔵タンク4を備えているが、骨材の貯蔵タンクは、生コン生産設備とは別の場所に設置することもできる。骨材の貯蔵タンクを別の場所に設置するプラントは、骨材をベルトコンベアで生コン生産設備に輸送する。
【0024】
さらに、生コン生産設備1は、貯蔵タンク4に蓄えている骨材やセメントを計量器5に輸送するためのコンベア(図示せず)を備えている。コンベアは、生コンクリートを生産するときに、骨材とセメントを貯蔵タンク4から計量器5に輸送する。モルタル材料を打設場所に輸送するとき、コンベアは、細骨材とセメントを、ミキサー6に供給することなくベルトコンベア2に供給する。ただし、細骨材とセメントを混合した空練り状態のモルタル材料として、打設場所に輸送するプラントは、貯蔵タンク4の細骨材とセメントを、ミキサー6に輸送する。
【0025】
ベルトコンベア2は、生コン生産設備1で生産された生コンクリートと、貯蔵タンク4に蓄えている細骨材及びセメントを、別々に切り換えて、ダムコンクリートの打設場所に輸送する。生コンクリートを輸送するときは、細骨材およびセメントは輸送せず、細骨材及びセメントを輸送するときは、生コンクリートを輸送しない。ベルトコンベア2は、生コン生産設備1から打設場所まで延長して設置される。貯蔵タンク4を生コン生産設備1とは別の場所に設置するプラントは、生コン生産設備1から打設場所に延長されるベルトコンベア2に、貯蔵タンク4に連結しているベルトコンベア2を連結する。
【0026】
ベルトコンベア2は、先端部を打設場所まで延長している。ベルトコンベア2で打設場所に輸送された生コンクリートは、直接に打設部分に供給され、あるいは、打設場所を走行する生コン車に供給される。生コン車は、供給された生コンクリートを打設する正確な位置に輸送する。ベルトコンベア2の先端に移動できるベルトコンベア2を連結して、生コンクリートを打設場所の正確な位置に供給することもできる。
【0027】
さらに、ベルトコンベア2で輸送された水を添加しないモルタル材料は、モルタル生産設備3に供給される。図2に示すモルタル生産設備3は、細骨材およびセメントを蓄える貯溜タンク7と、細骨材およびセメントに水を添加して混練するモルタルミキサー8とを搭載する自動車である。この図のモルタル生産設備3は、細骨材とセメントとを別々に蓄える貯溜タンク7を備えており、さらに、細骨材とセメントを計量してモルタルミキサー8に供給するために、計量器9も搭載している。この図のモルタル生産設備3は、ベルトコンベア2で細骨材とセメントを別々に輸送して、貯溜タンク7に蓄える。貯溜タンク7に細骨材とセメントを供給するとき、モルタル生産設備3はベルトコンベア2の端部に移動する。いいかえると、ベルトコンベア2から供給される細骨材とセメントが、貯溜タンク7に供給される位置まで移動する。
【0028】
図3に示すモルタル生産設備3は、細骨材とセメントとを混合した状態で蓄える貯溜タンク7を備えている。このモルタル生産設備3は、水を添加しない空練り状態で混合された細骨材とセメントであって、ベルトコンベア2でもって輸送されたモルタル材料を貯溜タンク7に蓄える。貯溜タンク7に蓄えられる細骨材とセメントは、生コン生産設備1であらかじめ計量して決められた混合比に混合している。したがって、貯溜タンク7に蓄える細骨材およびセメントは、計量器で計量することなく、モルタルミキサー8に供給してモルタルを生産できる。
【0029】
さらに、図示しないが、モルタル生産設備は、貯溜タンクとモルタルミキサーを、別々に分離した構造とすることもできる。このモルタル生産設備は、好ましくは、モルタルミキサーを自動車に搭載して、貯溜タンクを自走しない構造とする。ただし、この構造のモルタル生産設備は、貯溜タンクとモルタルミキサーの両方を自走しない構造とし、あるいはまた、貯溜タンクとモルタルミキサーの両方を自走する構造とすることもできる。
【0030】
この構造の打設プラントは、以下の工程で、ダムコンクリートの打設場所に生コンクリートとモルタル材料とを輸送して、モルタルと生コンクリートとを打設する。
[水を添加しないモルタル材料を輸送する工程]
ベルトコンベア2が生コンクリートを輸送しない空き時間を利用して、生コンクリートを輸送するベルトコンベア2で、水を添加しない細骨材とセメントからなるモルタル材料を打設場所に輸送する。モルタル材料は、打設場所から離れた場所に設置している生コン生産設備1から打設場所に輸送する。また、モルタル材料は、生コン生産設備の近傍に設けた貯溜タンクから打設場所に輸送することもある。モルタル材料である細骨材とセメントは、決められた割合で混合した状態で輸送し、あるいは、混合することなく別々に輸送する。
【0031】
[モルタル材料を打設場所に打設する工程]
モルタル材料は、ベルトコンベア2からモルタル生産設備3に供給される。モルタル生産設備3は、モルタル材料に決められた量の水を添加してモルタルミキサー8で混練してモルタルを生産する。このモルタルは、生コンクリートを打設する直前に打設される。いいかえると、生コンクリートの下層としてモルタルを打設し、このモルタルが硬化しないときに、モルタルの上に生コンクリートを打設する。モルタルは、たとえば1〜3cm、好ましくは約2cmの厚さに打設される。モルタルを打設して、その上に生コンクリートを打設する時間は、長くても1時間以内とする。
【0032】
モルタル生産設備3は、モルタル材料を貯溜タンク7に蓄え、モルタルを使用するときにモルタルミキサー8で混練することもできる。この方法は、複数回に打設する量のモルタル材料を、ベルトコンベア2で輸送する。このため、ベルトコンベア2が生コンクリートを輸送しない空き時間をより有効に利用して、モルタル材料を打設場所に輸送できる。それは、ベルトコンベア2の空き時間が長いときは、多量のモルタル材料を打設場所のモルタル生産設備3に輸送し、空き時間が短いときには、少量のモルタル材料を輸送して、ベルトコンベア2を、生コンクリートとモルタル材料の輸送に最も有効に利用できるからである。
【0033】
[生コンクリートを打設場所に輸送して打設する工程]
生コン生産設備1が、決められた割合で、骨材とセメントと水を混練して、生コンクリートを生産する。生コン生産設備1は、好ましくは、水の添加量を少なくした超硬練りの生コンクリートを生産する。ただし、生コン生産設備1は必ずしも超硬練りの生コンクリートを生産する必要はなく、ダムコンクリートとして使用できる混合比の生コンクリートを生産することもできる。生産された生コンクリートは、ベルトコンベア2でもって打設場所に輸送される。超硬練りの生コンクリートは、ベルトコンベア2で効率よく高速で輸送できる。打設場所に送られた生コンクリートは、打設装置でもって打設される。超硬練りの生コンクリートは、振動機等を使用して隙間ができないように打設される。打設される生コンクリートの厚さは、50cm〜1mとする。生コンクリートを厚く打設することは、打設する効率を良くするが、硬化したコンクリートの特性を低下させる。厚く打設された生コンクリート層は、硬化熱で割れやクラックが発生しやすくなるからである。したがって、生コンクリートは、打設効率と硬化したダムコンクリートの特性とを考慮して、前述の厚さに打設される。
【0034】
ダムコンクリートは、極めて広い面積に打設される。したがって、複数の領域に区分して、順番に前述の厚さに生コンクリートを打設する。生コンクリートを打設する前に、生コンクリートの下層として、モルタルを打設する。たとえば、第1の領域にモルタルを打設した後、このモルタル層の上に生コンクリートを打設し、続いて第2の領域にモルタルを打設して、この上に生コンクリートを打設し、第3、第4・・・の領域に次々とモルタルと生コンクリートとを打設する。
【0035】
モルタルは、生コンクリートを打設する前に打設されるので、モルタル生産設備3は、生コンクリートを打設する前に、モルタルを生産して打設する。そして、モルタル生産設備3には、ベルトコンベア2が生コンクリートを輸送しない空き時間を利用して、モルタル材料を輸送する。
【0036】
【発明の効果】
本発明のダムコンクリートの打設方法とこの打設方法に使用する打設プラントは、生コンクリートとモルタルの両方をベルトコンベアで能率よく輸送できると共に、モルタルがベルトコンベアに付着するのを有効に防止できる特長がある。それは、本発明のダムコンクリートの打設方法と打設プラントが、生コンクリートを輸送するベルトコンベアを使用して、モルタル材料を水を添加しない状態で貯溜場所からダムコンクリートの打設場所まで輸送しているからである。このように、水を添加しない状態で輸送されるモルタル材料は、従来のように輸送中に流動することがないので、ベルトコンベアの速度を遅くすることなく能率よく輸送できると共に、モルタルがベルトコンベアのベルトやローラーに付着するのを有効に防止できる特長がある。
【0037】
さらに、本発明のダムコンクリートの打設方法と打設プラントは、水を添加しない状態でモルタル材料を輸送しているので、ベルトコンベアが生コンクリートを輸送しない空き時間を有効に利用して能率よく輸送できる特長もある。水を添加しない状態で輸送されたモルタル材料は、モルタルを打設するときに、打設場所で水を添加して混練してモルタルとすることができる。すなわち、モルタル材料は、モルタルを打設するタイミングに関係なく輸送できる。したがって、ベルトコンベアを有効に利用して、生コンクリートとモルタルの両方を能率よく輸送できる。
【0038】
さらに、本発明のダムコンクリートの打設方法と打設プラントは、生コン生産設備で生コンクリートを混練して製造し、また、ダムコンクリートの打設場所で、水を添加していないモルタル材料に水を添加して混練してモルタルを製造しているので、従来のように、生コン生産設備でこれ等を交互に切り換えて製造することなく、能率よく、しかも、正確な混合比で生コンクリートを製造できる特長もある。
【0039】
さらに、本発明の請求項2のダムコンクリートの打設方法は、ベルトコンベアで打設場所に移送された水を添加しないモルタル材料を、打設場所に設けた貯溜タンクに蓄え、使用するときにモルタル材料を貯溜タンクから取り出して水を添加して混練して打設しているので、生コンクリートの打設を止めることなく、先行してモルタルを打設して、ダムコンクリートを打設できる特長がある。この打設方法は、打設場所に設けた貯溜タンクに蓄えたモルタル材料を、打設サイクルに合わせて混練して打設できるので、生コンクリートの打設能力を低下させることなく極めて能率よくダムコンクリートを打設できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のダムコンクリートの打設プラントの概略図
【図2】図1に示す打設プラントのモルタル生産設備の一例を示す概略図
【図3】モルタル生産設備の他の一例を示す概略図
【符号の説明】
1…生コン生産設備
2…ベルトコンベア
3…モルタル生産設備
4…貯蔵タンク
5…計量器
6…ミキサー
7…貯溜タンク
8…モルタルミキサー
9…計量器

Claims (7)

  1. 生コン生産設備(1)で製造された生コンクリートを、ベルトコンベア(2)でもって、生コン生産設備(1)からダムコンクリートを打設する場所まで輸送するダムコンクリートの打設方法において、
    生コンクリートを輸送するベルトコンベア(2)を使用して、モルタル材料を水を添加しない状態で貯溜場所からダムコンクリートの打設場所まで輸送し、ダムコンクリートの打設場所で、モルタル材料に水を添加して混練して打設部分に打設することを特徴とするダムコンクリートの打設方法。
  2. ベルトコンベア(2)でダムコンクリートの打設場所に移送された水を添加しないモルタル材料を、打設場所に設けた貯溜タンク(7)に蓄え、使用するときに貯溜タンク(7)から取り出して水を添加して混練して打設する請求項1に記載されるダムコンクリートの打設方法。
  3. 水を添加していないモルタル材料を、空練り状態で貯溜場所から打設場所まで移送することを特徴とする請求項1に記載されるダムコンクリートの打設方法。
  4. 生コン生産設備(1)で製造された生コンクリートを、ベルトコンベア(2)でダムコンクリートの打設場所まで輸送するダムコンクリートの打設プラントにおいて、
    生コンクリートを輸送するベルトコンベア(2)を、モルタル材料を水を添加しない状態で貯溜場所からダムコンクリートの打設場所まで輸送する搬送手段に併用すると共に、
    ダムコンクリートの打設場所に、水を添加しないモルタル材料に水を添加して混練するモルタル生産設備(3)を設け、モルタル生産設備(3)を使用して、ダムコンクリートの打設場所において、水の添加されないモルタル材料に水を添加してモルタルを製造して打設するように構成してなるダムコンクリートの打設プラント。
  5. モルタル生産設備(3)が、貯溜タンク(7)とモルタルミキサー(8)とを搭載する自動車である請求項4に記載されるダムコンクリートの打設プラント。
  6. 水を添加していないモルタル材料を、空練り状態で貯溜場所から打設場所まで移送することを特徴とする請求項4に記載されるダムコンクリートの打設プラント。
  7. モルタル生産設備(3)が、セメントと細骨材とを別々に貯溜する貯溜タンク(7)を備える請求項4に記載されるダムコンクリートの打設プラント。
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