JP4022499B2 - 閉鎖性水域の浄化システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、閉鎖水域の浄化システムに係り、特に、ため池、湖沼、ダム等の滞留して富栄養化しやすい閉鎖水域においてアオコ等の藻類(植物プランクトン)が大量に発生する汚濁水域を浄化する浄化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ため池、湖沼、ダム等は閉鎖的水域であることにより、リン、窒素等の栄養塩が流入すると貯留されやすく、また、風や水温差による対流等の極僅かな流れしか生じないため、アオコ等の藻類(植物プランクトン)が発生しやすい。特に、春から秋にかけて水温が上昇する時期になると、アオコが大量に発生しやすくなる。一般にアオコの大きさは数μmから10μm程度であるが、これが数10〜100μmの塊の群体をなし、さらには代表的なアオコの一種であるミクロキスティス等は細胞内にガス胞を有するため、池の表層部を日単位で繰り返して浮遊・沈降する。
【0003】
従来の水面流発生装置を用いた閉鎖水域の浄化システムとして、特開2001−295238号公報(特許文献1)の図6に開示されたものがある。この浄化システムは、例えば下水終末処理場の貯水池に発生するスカムなどの浮遊物を除去するのに用いられ、その貯水池が方形であればその三隅に水面流発生装置を設置し、残りの一隅に例えば案内板とフィルタからなるフィルタ装置を設置するようにしたものである。このような構成において三隅の水面流発生装置により貯水池の全体にわたる循環流が形成され、この循環流に乗せて浮遊物がフィルタ装置に導かれ、そこで浮遊物を効率的に回収・除去することができる。
【0004】
また、従来の浄化装置としては、特開平11−300366号公報(特許文献2)に開示されたものがある。この浄化装置は、湖,沼,池等の水を汲み上げるポンプと、汲み上げた水を貯溜すると共に該水に凝集剤を添加する凝集槽と、凝集槽で凝集処理された水を濾過し、濾過処理後の水を湖,沼,池等に戻す濾過槽とからなるものである。この濾過槽には、珪砂やアンスラサイト等の濾過材とこの濾過材の表面に設けられた生物活性膜とからなる充填材が充填されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−295238号公報(図6)
【特許文献2】
特開平11−300366号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1には、スカムなどの浮遊物を水流発生装置で集めてフィルタ装置で除去することが示されているが、アオコ等の藻類が大量に発生した場合に対応できるフィルタ装置とすることに関しては開示されていない。例えば、絵の具を撒いたような浮遊アオコの状態のクロロフィルa濃度(以下、クロロフィルaと称する)は数1000μg/Lオーダに達し、単なるフィルタ装置でこれらを十分に除去することは難しいという課題があった。
【0007】
一方、池や湖沼等の閉鎖水域の水質改善は、藻類除去のみならず一般には有機汚濁物の指標である生物化学的酸素要求量(以下、BODと称する)、化学的酸素要求量(以下、CODと称する)、懸濁汚濁物の総量である浮遊物質(以下、SSと称する)、全リン(以下、T−Pと称する)、全窒素(以下、T−Nと称する)を始めとする栄養塩濃度、透視度等の多岐にわたる水質項目の改善が要求されており、藻類除去と連携してその改善を図る必要がある。これらの項目は1μm以下のいわゆる溶存態としても存在するため、それらを除去するには凝集剤を使用して溶存汚濁物をある程度粗大化し、粗大化した汚濁物を濾過するなどして分離除去することが考えられる。
【0008】
しかし、特許文献2に示されているように、凝集槽と濾過槽とを単に組み合わせたのみでは、凝集剤添加により凝集された汚濁物により濾過槽の目詰まりが著しくなり、この目詰まりを解消するために充填材の洗浄操作を頻繁に行なう必要がある。珪砂やアンスラサイト等の濾過材とこの濾過材の表面に設けられた生物活性膜とからなる充填材が充填され濾過槽を用いた特許文献2では、充填材の洗浄操作を特に頻繁に行なう必要がある。このように、充填材の洗浄操作を頻繁に行なうと、大量の洗浄排水の処理が必要となり、洗浄排水処理の負担が増加し、維持管理が煩雑となり維持管理コストが増加してしまうという問題を有している。
【0009】
本発明の目的は、廉価で、大量に発生したアオコ等の藻類を含む汚濁水域の多岐にわたる水質項目を総合的に高効率で安定して浄化でき且つ閉鎖水域全体を平均的に浄化することができる閉鎖水域の浄化システムを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ため池、湖沼、ダム等の滞留して富栄養化してアオコ等の藻類が大量に発生しやすい閉鎖水域の水質を浄化する浄化システムにおいて、前記閉鎖水域の適所に配置してアオコ等の類を含む汚泥物を局所に集めるように水流を発生する水流機と、前記水流機により集められた汚泥物を含む水の浄化処理を行なう複合浄化装置とを備え、前記複合浄化装置を、汚濁物に凝集剤を添加して凝集させる凝集槽、汚濁物を沈降させる沈降槽、および汚濁物を濾過するひも状繊維接触材を充填した濾過槽の順に組み合わせて構成し、前記凝集槽における処理水量に対して鉄系凝集剤を5〜50ppmの濃度で添加するように設定した凝集剤注入装置を設け、前記沈降槽内を隔壁で初沈降槽と中間沈降槽とに区画し、前記初沈降槽から前記中間沈降槽に通水する前記隔壁の連通部を前記初沈降槽への流入部より離れた位置で且つ前記初沈降槽の最下部に位置して設け、前記初沈降槽に堆積した沈降汚泥を回収して汚泥槽に供給しその汚泥槽の汚泥の一部を前記凝集槽に供給する汚泥回収ポンプを設け、前記汚泥槽に貯留された汚泥の一部を汚泥の一部を前記凝集槽に返送する戻しラインを設け、前記汚泥回収ポンプの汚泥取込部を前記隔壁から離れた前記初沈降槽への流入部側に設置したことにある
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施例を、図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【0012】
本発明の第1実施例を図1から図6により説明する。
【0013】
図1は本実施例による浄化システムの全体構成を示す図である。この浄化システムは、ため池、湖沼、ダム等の滞留しやすい閉鎖水域の水質を浄化するために用いられ、閉鎖水域の適所に配置して藻類等の汚濁物を局所に集めるように水流を発生する水流機1と、水流機1により集められた汚濁物を含む水の浄化処理を行なう複合浄化装置14とを備えて構成されている。複合浄化装置14は、凝集剤を添加して撹拌する凝集槽5、その凝集槽で生じる凝集粗大粒子を沈降分離する沈降槽7、および流出した凝集粗大粒子または凝集化されず残留した藻類等汚濁物を濾過するひも状繊維接触材を充填した濾過槽8等からなっている。
【0014】
複数台の水流機1を適切な位置に配置することで閉鎖水域20全体に循環流を生じさせ、水中フェンス2をガイドとして藻類等の汚濁物を取水ポンプ3の設置してある取水位置に強制的に送り込み濃縮させる。その濃縮汚濁水を取水ポンプ3により原水として取水し、一旦貯水槽4に貯留した後、凝集槽5、沈降槽7、濾過槽8で浄化処理を行い、処理水を放流ポンプ9により閉鎖水域20に放流する。
【0015】
図2は水流機1の縦断面図である。水流機1は、水中ポンプ1aを箱状フレーム1bの内部に組み込んだ構成となっている。水中ポンプ1aは、その下端部に吸込み口1cを有するとともに、流路管1dで上方に延設されて水面近辺に放水される吐出口1eを有している。箱状フレーム1bは、水中ポンプ1aを覆うようにして支持している。この箱状フレーム1bは、その側面上端部に取水口1fが設けられており、この取水口1fを介して当該水域20と連通している。したがって、水中ポンプ1aの吸込み口1cもこの取水口1fを介して当該水域と連通することになる。そして、フロート1gによりこの取水口1fが水面近辺に位置することにより、箱状フレーム1bの内部に取り込む水を表層に制限することができる。また、取水口1fには導流板1hが設けられている。この導流板1hは、箱状フレーム1bの取水口1fで水の取り込みを水面近辺に制限するためのもので、箱状フレーム1bの側面から突出して設けられている。
【0016】
水中ポンプ1aが駆動されると、取水口1fを経て箱状フレーム1bに取り込まれた水が吸込み口1cから水中ポンプ1aに吸い込まれて吐出口1eから当該水域に放水される。この水の取り込みと放水において、上記のように箱状フレーム1bの取水口1fが水面近辺にあり、しかもこの取水口1fに導流板1hが設けられていることにより、水域水の吸い込みは水面近辺に制限され、また吐出口1eからの放水は、水面近辺で水面に平行するようになされる。
【0017】
なお、水流機1の台数と設置位置は、浄化対象とする水域の形状や広さに応じて適宜に設定する。
【0018】
図3は本発明による複合浄化装置14の要部平面概要図、図4は沈降槽7の縦断正面図、図5は沈降槽7の縦断面側面図である。取水ポンプ3で取水した原水は貯水槽4を介して凝集槽5に送水される。凝集槽5には上部に撹拌機5aを有する。攪拌機5aは、凝集剤注入装置6から凝集剤注入ライン6aを介して注入される凝集剤と被処理水とを混合撹拌する。凝集剤としては鉄系凝集剤を使用し、5〜50ppmの濃度になるよう添加することにより凝集効果を高めることができる。ここで、鉄は自然界に普通に存在し生物にとって必須元素であることから、他の金属系凝集剤に比べて鉄系凝集剤の方が万一凝集剤成分が水域に流出した場合でも環境や生態系に対する影響が小さい。なお、貯水槽4または凝集槽5において、必要に応じてpH値などを凝集に適した条件に調整する。
【0019】
凝集槽5で凝集して粗大化した汚濁粒子は、主として沈降槽7で被処理水中から沈降分離される。沈降槽7は初沈降槽7aと中間沈降槽7bとから成り、図3および図4に示すように隔壁7cにより初沈降槽7aと中間沈降槽7bとに分割されている。初沈降槽7aでは、比較的沈降しやすい凝集粗大粒子を沈降分離するが、凝集粗大粒子は必ずしも沈降するとは限らず一部は浮力を有して水面に浮上する凝集粗大粒子も発生することがある。そこで、隔壁7cには、図5に示すように、凝集槽5からの流入部から離れた位置で、且つ、水面から下がった位置に開口で構成された連通部7dが設けられており、この連通部7dから中間沈降槽7bに流入するようにしてある。こうすることで、水面に浮上した凝集粗大粒子は隔壁7cで堰き止められるので、浮上した凝集粗大粒子が中間沈降槽7bに流出することを防止することができる。
【0020】
また、図4に示すように、中間沈降槽7bは、傾斜底7eを設けることにより凝集粗大粒子が初沈降槽7aの側に集積しやすいようにしている。これにより沈降汚泥の回収作業を容易にすることができる。本実施例では凝集剤を用いたことを特徴としているため、性能向上が可能になるに伴い発生汚泥もそれだけ多く発生し、通常、定期的な堆積汚泥の回収が必要である。上記のように本実施例では、沈降槽7を初沈降槽7aと中間沈降槽7bとに分割し、浮上する凝集粗大粒子を隔壁7cにより初沈降槽7aで堰き止めて中間沈降槽への水から分離することによって、初沈降槽7aに集中して凝集粗大粒子を沈降させることができる。従って、沈降槽7の全体を一様に汚泥回収することなく、初沈降槽7aに設置された汚泥回収ポンプ11により汚泥槽10に汚泥を容易に貯留でき、汚泥回収作業が容易となる。
【0021】
沈降槽7の下流側には沈降槽7で被処理水中から分離しきれなかった比較的小さな凝集粗大粒子や藻類等を捕捉分離するため、図6に示すようなひも状繊維接触材を充填した濾過槽8を設けている。濾材ユニット8aは、図6に示すように、パイプなどで形成した枠体にひも状濾材Fをすだれ状にして保持させた構造としている。ひも状濾材Fには、合成繊維などを用いた軸ひもAに同じく合成繊維などを用いたパイルひもPを絡め付けた構造のものを用いている。このようなひも状濾材Fは、互いのパイルひもP同士の間に隙間を有して配列している。
【0022】
本実施例では、凝集槽5の後に沈降槽7を設けてその次に濾過槽8を配置し、空隙率の高いひも状繊維接触材を濾過槽8に充填して横向流とすることで、目詰まることもなく長期の運転維持が可能となることが分かった。即ち、かかる濾過槽8の滞留時間を定める試験を実施したところ、滞留時間が0.5時間以上となるように濾過槽の大きさを設定すると安定して除去性能が維持できることが分かった。従って、濾過槽8の滞留時間を0.5〜1.0時間程度とすることによって、処理水量を確保しつつ安定した除去性能が得られる。
【0023】
本実施例による複合浄化システムの浄化性能例を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004022499
表1から明らかなように、本実施例においては、安定して高い除去性能を維持することができる。なお、表1における原水中の優占藻類は藍藻類(アオコ)で、アオコが群体を形成して池水面上を膜状に浮遊した状態の水質を示す。
【0025】
また、図3および図4に示すように、本実施例による複合浄化装置14は、初沈降槽7aに堆積した汚泥12を汚泥回収ポンプ11により汚泥槽10に移送することができるようになっている。ここで、汚泥槽10に移送・貯留された汚泥は、汚泥戻しライン10aを介して凝集槽5に返送することができるようになっている。汚泥を被処理水に少量添加すると、汚濁物が凝集して粗大粒子化する際に汚泥粒子が核となって凝集作用の効率が向上すると共に、汚泥粒子を取り込むことで凝集粗大粒子の比重が増加するので、凝集粗大粒子の沈降性を向上することができる。
【0026】
表2に、通常の場合(汚泥返送なし)と汚泥返送を行った場合の処理性能と沈降分離時間の比較結果を示す。
【0027】
【表2】
Figure 0004022499
ここで、汚泥返送を行った場合の原水SSは汚泥を添加した後のSS濃度である。汚泥返送を行った場合、通常の場合と同等の処理水SSが得られているのに対し、沈降分離時間を通常の場合の0.5〜2時間から0.1時間と大幅に短縮することができた。従って、沈降槽7あるいは初沈降槽7aの滞留時間は0.1〜0.2時間程度とすることによって、処理水量を確保しつつ十分な沈降性能を得ることができる。凝集槽5および沈降槽7での浄化処理が不十分な場合には、上記のような汚泥返送を行なうことで処理効率を向上させることが可能である。なお、原水に添加する汚泥は、水域の底泥や貯水槽4あるいは濾過槽8に沈殿した汚泥等を利用しても良いが、初沈降槽7aにおける粗大粒子化された汚泥を用いることにより、より一層効果的な凝集効果を奏することができる。即ち、初沈降槽7aに沈殿した汚泥は、過去の浄化処理の際に良好に粗大粒子化し速やかに沈降して初沈降槽7aに沈殿した汚泥であるから、粗大粒子化し易く沈降性の高い汚泥粒子が多く含まれており、汚泥返送により処理効率を効率を向上するのに適しているからである。
【0028】
濾過槽8の下流側には放流ポンプ9が設置してあり、処理水を閉鎖水域20に放流する。この際、水流機1の設置位置に応じて、水域全体が循環しやすいような向きに放流するように設けてある。
【0029】
本実施例によれば、閉鎖水域20の適所に配置した1台または複数台の水流機1により発生させた水流によって藻類等の懸濁汚濁物を局所に集めて高濃度化させ、高濃度化した水を、凝集槽5、沈降槽7およびひも状繊維接触材を充填した濾過槽8を組み合わせた複合浄化装置14により浄化処理を行なうことによって、従来の水流機や生物処理装置等では達し得なかった藻類等汚濁物を安定して高効率で除去することができ、また閉鎖水域20全体の浄化を図ることができる。
【0030】
さらに、凝集槽5から直接濾過槽に通水するのではなく、中間に沈降槽7を設け且つ空隙率の高いひも状繊維接触材を濾過槽8に充填して横向流で処理を行なうことによって、目詰まりが生じなくなり、維持管理を容易で且つ低コストで浄化を行なうことができる。
【0031】
また、沈降槽7の内部に隔壁7cを設けることにより初沈降槽7aと中間沈降槽7bを形成し、凝集槽5から初沈降槽7aに流入する流入部から離れた位置で、且つ、隔壁7cの水面より下の位置に連通部7cを設け、連通部7cを通じて初沈降槽7aから中間沈降槽7bに通水することにより浮上する凝集粗大粒子を分離除去できるので、処理性能が向上し、且つ、汚泥の回収を容易にすることができる。
【0032】
また、沈降槽7に堆積した沈降汚泥の一部を凝集槽5に返送することによって、従来の凝集剤を用いた手法に比べて凝集に要する時間が短縮され、凝集粗大粒子の沈降効率を向上させることができる。また、凝集槽5において原水に鉄系凝集剤を5〜50ppmの濃度で添加し、沈降槽の滞留時間を0.1〜0.2時間程度、濾過槽の滞留時間を0.5〜1.0時間程度とすることにより、安定して高い処理性能を維持することができる。
【0033】
かかる浄化システムを適用して、容量4,000m3のアオコが発生していた池の浄化を試みたところ、運転開始から約10日間で池全体の水面浮遊アオコを消滅させ、池の水質を本装置の処理水と同等レベルにまで低下させることができた。
【0034】
次に、本発明の第2実施例を図7を用いて説明する。図7は本発明の閉鎖水域の浄化システムの構成図である。この第2実施例は、次に述べる通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第1実施例と基本的には同一である。
【0035】
この第2実施例では、複合浄化装置14を陸上に設置したものである。この場合、閉鎖水域20の水面と複合浄化装置14との間に水位差があるため、放流ポンプ9を省略して水位差を利用して浄化した処理水を閉鎖水域20に放流することができる。
【0036】
このように、本発明は上記実施例に限定されず、水域内あるいは陸上設置等、様々な組み合わせが容易に考えられる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、廉価で、大量に発生したアオコ等の藻類を含む汚濁水域の多岐にわたる水質項目を総合的に高効率で安定して浄化でき且つ閉鎖水域全体を平均的に浄化することができる閉鎖水域の浄化システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の浄化システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の浄化システムにおける水流機の縦断面図である。
【図3】図1の浄化システムにおける複合浄化装置の要部平面概要図である。
【図4】図1の浄化システムにおける沈降槽の縦断面正面図である。
【図5】図1の浄化システムにおける沈降槽の縦断面側面図である。
【図6】図1の浄化システムにおける濾過槽に用いる濾材の説明図である。
【図7】本発明の第2実施例の浄化システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…水流機、2…水中フェンス、3…取水ポンプ、4…貯水槽、5…凝集槽、5a…撹拌機、6…凝集剤注入装置、6a…凝集剤注入ライン、7…沈降槽、7a…初沈降槽、7b…中間沈降槽、7c…隔壁、7d…連通部、7e…傾斜底、8…濾過槽、9…放流ポンプ、10…汚泥槽、10a…汚泥戻しライン、11…汚泥回収ポンプ、12…堆積汚泥、13…取水ポンプ、14…複合浄化装置、15…放流ライン、20…閉鎖水域。

Claims (1)

  1. ため池、湖沼、ダム等の滞留して富栄養化してアオコ等の藻類が大量に発生しやすい閉鎖水域の水質を浄化する浄化システムにおいて、
    前記閉鎖水域の適所に配置してアオコ等の類を含む汚泥物を局所に集めるように水流を発生する水流機と、
    前記水流機により集められた汚泥物を含む水の浄化処理を行なう複合浄化装置とを備え、
    前記複合浄化装置を、汚濁物に凝集剤を添加して凝集させる凝集槽、汚濁物を沈降させる沈降槽、および汚濁物を濾過するひも状繊維接触材を充填した濾過槽の順に組み合わせて構成し
    前記凝集槽における処理水量に対して鉄系凝集剤を5〜50ppmの濃度で添加するように設定した凝集剤注入装置を設け、
    前記沈降槽内を隔壁で初沈降槽と中間沈降槽とに区画し、
    前記初沈降槽から前記中間沈降槽に通水する前記隔壁の連通部を前記初沈降槽への流入部より離れた位置で且つ前記初沈降槽の最下部に位置して設け、
    前記初沈降槽に堆積した沈降汚泥を回収して汚泥槽に供給しその汚泥槽の汚泥の一部を前記凝集槽に供給する汚泥回収ポンプを設け、
    前記汚泥槽に貯留された汚泥の一部を汚泥の一部を前記凝集槽に返送する戻しラインを設け、
    前記汚泥回収ポンプの汚泥取込部を前記隔壁から離れた前記初沈降槽への流入部側に設置したことを特徴とする閉鎖水域の浄化システム。
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