JP4020750B2 - 電子レンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱調理装置に関し、特に、何らかのセンサを搭載して加熱室内の被加熱物の状態を直接的または間接的に検知することにより、被加熱物の仕上がりをより正確にユーザの希望するものにしたり、よりキー操作を容易なものにしたりするような、ユーザにとって使い勝手の良いよう工夫された電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子レンジにおいて、何らかのセンサを搭載して加熱室内の被加熱物の状態を直接的または間接的に検知することにより、被加熱物の仕上がりをより正確にユーザの希望するものにしたり、よりキー操作を容易なものにしたりするような、ユーザにとって使い勝手の良いものとする技術が開示されてきた。
【0003】
具体的には、たとえば、特許文献1には、加熱室内の湿度を検知するセンサを設け、検知された湿度が所定の値を超えた場合には、一旦加熱を中断させる技術が開示されている。このようにすることにより、加熱室内の被加熱物が水分の多いものである場合であっても、当該水分の吹きこぼれを回避することができる。
【0004】
また、特許文献2には、加熱室内の被加熱物の質量を検出し、被加熱物が少量の場合に被加熱物が飛散しないように、加熱出力を抑える技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、1回の操作で予め決められた所定時間加熱や所定加熱出力の加熱条件を入力するダイレクトキーが設けられる技術が開示されている。また、特許文献3には、当該ダイレクトキーについての誤動作を回避するためのキーを設ける技術も開示されている。
【0006】
また、従来から、加熱室内の被加熱物の温度を検知する赤外線センサが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−122571号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平6−109255号公報
【0009】
【特許文献3】
実開平5−3802号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、加熱調理中に一旦加熱動作を停止させるものであったため、早く調理を終了させたいと思うユーザにとって、不快感を与えかねず、必ずしも使い勝手の良いものとは言い難かった。
【0011】
また、特許文献2に開示された技術は、被加熱物の質量によってのみ加熱出力を決定するものであったため、水分が吹き出すおそれの無い少量のものを早期に加熱することを希望するユーザにとっては、必ずしも使い勝手の良いものとは言い難かった。
【0012】
また、特許文献3に開示された技術は、当該公報において開示したダイレクトキーが単一種類の被加熱物の調理についてのものであったため、種々の調理を簡単な操作で行ないたいユーザにとっては、必ずしも使い勝手の良いものとは言い難かった。
【0013】
また、従来の赤外線センサを備える電子レンジにおいては、検知した赤外線量を被加熱物の温度に換算する際の基準値も、被加熱物についての赤外線量と同時に検知されていた。これにより、被加熱物の温度の検知結果が出されるまでに長い時間がかかり、加熱により急速に温度を変化させる被加熱物の実情を把握できない場合があった。このことから、従来の赤外線センサを備える電子レンジでは、被加熱物が、ユーザの希望する加熱度合いよりも加熱が進んだ状態まで加熱される場合があり、必ずしも使い勝手の良いものとは言い難かった。
【0014】
本発明は上述したかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ユーザによって使い勝手の良い電子レンジを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従った電子レンジは、被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室にマイクロ波を供給するマグネトロンと、前記マグネトロンを周期的に運転/停止させる制御部と、前記加熱室内の被加熱物に対する調理メニューを入力する入力部とを含み、調理メニューとして、食品を沸騰温度まで上昇させる第1ステージと沸騰状態を維持しつつ継続して加熱する第2ステージとからなる調理メニューを有し、前記制御部は、マグネトロンを、前記第 1 ステージでは第1の周期で運転/停止させ、前記第2ステージでは、前記第 1 ステージより小さな出力とすると共に、前記第1の周期より短い第2の周期で運転/停止させることを特徴とする。
【0016】
本発明のある局面によると、調理メニューとして、パスタ調理のように、食品を沸騰温度まで上昇させる第1ステージと沸騰状態を維持しつつ継続して加熱する第2ステージとからなる調理メニューを実行する際、マグネトロンを第2ステージでは、記第 1 ステージより小さな出力とすると共に、第1ステージの周期より短い周期で運転/停止させるようにしたので、第2ステージに入ると頻繁にマグネトロンが停止する。従って、被加熱物を高温で維持させながら、ふきこぼれることを回避できる。
【0017】
これにより、ユーザに不快感を与えることなく、電子レンジを使い勝手の良いものとできる。なお、マグネトロンを運転させるのに、単に周期を短くすれば、ふきこぼれは回避できるが、スイッチングを行なう素子の動作の負担を大きくさせてしまう。一方、本発明に従えば、必要なときにのみ、マグネトロンの運転/停止の周期を短くできる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には、特記された場合を除き、同一の符号が付され、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0035】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の電子レンジの正面図である。図1を参照して、電子レンジ1は、主に、本体2と、ドア3とからなる。本体2の外郭は、外装部によって覆われている。該外装部の内部には、本体枠5が備えられている。本体枠5の内部には、加熱室10が形成されている。加熱室10には、食品を収容することができる。
【0036】
ドア3は、電子レンジ1の前面に、加熱室10を開閉できるように設けられている。図1は、ドア3の開状態を示している。また、電子レンジ1の前面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6には、複数のキー入力部61および加熱時間等を表示できる表示部60が設けられている。ユーザは、当該キー等を操作することにより、電子レンジ1に情報を入力することができる。
【0037】
図2に、電子レンジ1の制御ブロック図を示す。電子レンジ1は、当該電子レンジ1の動作を全体的に制御する主制御回路25を備えている。主制御回路25は、マイクロコンピュータを含む。
【0038】
主制御回路25は、操作パネル6から種々の情報を入力される。電子レンジ1には、食品を加熱するためのマグネトロン(図示略)が備えられ、マグネトロンは、加熱源駆動部20から電力を供給される。加熱源駆動部20は、主制御回路25により、動作を制御される。また、主制御回路25には、ドア開閉状態入力部21からドア3の開閉状態が入力される。これにより、電子レンジ1では、ドア3が開けられたままマグネトロンがマイクロ波を発振することを回避できる。さらに、主制御回路25は、表示部60における情報の表示を制御する。
【0039】
図3は、電子レンジ1が実行できる調理メニューの一つである「解凍調理」での、主制御回路25の処理内容を示すフローチャートである。なお、解凍調理とは、冷凍された食品を解凍するために加熱する調理メニューである。
【0040】
図3を参照して、電子レンジ1において解凍調理をスタートさせるための操作がなされると、主制御回路25は、ステップS101(以下、ステップを省略する)で、加熱源駆動部20を適宜制御することにより、マグネトロンにマイクロ波を発振させる。
【0041】
次に、主制御回路25は、S102で、解凍調理の第2ステージに入るべきであるか否かを判断する。なお、解凍調理には、第1ステージと第2ステージの2つのステージが含まれる。第1ステージでの加熱調理が所定時間行なわれた後、第2ステージでの加熱調理が行なわれる。つまり、S102では、調理開始から、所定時間が経過したか否かが判断される。そして、第2ステージの加熱調理を実行すべきであれば、処理はS104に移行される。一方、まだ第1ステージの加熱調理を実行すべきであれば、処理はS103に移行される。
【0042】
主制御回路25は、S103,S104では、それぞれ、マグネトロンの出力を設定し、処理をS105に進める。第1ステージにおいて実行されるS103では、マグネトロンの出力は600Wに設定される。一方、第2ステージにおいて実行されるS104では、マグネトロンの出力は400Wに設定される。つまり、解凍調理では、加熱調理が開始されてから所定時間が経過するまでは600Wで加熱調理が実行され、所定時間が経過した後は、400Wで加熱調理が実行される。
【0043】
なお、電子レンジ1では、マグネトロンは、所定の周期内で断続的に運転することにより、設定された出力の加熱を実行するよう構成されている。マグネトロンの断続的な運転は、主制御回路25の備える周期計時用カウンタおよびON時間計時用カウンタによって、管理される。周期計時用カウンタは、マグネトロンを運転させる周期を計時するカウンタである。ON時間計時用カウンタは、周期内でマグネトロンが動作する時間を計時するためのカウンタである。
【0044】
周期計時用カウンタおよびON時間計時用カウンタは、それぞれ図4(A),図4(B)に示すように、初期値X,Yを設定されることにより、当該初期値から、時間の経過とともに0まで減算される。周期計時用カウンタで時間TAが計時され、ON時間計時用カウンタで時間T1(<TA)が計時されるとすると、これらのカウンタを用いることにより、電子レンジ1では、図4(C)に示すように、周期TA中で時間T1ずつマグネトロンがONするような制御が可能となる。そして、S103またはS104においてマグネトロンの出力が設定されることにより、当該出力に応じた周期計時用カウンタおよびON時間計時用カウンタの初期値が設定される。なお、周期計時用カウンタおよびON時間計時用カウンタは、初期値に応じて、計時できる時間が変化する。
【0045】
再度、図3を参照して、S105で、主制御回路25は、周期計時用カウントを減時して、S106に処理を進める。
【0046】
S106では、主制御回路25は、周期計時用カウンタのカウント値が0となったか否かを判断し、0になっていればS107へ、まだ0になっていなければS110へ、処理を進める。
【0047】
S110では、主制御回路25は、ON時間計時用カウンタを減時させ、S111で、当該カウンタのカウント値が0となったか否かを判断する。0になっていれば、S112でマグネトロンの出力をOFFにしてマイクロ波の出力を停止させてS113に処理を進める。まだ0になっていなければ、そのままS113に処理を進める。
【0048】
一方、S107では、主制御回路25は、周期計時用カウンタのカウント値を初期値(たとえば、図4(A)で示したX)に戻し、S108に処理を進める。
【0049】
S108では、主制御回路25は、ON時間計時用カウンタのカウント値を初期値(たとえば、図4(B)で示したY)に戻し、S109に処理を進める。
【0050】
S109では、主制御回路25は、マグネトロンの出力をONにしてマイクロ波の出力を再開させて、S113に処理を進める。
【0051】
S113では、主制御回路25は、調理開始からの時間等をチェックすることにより調理を終了させるべきであるか否かを判断する。まだ調理を続けるべきであると判断すればS102に処理を戻し、終了させるべきであると判断すると、マグネトロンの出力をOFFにして、待機する。
【0052】
次に、電子レンジ1における本発明の特徴であるパスタ調理での主制御回路25の処理内容を、図5のフローチャートを参照して説明する。パスタ調理とは、スープタイプのパスタを調理するための調理メニューである。
【0053】
電子レンジ1においてパスタ調理をスタートさせるための操作がなされると、主制御回路25は、ステップS201で、加熱源駆動部20を適宜制御することにより、マグネトロンにマイクロ波を発振させる。
【0054】
次に、主制御回路25は、S202で、パスタ調理の第2ステージに入るべきであるか否かを判断する。パスタ調理にも、解凍調理と同様に、第1ステージと第2ステージの2つのステージが含まれる。
【0055】
ここでの第1ステージは、食品を沸騰温度まで上昇させる加熱工程である。また、ここでの第2ステージは、食品を、沸騰することにより発生した気泡により容器からふきこぼれない程度に、沸騰状態を維持しつつ継続して加熱する沸騰加熱工程である。
【0056】
そして、S202で、第2ステージの加熱調理を実行すべきであると判断されれば、処理はS205に移行される。一方、まだ第1ステージの加熱調理を実行すべきであると判断されれば、処理はS203に移行される。
【0057】
主制御回路25は、S203,S205では、それぞれ、マグネトロンの動作周期が設定される。具体的には、S203では25秒と設定され、S205では15秒と設定される。
【0058】
そして、S203,S205で動作周期を設定した後、主制御回路25は、S204,S206で、それぞれマグネトロンの出力を設定し、かつ、当該出力に応じたON時間計時用カウンタの初期値を設定して、処理をS207に進める。具体的には、S204では600Wの出力となるようON時間として17秒を計時できるように、S206では400Wの出力となるようON時間として10秒を計時できるように、それぞれ、初期値が設定される。
【0059】
これにより、パスタ調理では、マグネトロンは、加熱調理が開始されてから所定時間が経過する(第1ステージ)までは、600Wの出力が実現できるように25秒周期で断続的に動作し、所定時間が経過した後(第2ステージ)は、400Wの出力が実現できるように15秒周期で断続的に動作する。
【0060】
S207では、主制御回路25は、周期計時用カウンタを減時させて、S208に処理を進める。
【0061】
S208では、主制御回路25は、周期計時用カウンタのカウント値が0となったか否かを判断し、0になっていればS209へ、まだ0になっていなければS212へ、処理を進める。
【0062】
S212では、主制御回路25は、ON時間計時用カウンタを減時させ、S213で、当該カウンタのカウント値が0となったか否かを判断する。0になっていれば、S214でマグネトロンの出力をOFFにしてマイクロ波の出力を停止させてS215に処理を進める。まだ0になっていなければ、そのままS215に処理を進める。
【0063】
一方、S209では、主制御回路25は、周期計時用カウンタのカウント値を初期値に戻し、S210に処理を進める。
【0064】
S210では、主制御回路25は、ON時間計時用カウンタのカウント値を初期値に戻し、S211に処理を進める。
【0065】
S211では、主制御回路25は、マグネトロンの出力をONにしてマイクロ波の出力を再開させて、S215に処理を進める。
【0066】
S215では、主制御回路25は、調理開始からの時間等をチェックすることにより調理を終了させるべきであるか否かを判断する。まだ調理を続けるべきであると判断すればS202に処理を戻し、終了させるべきであると判断すると、マグネトロンの出力をOFFにして、待機する。
【0067】
以上説明した本実施の形態におけるマグネトロンの出力のON−OFFタイミングを、図6に示す。なお、図6(A)は解凍調理におけるタイミングを示し、図6(B)はパスタ調理におけるタイミングを示している。
【0068】
図6(A)を参照して、解凍調理では、マグネトロンは常に周期TAでON−OFFを繰返している。なお、第1ステージでは、時間TA中で時間T1だけONした後時間T2(T2=TA−T1)だけOFFする動作を繰返している。また、第2ステージでは、時間TA中で時間TA1だけONした後時間TA2(TA2=TA−TA1)だけOFFする動作を繰返している。
【0069】
一方、図6(B)を参照して、パスタ調理では、マグネトロンは、第1ステージでは周期TAで、第2ステージでは周期TBで、ON−OFFを繰返している。なお、第1ステージでは、時間TA中で時間T1だけONした後時間T2だけOFFする動作を繰返している。また、第2ステージでは、時間TB中で時間TB1だけONした後時間TB2(TB2=TB−TB1)だけOFFする動作を繰返している。なお、TB<TAである。
【0070】
本実施の形態のパスタ調理では、第2ステージにおいて、解凍調理よりも、マグネトロンのON−OFF周期が短くされている。なお、この場合に想定される加熱室10内の食品(パスタ調理に利用されるスープ部分の湯温)の温度変化を、図7に示す。図7では、加熱時間の経過に応じて予想される加熱室10内の食品の湯温の変化を実線(第2ステージ以降(B)と示したもの)で、第2ステージ以降も動作周期がTAのままとされた場合に予想される食品の湯温の変化を破線((A)と示したもの)で示す。
【0071】
図7から理解されるように、パスタ調理において、第2ステージで、マグネトロンの動作周期がTBとされることにより、動作周期がTAのままとされた場合よりも、温度の変動が小さくなる。そして、図7から理解されるように、パスタ調理のように、食品に水分が多く、湯温が上昇しすぎた際にふきこぼれが予想される調理メニューでは、ある程度湯温が上昇した場合には、マグネトロンの動作周期を短くすることが好ましい。
【0072】
なお、マグネトロンの動作周期が短くなれば、動作のON‐OFFを切替えるスイッチング素子の単位時間当たりの動作数が多くなる。このため、解凍調理等、食品の水分が比較的少なく、動作周期を短くする必要の無い場合には、動作周期を変更しないことが好ましい。
【0073】
また、パスタ調理においても、ふきこぼれを防止するために動作周期を短くするのは、湯温が上昇したときのみで足りる。このため、本実施の形態のように、第2ステージのみ、つまり、ある程度湯温が上昇したときにのみ、マグネトロンの動作周期を短くすることが好ましい。
【0074】
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態の電子レンジの正面図である。
【0075】
本実施の形態の電子レンジ1は、図1に示した第1の実施の形態の電子レンジ1に加えて、加熱室10の右上に隣接するように、赤外線センサ(後述する、赤外線センサ7)が備えられている。また、本実施の形態の電子レンジ1では、加熱室10の右上方の側面に検出孔11が形成されている。上述した赤外線センサ(赤外線センサ7)は、加熱室10内に検出孔11を含む視野70を有している。そして、電子レンジ1では、当該赤外線センサに、視野70内で食品50が放出した赤外線を検出させることにより、食品50の温度が検出される。
【0076】
図9に、電子レンジ1の制御ブロック図を示す。本実施の形態の電子レンジ1では、図2に示した第1の実施の形態の電子レンジ1に加えて、上記した赤外線センサ7、および、赤外線センサ7の検知信号を処理する信号処理回路79を含む。主制御回路25は、信号処理回路79を介して、赤外線センサ7の検知信号を入力される。
【0077】
主制御回路25は、信号処理回路79を介して、赤外線センサ7が検知した視野70内の赤外線量に関する量である電圧値Pnを入力される。そして、主制御回路25は、電圧値Pnと、基準となる電圧値P0との差分を算出し、さらに、当該差分に所定の計数をかけることにより、視野70内の温度を算出する。
【0078】
図10は、本実施の形態の主制御回路25のメインルーチンのフローチャートである。電子レンジ1に電源が投入されると、主制御回路25は、S301で、上記したメモリから基準電圧(電圧値P0)を読出し、そして、S302で、電子レンジ1が調理中であるか否か(マグネトロンが駆動されているか否か)を判断する。調理中であれば、S305に処理が進められ、調理中でなければ、S303に処理が進められる。
【0079】
S303では、調理を開始するためのスタートキーが操作されたか否かを判断する。操作されたと判断すれば、主制御回路25は、S304でマグネトロンを用いた加熱調理を開始させ、S305で調理中ということを示すフラグ(以下、調理中フラグと言う)を立てた後、S306に処理を進める。一方、操作されていないと判断すると、主制御回路25は、S308に処理を進める。
【0080】
S306では、主制御回路25は、加熱室10内の温度測定を行なう。この温度測定では、上記したように、赤外線センサ7に検知動作を行なわせてPnが得られ、そして、当該PnとP0により加熱室10内の視野70内の温度が算出される。なお、視野70は、加熱室10の大きさよりも小さく、視野70が適宜移動されることにより、加熱室10全体の温度測定がなされる。
【0081】
S306における温度測定の後、主制御回路25は、S307で、加熱室10内の温度が、仕上り温度(予め定められた、加熱を終了させる条件となる温度)に到達したか否かを判断する。仕上り温度に到達したと判断すると、主制御回路25は、S312でマグネトロンの動作を停止させて加熱を終了させた後、調理中フラグをクリアして、S302に処理を戻す。一方、まだ仕上り温度に到達していないと判断すると、主制御回路25は、S308に処理を移行させる。
【0082】
S308で、主制御回路25は、温度測定の基準となる電圧値P0を得るために、赤外線センサ7に視野70内の赤外線量の検知動作を行なわせ、当該検知出力をA/D(analog/digital)変換する。そして、主制御回路25は、S309で、電圧値P0の測定が完了したか否かを判断し、完了していないと判断すればS302に処理を戻す。完了したと判断すると、S310で、当該主制御回路25内のメモリで記憶している電圧値P0を更新し、S311で、当該メモリに更新後の電圧値P0を書込んだ後、S302に処理を戻す。
【0083】
以上説明した本実施の形態では、主制御回路25内のメモリに、電圧値P0が保存されている。これにより、視野70内の温度が算出される際には、赤外線センサ7は、電圧値P0を得るための検知動作を行なう必要がない。
【0084】
また、本実施の形態では、調理を行なっていない期間中は、常に、電圧値P0を更新するための処理が行なわれる。
【0085】
[第3の実施の形態]
本実施の形態の電子レンジ1は、第2の実施の形態の電子レンジ1と同様の構成を有し、主制御回路25の処理内容に特徴を有する。
【0086】
本実施の形態では、キー入力部61に設けられた「あたためキー」という単一のキーで、食品を強力に(マグネトロンの出力を高くして)かつ早期に温める「急速あたため」という調理メニュー、および、烏賊など強力な出力で温められると破裂するおそれのある食品を比較的弱いマグネトロンの出力で時間をかけて温める「じっくりあたため」という調理メニューの入力が行なえる。なお、あたためキーが連続して奇数回操作されると、調理メニューとして「急速あたため」が選択され、偶数回操作されると、調理メニューとして「じっくりあたため」が選択される。
【0087】
本実施の形態において、マグネトロンを用いた加熱調理が行なわれる際の主制御回路25の処理内容を図11に示す。
【0088】
主制御回路25は、S401で、まず、開始タイマ(主制御回路25が備えているタイマの一つ)をリセットし、次に、S402で、あたためキーが操作されたか否かを判断する。そして、主制御回路25は、操作されたと判断すればS403に処理を進め、操作されていないと判断するとS405に処理を進める。
【0089】
S403で、主制御回路25は、あたためキーの操作回数に応じて「急速あたため」または「じっくりあたため」を実行する調理メニューとして設定の切替えを行ない、そして、S404で、開始タイマとして3秒を設定する。
【0090】
S405では、主制御回路25は、開始タイマのカウント値が0となったか否かを判断する。0となっていればS408に処理を進める。まだ0となっていない場合には、S406で開始タイマを減時した後、再度S407で開始タイマのカウント値が0となったか否かを判断し、0となっていればS408に処理を進める。まだ0となっていなければ、S402に処理を戻す。
【0091】
S408では、主制御回路25は、設定されている調理メニューをチェックする。そして、「じっくりあたため」であればS409に、「急速あたため」であればS410に、それぞれ処理を進める。
【0092】
主制御回路25は、S409,S410で、それぞれ、マグネトロンの出力を500W,1000Wとして加熱動作を開始させ、S411に処理を進める。
【0093】
そして、主制御回路25は、S411で、赤外線センサ7の検知出力をチェックし、当該検知出力が仕上り温度に相当するものとなれば、S412でマグネトロンによる加熱を停止させて、処理を終了する。
【0094】
以上説明した本実施の形態では、調理メニューを選択することにより、自動的に、調理メニューに応じてマグネトロンの加熱出力が決定される。また、本実施の形態では、あたためキーという単一のキーが、操作回数に応じて、複数の調理メニューに対応している。また、本実施の形態では、あたためキーに対する操作によって調理メニューが決定された後、3秒間当該あたためキーに対する操作が無ければ、自動的に、加熱調理が開始される。
【0095】
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、キー入力部61に、第3の実施の形態における「急速あたため」の調理メニューを設定するための「あたためキー」、および、第3の実施の形態における「じっくりあたため」の調理メニューを設定するための「じっくりあたためキー」が備えられている。そして、本実施の形態では、主制御回路25は、第3の実施の形態における加熱調理の変形例として、開始タイマの使用を省略した処理を実行する。図12に、本実施の形態の主制御回路25が実行する加熱調理処理のフローチャートを示す。
【0096】
図12を参照して、主制御回路25は、S501で、あたためキーに対する操作の有無を判断し、当該キーが操作されたと判断すると、S504で、マグネトロンに1000Wの出力で加熱動作を実行させる。
【0097】
また、主制御回路25は、S501であたためキーに対する操作がなかったと判断すると、S502で、じっくりあたためキーに対する操作の有無を判断し、当該キーが操作されたと判断すると、S503で、マグネトロンに500Wの出力で加熱動作を実行させ、処理をS505に進める。
【0098】
S505で、主制御回路25は、赤外線センサ7の検知出力をチェックし、当該検知出力が仕上り温度に相当するものとなれば、S506でマグネトロンによる加熱を停止させて、処理を終了する。
【0099】
以上説明した本実施の形態では、ユーザは、調理メニューに応じてキー操作を行ない、当該操作に従って、マグネトロンの出力が決定される。
【0100】
[第5の実施の形態]
本実施の形態の電子レンジは、第1または第2の実施の形態の電子レンジ1と同様の構成を有し、さらに、キー入力部61には、マグネトロンによる加熱動作を開始させるためのキーであるスタートキー、予め記憶された調理メニューで加熱動作を実行させるためのレンジキー、および、予め記憶された調理メニューの内容を変更するための時間キーが備えられている。また、本実施の形態では、主制御回路25に含まれるメモリに、図13に示すように、レンジキーに対する操作回数(押し回数)に対応させて、1〜4の番号を付けられた調理メニュー(加熱出力および加熱時間)が記憶されている。
【0101】
本実施の形態における主制御回路25のメインルーチンを図14に示す。
主制御回路25は、電子レンジ1に電源を投入されると、S601で、スタートキーに対する操作があったか否かを判断し、操作があったと判断するとS602へ、操作がなかったと判断すると、S603に処理を進める。
【0102】
S603では、主制御回路25は、時間キーが操作されたか否かを判断し、操作があったと判断するとS604へ、操作がなかったと判断すると、S605に処理を進める。
【0103】
S604では、主制御回路25は、図13に示したような、調理メニューのうちいずれかに対して加熱時間の変更が設定されていれば、変更後の加熱時間を、主制御回路25内のバッファに一時的に保存して、S601に処理を戻す。なお、加熱時間の変更の設定は、ユーザがキー入力部61に備えられたキーを適宜操作することにより、実行される。なお、この設定では、ユーザのキー操作により、まず図13に示した表中の番号が選択され、そして、当該番号に対応した加熱時間が設定される。また、時間キーに対する操作があっても、具体的な加熱時間の設定のための操作がなされたかった場合には、バッファには何も保存せず、S601に処理が戻される。
【0104】
S605では、主制御回路25は、レンジキーが操作されたか否かを判断し、操作があったと判断するとS606へ、操作がなかったと判断すると、S601に処理を戻す。
【0105】
S606では、S604として説明したように、加熱時間の変更の設定によりバッファに変更後の加熱時間が保存されているか否かを判断する。保存されていれば、S607に処理を進め、保存されていなければ、S608に処理を進める。
【0106】
S607では、主制御回路25は、当該主制御回路25内のメモリにおいて、図13で示したような表中の加熱時間を、バッファ内に保存されているものと置換えて、S601に処理を戻す。
【0107】
S608では、主制御回路25は、レンジキーの操作回数に応じて、1〜4のいずれかの番号を設定し、S609に処理を進める。なお、設定される番号は、レンジキーの操作回数が1〜4回の場合には、そのまま、回数と同じ数とされ、5回以上である場合には、4の整数倍を引いた数とされる。たとえば、操作回数が6回であれば「2」と設定され、9回であれば「1」と設定される。
【0108】
S609では、主制御回路25は、図13に示した表においてS608で設定した番号に対応する調理メニューを、実行するべき調理メニューとして設定し、S601に処理を戻す。
【0109】
そして、S602では、S609で設定された調理メニューに従った加熱調理を実行した後、S601に処理が戻される。
【0110】
以上説明した本実施の形態では、実行する調理メニューは1つであるが、レンジキーの操作回数に応じて、複数の調理メニューの中から実行する調理メニューを選択できる。つまり、レンジキーという単一のキーが、複数の調理メニューに対応している。なお、調理メニューの内容は、ユーザの操作によって、変更可能とされている。
【0111】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、各実施の形態は、単独でも、また、可能な限り組合せても、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の電子レンジの正面図である。
【図2】 第1の実施の形態の電子レンジの制御ブロック図である。
【図3】 第1の実施の形態の電子レンジの解凍調理での主制御回路の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】 第1の実施の形態の電子レンジにおける周期計時用カウンタおよびON時間計時用カウンタの動作を説明するための図である。
【図5】 第1の実施の形態の電子レンジのパスタ調理での主制御回路の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】 第1の実施の形態におけるマグネトロンの出力のON−OFFタイミングを示す図である。
【図7】 第1の実施の形態のパスタ調理において想定される食品の温度変化を示す図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態の電子レンジの正面図である。
【図9】 第2の実施の形態の電子レンジの制御ブロック図である。
【図10】 第2の実施の形態の主制御回路のメインルーチンのフローチャートである。
【図11】 本発明の第3の実施の形態における主制御回路の加熱処理のフローチャートである。
【図12】 本発明の第4の実施の形態における主制御回路の加熱処理のフローチャートである。
【図13】 本発明の第5の実施の形態における主制御回路内のメモリの記憶内容を示す図である。
【図14】 第5の実施の形態における主制御回路のメインルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子レンジ、2 本体、3 ドア、6 操作パネル、7 赤外線センサ、10 加熱室、11 検出孔、20 加熱源駆動部、21 ドア開閉状態入力部、25 主制御回路、60 表示部、61 キー入力部、70 視野、79 信号処理回路。
Claims (1)
- 被加熱物を収容する加熱室と、
前記加熱室にマイクロ波を供給するマグネトロンと、
前記マグネトロンを周期的に運転/停止させる制御部と、
前記加熱室内の被加熱物に対する調理メニューを入力する入力部とを含み、
調理メニューとして、食品を沸騰温度まで上昇させる第1ステージと沸騰状態を維持しつつ継続して加熱する第2ステージとからなる調理メニューを有し、
前記制御部は、マグネトロンを、前記第 1 ステージでは第1の周期で運転/停止させ、前記第2ステージでは、前記第 1 ステージより小さな出力とすると共に、前記第1の周期より短い第2の周期で運転/停止させることを特徴とする電子レンジ。
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