JP4020507B2 - ツイストドリル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フルート溝のほかに副溝の付設されたツイストドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金に代表される軽合金や鋳鉄を加工対象とし、高精度穴明けを目的としたドリルとして、ドリル軸に平行する直状のフルート溝を設け、円周上に4点となるガイドパットを配したドリルがある。このようなドリルは、一般にはバニシングドリルとかドリルリーマと称されて、広く実用されている。このドリルは、ねじれを持たないので工具剛性に優れ、製作が容易であるという長所を持つが、切屑処理性能や切削抵抗の面でツイストドリルに劣り、そのために加工穴深さや送りに制約を受ける。
【0003】
そこで、ツイストドリルに副溝を付設するようにしたドリルが多数提案されている。フルート溝のねじれによって生じる正のすくい角作用により、このようなツイストドリルは切削抵抗が低く、かつ副切刃の仕上げ作用により高精度な穴加工ができる。一例として、特公昭59―23925号公報に開示されたものがあり、この公報に準じた従来のドリルが図7および図8に示されている。
【0004】
本図において、螺旋状に形成された2条のフルート溝2同士の間に、副溝4が配設されている。副溝4はフルート溝2と並行して設けられ、その外周縁にはマージン6が備わる。副溝4先端の副切刃5は、フルート溝2先端の切刃3より、仕上げ代の大きさ分だけ大径に、またドリル軸方向には基端部側に若干後退して設けられる。副切刃5は先行する切刃3により穴明けされた穴を仕上げるリーマとして機能し、副溝4は切り粉排出用の溝として作用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ドリルのねじれは、左ねじれの場合、切屑を前方に押し返そうと作用するので良好な切屑処理が得られにくく、切削抵抗も大きい。したがって通常は右ねじれのドリルが実用されている。しかしながら右ねじれドリルは、加工材料に対し食い付き勝手となることから穴径が拡大する傾向にあり、穴精度と面粗さが得られにくい。
【0006】
副切刃に関しても同様である。加工精度の改善を目的に設けられた副溝であるが、副切刃が食い付き勝手となることは、改善目的に対して逆効果となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以上のような課題に鑑みなされてもので、丸棒状をなすドリル本体の一端外周部には、ねじれを伴ったフルート溝が配設されてその先端に一対の切刃が形成され、さらに前記フルート溝に離間して副溝が付設されてその先端に形成される副切刃が仕上刃として作用するように構成されたツイストドリルにおいて、前記フルート溝は右ねじれに形成され、前記副溝はねじれ溝または直状の溝にて形成されるとともに、該副溝は、前記フルート溝より小さいねじれ角または軸方向傾斜角でもって先端より延伸し、その後端がフルート溝と連通するよう形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記副溝のねじれ角または軸方向傾斜角は、0゜または負角に形成されることを特徴とし、さらに、前記副溝は直線状に延伸し、そのコーナ部には超高圧焼結体チップが接合されていることを特徴とするものである。
【0009】
主たる切刃を形成するフルート溝が右ねじれであることから、切れ味に優れ、切屑流出が良好であるというツイストドリル本来の性能は変わらない。一方、副溝は、フルート溝よりねじれ角または軸方向傾斜角が弱いことからすくい角が小さくなり、仕上げ刃としての食い付き勝手の傾向は少なくなり、加工穴の拡大傾向が抑制される。
【0010】
特に、前記角度を0゜または負角に副溝を形成した場合は副切刃における食い付き勝手は解消し、バニッシング効果も大きくなる。副溝を設けたことによるドリル剛性の低下も少ないことから、切削の安定性が増す。副切刃部分は切削負担が少ないことから、負角に設定しても全体の切削抵抗に及ぼす影響は小さい。副溝の後端はフルート溝に連通していて副溝長さが短いので、生成される切屑は早いうちにフルート溝に流出し、切削液とともに加工穴の外に排出される。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一実施形態について、図を参照しながら説明する。図1および図2は第1の実施形態を示すもので、丸棒状をなすドリル本体1の一端外周部には2条のフルート溝2が配設されている。フルート溝2は正のねじれ角(右ねじれ)を有し、その先端に一対の切刃3が形成される。また、フルート溝とフルート溝との中間部には、先端より副溝4が付設される。このとき、副溝4も右ねじれの状態に置かれるとともに、フルート溝2よりも小さなねじれ角でもって延伸するようにする。したがってその後端はフルート溝2と交差するようになり、フルート溝2に連通する溝が形成される。
【0012】
副溝4の先端には副切刃5が形成される。副切刃5は、切刃3よりも仕上げ代の大きさ分だけ直径が大きく、同時にドリル軸方向には基端部側に若干後退して配設される。また、フルート溝2の外周縁に沿っては、マージン6が具備される。したがって、副溝部は、切刃3によって加工された下穴をリーマと同様の作用でもって仕上げる仕上刃として機能することになる。
【0013】
以上の構成とすることにより、切刃3の食い付き勝手の強さに原因して起きる穴の拡大傾向と加工面粗さが、食い付き勝手の軽減された副切刃5およびマージン6とによって仕上げ加工されることによって改善される。そして、この改善の程度は、副溝4のねじれ角または軸方向傾斜角を0゜または負角(左ねじれ)に形成することによって、より効果的に現れる。
【0014】
図3および図4は、第2の実施形態を示すもので、同一箇所には同符号を付してある。このツイストドリルは、副溝4がドリル軸に対して平行に設けられているので、ねじれ角は0゜である。そして、副溝4のコーナには工具寿命の延長を図って超高圧焼結体チップ7が接合されている。超高圧焼結体チップ7は、加工材料に従って、ダイヤモンド焼結体や立方晶窒化硼素焼結体が適宜選択される。マージン6は、超高圧焼結体チップ7部分の外周縁に備わっている。
【0015】
このように、副溝4のねじれ角が0゜の場合には、完全に対称的に副溝部を製作することができてドリル剛性の低下も僅かな減少に抑えられるので、高精度の穴加工が安定的に得られるようになる。
【0016】
図5および図6は、第3の実施形態を示すもので、同一箇所には同符号を付してある。このツイストドリルは、負のすくい角をもつ一見左ねじれの副溝4が付設されたものであるが、寿命延長のために副溝4のコーナには超高圧焼結体チップ7が接合されている。仕上げ刃としての効果は大差ないので、製作のしやすさから、直状の溝が採用されている。したがって、正確には、負の軸方向傾斜角を有する溝であって、溝自体はねじれていない。マージン6は、超高圧焼結体チップ7部分の外周縁に備わっている。
【0017】
副溝4のねじれ角または軸方向傾斜角が負となることは、バニッシングの作用が高くなり、加工面粗さに優れた穴加工が行われる。しかしながら、角の負角はバニッシング作用が過大となって加工面粗さに逆効果となって現れるので、好ましくは―30゜より負とならないようにする。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、副溝の付設されたツイストドリルにおいて、右ねじれのツイストドリルが本来持っている切れ味の良さと切屑処理性の良さという基本性能が損なわれることがなく、弱いねじれ角または軸方向傾斜角でもって付設される副溝の作用によって、穴精度および仕上げ面粗さが改善される。前記角度としたことによっても、副切刃より生成される切屑は、連通するフルート溝内に早期に排出される。副溝は比較的長さが短く、直状の溝とすることが可能なので、超高圧焼結体チップを副切刃として使用することが容易で、これにより寿命延長が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示す正面図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 本発明の実施の他の形態を示す正面図である。
【図4】 図3の側面図である。
【図5】 本発明の実施の他の形態を示す正面図である。
【図6】 図5の側面図である。
【図7】 従来技術の一例を示す正面図である。
【図8】 図7の側面図である。
【符号の説明】
2 フルート溝
3 切刃
4 副溝
5 副切刃
6 マージン
7 超高圧焼結体チップ
Claims (3)
- 丸棒状をなすドリル本体の一端外周部には、ねじれを伴ったフルート溝が配設されてその先端に一対の切刃が形成され、さらに前記フルート溝に離間して副溝が付設されてその先端に形成される副切刃が仕上刃として作用するように構成されたツイストドリルにおいて、
前記フルート溝は右ねじれに形成され、前記副溝はねじれ溝または直状の溝にて形成されるとともに、該副溝は、前記フルート溝より小さいねじれ角または軸方向傾斜角でもって先端より延伸し、その後端がフルート溝と連通するよう形成されていることを特徴とするツイストドリル。 - 前記副溝のねじれ角または軸方向傾斜角は、0゜または負角に形成されることを特徴とする請求項1に記載のツイストドリル。
- 前記副溝は直線状に延伸し、そのコーナ部には超高圧焼結体チップが接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のツイストドリル。
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1998
- 1998-09-02 JP JP24856598A patent/JP4020507B2/ja not_active Expired - Lifetime
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