JP4020055B2 - テルミット式灰溶融炉 - Google Patents

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Description

本発明は、焼却残渣を溶融処理するためのテルミット式灰溶融炉に関する。
都市ごみ等の一般廃棄物や産業廃棄物は、これまで埋立処理されていたものでも、埋立地の枯渇や環境破壊等の問題から、次第に焼却処理されるようになってきている。しかし、焼却処理を行っても、例えばストーカ炉や流動床炉等の焼却炉の炉底から排出される主灰(焼却灰)や、当該焼却炉の排ガス等からフィルタ等で捕集される飛灰(これらの主灰および飛灰を焼却残渣と定義する)に、重金属類やダイオキシン類等の含れる率が高いため、これらをそのまま埋立処理するには問題がある。
このため、近年、焼却残渣を灰溶融炉に投入し、高温雰囲気下において溶融処理することにより、ダイオキシン類等の有害物質の無害化を図るとともに、焼却残渣の減容化を図ることが行われている。
このような灰溶融炉の一つとして、化石燃料(例えば灯油)を燃焼させるバーナを灰溶融炉の天井に設け、かつ補助加熱手段としてのテルミット剤を焼却残渣とともに炉床上に供給することによって、当該焼却残渣を内外から効率よく加熱して溶融処理するテルミット式灰溶融炉が開発されている。
このテルミット式灰溶融炉においては、炉床から天井面までの高さを低く設定し、炉内容積を低減することにより、熱効率の向上を図ることが行われている。
ところが、上記テルミット式灰溶融炉においては、天井面を低くすることによって熱効率の向上を図ると、焼却残渣の溶融温度を同程度に設定した場合でも、炉床の損傷が早まるという問題があった。
そこで、発明者は、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、天井面が低くなると、焼却残渣の溶融温度が同程度であっても当該焼却残渣の供給量の大小に応じてバーナから発する輝炎が時折炉床に直接当たる場面が生じ、この際に生じた損傷が積み重なることによって炉床の損傷速度が増大するという知見を得た。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、炉床の損傷速度を増大させることなく熱効率の向上を図ることのできるテルミット式灰溶融炉を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、テルミット剤を含有する焼却残渣が供給される上流側端部から当該焼却残渣が溶融して流出する下流側端部に向かって漸次下方に位置すべく傾斜する炉床の上方を覆うべく設置され、上方に位置する外面部材および当該外面部材の下方に位置する耐熱部材によって層状に構成されているとともに、上記外面部材に設けられた複数の各バーナから噴出する輝炎を上記耐熱部材における上記各バーナに対応する位置に形成された各輝炎導入孔から炉内に噴出するように構成された天井を備えたテルミット式灰溶融炉であって、上記輝炎導入孔のうち上記炉床の最も上流側に位置する上流側輝炎導入孔は、その軸線が下方に向かって漸次上記炉床の下流側に位置すべく当該炉床に直交する基準線に対して傾けられており、かつ上記輝炎導入孔であって上記炉床における上下流方向に延在する幅方向の中心線から当該幅方向にずれた位置に配置された輝炎導入孔のうち最も下流側に位置する下流側輝炎導入孔は、その軸線が下方に向かって漸次上記中心線側に位置すべく上記炉床に直交する基準線に対して傾けられていることを特徴としている。
なお、テルミット剤とは、粉末状の酸化鉄と、粉末状のアルミニウムとを一定の割合(酸化鉄とアルミニウムとのモル比が1:2となる割合)で混合したものであり、所定の高温(1050〜1100℃)に加熱することにより、下記の式(1)に示すテルミット反応が開始され、発熱を生じるものである。炉内雰囲気温度は、1200℃以上に保持するように運転する。テルミット反応式は下記の通りである。
Fe23+2Al=2Fe+Al23+198.3kcal …(1)
このテルミット反応においては、酸化鉄1モルと、アルミニウム2モルから、198.3kcalの反応熱を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記炉床の水平方向に対する傾斜角度は、20〜30度に設定されており、上記上流側輝炎導入孔の軸線の上記基準線に対する傾き角度は、5〜15度に設定されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記下流側輝炎導入孔は、上記中心線から幅方向に500〜1000mmの位置に配置され、上記下流側輝炎導入孔の軸線の上記基準線に対する傾き角度は、5〜10度に設定されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、上記炉床は、上記各輝炎導入孔から炉内に噴出する輝炎との間隔が0〜300mmとなるように構成されており、かつ上記外面部材の下面から上記耐熱部材の下面である天井面までの上記炉床に直交する方向の寸法は、450〜700mmに設定されるとともに、上記炉床から上記天井面までの当該炉床に直交する方向の寸法は、700〜900mmに設定されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、上記外面部材を鉄製の外面部強度部材によって構成してなり、上記外面部強度部材の下面には、上記耐熱部材を支持する耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガが連結され、上記耐火煉瓦ハンガは、上記炉床における上下流方向の中央部から上流側の上記耐熱部材に対応する部分において300〜400mmの間隔に設置されているとともに、上記中央部から下流側の上記耐熱部材に対応する部分において250〜350mmの間隔に設置され、上記耐熱金属ハンガは、上記各耐火煉瓦ハンガの間に設置されており、かつ上記耐熱部材は、練土状態で上記耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガに密着すべく施工され、養生によって硬化し耐熱性および断熱性を有する状態になる断熱層と、この断熱層の下面と上記耐熱部材の下面である天井面に対応する位置に仮設される型枠との間に流し込まれることによって上記耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガに密着すべく施工され、養生によって硬化し断熱性および耐火性を有する状態になる耐火層とによって層状に構成され、上記外面部強度部材には、流動状態となった上記耐火層の原料を上記断熱層の下面と上記型枠との間に投入する筒状の投入口部が複数設置されていることを特徴としている。
上記請求項1〜に記載の発明によれば、上流側輝炎導入孔の軸線が下方に向かって漸次炉床の下流側に位置すべく当該炉床に直交する基準線に対して傾けられているので、上流側輝炎導入孔から噴出する輝炎によって焼却残渣を加熱する効率を向上させることができる。
すなわち、通常であれば、上流側輝炎導入孔の軸線を炉床に直交する方向に延在させることによって、輝炎を焼却残渣にほぼ直角に当てることができるので、焼却残渣の溶融効率を向上させることができる。ただし、炉床が傾斜しているのに対して炉床の上流側端部に設けられる内壁面は通常鉛直方向に設置されるため、上流側輝炎導入孔を炉床に直交させると、噴出する輝炎が上記内壁面に当るなどして当該内壁面を直接的に加熱してしまうことになり、壁部の劣化を早めるとともに、輝炎の熱量を焼却残渣の溶融のために有効に使うことができない。
したがって、上流側輝炎導入孔の軸線を下方に向かって漸次炉床の下流側に位置すべく当該炉床に直交する基準線に対して傾けることによって、上流側輝炎導入孔から噴出する輝炎が上記内壁面を直接的に加熱するのを防止できるとともに、当該輝炎の熱量を焼却残渣の溶融のために有効に利用することができる。よって、壁部の劣化の低減および焼却残渣の溶融効率の向上を図ることができる。
また、下流側輝炎導入孔の軸線が下方に向かって漸次上記中心線側に位置すべく上記炉床に直交する基準線に対して傾けられているので、下流側輝炎導入孔から噴出する輝炎による焼却残渣を加熱する効率の向上を図ることができる。
すなわち、通常の炉床は溶融した焼却残渣が一カ所に集まって下流側端部から流出するように、特に下流側において幅方向の中心線に沿う部分が最も低くなるように傾斜しているため、下流側輝炎導入孔に関しては炉床に直交する方向に延在させると、噴出する輝炎が焼却残渣の存在しない炉床を直接的に加熱することになり、当該炉床の劣化を早めるとともに、輝炎の熱量を焼却残渣の溶融のために有効に使うことができない。
したがって、下流側輝炎導入孔の軸線を下方に向かって漸次上記中心線側に位置すべく上記炉床に直交する基準線に対して傾けることによって、下流側輝炎導入孔から噴出する輝炎が炉床を直接的に加熱するのを防止することができるとともに、当該輝炎の熱量を未だ溶融してない焼却残渣を加熱し溶融させるために有効に利用することができる。よって、炉床の劣化の低減および熱効率の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、炉床の水平方向に対する傾斜角度が20〜30度に設定され、上流側輝炎導入孔の軸線の上記基準線に対する傾き角度が5〜15度に設定されているので、上流側輝炎導入孔から噴出する輝炎が上述した内壁面を直接的に加熱するのを防止することができるとともに、炉床に供給された焼却残渣を効率よく加熱することができる。
なお、上記傾き角度を5〜15度に設定したのは、5度未満であると、輝炎が上記内壁面に当たって、当該内壁面を直接的に加熱するおそれがあるからであり、15度を超えると、上流側端部に位置する焼却残渣の加熱量が不足することになるためである。
請求項3に記載の発明によれば、下流側輝炎導入孔が上記中心線から幅方向に500〜1000mmの位置に配置され、当該下流側輝炎導入孔の軸線の上記基準線に対する傾き角度が5〜10度に設定されているので、下流側輝炎導入孔から噴出する輝炎によって炉床を直接的に加熱することなく、炉床上の焼却残渣を効率よく加熱することができる。
なお、上記傾き角度を5〜10度に設定したのは、5度未満であると、輝炎が炉床を直接的に加熱するおそれがあるからであり、10度を超えると、輝炎が焼却残渣に対してより斜めに噴射することになって当該焼却残渣を加熱する効率が低下することになるためである。
請求項4に記載の発明によれば、輝炎導入孔から炉内に噴出する輝炎と炉床との間隔が0〜300mmとなるように構成されているので、焼却残渣の供給量が少ない場合であってもバーナの輝炎が炉床に直接当たるのを防止することができる。したがって、炉床の損傷速度が増大するのを防止することができる。
この場合、耐熱部材の下面である天井面の炉床からの高さは炉床の損傷に直接的な影響を与えることがなく可能な限り低く設定することができるので、熱効率の向上を図ることができる。
なお、輝炎と炉床との間隔を上述のように0〜300mmに設定したのは、0ミリ未満であれば、輝炎が炉床に当たることになるからであり、300mmを超えれば、輝炎の先端が炉床に供給される焼却残渣の上方に位置することになって、当該焼却残渣を溶融する効率が低下してしまうからである。
加えて、外面部材の下面から耐熱部材の下面である天井面までの寸法を450〜700mmに設定しているので、十分な断熱性を得ることができ、熱効率の向上を図ることができる。
また、炉床から天井面までの寸法を700〜900mmに設定しているので、炉床に多くの焼却残渣を十分余裕をもって供給することができる。
しかも、通常使用されるバーナの輝炎長が1100〜1300mmであるため、当該バーナを外面部材に設置することによって、輝炎と炉床との間隔を上述のように0〜300mmに設定することができる。
なお、外面部材の下面から耐熱部材の下面である天井面までの寸法を450〜700mmに設定したのは、450mm未満であると、十分な断熱効果が得られなくなるからであり、700mmを超えると製造コストの増大を来すことになるからである。
また、炉床から天井面までの寸法を700〜900mmに設定したのは、700mm未満になると、炉床に焼却残渣を供給する上での空間が十分に得られなくなるからであり、900mmを超えると、炉内の空間の増大により熱効率が低下してしまうからである。
請求項に記載の発明によれば、鉄製の外面部強度部材の下面に耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガを連結した後、断熱層を練土状態で施工することによって、当該断熱層を耐火煉瓦ハンガや、耐熱金属ハンガや、炉床の周縁部から立ち上がる側壁面や上述した内壁面等に確実に密着させることができる。さらに、断熱層の下面と仮設した型枠との間に流動状態の耐火層の原料を充填することによって、耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガを下方から完全に覆うことができるとともに、これらの各ハンガや、断熱層の下面や、炉床の周縁部から立ち上がる側壁面や上述した内壁面に密着した耐火層を構成することができる。
したがって、耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガによって支持された断熱層および耐火層からなる強固な耐熱部材を構成することができるとともに、炉内に発生したガスが耐熱部材や外面部強度部材等の施工部分から上方に逃げたり、当該施工部分から大気が炉内に浸入したりするのを防止することができる。
また、焼却残渣の溶融温度が1500〜1700℃に達することがあるため、この溶融した焼却残渣の輻射熱が天井面に作用することになるが、耐熱部材の支持手段として耐熱性に優れた耐火煉瓦ハンガを用いているので、高温状態になる耐熱部材を確実に保持することができる。
一方、耐熱金属ハンガについては、耐火煉瓦ハンガに比べて、耐熱部材内における天井面から上方の位置に配置することによって、上記輻射熱による溶融を防止することができる。しかも、耐熱金属ハンガは、金属で構成されているため、例えば地震等の衝撃的な力に対して耐熱部材を強靱に保持することができる。
さらに、外面部強度部材の下方に、耐火煉瓦ハンガ、耐熱金属ハンガ、断熱層および耐火層を順次施工することができるので、施工期間の短縮および施工設備の縮小等を図ることができる。
すなわち、灰溶融炉の天井は、炉内が高温になることから、半年から1年程度の間隔で大規模な補修を行う必要があるが、従来は、灰溶融炉の周囲に設置されたクレーンや、トラッククレーンを使用して、天井を灰溶融炉から吊り上げて取り外してから修理する必要があった。この場合、天井の重さは、焼却残渣の処理能力が15トン/日の灰溶融炉の場合、12トン程度にもなるため、大規模なクレーンを設置しておくか、補修の都度、大型のトラッククレーンを搬入する必要があり、施工期間が長くなるとともに、補修コストの増大を来すという問題があった。
しかし、外面部強度部材の下方に天井の構成部分を順次施工することができ、補修のたびに当該天井を灰溶融炉から取り外す必要がないので、施工期間の短縮、大型クレーンの排除による施工設備の縮小等を図ることができるとともに、補修に要するコストの低減を図ることができる。
加えて、炉床における上下流方向の中央部から上流側の耐熱部材に対応する部分における耐火煉瓦ハンガを、300〜400mmの間隔に設置し、上記中央部から下流側の耐熱部材に対応する部分における耐火煉瓦ハンガを、250〜350mmの間隔に設置しているので、耐熱部材を外面部強度部材の下方に確実に保持することができる。
しかも、各耐火煉瓦ハンガの間に耐熱金属ハンガを設置しているので、地震等の衝撃力に対しても耐熱部材を強靱に保持することができる。
なお、中央部の上流側の部分において各耐火煉瓦ハンガの間隔を300〜400mmに設定したのは、この寸法の範囲内に入っていれば耐熱部材を十分に保持することができるためである。また、中央部の下流側の部分において各耐火煉瓦ハンガの間隔を250〜350mmに設定しているのも、同様の理由による。ただし、下流側の耐火煉瓦ハンガの間隔を上流側に比べて狭く設定したのは、下流側の炉内温度の方が上流側の炉内温度より高くなるため、耐火煉瓦ハンガを多く設置することによって下流側の耐熱部材をより強固に保持する必要があるからである。
以下、この発明の一実施の形態としてのテルミット式灰溶融炉について、図面を参照しながら説明する。
この実施の形態で示すテルミット式灰溶融炉は、図1、図6および図7に示すように、炉床1と、天井2と、上流側側壁3と、下流側側壁4と、左右の各幅方向側壁5、6と、炉床1の後述する湯口11から流下する溶融スラグW´の周囲を囲む下部ダクト7とを備えた構成になっている。
上流側側壁3の外側には、図1に示すように、テルミット剤Tを含有する焼却残渣Wを投入するホッパ8が設けられており、このホッパ8の下端部には、油圧シリンダ(図示せず)によって軸方向に駆動され、焼却残渣Wをホッパ8の底部から炉床1上に供給するプッシャ81が設けられている。なお、テルミット剤Tは、所定の分量のものが袋に密閉された状態で、焼却残渣Wに対して一定の割合で投入されるようになっている。
炉床1は、テルミット剤Tを含有する焼却残渣Wが供給される上流側端部から当該焼却残渣Wが溶融して流出する下流側端部に向かって漸次下方に位置すべく傾斜した状態に設置されている。炉床1の上面の傾斜角度θ1は、水平方向に対して20〜30度に設定されている。ただし、この実施の形態では、傾斜角度θ1が25度に設定されている。
また、炉床1の上面は、当該炉床1における上下流方向に延在する幅方向の中心線C(図7の紙面に直交する方向に延在)の部分が最も低くなるように、幅方向の両端部から傾斜している(ただし、この傾斜は図示せず)。この傾斜は、特に下流側の部分において大きくなっている。そして、炉床1の下流側端部には、焼却残渣Wが加熱により溶融し中心線Cの部分に集まってきた溶融スラグW´を下部ダクト7内に流下させる湯口11が設けられている。
天井2は、鉄製の外面部強度部材(外面部材)21と、この外面部強度部材21の下方に層状に構成された耐熱部材22と、この耐熱部材22を外面部強度部材21に連結した状態に支持する複数の耐火煉瓦ハンガ23および耐熱金属ハンガ24とを備え、炉床1とほぼ平行に傾斜した状態に設置されるようになっている。
外面部強度部材21は、図2〜図5に示すように、矩形状に形成された平板部21aと、この平板部21aの上面に溶接された複数の補強リブ21bと、平板部21aにおける下面の周縁部に溶接され、上流側側壁3、下流側側壁4および左右の各幅方向側壁5、6の上端部の所定の位置に外面部強度部材21を合わせるための案内板21cとによって一体的に構成されている。
また、外面部強度部材21には、図2に示すように、平板部21aの上面に複数(この実施の形態においては5つ)のバーナ設置部21dが設けられている。各バーナ設置部21dには円形状の貫通孔21eが形成されており、この貫通孔21eの周囲に設けられた複数のねじ穴21fを介してバーナ25をボルト(図示せず)で固定するようになっている。
バーナ設置部21dは、平板部21aにおける炉床1の中心線Cに対応する位置でかつ当該炉床1の上下流方向の中央線M(図1の紙面に直交する方向に延在)に対応する位置に1つ、中央線Mに対して上下流方向に対称となりかつ中心線Cに対して幅方向に対称となる4つの各位置に1つずつ設けられている。
耐熱部材22には、図1、図6および図7に示すように、上記各貫通孔21eに対応する位置(すなわち、各バーナ25に対応する位置)に、バーナ25から噴出する輝炎を耐熱部材22の下面である天井面22aから炉内に噴出させるための輝炎導入孔22bが形成されている。なお、天井面22aは、炉床1の上面と平行に形成されている。
各輝炎導入孔22bのうち炉床1の最も上流側に位置する2つの上流側輝炎導入孔22b1は、図1に示すように、その軸線aが下方に向かって漸次炉床1の下流側に位置すべく当該炉床1の上面に直交する基準線bに対して傾けられている。
そして、上流側輝炎導入孔22b1の軸線aの基準線bに対する傾き角度θ2は、5〜15度に設定されている。ただし、この実施の形態では、傾き角度θ2が10度に設定されている。
一方、各輝炎導入孔22bであって炉床1における中心線Cから左右の幅方向に等間隔にずれた位置に配置された輝炎導入孔22bのうち最も下流側に位置する下流側輝炎導入孔22b2は、図7に示すように、その軸線aが下方に向かって漸次中心線C側に位置すべく炉床1の上面に直交する基準線bに対して傾けられている。
そして、下流側輝炎導入孔22b2は、中心線Cから幅方向に500〜1000mmの寸法Hの位置に配置され、下流側輝炎導入孔22b2の軸線aの基準線bに対する傾き角度θ3は、5〜10度に設定されている。ただし、この実施の形態では、寸法Hが750mmに設定され、傾き角度θ3が10度に設定されている。
また、中心線Cと中央線Mの交差する位置に対応する部分に配置された輝炎導入孔22bは、図6に示すように、その軸線aが炉床1の上面に直交する方向に延在している。
耐火煉瓦ハンガ23は、図8および図9に示すように、セラミックによって一体に形成されたものであって、四角柱状の支柱23aの外周面から四角形状に膨出する凸部23bを複数有し、基端部にブラケット26に連結するための係止部23cを有している。
ブラケット26は、帯状の鉄板の両端部をコ字状に屈曲することによって略Cに形成したものであり、平坦部26aが外面部強度部材21における平板部21aの下面に溶接によって固定されるようになっている。
また、ブラケット26は、平坦部26aの両端部に形成されたコ字状の各屈曲部26bで上記係止部23cを保持し、耐火煉瓦ハンガ23を平板部21aの下面からつり下げた状態に支持するようになっている。この場合、耐火煉瓦ハンガ23は、平板部21aの下面に対して垂直に延在した状態になる。
さらに、ブラケット26には、C字状の空間に挿入された係止部23cの位置を決めを行うストッパ26cが設けられている。このストッパ26cは、帯状の鉄板によって形成されたものであり、各屈曲部26bの上記挿入方向の端面に溶接により連結されている。
耐熱金属ハンガ24は、図1に示すように、耐食、耐熱性を有する金属、例えばSUS316やSUS310S等によって形成されたY字型スタッドによって構成されたものであり、棒状部分の軸方向の先端部および中間部にV字状の突出部を備えている。この耐熱金属ハンガ24は、基端部が外面部強度部材21の平板部21aの下面に溶接され、当該下面に対して垂直に延在した状態となる。
また、耐火煉瓦ハンガ23は、炉床1における中央線Mの部分(炉床1の上下流方向の中央部)から上流側の耐熱部材22に対応する部分において平板部21aの下面に沿って300〜400mmの間隔に設置されるようになっているとともに、中央線Mの部分から下流側の耐熱部材22に対応する部分において平板部21aの下面に沿って250〜350mmの間隔に設置されるようになっている。
ただし、この実施の形態では、上流側における耐火煉瓦ハンガ23の間隔が350mmに設定され、下流側における耐火煉瓦ハンガ23の間隔が300mmに設定されている。
一方、耐熱金属ハンガ24は、各耐火煉瓦ハンガ23の間のほぼ中央部に設置されるようになっている。
耐熱部材22は、図8に示すように、セラミックボード221と、断熱キャスタブル(断熱層)222と、キャスタブル耐火物(耐火層)223とによって層状に構成されている。
セラミックボード221は、断熱、耐熱性を有するとともに熱収縮率が小さく、かつセラミックファイバー(例えばアルミナ・シリケート繊維)の含有によって強度の向上が図られたもので構成されている。
断熱キャスタブル222は、練土状態で、耐火煉瓦ハンガ23、耐熱金属ハンガ24、上流側側壁3、下流側側壁4、左右の各幅方向側壁5、6およびセラミックボード221等に密着すべく施工され、養生によって硬化し耐熱性および断熱性を有する層を構成するようになっている。
キャスタブル耐火物223は、断熱キャスタブル222の下面と、天井面22aに対応する位置に仮設される型枠(図示せず)との間に流し込まれることによって、耐火煉瓦ハンガ23、耐熱金属ハンガ24、断熱キャスタブル222の下面、上流側側壁3、下流側側壁4、左右の各幅方向側壁5、6等に密着すべく施工され、養生によって硬化し断熱性およびて耐火性を有する層を構成するようになっている。
また、外面部強度部材21の平板部21aには、図10に示すように、流動状態となったキャスタブル耐火物223の原料を断熱キャスタブル222の下面と上記型枠との間に投入するための筒状の投入口部27が複数(この実施の形態では6つ)設置されている。
投入口部27は、鉄製の円筒管によって形成されたものであり、斜めに設置される外面部強度部材21の平板部21aから鉛直方向の上方に突出すべく、当該平板部21aに溶接されている。
また、投入口部27は、図2に示すように、最下流側に位置するバーナ設置部21dの貫通孔21eよりわずかに下流側に位置しかつ炉床1の中心線Cに対応する位置に1つ、炉床1の中央線Mに対応する位置のわずかに上流側であって中心線Cに対して左右対称となる位置に2つ、上流側の案内板21cのわずかに下流側の位置であって中心線Cに対応する位置および当該中心線Cに対して左右対称となる位置に3つ設けられている。
平板部21aおよびセラミックボード221には、各投入口部27に対応する位置に当該投入口部27に連通する貫通孔が形成されている。また、断熱キャスタブル222を施工する際には、上記各貫通孔を介して各投入口部27に連通する貫通孔を形成することになる。
各投入口部27から供給されるキャスタブル耐火物223の原料は、当該投入口部27内の少なくとも平板部21aの上面を越える位置まで供給されることになる。
キャスタブル耐火物223の原料を投入した後の各投入口部27は、図11に示すように、その上端部がキャップ27aで閉塞されることになる。キャップ27aとしては、図11(a)に示すように、一端部を閉塞した円筒形状のもので構成し投入口部27の上端部を単に覆うようにしたものでもよく、また図11(b)に示すように、上記円筒の内周に雌ねじを形成したもので構成し、当該雌ねじを投入口部27の上端部外周に形成した雄ねじに螺合することによって当該投入口部27に固定するようにしたものでもよく、さらに図11(c)に示すように、円板状のもので構成し投入口部27の上端部外周に設けたフランジにボルトで固定するようにしたものでもよい。
なお、断熱キャスタブル222およびキャスタブル耐火物223については、上述したセラミックファイバー(例えばアルミナ・シリケート繊維)を含有させて強度の向上を図るようにしてもよい。
また、上記セラミックファイバーのクロスに断熱キャスタブル222の原料やキャスタブル耐火物223の原料を含浸させたものを層状に重ねることによって、断熱キャスタブル222やキャスタブル耐火物223を構成するようにしてもよい。この場合には、耐熱部材22の強度をより向上させることができる。また、キャスタブル耐火物223の原料を投入するための投入口部27やキャップ27a等を削除することが可能になる。
バーナ25は、輝炎長が1100〜1300mmのものが採用させている。
そして、外面部強度部材21における平板部21aの下面から天井面22aまでの炉床1の上面に直交する方向の寸法(耐熱部材22の厚さに相当する)は、450〜700mmに設定され、炉床1の上面から天井面22aまでの当該炉床1の上面に直交する方向の寸法は、700〜900mmに設定され、かつ各輝炎導入孔22bから噴出するバーナ25の輝炎と炉床1の上面との間隔が0〜300mmとなるように設定されている。
また、セラミックボード221の厚さは50mmに設定され、炉床1の上面に直交する方向の断熱キャスタブル222の寸法(断熱キャスタブル222の厚さ)は150〜250mmに設定され、同方向におけるキャスタブル耐火物223の寸法(キャスタブル耐火物223の厚さ)は、250〜400mmに設定されている。
ただし、この実施の形態では、耐熱部材22の厚は530mm、断熱キャスタブル222の厚さは215mm、キャスタブル耐火物223の厚さは265mm、炉床1の上面から天井面22aまでの当該炉床1の上面に直交する方向の寸法は800mmに設定している。
上記のように構成されたテルミット式灰溶融炉においては、輝炎導入孔22bから炉内に噴出する輝炎と炉床1の上面との間隔が0〜300mmとなるように構成されているので、ホッパ8から炉床1に供給される焼却残渣Wの量が少ない場合であってもバーナ25の輝炎が炉床1に直接当たるのを防止することができる。したがって、炉床1の損傷速度を低減することができる。
この場合、天井面22aの炉床1からの高さは炉床1の損傷に直接的な影響を与えることがなく可能な限り低く設定することができるので、熱効率の向上を図ることができる。
なお、輝炎と炉床1との間隔を上述のように0〜300mmに設定したのは、0ミリ未満であれば、輝炎が炉床1に当たることになるからであり、300mmを超えれば、輝炎の先端が炉床1に供給される焼却残渣Wの上方に位置することになって、当該焼却残渣Wを溶融する効率が低下してしまうからである。
また、外面部強度部材21の下面から天井面22aまでの寸法を450〜700mmに設定しているので、十分な断熱性を得ることができ、熱効率の向上を図ることができる。
さらに、炉床1から天井面22aまでの寸法を700〜900mmに設定しているので、炉床1に多くの焼却残渣Wを十分余裕をもって供給することができる。
しかも、バーナ25の輝炎長が1100〜1300mmであるため、当該バーナ25を外面部強度部材21に設置することによって、輝炎と炉床1との間隔を上述のように0〜300mmに設定することができる。
なお、外面部強度部材21の下面から天井面22aまでの寸法を450〜700mmに設定したのは、450mm未満であると、十分な断熱効果が得られないからであり、700mmを超えると製造コストの増大を来すことになるからである。
また、炉床1から天井面22aまでの寸法を700〜900mmに設定したのは、700mm未満になると、炉床1に焼却残渣Wを供給する上での空間が十分に得られなくなるからであり、900mmを超えると、炉内の空間の増大により熱効率が低下してしまうからである。
一方、上流側輝炎導入孔22b1の軸線aが下方に向かって漸次炉床1の下流側に位置すべく当該炉床1に直交する基準線bに対して傾けられているので、上流側輝炎導入孔22b1から噴出する輝炎によって焼却残渣Wを加熱する効率を向上させることができる。
すなわち、通常であれば、上流側輝炎導入孔22b1の軸線aを炉床1に直交する方向に延在させることによって、輝炎を焼却残渣Wにほぼ直角に当てることができるので、焼却残渣Wの溶融効率を向上させることができる。ただし、炉床1が傾斜しているのに対して炉床1の上流側端部に設けられる上流側側壁3の内壁面は通常鉛直方向に設置されるため、上流側輝炎導入孔22b1を炉床1に直交させると、噴出する輝炎が上記内壁面に当るなどして当該内壁面を直接的に加熱してしまうことになり、上流側側壁3の劣化を早めるとともに、輝炎の熱量を焼却残渣Wの溶融のために有効に使うことができない。
したがって、上流側輝炎導入孔22b1の軸線aを下方に向かって漸次炉床1の下流側に位置すべく当該炉床1に直交する基準線bに対して傾けることによって、上流側輝炎導入孔22b1から噴出する輝炎が上記内壁面を直接的に加熱するのを防止できるとともに、当該輝炎の熱量を焼却残渣Wの溶融のために有効に利用することができる。よって、上流側側壁3の劣化の低減および焼却残渣Wの溶融効率の向上を図ることができる。
さらに、下流側輝炎導入孔22b2の軸線aが下方に向かって漸次中心線C側に位置すべく基準線bに対して傾けられているので、下流側輝炎導入孔22b2から噴出する輝炎によって焼却残渣Wを加熱する効率を向上させることができる。
すなわち、炉床1の下流側において幅方向の中心線Cに沿う部分が最も低くなるように傾斜しているため、下流側輝炎導入孔22b2を炉床1に直交する方向に延在させると、噴出する輝炎によって焼却残渣Wの存在しない炉床1を直接的に加熱してしまうことになり、当該炉床1の劣化を早めるとともに、輝炎の熱量を焼却残渣Wの溶融のために有効に使うことができない。
したがって、下流側輝炎導入孔22b2の軸線aを下方に向かって漸次中心線C側に位置すべく基準線bに対して傾けることによって、下流側輝炎導入孔22b2から噴出する輝炎が炉床1を直接的に加熱するのを防止することができるとともに、当該輝炎の熱量を未だ溶融してない焼却残渣Wを加熱し溶融させるために有効に利用することができる。よて、炉床1の劣化の低減および熱効率の向上を図ることができる。
また、炉床1の上面の水平方向に対する傾斜角度θ1が20〜30度に設定され、上流側輝炎導入孔22b1の軸線aの基準線bに対する傾き角度θ2が5〜15度に設定されているので、上流側輝炎導入孔22b1から噴出する輝炎によって上流側側壁3の内壁面を直接的に加熱するのを防止することができるとともに、炉床1に供給された焼却残渣Wを効率よく加熱することができる。
なお、上記傾き角度θ2を5〜15度に設定したのは、5度未満であると、輝炎が上流側側壁3の内壁面に当たって、当該内壁面を直接的に加熱するおそれがあるからであり、15度を超えると、上流側端部に位置する焼却残渣Wの加熱量が不足することになるためである。
また、下流側輝炎導入孔22b2が中心線Cから幅方向に500〜1000mmの位置に配置され、下流側輝炎導入孔22b2の軸線aの基準線bに対する傾き角度θ3が5〜10度に設定されているので、下流側輝炎導入孔22b2から噴出する輝炎によって炉床1を直接的に加熱することなく、炉床1上の焼却残渣Wを効率よく加熱することができる。
なお、上記傾き角度θ3を5〜10度に設定したのは、5度未満であると、輝炎が炉床1を直接的に加熱するおそれがあるからであり、10度を超えると、輝炎が焼却残渣Wに対してより斜めに噴射することになって当該焼却残渣Wを加熱する効率が低下することになるためである。
また、外面部強度部材21における平板部21aの下面に耐火煉瓦ハンガ23および耐熱金属ハンガ24を連結した後、断熱キャスタブル222を練土状態で施工することによって、当該断熱キャスタブル222を耐火煉瓦ハンガ23や、耐熱金属ハンガ24や、セラミックボード221の下面や、上流側側壁3、下流側側壁4、左右の各幅方向側壁5、6等に確実に密着させることができる。さらに、断熱キャスタブル222の下面と仮設した型枠との間に流動状態のキャスタブル耐火物223の原料を供給することによって、耐火煉瓦ハンガ23および耐熱金属ハンガ24を下方から完全に覆うことができるとともに、これらの各ハンガ23、24や、断熱キャスタブル222の下面や、上流側側壁3、下流側側壁4、左右の各幅方向側壁5、6等に密着したキャスタブル耐火物223を構成することができる。
したがって、耐火煉瓦ハンガ23および耐熱金属ハンガ24によって支持された断熱キャスタブル222およびキャスタブル耐火物223を備えた強固な耐熱部材22を構成することができるとともに、炉内に発生したガスが耐熱部材22や外面部強度部材21等の施工部分から上方に逃げたり、当該施工部分から大気が炉内に浸入したりするのを防止することができる。
また、焼却残渣Wの溶融温度が1500〜1700℃に達することがあるため、この溶融した焼却残渣Wの輻射熱が天井面22aに作用することになるが、耐熱部材22の支持手段として耐熱性に優れた耐火煉瓦ハンガ23を用いているので、高温状態になる耐熱部材22を確実に保持することができる。
一方、耐熱金属ハンガ24については、耐火煉瓦ハンガ23に比べて、耐熱部材22内における天井面22aから上方の位置に配置することによって、上記輻射熱による溶融を防止することができる。しかも、耐熱金属ハンガ24は、金属で構成されているため、例えば地震等の衝撃的な力に対して耐熱部材22を強靱に保持することができる。
さらに、外面部強度部材21の下方に、セラミックボード221、耐火煉瓦ハンガ23、耐熱金属ハンガ24、断熱キャスタブル222およびキャスタブル耐火物223を順次施工することができるので、施工期間の短縮および施工設備の縮小等を図ることができる。
すなわち、灰溶融炉の天井は、炉内が高温になることから、1年に一度程度の間隔で中規模の補修を行う必要があるが、この補修に際して従来は、灰溶融炉の周囲に設置されたクレーンや、トラッククレーンを使用して、天井を灰溶融炉から吊り上げて取り外してから修理する必要があった。この場合、天井の重さは、焼却残渣Wの処理能力が15トン/日の灰溶融炉の場合、12トン程度にもなるため、吊り上げ可能なクレーンを設置しておくか、補修の都度、トラッククレーンを搬入する必要があり、施工期間が長くなるとともに、補修コストの増大を来すという問題があった。
しかし、外面部強度部材21の下方に天井2の構成部分を順次施工することができ、補修のたびに当該天井2を灰溶融炉から取り外す必要がないので、施工期間の短縮、クレーンの排除による施工設備の縮小等を図ることができるとともに、補修に要するコストの低減を図ることができる。
また、炉床1における上下流方向の中央線Mの部分から上流側の耐熱部材22に対応する部分における耐火煉瓦ハンガ23を、300〜400mmの間隔に設置し、中央線Mの部分から下流側の耐熱部材22に対応する部分における耐火煉瓦ハンガ23を、250〜350mmの間隔に設置しているので、耐熱部材22を外面部強度部材21の下方に確実に保持することができる。
しかも、各耐火煉瓦ハンガ23の間に耐熱金属ハンガ24を設置しているので、地震等の衝撃力に対しても耐熱部材22を強靱に保持することができる。
ここで、中央線Mの部分から上流側の部分において各耐火煉瓦ハンガ23の間隔を300〜400mmに設定したのは、この寸法の範囲内に入っていれば耐熱部材22を十分に保持することができるためである。また、中央線Mの部分から下流側の部分において各耐火煉瓦ハンガ23の間隔を250〜350mmに設定しているのも、同様の理由による。ただし、下流側の耐火煉瓦ハンガ23の設置間隔を上流側に比べて狭く設定したのは、下流側の炉内温度の方が上流側の炉内温度より高くなるため、下流側の耐熱部材22を多くの耐火煉瓦ハンガ23によってより強固に保持する必要があるからである。
なお、上記実施の形態においては、輝炎導入孔22bを、上流側から、上流側輝炎導入孔22b1、中央部の輝炎導入孔22bおよび下流側輝炎導入孔22b2の3ゾーンに配置した例を示したが、下流側の2ゾーンから噴出する輝炎で焼却残渣Wを十分溶融することができる場合には、2ゾーンの輝炎導入孔22bを備えた天井2とすることも可能である。ただし、この場合には、上流側の輝炎導入孔22bを上述した傾き角度θ2の範囲で傾けることになる。
この発明の一実施の形態として示したテルミット式灰溶融炉の断面図である。 同テルミット式溶融設備における天井の外面部強度部材を示す図であって、図1のII矢視図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井の外面部強度部材を示す図であって、図2のIII矢視図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井の外面部強度部材を示す図であって、図2のIV−IV線に沿う断面図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井の外面部強度部材を示す図であって、図2のV−V線に沿う断面図である。 同テルミット式灰溶融炉を示す図であって、図1のVI−VI線に沿う断面図である。 同テルミット式灰溶融炉を示す図であって、図1のVII−VII線に沿う断面図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井の内部構成を示す断面図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井の耐火煉瓦ハンガを示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井を示す断面図である。 同テルミット式灰溶融炉における天井の投入口部およびキャップを示す図であって、(a)は第1の例のキャップを示す断面図、(b)は第2の例のキャップを示す断面図、(c)は第3の例のキャップを示す断面図である。
符号の説明
1 炉床
2 天井
21 外面部強度部材(外面部材)
22 耐熱部材
22a 天井面
22b 各輝炎導入孔
22b1 上流側輝炎導入孔
22b2 下流側輝炎導入孔
23 耐火煉瓦ハンガ
24 耐熱金属ハンガ
25 バーナ
27 投入口部
222 断熱キャスタブル(断熱層)
223 キャスタブル耐火物(耐火層)
a 軸線
b 基準線
C 中心線
M 中央線
T テルミット剤
W 焼却残渣
W´ 溶融スラグ
θ1 傾斜角度
θ2、θ3 傾き角度

Claims (5)

  1. テルミット剤を含有する焼却残渣が供給される上流側端部から当該焼却残渣が溶融して流出する下流側端部に向かって漸次下方に位置すべく傾斜する炉床の上方を覆うべく設置され、上方に位置する外面部材および当該外面部材の下方に位置する耐熱部材によって層状に構成されているとともに、上記外面部材に設けられた複数の各バーナから噴出する輝炎を上記耐熱部材における上記各バーナに対応する位置に形成された各輝炎導入孔から炉内に噴出するように構成された天井を備えたテルミット式灰溶融炉であって、
    上記輝炎導入孔のうち上記炉床の最も上流側に位置する上流側輝炎導入孔は、その軸線が下方に向かって漸次上記炉床の下流側に位置すべく当該炉床に直交する基準線に対して傾けられており、かつ
    上記輝炎導入孔であって上記炉床における上下流方向に延在する幅方向の中心線から当該幅方向にずれた位置に配置された輝炎導入孔のうち最も下流側に位置する下流側輝炎導入孔は、その軸線が下方に向かって漸次上記中心線側に位置すべく上記炉床に直交する基準線に対して傾けられていることを特徴とするテルミット式灰溶融炉。
  2. 上記炉床の水平方向に対する傾斜角度は、20〜30度に設定されており、
    上記上流側輝炎導入孔の軸線の上記基準線に対する傾き角度は、5〜15度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のテルミット式灰溶融炉。
  3. 上記下流側輝炎導入孔は、上記中心線から幅方向に500〜1000mmの位置に配置され、
    上記下流側輝炎導入孔の軸線の上記基準線に対する傾き角度は、5〜10度に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のテルミット式灰溶融炉。
  4. 上記炉床は、上記各輝炎導入孔から炉内に噴出する輝炎との間隔が0〜300mmとなるように構成されており、かつ
    上記外面部材の下面から上記耐熱部材の下面である天井面までの上記炉床に直交する方向の寸法は、450〜700mmに設定されるとともに、上記炉床から上記天井面までの当該炉床に直交する方向の寸法は、700〜900mmに設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のテルミット式灰溶融炉。
  5. 上記外面部材を鉄製の外面部強度部材によって構成してなり、
    上記外面部強度部材の下面には、上記耐熱部材を支持する耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガが連結され、
    上記耐火煉瓦ハンガは、上記炉床における上下流方向の中央部から上流側の上記耐熱部材に対応する部分において300〜400mmの間隔に設置されているとともに、上記中央部から下流側の上記耐熱部材に対応する部分において250〜350mmの間隔に設置され、
    上記耐熱金属ハンガは、上記各耐火煉瓦ハンガの間に設置されており、かつ
    上記耐熱部材は、練土状態で上記耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガに密着すべく施工され、養生によって硬化し耐熱性および断熱性を有する状態になる断熱層と、この断熱層の下面と上記耐熱部材の下面である天井面に対応する位置に仮設される型枠との間に流し込まれることによって上記耐火煉瓦ハンガおよび耐熱金属ハンガに密着すべく施工され、養生によって硬化し断熱性および耐火性を有する状態になる耐火層とによって層状に構成され、
    上記外面部強度部材には、流動状態となった上記耐火層の原料を上記断熱層の下面と上記型枠との間に投入する筒状の投入口部が複数設置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のテルミット式灰溶融炉。
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