JP4019312B2 - Friction material composition and friction material using friction material composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、鉄道車両、各種産業用機械等の制動に用いられるディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材に適した摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、鉄道車両、各種産業用機械等には、その制動のため摩擦材が使用されている。この摩擦材としては、現在非アスベスト系ディスクパッドが主流であり、特公昭59ー4462号公報、特開平6ー184525号公報等に示されるように補強繊維として、スチール繊維、黄銅繊維、銅繊維等の金属繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、フェノール繊維等の有機質繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、アルミナシリカ繊維、カーボン繊維等の無機質繊維を組み合わせたものが使用されている。
【0003】
摩擦材用の結合剤としては、従来から一般的に、耐熱性、強度面からフェノール樹脂が使用されており、特に耐熱性を重視して未変性タイプのフェノール樹脂が多く使用されているが十分な効果が得られていない。この改良として柔軟性に富むゴム変性タイプの結合剤が近年多く使用されているが、耐熱性に劣るため、摩擦摺動面が400℃以上の高温になる非常に過酷な条件化では、結合剤などの熱分解によって生じる液状分解物が、摺動面に潤滑成分として存在するため摩擦係数が大幅に低下するフェード現象が発生し易い。
【0004】
このため、アルカリ、アルカリ土類金属からなるカチオンを保持するゼオライトによりフェード性能の向上を図ることが試みられていた。しかしながら、フェード時の有機物の分解触媒作用としては機能せず、画期的なフェード対策には至っていないのが現状である。なお上記のフェード現象とは、樹脂などの有機成分の分解が起こる非常に過酷な高温条件化で、結合剤などの熱分解によって生じる液状分解物が、摺動面に潤滑成分として存在するため摩擦係数が大幅に低下することを意味する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1〜3記載の発明は、摩耗性能を維持し、かつフェード性能を向上させた摩擦材に適した摩擦材組成物を提供するものである。
請求項4記載の発明は、摩耗性能を維持し、かつフェード性能を向上させた摩擦材を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維状物質、結合剤及び摩擦調整剤を含む摩擦材組成物において、活性点のカチオンの種類が水素イオンであり、この水素イオンを保持し、かつ銅、パラジウム、白金のうち1種以上の金属を付着せしめたゼオライトを用いてなる摩擦材組成物に関する。
また、本発明は、ゼオライトが、シリカ/アルミナの比が1〜10であり、活性点のカチオンの種類が水素イオンであり、この水素イオンをイオン交換により保持し、かつ銅、パラジウム、白金のうち1種以上の金属を付着せしめたゼオライトを用いてなる摩擦材組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、ゼオライトが、自然鉱石として産出される天然ゼオライト及び有機テンプレートを用いて合成される人工ゼオライトで、活性点の種類が水素イオンであり、この水素イオンをイオン交換により保持し、かつ銅、パラジウム、白金のうち1種以上の金属を付着せしめたゼオライトを用いてなる摩擦材組成物に関する。
さらに、本発明は、上記の摩擦材組成物を加圧加熱成形してなる摩擦材に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記に示されるような水素イオンを保持したゼオライトを用いることにより、熱分解によって生じる液状分解物に対して水素イオンを介した分解反応機構により、接触分解反応を促進させ摺動面上の液状分解物を除去することで、摩擦係数が大幅に低下するフェード現象を発生し難くすることができる。なお、活性点のカチオンの種類がナトリウムイオンでは上記のような効果は得られない。
【0009】
また、銅、パラジウム、白金のうち1種以上の金属をゼオライトの粒子中に付着させることにより、金属を介した触媒反応が促進され、熱分解によって生じる液状分解物をより効果的に分解することが可能となる。
さらに、銅、パラジウム、白金等のうち1種以上の金属をゼオライト粒子中に付着させることにより、ゼオライトの活性点が失われ、そして触媒作用が失われるのを抑え、有機物に対する分解能を長期に渡って保持し、フェード現象を発生し難くすることが可能である。
【0010】
本発明において、ゼオライトは、シリカ/アルミナ比が1〜10の範囲であることが好ましく、2〜8の範囲であることがさらに好ましい。10を超えるとフェードの抑制効果が小さく、目的とする効果が得られなくなる傾向がある。一方1未満であるとゼオライトの分子構造の基本構造であるシリカ、アルミナから形成される4面体構造が摩擦による高温条件下により、骨格構造を保持できずにシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)に分解し、フェード特性については目的とする効果が小さく、また鳴きの弊害が発生する傾向がある。
上記以外のゼオライトとしては、自然鉱石として産出される天然ゼオライト及び有機テンプレートを用いて合成される人工ゼオライトを用いることができる。
【0011】
ゼオライトに付着せしめる銅、パラジウム及び白金は、1種で用いてもよくまた2種以上混合して用いてもよい。これらの含有量は、ゼオライトに対して0.1〜1.0重量%であることが好ましく、0.1〜0.6重量%であることがさらに好ましい。含有量が1.0重量%を超えると、ゼオライト中への金属の分散に偏りが生じ、金属触媒としての効果が低減し、フェード特性については目的とする効果が小さくなる傾向がある。一方、0.1重量%未満であると金属触媒作用が発揮されず、優れた特性が得られなくなる傾向がある。
【0012】
水素イオンを保持し、かつ銅、パラジウム、白金うち1種以上の金属を付着せしめたゼオライトの平均粒径は、鳴きの発生防止及び亀裂発生防止の点で0.1〜15μmの範囲であることが好ましく、0.5〜10μmの範囲であることがより好ましく、1〜5μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0013】
本発明における摩擦材の材質は、セミメタリック系、ノンスチール系のいずれにも適用でき特に制限はない。
また、摩擦材に用いられる材料は、一般に公知の材料が用いられ、例えばスチール繊維、黄銅繊維、銅繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、フェノール繊維、ウォラストナイト、セラミック繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維等の繊維状物質、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、カシュー樹脂等の熱硬化性樹脂やNBR、SBR、IR等のゴム組成物を含む結合剤、カシューダスト、ゴムダスト等の有機質摩擦調整剤、硫酸バリウム、黒鉛、三硫化アンチモン、ゼオライト、マイカ、ジルコニア、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機質摩擦調整剤などが用いられ、さらに必要に応じて真鍮、銅等の金属粉が添加される。
【0014】
上記における繊維状物質の含有量は全組成物中に30〜60重量%とすることが好ましく、40〜50重量%とすることがさらに好ましい。結合剤の含有量は、全組成物中に3〜20重量%とすることが好ましく、5〜12重量%とすることがさらに好ましい。有機摩擦調整剤の含有量は、全組成物中に1〜15重量%とすることが好ましく、2〜12重量%とすることがさらに好ましい。また無機質摩擦調整剤の含有量は、全組成物中に20〜50重量%とすることが好ましく、25〜45重量%とすることがさらに好ましい。
なお、必要に応じて添加する金属粉の含有量は、全組成物中に1〜20重量%とすることが好ましく、3〜15重量%とすることがさらに好ましい。
これらの成分は、全組成物が100重量%となるように配合される。
【0015】
本発明になる摩擦部材は、繊維状物質、結合剤、及び摩擦調整剤、必要に応じて添加する金属粉を含む材料を添加して均一に混合し、この混合物を予備成形し、次いで金型内に裏金及び予備成形体を挿設した後、加熱加圧成形法で成形し、その後必要に応じて熱処理を行い、さらに表面の有機成分を除去するためスコーチ処理を行って得られる。
【0016】
なお成形する際の加熱温度は130〜170℃が好ましく、140〜160℃がさらに好ましい。成形圧力は20〜60MPaが好ましく、30〜50MPaがさらに好ましい。必要に応じて行う熱処理温度は180〜250℃が好ましく、190〜240℃がさらに好ましい。またスコーチ処理は、摩擦部材に熱盤を押し当てる方法、ガスの炎などの直火で加熱する方法、遠赤外線などの輻射熱で加熱する方法等があり特に制限はない。スコーチ処理の条件についは、その材質に合った条件を選定して処理すればよい。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
カチオンの種類が水素イオンで、この水素イオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、次いで該ゼオライトの粒子中に銅をゼオライトに対して0.5重量%の割合で付着せしめ、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Aを得た。
【0018】
実施例2
カチオンの種類が水素イオンで、この水素イオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、次いで該ゼオライトの粒子中にパラジウムをゼオライトに対して0.5重量%の割合で付着せしめ、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Bを得た。
【0019】
実施例3
カチオンの種類が水素イオンで、この水素イオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、次いで該ゼオライトの粒子中に白金をゼオライトに対して0.5重量%の割合で付着せしめ、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Cを得た。
【0020】
比較例1
カチオンの種類が水素イオンで、この水素イオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Dを得た。
【0021】
比較例2
カチオンの種類がナトリウムイオンで、このナトリウムイオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Eを得た。
【0022】
比較例3
カチオンの種類がナトリウムイオンで、このナトリウムイオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、次いで該ゼオライトの粒子中に銅をゼオライトに対して0.5重量%の割合で付着せしめ、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Fを得た。
【0023】
比較例4
カチオンの種類がナトリウムイオンで、このナトリウムイオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、次いで該ゼオライトの粒子中にパラジウムをゼオライトに対して0.5重量%の割合で付着せしめ、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Gを得た。
【0024】
比較例5
カチオンの種類がナトリウムイオンで、このナトリウムイオンをイオン交換によりゼオライトに保持し、次いで該ゼオライトの粒子中に白金をゼオライトに対して0.5重量%の割合で付着せしめ、以下表1に示す他の成分と共に表1に示す量秤量し、混合機で3000r/minの回転速度で4分間混合し、摩擦材組成物Hを得た。
【0025】
次に、実施例1〜3で得られた摩擦材組成物A、B及びC並びに比較例1〜5で得られた摩擦材組成物D、E、F、G、及びHを各々予備成形し、次いで金型内にディスクブレーキパッドの裏金及び上記の予備成形体を挿設し、その後152.5±2.5℃及び圧力49MPaの条件で5分間加熱加圧成形した。さらに200℃で5時間熱処理を行い、冷却後研磨し、470±10℃で5分間の表面スコーチ処理を行って端部から端部までの長さが127mmのディスクブレーキパッドA、B、C、D、E、F、G、及びHを得た。
【0026】
次に、本発明なるディスクブレーキパッドA、B及びCと比較例のディスクブレーキパッドD、E、F、G及びHについて、比較試験を行った。その試験結果を表2に示す。なお試験条件は下記の通りである。
【0027】
(1) フェード性能の評価
ダイナモ試験機にて第1回フェード試験時の最低摩擦係数(μ)及び一制動中の最低摩擦係数(μ)を確認した。
(2) 摩耗量の評価
JASO C406−87に準じる乗用車ブレーキ装置ダイナモメータ試験法により、試験前と試験後のディスクブレーキパッドの厚さの差から摩耗量を求めた。
【0028】
▲3▼ 鳴きの評価
車両重量:1600kg、ブレーキ型式:コレットタイプ(シリンダ面積:28cm2)、2000ccオートマチック車で、市街地走行1000kmを行い、次式により求めた。
【数1】
鳴き発生率(%)=鳴き発生回数(回)/制動回数(回)×100
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
表2に示されるように、本発明になる実施例1〜3のディスクブレーキパッドは、摩耗量及び鳴き発生率は、水素イオンを保持した比較例1(従来品)のディスクブレーキパッドと同程度、即ち従来品とほぼ同等の値を維持し、フェード時の最低摩擦係数(μ)及びフェード時の一制動中最低摩擦係数(μ)が向上していることが明らかである。これに対し金属を付着していない比較例1のディスクブレーキパッドは、フェード時の最低摩擦係数(μ)及びフェード時の一制動中最低摩擦係数(μ)が低下した。また、ナトリウムイオンを保持した比較例2のディスクブレーキパッド、ナトリウムイオンを保持し、これに金属(銅、パラジウム及び白金)を付着せしめた比較例3〜5のディスクブレーキパッドは、フェード時の最低摩擦係数及びフェード時の一制動中最低摩擦係数が低下していると共に摩耗量が大きかった。
【0032】
【発明の効果】
請求項1〜3における摩擦材組成物は、摩耗性能を維持し、かつフェード性能を向上させることが可能な摩擦材を提供することができる。
請求項4における摩擦材は、摩耗性能を維持し、かつフェード性能を向上させることが可能であり、工業的に好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a friction material composition suitable for friction materials such as disc brake pads and brake linings used for braking automobiles, railway vehicles, various industrial machines, and the like, and a friction material using the friction material composition.
[0002]
[Prior art]
Friction materials are used for braking in automobiles, railway vehicles, various industrial machines, and the like. As this friction material, non-asbestos disk pads are currently mainstream, and steel fibers, brass fibers, copper fibers are used as reinforcing fibers as disclosed in JP-B-59-4462, JP-A-6-184525, and the like. In combination, metal fibers such as acrylic fibers, aramid fibers, and phenol fibers, and inorganic fibers such as rock wool, potassium titanate fibers, alumina silica fibers, and carbon fibers are used.
[0003]
As a binder for friction materials, phenol resins are generally used from the viewpoint of heat resistance and strength, and many unmodified phenol resins are used with particular emphasis on heat resistance. The effect is not acquired. In recent years, a variety of flexible rubber-modified binders have been used as an improvement. However, since the heat resistance is inferior, under extremely severe conditions where the frictional sliding surface is at a high temperature of 400 ° C. or higher, the binder is used. Since a liquid decomposition product generated by thermal decomposition such as the above exists as a lubricating component on the sliding surface, a fading phenomenon is likely to occur in which the friction coefficient is significantly reduced.
[0004]
For this reason, attempts have been made to improve the fade performance by using a zeolite holding a cation composed of an alkali or alkaline earth metal. However, at present, it does not function as an organic substance decomposition catalytic action during fading, and has not led to an innovative fading countermeasure. The fading phenomenon described above is a very severe high-temperature condition in which an organic component such as a resin decomposes, and a liquid decomposition product generated by thermal decomposition such as a binder exists on the sliding surface as a lubricating component. This means that the coefficient is greatly reduced.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The inventions described in claims 1 to 3 provide a friction material composition suitable for a friction material that maintains wear performance and improves fade performance.
The invention according to claim 4 provides a friction material that maintains wear performance and improves fade performance.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a friction material composition comprising a fibrous material, a binder, and a friction modifier, wherein the cation at the active site is a hydrogen ion, retains this hydrogen ion, and is one of copper, palladium, and platinum. The present invention relates to a friction material composition using a zeolite to which a metal of at least a seed is adhered.
In the present invention, the zeolite has a silica / alumina ratio of 1 to 10, the type of cation at the active site is a hydrogen ion, the hydrogen ion is retained by ion exchange, and copper, palladium, platinum The present invention relates to a friction material composition using zeolite to which one or more kinds of metals are attached.
[0007]
Further, the present invention is a natural zeolite produced as natural ore and an artificial zeolite synthesized using an organic template, the type of active site is a hydrogen ion, the hydrogen ion is retained by ion exchange, In addition, the present invention relates to a friction material composition using a zeolite to which one or more kinds of metals of copper, palladium and platinum are attached.
Furthermore, this invention relates to the friction material formed by press-heating-molding said friction material composition.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
By using a zeolite that retains hydrogen ions as shown above, the liquid decomposition product generated by thermal decomposition is promoted by the decomposition reaction mechanism via hydrogen ions to promote liquid decomposition on the sliding surface. By removing the object, it is possible to make it difficult to generate a fade phenomenon in which the friction coefficient is significantly reduced. In addition, when the kind of cation of an active site is sodium ion, the above effects cannot be obtained.
[0009]
In addition, by attaching one or more metals of copper, palladium, and platinum to the zeolite particles, the catalytic reaction through the metal is promoted, and the liquid decomposition product generated by thermal decomposition is decomposed more effectively. Is possible.
Furthermore, by attaching one or more metals of copper, palladium, platinum, etc. to the zeolite particles, the active sites of the zeolite are lost and the catalytic action is prevented from being lost, and the resolution to organic matter is extended over a long period of time. The fade phenomenon can be made difficult to occur.
[0010]
In the present invention, the zeolite preferably has a silica / alumina ratio in the range of 1 to 10, more preferably in the range of 2 to 8. If it exceeds 10, the effect of suppressing fading is small, and the intended effect tends not to be obtained. On the other hand, if it is less than 1, the tetrahedral structure formed from silica and alumina, which is the basic structure of the molecular structure of zeolite, cannot retain the skeleton structure under high temperature conditions due to friction, and silica (SiO 2 ) and alumina (Al 2 decomposes to O 3), less the effect of interest for fade characteristics, also tend to harmful effects squeal occurs.
As zeolites other than the above, natural zeolite produced as natural ore and artificial zeolite synthesized using an organic template can be used.
[0011]
Copper, palladium, and platinum adhering to the zeolite may be used singly or in combination of two or more. These contents are preferably 0.1 to 1.0% by weight, more preferably 0.1 to 0.6% by weight, based on the zeolite. When the content exceeds 1.0% by weight, the dispersion of the metal in the zeolite is biased, the effect as a metal catalyst is reduced, and the intended effect on the fade characteristics tends to be reduced. On the other hand, if it is less than 0.1% by weight, the metal catalytic action is not exhibited, and excellent characteristics tend not to be obtained.
[0012]
The average particle size of the zeolite that retains hydrogen ions and has one or more metals deposited from copper, palladium, and platinum attached is in the range of 0.1 to 15 μm in terms of preventing squealing and cracking. Is more preferable, it is more preferable that it is the range of 0.5-10 micrometers, and it is further more preferable that it is the range of 1-5 micrometers.
[0013]
The material of the friction material in the present invention can be applied to either a semi-metallic type or a non-steel type and is not particularly limited.
The material used for the friction material is generally a known material, such as steel fiber, brass fiber, copper fiber, aramid fiber, acrylic fiber, phenol fiber, wollastonite, ceramic fiber, rock wool, potassium titanate. Fibers, fibrous materials such as carbon fibers, thermosetting resins such as phenolic resins, epoxy resins, melamine resins, cashew resins, and binders containing rubber compositions such as NBR, SBR, IR, organic materials such as cashew dust, rubber dust Friction modifiers, inorganic friction modifiers such as barium sulfate, graphite, antimony trisulfide, zeolite, mica, zirconia, silica, alumina, calcium carbonate, magnesium carbonate, etc. are used, and if necessary, metals such as brass and copper Powder is added.
[0014]
The content of the fibrous substance in the above is preferably 30 to 60% by weight, more preferably 40 to 50% by weight in the whole composition. The content of the binder is preferably 3 to 20% by weight, more preferably 5 to 12% by weight in the total composition. The content of the organic friction modifier is preferably 1 to 15% by weight and more preferably 2 to 12% by weight in the entire composition. Further, the content of the inorganic friction modifier is preferably 20 to 50% by weight, more preferably 25 to 45% by weight in the entire composition.
In addition, it is preferable to set it as 1-20 weight% in the whole composition, and, as for content of the metal powder added as needed, it is more preferable to set it as 3-15 weight%.
These components are blended so that the total composition is 100% by weight.
[0015]
The friction member according to the present invention is made by adding a fibrous substance, a binder, and a friction modifier, and a material containing metal powder to be added if necessary, and mixing the mixture uniformly. It is obtained by inserting a backing metal and a preformed body therein, forming by a heat and pressure molding method, then performing a heat treatment as necessary, and further performing a scorch process to remove organic components on the surface.
[0016]
In addition, 130-170 degreeC is preferable and the heating temperature at the time of shaping | molding has more preferable 140-160 degreeC. Molding pressure is preferably 20~60M P a, more preferably 30 to 50 m P a. 180-250 degreeC is preferable and the heat processing temperature performed as needed has more preferable 190-240 degreeC. The scorch treatment is not particularly limited, and includes a method of pressing a hot plate against the friction member, a method of heating with a direct flame such as a gas flame, a method of heating with radiant heat such as far infrared rays, and the like. Scorch processing conditions may be selected and processed according to the material.
[0017]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described by way of examples.
Example 1
The type of cation is hydrogen ion, and this hydrogen ion is held in the zeolite by ion exchange, and then copper is deposited in the zeolite particles at a ratio of 0.5% by weight with respect to the zeolite. The amount shown in Table 1 was weighed together with these components, and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer to obtain friction material composition A.
[0018]
Example 2
The type of cation is hydrogen ion, and this hydrogen ion is held on the zeolite by ion exchange, and then palladium is adhered to the zeolite particles at a ratio of 0.5% by weight with respect to the zeolite. The amount shown in Table 1 was weighed together with the above components and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer to obtain friction material composition B.
[0019]
Example 3
The type of cation is hydrogen ion, and this hydrogen ion is held on the zeolite by ion exchange, and then platinum is deposited in the zeolite particles at a ratio of 0.5% by weight with respect to the zeolite. The amount shown in Table 1 was weighed together with the above components and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer to obtain friction material composition C.
[0020]
Comparative Example 1
The type of cation is hydrogen ion. This hydrogen ion is held in the zeolite by ion exchange, and weighed in the amount shown in Table 1 together with other components shown in Table 1 below, and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer. Thus, a friction material composition D was obtained.
[0021]
Comparative Example 2
The kind of cation is sodium ion. This sodium ion is retained in the zeolite by ion exchange, and weighed in the amount shown in Table 1 together with other components shown in Table 1 below, and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer. Thus, the friction material composition E was obtained.
[0022]
Comparative Example 3
The kind of cation is sodium ion. This sodium ion is retained on the zeolite by ion exchange, and then copper is deposited in the zeolite particles at a ratio of 0.5% by weight to the zeolite. The amount shown in Table 1 was weighed together with these components, and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer to obtain a friction material composition F.
[0023]
Comparative Example 4
The kind of cation is sodium ion, and this sodium ion is retained on the zeolite by ion exchange, and then palladium is adhered to the zeolite particles at a ratio of 0.5% by weight with respect to the zeolite. The friction material composition G was obtained by weighing the amounts shown in Table 1 together with these components and mixing them with a mixer at a rotational speed of 3000 r / min for 4 minutes.
[0024]
Comparative Example 5
The kind of cation is sodium ion, and this sodium ion is retained on the zeolite by ion exchange, and then platinum is deposited in the zeolite particles at a ratio of 0.5% by weight with respect to the zeolite. The amount shown in Table 1 was weighed together with the above components and mixed for 4 minutes at a rotational speed of 3000 r / min with a mixer to obtain a friction material composition H.
[0025]
Next, the friction material compositions A, B, and C obtained in Examples 1 to 3 and the friction material compositions D, E, F, G, and H obtained in Comparative Examples 1 to 5 were respectively preformed. Then, the back metal of the disc brake pad and the preformed body were inserted into the mold, and then heated and pressed under conditions of 152.5 ± 2.5 ° C. and a pressure of 49 MPa for 5 minutes. Further, heat treatment is performed at 200 ° C. for 5 hours, and after cooling, the surface is subjected to a surface scorch treatment at 470 ± 10 ° C. for 5 minutes, and the length of the disc brake pads A, B, C, 127 mm from end to end is 127 mm. D, E, F, G, and H were obtained.
[0026]
Next, comparative tests were performed on the disc brake pads A, B, and C of the present invention and the disc brake pads D, E, F, G, and H of the comparative example. The test results are shown in Table 2. The test conditions are as follows.
[0027]
(1) Evaluation of fade performance
Confirmed the lowest coefficient of friction during the first time fade test was da Inamo tester (mu) and the lowest coefficient of friction in one braking (mu).
(2) Evaluation of wear amount The wear amount was determined from the difference in disc brake pad thickness before and after the test by a passenger car brake device dynamometer test method according to JASO C406-87.
[0028]
(3) Evaluation of squeal Vehicle weight: 1600 kg, brake type: collet type (cylinder area: 28 cm 2 ), 2000 cc automatic vehicle, running in a city area of 1000 km, and obtained by the following equation.
[Expression 1]
Squeaking rate (%) = Number of squeaking occurrences (times) / Number of brakings (times) x 100
[0029]
[Table 1]
[0030]
[Table 2]
[0031]
As shown in Table 2, the disc brake pads of Examples 1 to 3 according to the present invention have the same amount of wear and squeak as the disc brake pads of Comparative Example 1 (conventional product) that retains hydrogen ions. That is, it is apparent that the value almost the same as that of the conventional product is maintained, and the minimum friction coefficient (μ) at the time of fading and the minimum friction coefficient (μ) during one braking at the time of fading are improved. On the other hand, in the disc brake pad of Comparative Example 1 in which no metal was adhered, the minimum friction coefficient (μ) during fading and the minimum friction coefficient (μ) during one braking during fading decreased. Further, the disc brake pad of Comparative Example 2 retaining sodium ions and the disc brake pads of Comparative Examples 3 to 5 retaining sodium ions and having metals (copper, palladium and platinum) adhered thereto are the lowest at the time of fading. The friction coefficient and the minimum friction coefficient during one braking at the time of fade decreased and the wear amount was large.
[0032]
【The invention's effect】
The friction material composition according to claims 1 to 3 can provide a friction material capable of maintaining wear performance and improving fade performance.
The friction material according to claim 4 is industrially suitable because it can maintain the wear performance and improve the fade performance.
Claims (4)
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