JP4018962B2 - 帯状体の表面疵検査方法およびその装置 - Google Patents

帯状体の表面疵検査方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属、プラスチックその他材料からなる帯状体を移動しながら表面疵を光学的に検査する帯状体の表面疵検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板などの帯状体について、表面の疵、汚れ、色調などの表面疵を光学的に検査する表面疵検査が広く行なわれている。この表面疵検査では、帯状体をこれの長手方向に送りながら帯状体面をビデオカメラで撮像する。撮像画像に基づいて異常部を検出し、その位置、形状、輝度などの特徴量から疵の種類および有害度の判定処理を行う。
【0003】
このとき、検出された異常部は必ずしも有害ではなく、無害なものであることも多い。例えば、帯状鋼板の製造ラインでは、製造条件の違いによって油、水滴、軽い汚れなどが鋼板表面に残存する場合が多くある。これら油などは、最終製品の品質に影響がない限り無害扱いされる。このため、表面疵検査では無害な油、水滴、軽い汚れなど(以下、疑似疵という)と最終製品の品質に影響を与えるへゲ疵などの有害疵とを正しく識別することが求められる。しかし、疑似疵であっても製造条件に応じて様々な形態を持つため、撮像画像では形状や輝度などが有害疵のものと非常に似通ったものとなる。したがって、各フレーム単位や異常部単位で疵の判定を行う場合、疑似疵が有害と誤判定されること(以下、過検出という)がしばしば発生し、表面疵検査の信頼性を低下させる要因となっていた。
【0004】
形状や輝度などが似通った疵どうしの識別精度を上げる技術として、限定された領域での疵情報と、広い領域(以下、マクロ領域という)から得られる疵分布形態情報とを総合して識別する方法(例えば、特許文献1参照)が考えられる。しかし、へゲ疵、スリバー疵などのような鋼板表面の典型的な有害疵に比べ、過検出要因となる疑似疵は、操業条件に応じて形状、輝度、発生頻度などが多様に変化する。このために、従来のように判定基準を一律に定めた判定方法では、精度の高い判定を行うことは難しかった。
【0005】
また、疑似疵と有害疵が同じマクロ領域に発生することも多いが、それぞれの個数や個数比は様々であるため、例えば上記特許文献1の実施例のように、マクロ領域内での個数・個数比情報から判定をやり直す方法では判定精度を上げることが難しかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−110758号公報(第1ページ、下左欄、特許請求の範囲請求、および第4ページ、下右欄〜第5ページ、下右欄)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、疑似疵と有害疵とを高精度で判定することができる帯状体の表面疵検査方法およびその装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の帯状体の表面疵検査方法は、移動する帯状体の表面を撮像し、撮像画像を画像処理して表面疵を検査する帯状体の表面疵検査方法において、撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出し、各異常部について特徴量を求める処理と、前記各異常部について、その特徴量に基づいて疵種および有害/無害の1次判定を行なう処理と、帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を所定のバッファリング最大処理長さ以下でバッファリングして前記異常部をグループ化する処理と、前記グループ化で得た異常部のグループごとに、特徴量に基づいて前記1次判定で得られた各異常部の有害/無害を2次判定する処理と、で構成され、前記2次判定する処理は、前記異常部のグループごとに前記1次判定で有害と判定された異常部の個数と、無害と判定された異常部の個数とに基づいて該グループについての1次判定を維持するかどうかを判定し、1次判定を維持しないときには、1次判定で無害と判定された異常部の特徴量分布の代表値と1次判定で有害と判定された各異常部との間のノルム値により、有害と判定された異常部について有害/無害を判定する。
【0010】
この発明の他の帯状体の表面疵検査方法は、移動する帯状体の表面を撮像し、撮像した画像信号に基づいて表面疵を検査する帯状体の表面疵検査方法において、
(a) 撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出すること
(b) 抽出した各異常部について異常部の特徴量を求めること
(c) 各異常部について、特徴量に基づき異常部の疵種および有害/無害の1次判定すること
(d) 帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を、所定の帯状体最大処理長さ以下でバッファリングしてグループ化すること
(e) 前記異常部のグループごとに、有害と1次判定された異常部の個数の、異常部すべての個数に対する個数比Pを求めること
(f) 前記異常部のグループごとに、個数比Pが閾値Po超えるかどうかを判断すること
(g1) 個数比Pが閾値Poを超えるグループの場合、有害/無害の1次判定結果をそのまま維持すると2次判定すること
(g2) 個数比Pが閾値Po以下であるグループの場合、無害と1次判定された異常部の特徴量分布の代表値と有害と1次判定された各異常部の特徴量との間のノルム値Nを求めること
(h) ノルム値Nが閾値Noを超えるかどうかを判断すること
(i1) ノルム値Nが閾値Noを超える場合、1次判定で有害とされた異常部をそのまま有害と2次判定すること
(i2) ノルム値Nが閾値No以下である場合、1次判定で有害とされた異常部を無害と2次判定すること
からなっている。
【0011】
この発明の帯状体の表面疵検査装置は、移動する帯状体の表面を撮像する撮像装置と、撮像画像を処理して疵種および有害/無害を判定する画像処理装置とを備えた帯状体の表面疵検査装置において、撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出する異常部抽出手段と、抽出した各異常部について異常部の特徴量を求める特徴量計測手段と前記各異常部について、その特徴量に基づいて疵種および有害/無害を判定する1次判定手段と、帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を所定のバッファリング最大処理長さ以下でバッファリングして前記異常部をグループ化するバッファリング手段と、前記グループ化で得た異常部のグループごとに、特徴量に基づいて前記1次判定で得られた各異常部の有害/無害を2次判定手段と、で構成され、前記2次判定手段は、前記異常部のグループごとに前記1次判定で有害と判定された異常部の個数と、無害と判定された異常部の個数とに基づいて該グループについての1次判定を維持するかどうかを判定する手段と、該判定する手段で1次判定を維持しないと判定したときには、1次判定で無害と判定された異常部の特徴量分布の代表値と1次判定で有害と判定された各異常部との間のノルム値により、有害と判定された異常部について有害/無害を判定する手段と、を含むことを特徴とする
【0013】
この発明の他の表面疵検査装置は、移動する帯状体の表面を撮像する撮像装置と、撮像画像を処理して疵種および有害/無害を判定する画像処理装置とを備えた帯状体の表面疵検査装置において、
撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出する異常部抽出手段と、
抽出した各異常部について異常部の特徴量を求める特徴量計測手段と、
各異常部について、特徴量に基づき異常部の疵種および有害/無害を判定する1次判定手段と、
帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を所定のバッファリング最大処理長さ以下でバッファリングしてグループ化するバッファリング手段と、
前記異常部のグループごとに、有害と1次判定された異常部の個数の、異常部すべての個数に対する個数比Pを求める個数比計測手段と
前記異常部のグループごとに、個数比Pが閾値Po超えるかどうかを判断する個数比判断手段と、
個数比Pが閾値Poを超えるグループの場合、有害/無害の1次判定結果をそのまま維持すると判定する2次判定手段と、
個数比Pが閾値Po以下であるグループの場合、無害と1次判定された異常部の特徴量分布の代表値と有害と1次判定された各異常部の特徴量との間のノルム値Nを求めることノルム値計測手段と、
ノルム値Nが閾値Noを超えるかどうかを判断するノルム値判断手段と、
ノルム値Nが閾値Noを超える場合、1次判定で有害とされた異常部を有害と2次判定する第1判定手段と、
ノルム値Nが閾値No以下である場合、1次判定で有害とされた異常部を無害と2次判定する第2判定手段と
からなっている。
【0014】
【発明の実施の形態】
帯状体、例えば鋼板の製造プロセスでは、疑似疵は様々な形状、輝度などを持つが、互いに近い領域内の疑似疵は、油、水滴、軽い汚れなどの発生要因が共通で操業条件も近いため、撮像画像でも似たような形状、輝度を持つことが多い。また、疑似疵は、ロールについた油や水が鋼板上に転写されて生じる場合などを典型的な例として、一般に帯状体の移動方向に連続して発生することが多い。疑似疵が連続的に発生している場合、その特徴量の類似度は高いものとなる。
【0015】
そこで、この発明では、上述のように帯状体の移動方向へ連続性を持つ異常部の情報をバッファリングして、グループとして扱う。そして、個々の異常部単位で1次判定したのちに、グループ内に存在する各異常部の情報から、再度、判定をやり直す2次判定を行なう。2次判定には、1次判定で有害な疵、あるいは無害と判定された異常部の個数と共に、有害な疵と判定された異常部の位置、形状、輝度などの情報と、無害と1次判定された異常部の位置、形状、輝度などの情報とが利用される。2次判定を行なうことにより、従来の画像フレーム単位、異常部単位では有害疵と判定されるような特徴量を有する疑似疵でも、グループ内の無害と1次判定された他の異常部と類似度が高ければ、同種の無害であるとみなすことができ、過検出の頻度を抑制できる。逆に、類似度が低ければ、1次判定の結果通り有害疵とみなすことによって、真の有害疵を無害と誤って判定し直し、結果として有害疵を見逃してしまうことを防ぐことができる。
【0016】
図1〜図3を参照して、この発明の1実施の形態について説明する。図1は表面疵検査装置の概略図であり、図2は上記装置の主要部のブロック図である。図3は画像処理のフローチャートである。以下、帯状体が帯状鋼板である場合について説明する。
【0017】
通板方向に移動する鋼板1の表面をビデオカメラ10で撮像する。ビデオカメラ10からの画像信号は、画像処理装置20のコンピュータ22にデータバス34およびデータ入出力制御装置26を介して主記憶装置28に転送される。主記憶装置28は画像処理プログラムを実行し、送られてきた撮像画像について、1次判定、バッファリング、2次判定などの処理を行なう。画像処理プログラムは、ハードデスクなどの補助記憶装置30に保存されている。画像処理に必要な閾値などの設定項目は、キーボード40から入力され、補助記憶装置30に保存されている。画像処理された撮像画像のデータは補助記憶装置30に保存され、またグラフィックスボード32を通して表示装置42に出力される。表示装置42は、鋼板面の画像とともに、疵種、有害/無害などの判定結果を表示する。
【0018】
上記画像処理について、図3のフローチャートに従って説明する。
ステップS11
撮像画像は濃度補正、平滑化などの前処理を行なったのち、撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出する。撮像画像についてエッジ抽出、画像強調などの処理を行なって異常部を抽出する。
【0019】
ステップS12
抽出した各異常部について、異常部の位置、形状、輝度などを撮像画像上で計測して特徴量を求める。形状の特徴量は、異常部に外接する長方形の幅、長さ、長さと幅の比、異常部の面積、異常部の周囲長などがあり、疵種、異常部の形状などによって適宜選択される。なお、異常部の鋼板長手方向位置は、図1に示す搬送ローラ15に設けられたパルスジェネレータ16からのパルス信号から求め、幅方向位置は撮像画像上で求める。
【0020】
ステップS13
各異常部について、特徴量を判定基準と比較して異常部の疵種および有害/無害を1次判定する。判定基準は、疵種および有害/無害について実操業で得られたデータを基にして作成され、コンピュータ22の補助記憶装置30に表形式で格納されている。
【0021】
ステップS14
1次判定した各異常部について、通板方向に連続する異常部の情報をバッファリングしてグループ化する。バッファリングする異常部の情報として、前記異常部の特徴量(位置、形状、輝度など)の外に1次判定結果、画像などがある。異常部の特徴量および1次判定結果は必須であるが、その他は検査条件によって適宜選択される。
【0022】
バッファリングは、板幅方向で異なる位置の異常部はそれぞれ別々にバッファリングして別のグループとして処理する。バッファリングの長さは、あらかじめ設定したバッファリング最大処理長さB以下とする。バッファリング最大処理長さBは、撮像点Sから表示装置42までの距離Aと、バッファリング終了から画像処理により2次判定結果が得られるまでの時間に帯状体が移動する距離との差である。バッファリング最大処理長さBを超えると、バッファリングしたグループが表示装置42に到達したときに2次判定結果を検査員Mに示すことができない。バッファリングした連続する異常部の長さがバッファリング最大処理長さBより小さい場合、その連続する異常部の長さでバッファリングする。撮像部の撮像点Sからの移動距離は、上記パルスジェネレータ16からのパルス信号により計測する。パルス信号はデータバス34およびデータ入出力制御装置26を介して主記憶装置28に転送され、CPU24で移動距離が演算される。
【0023】
異常部が、通板方向に平行な直線からずれることがある。このような場合、板幅方向に基準点からのずれの許容範囲を設け、許容範囲内の異常部はそのグループに含めるようにするとよい。図4は、バッファリングされる各グループの先頭の異常部を基準点として、許容範囲αを設定し、後続の異常部をグルーピングしていく方法を示している。図5は、鋼板エッジ部に生じた異常部のグルーピングの例を模式的に示している。図中、小さな長方形は、鋼板上で検出された異常部の位置を示している。グループ1は、連続する異常部がバッファリング最大処理長さBに達する前に途切れたために、バッファリングを中断して次の2次判定に移った場合を示す。一方、グループ2、グループ3は異常部の長さがバッファリング最大処理長さBより長いため、バッファリング最大処理長さBに達した時点で、バッファリングを中断して、次の2次判定に移った場合を示す。
【0024】
ステップS15
バッファリングしたグループごとに1次判定で有害と判定された異常部および無害と判定された異常部の特徴量に基づいて有害/無害を2次判定する。例えば、1次判定で有害と判定された異常部の個数、および無害と判定された異常部の個数に基づいて有害/無害を2次判定し、ついで1次判定で有害と判定された異常部および無害と判定された異常部の特徴量により有害/無害を2次判定するようにしてもよい。
【0025】
つぎに、画像処理の他の形態について、図6に示すフローチャートに従って説明する。
ステップS21〜24
図3のステップS11〜14と同じであるので、その説明は省略する。
【0026】
ステップS25
バッファリングしたグループごとに、有害と1次判定された異常部の個数nの、有害・無害を含めた異常部すべての個数noに対する個数比P(=n/no)を求める。
【0027】
ステップS26
グループごとに、個数比Pが閾値Po超えるかどうかを判断する。
【0028】
ステップS27Y
個数比Pが閾値Poを超えるグループの場合、有害/無害の1次判定結果をそのまま維持すると2次判定する。
【0029】
ステップS27N
個数比Pが閾値Po以下であるグループの場合、無害と1次判定された異常部の特徴量分布の代表値と有害と1次判定された各異常部の特徴量との間のノルム値Nを求める。ノルム値は、特徴量空間で上記代表値と有害と1次判定された異常部の特徴量との間の距離を表わす。特徴量分布の代表値として平均値、中央値などが用いられる。ノルム値として、ユークリッド距離、標準ユークリッド距離またはマハラノビス距離が用いられる。これら代表値およびノルム値については、操業実績により判定精度の高いものを採用する。
【0030】
ステップS28
ノルム値Nが閾値Noを超えるか、どうかを判断する。
【0031】
ステップS29N
ノルム値Nが閾値Noを超える場合、1次判定で有害とされた異常部を無害に修正すると2次判定する。
【0032】
ステップS29Y
ノルム値Nが閾値No以下である場合、1次判定で有害とされた異常部を無害と2次判定する。
【0033】
この発明は、上記実施の形態に限られるものではない。帯状体は鋼板に限らずアルミニウム板、プラスチック板、紙などであってもよい。鉄鋼のスラブ、厚板なども、異常部近傍の領域(長手方向、幅方向に限らず、ある幅を持つ領域)の情報を用いることで、この発明を利用することができる。2次判定に用いる特徴量は輝度に限らず位置、形状などであってもよく、また特徴量の数は3以上であってもよい。
【0034】
【実施例】
帯状鋼板について、製造ライン上で本発明法および従来法によりそれぞれ表面疵検査を行なった。鋼板の幅は1200mmであり、試験長さは600mであった。鋼板の平均移動速度は、200m/minであった。表面疵検出装置の設置箇所で鋼板上に水滴が残っており、撮像画像では水滴の形状・輝度が有害のヘゲ疵と似ていた。
【0035】
ヘゲ疵および水滴と1次判定された2種類の異常部について、個数比Pによる2次判定を行なった。更に、個数比Pによる2次判定で無害と判定された異常部について、輝度特徴量A、輝度特徴量Bの2つの特徴量により2次判定を行なった。
【0036】
図7は、ヘゲ疵および水滴と1次判定された2種類の異常部を含むグループの2つの特徴量A、Bを示している。ここで、個数比Pの閾値は0.3であり、ノルム値Nの閾値も0.3である。図7(a)ではヘゲ疵の個数比Pが3/5であり、閾値を超えるため、1次判定で有害と判定されたヘゲ疵はそのまま有害と2次判定した。図7(b)では、ヘゲ疵の個数比Pは3/23と閾値以下である。また、ヘゲ疵のノルム値Nは、それぞれ0.10、0.14、0.20であり、閾値0.3以下であるので、水滴との類似度が高い。したがって、1次判定で有害とされたが、ヘゲ疵は水切り不良による水滴と判断され、無害に修正された。図7(c)では、ヘゲ疵の個数比Pは1/26と閾値以下である。しかし、ヘゲ疵のノルム値Nは0.40であり、閾値0.3を超えるので、水滴との類似度が低い。したがって、1次判定で有害とされたヘゲ疵はそのまま有害と2次判定された。
【0037】
この発明による帯状鋼板1km当り過検出の発生回数は0.1回であったが、従来法では1.5回であった。過検出頻度が1/15と大幅に低減し、表面疵検査の信頼性が向上した。
【0038】
【発明の効果】
この発明では、有害疵に似た無害の汚れ、油、水滴などが連続して発生しても、これらを有害疵とする誤判定が大幅に減少し、過検出の発生を抑制することができる。この結果、鋼板などの帯状体の生産性向上およびコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の表面疵検査を実施する表面疵検査装置の概略図でる。
【図2】表面疵検査装置の主要部を構成する画像処理装置のブロック図である。
【図3】この発明における画像処理の1形態を示すフローチャートである。
【図4】異常部のグルーピングにおいて、異常部が板幅方向にずれる場合の許容範囲の設定を説明する模式図である。
【図5】鋼板エッジ部に生じた異常部のグルーピング例を示す模式図である。
【図6】この発明における画像処理の他の形態を示すフローチャートである。
【図7】個数比およびノルム値により2次判定を行なう例を示す図であり、ヘゲ疵および水滴の特徴量分布図である。
【符号の説明】
1 鋼板(帯状体) 10 ビデオカメラ
16 パルスジェネレータ 20 画像処理装置
22 コンピュータ
S 撮像点 A 撮像点から検査員までの距離
B バッファリング最大処理長さ

Claims (4)

  1. 移動する帯状体の表面を撮像し、撮像画像を画像処理して表面疵を検査する帯状体の表面疵検査方法において、撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出し、各異常部について特徴量を求める処理と、前記各異常部について、その特徴量に基づいて疵種および有害/無害の1次判定を行なう処理と、帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を所定のバッファリング最大処理長さ以下でバッファリングして前記異常部をグループ化する処理と、前記グループ化で得た異常部のグループごとに、特徴量に基づいて前記1次判定で得られた各異常部の有害/無害を2次判定する処理と、で構成され、
    前記2次判定する処理は、前記異常部のグループごとに前記1次判定で有害と判定された異常部の個数と、無害と判定された異常部の個数とに基づいて該グループについての1次判定を維持するかどうかを判定し、1次判定を維持しないときには、1次判定で無害と判定された異常部の特徴量分布の代表値と1次判定で有害と判定された各異常部との間のノルム値により、有害と判定された異常部について有害/無害を判定することを特徴とする帯状体の表面疵検査方法。
  2. 移動する帯状体の表面を撮像し、撮像した画像信号に基づいて表面疵を検査する帯状体の表面疵検査方法において、
    (a) 撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出すること
    (b) 抽出した各異常部について異常部の特徴量を求めること
    (c) 各異常部について、特徴量に基づき異常部の疵種および有害/無害の1次判定すること
    (d) 帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を、所定の帯状体最大処理長さ以下でバッファリングしてグループ化すること
    (e) 前記異常部のグループごとに、有害と1次判定された異常部の個数の、異常部すべての個数に対する個数比Pを求めること
    (f) 前記異常部のグループごとに、個数比Pが閾値Po超えるかどうかを判断すること
    (g1) 個数比Pが閾値Poを超えるグループの場合、有害/無害の1次判定結果をそのまま維持すると2次判定すること
    (g2) 個数比Pが閾値Po以下であるグループの場合、無害と1次判定された異常部の特徴量分布の代表値と有害と1次判定された各異常部の特徴量との間のノルム値Nを求めること
    (h) ノルム値Nが閾値Noを超えるかどうかを判断すること
    (i1) ノルム値Nが閾値Noを超える場合、1次判定で有害とされた異常部をそのまま有害と2次判定すること
    (i2) ノルム値Nが閾値No以下である場合、1次判定で有害とされた異常部を無害と2次判定すること
    からなることを特徴とする帯状体の表面疵検査方法。
  3. 移動する帯状体の表面を撮像する撮像装置と、撮像画像を処理して疵種および有害/無害を判定する画像処理装置とを備えた帯状体の表面疵検査装置において、撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出する異常部抽出手段と、抽出した各異常部について異常部の特徴量を求める特徴量計測手段と前記各異常部について、その特徴量に基づいて疵種および有害/無害を判定する1次判定手段と、帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を所定のバッファリング最大処理長さ以下でバッファリングして前記異常部をグループ化するバッファリング手段と、前記グループ化で得た異常部のグループごとに、特徴量に基づいて前記1次判定で得られた各異常部の有害/無害を2次判定手段と、で構成され、前記2次判定手段は、前記異常部のグループごとに前記1次判定で有害と判定された異常部の個数と、無害と判定された異常部の個数とに基づいて該グループについての1次判定を維持するかどうかを判定する手段と、該判定する手段で1次判定を維持しないと判定したときには、1次判定で無害と判定された異常部の特徴量分布の代表値と1次判定で有害と判定された各異常部との間のノルム値により、有害と判定された異常部について有害/無害を判定する手段と、を含むことを特徴とする帯状体の表面疵検査装置。
  4. 移動する帯状体の表面を撮像する撮像装置と、撮像画像を処理して疵種および有害/無害を判定する画像処理装置とを備えた帯状体の表面疵検査装置において、撮像画像からフレーム単位で異常部を抽出する異常部抽出手段と、抽出した各異常部について異常部の特徴量を求める特徴量計測手段と、各異常部について、特徴量に基づき異常部の疵種および有害/無害を判定する1次判定手段と、帯状体の移動方向に連続して発生する異常部の情報を所定のバッファリング最大処理長さ以下でバッファリングしてグループ化するバッファリング手段と、前記異常部のグループごとに、有害と1次判定された異常部の個数の、異常部すべての個数に対する比Pを求める個数比計測手段と前記異常部のグループごとに、個数比Pが閾値Po超えるかどうかを判断する個数比判断手段と、個数比Pが閾値Poを超えるグループの場合、有害/無害の1次判定結果をそのまま維持する判定する2次判定手段と、個数比Pが閾値Po以下であるグループの場合、無害と1次判定された異常部の特徴量分布の代表値と有害と1次判定された各異常部の特徴量との間のノルム値Nを求めるノルム値計測手段と、ノルム値Nが閾値Noを超えるかどうかを判断するノルム値判断手段と、ノルム値Nが閾値Noを超える場合、1次判定で有害とされた異常部を有害と2次判定する第1判定手段と、ノルム値Nが閾値No以下である場合、1次判定で有害とされた異常部を無害と2次判定する第2判定手段とからなることを特徴とする帯状体の表面疵検査装置。
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