JP4018959B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置及び試料の処理方法、特に半導体製造工程における微細なパターンを形成するのに好適なプラズマ処理装置及び試料の処理方法に係る。特に、処理室内のプラズマ発光やウエハなどの試料表面の薄膜の状態を計測する装置及び試料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、エッチング、成膜、アッシングなどの微細加工プロセスで、プラズマ処理装置が広く用いられている。プラズマ処理装置は、真空処理室(リアクタ)の内部に導入されたプロセスガスをプラズマ発生手段によりプラズマ化し、半導体ウエハ表面で反応させて微細な孔や溝などの加工あるいは成膜などの処理を行うとともに、揮発性の反応生成物を排気することにより所定の処理を行うものである。
【0003】
このプラズマ処理装置においては、処理中のプラズマからの発光を検出してエッチング処理の終点を検出したり、プラズマ発光のウエハ表面の薄膜における反射光や干渉信号などから膜厚やエッチング・成膜の速度(レート)をリアルタイムで測定してプラズマ処理の精度を向上させることが行われている。たとえば、特開平5−136098号公報には、平行平板型プラズマエッチング装置において、ウエハと対向する電極面に2つ以上のプラズマ受光センサーをもうけることで、ウエハ上の複数点のプラズマ発光強度からレートや膜厚の均一性や分布に関する情報を得てプラズマ密度を均一化させる方法が記載されている。
【0004】
また、特開平3−148118号公報には、平行平板型プラズマエッチング装置において、レーザ光を上部平板電極を貫いて上方からウエハに照射して反射レーザ光からエッチング量を測定して終点を検出する装置について、上部電極の汚れを防止するための石英製の電極カバーのレーザ光が通過する部分にφ10 mm程度の穴を形成することで、電極カバーが汚れてもレーザ光が減衰することなく正確にエッチング量を測定して、安定に終点検出を行う方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の方法では、次のような課題があった。
まず、ウエハ表面の薄膜などの状態のモニタリングは、ウエハに対向する上方、あるいは45度程度までの斜め上方から計測するのが望ましいが、こうした方法で計測が可能なプラズマ処理装置は方式や構造が限定されてしまう。たとえば、マイクロ波ECR方式や誘導結合方式のプラズマ処理装置などでは、処理室内にマイクロ波を放射したり誘導電界を導入するために石英製の透明な窓や板をウエハの上方に設けることがあり、この場合にはウエハ表面の状態を上方から計測することができる。しかしながら、容量結合式のいわゆる平行平板型のプラズマ処理装置では、ウエハに対向する上部電極はアルミなどの導電性の金属であるため、ウエハ表面を直接透視できるような構造にはなっていない。このため、ウエハ表面を計測するには、特開平5−136098公報に記されたようにウエハと対向する電極面にプラズマ受光センサーをもうけることになる。しかしながら、実際には放電を重ねるにつれてプラズマ受光センサーには反応生成物が堆積していくので、長時間にわたって安定した計測を行うことは困難である。
【0006】
この課題を解決しようとしたのが、特開平3−148118号公報に記された方法であり、プラズマに直接さらされる石英製の電極カバーのレーザ光が通過する計測部分にφ10 mm程度の穴を形成することで、石英カバー表面に堆積膜が付着しても計測には影響を及ぼさないとしたものである。しかしながら、実際にはこの方法もまた、安定した計測は困難である。プラズマ処理に必要な所定のプラズマ密度を得るためには上部電極には数kWもの大電力の高周波電力が印加されるので、上記公報に記されているようなφ10 mm程度の穴を電極や電極カバーに形成すると、穴の部分で局部的な異常放電を引き起こしたり、穴の内部にプラズマが侵入したりして、上部電極や電極カバーが損傷を受けることになる。また、上部電極にはバイアスが印加されるので、電極カバーの穴をとおして上部電極がプラズマ中のイオンでスパッタされることになるが、上部電極はアルミなどの金属で形成されているために損傷したり異物発生の要因になったりするといった問題もある。
【0007】
もちろん、ウエハに対向する上方からでなく、処理室の側壁から浅い角度をもたせてウエハ表面を計測することも原理的には可能ではある。しかしながら、特に酸化膜エッチング装置では、プロセスガスの過剰な解離を抑制したりプロセス再現性を向上させるために、試料と対向しておよそ数10 mm程度の距離を隔てた位置にシリコンなどの平板を対向させて設置する対向平板型の構造をとることが多い。この場合、ウエハに対する計測の角度は現実的には10度程度とならざるをえず、計測精度を十分にとることは困難である。このため、対向平板型のプラズマ処理装置においても、ウエハに対向する上方からウエハ表面の状態を計測できる方法が望まれていた。
【0008】
また、先に、マイクロ波ECR方式や誘導結合方式のプラズマ処理装置などで、ウエハ上方の石英製の透明窓からウエハ表面の計測が可能であると述べたが、実際には放電を重ねるごとに石英製の窓の表面に反応生成物が付着して透過率が低下したり、逆に表面がエッチングされてあれたりするために、やはり長期にわたる安定した計測は難しいという問題があり、実用的ではなかった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、真空処理室の外部から、試料面やプラズマの状態あるいは真空処理室の壁面の状態を精度よく、かつ異常放電や異物を発生させることなく、長期的に安定して計測できるようなプラズマ処理装置及び試料の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、その内側が排気される処理室と、この処理室の下方に配置され処理対象のウエハが載置される試料台と、前記処理室の上方に配置され前記処理室内に処理ガスが流出する複数の流出孔を有して前記処理室の上方に前記ウエハと対向して前記ウエハの中心部から外周部まで覆って配置されこの処理室内に形成されるプラズマに接するプレートと、前記処理室上方の前記プレートの上方に配置されそのプラズマに面する側に前記プレートが配置された円板状の部材とを有し、前記プレートに前記円板状の部材を介して前記処理室内に電界を形成するための電力が供給されて前記プラズマが形成されるプラズマ処理装置であって、前記円板状の部材を冷却する手段と、この円板状の部材に取り付けられ前記プレートに配置された貫通孔を通過した前記処理室内からの光が透過する光伝送体を有する受光手段とを備え、前記光伝送体が前記プレートの上方でこのプレートに対して取り外し可能に保持され、前記光伝送体の端面が前記プレート及び前記貫通孔の背面に接するか又は微小な隙間を介して対向して配置されたプラズマ処理装置にある。
【0011】
本発明の他の特徴は、前記処理室上方に配置された部材が前記ウエハに平行して対向するように配置された平板状の部材であるプラズマ処理装置にある。
【0012】
本発明のさらに他の特徴は、真空容器と、この真空容器内側の下方に配置され処理対象のウエハが載置される試料台と、前記真空容器内側の上方に前記ウエハと対向して前記ウエハの中心部から外周部まで覆って配置され前記真空容器内に電界を形成するための電力が供給されるプレートと、このプレートに配置され前記真空容器内に処理ガスが流出する複数の流出孔とを有し、前記プレートと前記ウエハとの間にプラズマが形成されるプラズマ処理装置であって、前記真空容器の上部に配置されその前記プラズマに接する側に前記プレートが設置される円板状の部材と、この円板状の部材を冷却する手段と、前記プレートを貫通する貫通孔を通過した前記真空容器内の光が透過する光伝送体を有して前記円板状の部材に取り付けられた受光手段とを備え、前記光伝送体が前記プレートの上方でこのプレートに対して取り外し可能に保持され、前記光伝送体の端面が前記プレート及び前記貫通孔の背面に接するか又は微小な隙間を介して対向して配置されたプラズマ処理装置にある。
【0013】
本発明のさらに他の特徴は、前記真空容器の上部に配置される部材が前記ウエハに平行に対向して配置された平板状の部材であるプラズマ処理装置にある。
【0014】
本発明の他の特徴は、前記真空容器の上部に配置される部材がこの真空容器に保持された部材であるプラズマ処理装置にある。
【0015】
本発明の他の特徴は、前記受光手段が前記部材にシールされて取り付けられたプラズマ処理装置にある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を、有磁場UHF帯電磁波放射放電方式のプラズマエッチング装置へ適用した実施例を示すもので、当該プラズマエッチング装置の断面模式図である。
【0019】
図1において、処理室100は、10ー6 Torr程度の真空度を達成可能な真空容器であり、その上部にプラズマ発生手段としての電磁波を放射するアンテナ110を、その下部にはウエハなどの試料Wを載置する下部電極130を、それぞれ備えている。アンテナ110と下部電極130は、平行して対向する形で設置される。処理室100の周囲には、たとえば電磁コイルとヨークからなる磁場形成手段101が設置されており、所定の分布と強度をもつ磁場が形成される。そして、アンテナ110から放射される電磁波と磁場形成手段101で形成される磁場との相互作用により、処理室内部に導入された処理ガスをプラズマ化して、プラズマPを発生させ、下部電極130上の試料Wを処理する。
【0020】
処理室100は、真空室103に接続された真空排気系104と圧力制御手段105により真空排気と圧力調整がなされて、内部の圧力がたとえば0.5 Pa以上4 Pa以下程度の所定の値に制御できる。処理室100および真空室103は、アース電位となっている。処理室100の側壁102は、図示しない温度制御手段により、たとえば50 ℃程度に温調されている。
【0021】
電磁波を放射するアンテナ110は、円板状導電体111、誘電体112、誘電体リング113からなり、真空容器の一部としてのハウジング114に保持される。また、円板状導電体111のプラズマに接する側の面には、構造体即ちプレート115が設置される。試料のエッチング、成膜等の処理を行なう処理ガスは、ガス供給手段116から所定の流量と混合比をもって供給され、円板状導電体111の内部で均一化されて、プレート115に設けられた多数の孔を通して処理室100に供給される。円板状導電体111は図示しない温度制御手段により、たとえば30℃に温調されている。アンテナ110には、アンテナ電源121、アンテナバイアス電源123およびマッチング回路・フィルタ系122、124、125からなるアンテナ電源系120が導入端子126を介して接続される。アンテナ電源121は、望ましくは300 MHzから900 MHzのUHF帯周波数の電力を供給して、アンテナ110からUHF帯の電磁波を放射する。
【0022】
アンテナバイアス電源123は、円板状導電体111を介してプレート115に、たとえば100 kHz程度あるいは数MHzから10 MHz程度の周波数のバイアスを印加して、プレート115の表面での反応を制御する。特にCF系のガスを用いた酸化膜エッチングにおいては、プレート115の材質を高純度のシリコンやカーボンなどとすることで、プレート115の表面でのFラジカルやCFxラジカルの反応を制御して、ラジカルの組成比を調整することが可能である。本実施例では、プレート115には高純度のシリコンを用いている。また円板状導電体111およびハウジングにはアルミ、誘電体112および誘電体リング113には石英を用いている。プレート115の下面とウエハWの距離(以下、ギャップと呼ぶ)は、30 mm以上150 mm以下、望ましくは50 mm以上120 mm以下とする。本実施例では、アンテナ電源121は、450 MHz、アンテナバイアス電源122は13.56 MHzの周波数として、ギャップは70 mmに設定している。
【0023】
処理室100の下部には、アンテナ110に対向して下部電極130が設けられている。下部電極130は、静電吸着装置131により、その上面すなわち試料載置面にウエハなどの試料Wを載置保持する。試料Wの外周部には、たとえば高純度のシリコンで形成された試料台リング132が絶縁体133の上に設置されている。下部電極130には、望ましくは400 kHzから13.56 MHzの範囲のバイアス電力を供給するバイアス電源134が、マッチング回路・フィルタ系135を介して接続されて、試料Wに印加するバイアスを制御する。本実施例では、バイアス電源134は周波数を800 kHzとしている。
【0024】
次に、本実施例の要部である、試料Wの表面の状態を計測するために設置された計測ポート140A、140Bについて説明する。本実施例では、計測ポート140A、140Bは試料Wに対向したアンテナ110に取り付けられており、後述するように、プレート115に形成された多数の貫通孔を通して、試料Wの表面の薄膜などの状態を垂直上方から計測できる。そして、計測ポート140Bを試料Wの外周部を計測する位置、計測ポート140Aを試料Wの外周と中心の中間位置に設置することで、試料Wの表面の面内分布に関する情報を得るようにしている。もちろん、計測ポートの取り付けはここで説明したように外周部と中間部の2カ所に限られるものではなく、1カ所のみあるいは3カ所以上としてもよく、あるいはたとえば円周上に配列するなど別の配置にしてもよいことはいうまでもない。
【0025】
計測ポート140A、140Bには、たとえば光ファイバやレンズなどの光学伝送手段151A、151Bが設けられており、プラズマPからの直接光やあるいはプラズマPのウエハW表面での反射光あるいは干渉光などのウエハWの表面状態を反映する光学情報が、たとえばカメラや干渉薄膜計あるいは画像処理装置などからなる計測器152に伝送されて計測される。計測器152は、計測器制御・演算手段153により制御されるとともに、さらに上位のシステム制御手段154と接続される。システム制御手段154は、制御インタフェース155を介して、装置システムの状態をモニタや制御を行う。
【0026】
本実施例によるプラズマエッチング装置は以上のように構成されており、このプラズマエッチング装置を用いて、たとえばシリコン酸化膜のエッチングを行う場合の具体的なプロセスは次の通りである。
【0027】
まず、処理の対象物であるウエハWは、図示していない試料搬入機構から処理室100に搬入された後、下部電極130の上に載置・吸着され、必要に応じて下部電極の高さが調整されて所定のギャップに設定される。ついで、処理室100内は真空排気系106により真空排気され、一方、試料Wのエッチング処理に必要なガス、たとえばC4F8とArとO2が、ガス供給手段116から、所定の流量と混合比、たとえばAr 400 sccm、C4F8 15 sccm、O2 5 sccmをもって、アンテナ110のプレート115から処理室100に供給される。同時に処理室100の内部が所定の処理圧力、例えば2 Paになるように調整される。他方、磁場形成手段101により、アンテナ電源121の周波数の450 MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度に相当する概略160ガウスのほぼ水平な磁場がプレート115の下方付近に形成される。そして、アンテナ電源121によりアンテナ110からUHF帯の電磁波が放射され、磁場との相互作用により処理室100内にプラズマPが生成される。このプラズマPにより、処理ガスを解離させてイオン・ラジカルを発生させ、さらにアンテナ高周波電源123、バイアス電源134を制御して、ウェハWにエッチング等の処理を行う。
【0028】
各電源の投入電力は、たとえばアンテナ電源121は1000 W、アンテナ高周波電源123は300 W、バイアス電源141は800 W程度である。そして、エッチング処理の終了にともない、電力および処理ガスの供給を停止してエッチングを終了する。
【0029】
この処理中のプラズマ発光やウエハ表面状態を反映する光学情報が、計測ポート140A、140Bを通して、光学伝送手段151A、151Bにより伝送されて計測器152で計測がなされ、計測器制御・演算手段153で計測結果に基づいて演算処理がなされ、上位のシステム制御手段154に伝達されて、制御インタフェース155を介してプラズマ処理装置システムが制御される。
【0030】
次に、計測ポート140について、その詳細な構造を図2から図4を用いて説明する。
【0031】
図2は、図1の実施例において、アンテナ110に取り付けられた計測ポート140の部分を拡大した断面図である。すでに図1で説明したように、アンテナ110を形成する円板状導電体111および誘電体112はハウジング114に保持され、また円板状導電体111にはプレート115が設置される。プレート115には多数のガス流出孔115Aが設けられており、円板状導電体111においてガス流出孔115Aと一致する位置に設けられたガス流出孔111Aを通して処理ガスを処理室100の内部に供給する。プレート115に設けられたガス透過孔115Aは、たとえば直径φ0.1 mmないしφ5 mm程度、望ましくは直径φ0.3 mmないし直径φ2 mm程度の貫通孔であり、円板状導電体111に設けられたガス透過孔111Aは、孔115Aと同等かそれ以上の大きさとして、たとえば直径φ0.5 mmないしφ5 mm程度、望ましくは直径φ2 mm程度としている。また、プレート115の厚みは3 mmないし20 mm程度であり、本実施例では6 mmとしている。
【0032】
さて、プレート115には、計測ポート140に相当する部分に、多数の貫通孔115Bが密集して形成されている。そして、プレート115の背面(プラズマPと反対側の面)にほぼ接するように光伝送体141が設置され、ハウジング114に対して保持手段142とたとえばOリングなどの真空封止手段143により真空シールされて取り付けられる。そして、光伝送体141の大気側の端面に、たとえば光ファイバやレンズなどの光学伝送手段151が設けられている。そして、プラズマPからの直接光145PやプラズマPの試料Wの表面からの反射光や干渉光145Wが、破線で示す光路144のように、プレート115の貫通孔115Bを通過し、光伝送体141を透過して光学伝送手段151に達し、さらに計測器152に伝送されて計測される。
後述するように、通孔115Bのアスペクト比は、およそ5以上100以内とするのが良い。
【0033】
本実施例では、光伝送体141は石英製の円柱状のロッドとしている。光伝送体141の直径はφ5 mmからφ30 mm程度が好適であり、本実施例では直径はφ10 mmとしている。貫通孔115Bは、ガス流出孔115Aと同様に、たとえば直径φ0.1 mmないし直径φ5 mm程度、望ましくは直径φ0.3 mmないしφ2 mm程度の大きさであり、本実施例では直径はφ0.5 mmとしている。また貫通孔115Bは、計測感度を向上させるために複数個、好ましくは数10個以上設けるのが望ましい。本実施例では、次に述べるように、約40個の孔が配置されている。
【0034】
図3に、貫通孔115Bの配置の一実施例を示す。本実施例では、貫通孔115Bは、お互いに等間隔で正三角形をなすように、ピッチ1.5 mm間隔で、光伝送体141の端面に対応する領域に約40個の孔が配置されている。貫通孔115Bの直径はすでに述べたように本実施例ではφ0.5 mmとしているので、開口率(光伝送体141の端面の面積に対する貫通孔115Bの開口部の総和の割合)は約10 %(=(0.52(mm2)×40(個))/(102)(mm2))程度となり、十分な計測感度をとることができる。もちろん貫通孔の配置は、図3に限られるものではなく、たとえば図4のように、お互いに直交するように配置してもよく、あるいは同心円状に配置するなど様々な配置が可能である。
【0035】
なお、隣り合う貫通孔同士の間の幅をある程度あける(たとえば1 mm以上)必要があるので、貫通孔の直径が小さいほど開口率は減少する。たとえば、直径φ0.3 mmの孔を1.3 mmピッチ(開口部分の間の幅が1 mm)でφ10 mmの領域に形成する場合には、開口率は約5%となる。開口率が1%程度でも計測は可能ではあるが、エッチングレートなどをin-situに計測するためには、開口率が少なくとも5%程度以上であることが望ましく、したがって計測感度の観点から貫通孔の直径はφ0.3 mm程度以上であることが望ましい。一方、後に述べるように、貫通孔115Bの直径は分子の平均自由行程よりも十分に小さく設定することが望ましく、また異常放電を誘起させないためにも、貫通孔の直径はφ0.1 mm以上φ5 mm程度以下として、さらに好適には直径φ0.3 mm以上2 mm程度以下とするのが望ましい。
【0036】
また、貫通孔115Bの直径は、ガス流出孔115Aと同一にしておけばプレート115の加工工程が増えることがなくコスト上昇を抑制できる利点があるが、もちろん孔径を必ずしも同一にする必要はなく、計測の感度や安定性などから最適な値に設定すればよい。また、貫通孔115Bの孔径はすべて同一とする必要もなく、たとえば外周側で孔径を大きくするなどとしてもよい。
【0037】
また、光伝送体141は、「透明」であること、すなわち可視光領域全域に対して透過性を持つことは必ずしも必要ではなく、計測する波長領域で十分な透過率を有していればよい。たとえば可視光領域をはさんで200 nmの紫外線領域から800 nmの近赤外領域を計測するのであれば石英やサファイアが好適である。一方、赤外領域で計測するのであれば、シリコンやあるいは赤外領域で良好な透過特性が得られるZnSなどの光学材料を使用してもよい。さらに、光伝送体141の端面に、イオンスパッタに対する耐性を向上させたり反射率を低減したりするなどの目的で、たとえばサファイアのAl2O3などの薄膜を形成してもよい。
【0038】
計測ポート140は上記のような構造となっている。このような構成とすることにより、計測ポート140の部分で、異常放電や異物が発生したり、あるいは透過率などの光学的な性能が低下したりすることがなく、長期的に安定した計測が可能となる。以下、その理由を説明する。
【0039】
先に従来技術の課題として言及したように、上部電極にφ10 mm程度の大きな穴を形成すると、穴の部分でホローカソードにより局部的な異常放電が発生したり、穴の内部にプラズマが侵入して損傷を与えたりする。これに対して本実施例では、貫通孔の直径をφ0.5 mm程度と小さく設定しているため、貫通孔の部分で異常放電が発生することはなく、またプラズマが貫通孔の内部に侵入することもない。本発明者らは、実験の結果、貫通孔115Bの直径をφ5 mm程度以下、より望ましくはφ2 mm程度以下とすることで上記のような異常が発生することなく計測が可能なことを確認した。また、光伝送体141が貫通孔115Bの背面にほぼ接するように設置されているので、貫通孔115Bと光伝送体141の間に異常放電をひきおこすような空間が存在せず、この部分でも異常放電は発生しない。
【0040】
また、本実施例では、光伝送体141の端面に反応生成物が付着することがなく、放電時間を重ねても透過率が低下することがないので、長期的に安定した計測が行える。
【0041】
これは、第一に、貫通孔115Bの直径は、分子の平均自由行程に比べて十分に小さい値に設定されていることによる。処理室内の動作圧力は0.5 Pa〜4 Pa程度であり、この場合の分子の平均自由行程λはおよそ5 mmないし30 mm程度である(Ar分子、25℃の場合)。これに対して、貫通孔115Bの直径Dhはφ0.5 mm程度であるので、分子の平均自由行程λとの比、すなわちDh/λの値は、およそDh/λ=0.02〜0.1である。このように貫通孔115Bの直径Dhを分子の平均自由行程λよりも十分に小さく設定しているので、プラズマP中のガス分子が貫通孔115Bの内部に侵入する確率は小さい。
【0042】
第二に、貫通孔115Bは、本実施例では、直径がφ0.5 mmであるのに対して、プレートの厚みである奥行き方向の深さは6 mmに設定している。このようにアスペクト比(=深さ/直径)が10以上であり、孔が十分に深いので、ラジカルが貫通孔115Bを通過して光伝送体141の端面に付着する確率は十分小さくおさえられる。
ラジカルが光伝送体141の端面に付着する確率は、端面における貫通孔115B(穴径:D、長さ:L)を見込む立体角dΩに比例する。図5に、立体角dΩのアスペクト比(AR=L/D)依存性を示す。図より、立体角dΩはARの2乗に反比例し、立体角dΩがアスペクト比5以上であれば、立体角dΩは平面における立体角πの1/100以下であり、ラジカルが光伝送体141の端面に到達する確率は十分小さくなる。従って、光伝送体141の端面における汚れ防止効果を得るには、貫通孔115Bのアスペクト比をおよそ5以上100以内とすればよい。
また、プレート115はプラズマにより加熱されて表面温度が100 ℃以上となるので、貫通孔115Bの内部への反応生成物の付着確率は小さく、貫通孔115B内面に堆積物が付着・成長して貫通孔の実効的な透過面積が減少したりすることはない。
【0043】
第三に、プレート115には数10 Vないし数100 V程度のバイアス電圧が印加されるので、プラズマ中のイオンが貫通孔115Bの奥行き方向に引き込まれることになる。このため、光伝送体141の端面には、数10 eVから数100 eV程度のエネルギーを持ったイオンが高い確率ではないが到達しうる。このため、光伝送体141の端面に反応生成物が付着したとしても、イオンのスパッタ効果によりすみやかに除去される。そして、光伝送体141を耐プラズマ性の高いたとえば石英やサファイアで構成することにより、光伝送体141の端面の損傷による光学的な性能の低下を十分に小さくできる。
【0044】
これらの効果の総合的な結果として、光伝送体141は、端面に反応生成物が付着したり表面があれたりすることがなく、光透過特性が放電を重ねても一定に保たれるので、長期にわたって安定した計測が可能となる。
【0045】
本発明者らは、上記の3つの要因について実験的な検討を重ねた結果、試料W表面の酸化膜に対してエッチング処理を行う場合について、本実施例で説明したように貫通孔の直径をφ0.5 mm、プレートの厚みを6 mmとすることで、異常放電が発生することなく、安定して計測が行えることを確認するに至った。図6は本実験で得られた信号波形の模式図である。エッチング処理の進行にともなって酸化膜表面および下地からの反射光による干渉状態が変化することによる干渉信号が得られており、この周期からエッチングレートがin-situに測定できる。
また、プラズマからの直接光であるプラズマ発光信号も同時に得られている。そして、エッチング処理の終点において、これらの干渉信号およびプラズマ発光信号が同時に変化しており、エッチング処理の終点における表面状態およびプラズマ組成の変化を検出できていることがわかる。これらの信号は、少なくとも放電数10時間以上にわたって十分な精度で検出可能であり、さらにこの間の異物の発生も20個以下(0.2μm以上)のレベルであり、安定して計測が行えることを確認した。
【0046】
なお、図2からわかるように、光伝送体141は保持手段142と真空封止手段143のみにより固定と真空シールがなされているので、処理室の大気開放時には、保持手段142をはずせば容易に交換可能な構造となっている。このため、プロセス条件によって光伝送体141の端面に堆積物が徐々に付着したり、イオンでスパッタされて表面があれたりした場合には、プラズマ処理装置を大気開放してウエットクリーニングを行う際に、光伝送体141を交換することが容易に可能であり、ウエットクリーニング(全掃)の際のダウンタイムを最小限にすることができる。
【0047】
次に、貫通孔115Bをとおした計測をおこなう検出光学系について、他の実施例を図7から図8を用いて説明する。図2の実施例においては、光学伝送手段151には光ファイバを用いており、光路144の途中のプラズマPからの直接光145PやプラズマPの試料W表面での反射光・干渉光145Wのすべてが光ファイバに入射して計測される。これは、特にエッチング処理の進行にともなってプラズマ中のラジカル組成が変化する場合にその変化を検出するのに好適な構成である。一方、試料Wの薄膜の厚さなどの表面状態の変化を敏感に検出するためには、プラズマPからの直接光は計測にとってはノイズ成分となるので、計測系には検出されない方が望ましいこともある。この場合には、光学系にはレンズなどを用いた結像光学系を用いるのが好適である。
【0048】
図7は、このような光学系の一実施例を示したものである。本実施例では光学伝送手段151に結像手段としてのレンズ151Aを用いており、試料W表面からの光学情報をたとえばカメラや画像処理装置などの計測器152の検出素子部152Aに結像させている。検出素子152Aの直前にしぼりやピンホールなどの空間フィルタ152Bを配置することで、プラズマPからの直接光145Pを遮断して試料Wの表面からの光学情報145Wのみを検出素子152Aに伝送できるので、試料Wの表面状態に対する検出・計測の感度を向上させることができる。
【0049】
本実施例においては、光学系の途中に貫通孔115Bがあるので、光路がさえぎられて試料W表面の計測が困難であるように思われるかもしれない。しかしながら、貫通孔115Bのアスペクト比(=深さ/直径)を試料W表面からの光の拡がりとの関係で適正な値に設定することで、貫通孔115Bが光路を遮断することなく計測が可能となる。
【0050】
これを、図8を用いてより詳しく説明する。図8は、図7の実施例において、計測および光学系に関する部分のみを抜き出した模式図である。図中の記号は次のとおりである。
【0051】
Dh:貫通孔115Bの直径
Lh:貫通孔115Bの深さ
(プレート115の厚みに等しい)
Lg:試料Wとプレート115の距離
(図1の実施例で説明したギャップに相当する)
Lz:試料Wから結像手段151Aまでの距離
(Lz−Lgが図1の実施例で説明したアンテナ部分の厚みに相当する)
Dz:結像手段(本実施例ではレンズ)151Aの有効径
(光伝送体141の直径Drにほぼ等しい)
そして、本実施例におけるおのおのの実際の値は、すでに述べたように、
Dh=φ0.5 mm、Lh=6 mm、Lg=70 mm、Dr=Dz=φ10 mm、
としている。また、アンテナ部分の厚みはLz−Lg=80 mmであるので、
Lz=150 mm
となっている 。
【0052】
ここで、試料W表面からの拡がり角θは、結像手段151Aの試料Wからの距離Lzと有効径Dzとの比Lz/Dzをもとにθz=tan-1((Dz/2) / Lz)で示される。本実施例の場合はθh=1.9°となる。試料W表面からの光の拡がり角に相当するLz/Dzは15程度であり、これに対して貫通孔115Bのアスペクト比Lh/Dhにもとづく見込み角θhをθh =tan-1((Dh/2) / Lh)で定義するとθz=2.3°とθh=よりもやや小さい値となっている。このように、試料W表面からの光の拡がり角θhを貫通孔115Bの見込み角θzよりもやや小さく設定することで、試料W表面からの光は貫通孔115Bで遮られることなく、結像手段151Aに到達して、検出素子152Aに焦点を結ぶことになる。
【0053】
図8には、このことを実験的に確認した様子を示している。試料Wの表面に数mm角の大きさの文字の像Img1を記しておく。そして、プラズマ処理中に試料W表面を観察したところ、検出素子152A上に像Img1が光学的に伝送されて、計測器152の表示画面152Cに像Img2が表示された。この像Img2は、その外周部に貫通孔115Bによる「けられ」の影響がわずかに認められる(図8では同心円状の破線で表現している)ものの、もとの像Img1の情報を十分に保有しており、試料W表面の薄膜の状態を測定するのに十分な質を有していた。そして、プラズマPにより試料W表面の酸化膜に対してエッチング処理を行ったところ、エッチング処理の進行にともなう酸化膜の厚さの変化に対応して、図6で示したものと同様に酸化膜表面および下地からの反射光による干渉信号が得られて、エッチングレートがin-situに測定できることが実験的に確認できた。
【0054】
ところで、これまでの実施例では、光伝送体141に石英製の棒状体(ロッド)を用いていたが、これは一例であって、別の構成も可能であることはいうまでもない。他の実施例を、図9により説明する。図9は、光伝送体141として、棒状体(ロッド)の内部をくりぬいて中空として、そこに光学伝送手段151として光ファイバを挿入した構成としている。また、図9においては、円板状導電体111の、貫通孔115Bに相当する部分にガス導入部分111Bがもうけられている。このため、光伝送体141の端面に反応生成物が付着しやすいようなプロセス条件であっても、プロセスガスがガス導入部分111Bからも供給されるので、反応生成物の堆積を防止することができる。また図9においては、光伝送体141を透過する光路を短くできるので、光学情報の損失を低減できる効果もある。
次に、異物発生の原因となるサセプタ周りや処理室の側壁に堆積する反応生成物量の変動を検出する実施例を図10を用いて説明する。ここで、図1と同一部品の説明は省略する。光が反射する反射体169Aや196Bをサセプタをカバーする絶縁体133の側壁や1処理室の側壁102に設置し、その反射体と対向した位置に本発明の貫通孔を有する計測ポート160Aや161Aを設置し、反射体からの反射光あるいは干渉光の変動を光伝送手段161Aや161Bを介し、光計測器152に伝送し計測する。計測器152は計測器制御・演算手段162により制御されるとともに、計測される反射光あるいは干渉光が大きく変動した場合、表示手段164により警告が発せられる。
本実施例によれば、異物の原因となるサセプタ周りや処理室の側壁に堆積した反応生成物が反射体より剥れると反射体からの光量が変化するので、その変動を検出することにより、異物発生の多発を防止する警告を出すことができる。この警告により、適切な全掃時期を決定し、装置運用時の異常を未然に防止することが可能となる。
次に、連続エッチング処理時の装置診断に関するプレート115の消耗を検出する実施例を図11、12を用いて説明する。
プレート115は、ウェハのエッチング処理時に、アンテナ電源121により高周波電力が印加されるため、エッチングされ消耗する。図11はプレート115にあるガス流出孔115A断面の処理時間依存性を示したものである。図に示すように、エッチング処理時間が長くなると、プレートの厚みが減ると共に、処理室側の穴径が広がる。更にエッチング処理を続行すると、ガス流出孔115Aは厚さ約4.5mm、穴径約1.3mmの貫通穴となる。このようなガス流出孔では、穴の面積がエッチング処理初期に比べ約10.6倍増加しているために、エッチングガス供給状態が大きく変化したり、ガス流出孔内での異常放電を誘発したり、異物が発生したりする可能性が高くなり、連続エッチング処理に重大な損傷を引き起こす。
図12に、連続処理実験時のガス流出孔形状より換算し予想した立体角dΩの変化を実線により示す。また、その時の発光量変動を●印により重ねて示す。図より、処理時間400hr以内においては、立体角dΩは大きく変化しないが、処理時間500hr以上になると、急激に増加する、また発光量の変化も同様の傾向を持っていることがわかる。このことより、処理時間が500hr以上になると、連続エッチング処理に重大な損傷を引き起こす可能性が高くなっていることがわかる。
本実施例によれば、本発明の貫通孔を有する計測ポートより計測される発光量を監視することにより、プレート115の消耗を検知し、装置運用時の異常を未然に防止することが可能となる。
【0055】
なお、前記の各実施例は、いずれも有磁場UHF帯電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置の場合であったが、放射される電磁波はUHF帯以外にも、たとえば2.45 GHzのマイクロ波や、あるいは数10 MHzから300 MHz程度までのVHF帯でもよい。また、磁場強度は、450 MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度である160ガウスの場合について説明したが、必ずしも共鳴磁場を用いる必要はなく、これよりも強い磁場やあるいは数10ガウス程度以上の弱い磁場を用いてもよい。さらに電磁波放射放電方式だけでなく、容量結合型の平行平板プラズマ処理装置やマグネトロン型のプラズマ処理装置、あるいは誘導結合型のプラズマ処理装置にも、本発明が同様に適用できることはいうまでもない。
【0056】
特に、下部電極に高周波を印加して上部にアース板を設けるタイプのプラズマ処理装置では、ウエハと対向する上板の構造が比較的簡便なので、本発明と同様な計測ポートを設けることが容易に可能である。また、上部電極に高周波を印加してプラズマを発生させるいわゆる平行平板型のプラズマ処理装置では、上部電極に数kWの大電力の高周波を印加するので上部電極に孔や空隙などをもうけると異常放電が発生しやすいが、本発明の構造によれば計測ポート部分で異常放電などが発生することがない。特にいわゆる狭電極型の平行平板プラズマ装置では、上下電極の間隙が小さいためにウエハ表面の情報や上下電極間のプラズマの情報を側方から得ることはきわめて困難であるので、本発明による利点は大きい。
【0057】
一方、誘導結合(ICP)型のプラズマ処理装置では、天板に透明な石英を用いる場合にはウエハ表面の状態計測もある程度可能ではあるが、たとえばアルミナ製のドームやシリコンプレートなどを用いる場合には、本発明による計測ポートが適用できる。具体的には、たとえばアルミナ製のプレートに図3で示したような多数の密集した孔を形成してその裏面に真空シール用の石英板をもうけるといった構造が当業者であれば容易に設計できるであろう。ICP型のプラズマ処理装置では、プロセス特性や再現性を得るために天版をたとえば150℃以上の高温に温調する必要がある場合があるが、このような温度条件でも本発明が適用できることは言うまでもない。
【0058】
また、前記の各実施例は、いずれも処理対象が半導体ウエハであり、これに対するエッチング処理の場合であったが、本発明はこれに限らず、例えば処理対象が液晶基板の場合にも適用でき、また処理自体もエッチングに限らず、たとえばスパッタリングやCVD処理に対しても適用可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、真空処理室の外部から、試料面やプラズマの状態あるいは真空処理室の壁面の状態を精度よく、かつ異常放電や異物を発生させることなく、長期的に安定して計測できる。
例えば、ウエハ面に対向してアンテナや電極などが設置された対向平板型の構造においても、試料Wの上方あるいは斜め上方の位置から、プラズマや試料表面の薄膜の状態を、異常放電や異物を発生させることなく、量産レベルでも長期的に安定して精度よく測定できる。この結果、エッチング処理の終点検出やエッチング・成膜のレート・均一性のin-situモニタリングが可能となるので、より進んだプロセス制御の方法が提供できるとともに、処理の再現性や安定性も向上できるので装置の稼働率や生産性の向上に寄与しうるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である、プラズマエッチング装置の断面模式図である。
【図2】本発明の要部である、貫通孔部分の構造を示す図である。
【図3】本発明における貫通孔の配置の一実施例を示す図である。
【図4】本発明における貫通孔の配置の他の実施例を示す図である。
【図5】本発明における貫通孔の立体角に対するアスペクト比依存性を示す図である。
【図6】本実施例において実験的に得られた信号波形の模式図を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例として、結像光学系を用いた例を説明する図である。
【図8】図6の実施例における作用を説明する図である。
【図9】本発明の他の実施例として、光伝送体に中空型の構造を用いた例を説明する図である。
【図10】本発明の他の実施例として、反射体をサセプタや処理室側壁に設けることにより装置診断を行った例を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施例として、ガス供給プレートの消耗検知に関する装置診断を行った例を説明するガス流出孔の断面図である。
【図12】図11の実施例における発光変化と立体角変化を説明する図である。
【符号の説明】
100…処理室、101…磁場形成手段、102…側壁、103…真空室、110…アンテナ、130…下部電極、115…プレート、115B…貫通孔、141…光伝送体、151…光学伝送手段、152…計測器、W…試料。

Claims (6)

  1. その内側が排気される処理室と、この処理室の下方に配置され処理対象のウエハが載置される試料台と、前記処理室の上方に配置され前記処理室内に処理ガスが流出する複数の流出孔を有して前記処理室の上方に前記ウエハと対向して前記ウエハの中心部から外周部まで覆って配置されこの処理室内に形成されるプラズマに接するプレートと、前記処理室上方の前記プレートの上方に配置されそのプラズマに面する側に前記プレートが配置された円板状の部材とを有し、前記プレートに前記円板状の部材を介して前記処理室内に電界を形成するための電力が供給されて前記プラズマが形成されるプラズマ処理装置であって、
    前記円板状の部材を冷却する手段と、この円板状の部材に取り付けられ前記プレートに配置された貫通孔を通過した前記処理室内からの光が透過する光伝送体を有する受光手段とを備え、前記光伝送体が前記プレートの上方でこのプレートに対して取り外し可能に保持され、前記光伝送体の端面が前記プレート及び前記貫通孔の背面に接するか又は微小な隙間を介して対向して配置されたプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、前記処理室上方に配置された部材が前記ウエハに平行して対向するように配置された平板状の部材であるプラズマ処理装置。
  3. 真空容器と、この真空容器内側の下方に配置され処理対象のウエハが載置される試料台と、前記真空容器内側の上方に前記ウエハと対向して前記ウエハの中心部から外周部まで覆って配置され前記真空容器内に電界を形成するための電力が供給されるプレートと、このプレートに配置され前記真空容器内に処理ガスが流出する複数の流出孔とを有し、前記プレートと前記ウエハとの間にプラズマが形成されるプラズマ処理装置であって、
    前記真空容器の上部に配置されその前記プラズマに接する側に前記プレートが設置される円板状の部材と、この円板状の部材を冷却する手段と、前記プレートを貫通する貫通孔を通過した前記真空容器内の光が透過する光伝送体を有して前記円板状の部材に取り付けられた受光手段とを備え、前記光伝送体が前記プレートの上方でこのプレートに対して取り外し可能に保持され、前記光伝送体の端面が前記プレート及び前記貫通孔の背面に接するか又は微小な隙間を介して対向して配置されたプラズマ処理装置。
  4. 請求項3に記載のプラズマ処理装置であって、前記真空容器の上部に配置される部材は前記ウエハに平行に対向して配置された平板状の部材であるプラズマ処理装置。
  5. 請求項3または4に記載のプラズマ処理装置であって、前記真空容器の上部に配置される部材がこの真空容器に保持された部材であるプラズマ処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のプラズマ処理装置であって、前記受光手段が前記部材にシールされて取り付けられたプラズマ処理装置。
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