JP4018721B2 - 企業評価装置並びに企業評価プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、特許文献に基づいて各企業の価値を評価する企業評価装置並びに企業評価プログラムに関する。
特開2000−348015号公報には、所定の更新間隔を有する第1のデータと更新間隔が当該第1のデータより短い第2のデータとから、経時的に変動しうる評価項目を評価するシステムであって、(a)サンプル対象の第1のデータの入力に応じて、第1の評価モデルを作成する手段と、(b)前記サンプル対象の第1のデータを第1の評価モデルに適用し、第1の評価出力を算出する手段と、(c)サンプル対象の第2のデータと第1の評価出力の入力に応じて、第2の評価モデルを作成する手段と、(d)評価対象の第1のデータの入力に応じて、当該第1のデータを第1の評価モデルに適用し、第2の評価出力を算出する手段と、(e)前記評価対象の第2のデータと前記第2の評価出力を第2の評価モデルに適用し、当該評価対象の評価出力を算出する手段とを備えた経時的に変動しうる評価対象の評価項目を評価するためのシステム、方法および記録媒体が記載されている。
上記特開2000−348015号公報では、財務データに基づいて、経済の変化を反映するように、年1や4半期毎など比較的更新期間が長いデータに基づいた企業評価に、日々変動する株価や金利・為替などのように更新期間が比較的短いデータを用いてその変化を予測し、評価したい時点において適時に対象企業を評価している。
また、特開2001−76042号公報には、出願中あるいは登録後の発明等に関する知的財産の財産的価値を評価する知的財産評価装置において、実施利益に関するデータを入力する実施利益入力手段と、各年ごとの複利現価率に関するデータを入力する複利現価率入力手段と、前記実施利益入力手段により入力された各年目ごとの複利現価率に関するデータとを乗算して、各年目ごとの補償金年額の複利現価率を算出する複利現価算出手段と、前記複利現価算出手段により算出された各年ごとの補償金年額の複利現価各年ごとに合算することにより知的財産価額を算出する知的財産価格算出手段と、前記知的財産価格算出手段により算出された知的財産価額を出力する出力手段とを備えた知的財産評価装置、知的財産評価方法等が記載されている。
上述の特開2001−76042号公報では、登録された特許とそれに関連する売上高や利益などを減価償却して、現存している特許の資産価値を把握しようとするものである。また、各特許の価値の評価は、自社評価や他社評価などをランク付けして入力したものを、寄与度として評価している。
金融機関や投資家や企業においては、投資先や取引先の企業価値を見極めることが非常に重要である。そこで、従来、この企業価値を見極めるために、経営・財務や株価などの経営財務情報をもとに、企業価値を客観的に判断しようとする試みが行なわれ、その中には、多変量解析や統計的手法およびデータマイニングなどの手法を用いて、評価対象となる企業の審査や格付けを行うものが存在している。
近年、企業価値に占める無形資産(インタンジブル・アセット)の割合が大きくなるにつれ、無形資産の価値が企業価値を大きく左右するようになってきた。しかしながら、一般に企業価値は、総資産=負債+株主資本によって表される貸借対照表上の簿価ではなく、大まかには株式の時価総額+負債によって算定される。したがって、完全な時価会計が適用された場合、株式時価総額−株主資本によって算出される金額が企業の目に見えない資産(無形資産)の妥当性を示しているということになるが、従来は無形資産の価値を具体的に算出して用途に応じて判断することが困難であるという不具合を生じていた。
また、特開2000−348015号公報に記載のシステムでは、決算期に公表される財務データのように更新間隔の長いデータ(静的データ)のみならず、株価等のように更新間隔の短いデータ(動的データ)をも入力して企業評価のためのモデルを作成し、このモデルに評価対象の関連する静的データおよび動的データを適用することによって、経時的に変動しうる評価対象の評価項目の評価が適時かつ最新のものとして算出されるとされているが、所定の技術分野における発明が特定企業によって独占状態にあるか、又は競争状態にあるか、発明に関する競争力が絶対的又は相対的にどの程度であるのかを容易に判断することができないという不具合を生じていた。
また、特開2001−76042号公報に記載の知的財産評価装置では、特許などの知的財産の1件1件の評価を、各年度毎に評価するものであり、企業の価値を判断することができないという不具合を生じていた。
株式時価総額などは、市場における株価によって決定されるものであるため、投資家にとって現在の株価と帳簿上の株主資本によって算出される無形資産の価値が妥当であるか否かは、株式売買の意思決定における極めて重要な要素となっている。企業では、資金を調達して技術開発などを継続して行なうことによって、無形資産価値の増大を図り、企業価値を高めることを望んでいる。したがって、無形資産価値の増大は企業において経営戦略上の重要課題と位置付けられている。
従来から無形資産を評価しようとする試みがあるが、無形資産の価値を定量的・定性的に取り込んで企業価値の妥当性を評価することができないという不具合を生じていた。また、特定企業に対して投資を行なう場合や、特定企業と製品の共同開発を行なう場合、特定企業に就職を希望する場合等において、その企業、技術分野毎の傾向を知ったり将来性を予測したりすることが困難であるという不具合を生じていた。
そこで本発明は上記従来の状況に鑑み、特定企業がした特許出願の公開公報、又は登録公報を取得して、企業の研究開発戦略や知的財産戦略を分析し、経営財務情報と合わせて企業価値評価を行うことが可能な企業評価装置並びに企業評価プログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明は、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち、設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、前記取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、前記算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、前記積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数で除算して平均登録所要期間を算出する平均登録所要期間算出手段と、前記算出した平均登録所要期間を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明に係る平均登録所要期間算出手段は、積算所要登録期間を設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出することを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明は、特定企業が所定期間内にした所定技術分野の特許出願のうち、設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、前記取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、前記算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、前記積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数で除算して平均登録所要期間を算出する平均登録所要期間算出手段と、前記算出した平均登録所要期間を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明に係る平均登録所要期間算出手段は、前記積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出することを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明は、平均登録所要期間を算出する際に用いる登録公報として、特許公報、公告特許公報、公告実用新案公報、又は実用新案登録公報等の公報を用いたことを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明は、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち、出願審査の請求がなされた公開公報、又は設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、前記取得した公開公報、又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出し、前記算出した審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、前記積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた件数の総数で除算して平均出願経過期間を算出する平均出願経過期間算出手段と、前記算出した平均出願経過期間を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明に係る平均出願経過期間算出手段は、積算審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた件数の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願経過期間を算出することを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明は、特定企業が所定期間内にした所定技術分野の特許出願のうち、出願審査の請求がなされた公開公報、又は設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、前記取得した公開公報、又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出し、前記算出した審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、前記積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた件数の総数で除算して平均出願経過期間を算出する平均出願経過期間算出手段と、前記算出した平均出願経過期間を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明に係る平均出願経過期間算出手段は、積算審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた件数の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願経過期間を算出することを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明は、平均出願経過期間を算出する際に用いる登録公報として、特許公報、公告特許公報、公告実用新案公報、又は実用新案登録公報等の公報を用い、公開公報として、公開特許公報、公表特許公報、公開実用新案公報、公表実用新案公報等の公報を用いたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明は、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、算出した特許出願生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明に係る出願人当発明数取得手段は、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を取得するとともに取得した公報に記載されている出願人数を取得し、出願人当発明数取得手段は、特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を出願人数で除算して単位出願人当たりの発明数を取得し、発明数取得手段は、取得した単位出願人当たりの発明数を前記取得した全公報について積算して発明数の総和を取得することを特徴としている。
また上記課題を解決するために本発明に係る企業評価装置は、特定企業の所定技術分野において特許出願生産性を算出することを特徴としている。
また上記課題を解決するために本発明は、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、特定企業が集計時よりも出願審査の請求期間以前における第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する審査請求期間前公報取得手段と、第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報から出願件数とその出願の中で審査請求された審査請求件数とを取得して前記取得した審査請求件数を出願件数で除算して推定審査請求率を算出する推定審査請求率取得手段と、算計した特許出願生産性と推定審査請求率とを乗算して審査請求生産性を算出する審査請求生産性算出手段と、算出した審査請求生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明は、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する第1の公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、特定企業が第4の所定期間内にした特許出願のうち設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する第4の公報取得手段と、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数で除算して平均登録所要期間を算出する平均登録所要期間算出手段と、特定企業が第5の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報とその特許出願のうち所定時期までに設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する第5の公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報に基づいて特定企業が所定期間内に出願した累計特許出願件数を所定時期毎に取得する累計特許出願件数取得手段と、取得した登録公報に基づいて所定時期までに設定の登録がなされた特許の累計特許登録件数を所定時期毎に取得する累計特許登録件数取得手段と、取得した累計特許登録件数を累計特許出願件数で除算した累計特許登録率を所定時期毎に算出する累計特許登録率算出手段と、累計特許登録率の自然対数を所定時期毎に算出してその回帰直線又は回帰曲線を算出し該算出した回帰直線又は回帰曲線に前記算出した平均登録所要期間を代入して将来の推定登録率を算出する推定登録率算出手段と、算出した特許出願生産性と推定登録率とを乗算して特許取得生産性を算出する特許取得生産性算出手段と、算出した特許取得生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するため本発明は、平均登録所要期間及び平均出願経過期間を算出する際において、所定技術分野として、IPCサブクラス、キーワード、又は発明者別に分類した技術分野を用いたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明は、特許出願生産性と審査請求生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明は、特許出願生産性と特許取得生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明は、審査請求生産性と特許取得生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、公報取得手段が、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得し、平均登録所要期間算出手段が、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出して、該算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、該積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出するので、この平均登録所要年数を会社別、会社の職場別、発明者別、IPC別などの技術分野毎に分類して算出、表示することができ、利用者は調査対象の企業がどの技術分野に重点を置いているかや、どの技術分野の発明を防衛的に位置づけているかなどについて知ることが可能となる。
また、算出した平均登録所要期間が短い部門は、戦略的に重視しながら開発を進めている部門であると判断可能であり、逆に、平均登録所要期間が長い技術分野は、ある程度防衛的な部門と判断することが可能である。このように利用者が平均登録所要期間を閲覧することによって、企業の特許に対する姿勢を判断することが可能となる。
また本発明によれば、平均登録所要期間算出手段が、積算所要登録期間を設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出するようにしたので、利用者に対して見易く表示することが可能となり、利用者は平均登録所要期間を年又は月等の単位で認識して即座に理解することが可能となる。例えば、特許出願1件あたりの平均登録所要期間が、365.25日であった場合には、1年又は12ヶ月と通知することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業における所定技術分野ごとの特許出願に基づいて平均登録所要期間を算出するようにしたので、技術分野毎に競合他社と平均登録所要期間を比較したり、自社が新たな技術分野に参入するか否かの判断材料を得ることが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち、出願審査の請求がなされた公開公報、又は設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、前記取得した公開公報、又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出し、前記算出した審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、前記積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた件数の総数で除算して平均出願経過期間を算出する平均出願経過期間算出手段と、前記算出した平均出願経過期間を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、早期に審査請求される傾向にある部門の特許出願は戦略的に重要な技術分野であると判断することが可能となり、また平均出願経過期間が長く算出される技術分野については、ある程度防衛的な部門であると判断することが可能となる。したがって算出された平均出願経過期間に基づいて、企業がどの技術分野に重点を置き、どの技術分野は防衛的な状況にあるかを判断することが可能となり、企業の特許に対する姿勢を判断することが可能となる。
また本発明によれば、平均出願経過期間算出手段が、積算審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた件数の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願経過期間を算出するようにしたので、利用者に対して見易く表示することが可能となり、利用者は平均出願経過期間を年又は月等の単位で認識して即座に理解することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業における所定技術分野ごとの特許出願に基づいて平均出願経過期間を算出するようにしたので、企業の職場別、発明者別、又はIPC別などに平均出願経過年数を集計することが可能となり、平均出願経過期間が短い部門は戦略的に力を入れている部門であるなど、技術分野毎に競合他社と平均出願経過期間を比較したり、自社が新たな技術分野に参入するか否かの判断材料を用いることが可能となる。
また本発明によれば、登録公報として、特許公報、公告特許公報、公告実用新案公報、又は実用新案登録公報等の公報を用いるとともに、公開公報として、公開特許公報、公表特許公報、公開実用新案公報、又は公表実用新案公報等の公報を用いるようにしたので、より広範囲な技術文献に基づいてより正確な企業評価を行なうことが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、算出した特許出願生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費当たりの出願請求項数を算出することが可能となり、研究開発の成果の一端である特許を生み出す生産性を測り、研究開発の効率を推し量ることが可能となる。
特許出願生産性の値が大きく算出されるほど、研究開発における特許出願件数や特許出願請求項数等の発明数の生産性が高く、特許に対する意識が高いと判断することが可能となる。また、効率良く研究投資をしている企業であるか否かを判断することが可能となる。
また、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願に対して、その特許出願の前年度(第2の所定期間内)の研究開発費を用いて特許出願産性を算出することによって、研究開発費の変動と相関係数の高い翌年の発明数(出願請求項数など)を用いて特許出願生産性を算出することが可能となり、より精度良く企業の発明数の生産性を判断することが可能となる。
また本発明によれば当発明数取得手段は、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を取得するとともに取得した公報に記載されている出願人数を取得し、出願人当発明数取得手段は、特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を出願人数で除算して単位出願人当たりの発明数を取得し、発明数取得手段は、取得した単位出願人当たりの発明数を前記取得した全公報について積算して発明数の総和を取得するようにしたので、共同出願が多い企業であっても、精度良く企業の発明数の生産性を判断することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業の所定技術分野において特許出願生産性を算出するようにしたので、技術開発が多岐にわたっている企業であっても、技術分野毎や製品部門毎に発明数の生産性を判断することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、特定企業が集計時よりも出願審査の請求期間以前における第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する審査請求期間前公報取得手段と、第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報から出願件数とその出願の中で審査請求された審査請求件数とを取得して前記取得した審査請求件数を出願件数で除算して推定審査請求率を算出する推定審査請求率取得手段と、算出した特許出願生産性と推定審査請求率とを乗算して審査請求生産性を算出する審査請求生産性算出手段と、算出した審査請求生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、過去の審査請求の実績に基づいて特許出願生産性を補正することが可能となり、特許出願の生産性を利用し易い形に補正することが可能となる。利用者は審査請求生産性を閲覧することによって、将来の特許出願の生産性又は権利化の可能性を予測することが可能となり、有効な出願が多い企業であるか否か、防衛出願が多い企業であるか否か、または無駄な出願が多い企業であるか否かを判断することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する第1の公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、特定企業が第4の所定期間内にした特許出願のうち設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する第4の公報取得手段と、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数で除算して平均登録所要期間を算出する平均登録所要期間算出手段と、特定企業が第5の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報とその特許出願のうち所定時期までに設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する第5の公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報に基づいて特定企業が所定期間内に出願した累計特許出願件数を所定時期毎に取得する累計特許出願件数取得手段と、取得した登録公報に基づいて所定時期までに設定の登録がなされた特許の累計特許登録件数を所定時期毎に取得する累計特許登録件数取得手段と、取得した累計特許登録件数を累計特許出願件数で除算した累計特許登録率を所定時期毎に算出する累計特許登録率算出手段と、累計特許登録率の自然対数を所定時期毎に算出してその回帰直線又は回帰曲線を算出し該算出した回帰直線又は回帰曲線に前記算出した平均登録所要期間を代入して将来の推定登録率を算出する推定登録率算出手段と、算出した特許出願生産性と推定登録率とを乗算して特許取得生産性を算出する特許取得生産性算出手段と、算出した特許取得生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、最終的に特許を取得するであろうと推定される推定登録率に基づいて特許出願生産性を補正することが可能となり、厳密な意味としての研究開発費と特許を生み出す生産性を利用者に提供することが可能となる。企業にとって重要なことは、最終的に何件の特許を取得するかであるので、本発明に係る特許取得生産性を利用者に提供することにより、利用者は技術分野毎の開発力の強弱を判断することが可能となる。
また本発明によれば、特許出願生産性と審査請求生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費を有効に投入して特許出願した発明が有効に審査請求されているか否かについて、企業毎、あるいは技術分野毎に評価することが可能となる。
また、研究開発費の投資金額に対し効率よく特許の出願がなされるとともに審査請求の比率が高く、出願した発明は無駄にしないという姿勢の企業や、投資金額の割には発明が十分に創作されておらずしかも出願審査の請求率の値が低く、研究開発に対する投資金額が有効に利用されていない状況にある企業などを容易に探すことが可能となる。
また本発明によれば、特許出願生産性と特許取得生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費を有効に投入して有効な特許を取得している企業であるか否かを容易に調査することが可能となる。
また、特許出願件数が少ないにもかかわらず高い特許出願生産性を示す企業や、特許出願について効率のよい研究開発費のかけかたを行っている企業、研究開発の手法が優れている企業を容易に探すことが可能となる。
また、特許出願が非常に高い確率で特許登録に至っている企業を探すことによって、研究開発費当たりの特許登録率が高くなることが予測されるとともに、将来技術について高い独占状態となる可能性が高い企業を容易に探すことが可能となる。
また本発明によれば、審査請求生産性と特許取得生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費を有効に投入して特許出願、審査請求をした特定企業の発明が、有効に設定の登録がなされているか否かを判断することが可能となる。
また、出願した発明について高い比率で審査請求するとともに高い確率で権利化する傾向がある企業であるか否か、更には発明を権利化して特許を大切にするという特徴を有する企業であるか否かを容易に判断することが可能となる。
また、出願した発明について審査請求生産性の値も低く特許取得生産性の値も低い企業の場合には、審査請求の件数が少なく特許として権利化できる割合も低いので、権利化に関して無駄になっている特許出願が多い企業であるか否かや、特許出願について戦略上何らかの問題がある可能性が認められる企業であるか否かを容易に判断することが可能となる。
また、複数の業界や技術分野において特許生産性に関する指標を演算して各企業の分布を表示することによって、利用者は各業界の特徴や、その業界内における特徴のある企業の存在を容易に見い出すことが可能となる。更に表示された企業の価値や状況の判断に役に立てることが可能となる。
図1は、企業評価システムの全体構成を示す図である。
図2は、企業評価装置の信号処理系ブロック図である。
図3は、経営財務情報の一例を表す図である。
図4は、技術情報の一例を示す図表である。
図5は、企業評価装置が算出する「事業、収益、市場価値関連」の各指標とその計算式を例示する図表である。
図6は、企業評価装置が算出する「事業、収益、市場価値関連」の各指標とその計算式を例示する図表である。
図7は、企業評価装置が算出する「R&D、特許関連」の各指標とその計算式を例示する図表である。
図8は、企業評価装置が算出する「R&D、特許関連」の各指標とその計算式を例示する図表である。
図9は、企業評価装置が算出する「特許ポートフォリオ関連」の各指標その計算式を例示する図表である。
図10は、電機機器業界における特許取得(登録)関連指標の表示例を示す図表である。
図11は、化学業界における特許取得(登録)関連指標の表示例を示す図表である。
図12は、電機機器業界の各企業毎の平均登録所要年数(PTMY)を表記した図表である。
図13は、化学業界の各企業毎の平均登録所要年数(PTMY)を表記した図表である。
図14は、電気機器業界の10社について特許生産性に関する指標を算出して表記した図表である。
図15は、化学業界の10社について特許生産性に関する指標を算出して表記した図表である。
図16は、電気機器業界における特許出願生産性(PPFI)と特許取得生産性(PPPD)との関係を示す図である。
図17は、化学業界における特許出願生産性(PPFI)と特許取得生産性(PPPD)との関係を示す図である。
図18は、化学業界における特許出願生産性(PPFI)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
図19は、電気機器業界における特許出願生産性(PPFI)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
図20は、化学業界における特許取得生産性(PPPD)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
図21は、電気機器業界における特許取得生産性(PPPD)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
図22は、推定登録率を算出する際の累計特許登録率(PTSR)を真数として対数を算出した結果を示す図表である。
図23は、累計特許登録率(PTSR)の自然対数を経年毎にプロットするとともに、その回帰曲線を表した図である。
図24は、累計特許登録率(PTSR)の自然対数を経年毎にプロットするとともに、その回帰直線を表した図である。
図25は、各種指標を算出し、出力する際の処理のフローチャートである。
図26は、企業価値を評価する際に、指標の種類を選択するための表示メニューの表示例を示す図である。
図27は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(PT)特許取得(登録)関連指標」を選択した状態を示す図である。
図28は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(PS)特許ストック関連指標」を選択した例を示す図である。
図29は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(C)収益関連指標」項目の中から「特許ストック指数」の項目を選択した例を示す図である。
図30は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「事業、収益、市場価値関連」の選択メニューの中から「(C)収益関連指標」を選択した例を示す図である。
図31は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(C)収益関連指標」の選択メニューの中から「売上高」を選択した例を示す図である。
図32は、企業価値を判断する指標を算出する際の「対象文書」及び「データの読み出し」の条件を選択する企業価値評価入力条件設定画面の表示例を示す図である。
図33は、企業価値を判断する指標を算出する際に対象となる業界又は対象となる個々の企業の条件を選択する企業価値評価入力条件設定画面の表示例を示す図である。
図34は、算出した指標の出力条件設定画面を示す図である。
図35は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(A)投資指標」を選択した状態を示す図である。
図36は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(C)投資指標」の選択メニューの中から、「投資傾向指数」を選択した例を示す図である。
図37は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(PA)特許出願関連指標」項目を選択した例を示す図である。
図38は、指標の種類を選択する表示メニューにて、利用者が「(PA)特許出願関連指標」項目の中から「出願請求項数」の項目を選択した例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る企業価値評価システムの全体構成図である。
同図に示すように企業価値評価システムは、経営財務情報、技術文献(特許に関する情報のみならず実用新案に関する数値情報、技報等を含む)、市場価値情報(市場価値の数値情報)、企業価値の妥当性を判定する閾値及び該閾値に基づく妥当性の判定結果、区分等の各種情報等を記録するデータベース20と、経営財務情報、技術文献、市場価値情報等の各種情報を入力して、企業価値の妥当性を判断した結果を出力する企業評価装置30と、前記企業評価装置30とデータベース20とを通信接続しているインターネットや専用の通信回線等の通信網10とから構成されている。
なお、データベース20は、企業評価装置30の内部に設けられていてもよい。
図2は、本発明に係る企業評価装置30の信号処理系ブロック図である。
同図に示すように企業評価装置30の情報送受信部には、公衆回線又は通信ネットワーク等の通信網364を介して他の通信機器と情報の送受信を行うための送受信手段365(経営財務情報取得手段、公報取得手段、又は出力手段の機能を含む)が設けられている。
また企業評価装置30には、利用者が入力手段370を介して入力した各種情報を取得して後述する情報処理手段に伝達したり、情報処理手段からの指示に基づいてLED等に表示指令を出力する入力インターフェース371と、画像や文字、グラフ、又は図表等の情報を表示する表示手段372と、情報処理手段の指令に基づいて表示手段372に対して表示用の画像信号を出力する表示インターフェース373(出力手段の機能を含む)と、画像や文字、グラフ、又は図表等の情報をプリンタ32等の印刷手段に出力するプリンタインターフェース374とが設けられている。なお、入力手段370は、キーボードやマウス、タブレット等の入力装置を含むものである。
また、企業評価装置30には、記録媒体377を着脱可能に装着する記録媒体装着部378と、記録媒体377に対して各種情報を記録したり読み出したりする記録媒体インターフェース379(経営財務情報取得手段、公報取得手段、又は出力手段の機能を含む)とが設けられている。なお、記録媒体377は、メモリーカード等の半導体や、MO、磁気ディスク等に代表される磁気記録式、光記録式等の着脱可能な記録媒体である。
また、企業評価装置30には、企業評価装置30の全体の制御を行う情報処理手段380と、情報処理手段380にて実行されるプログラムや各種定数が記録されているROMと、情報処理手段380が処理を実行する際の作業領域となる記録手段であるRAMとから構成されるメモリ381とが設けられている。
また、情報処理手段380は、経営財務情報取得手段、公報取得手段、平均登録所要期間算出手段、平均出願経過期間算出手段、発明数取得手段、特許出願生産性算出手段、出願人当発明数取得手段、審査請求期間前公報取得手段、推定審査請求率取得手段、審査請求生産性算出手段、累計特許出願件数取得手段、累計特許登録件数取得手段、累計特許登録率算出手段、推定登録率算出手段、特許取得生産性算出手段、表示用データ生成手段、出力手段の諸機能を実現することが可能となっている。なお、これらの全ての処理を情報処理手段380が実行する代わりに、複数の専用の処理装置を設けて、それぞれの処理装置に処理を分担して実行するようにしても本発明の目的を達成することが可能である。
また、企業評価装置30には、企業評価装置30の処理に関する各種定数やネットワーク上の通信機器に通信接続する際の属性情報、URL(Uniform Resource Locators)、ゲートウェイ情報、DNS(Domain Name System)等の接続情報、企業の経営に関する経営財務情報、特許に関する技術文献、市場価値情報、企業価値を判定する閾値及び該閾値に基づく妥当性の判定結果等の各種情報を記録するハードディスク等の記録手段384と、記録手段384に記録されている情報を読み出したり記録手段384に対して情報を書き込む処理を行う記録手段インターフェース385(経営財務情報取得手段、公報取得手段、又は出力手段の機能を含む)と、時刻を刻むカレンダ時計390とが設けられている。
企業評価装置30内の情報処理手段380と、表示インターフェース373、メモリ381、記録手段インターフェース385、カレンダ時計390等を含む各周辺回路はバス399で接続されており、情報処理手段380にて実行される処理プログラムに基づいて各々の周辺回路を制御することが可能となっている。
なお、経営財務情報、技術文献、市場価値情報等の各種のデータベースは、記録手段384に記憶されている場合や、CD−ROM、CD−RW、DVD、MO等の記憶媒体377で提供される場合、通信網364を介して他の通信機器(データベース20等)から取得する場合も考えられる。
また、上記の企業評価装置30は、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなど様々なコンピュータを利用して実現することができる。さらに、コンピュータをネットワークで接続して機能を分散して実施するようにしても良い。
前記送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の経営財務情報取得手段は、調査対象の会社の規模を示す情報若しくは会社の財務情報等の経営財務情報を記録する経営財務情報データベース(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から、調査対象の期間における研究開発費等の経営財務情報を取得することが可能となっている。
また、前記送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の公報取得手段は、出願済みの特許若しくは実用新案の公開公報、又は、調査対象の会社が所有する設定の登録がなされた特許若しくは実用新案の登録公報等の技術文献を記録する技術文献データベース(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から、調査対象の企業、調査対象の技術分野、若しくは全社等の調査対象の期間における技術文献等を取得することが可能となっている。
また、公報取得手段は、特許公報、公告特許公報、公告実用新案公報、若しくは実用新案登録公報等の登録公報、又は、公開特許公報、公表特許公報、公開実用新案公報、若しくは公表実用新案公報等の公開公報を、技術文献データベース(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から取得することが可能となっている。
また、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、平均登録所要期間、平均出願経過期間、特許出願生産性、審査請求生産性、若しくは特許取得生産性等の各種指標を、表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、特許出願生産性と審査請求生産性とを関連付けて表示するための表示用データ、特許出願生産性と特許取得生産性とを関連付けて表示するための表示用データ、審査請求生産性と特許取得生産性とを関連付けて表示するための表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の平均登録所要期間算出手段は、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、積算所要登録期間を設定の登録がなされた特許の総数で除算して平均登録所要期間を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の平均登録所要期間算出手段は、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、算出した所要登録期間を設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、積算所要登録期間を設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の平均出願経過期間算出手段は、取得した公開公報又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出し、算出した審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、積算審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた件数の総数で除算して平均出願経過期間を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の平均出願経過期間算出手段は、取得した公開公報又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出し、算出した審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、積算審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた件数の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願経過期間を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の発明数取得手段は、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の出願人当発明数取得手段は、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を取得するとともに、取得した公報に記載されている出願人数を取得し、特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を出願人数で除算して単位出願人当たりの発明数を取得することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の発明数取得手段は、取得した単位出願人当たりの発明数を取得した全公報について積算して発明数の総和を取得することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の特許出願生産性算出手段は、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の特許出願生産性算出手段は、取得した発明数を研究開発費で除算して、単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の推定審査請求率取得手段は、所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報から、出願件数とその出願の中で審査請求された審査請求件数とを取得して、取得した審査請求件数を出願件数で除算して推定審査請求率を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の審査請求生産性算出手段は、算出した特許出願生産性と推定審査請求率とを乗算して審査請求生産性を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の審査請求期間前公報取得手段は、特定企業が集計時よりも出願審査の請求期間以前における所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の推定審査請求率取得手段は、所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報から、出願件数とその出願の中で審査請求された審査請求件数とを取得して、取得した審査請求件数を出願件数で除算して推定審査請求率を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の審査請求生産性算出手段は、算出した特許出願生産性と推定審査請求率とを乗算して審査請求生産性を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の累計特許出願件数取得手段は、取得した公開公報又は登録公報に基づいて特定企業が所定期間内に出願した累計特許出願件数を所定時期毎に取得することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の累計特許登録件数取得手段は、取得した登録公報に基づいて所定時期までに設定の登録がなされた特許の累計特許登録件数を所定時期毎に取得することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の累計特許登録率算出手段は、取得した累計特許登録件数を累計特許出願件数で除算した累計特許登録率を所定時期毎に算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の推定登録率算出手段は、累計特許登録率の自然対数を所定時期毎に算出してその回帰直線又は回帰曲線を算出し、該算出した回帰直線又は回帰曲線に平均登録所要期間を代入して将来の推定登録率を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の特許取得生産性算出手段は、算出した特許出願生産性と推定登録率とを乗算して特許取得生産性を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の表示用データ生成手段は、特許出願生産性と審査請求生産性、特許出願生産性と特許取得生産性、審査請求生産性と特許取得生産性等の各指標を表形式、又はグラフ形式にて表示するための表示用データを生成することが可能となっている。
図3に、データベース20等の記録手段に記録されている経営財務情報の一例を表した図表を示す。
同図に示すように、経営財務情報には、会社の規模を示す情報と、会社の財務情報を示す情報と、会社の各種情報を組み合わせて算出した会社の組み合わせ情報とが含まれている。なお、経営財務情報のデータは、調査対象となる企業の有価証券報告書、新聞社や研究所などが提供している商用データベースなどから取得した情報を利用することができる。
会社の規模を示す情報には、従業員数、役員数、資本金、製作所数、事業所数、敷地面積、延床面積、敷地所有率、建物所有率、連結の従業員数、連結の役員数、連結の資本金、連結の製作所数、連結の事業所数、連結の敷地面積、連結の延床面積、連結の敷地所有率、又は連結の建物所有率等が含まれる。
会社の財務情報には、売上高、売上利益、営業利益、売上利益率、営業利益率、総資産時価総額比率、株主資本時価総額比率、売上高時価総額比率、製造販売利益時価総額比率、営業利益時価総額比率、総資産製造販売利益率、株主資本製造販売利益率、総資産営業利益率、株主資本営業利益率、株主資本比率、時価総額株主資本差額、研究開発費、売上高研究開発費比率、製造販売利益研究開発費比率、製造販売利益率、営業利益研究開発費比率、又は製造販売利益等が含まれる。
また、会社の財務情報には、総資産、有形固定資産、設備投資額、減価償却費、特許料等ロイヤルティ収入、金融資産(流動資産、流動負債など)、支払利息、割引料、長期プライムレート(長期借り入金利)、短期プライムレート、社債金利、10年物長期国債利回り利率、人件費(含む役員報酬、労務費)、福利厚生費、株主資本、発行済み株式総数、株価(日経平均株価など)、又は租税効果が含まれる。
会社の組合わせ情報には、従業員一人当売上高、従業員一人当研究開発費、従業員一人当売上利益、従業員一人当営業利益、従業員一人当製造販売利益等が含まれる。
以下に、製造販売利益について説明する。
会計基準の改定により2000年3月期以降の決算において、研究開発費は原則として全額費用として計上することが義務付けられた。従来、製造費用や一般管理費に含まれる研究開発費を内訳として開示していない企業が多数存在したが、この規則施行以降、損益計算に係わる研究開発費の額が明確となった。これを受けて、ここでは企業の研究開発費の実態を多角的に分析する目的で、「製造販売利益」と名づける指標を開発した。これは、営業利益に研究開発費を加算することにより求められる仮定の利益額(研究開発活動を除く本業すなわち製造販売活動が生み出した総利益額)を試算したものである。この試算額は、研究開発費が全て費用として計上されることにより、損益計算上、研究開発活動を積極化するほど営業利益は圧縮されることになるため、技術開発(知的財産)の重要性が議論されるなか、営業利益の観点のみからでは企業の収益性に関する実態は掴み難いという問題にひとつの視点を与えるものと思われる。本指標は概ね売上利益と営業利益の中間に位置付けられる指標であり、これらの指標と同時に用いることにより、企業の収益性をより立体的に把握することが可能となる。
売上利益は、売上高から製造原価を差し引くことで求められる粗利益であるが、研究開発費には製造原価に含まれるものと一般管理費に含まれるものがあるため、厳密な意味では、製造販売利益を売上利益と営業利益の中間に位置する利益指標と言うことはできない。製造販売利益とその他の利益指標の関係を数式で表すと下記の通りである。
「製造販売利益」={(売上利益)+(製造原価に含まれる研究開発費)}
−{(一般管理費)−(一般管理費に含まれる研究開発費)}
=営業利益+研究開発費の総額
図4に、データベース20等の記録手段に記録されている技術文献の一例の図表を示す。
同図に示すように技術文献には、特許や実用新案の出願情報や、登録情報等の特許文献が含まれている。技術文献のデータは、例えば特許庁の特許電子図書館のデータベース、CD−ROM公報などから取得した特許や実用新案に関する情報、その他技報等を利用することができる。
発明の出願関係の情報には、例えば企業別に、出願日、出願番号、発明の名称、発明者、出願人、請求の範囲、要約、IPC、FI、Fターム、代理人、公開日、公開番号、審査請求の有無、審査請求日、優先日、優先権主張番号、公表日、公表番号、再公表公報発行日、再公表公報番号、国際出願日、国際出願番号、国際公開日、国際公開番号、指定国、出願件数、審査請求件数、IPC別出願件数、キーワード別出願件数、出願請求項数、出願から審査請求までの年数、発明者数、出願人数(共同出願数)、国内優先の数、国内優先の基礎の数、外国からの優先の基礎の数、新規性喪失の例外申請の有無、公開公報に審査請求の記載の有無、分割出願の数、出願取下げ・放棄の数、出願変更件数、早期審査件数、出願件数(外国国別)、発明者数(外国国別)、出願人数(外国国別)、優先権主張先の数(外国国別)、優先権主張の基礎の数(外国国別)、出願分割の有無(外国国別)等の情報が含まれる。
また発明の登録関係の情報には、例えば企業別に、設定の登録日、登録公報発行日、登録番号、権利満了予定日、公告日、公告番号、維持年金納付状況、拒絶査定件数、拒絶査定確定日、拒絶査定請求項数、拒絶査定不服審判件数、審査請求後の放棄・取下げ件数、審査請求後の放棄・取下げ請求項数、無効審判の数、審判番号、審決日、無効審判の請求項数、補正却下・訂正審判の数、異議申立ての数、異議申し立ての請求項数、登録特許の発明者、登録特許の発明者数、登録特許の出願人、引用文献、登録件数、登録請求項数、登録件数の内失効した件数、出願から登録までの年数、特許登録率、特許査定率、審査請求から登録までの年数、優先審査の有無、拒絶理由回数、補正回数、補正(方式)回数、特許権の設定登録の有無、存続期間の延長登録の有無、特許権の移転の有無、登録件数(外国国別)、登録所要年数(外国国別)、審査年数(外国国別)、拒絶理由回数(外国国別)、補正回数(外国国別)、補正(方式)回数(外国国別)、異議申立ての有無(外国国別)、優先審査の有無、拒絶理由回数等の情報が含まれる。
以下に、発明数に基づいて企業を評価する際の各指標について説明をする。
一般に特許出願件数や特許出願に含まれる請求項数などの発明数が多い企業ほど新製品の開発に予算を割り当てており、将来に向けての製品開発が活発で、将来の事業の拡大や収益の向上が見込める企業であると判断することができる。
近年の工業製品は製品そのものの価値を高めるために多くの機能を備えているものが多く、製品の機能や性能に応じて製品開発に要求される技術分野が広がっている。また、開発製品の機能や性能を向上させて競争力を高める設計を行なうと、製品の開発費も高騰するので、多額の資金や人材も必要となる。
新製品開発のために多くの技術的思想の創作をして特許出願をしている企業に開発資金が十分あるならば、特許権を得た際の独占排他権に鑑みて、将来の事業の拡大や収益の向上が見込める企業であると判断できる。
また投資家や銀行は、将来性のある企業に投資を希望し、学生や中途採用の技術者は独創性のある技術力を備えた将来性のある企業での就業を希望する。
本発明では、投資家や銀行、技術者等が、複数の企業の中から、独創性のある技術力を備えた将来性のある企業を探したり、優位性を備える企業を調査する場合の判断基準となるいくつかの指標を提供する。なお本発明では特許出願等を行なった企業について説明しているが、企業に限らず自然人が出願した特許出願等について指標を算出するようにしてもよい。
特許出願の公開公報を見ると、1つの特許出願であっても複数の請求項に分けて新規性のある発明が複数記載されている場合が多い。このことから、特許出願の請求項数をもって発明数と考えることも可能である。特に近年では、一件の特許出願に含まれる請求項数が増大する傾向にある。しかし、一つの特許出願に含まれる請求項数は、技術分野や業種、企業毎にその平均値や傾向が大きく異なることが統計上判明している。したがって、単純に出願件数をもって各企業の特許出願の動向分析や他社との相対評価、技術力分析等を行なうと、場合によっては大きな誤解を招くおそれがあると考えられる。このような理由もあって、本発明の実施例では各企業の特許出願の動向や技術動向を、特許の出願件数と特許出願の請求項数との両面からとらえることとしている。
なお上記の例では、特許の出願件数と請求項数を発明数としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明数として、特許又は実用新案の登録件数、登録請求項数、審査請求件数、審査請求した請求項数、登録査定件数、登録査定請求項数、拒絶査定件数、拒絶査定請求項数、審判請求件数、審判請求の請求項数などを用途に応じて用いてもよい。また、更に上記の2つ以上の発明数を組み合わせた値、例えば(登録件数/審査請求数)を用途に応じて用いることも考えられる。
また上記の例では発明の技術分野としてIPCサブクラスを用いる例を示したが、技術情報はIPCサブクラスに限定するものではなく、IPCのセクション、クラス、サブクラス、メイングループ、サブグループ、Fターム、FI、ファセット、特許文献に含まれるキーワード等の分類を用途に応じて用いてもよい。
図5及び図6に、本発明に係る企業評価装置が算出する「事業、収益、市場評価関連」の各指標とその計算式を例示する。
同図に示すように、指標グループとして「(A)投資」と、「(B)経営財務分析」と、「(C)収益関連」と、「(D)超過収益分析」と、「(M)市場評価関連」と、「(PE)特許収益性」とを設けてあり、各グループ内には各指標の名称の例示とその概略の計算式を示してある。
また図7及び図8に、本発明に係る企業評価装置が算出する「R&D特許関連」の指標の例を一覧として示す。
同図に示すように、指標グループとして「(R)研究開発関連」と、「(PA)特許出願関連」と、「(PB)審査請求関連」と、「(PT)特許取得(登録)関連」と、「(PP)特許生産性」と、「(PS)特許ストック関連」とを設けてあり、各グループ内には各指標の名称の例示とその概略の計算式を示してある。
図9に、本発明に係る企業評価装置が算出する「特許ポートフォリオ関連」の指標の例を一覧として示す。
同図に示すように、指標グループとして「(PAP)特許出願ポートフォリオ分析」と、「(PAK)特徴的キーワード」と、「(PSI)特許類似率分析」とを設けてある。そして各グループ内には、各指標の名称の例示とその概略の計算式を示してある。
以下に、本発明に係る各指標について説明をする。
本発明では図8に示した各指標のうち、以下の2つの大分類とその下の階層に含まれる各指標に関する発明について説明する。また各指標の略称を「特許取得(登録)関連指標(PT)」、「特許生産性指標(PP)」のように定義する。
1.特許取得(登録)関連指標(PT)
(1.1)特許登録件数(PTRD)
(1.2)登録請求項数(PTCL)
(1.3)平均登録所要年数(PTMY)
(1.4)平均出願経過年数(PBMY)
(1.5)特許登録率(PTRR)
(1.6)累計特許登録件数(PTSP)
(1.7)累計特許出願件数(PTSA)
(1.8)累計特許登録率(PTSR)
(1.9)特許査定率(PTER)
(1.10)累計特許査定率(PTSE)
(1.11)有効特許件数(PTEF)
(1.12)有効特許残存率(PTEP)
2.特許生産性指標(PP)
(2.1)特許出願生産性(PPFI)
(2.2)審査請求生産性(PPEX)
(2.3)推定審査請求率(PPAR)
(2.4)特許取得生産性(PPPD)
(2.5)推定登録率(PPPR)
以下に、上記に掲げた各指標のうち、特許取得(登録)関連指標(PT)の定義について説明をする。
1.特許取得(登録)関連指標(PT)
(1.1)特許登録件数(PTRD)
特許登録件数(PTRD)は、所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許の件数を表す指標であり、発明数と考えることも可能である。その算出式を下記(式1)に示す。
Figure 0004018721
但し、
所定期間内:1999年度内、2000年度内、2001年次内(1年間内)、四半期などの指定された期間内を示す。
特許の件数:設定登録がなされた特許のみならず登録実用新案の件数を含むものであってもよい。
また、特許登録件数(PTRD)は、特許庁が発行した公開特許公報等を取得して積算する。共同出願した発明については、1件として積算してもよいし、共同出願人の数で除算したものを使用してもよい。
この所定期間内特許登録件数(PTRD)の値が大きい企業は、一般的に研究開発に注力していると考えることができる。
ただし、業種によっては出願件数が大きく異なる場合があるので、一概に所定期間内特許登録件数(PTRD)の値が大きいからといって必ずしも開発力がある企業であると判断することはできない。
(1.2)登録請求項数(PTCL)
登録請求項数(PTCL)は、所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許の全請求項数を示す指標である。その算出式を下記(式2)に示す。
Figure 0004018721
登録請求項数(PTCL)は、当該設定の登録がなされた特許に含まれる発明の数と考えることができる。一般にこの登録請求項数(PTCL)が大きい値を示すほど、その企業では発明が多くなされていると判断できるが、業種により請求項数は異なる場合がある。したがって、登録請求項数(PTCL)の値が低い企業だからといって、必ずしも発明数が少ないとは断定できない場合がある。多項制になってからでも出願件数は減少したりしたが、請求項数は着々と増加している傾向が見られることから、登録件数や登録件数を用いて企業を評価するよりも、出願請求項数や登録請求項数を用いて企業を評価する方がより正確に発明の数を捕らえることが可能な場合が多い。
(1.3)平均登録所要年数(PTMY)
平均登録所要年数(PTMY)は、所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許が、出願から設定の登録までに要した平均年数を示す指標である。その算出式を下記(式3)に示す。
Figure 0004018721
但し、
n:所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の各特許
N:所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許の総数
(=特許登録件数(PTRD))
特許出願であっても進歩性が乏しかったり、製品戦略上あまり利益が望めないなど防衛的な意味合いが強い特許出願は、製品の動向を見極めるために出願から相当期間経過してから審査請求されることが多い。一方、早めに特許として権利化すべき戦略的な出願に関しては、比較的早期に審査請求されることが多い。
したがって、出願から登録までに要した各社の平均登録所要年数は、各社における特許出願が戦略的に重要な位置付けとされているか、又は、防衛的な位置付けとされているかなどを反映していると考えることができる。したがって、早期に成立した特許は、その企業にとってかなり重要な発明であると考えることができる。
そこで本発明では上記(式3)に示すように、公報取得手段が、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得し、平均登録所要期間算出手段が、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出して、該算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、該積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数と、一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間(この場合には平均登録所要年数(PTMY))を算出している。
また、平均登録所要年数(PTMY)を算出する際に、特定企業が所定期間内にした特許出願に基づいて算出する代わりに、特定企業が所定期間内にした所定技術分野の特許出願に基づいて平均登録所要年数(PTMY)を算出するようにしてもよい。また、積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数と、一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出する代わりに、積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数のみで除算して平均登録所要期間を算出するようにしてもよい。
この平均登録所要年数(PTMY)を会社別、会社の職場別、発明者別、IPC別などの技術分野毎に分類して算出、表示することによって、利用者は企業がどの技術分野に重点を置いているかや、どの技術分野の発明を防衛的に位置づけているかなどについて知ることができる。なお、平均登録所要年数(PTMY)の指標は、その値が小さいほどその企業の技術開発力が優れているとは必ずしも判断できないので、平均登録所要年数(PTMY)の値が小さいこと自体に特別意味があるわけではない。
またどうしても権利化させたい発明は、審判を請求するなど時間を経て成立することもあり、この場合には権利化まで長期にわたることがある。また、早期に成立する特許の中には、他に例を見ない新規性のある発明であるが、製品戦略上あまり役に立たない発明が含まれることもあるので、集計判断する場合には注意を要する。
(1.4)平均出願経過年数(PBMY)
平均出願経過年数(PBMY)は、所定期間内に審査請求した特定企業の特許出願が、出願から審査請求までに要した平均年数を示す指標である。その算出式を下記(式4)に示す。
Figure 0004018721
但し、
m:所定期間内に出願審査の請求がなされた特定企業の各特許出願
M:所定期間内に出願審査の請求がなされた特定企業の特許出願の総数
各企業の製品別やIPC別に平均出願経過年数(PBMY)を算出してみると、早期に特許権利化すべき戦略的に重要な技術分野の特許出願に関しては比較的早期に審査請求されることが多い。
そこで本発明では、上記(式4)に示すように、公報取得手段が、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち出願審査の請求がなされた公開公報又は設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得し、平均出願経過期間算出手段が、取得した公開公報又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出して、該算出した審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、該積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた件数の総数と、一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願経過期間(この場合には平均出願経過年数(PBMY))を算出している。
また、平均出願経過年数(PBMY)を算出する際に、特定企業が所定期間内にした特許出願に基づいて算出する代わりに、特定企業が所定期間内にした所定技術分野の特許出願に基づいて平均登録所要年数(PTMY)を算出するようにしてもよい。また、積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の総数と、一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願成果期間を算出する代わりに、積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の総数のみで除算して平均出願経過期間を算出するようにしてもよい。
この平均出願経過期間を会社別、会社の職場別、発明者別、IPC別などの技術分野毎に分類して算出、表示することによって、上記平均登録所要年数(PTMY)の場合と同様に、利用者は企業がどの技術分野に重点を置いているかや、どの技術分野の発明を防衛的に位置づけているかなどについて知ることができる。
(1.5)特許登録率(PTRR)
特許登録率(PTRR)は、所定期間内にされた特定企業の特許出願件数のうち、設定の登録がなされた登録件数の比率を示す指標である。その計算式を下記(式5)に示す。
Figure 0004018721
上記(式1.5)に定義する特許登録率によれば、各所定期間内に出願された特許出願件数のうち、設定の登録がなされる特許の件数は時間の経過と共に変動する。ここでは、最初の設定登録を計数しており、異議申し立てによる取消決定や無効審判による無効審決の確定等による特許の消滅は考慮に入れていないので、特許登録率は年毎に必ず増大し、特許として設定の登録が出終わったときに一定値に収斂することになる。
但し、審査請求期間の終了と審査に要する期間とを経過した後に特許登録率は極大値となり、以後増加しないと考えられる。特許登録率が相対的に大きな値を示す企業は、極めて早期に審査請求を行っているとともに、特許権の取得を戦略的かつ積極的にしようとしていると判断することができる。
(1.6)累計特許登録件数(PTSP)
累計特許登録件数(PTSP)は、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち、所定時期までに設定の登録がなされた累計の特許の登録件数を示す指標である。その計算式を下記(式6)に示す。
Figure 0004018721
但し、
所定期間:1994年1月1日〜1996年12月31日などの期間を示す。
所定時期:1999年度末日、2000年度末日、2001年次末日、集計した日などの時期を示す。
一般に累計特許登録件数(PTSP)には、存続期間満了により消滅した特許も含むものとする。但し、異議申立てによる取消決定や、無効審判による無効審決確定により消滅した特許権を減算するようにしてもよいし、放棄、取下げ、却下により消滅した特許権を減算するようにしてもよい。また、拒絶査定不服審判を請求した結果、特許として設定の登録がなされた場合には特許の登録件数は増加することもあるが、ここでは省略する。特許登録件数(PTSP)の値が大きく算出される企業は、特許出願に対して早期に審査請求するとともに多くの特許権を取得していると判断することが可能である。
本発明の実施例では累計特許登録件数(PTSP)を集計するにあたって、特許庁のCD−ROM公報が出願公開、登録ともに存在する1994年次以降所定時期までの特許出願について設定の登録がなされた特許について集計している。更に古い年次の出願公開や登録のデータが入手できれば、更に古い年次から集計するようにしてもよい。また、1994年以降に限定されるものではなく、2000年以降など新しい年次からのデータを集計して各指標を算出するようにしてよい。このように最近の年次から集計して累計特許登録件数(PTSP)を算出した場合には、特許出願から特許査定まで所定の年月を必要とすることから、特許登録件数(PTRD)の値の方が大きく算出される場合があり得る。
(1.7)累計特許出願件数(PTSA)
累計特許出願件数(PTSA)は、特定企業が所定期間内した累計の特許の出願件数を示す指標である。その計算式を下記(式7)に示す。
Figure 0004018721
(1.8)累計特許登録率
累計特許登録率(PTSR)は、累計特許出願件数(PTSA)と累計特許登録件数との割合を示す指標である。その計算式を下記(式8)に示す。
Figure 0004018721
累計特許登録率(PTSR)及び累計特許出願件数(PTSA)は、本実施例では特許庁のCD−ROM公報が出願公開、登録ともに存在する1994年次以降の出願について集計して算出している。出願公開や登録のデータが入手できれば、更に古い年次から集計するようにしてもよい。また、1994年以降に限定されるものではなく、2000年以降など新しい年次からのデータを集計して各指標を算出するようにしてよい。
(1.9)特許査定率(PTER)
特許査定率(PTER)は、所定期間内にされた特定企業の出願審査の請求件数(出願時期は不問)と、その中で設定の登録がなされた特許の登録件数との比率を示す指標である。その計算式を下記(式9)に示す。
Figure 0004018721
所定期間内(各年度内など)に審査請求された特許出願の特許査定率であるので、各所定期間内の特許査定率(PTER)は、一般に時間の経過とともに増大する。しかし、審査に要する期間を経過した後は、その年度の出願に関する特許査定率(PTER)は収斂し極大値となり、以後増加しないと考えられる。特許査定率を算出する際に、異議申立てによる取消決定や、無効審判による無効審決確定による特許権の消滅を分子から減算するようにしてもよい。
前記特許査定率(PTER)の値は、前述のとおり年度毎に変動する。審査に要する期間は、その個々の発明の技術分野や内容、審査プロセスによっても大きく異なるが、審査請求からファーストアクションまでの期間が通常2年弱とみられる。したがって、審査請求から概ね3年程度で査定が確定するものと仮定すれば、本実施例で示す1999年度から2002年次の4年間の審査請求に関する特許査定率のうち、1999年次の審査請求に係る特許査定率は極大値に近づいていると推定される。また、2002年度の審査請求に関する特許査定率は、概ね2005年〜2006年まで増大していくものと推定される。したがって2004年を公報データ取得の締切時とした場合に、1999年次に出願審査の請求をした特許出願の特許査定率が相対的に大きな企業は、審査請求した特許出願について権利化できる確率が高い企業であると考えてよい。
(1.10)累計特許査定率(PTSE)
累計特許査定率(PTSE)は、累計特許登録率と累計審査請求件数との比率を示す指標である。その計算式を下記(式10)に示す。
Figure 0004018721
累計特許査定率(PTSE)は、審査請求に係る特許がどれだけ特許登録されているかの率を示す指標である。したがって累計特許査定率(PTSE)は、時間の経過とともに増大する。
累計特許査定率(PTSE)の指標も、特許庁のCD−ROM公報が出願公開、登録ともに存在する1994年次以降所定時期までの特許出願について設定の登録がなされた特許について集計し、統計的に問題のないデータが揃う1997年以降の累計審査請求件数を各年次末等の所定時期毎に累計特許査定率(PTSE)を算出している。更に古い年次の出願公開や登録のデータが入手できれば、更に古い年次から集計するようにしてもよい。また、1994年以降に限定されるものではなく、2000年以降など新しい年次からのデータを集計して各指標を算出するようにしてよい。
(1.11)有効特許件数(PTEF)
有効特許件数(PTEF)は、所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許の件数(特許登録件数(PTRD))のうち、所定期間内に消滅した特許を除いたものであって有効に存続する特許の件数を示す指標である。その計算式を下記(式11)に示す。
Figure 0004018721
有効特許件数(PTEF)は、例えば各年度に登録された特許のうち、直近の期末に残存している件数の比率を示す指標である。一般に特許権は時間の経過と共に消滅してゆくので、各所定期間内における有効特許件数(PTEF)は減少してゆく傾向にある。
各企業及び各年度毎の有効特許件数(PTEF)を算出して比較することにより、各企業の特許により保護された技術力を推測することができる。当然多くの特許を保有する企業が、技術力が強いと判断することができる。しかし、有効特許件数(PTEF)の指標では、特許発明の内容や有効性までは考慮していないので、その特許発明が企業に多大な利益をもたらしているなど非常に強い特許であるか否かまでは判断することができないので、有効特許件数(PTEF)の数値が高い企業が必ずしも有料企業であると判断することはできないが、共通した条件下での企業評価の目安の一つとして用いることは十分可能である。
(1.12)有効特許残存率(PTEP)
有効特許残存率(PTEP)は、所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許のうち、どれだけの特許が有効に存続しているかの割合を示す指標である。その計算式を下記(式12)に示す。
Figure 0004018721
図10及び図11に、本発明に係る特許取得(登録)関連指標の表示例を示す。
図10は電気機器業界における特許取得(登録)関連指標を算出して表示した図表であり、図11は化学業界における特許取得(登録)関連指標を算出して表示した図表である。
同図に示すように、電気機器業界10社および化学業界10社を選び出し、所定期間内(ある年度)の「特許登録件数(PTRD)」、「登録請求項数(PTCL)」、「累計特許登録件数(PTSP)」、「累計特許登録率(PTSR)」、「有効特許件数(PTEF)」、「有効特許残存率(PTEP)」を対比可能に表記している。
同図に示す計算例では累計特許登録件数(PTSP)を、特許庁のCD−ROM公報が出願公開、登録ともに存在する1994年次以降にした特許出願について各年次末までに設定の登録がなされた累計の特許の件数を算出している。したがって、1994年以前に出願してその年次(所定期間内)に設定の登録がなされた特定企業の特許の件数を示す指標である特許登録件数(PTRD)よりも、小さい値をとる場合がある。
なお、前述のように、1994年以降に出願された特許出願について集計して累計特許登録件数(PTSP)を算出した場合には、特許出願から特許査定まで所定の年月を必要とすることから、特許登録件数(PTRD)の値が大きく算出される企業は、特許出願に対して早期に審査請求するとともに多くの特許権を取得しており、登録所要年数が短いと判断することができる。
累計特許登録率(PTSR)は、1994年次以降にした特許出願について各年次末までに設定の登録がなされた累計の特許の件数を1994年次以降の累計特許出願件数(PTSA)で除して%表記したものである。
図10及び図11に示すように、電機機器業界について算出した「特許登録件数(PTRD)」、「登録請求項数(PTCL)」、「累計特許登録件数(PTSP)」、「有効特許件数(PTEF)」の各指標の値は、化学業界について算出した各指標と比較すると約1桁多い値として表されていることが認められる。この結果から、電気機器業界の方が化学業界よりも特許に関する競争が熾烈であると判断することができる。
特に図10に示すように、電気機器業界のMS社とNC社の「特許登録件数(PTRD)」及び「登録請求項数(PTCL)」の指標が他社と比較して群を抜いて大きな値となっているので、多くの発明がなされているとともに、研究開発が活発で、技術に関する競争力が強いと推測できる。
一方、PI社の場合には、特許登録件数(PTRD)及び累計特許登録件数(PTSP)の指標の値は小さい値を示すものの、後述する特許出願生産性(PPFI)、特許取得生産性(PPPD)などでは、高い値を示す(図14参照)ので、一概に特許登録件数(PTRD)や登録請求項数(PTCL)が少ないからといって、必ずしもその企業の特許の評価が悪くなるということではなく、調査目的や調査対象となる企業の規模、又は業務分野に応じて複数の指標を算出して比較検討する必要がある。
また、図10及び図11に示すように有効特許残存率(PTEP)の指標の値は、電気機器業界及び化学業界ともに99%以上の値を示す企業が多いことから、一旦取得した特許については、その年度内に放棄など消滅することがあまりないことが窺える。
図12は、電機機器業界の各企業毎の平均登録所要年数(PTMY)を1994年から4年次にわたって算出して表記した図表である。また、図13は、化学業界の各企業毎の平均登録所要年数(PTMY)を同様に表記した図表である。
図12に示すように、電気機器業界では、各年次とも平均登録所要年数(PTMY)の短さではNC社が1位を占めている。2002年次のNC社の平均登録所要年数(PTMY)は、4年以下と短期間であり、おそらく出願と同時に審査請求しているか、場合によっては早期審査の申し出をしていることが窺われる。このNC社の場合には、特許出願した重要な発明については早期に権利化して活用するという企業独自の姿勢が窺われる。
一方、SN社、PI社の場合には平均登録所要年数(PTMY)の数値が9年前後と算出されていることから、技術や製品が成熟するのを待って、発明とその有効性について慎重に検討してから出願審査の請求を行なってから権利化しているものと推測できる。同図に示すように、NCとSN社又はPI社との平均登録所要年数(PTMY)の値の比較では、特許出願から設定の登録までの平均の期間について5年もの差が見られることから、企業毎に発明の重要性や発明に対する期待など、特許に対する姿勢が大きく異なっていることが予測できる。
図13に示すように、化学業界では際立った差は見られないものの、平均登録所要年数(PTMY)の値が短いもので6年強、遅くても9年弱であるとともに、各社共にほぼ横並びであると判断することが可能である。
図12と図13とに表記された平均登録所要年数(PTMY)の値を比較することによって、電気機器業界では生き馬の目を抜くような熾烈な技術開発の戦いが行われているが、化学業界ではさほど緊迫した状況にないことを読み取ることができる。
また、石油・ゴム業界、窯業業界、鉄鋼・非鉄・金属製品業界、機械・造船業界、自動車・輸送機器業界、精密機械業界、その他の製造業などについてそれぞれ平均登録所要年数(PTMY)の値を算出して比較することによって、各業界毎の特徴や、その所定の業界の中での各企業の特徴を読み取ることが可能となり、業界の特徴や企業価値を判断する際に役立てることが可能となる。
以下に、特許生産性指標(PP)の定義について説明をする。
2.特許生産性指標(PP)
特許生産性指標(PP)は、研究開発費によって創作された特許発明の生産性を判断する指標である。
特許出願や実用新案登録出願という結果は、研究開発費の投入による成果の一部と考えることができる。研究開発費の用途は多岐にわたるので、特許出願や実用新案登録出願が研究開発費投入の結果を全て表現していると言い切ることはできないが、企業における研究開発の効率を測る指標として活用することができる。
(2.1)特許出願生産性(PPFI)
特許出願生産性(PPFI)は、特定企業の単位研究開発費当たりの出願請求項数を表す指標である。その算出式を下記(式13)に示す。
Figure 0004018721
本発明では上記(式13)に示すように、公報取得手段が、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願の公開公報、又は登録公報をデータベースから取得し、発明数取得手段が、取得した公開公報又は登録公報から特許出願の件数又は請求項数等の発明数を取得し、経営財務情報取得手段が、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得し、前記取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性(PPFI)として算出している。なお本発明の実施例では、特許出願の場合について説明しているが、出願された実用新案についても同様に特許出願生産性(PPFI)を算出することが可能である。
また、特許出願生産性(PPFI)を算出する際に、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願に基づいて算出する代わりに、特定企業が第1の所定期間内にした所定技術分野の特許出願に基づいて特許出願生産性(PPFI)を算出するようにしてもよい。
また本発明では、集計対象の特許公報は第1の所定期間内に出願されたものを使用し、研究開発費は第2の所定期間内(第1の所定期間以前)の値を使用して特許出願生産性(PPFI)を算出している。
例えば3月期決算の企業の場合の特許出願生産性(PPFI)は、以下のように計算する。
Figure 0004018721
但し、
・特許出願が共同出願である場合には、出願請求項数(PACL)として請求項数を共同出願人の数で除した値を用いてもよい。
・出願請求項数(PACL)の代わりに出願件数を用いてもよい。
・出願請求項数(PACL)には、当年次の出願請求項数を用いる他、会計年度の出願請求項数を用いてもよい。
・研究開発費(RDE)として、過去数年に遡って研究開発費を累計した「研究開発投入ストック」、又は「研究開発費の総額」を用いてもよい。
上記実施例で、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願に対して、その特許出願の前年度(第2の所定期間内)の研究開発費(RDE)を用いて特許出願生産性(PPFI)を算出したのは、本願発明の発明者が各企業における特許出願生産性(PPFI)を算出して様々な企業分析をしてみた結果、研究開発費(RDE)の変動と最も相関係数が高いのは、翌年の出願請求項数(PACL)であるとの知見を見出したからである。しかし、比較する内容により、当年度の研究開発費(RDE)との比率を求めてもよいし、他の年度との比率を求めてもよい。
上記算出した特許出願生産性(PPFI)の値が大きいほど、研究開発における出願請求項数(PACL)又は発明数の生産性が高いと考えることができる。また、より厳密で信頼性の高い特許出願生産性(PPFI)を算出するために、共同出願の場合には、単位出願人当たりの発明数を取得し、それを取得した全公報について積算して特許出願生産性(PPFI)を算出するようにしてもよい。
その場合には、公報取得手段が、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願の公開公報、又は登録公報をデータベースから取得し、出願人当発明数取得手段が、取得した公開公報又は登録公報から特許出願の件数又は請求項数を取得するとともに取得した公報に記載されている出願人数を取得し、特許出願の件数又は請求項数を出願人数で除算して単位出願人当たりの発明数を取得し、発明数取得手段が、取得した単位出願人当たりの発明数を取得した全公報について積算して発明数の総和を取得し、経営財務情報取得手段が、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得し、特許生産性算出手段が、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する。
なお、ここで注意しなければならないことは、研究開発費(RDE)当たりの出願請求項数(PACL)は、技術分野によって研究開発に要する研究開発費(RDE)、及び出願請求項数(PACL)が大きく異なるため、特許出願生産性(PPFI)を同業他社間で比較分析する場合や、同業種間での相違を分析する目的以外に使用する場合には、大きな誤解を招く危険性があることである。
また上記(式13)では、特許出願生産性(PPFI)を算出する際に分子に出願請求項数(PACL)を用いたが、出願件数等のその他の発明数を用いて特許出願生産性を算出するようにしてもよい。また、出願請求項数(PACL)又は発明件数として、当年次の値を用いているが、会計年度に合わせた値を用いて特許出願生産性を算出してもよい。
また、研究開発費(RDE)についても、理想的には過去数年に遡って研究開発を累計したいわば「研究開発投入ストック」値を用いたほうがよいが、「研究開発費の総額」を原則として全て一般管理費に費用計上し、損益計算書の注記に開示することが義務付けられたのは2000年3月からであるため、本実施例では、分析データの公平性と信頼性の観点から1999年度以降の「研究開発費の総額」を使用している。
(2.2)審査請求生産性(PPEX)
審査請求生産性(PPEX)は、特許出願生産性(PPFI)に推定審査請求率(PPAR)を乗算して補正した指標であり、その算出式を下記(式15)に示す。
Figure 0004018721
特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求を待ってはじめて審査が行われ、審査官が拒絶の理由を発見しないときはその特許出願が権利化される。このため、特許出願後に特許を取得する意図や目的を喪失した出願については、出願審査の請求がなされないままになる場合がある。したがって、出願件数及び出願請求項数(PACL)をベースにした特許生産性(PPFI)は厳密な意味での研究開発効率を反映していないと考えることもできることから、推定審査請求率(PPAR)によって補正した生産性を算出する必要があると考えた。
(2.3)推定審査請求率(PPAR)
本発明では推定審査請求率(PPAR)を以下のように算出している。審査請求期間前公報取得手段が、集計時よりも出願審査の請求期間以前における第3の所定期間内に特定企業がした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報、又は登録公報をデータベースから取得する。次に審査請求率取得手段が、第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報、又は登録公報から、出願件数とその出願の中で審査請求された審査請求件数とを取得して、取得した審査請求件数を出願件数で除算して推定審査請求率(PPAR)を算出する。
本発明の実施例では、推定審査請求率(PPAR)を算出するにあたって、集計時(2003年)よりも出願審査の請求期間以前(7年以前)の1994年、1995年、1996年次の合計3年次内(第3の所定期間に該当する)に調査対象の企業が特許出願した際の公開公報を用いて審査請求件数を経年別に集計し、経年7年目の審査請求率を算出し、当該企業の推定審査請求率(PPAR)としている。
1994年以降の3年分(第3の所定期間内)の特許出願件数を用いたのは、年次によって発生する誤差を少なくするためであり、第3の所定期間の年数は上記の3年に限定するものではない。また、当年度だけの審査請求率を用いてもよいし、ある年度だけの審査請求率を用いてもよい。
なお、推定審査請求率(PPAR)を算出する際に、経年7年目の累計審査請求率を採用したのは、出願審査の請求期間は当時特許出願から7年以内(平成13年10月1日以降は3年以内)に行わなければならないという制度上の理由からである。
(2.4)特許取得生産性(PPPD)
特許取得生産性(PPPD)は、特許出願生産性(PPFI)を推定登録率(PPPR)によって補正した指標である。その計算式を下記(式16)に示す。
Figure 0004018721
推定登録率(PPPR)は、最終的に特許を取得すると推定される率である。この推定登録率(PPPR)を用いて特許出願生産性(PPFI)を補正することによって、特許取得生産性(PPPD)を算出する。推定登録率(PPPR)を算出するにあたっては、各社の過去の特許出願が特許として登録された際の実績値を用いるとよい。このようにして算出した特許取得生産性(PPPD)は、厳密な意味での研究開発と特許出願との関係を示していると考えられる。各企業について特許取得生産性(PPPD)を算出してみると、各年次に同じ規模の特許出願を行っている企業であっても、算出した特許取得生産性(PPPD)の値は大きく異なることがある。推定登録率(PPPR)は以下のようにして算出する。
(2.5)推定登録率(PPPR)
推定登録率(PPPR)の算出は、視覚的には特許出願件数に対してそれ以降の特許登録件数がどのように増加するかを全出願件数から実績の累計登録率(%)を求め、この累計登録率(%)を自然対数に変換してY軸に、経年数をX軸にプロットする。この分布の回帰直線を求め、企業の平均登録所要年数の値をX軸に求め、これに対応する回帰直線上のY軸の値を読み、このY軸の値を自然対数から普通の自然数に戻して、推定登録率とする。また自然対数を用いずに、通常の算術平均を用いて推測値の計算を行なってもよい。
具体的に推定登録率(PPPR)を算出するには、先ず、公報取得手段(第5の公報取得手段)が、特定企業が第5の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報と、その特許出願のうち所定時期までに設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得し、累計特許出願件数取得手段が、該取得した公開公報又は登録公報に基づいて特定企業が所定期間内に出願した累計特許出願件数を所定時期毎に取得する。
次に累計特許登録件数取得手段が、取得した登録公報に基づいて所定時期までに設定の登録がなされた特許の累計特許登録件数を所定時期毎に取得し、累計特許登録率算出手段が、取得した累計特許登録件数を累計特許出願件数で除算した累計特許登録率を所定時期毎に算出して、推定登録率算出手段が、累計特許登録率の自然対数を所定時期毎に算出してその回帰直線又は回帰曲線を算出し該算出した回帰直線又は回帰曲線に前記算出した平均登録所要期間を代入して、将来の推定登録率を算出する。
以下に、特許生産性指標(PP)の表示例等について説明をする。
図14は電気機器業界の10社について、所定期間(所定年次)における特許出願生産性(PPFI)、審査請求生産性(PPEX)、及び、特許取得生産性(PPPD)の3指標を算出して表記した図表である。また、図15は、化学業界の10社について同様に特許生産性に関する3指標を算出して表記した図表である。
同図に示す例では、特許出願生産性(PPFI)の値を算出する際に、単位研究開発費(RDE)10億円当りの出願請求項数(PACL)を算出した。なお、単位研究開発費当たりの発明数は該出願請求項数(PACL)に限定されるものではなく、発明数として出願件数を用いてもよいし、実用新案登録出願の請求項数や、実用新案登録出願の件数を用いてもよい。また、単位研究開発費の代わりに発明者数を用いてもよい。
図14に示すように、電気機器業界のMS社では、特許出願生産性(PPFI)の値は761.1と算出されているので、研究開発費10億円当り761項以上の請求項が出願されていることになる。
また審査請求生産性(PPEX)の値は442.9と算出されているので、前記761.1項の請求項のうち約442.9項が審査請求されると推定している。そして、この審査請求を行なった442.9項の請求項うち、特許取得生産性(PPPD)の計算値から、152項の請求項が実際に設定登録されると推定できる。
図16は、電気機器業界における特許出願生産性(PPFI)と特許取得生産性(PPPD)との関係を示す図である。
同図は、横軸(x軸)を特許出願生産性(PPFI)とし、縦軸(y軸)を特許取得生産性(PPPD)として、各社の該当位置をプロットしたものである。なお同図では、プロットした各社を識別するために、MS、PIなどの略称を図中に付してある。
同図に表記されている直線は、プロットした各社の位置の平均値を示す回帰直線であり、同図の上部には、この回帰直線の一次式を表記してある。
同図に示すように、一般に特許出願生産性(PPFI)の値が高く算出される企業は、特許登録件数(PTRD)の値も大きくなり、結果として特許取得生産性(PPPD)も高くなる傾向にあることが認められる。
同図に示すMS社とPI社では、特許出願生産性(PPFI)の値も特許取得生産性(PPPD)の値も高く算出されていることが認められる。一方、FJ社では、特許出願生産性(PPFI)の値が低く算出されており、併せて特許取得生産性(PPPD)の値も低く算出されている。
また同図に示すように電気機器業界では、特許出願生産性(PPFI)の値と特許取得生産性(PPPD)の値とが極めて大きく算出されるMS社及びPI社と、その他の企業との2つのグループに分離していることも認められる。
MS社は、それなりに研究開発費(RDE)を投資しているが図10からも類推できるように出願件数がたいへん多いことから、高い特許出願生産性(PPFI)を示す。
一方のPI社は、図10に見られるように特許出願件数が少ないにもかかわらず研究開発費(PPFI)が少ないために高い特許出願生産性(PPFI)を示している。しかもこの両社は、高い特許取得生産性(PPPD)を示している。したがってこの両者は、特許出願について効率のよい研究開発費のかけかたを行っていると判断することができ、研究開発の手法が優れている企業であると考えることができる。
また、NC社、SH社は、同程度の特許出願生産性(PPFI)を示す他社と比較して非常に高い特許取得生産性(PPPD)を示している。これは、従来両社の特許出願が非常に高い確率で特許登録に至っていることから、研究開発費当たりの特許登録率が高くなることを予測している。したがって将来、技術について高い独占状態となる可能性が高いことを予測することができる。
一方FJ社は、特許出願生産性(PPFI)も低く、特許取得生産性(PPPD)も低いことから、研究開発費(RDE)の投入の結果、あまり斬新な技術に関する結果が得られていないなどの問題点がある企業であると判断することも可能である。
図17は、化学業界における特許出願生産性(PPFI)と特許取得生産性(PPPD)との関係を示す図である。
同図に示すように、化学業界ではDN社が非常に高い特許出願生産性(PPFI)を持ち、しかも特許取得生産性(PPPD)も高い。したがってDN社は、他社と比較して非常に高い特許出願生産性(PPFI)を持ち、しかも特許取得生産性(PPPD)も高く、たいへん効率よく研究開発費(RDE)を投資して発明を作り出し、しかも高い確率で特許登録が行われていることが読み取れる。したがってDN社は、特許戦略に関し高い評価を与えてよい企業であると判断できる。
また同図より化学業界では、DN社以外はほぼ1つの集団になっていることが同図から判断できる。その中でSK社は、同程度の特許出願生産性(PPFI)を示す他社と比較して非常に高い特許取得生産性(PPPD)を示している。これは、従来SK社の特許出願が、たいへん高い確率で特許登録に至っていることを物語っている。
一方、AK社は、特許出願生産性(PPFI)も低く、特許取得生産性(PPPD)も低いことから、研究開発費の有効活用に関し問題がありそうな企業であることが窺える。
図18は、化学業界における特許出願生産性(PPFI)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
同図は、横軸(x軸)を特許出願生産性(PPFI)とし、縦軸(y軸)を審査請求生産性(PPEX)として、各社の該当位置をプロットしたものである。同図にも、プロットした各社を識別するための略称を図中に付してある。
同図に示すように化学業界では、各社がほぼ回帰直線付近に位置付けされている。また図17と同様に、DN社1社のみが両指数の高いところに位置し、他の企業はほぼ左下側に偏っている。
また同図によればDN社は、特許出願生産性(PPFI)が高くしかも審査請求生産性(PPEX)も高いことから、DN社では研究開発費の投資金額に対し効率よく特許の出願がなされ、しかも審査請求の比率が高く、出願した発明は無駄にしないという会社の姿勢が窺われる。
一方、AK社やKO社では、特許出願生産性(PPFI)の値も低く、審査請求生産性(PPEX)の値も低いので、投資金額の割には発明が十分に創作されず、しかも出願審査の請求率の値が低いので、研究開発に対する投資金額が有効に利用されていない状況にあると判断することができる。
図19は、電気機器業界における特許出願生産性(PPFI)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
同図に示すように電気機器業界では、MS社とPI社が高い特許出願生産性(PPFI)の値と審査請求生産性(PPEX)の値を示している。他の企業の値は回帰直線の左下付近に位置している。
同図によればMS社とPI社の両社は、研究開発費の投資金額に対して効率よく発明を創作して特許出願し、しかも審査請求の比率が高く、出願した発明は無駄にしないという会社の姿勢が窺われる。
一方のFJ社は、特許出願生産性(PPFI)も低く、審査請求生産性(PPEX)も低いので、研究開発費の投資金額の割にみ発明の創作が十分に行われておらず、しかも審査請求率が低いので投資金額が有効に利用されていないと判断することができる。
図20は、化学業界における特許取得生産性(PPPD)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
同図は、横軸(x軸)を審査請求生産性(PPEX)とし、縦軸(y軸)を特許取得生産性(PPPD)として、各社の該当位置をプロットしたものである。同図にも、プロットした各社を識別するための略称を図中に付してある。
同図に示すように化学業界では、DN社が審査請求生産性(PPEX)の値と特許取得生産性(PPPD)の値が飛びぬけて大きく算出されていることが判断できる。他の企業は左下側に位置付けられている。
同図によればDN社は、審査請求生産性(PPEX)の値も特許取得生産性(PPPD)の値も高く算出されているので、出願した発明については、高い比率で審査請求するとともに高い確率で権利化しており、この会社は発明を権利化して特許を大切にするという企業の特性が窺われるので、この企業は特許の面から高く評価することができる企業であると判断することができる。
SK社の場合には、審査請求生産性(PPEX)の値はあまり高くないものの、特許取得生産性(PPPD)の値が高い数値を示している。これは、SK社が特許出願した発明について厳選して審査請求し、審査請求した発明については高い確率で権利化していることを読み取ることができる。
AK社の場合には、審査請求生産性(PPEX)の値も低く、特許取得生産性(PPPD)の値も低いので審査請求の件数が少なく、しかも特許として権利化できる割合も低いので、権利化に関して無駄になっている特許出願が多いことがわかる。
図21は、電気機器業界における特許取得生産性(PPPD)と審査請求生産性(PPEX)との関係を示す図である。
同図に示す電気機器業界では、PI社とMS社の審査請求生産性(PPEX)の値と特許取得生産性(PPPD)の値が高い値を示している。他の企業の場合には、前記2社と大きくかけ離れて左下側に位置付けられている。
同図によればPI社とMS社は、特許出願について出願審査の請求をする割合が高く、しかも特許として権利化される確率が統計的に高い企業であると判断できる。
逆にFJ社の場合には、審査請求生産性(PPEX)の値も低く、特許取得生産性(PPPD)の値も低い企業であるので、特許出願について戦略上何らかの問題がある可能性が認められる企業であると判断することができる。
以上のように、各算出した特許生産性指数についてグラフに表現することによって、各企業における特許生産性の特徴を一目で把握することが可能となるので、企業を評価する際の判断に役に立つ。
また上述の2業界に限らず、石油・ゴム、窯業、鉄鋼・非鉄・金属製品、機械・造船、自動車・輸送機器、精密機械、その他製造業などについても特許生産性に関する指標を演算してそれぞれの企業の分布を見ることによって、各業界の特徴や、その業界内における特徴のある企業の存在を容易に見い出すことが可能となる。更に表示された企業の価値や状況の判断に役に立てることが可能となる。
図22は、推定登録率を算出する際の累計特許登録率(PTSR)を真数として対数を算出した結果を示す図表である。
同図に示す例では、調査対象の企業が所定期間内(1994年次、1995年次、及び1996年次など)にした特許出願の件数(累計特許出願件数(PTSA))と、同期間内に出願された特許出願のうち所定時期(各年次)までに権利化された累計特許登録件数(PTSP)との割合から累計特許登録率(PTSR)を経年毎に算出し、その自然対数を経年毎に算出している。
同図では、ある企業が1994年に3,500件、1995年に3,000件、1996年に3,500件の特許出願をした例を示している。各年の出願について、次の年から設定登録された登録件数を経年毎に累計してゆく。
経年(年)の各列にある数字は、出願からの経過年を示している。例えば1994年出願(累計)の0年目は、3,500件出願のうち登録が0件、1年目は登録が1件、2年目は累計16件で、9年目が666件であったことを示している。
また、1996年出願(累計)の0年目は、たまたま同じく3,500件出願のうち登録が0件、1年目も0件、2年目は22件で、7年目が累計で378件であったことを示している。1996年出願の列の場合には、1994年出願の場合と比較すると出願が2年遅いので、経年の欄に数値が入る行は2年分少ない。
累計登録件数(PTSP)(累計)の列は、1994年から1996年に出願された特許出願のうち、経年ごとに設定登録された特許出願の3年分(第5の所定期間内)の登録件数の合計を示している。したがって、1994年〜1996年に出願された合計10,000件の累計特許出願件数(PTSA)のうち、経年0年目(所定期間毎)の累計特許登録件数(PTSP)は、登録が0件、1年目は1件、2年目は累計46件で、7年目の累計特許登録件数(PTSP)が累計1,182件と算出される。
累計登録率(PTSR)は、累計登録件数(PTSP)(累計)を総出願件数10,000件で除算して%で表したものである。したがって累計登録率(%)(PTSR)の列では、経年0年目が10,000件中0件で0.00%、経年1年目が1件で0.01%、経年2年目が46件で0.46%、経年7年目が1,182件で11.82%と算出される。
累計登録率(In(PTSR))の列では、以下順にこれらの自然対数を算出するので、経年1年目以降それぞれ−4.61、−0.78、0.46、1.17、1.88、2.16、2.47と算出される。
図23は、累計特許登録率(PTSR)の自然対数を経年毎にプロットするとともに、その回帰曲線を表した図である。
同図では、経年数を説明変数として横軸(x軸)に取り、縦軸(y軸)を経年毎に算出した累計特許登録率(PTSR)の自然対数に取って、これらの各点に基づいて回帰曲線を算出して表記している。
本発明では推定登録率を、算出した回帰曲線に当該企業の平均登録所要年数(PTMY)(所定期間内に設定の登録がなされた特定企業の特許が、出願から設定の登録までに要した平均年数の実績値を示す指標)を代入することによって将来の登録率と推定して算出する。
同図に示す回帰曲線は対数近似曲線で、(y=3.5303ln(x)−3.9053)と算出している。
仮にこの企業の平均登録所要年数(PTMY)が7.3年であるとすると、x=7.3を上式に代入し、y=3.112が求まる。これを自然対数の値とすると真数はln(3.112)=22.5と算出される。したがって、この企業の推定登録率(PPPR)は22.5%と推定される。
図24は、累計特許登録率(PTSR)の自然対数を経年毎にプロットするとともに、その回帰直線を表した図である。
図23では、プロットした各分散点について対数近似曲線を算出したが、本発明は対数近似曲線等の回帰曲線に限定されるものではなく、図24に示すように各分散点を回帰直線を算出して推定登録率(PPPR)を算出するようにしてもよい。
図24に示すように、各分散点の回帰直線を算出すると、回帰直線の式は(y=1.0187x−3.6807)となる。図23の場合と同様に、この企業の平均登録所要年数(PTMY)が7.3年である場合には、回帰直線の式にx=7.3を代入してy=3.76が求まる。この値を自然対数の値として真数を算出すると、ln(3.76)=42.8となる。即ち、この企業の推定登録率(PPPR)は、42.8%と推定される。
なお、企業の推定登録率(PPPR)を算出する場合に、上記の回帰直線を使用するか、又は対数近似曲線を使用するかについて、両方算出してみた結果の違いを当該企業の近年の実績と照らし合わせて、いずれの曲線を使用するか決定するようにしてもよい。上記の図23及び図24に示した例では、対数近似曲線を用いて推定登録率(PPPR)を算出する方が、実情に近かった例である。
上記のように、集計した結果に応じて近似直線を用いるか、又は近似曲線を用いるかを決定したが、どうしても推定登録率(PPPR)の値が定まらない場合や、異常値が算出されたと判断できる場合には、その企業の最近の年の実績値そのもの、又は、ある数年分の実績値を算出して用いてもよい。
また本実施例では、図23又は図24の図に表す際に見易くするために累計特許登録率(PTSR)の自然対数を用いて推測値の計算をしたが、本発明は自然対数を用いることに限定するものではなく、指数関数などの他の曲線を用いて推測値を算出するようにしてもよい。
図25に、平均登録所要期間、平均出願経過期間、特許出願生産性、審査請求生産性、若しくは特許取得生産性等の各種指標を算出し、出力する際のフローチャートを示す。
S501「企業価値評価、企業選択」にて情報処理手段380は、利用者からキーボード等の入力手段370とバス399を介して企業を選択する画面の表示指令を入力し、その指令に基づいて記録手段384から企業を選択する際の表示データを読み出して表示用の画像信号に変換して表示インターフェース373に出力する。情報処理手段380から表示用データを取得した表示インターフェース373は、表示手段372に対応した表示データに変換して出力し、表示手段372は表示インターフェース373から入力した表示データに基づいた画面を表示して利用者に通知する。
利用者は、表示手段372に表示された企業選択画面を見ながら、調査対象となる1乃至複数の企業を特定する情報を入力手段370を介して入力する。ここで入力する情報は、企業名であってもよいし、企業コードであってもよいし、企業の選択画面から企業を選択するようにしてもよい。利用者が入力手段370を介して入力した企業を特定する情報は、バス399を介して情報処理手段380が読み取る。
情報処理手段380が適切な企業の特定情報を入力した場合には、情報処理手段380は記録手段384から企業価値を評価する指標の種類を選択する表示メニューの表示データを読み出して表示用の画像信号に変換し、表示インターフェース373に出力して、例えば図26に示すような企業価値評価メニューを表示手段372に表示させる。
次のS502「企業価値評価、メニュー選択」にて利用者は、表示手段372に表示されている企業価値評価メニューを見ながら、企業価値を評価する所望の指標を選択してその旨を入力する。
図26に示す企業価値評価メニューから企業価値を判断する際の指標を選択する場合には、利用者は「事業、収益、市場価値関連」や「R&D、特許関連」、「特許ポートフォリオ関連」等の選択メニューの中から所望の指標を選択する。同図に示す例では、利用者は「R&D、特許関連」の分野に属する「(PT)特許取得(登録)関連指標」の項目を選択した例を示している。
利用者が「R&D、特許関連」の指標を選択する情報を入力すると、その入力情報は情報処理手段380に伝達され、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示する指令を表示インタースフェース373に出力するとともに、下位に存在する各指標をプルダウンメニューの形態で表示する情報を表示インターフェース373に出力する。なお、同図に示す例では、選択した項目部分のマークを□から■に変更している。
図27に、「R&D、特許関連」の下位に存在する各指標をプルダウンメニューの形態で表示した表示例を示す。
利用者は、表示手段372に表示された各指標の中から、算出する所望の指標を選択する。同図に示す例で利用者は、所定期間内に設定の登録がなされた所定企業の特許の件数を表す「特許登録件数(PTRD)」の指標を選択した例を示している。
また、利用者が「R&D、特許関連」の分野に属する「(PS)特許ストック指標」の算出を希望する場合には、図28に示すように「(PS)特許ストック関連指標」をメニューの中から選択する。
利用者が「(PS)特許ストック関連指標」の指標を選択する情報を入力すると、その入力情報を取得した情報処理手段380は、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示する指令を表示インタースフェース373に出力するとともに、図29に示すような、「(PS)特許ストック関連指標」の下位に属する各指標をプルダウンメニューの形態で表示する情報を表示インターフェース373に出力する。
利用者は、図29に示すように表示されているプルダウンメニューの中から、「特許ストック指数」の指標を選択する。すると、その入力情報は情報処理手段380に伝達され、算出する指標の演算式を決定するフラグをセットするとともに、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示し、設定した情報を利用者に通知する。
利用者が、発明の指標と、特定企業の事業、収益市場価値関連とを相互に関連付けての調査を希望する場合には、利用者は図30に示す「事業、収益、市場価値関連」の選択メニューの中から、「(C)収益関連指標」を選択する。すると情報処理手段380は、図31に示すような「(C)収益関連指標」に関連する項目が記載されたプルダウンメニューを表示手段372に表示する指示を出力する。利用者は、表示手段372に表示されたプルダウンメニューの中から、所望の収益関連指標を選択する。図31に示す例では、「売上高」を選択した例を示している。
利用者が「(C)収益関連指標」関連の「売上高」項目を選択する情報を入力すると、その入力情報は情報処理手段380に伝達され、算出する指標の演算式を決定するフラグをセットするとともに、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示し、設定した情報を利用者に通知する。
利用者が「設定」ボタンを選択して、企業価値を評価する指標の種類の選択処理が終了すると、情報処理手段380は、記録手段384から企業価値を評価する際の入力条件を設定する表示画面の表示データを読み出して表示用の画像信号に変換し、表示インターフェース373に出力して、例えば図32に示すような企業価値評価入力条件設定画面を表示手段372に表示させる。
利用者は、表示手段372に表示されている企業価値評価入力条件設定画面を見ながら、企業価値を評価する所望の条件を選択してその旨を入力する。
例えば利用者は、図32に示す企業価値評価入力条件設定画面の表示に基づいて、企業価値を判断する指標を算出する際の「対象文書」及び「データの読み出し」の条件を選択する。同図に示す例では、利用者は「対象文書」の条件として、「公開特許」と、「登録特許」を選択した例を示している。また、同図に示す例で利用者は、「データの読み出し」の条件として、「自社DB1」を選択した場合を示している。
利用者が「対象文書」及び「データの読み出し」の各条件について入力すると、その入力情報は情報処理手段380に伝達され、「対象文書」及び「データの読み出し」の条件について利用者が入力した項目のフラグをセットするとともに、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示し、設定した情報を利用者に通知する。
利用者が「設定」ボタンを選択して、「対象文書」及び「データの読み出し」の条件についての入力が完了すると、次に情報処理手段380は、図33に示すような企業価値評価入力条件設定画面の表示データを記録手段384から読み出して、表示インターフェース373を介して表示手段372に表示する指示を出力する。利用者は、表示手段372に表示された企業価値評価入力条件設定画面を見ながら、所望の評価対象の企業を選択する。同図に示す例では、利用者は企業評価の対象のうち大きな分類となる「業界」の中から「電気機器業界」を選択した例を示している。また利用者は、企業価値評価の対象のうち個別企業等の詳細な分類となる「企業」を選択して、「会社名」、「会社コード」、「出願人コード」等の入力条件を指定することが可能となっている。利用者がこの画面を見ながら右側の「対象」を選択し、更に企業を選択した場合には、会社名または会社コードや出願人コードを入力する。
利用者が「設定」ボタンを選択して企業価値評価の入力条件設定を終了すると、その入力情報は情報処理手段380に伝達され、利用者が入力した「対象」とする企業のフラグをセットするとともに、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示し、設定した会社名、会社コード、出願人コード等の情報を表示手段372に表示し、設定した情報を利用者に通知する。
利用者が「設定」ボタンを選択して、企業価値評価の入力条件の設定が終了すると、次に情報処理手段380は、図34に示すような企業価値評価出力条件設定画面の表示データを記録手段384から読み出して、表示インターフェース373を介して表示手段372に表示する指示を出力する。利用者は、表示手段372に表示された企業価値評価出力条件設定画面を見ながら、所望の表示形態を選択する。同図に示す例では、利用者は「マップの位置」に関する情報として「マップ1枚」を選択して「出力データ」として「特許出願生産性」を選択し、出力表示する情報の量として「上位20個」を選択した例を示している。
利用者が、「事業、収益、市場価値関連」と「R&D、特許関連」とを相互に関連付けて調査することを希望する場合には、図35に示す選択メニュー「事業、収益、市場価値関連」の中から、「(A)投資指標」を選択する。すると情報処理手段380は、図36に示すような「(A)投資指標」に関連する項目が記載されたプルダウンメニューを表示手段372に表示する指示を出力する。利用者は、表示手段372に表示されたプルダウンメニューの中から、所望の収益関連指標を選択する。図36に示す例では、「投資傾向指数」を選択した例を示している。
利用者が「(A)投資指標」関連の「投資傾向指数」項目を選択する情報を入力すると、その入力情報は情報処理手段380に伝達され、算出する指標の演算式を決定するフラグをセットするとともに、利用者が選択した指標の部分に選択のマークを表示し、設定した情報を利用者に通知する。
次に利用者は、図37に示す画面を見ながら「R&D、特許関連」の選択メニューの中から「(PA)特許出願関連指標」の項目を選択する。すると表示手段372には図38に示すプルダウンメニューが表示される。図38に示す例では、利用者は「(PA)特許出願関連指標」の選択メニューの中から「出願請求項数」を選択した状態を示している。
利用者が「設定」ボタンを選択して、企業価値評価出力条件の設定が終了すると、情報処理手段380が実施する処理は、図25に示すS503「組合せ選択」の処理に進む。
利用者が「事業、収益、市場価値関連」の経営財務に関する演算の実施を指定した場合には、情報処理手段380が実施する処理はS604「経営財務情報を取得」の処理に進み、利用者が「R&D、特許関連」や「特許ポートフォリオ関連」の演算の実施を指定した場合には、情報処理手段380が実施する処理は図25に示すS504「特許情報を取得」の処理に進む。
なお、利用者が「特許登録件数」等の単独演算のみを指定した場合には、組合せ処理は選択せずに、S504以降の処理のみを実施する。
例えば利用者が「R&D、特許関連」の選択メニューの中から「特許登録件数」の演算を指示した場合には、S504にて情報処理手段380は、「R&D、特許関連」の演算処理と指定された企業に関する情報に基づいて、データベース20から各社の特許公報とそれに関連する情報を取得して、演算に必要なIPCサブクラス、特許登録件数、特許の請求項数その他の情報を抽出する処理を行なう。特許情報の取得処理が終了すると、情報処理手段380が実施する処理は次のS505「特許情報の演算」の処理に進む。
S505にて情報処理手段380は、S504にて取得した特許情報と、利用者から入力した「R&D、特許関連」の演算式と、企業名等に基づいてフラグを設定した計算式を用いて、利用者所望の指標を算出する処理を行なう。
S505にて特許に関する指標の演算処理が終了すると、次に情報処理手段380が実施する処理はS506「特許情報の演算結果の整理」の処理に進む。
S506にて情報処理手段380は、特許に関する指標の演算結果に基づいて、特定企業を所定の区分に分類し、また、所定のランク分け判別等の演算処理を行なって、各種演算結果の整理を行なう。
S506にて各種演算結果の整理が終了すると、情報処理手段380が実施する処理は次のS507「グラフ生成」の処理に進む。
一方、もし利用者が「事業、収益、市場価値関連」(図36参照)から、「(A)投資指標」を選択し、さらにその中の「投資傾向指数」を選択した場合などのように「R&D、特許関連」の演算と「事業、収益、市場価値関連」など他の項目との組み合わせを希望した場合には、情報処理手段380が実施する処理はS604「経営財務情報を取得」に進む。
S604にて情報処理手段380は、データベース20から、会社の規模を示す情報、会社の財務情報、会社の組合せ情報等の各種情報を取得し、次のS605「経営財務情報の演算」にて経営財務情報の演算を行なう。
S605にて経営財務情報の演算処理が終了すると、次に情報処理手段380が実施する処理はS606「経営財務情報の演算結果の整理」に進み、経営財務情報の演算処理を行い、次のS507に進む。
S507にて情報処理手段380は、S505にて算出した特許情報の演算結果、S506にて整理した各種演算結果、S605にて演算した経営財務情報の演算結果、又はS606にて整理した各種経営財務情報の演算結果を、指標又はその演算結果等に応じた表示形式に当てはめ、表又はグラフを生成して、表示用データに変換する。
次のS508「グラフ出力」にて情報処理手段380は、S507にて生成した表又はグラフの表示データを表示インターフェース373に出力して、表示手段372に表示させる。
S508にて表示した表又はグラフを利用者が閲覧することによって、利用者は各企業の発明の多角化、発明に関する競争力、企業価値の妥当性、又はこれらの独特な発明に関する情報と経営財務情報との関連等の企業価値を、独特の指標により容易かつ的確に判断することが可能となる。
利用者が指定した企業評価の項目によっては、情報処理手段380が更にランク分けするなどして企業価値の判断を行なう場合がある。その場合に情報処理手段380は、S509「企業価値判断」にて所定の閾値等を読み出して企業価値を判断した後に、その数値、グラフ表示用のデータなどを出力し、各種指標の算出処理を終了する。
本発明によれば、公報取得手段が、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得し、平均登録所要期間算出手段が、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出して、該算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、該積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出するので、この平均登録所要年数を会社別、会社の職場別、発明者別、IPC別などの技術分野毎に分類して算出、表示することができ、利用者は調査対象の企業がどの技術分野に重点を置いているかや、どの技術分野の発明を防衛的に位置づけているかなどについて知ることが可能となる。
また、算出した平均登録所要期間が短い部門は、戦略的に重視しながら開発を進めている部門であると判断可能であり、逆に、平均登録所要期間が長い技術分野は、ある程度防衛的な部門と判断することが可能である。このように利用者が平均登録所要期間を閲覧することによって、企業の特許に対する姿勢を判断することが可能となる。
また本発明によれば、平均登録所要期間算出手段が、積算所要登録期間を設定の登録がなされた特許の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均登録所要期間を算出するようにしたので、利用者に対して見易く表示することが可能となり、利用者は平均登録所要期間を年又は月等の単位で認識して即座に理解することが可能となる。例えば、特許出願1件あたりの平均登録所要期間が、365.25日であった場合には、1年又は12ヶ月と通知することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業における所定技術分野ごとの特許出願に基づいて平均登録所要期間を算出するようにしたので、技術分野毎に競合他社と平均登録所要期間を比較したり、自社が新たな技術分野に参入するか否かの判断材料を得ることが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が所定期間内にした特許出願のうち、出願審査の請求がなされた公開公報、又は設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、前記取得した公開公報、又は登録公報に記載されている審査請求日から出願日を減算して個々の出願についての審査請求経過期間を算出し、前記算出した審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた特許の全てについて積算して積算審査請求経過期間を算出し、前記積算審査請求経過期間を前記出願審査の請求がなされた件数の総数で除算して平均出願経過期間を算出する平均出願経過期間算出手段と、前記算出した平均出願経過期間を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、早期に審査請求される傾向にある部門の特許出願は戦略的に重要な技術分野であると判断することが可能となり、また平均出願経過期間が長く算出される技術分野については、ある程度防衛的な部門であると判断することが可能となる。したがって算出された平均出願経過期間に基づいて、企業がどの技術分野に重点を置き、どの技術分野は防衛的な状況にあるかを判断することが可能となり、企業の特許に対する姿勢を判断することが可能となる。
また本発明によれば、平均出願経過期間算出手段が、積算審査請求経過期間を出願審査の請求がなされた件数の総数と一年又は一月の平均日数とで除算して平均出願経過期間を算出するようにしたので、利用者に対して見易く表示することが可能となり、利用者は平均出願経過期間を年又は月等の単位で認識して即座に理解することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業における所定技術分野ごとの特許出願に基づいて平均出願経過期間を算出するようにしたので、企業の職場別、発明者別、又はIPC別などに平均出願経過年数を集計することが可能となり、平均出願経過期間が短い部門は戦略的に力を入れている部門であるなど、技術分野毎に競合他社と平均出願経過期間を比較したり、自社が新たな技術分野に参入するか否かの判断材料を用いることが可能となる。
また本発明によれば、登録公報として、特許公報、公告特許公報、公告実用新案公報、又は実用新案登録公報等の公報を用いるとともに、公開公報として、公開特許公報、公表特許公報、公開実用新案公報、又は公表実用新案公報等の公報を用いるようにしたので、より広範囲な技術文献に基づいてより正確な企業評価を行なうことが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、算出した特許出願生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費当たりの出願請求項数を算出することが可能となり、研究開発の成果の一端である特許を生み出す生産性を測り、研究開発の効率を推し量ることが可能となる。
特許出願生産性の値が大きく算出されるほど、研究開発における特許出願件数や特許出願請求項数等の発明数の生産性が高く、特許に対する意識が高いと判断することが可能となる。また、効率良く研究投資をしている企業であるか否かを判断することが可能となる。
また、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願に対して、その特許出願の前年度(第2の所定期間内)の研究開発費を用いて特許出願生産性を算出することによって、研究開発費の変動と相関係数の高い翌年の発明数(出願請求項数など)を用いて特許出願生産性を算出することが可能となり、より精度良く企業の発明数の生産性を判断することが可能となる。
また本発明によれば当発明数取得手段は、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を取得するとともに取得した公報に記載されている出願人数を取得し、出願人当発明数取得手段は、特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数を出願人数で除算して単位出願人当たりの発明数を取得し、発明数取得手段は、取得した単位出願人当たりの発明数を前記取得した全公報について積算して発明数の総和を取得するようにしたので、共同出願が多い企業であっても、精度良く企業の発明数の生産性を判断することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業の所定技術分野において特許出願生産性を算出するようにしたので、技術開発が多岐にわたっている企業であっても、技術分野毎や製品部門毎に発明数の生産性を判断することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願若しくは実用新案登録出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、特定企業が集計時よりも出願審査の請求期間以前における第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する審査請求期間前公報取得手段と、第3の所定期間内にした特許出願若しくは実用新案登録出願の公開公報又は登録公報から出願件数とその出願の中で審査請求された審査請求件数とを取得して前記取得した審査請求件数を出願件数で除算して推定審査請求率を算出する推定審査請求率取得手段と、算出した特許出願生産性と推定審査請求率とを乗算して審査請求生産性を算出する審査請求生産性算出手段と、算出した審査請求生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、過去の審査請求の実績に基づいて特許出願生産性を補正することが可能となり、特許出願の生産性を利用し易い形に補正することが可能となる。利用者は審査請求生産性を閲覧することによって、将来の特許出願の生産性又は権利化の可能性を予測することが可能となり、有効な出願が多い企業であるか否か、防衛出願が多い企業であるか否か、または無駄な出願が多い企業であるか否かを判断することが可能となる。
また本発明によれば、特定企業が第1の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報をデータベースから取得する第1の公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報から特許出願の件数又は請求項数等の発明数を取得する発明数取得手段と、企業の経営財務情報を記録する経営財務データベースから特定企業における第2の所定期間内の研究開発費を取得する経営財務情報取得手段と、取得した発明数を研究開発費で除算して単位研究開発費当たりの発明数を特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、特定企業が第4の所定期間内にした特許出願のうち設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する第4の公報取得手段と、取得した登録公報に記載されている登録日から出願日を減算して個々の出願についての所要登録期間を算出し、算出した所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の全てについて積算して積算所要登録期間を算出し、積算所要登録期間を前記設定の登録がなされた特許の総数で除算して平均登録所要期間を算出する平均登録所要期間算出手段と、特定企業が第5の所定期間内にした特許出願の公開公報又は登録公報とその特許出願のうち所定時期までに設定の登録がなされた特許の登録公報をデータベースから取得する第5の公報取得手段と、取得した公開公報又は登録公報に基づいて特定企業が所定期間内に出願した累計特許出願件数を所定時期毎に取得する累計特許出願件数取得手段と、取得した登録公報に基づいて所定時期までに設定の登録がなされた特許の累計特許登録件数を所定時期毎に取得する累計特許登録件数取得手段と、取得した累計特許登録件数を累計特許出願件数で除算した累計特許登録率を所定時期毎に算出する累計特許登録率算出手段と、累計特許登録率の自然対数を所定時期毎に算出してその回帰直線又は回帰曲線を算出し該算出した回帰直線又は回帰曲線に前記算出した平均登録所要期間を代入して将来の推定登録率を算出する推定登録率算出手段と、算出した特許出願生産性と推定登録率とを乗算して特許取得生産性を算出する特許取得生産性算出手段と、算出した特許取得生産性を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、最終的に特許を取得するであろうと推定される推定登録率に基づいて特許出願生産性を補正することが可能となり、厳密な意味としての研究開発費と特許を生み出す生産性を利用者に提供することが可能となる。企業にとって重要なことは、最終的に何件の特許を取得するかであるので、本発明に係る特許取得生産性を利用者に提供することにより、利用者は技術分野毎の開発力の強弱を判断することが可能となる。
また本発明によれば、特許出願生産性と審査請求生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費を有効に投入して特許出願した発明が有効に審査請求されているか否かについて、企業毎、あるいは技術分野毎に評価することが可能となる。
また、研究開発費の投資金額に対し効率よく特許の出願がなされるとともに審査請求の比率が高く、出願した発明は無駄にしないという姿勢の企業や、投資金額の割には発明が十分に創作されておらずしかも出願審査の請求率の値が低く、研究開発に対する投資金額が有効に利用されていない状況にある企業などを容易に探すことが可能となる。
また本発明によれば、特許出願生産性と特許取得生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費を有効に投入して有効な特許を取得している企業であるか否かを容易に調査することが可能となる。
また、特許出願件数が少ないにもかかわらず高い特許出願生産性を示す企業や、特許出願について効率のよい研究開発費のかけかたを行っている企業、研究開発の手法が優れている企業を容易に探すことが可能となる。
また、特許出願が非常に高い確率で特許登録に至っている企業を探すことによって、研究開発費当たりの特許登録率が高くなることが予測されるとともに、将来技術について高い独占状態となる可能性が高い企業を容易に探すことが可能となる。
また本発明によれば、審査請求生産性と特許取得生産性とを関連付けてグラフ表示等するための表示用データを生成する表示用データ生成手段と、表示用データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段とを備えたので、研究開発費を有効に投入して特許出願、審査請求をした特定企業の発明が、有効に設定の登録がなされているか否かを判断することが可能となる。
また、出願した発明について高い比率で審査請求するとともに高い確率で権利化する傾向がある企業であるか否か、更には発明を権利化して特許を大切にするという特徴を有する企業であるか否かを容易に判断することが可能となる。
また、出願した発明について審査請求生産性の値も低く特許取得生産性の値も低い企業の場合には、審査請求の件数が少なく特許として権利化できる割合も低いので、権利化に関して無駄になっている特許出願が多い企業であるか否かや、特許出願について戦略上何らかの問題がある可能性が認められる企業であるか否かを容易に判断することが可能となる。
また、複数の業界や技術分野において特許生産性に関する指標を演算して各企業の分布を表示することによって、利用者は各業界の特徴や、その業界内における特徴のある企業の存在を容易に見い出すことが可能となる。更に表示された企業の価値や状況の判断に役に立てることが可能となる。

Claims (6)

  1. 特許出願された各特許出願に係る出願日、出願人を示す出願人情報、出願に係る発明数、審査請求日、設定登録日を含む特許情報と、前記各出願人の各研究開発費を含む経営財務情報とを記憶する記憶手段と、
    前記出願人情報の指定を受付ける受付手段と、
    前記受付手段が受付けた指定に係る前記出願人情報を含む前記特許情報のうち第1所定期間に出願された前記特許情報と第3所定期間に出願された前記特許情報とを抽出し、当該出願情報に対応する第2所定期間における経営財務情報を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された各出願人の前記第1所定期間に出願された前記特許情報の前記発明数の累計を、前記抽出手段により抽出された当該出願人の前記経営財務情報に含まれる前記研究開発費で除算した結果を当該出願人の特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記第3所定期間に出願された前記特許情報において、前記審査請求日が登録されている特許情報の件数を、当該特許情報群の件数で除算した結果を推定審査請求率として算出する推定審査請求率算出手段と、
    前記特許出願生産性と前記推定審査請求率を乗算した結果を審査請求生産性として算出する審査請求生産性算出手段と、
    前記抽出手段により抽出された出願人情報毎の前記第1所定期間に出願された前記特許情報群のうち、前記設定登録日が登録されている特許情報について、当該設定登録日に基づき、一定期間毎の当該特許情報の数の合計を一定期間毎の累計登録件数として導出する登録件数導出手段と、
    前記抽出手段により抽出された出願人情報毎の前記第1所定期間に出願された前記各特許情報の数の合計を出願人情報毎の累計出願件数として導出する出願件数導出手段と、
    前記抽出手段により抽出された出願人情報毎の前記第1所定期間に出願された前記各特許情報の前記各設定登録日から当該特許情報の前記出願日を減算して特許情報毎の登録所要期間を算出し、算出した各登録所要期間の累計を、前記出願人情報毎の前記特許情報の数で除算した結果を平均登録所要期間として算出する平均登録所要期間算出手段と、
    前記登録件数導出手段により導出された各出願人の前記一定期間毎の累計登録件数を、前記出願件数導出手段により導出された前記累計出願件数で除算した結果を当該出願人の一定期間毎の特許登録率として算出し、各出願人の前記一定期間毎の各特許登録率から回帰式を導出し、当該回帰式に前記平均登録所要期間を代入することにより各出願人の推定登録率を算出する推定登録率算出手段と、
    前記特許出願生産性と前記推定登録率とを乗算した結果を特許取得生産性として算出する特許取得生産性算出手段と、
    前記特許出願生産と、前記審査請求生産性と、前記特許取得生産性とを出願人情報毎に出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする企業評価装置。
  2. 前記特許情報は、前記各出願が属する技術分野を示す各技術分野情報を含み、
    前記受付手段は、更に、前記技術分野情報の指定を受付け、
    前記抽出手段は、更に、前記抽出した特許情報群のうち、前記受付手段が受付けた指定に係る技術分野情報を含む特許情報を抽出すること
    を特徴とする請求項1記載の企業評価装置。
  3. 前記出力手段は、前記技術分野情報毎に、各出願人情報に対応する前記特許出願性と前記特許取得生産性とを対応付けて出力すること
    を特徴とする請求項2記載の企業評価装置。
  4. 前記出力手段は、前記技術分野情報毎に、前記各出願人情報に対応する前記特許取得生産性と前記審査請求生産性とを対応付けて出力すること
    を特徴とする請求項2記載の企業評価装置。
  5. 前記出力手段は、前記技術分野情報毎に、前記各出願人情報に対応する前記特許出願生産性と前記審査請求生産性とを対応付けて出力すること
    を特徴とする請求項2記載の企業評価装置。
  6. CPUを備え、特許出願された各特許出願に係る出願日、出願人を示す出願人情報、出願に係る発明数、審査請求日、設定登録日を含む特許情報と、前記各出願人の各研究開発費を含む経営財務情報とを記憶する企業評価装置に実行させるプログラムであって、
    前記出願人情報の指定を受付ける受付ステップと、
    前記受付ステップが受付けた指定に係る前記出願人情報を含む前記特許情報のうち第1所定期間に出願された前記特許情報と第3所定期間に出願された前記特許情報とを抽出し、当該出願情報に対応する第2所定期間における経営財務情報を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された各出願人の前記第1所定期間に出願された前記特許情報の前記発明数の累計を、前記抽出手段により抽出された当該出願人の前記経営財務情報に含まれる前記研究開発費で除算した結果を当該出願人の特許出願生産性として算出する特許出願生産性算出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された前記第3所定期間に出願された前記特許情報において、前記審査請求日が登録されている特許情報の件数を、当該特許情報群の件数で除算した結果を推定審査請求率として算出する推定審査請求率算出ステップと、
    前記特許出願生産性と前記推定審査請求率を乗算した結果を審査請求生産性として算出する審査請求生産性算出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された出願人情報毎の前記第1所定期間に出願された前記特許情報群のうち、前記設定登録日が登録されている特許情報について、当該設定登録日に基づき、一定期間毎の当該特許情報の数の合計を一定期間毎の累計登録件数として導出する登録件数導出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された出願人情報毎の前記第1所定期間に出願された前記各特許情報の数の合計を出願人情報毎の累計出願件数として導出する出願件数導出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された出願人情報毎の前記第1所定期間に出願された前記各特許情報の前記各設定登録日から当該特許情報の前記出願日を減算して特許情報毎の登録所要期間を算出し、算出した各登録所要期間の累計を、前記出願人情報毎の前記特許情報の数で除算した結果を平均登録所要期間として算出する平均登録所要期間算出ステップと、
    前記登録件数導出ステップにより導出された各出願人の前記一定期間毎の累計登録件数を、前記出願件数導出手段により導出された前記累計出願件数で除算した結果を当該出願人の一定期間毎の特許登録率として算出し、各出願人の前記一定期間毎の各特許登録率から回帰式を導出し、当該回帰式に前記平均登録所要期間を代入することにより各出願人の推定登録率を算出する推定登録率算出ステップと、
    前記特許出願生産性と前記推定登録率とを乗算した結果を特許取得生産性として算出する特許取得生産性算出ステップと、
    前記特許出願生産と、前記審査請求生産性と、前記特許取得生産性とを出願人情報毎に出力する出力ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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