JP4018324B2 - 移動構造体給電用ケーブル繰出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削機等の移動構造体の給電用ケーブル繰出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、トンネル堀削機のような移動構造体に、外部から電力を給電する方法として、スリップリング機構付ケーブルドラムを用いる方法が考えられる。この方法は構造体の移動に応じて順次繰出される給電用ケーブルを、回転体への給電機構としてのスリップリングを備えるドラムに巻回して、移動構造体に載置する、若しくは繰出し起点に据え付けるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一般的なスリップリング機構においては、ケーブルとスリップリングとは一体化されており、容易に分離できない構造とされている。即ち、ケーブルに端末処理を施した上でスリップリングに接続する構造とされている。従って、長距離移動する構造体の場合、1つのドラム分のケーブルを使い尽くした場合、新たなケーブルに端末処理を施してスリップリングへ接続する作業が必要となる。さらに、該接続作業後に現地でケーブルをスリップリング付ドラムへ巻き直すという作業も必要になり、作業が煩雑化するという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、容易かつ迅速に給電用ケーブルの継ぎ足し作業を行うことができる移動構造体給電用ケーブル繰出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る移動構造体給電用ケーブル繰出装置は、移動構造体に電気を供給するケーブルを予めドラムに巻設したドラムユニットと、該ドラムを装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部と、該基枠部に保持された上記ドラムに巻いた上記ケーブルの一端に接続分離可能として接続される余長ケーブルを巻設する余長用の副ドラムと、該副ドラムに巻設された余長ケーブルの一端に電気接続されるように該副ドラムの胴部の内部に付設されたスリップリングと、上記基枠部に連設された集電部材と、を備え、上記ケーブルの両端にコネクタが予め付設され、かつ、上記余長ケーブルが一端に上記ケーブルのコネクタと電気接続するコネクタを有し、さらに、上記ドラムは、円筒状の胴部と該胴部の両端に設けられた円板状の一対の外鍔部と、を有し、かつ、上記副ドラムは、胴部と該胴部の両端に設けられた円板状の一対の外鍔部と、を有し、上記ドラムと上記副ドラムは、それぞれ、ローラにて上記基枠部に回転可能に保持され、さらに、上記ドラムと上記副ドラムは連結分離自在に連結されているものである。
【0006】
また、主巻回部及び該主巻回部に仕切板を境に連設された副巻回部とから成るドラムと、該ドラムの上記主巻回部に巻設された移動構造体に電気を供給するケーブルと、該ケーブルの一端に接続分離可能に接続されると共に上記副巻回部に巻設された余長ケーブルと、を有するドラムユニットを備えると共に、上記ドラムを装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部と、該基枠部に保持される上記ドラムの上記主巻回部側の外鍔部の側外方に配設されたスリップリング機構とを備え、上記ケーブルの両端にコネクタが予め付設されており、かつ、上記余長ケーブルが一端に上記ケーブルと電気接続可能なコネクタを有するとともに他端に上記スリップリング機構に電気接続可能なコネクタを有し、上記余長ケーブルの一部を蓄線部としてドラム内に確保しつつ上記余長ケーブルの一端をドラムの内部に通し外部へ引出して上記スリップリング機構に接続分離可能に電気接続し、上記基枠部は、基台部と、該基台部に水平軸心廻りに回転自在に付設された複数個のローラとを備え、上記ドラムの軸心と平行に敷設されたレール上を上記基台部が移動可能とされているものである。
また、移動構造体が、トンネル掘削機であって、全体が移動構造体に搭載されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0008】
図1は、本発明に係る移動構造体給電用ケーブル繰出装置に関係が深い参考例を示す。本発明の実施の形態では、図6に示すように、移動構造体がトンネル掘削機Fの場合を例示しており、この移動構造体給電用ケーブル繰出装置1は、全体がトンネル掘削機Fに搭載され、トンネルT外部に設置された発電装置Eからの電力を、地中を掘削しつつ前進するトンネル掘削機F(移動構造体)に供給するように構成されている。
【0009】
具体的に説明すると、図1と図2に示すように、このケーブル繰出装置1は、移動構造体に電気を供給するケーブル2を予めドラム3に巻設したドラムユニット4と、ドラム3(ドラムユニット4)を装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部5と、基枠部5に保持されたドラム3に巻いたケーブル2の一端に間接的に電気接続されるスリップリング機構6と、を備えている。さらに、上記ケーブル2の一端とスリップリング機構6とは接続分離可能とされている。
【0010】
図1と図2と図4に示すように、ドラム3は、円筒状の胴部7と、胴部7の両端に設けられた円板状の一対の外鍔部8,8と、各外鍔部8,8を貫通する軸部9とを有し、胴部7の内周面と一方の外鍔部8との隅部には、半三日月形状のコネクタ取付部10が周方向等間隔に複数設けられている。このコネクタ取付部10は、(後述する)コネクタ15及び導体13を挿入して取付けるための孔部10aを有しており、この孔部10aに連通するよう胴部7にも孔部が形成されている。また、他方の外鍔部8側の軸部9の端部9bには円板状の連結鍔部11が付設されると共に、外鍔部8に固着される円板状の取付鍔部12が付設されている。
【0011】
図1と図2と図4と図5に示すように、ケーブル2は、例えば、導体13と絶縁体14とから成るケーブル単線2aが3本撚られて形成されたものである。しかして、ドラム3にケーブル2の一端(巻初め端部)を取付ける際は、例えば、各ケーブル単線2aを胴部7に設けられた孔部からコネクタ取付部10の孔部10aへ挿通し、各ケーブル単線2aの導体13にコネクタ15を取付け、コネクタ15をコネクタ取付部10の孔部10aに差込んで固定する。そして、ドラム3にケーブル2の一端側から複数段にわたって(例えば数百mの長さを)巻回してドラムユニット4が形成される。このとき、(図示省略するが)ケーブル2の他端(巻終り端部)の各ケーブル単線2a…にもコネクタが夫々取付けられている。即ち、ドラムユニット4は、そのケーブル2の両端に予めコネクタが付設されているものとされている。
【0012】
図1と図2、及び図3(図1のA−A線断面図)に示すように、基枠部5は、基台部16と、基台部16の左右一端側及び左右中間寄りに立設された一対の支持柱17,17と、各支持柱17,17の上端に設けられた軸受部18,18と、を備える。軸受部18は、上方開口状の箱体の左右側壁を半円形状に切欠いて形成された保持部19と、保持部19の左右側壁の下部に枢着された一対のローラ20,20と、から成り、ドラム3の軸部9の一端9aは一方の軸受部18(18a)のローラ20,20にて回転自在に受持されると共に、他端9bはその上記取付鍔部12が他方の軸受部18(18b)のローラ20,20にて回転自在に受持されている。
【0013】
スリップリング機構6は、基枠部5の左右他端側に立設された支持柱21に枢着された回転軸22と、回転軸22に取付けられたスリップリング23と、支持柱21からスリップリング23側へ片持梁状に付設された複数本の取付杆に取付けられたスリップリング23に摺接する複数の集電部材27…と、を備える。
【0014】
上記回転軸22は、ドラム3と同一軸心上にかつスリップリング23側へ片持梁状に配設されており、その先端には複数の孔部24a…を有する円板状の連結鍔部24が付設されている。また、支持柱21近傍の基台部16には回転軸22を低速にて回転駆動するモータ25が設けられており、モータ25のシャフトと回転軸22の基端がプーリ及びベルト等の回転力伝達手段26にて連結されている。さらに、支持柱21の下部には各集電部材27…と電気的に接続されるコネクタ28が設けられており、このコネクタ28は移動構造体(トンネル掘削機F)の駆動部に電気接続される電気ケーブル31と電気接続される。
【0015】
ところで、回転軸22先端の上記連結鍔部24は、基枠部5の軸受部18(18b)のローラ20,20にて回転自在に受持されると共に、ドラム3の連結鍔部11とボルト・ナット結合等にて着脱自在に連結される。また、ドラム3の連結鍔部11と取付鍔部12及び外鍔部8にも、連結鍔部24の複数の孔部24a…に対応する複数の孔部が設けられている。そして、これらの孔部を通して接続用ケーブル単線29の一端がスリップリング23に電気的に接続されている。即ち、接続用ケーブル単線29は導体と絶縁体とから成り、接続用ケーブル単線29の導体がスリップリング23に電気的に接続されている。
【0016】
また、図1と図4に示す如く、この接続用ケーブル単線29の他端の導体にはコネクタ30が取付けられており、このコネクタ30をケーブル2の一端側のコネクタ15に接続することによって、ドラム3に巻いたケーブル2の一端とスリップリング23とを間接的に電気接続する。つまり、複数本の接続用ケーブル単線29…を介してケーブル2の各ケーブル単線2a…とスリップリング23とが電気接続される。なお、接続用ケーブル単線29は、スリップリング23に直接に電気接続するも、コネクタにて着脱可能に電気接続するも自由である。
【0017】
次に、このケーブル繰出装置1の動作及びドラム3の交換手順等についての一例を説明すると、モータ25にて回転軸22を低速回転することによってドラム3が一体的に低速回転し、トンネル掘削機F(図6参照)に発電装置Eからの電気を供給しつつ掘削機Fが移動した距離分のケーブル2がゆっくりと繰り出されていく。このとき、発電装置Eからの電気は、給電用ケーブル2の各ケーブル単線2a…から各接続用ケーブル単線29…、回転するスリップリング23、スリップリング23に摺接する集電部材27…及び電気ケーブル31等を介してトンネル掘削機Fの駆動部に供給される。
【0018】
そして、ドラム3に巻かれたケーブル2の残りが少なくなれば、一旦発電装置Eからの電気供給を停止し、各接続用ケーブル単線29…のコネクタ30…をケーブル2の各ケーブル単線2a…のコネクタ15…から切り離すと共に、ドラム3の連結鍔部11とスリップリング機構6側の連結鍔部24との連結を解除して、ドラム3を基枠部5から取出す。その後、基枠部5に次の新しいドラムユニット4をセットし、ドラム3と回転軸22とを連結すると共に、交換したドラム3のケーブル2の一端とスリップリング機構6とを接続用ケーブル単線29…にて電気接続する。一方、先に繰出したケーブル2の一端をドラム3から取外し、その取外したケーブル2一端のコネクタと、新しいドラムユニット4のケーブル2他端(巻終わり端部)のコネクタとを接続して、ドラムユニット4の交換作業及びケーブル2の継ぎ足し作業が完了する。その後、再び発電装置Eにて発電すれば電気がトンネル掘削機Fに供給されて、掘削作業が継続される。
【0019】
次に、図7と図8は本発明の実施の一形態を示し、この移動構造体給電用ケーブル繰出装置1は、移動構造体に電気を供給するケーブル2を予め巻設したドラムユニット4と、ドラム3を装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部5と、基枠部5に保持されたドラム3に巻いたケーブル2の一端に接続される余長ケーブル32を巻設する余長用の副ドラム33と、副ドラム33に巻設された余長ケーブル32の一端に電気接続されるように副ドラム33に付設されたスリップリング機構6と、を備えている。さらに、上記ケーブル2と余長ケーブル32とは接続分離可能とされている。
【0020】
具体的に説明すると、図7と図8、及び図9(図7のB−B線断面図)に示すように、ドラム3は、円筒状の胴部7と、胴部7の両端に設けられた円板状の一対の外鍔部8,8と、一方の外鍔部8に付設された軸部34と、を有している。また、他方の外鍔部8には切欠部35が1箇所設けられ、この切欠部35に窓部36を形成しかつ外鍔部8の外周縁の一部を構成するための円弧状の板材37が、ボルト・ナット結合等にて着脱自在に外鍔部8に取付けられている。さらに、切欠部35を有する側の外鍔部8の外面には、複数のL字型連結片38…が周方向等間隔で付設されている。なお、このドラム3に巻設されたケーブル2の一端(巻初め端部)は、外鍔部8に形成された上記窓部36から予め外部に所定長さ分引出された状態とされている。
【0021】
図7と図8に示すように、基枠部5は、基台部16と、基台部16の左右一端側に立設された支持柱17と、基台部16に回転自在に付設されたドラム受用の4個のローラ39…と、基台部16に回転自在に付設された副ドラム受け用の4個のローラ40…と、を備える。即ち、ドラム3の外鍔部8,8がローラ39…にて回転自在に受持されると共に、副ドラム33の(後述の)外鍔部42,42がローラ40…にて回転自在に受持される。
【0022】
図7〜図9、及び図10(図7のC−C線断面図)に示すように、副ドラム33は、胴部41と、胴部41の両端に設けられた円板状の上記外鍔部42,42とを有し、ドラム3側の一方の外鍔部42には切欠部43が1箇所設けられると共に、この切欠部43に窓部44を形成しかつ外鍔部42の外周縁の一部を構成するための円弧状の板材45が、ボルト・ナット結合等にて着脱自在に外鍔部42に取付けられている。また、この一方の外鍔部42の外面には、ドラム3の各連結片38…とボルト・ナット結合等にて連結されるL字型の連結片46…が周方向等間隔に複数個付設されている。なお、他方の外鍔部42には、後述するスリップリング機構6の取付用孔部が形成されている。
【0023】
この副ドラム33には、所定長さ(例えば32m)の余長ケーブル32が1段巻きされている。余長ケーブル32は、導体と絶縁体から成る余長ケーブル単線48が複数本(ケーブル2のケーブル単線2a…と同じ本数)撚られて形成されている。
【0024】
スリップリング機構6は、基枠部5の左右他端側に立設された支持柱21に片持梁状に枢着された回転軸22と、回転軸22に取付けられたスリップリング23と、支持柱21からスリップリング23側へ片持梁状に付設された複数本の取付杆に取付けられたスリップリング23に摺接する複数の集電部材27…とを備え、回転軸22の先端が副ドラム33の他方の外鍔部42の孔部から挿入されて一方の外鍔部42の内面にかつ同一軸心上に連結されている。
【0025】
また、支持柱21近傍の基台部16には回転軸22を低速回転駆動するモータ25が設けられており、モータ25と回転軸22の基端がプーリ及びベルト等の回転力伝達手段26にて連結されている。さらに、支持柱21の下部には各集電部材27…と電気的に接続されるコネクタ28が設けられており、このコネクタ28は移動構造体(トンネル掘削機F)の駆動部に電気接続される電気ケーブル31と電気接続される。
【0026】
ところで、ドラム3の窓部36から外部へ予め引出されているケーブル2一端側の各ケーブル単線2a…の導体にはコネクタ15…が夫々取付けられており、各コネクタ15…は副ドラム33の窓部44に挿入されて外鍔部42の内面に締結部材47にて固定される。一方、副ドラム33に巻設された余長ケーブル32のドラム3側の端部の各余長ケーブル単線48…の導体にもコネクタ49…が夫々取付けられており、双方のコネクタ15,49が接続される。また、図示省略するが、余長ケーブル32のドラム3と反対側の端部の各余長ケーブルは、副ドラム33の胴部41を貫通してスリップリング機構6の固定部(集電部材27や取付杆等)に干渉しないようにスリップリング23のドラム3側の端面に電気的に接続されている。
【0027】
次に、本発明のケーブル繰出装置1の動作及びドラム3の交換手順等についての一例を説明すると、モータ25にて回転軸22を低速回転することによって副ドラム33と共にドラム3が一体的に低速回転し、トンネル掘削機F(図6参照)に発電装置Eからの電気を供給しつつ掘削機Fが移動した距離分のケーブル2がゆっくりと繰り出されていく。このとき、発電装置Eからの電気は、ケーブル2の各ケーブル単線2a…から余長ケーブル32の各余長ケーブル単線48…、回転するスリップリング23、スリップリング23に摺接する集電部材27…及び電気ケーブル31を介してトンネル掘削機Fの駆動部に供給される。
【0028】
そして、ドラム3に巻かれたケーブル2の残りが少なくなったところで、ドラム3及び副ドラム33の板材37,45を取外し、コネクタ15…,49…を副ドラム33に固定する締結部材47…を取外すことによって、給電用ケーブル2に引き続いて余長ケーブル32が副ドラム33から繰り出し可能となる。そして、空となったドラム3と副ドラム33との連結を解除し、空のドラム3を基枠部5から取出して次の新しいドラムユニット4を基枠部5にセットし、このドラムユニット4のドラム3と副ドラム33を連結する。
【0029】
その後、発電装置Eからの電気供給を停止し、先に繰出したケーブル2と余長ケーブル32とを電気接続する各コネクタ15…,49…を切り離す。そして、繰出した余長ケーブル32を巻き戻し、交換したドラムユニット4のケーブル2の一端を余長ケーブル32に電気接続して副ドラム33に固定すると共に、先に繰出したケーブル2の端部と新しいケーブル2の他端(巻終わり端部)とを電気接続して、ドラムユニット4の交換作業及びケーブル2の継ぎ足し作業が完了する。その後、再び発電装置Eにて発電すれば電気がトンネル掘削機Fに供給され、掘削作業が継続される。
【0030】
次に、図11と図12は、本発明の別の実施の形態を示し、この移動構造体給電用ケーブル繰出装置は、主巻回部50及び主巻回部50に連設された副巻回部51とから成るドラム3と、ドラム3の主巻回部50に巻設された移動構造体に電気を供給するケーブル2と、ケーブル2の一端に接続分離可能に接続されると共に副巻回部51に巻設された余長ケーブル32と、を有するドラムユニット4を備えると共に、ドラム3を装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部5と、基枠部5に保持されるドラム3の主巻回部50側に配設されたスリップリング機構6と、を備える。
【0031】
具体的に説明すると、図11と図14と図15に示すように、ドラム3は、その中空の胴部7の外周面に仕切板52が一方の外鍔部8寄りに設けられており、この仕切板52を境に軸方向の幅の大きい部位がケーブル2を巻設するための主巻回部50とされ、小さい部位が余長ケーブル32を巻回するための副巻回部51とされている。また、仕切板52にはスリット53が切欠形成されており、主巻回部50に巻設されたケーブル2の一端(巻初め端部)はスリット53を通って副巻回部51側へ配置され、コネクタ15…,49…を介して余長ケーブル32の他端に電気接続される。
【0032】
また、図11と図13に示すように、副巻回部51の胴部7の外周面には貫孔54が設けられており、副巻回部51に巻設された余長ケーブル32の一端側を貫孔54からドラム3の内部に通し、ある程度の長さ(例えば一巻き分程度)の蓄線部71をドラム3内に確保し、各余長ケーブル単線48…にほどいて主巻回部50側の開口部55から外部へ引出し可能とされている。そして、ドラム3の開口部55から引出される各余長ケーブル単線48…の一端にはコネクタ56…が取付けられている。なお、余長ケーブル32は、副巻回部51の上記貫孔54の近傍位置に設けられた固定具により胴部7に固定されており、副巻回部51に巻かれた部分がドラム3内部に引張り込まれないようにされている。
【0033】
図11と図12にもどって、基枠部5は、基台部16と、基台部16の左右一端側に設けられた上下伸縮可能なドラム転倒防止用スタンド57と、基台部16に回転自在に付設されたドラム受用の4個のローラ39…と、基台部16の端縁に水平軸心廻りに回転自在に付設された4個のローラ58…とを備え、床面に敷設されたレール59,59上を基台部 16 が走行可能とされている。なお、60は基枠部5の左右他端側に配設されたクラッチ機構部であり、基台部 16 が接近することで、シャフト69にて一体回転可能に連結されたローラ39 , 39側に設けたクラッチ盤とクラッチ機構60側のクラッチ盤とが接触して、(図示省略の)モータからのトルクがクラッチ機構60を介してローラ39 , 39に伝達されてドラム3が回転する。
【0034】
スリップリング機構6は、基枠部5に保持されたドラム3の主巻回部50側に配設されており、支柱部61と、支柱部61のドラム3側に片持梁状に突設された固定軸62と、固定軸62の先端に設けられたスリップリング23と、固定軸62に回転自在に外嵌されたリング部材64と、リング部材64に付設された複数本の取付杆に取付けられると共にスリップリング23に接触する摺接送電部材70…と、リング部材64に連結されたカバー部材65と、各取付杆を介して摺接送電部材70…と電気的に接続される複数の接続用コネクタ66…と、を備える。
【0035】
そして、基枠部5にセットしたドラムユニット4のドラム3の開口部55から外部へ引出した余長ケーブル32一端の各コネクタ56…を、スリップリング機構6のカバー部材65に形成した差込孔に差し込んで各接続用コネクタ66…に接続する。なお、28はスリップリング23と電気的に接続されたコネクタであり、移動構造体(トンネル掘削機F)の駆動部に電気接続される電気ケーブル31と電気接続される。
【0036】
また、カバー部材65のドラム3側端面にはピン67が周方向に複数本配設されると共に、ドラム3の外鍔部8には各ピン67に対応する複数の小筒体68…が付設されており、各ピン67…が各小筒体68…に挿入されることにより、ドラム3の回転に同期してカバー部材65が回転可能となる。
【0037】
次に、図11〜図15を参照しつつこのケーブル繰出装置1の動作及びドラム3の交換手順等についての一例を説明すると、(図示省略の)モータにてクラッチ機構60を介してドラム3を低速回転することにより、スリップリング機構6側のカバー部材65が連動回転し、摺接送電部材70…がスリップリング23に対して摺接しつつ回転する。これによって、トンネル掘削機F(図6参照)に発電装置Eからの電気を供給しつつ掘削機Fが移動した距離分のケーブル2がゆっくりと繰り出されていく。このとき、発電装置Eからの電気は、ケーブル2の各ケーブル単線2a…から余長ケーブル32の各余長ケーブル単線48…、回転する摺接送電部材70…、スリップリング23及び電気ケーブル31を介してトンネル掘削機Fの駆動部に供給される。
【0038】
そして、ドラム3の主巻回部50に巻かれたケーブル2がなくなると、副巻回部51に巻かれた余長ケーブル32が繰出されていく。余長ケーブル32がある程度繰出されたところで、発電装置Eからの電気供給を停止し、先に繰出されたケーブル2と余長ケーブル32とを電気接続する各コネクタ15…,49…を切り離す。そして、余長ケーブル32を巻き戻し、基枠部5をある程度移動させてスリップリング機構6から離間させて作業し易い空間を形成する。このとき、ドラム3内に蓄線部71が確保されているため、各余長ケーブル単線48…が外部に引出されて(過大なテンションを掛けずに)ドラム3を移動させることができる。その後、余長ケーブル32とスリップリング機構6とを電気接続する各コネクタ56…,66…を切り離し、引出した余長ケーブル32をドラム3内に収納し、ドラム3を基枠部5から取外す。
【0039】
その後、次の新しいドラムユニット4を基枠部5にセットする。なお、運搬中は、ドラム3内に蓄線される余長ケーブル32端部の各コネクタ56は、ドラム3内に収納されている。ドラムユニット4を基枠部5にセットすれば、ドラム3の開口部55から各余長ケーブル単線48…を引出して各コネクタ56をスリップリング機構6側の各コネクタ66…に接続し、基枠部5をスリップリング機構6側へ移動させる。そして、先に繰出したケーブル2の端部のコネクタ15…と新しいケーブル2の他端(巻終わり端部)のコネクタ15…とを電気接続して、ドラムユニット4の交換作業及びケーブル2の継ぎ足し作業が完了する。その後、再び発電装置Eにて発電すれば電気がトンネル掘削機Fに供給され、掘削作業が継続される。
【0040】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、例えば、本実施の形態では、ケーブル繰出装置1を移動構造体(トンネル掘削機F)側に搭載した場合を説明したが、トンネルT外部の発電装置E側にケーブル繰出装置1を設置することも可能である。この場合、移動構造体が前進して繰り出されたケーブル2が引っ張られていくため、例えばケーブル2の下にローラを順次並設してケーブル2が地面等の上を引きずられないようにするのが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0042】
(請求項1又は2によれば)ドラム3を回転して給電用ケーブル2を繰出しつつ移動構造体に電気を供給することができ、さらにドラムユニット4の交換により容易かつ迅速にケーブル2の継ぎ足しを行うことができるため、例えば、長距離のトンネル工事を行うトンネル掘削機への使用に好適である。
【0043】
(請求項1によれば)副ドラム33から余長ケーブル32を繰出し可能な工程に於て、空のドラム3を基枠部5から取出して新しいドラムユニット4と交換することができる。従って、給電用ケーブル2の継ぎ足し作業時に於て、電気供給を中断する時間を短縮することができる。
【0044】
(請求項2によれば)ドラム3の副巻回部51に巻設された余長ケーブル32の一端をドラム3内に通して主巻回部50側の開口部55から外部へ引出せるようにしたことによって、ドラム3とスリップリング機構6との間に作業空間を確保することができ、余長ケーブル32のスリップリング機構6への着脱が迅速かつ容易に行い得る。
【0045】
(請求項1又は2によれば)給電用ケーブル2の継ぎ足し作業時に於て、先に繰出されたケーブル2端部と、交換した新しいドラムユニット4のケーブル2端部とを、容易かつ迅速に電気接続することができる。
【0046】
(請求項3によれば)トンネル掘削工事に於て、給電用ケーブル2の継ぎ足し作業を容易に行うことができる。また、トンネル掘削機F側にケーブル繰出装置1を搭載することによって、前進する掘削機F側からケーブル2を繰り出していくため、ケーブル2が地面等の上を引きずられて傷つくようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関係が深い参考例を示す一部断面正面図である。
【図2】 側面図である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 ケーブルのドラムへの取付構造を示す要部断面図である。
【図5】 ケーブルの端部を示す斜視図である。
【図6】 トンネル掘削機を示す簡略構成説明図である。
【図7】 本発明の実施の一形態を示す一部断面正面図である。
【図8】 側面図である。
【図9】 図7のB−B線断面図である。
【図10】 図7のC−C線断面図である。
【図11】 本発明の別の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図12】 側面図である。
【図13】 余長ケーブルのドラム内での状態を示す説明図である。
【図14】 図11のD−D線断面図である。
【図15】 発電装置からトンネル掘削機への給電状況を説明する説明図である。
【符号の説明】
2 ケーブル
3 ドラム
4 ドラムユニット
5 基枠部
6 スリップリング機構
15 コネクタ
32 余長ケーブル
33 副ドラム
50 主巻回部
51 副巻回部
F トンネル掘削機
Claims (3)
- 移動構造体に電気を供給するケーブルを予めドラムに巻設したドラムユニットと、該ドラムを装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部と、該基枠部に保持された上記ドラムに巻いた上記ケーブルの一端に接続分離可能として接続される余長ケーブルを巻設する余長用の副ドラムと、該副ドラムに巻設された余長ケーブルの一端に電気接続されるように該副ドラムの胴部の内部に付設されたスリップリングと、上記基枠部に連設された集電部材と、を備え、上記ケーブルの両端にコネクタが予め付設され、かつ、上記余長ケーブルが一端に上記ケーブルのコネクタと電気接続するコネクタを有し、さらに、上記ドラムは、円筒状の胴部と該胴部の両端に設けられた円板状の一対の外鍔部と、を有し、かつ、上記副ドラムは、胴部と該胴部の両端に設けられた円板状の一対の外鍔部と、を有し、上記ドラムと上記副ドラムは、それぞれ、ローラにて上記基枠部に回転可能に保持され、さらに、上記ドラムと上記副ドラムは連結分離自在に連結されていることを特徴とする移動構造体給電用ケーブル繰出装置。
- 主巻回部及び該主巻回部に仕切板を境に連設された副巻回部とから成るドラムと、該ドラムの上記主巻回部に巻設された移動構造体に電気を供給するケーブルと、該ケーブルの一端に接続分離可能に接続されると共に上記副巻回部に巻設された余長ケーブルと、を有するドラムユニットを備えると共に、上記ドラムを装着離脱自在にかつ回転可能に保持する基枠部と、該基枠部に保持される上記ドラムの上記主巻回部側の外鍔部の側外方に配設されたスリップリング機構とを備え、上記ケーブルの両端にコネクタが予め付設されており、かつ、上記余長ケーブルが一端に上記ケーブルと電気接続可能なコネクタを有するとともに他端に上記スリップリング機構に電気接続可能なコネクタを有し、上記余長ケーブルの一部を蓄線部としてドラム内に確保しつつ上記余長ケーブルの一端をドラムの内部に通し外部へ引出して上記スリップリング機構に接続分離可能に電気接続し、上記基枠部は、基台部と、該基台部に水平軸心廻りに回転自在に付設された複数個のローラとを備え、上記ドラムの軸心と平行に敷設されたレール上を上記基台部が移動可能とされていることを特徴とする移動構造体給電用ケーブル繰出装置。
- 移動構造体が、トンネル掘削機であって、全体が移動構造体に搭載されている請求項1又は2記載の移動構造体給電用ケーブル繰出装置。
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