JP4018126B2 - 小動物飼育ケージ、小動物飼育ケージ用床敷および小動物飼育方法 - Google Patents

小動物飼育ケージ、小動物飼育ケージ用床敷および小動物飼育方法 Download PDF

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Description

本発明は、ラット、マウスのような小動物を飼育ケージ内で飼育し、繁殖させるための小動物飼育ケージ、小動物飼育ケージ用床敷および小動物飼育方法に関する。
従来より、リス、ハムスター等のペット用、またはラット、マウス等の実験用の小動物は、給餌箱、排泄場所、寝床等を設けた飼育ケージ内で飼育される。こうした飼育ケージ内には、小動物の糞尿処理を主目的として、または寝床用クッションとして床敷材が敷設される。
この床敷材としては従来、木材チップ、トウモロコシ軸粉砕物、パルプを加工した紙製品、古紙再生品、不織布再生品、廃材等が市販、利用されてきた。現状では、おがくずのような木、または紙のチップ材が多く使用されている。しかし、チップ材は粉塵を発生しやすいといった問題があるため、これに代えて例えば湾曲曲げ形状を呈する板状紙片を基材とする床敷材が提案されている(特許文献1参照)。この床敷材は細分化された板状紙片が湾曲折り曲げ形状を呈することから敷設面との接触面積が小さく、床敷材がケージ床にこびりつくことを防止することができる他、凹部と敷設面との間に糞尿を保水する空隙が形成されるとともに凹部が尿の受け皿となる。
特開平10−178951号公報
しかしながら、前述の湾曲折り曲げ形状を呈する床敷材は細分化された板状紙片であるため飼育ケージ内で小動物が動き回ることにより糞と床敷材とが混合され、飼育ケージ内全体に糞が拡散して飼育環境が悪化する。
また、前述の床敷材は小動物の糞尿処理を主目的としたものであるため、床敷材のみでは小動物の出産や保育に適した環境が形成されにくく、飼育ケージ内で小動物を繁殖させる場合は床敷材を補充するか他の床敷材を供給する必要がある。特に実験用小動物飼育施設において空調が行われている場合は空調機器から来る風が小動物にあたるため、十分な量の床敷材を供給していないと無毛の小動物新生児の体温が奪われる。
さらに、ILAR(Institute of Animal Resources)による動物実験に関する指針に依れば、このような床敷材は毎日あるいは週単位で新品と交換することが推奨されているが、前述の床敷材は再利用が困難であるため、処分費用が多くかかる他、環境対策上も好ましくない。
本発明は上述した課題に対し、小動物を衛生的に飼育でき、小動物を繁殖させる場合でも繁殖用床敷材の補充を必要としない小動物飼育ケージ、小動物飼育ケージ用床敷、小動物飼育方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、シート状の床敷が小動物の飼育に適しており、とりわけ床敷の敷設形態が小動物の飼育環境に影響を与えることを見出し、本発明をなすに至った。
具体的には本発明は、柔軟なシート状床敷が無作為に折れ曲がりくねって、飼育対象の小動物の少なくとも半身が隠れる程度の大きさの襞を形成するように敷設された小動物飼育ケージ、前記小動物飼育ケージに敷設される小動物飼育ケージ用床敷または前記小動物飼育ケージ内で小動物を飼育する小動物飼育方法を提供する。また本発明は、前記小動物飼育ケージ内で小動物を雌雄混合状態で飼育してその繁殖力を向上もしくは調整して繁殖させる小動物の生産方法、小動物の繁殖力向上方法または小動物の繁殖力調整方法を提供する。さらに本発明は、飼育対象の小動物の少なくとも半身が隠れる程度の大きさの襞を形成するように無作為に曲がり重なり得る軟性かつ柔性の連続したシート状部材を前記小動物飼育ケージ用床敷として使用する方法を提供する。
本発明においてシート状床敷により形成される襞は、小動物にとっての保温室となるとともに小動物が身を隠す空間を提供し、小動物の出産保育場所の形成に利用される他、小動物の糞の飛散を防止するため、小動物が快適に生活できる衛生的でかつ繁殖に適した環境を提供する。このため、本発明によれば小動物のストレスを軽減し、繁殖力を高めることができる。またシート状床敷は敷設、取替えが容易である上、小動物が活動しても粉塵を発生することがない。さらにシート状床敷は無毛の小動物の新生児の体表面に付着することがなく、母獣による食殺を防いで新生児の生存率を向上させることができる。
ここで前記シート状床敷は、それ自体が保温性を備えるものであることが好ましい。
シート状床敷それ自体が保温性を備えるもので構成されていることにより、小動物新生児(その多くは無毛であり、体温保持が重要である)の体温保持を図ることができる。
さらに前記シート状床敷は保温性の他に、吸水性および臭気除去性をも備えたものであることが好ましい。
シート状床敷が吸水性および臭気除去性をも備えた部材であることにより、シート状床敷が小動物の糞尿およびこれらから発生する悪臭物質を除去し、長期に渡って悪臭を発生しない衛生的な環境が保たれる。このため床敷の取替え頻度を少なくすることができる。
このためのシート状床敷としては、具体的にはカルボキシル基が導入されたセルロースがシート状に形成された改質セルロース布が好ましい。
前記改質セルロース布は飼育ケージ内に無作為に丸めるように敷設することにより小動物の半身以上が隠れる襞を形成することができる曲げ特性を有する上、それ自体が保温性、吸水性および臭気除去性を備えたものであるため、上述した効果を得ることができる。また前記改質セルロース布は洗濯して繰り返し使用することが可能であるため、上述した効果を得る他に廃棄物量を減らすこともできる。さらに改質セルロース布は、結果としてマウスによって齧られにくく、齧られた床敷の砕片がマウス体内に取り込まれたり、塵埃となる恐れがない。
上述した通り、本発明によれば特別に繁殖用の床敷材を供給することなく繁殖に適した環境が提供されるため、繁殖頻度が高いネズミ科動物を雌雄混合状態で飼育して繁殖力を向上させて繁殖させる場合に特に適している。
また本発明に係るシート状床敷の柔性かつ軟性を調整することにより、小動物の繁殖力を調整することができる、ということにもなる。
本発明によれば、シート状の床敷を、飼育対象小動物の少なくとも半身が隠れる大きさの襞を形成しうるように飼育ケージ内に無作為に丸めるように曲げ重ねて敷設することにより、塵埃が発生しないことに加えて襞部分に糞が捕捉され、衛生的な飼育環境が保持される。また、前記襞は小動物が風や光から身を隠す「巣」となる場所となるため、出産保育用床敷材を供給しなくても仔獣が順調に生育する他、飼育される小動物にとって安心できる快適な生活環境が提供されることにより、小動物のストレスが軽減されて繁殖力が高まる。特に床敷として保温性、吸水性および臭気除去性を有するものを用いれば、床敷が糞尿を十分に吸水する上、糞尿から発生するアンモニア等の塩基性ガスを短時間で強力に除去するため、アンモニアなどの塩基性ガスを排気するための空調換気回数を減少させることができ、熱量の排出による光熱費の消費を抑えることが期待できる。さらに床敷としてポリメタクリル酸がセルロースに担持されている改質セルロース布を用いれば、前述した効果の他、当該床敷布を洗濯乾燥させることにより臭気除去効果および吸水効果が概復元されることから、廃棄物の発生を抑制することができる。
本発明で飼育される対象の小動物とは、飼育ケージ内で摂食、排泄を行うペット用または実験用小動物であり、具体的にはマウス、ラット、ハムスター等のネズミ科動物、リス、ムササビ、モモンガ等のリス科動物、チンチラ科動物並びにモルモット科動物を含むげっ歯目小動物およびアナウサギ等のウサギ科小動物を指す。本発明は特に衛生的な飼育環境が求められる実験用小動物の飼育に適し、実験用小動物の中ではラット、マウス等のネズミ科動物、殊に小型なマウスの飼育に適する。
そこで以下、本発明の実施形態を、マウスを通常の箱型ケージで飼育する場合について図面に基づいて詳述する。
図1はマウスが雌雄混合状態で飼育される箱型の飼育ケージ11に床敷15を敷設した状態を示す図である。飼育ケージ11は透明プラスチック製の半容器状のケース体である箱型ケース体12及び蓋13から構成されている。蓋13の一部には窪みが形成され、給水瓶14が差し込まれるようにされている。給水瓶14の奥には図示されていないが、ペレット状の餌が供給される給餌場所が設けられる。
また、箱型ケース体12の平底には本発明に係わる床敷15が一枚、無作為に曲がり重なって襞16を作るように敷設される。
図2は、図1に示した飼育ケージ11内で複数のマウス10を雌雄混合状態で飼育している状態を示す図である。この図2に示されているように、飼育ケージ11内でマウス10は床敷15を動かして適宜、襞16の形態を変化させ、寝床17、排泄場所18等を形成する。このようにマウス10は飼育ケージ11内で水および餌を与えられて飼育され、飼育ケージ11内で摂食、排泄を行なう他、床敷15の襞16を利用して出産保育場所19を形成して繁殖し、仔マウスを育てる。なお、マウス等のネズミ科動物は一般に一定の場所で排泄する本能があるため、排泄場所18は通常、飼育ケージ11内の一定の場所となる。
本発明の飼育ケージとしては図1に示したものに限定されず、一般に使用されている小動物飼育用の種々の飼育ケージを使用することができる。例えば飼育ケージの材質についてはポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリロニトリロブタジエンスチレン等のプラスチックの他、金属、木、ガラス等からなるものを使用することができる。また、飼育ケージの形状も箱型ケース体12と蓋13からなる箱型の飼育ケージ11の他、全体が金属等のワイヤで構成された網または縞状のものであってもよい。特に平底を有する箱型の飼育ケージ11は、シート状の床敷15の敷設が容易でマウス10が歩き回りやすいため好ましく、中でも壁面が透明プラスチック樹脂製のものはマウス10の観察が容易でマウス10に齧られにくいため好ましい。なお本発明の飼育ケージを構成する半容器状のケース体とは飼育対象の小動物であるマウス10と床敷15とを収容できるものをいい、マウス10と床敷15を収めることができれば必ずしも確固とした底面や壁面を備えた容器である必要はない。すなわち、半容器状のケース体には例えば箱型ケース体12の他、平底の周囲にマウス10が越えることのできない何らかの障害(例えば溝のようなもの)を設けたようなものも含まれる。
飼育ケージ11の大きさは、飼育する小動物の数および大きさに応じて適宜選択されるものである。例えばマウス10を1〜6匹程度飼育する場合、箱型ケース体12の外形寸法:幅(W)×奥行(D)×高さ(H)を、13×20×11〜28×45×18(単位:cm)程度とすれば、マウス10が飼育ケージ11内で寝床17等を確保して自由に動き回ることができる。
次に本発明の床敷15について図1、図2および図3に基づいて説明する。
本発明において床敷15は、飼育ケージ11内で飼育されている小動物であるマウス10の少なくとも半身が隠れる大きさの襞16を形成しうるシート状の床敷であり、箱型ケース体12に無作為に丸めて放り込むように、すなわちいわゆる「くしゃくしゃ」または「ぐしゃぐしゃ」にして敷設した場合に曲がり重なるものである。
図3は本発明の矩形のシート状の床敷15が二箇所の襞16aおよび16bを形成して平面に置かれている状態を示す図であり、(a)はこの床敷15を上から見た図で、(b)は同じ状態の床敷15を横から見た図である。図3において、シート状の床敷15はゆるやかに曲がりくねり、曲部20aおよび20bを介して床敷15が連続した状態で二重もしくは三重となっている。襞16aは曲部20aおよび曲部20bを介して床敷15が分断されることなく連続した状態で三重(一部は二重)となった部分に形成され、襞16bは曲部20bを介して床敷15が分断されることなく連続した状態で二重(一部は三重)となった部分に形成される。すなわち、襞16とは床敷15が連続した状態で分断されることなく曲がって少なくとも二重に折り重なった部分を指す。床敷15の折り返し部分は曲部20aの如く曲線を描くように緩やかに曲がって膨らみを持つものでもよく、または曲部20bのように直線的に折れ曲がったものでもよい。
襞16は結果的に無作為に曲げ重ねられた外観を呈すものであり、床敷15が作為的に曲げ重ねられて形成されたものであるか無作為的に曲げ重ねられて形成されたものであるかを問わない。すなわち本発明でいう襞16には、衛生環境を保持するとともに繁殖場所を提供する等の後述する本発明の効果を得ることができる任意の形態のものが含まれる。襞16は例えば図2に示す如く寝床17の壁となる山状のもの、排泄場所18となっている谷状のもの、その他波状のもの、図3の壁16aの如く曲部20aが曲線のもの、床敷15の重なりが相互に接することなく対向する状態で重なるもの、襞16bの如く曲部20bが尖っているもの、床敷15が相互に接しているもの等、種々の形態を呈する。
本発明においては飼育対象の小動物の少なくとも半身を隠す大きさの襞16が少なくとも一つ形成される必要があり、床敷15がかかる襞16を形成するためには床敷15は一定の大きさおよび軟性かつ柔性を備えたものである必要がある。ここで「軟性」とは手で折り曲げることができ、折り曲げ後に放置した場合に自然に折り返しが解消されて襞16が失われることがないやわらかさを有することを言い、「柔性」とは折り曲げた部分でシート状床敷15が分断されることなく連続した状態を保持することができるしなやかさを有することを言う。そして「軟性かつ柔性」とは手で折り曲げることができるとともに折り曲げた部分でシート状床敷15が分断されることなく連続した状態を保持することができ、折り曲げ後に放置した場合に自然に折り返しが解消されて襞16が失われることがない程度の柔らかさとしなやかさを有することをいい、シート状床敷の材質それ自体が厚み方向に柔軟な部材で構成されていることとは別の概念である。
床敷15に必要な大きさは飼育対象の小動物の大きさにより異なるが、例えばマウス10を飼育する場合で10cm四方程度の大きさがあればよい。しかし床敷15を一枚単独で用いて前記の襞16を形成しつつ箱型ケース体12の床面のほぼ全面を覆うことができる大きさとすることが取り扱い易く好ましい。このため、床敷15は通常、箱型ケース体12の床面積の1.2倍以上、好ましくは2〜15倍、さらに好ましくは3〜10倍の大きさとする。床敷15が小さすぎるとマウス10の半身が隠れる程度の大きさの襞16が形成できず、またはかかる襞16が形成された場合に床面が露出して好ましくない。一方、床敷15が大きすぎると飼育ケージ11内の上部空間が少なくなり、取り扱いも不便となる。箱型ケース体12の床面積の3〜10倍の大きさの床敷15は床面のほぼ全面を覆って十分な量の襞16を形成するとともに飼育ケージ11内に一定の空間を保つに適した大きさである。
マウス等、飼育ケージ内で飼育される小動物は概ね、一定の場所で排泄する習性を有するが、木材チップのような細分化された床敷材を使用する飼育環境においては飼育ケージ内を小動物が動き回ることにより床敷材と糞とが混合され、飼育ケージ内全体に糞が散らばる。また、シート状の床敷を用いた場合でも床敷が飼育ケージの床面に平らに敷設されていると飼育ケージ内での小動物自身の運動により糞がシート状の床敷の全面に散らばり、いずれも衛生環境の悪化を招く。これに対し本発明の飼育ケージ11内にはシート状の床敷15が襞16を形成するように敷設されており、マウス10は襞16からなる凹凸を形成するシート状の床敷15に潜って排泄し、襞16が糞を捕捉するため、飼育ケージ11内をマウス10が動き回っても床敷15全体が動くことがないため糞が散らばることがない。
また、本発明のシート状の床敷15が形成する襞16はマウス10が外気や光から身を隠す場所となり、マウス10にとって安心できる生活環境が提供される。このため、マウス10のストレスが軽減され、交尾回数が増えて繁殖力が高まり、逆に床敷15の軟性及び柔性を調整することにより繁殖力を低下させることもできる。特にマウス等のネズミ科動物は出産の際に洞窟様の出産保育場所を作る本能があるが、本発明によれば床敷15の襞16でかかる出産保育場所を確保することができるため、木材チップを用いる場合のように特別に床敷材を補充する必要がない。
さらに木または紙のチップ材を床敷材として用いた場合、無毛のマウス新生児の体表面にチップ材が付着する。このようにチップ材が体表面に付着した仔マウスは母マウスにより食殺されることがあるが、本発明によれば床敷材が仔マウス体表面に付着せず、仔マウスは床敷15の襞16に潜ることができるため、母マウスによる食殺を受けにくく生存率が向上する。
床敷15の材質は、床敷15を飼育ケージ11内に無作為に丸めるようにして入れた場合に自然に曲がり重なって上記の襞16を形成するものであれば特に制限はない。床敷15として例えば、本発明の実施例で使用する改質セルロース布のような織物あるいは不織布等の布の他、柔らかい紙や薄いスポンジ生地、ビニールシート等を使用することができる。特に布は紙等に比べて丈夫で破れにくいため、好ましい。また、床敷15はマウス10等の小動物に齧られにくいような所定の強度を有するか、または小動物による齧りが忌避されるような化学的処理が行なわれていることが好ましい。
このとき、床敷15として保温性を備えたものを用いれば無毛の小動物の新生児の体温保持が図られ好ましい。ここで床敷15の保温性はそれ自体のクロー値が0.1clo程度以上あれば足りる。
さらに、床敷15は前述した保温性の他、10重量%程度以上の吸水性および床敷1gに対して1mg以上のアンモニア、メチルメルカプタン等の悪臭物質を除去する臭気除去性があることが好ましい。ここで本明細書において「臭気除去性」とは消臭性と脱臭性のいずれか一方または両方を備えることをいうものとする。そして、「消臭性」とは、主に臭気物質を別の物質と反応させたり分解したりすることにより臭気成分を化学的に消し去ることを指し、「脱臭性」とは、主に臭気成分を吸着や排気により物理的に取り去ることを指す。床敷15がかかる吸水性および臭気除去性を有することにより小動物の尿が十分吸収され、さらに悪臭物質の発生も抑制される。
かかる機能を有する床敷としてはアクリルやポリエステル等の化学繊維に消臭剤をコーティングした臭気除去布、木綿、麻、レーヨン、木材パルプ等のセルロース繊維に金属を担持させたりカルボキシル基を導入してなる臭気除去布もしくはキチン、キトサンを原料とした臭気除去布または活性炭等の脱臭剤および高吸水性樹脂等を保持する脱臭吸水シート等の臭気除去布が挙げられる。中でも化学物質を使用しない天然繊維からなる臭気除去布、例えばキチン、キトサン系の臭気除去布または木綿、麻、木材パルプ等のセルロースにカルボキシル基が導入された改質セルロースがシート状に形成されてなる改質セルロース布は小動物が齧って体内に取りこまれた場合に健康に影響を与える影響がほとんどないため好ましい。とりわけセルロースにポリメタクリル酸が担持されている改質セルロース布はキチン、キトサン系臭気除去布に比べて消臭および脱臭能力が大きいため特に好適に用いられる。
ポリメタクリル酸がセルロース繊維に担持されている改質セルロース布はアクリル酸、メタクリル酸をセルロースにグラフト重合する方法、TEMPO法によるセルロースの触媒的酸化による一級水酸基のカルボキシル基への変換(磯貝 明 著「繊維学会誌 57巻 6号、2001年P163参照」などにより製造される。改質セルロース布は好ましくは100gあたり40〜140ミリモル、さらに好ましくは60〜120ミリモルのカルボキシル基を含有することで良好な吸水性かつ臭気除去性を備える。100gあたり40〜140ミリモルのカルボキシル基を有する改質セルロース布は理論的にはアンモニアを1〜2g吸着分解する脱臭性および消臭性を備えるため、かかる改質セルロース布を床敷として用いた場合は7〜10日程度、床敷を交換することなく衛生的な飼育環境を保つことができる。また床敷15はマウス10の行動(特に床敷15への齧り付き)によって容易に破損しないものであることが好ましいが、改質セルロース布はマウス10に齧られにくいため、マウス10が齧って穴を開けたり食いちぎられることが少ない。
上記の改質セルロース布は洗濯することによってその臭気除去能力がある程度復元する。例えば、木綿繊維にメタクリル酸を10重量%グラフト重合することによりポリメタクリル酸がセルロース繊維に担持された状態となっている改質綿糸と無加工の綿糸を5対5の重量比で混紡した改質セルロース布(カルボキシル基含有量は床敷100g当たり70ミリモル)およびTEMPO法に従い木綿製の床敷15を酸化して得た改質セルロース布(カルボキシル基含有量は床敷100g当たり62ミリモル)であれば50回程度洗濯して使用することができる。なお、改質セルロース布の洗濯にアルカリ洗剤を使用すると若干復元度に影響が見られるため、できれば中性洗剤で床敷15を洗濯するのが好ましい。また、更に復元力を強化させるには、酢酸や食酢などの酸性物質を濯ぎ時に加えるとよい。
本発明において床敷15はケージ床面積の2〜10倍程度の大きさのものを一枚敷設すれば足りるが、複数枚使用してもよい。複数枚の床敷を用いる場合は少なくとも一枚が前述した大きさの襞を形成すればよく、他の床敷は襞を形成するに足る大きさでなくともよく、また飼育ケージの床上に平らに敷設してもよい。少なくとも一枚の床敷により前述した襞が形成される限りにおいて複数枚の床敷15は糸等で縫い付けて、あるいは床敷15の隅にファスナーを設け、複数の床敷15が着脱自在に積層して一体となるようにして用いてもよい。複数枚の床敷15を積層した場合、臭気除去能力が高まる。
さらに本発明に係る床敷15はチップ状床敷材等の他の床敷材と併用してもよい。例えば本発明に係る床敷15とチップ材を併用した場合、床敷15が敷設された場所はマウス10が風や光を避けて身を隠す場所、すなわち寝床として使用され、他方、チップ材が敷設された場所は排泄場所や遊び場所として利用される。この場合でも床敷15の襞16があることによりマウス10が動き回っても糞尿が付着したチップ材が寝床に持ち込まれることが防止されるため、糞が飼育ケージ11内全体に拡散することはなく本発明の効果を得ることができる。
以下、実施例に基き本発明を更に具体的に説明する。
[実施例]床幅16cm、床長26cm、高さ14cmの透明ポリカーボネート樹脂製の箱型ケース体を有する飼育ケージにメタクリル酸を8重量%グラフト重合してポリメタクリル酸がセルロース繊維に担持されている状態となった綿糸66%と無加工の綿糸33%を混紡して得たタオル状の改質セルロース布(幅45cm、長さ105cm、重さ120g、カルボキシル基含有量約60ミリモル/100g)一枚を手で無作為に丸めて敷設した(図1参照)。飼育ケージは実施例、比較例それぞれについて5個ずつ用意し、1時間あたり15回程度の換気が行われている飼育室に収容し、一つの飼育ケージ内には雄1匹、雌5匹の計6匹のマウスを入れ、2ヶ月間飼育した。なお、飼育ケージ上面は一部に窪みのあるステンレスワイヤによる蓋で覆われ、窪みには給水瓶が差し込まれるとともにペレット状の餌が給餌される(図2参照)。また、改質セルロース布は各飼育ケージにつき二枚ずつ用意し、一週間に一度交換し、汚れたものは中性洗剤で洗濯して繰返し使用したが、マウスの出産が近付いても新たに床敷材を補充供給しなかった。
[比較例]比較例として床敷材を約5mm四方の大きさの紙製のチップ状床敷材とした他は実施例と同様の条件でマウスの飼育を行った。チップ状床敷材は飼育ケージ内に約120g入れ、一週間に一度、新品に交換した。またマウスの出産にあたってティッシュペーパーを補充した。
[飼育環境]床敷材交換時にケージ内の糞の拡散状況を調べたところ、実施例の場合、マウスの糞は改質セルロース布下のほぼ特定の箇所に集積する形となり、改質セルロース布上は目視観察する限りは清潔な状態であった。これに対し、比較例では糞がチップ状床敷材と均等に混合され、ケージ全体に拡散していた。また、飼育ケージ内のアンモニア濃度を北川式ガス検知器(検知管;105SD&105SC)を用いて測定したところ、実施例の場合、床敷材敷設(交換)三日後で0.1〜0.6ppm、七日目の交換直前で2.5〜6ppmとなった。一方、比較例では三日後は0.1〜0.6ppmと本実施例と同じ値となったが七日後は12〜30ppmとなった。さらに半導体レーザー パーティクルカウンター(KANOMAX、Model 3886およびTF500)を用いて飼育五日目の飼育室内の0.5μm以上の塵埃数を測定したところ、実施例については4.4〜5.9×105個/m3、比較例が3.1〜3.3×107個/m3となり、実施例では飼育ケージ周辺に目視観察可能な塵埃集積が認められなかったのに対し、比較例では飼育ケージ周辺に床敷材が数十個散乱し、塵埃の集積が認められた。
「繁殖状況」実施例では襞を利用してマウスの出産、保育が行なわれ、特に仔マウスは襞の谷間部分に潜り込むような状態で保育された。この結果、実施例では出産保育用の床敷材を補充しなかったにもかかわらず仔マウスの発育曲線は床敷材を補充した比較例と同等となり、母マウスの食殺率は実施例が比較例より2〜3割低くなった。また、飼育開始後一〜二週間の期間、午前八時〜午後五時まで雄マウスの交尾回数を調べたところ、実施例については2〜4回、比較例については0〜2回で実施例の方が交尾回数が多かった。
本発明におけるマウスが飼育される飼育ケージに床敷を敷設した状態を示す図である。 本発明における飼育ケージでマウスを飼育している状態を示す図である。 本発明におけるシート状の床敷が形成する襞の説明図である。
符号の説明
10 マウス
11 飼育ケージ
12 箱型ケース体
13 蓋
14 給水瓶
15 床敷
16 襞
17 寝床
18 排泄場所
19 出産保育場所

Claims (2)

  1. 小動物飼育ケージ用床敷であって、
    前記小動物飼育ケージ用床敷は飼育対象の小動物が収容される半容器状のケース体内に敷設される軟性かつ柔性の連続シート状のシート状床敷であるとともに、
    前記シート状床敷が前記ケース体内で前記小動物の少なくとも半身が隠れる大きさの襞が形成されるように無作為に曲がり重なったような形態で敷設され、かつ敷設後においても柔軟に曲がり重なり得るものであり、カルボキシル基が導入されたセルロースがシート状に形成された改質セルロース布であることを特徴とする小動物飼育ケージ用床敷。
  2. 前記小動物飼育ケージ用床敷が保温性を有するものであることを特徴とする請求項1記載の小動物飼育ケージ用床敷。
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