JP4017649B2 - リグナンメチル化酵素をコードする遺伝子 - Google Patents
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Description
例えば、Phytochemistry Rev. 2257−288 (2003)には、コニフェリルアルコールが重合して合成されるピノレジノールが生合成上の最初のリグナンであること、そしてピノレジノールから個々の植物種において特有な生合成経路を経由して多様なリグナンが合成されることが示されている。このピノレジノールの合成に寄与するデリジェントタンパク質がレンギョウなどにおいて報告されている(例えば、Science 275, 362−366 (1997)等参照)。さらに、レンギョウのピノレジノール−ラリシレジノール還元酵素遺伝子(例えば、J.Biol.Chem.,271:29473(1996)、特表2001−507931号公報等参照)、Thuja plicataのピノレジノール−ラリシレジノール還元酵素遺伝子(例えば、J.Biol.Chem.,274:618(1999)等参照)ならびに組換えセコイソラリシレシノールデヒドロゲナーゼおよびその使用方法(例えば、J.Biol.Chem.,276(16):12614−23(2001)、特表2002−512790号公報等参照)が報告されている。さらに、Larrea tridentataから、ラレアトリシン水酸化酵素遺伝子がクローニングされている(例えば、Proc.Nat.Acad.Sci.USA,100:10641(2003)等参照)。
なお、メチル基転移反応を触媒するという特定の機能を有するタンパク質は、異なる植物種においてもそのアミノ酸配列が類似しているということが知られている(例えば、非特許文献3:Plant Cell 14, 505−519 (2002)参照)。
Pytochemistry 47, 583−591 (1998) J.Org.Chem. 27, 3232−3235 (1962) Plant Cell 14, 505−519 (2002)
(a)配列番号:1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号:2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1又は3の塩基配列の一部又は全部と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(d)配列番号:2又は4のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなり、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
(2)配列番号:2又は4のアミノ酸配列、または当該アミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸の付加、欠失及び/又は他のアミノ酸による置換によって修飾されているアミノ酸配列を有し、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする上記(1)に記載のポリヌクレオチド。
(3)配列番号:1又は3の塩基配列の一部又は全部と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェントな条件下でハイブリダイズし、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする上記(1)に記載のポリヌクレオチド。
(4)配列番号:1又は3の塩基配列の一部又は全部と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドに対して、5xSSC、50℃の条件下でハイブリダイズし、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする上記(1)に記載のポリヌクレオチド。
(5)配列番号:1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する上記(1)に記載のポリヌクレオチド。
(6)配列番号:2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する上記(1)に記載のポリヌクレオチド。
(7)DNAである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(8)フロフラン型リグナンに対してメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(9)ピノレジノール及び/又はピペリトールに対してメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする上記(8に記載のポリヌクレオチド。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドにコードされるタンパク質。
(11)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
(12)上記(11)に記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
(13)上記(12に記載の宿主細胞を培養し又は生育させ、当該宿主細胞からリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質を採取することを特徴とする該タンパク質の製造方法。
(14)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドが導入された植物体(例えば、ゴマ、レンギョウ又はアマ)もしくは当該植物体と同一の性質を有する該植物体の子孫となる植物体、又はそれら植物体の組織。
(15)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いてリグナンにメチル基を転移する方法。
(16)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを植物体に導入し、発現させることによって、産生するリグナン組成が改変された当該植物体もしくは当該植物体と同一の性質を有する該植物体の子孫となる植物体。
(17)上記(1)〜(9)に記載のポリヌクレオチドのフラグメントまたはその相補配列からなるポリヌクレオチド。
また、コブシンまたはメチル化ピノレジノールを生産する植物において、本発明のリグナンメチル化酵素の発現を抑制することによって、アグリコンを遊離させて、リグナン(特に、ピペリトールおよび/またはピノレジノール)の量を増加させることもできる。
さらに、本発明のリグナンメチル化酵素を用いれば、新規メチル化リグナンであるモノメチル化ピノレジノールをピノレジノールから人工的に生産することができる。
本発明者らは、ゴマ種子由来の5000クローンからなるESTデータベースから相同性検索によりゴマメチル化酵素様遺伝子の部分配列を探索し、その結果2種類のメチル化酵素様遺伝子(以下SiOMT1およびSiOMT2)を得た。これらのSiOMT遺伝子は種子において強く発現していた。これらの完全長塩基配列をRACE法で取得し、大腸菌において発現させた。得られた組換えタンパク質をセサミノールまたはピノレジノールと反応させた後、HPLC分析、LC−MS分析、およびTOF−MS/MS分析を用いて酵素活性を測定した。その結果、SiOMT1がピペリトールをメチル化しコブシンを生成する反応を触媒する活性を有することが明らかとなった。さらにSiOMT1はピノレジノールをメチル化しモノメチル化ピノレジノールを生成する反応を触媒する活性を有することが明らかとなった。このメチル化リグナンはピノレジノール派生体であるユデスミンの中間体であると考えられる。アフリカゴマであるSesamum radiatumからPCRによりSiOMT1ホモログであるSrOMT1遺伝子をクローニングし、SrOMT1はSiOMT1と同様のメチル化活性を有することを確認した。
代表的なリグナンとしては、ゴマに含まれる(+)−セサミン、(+)−セサミノール、(+)−セサモリン、(+)−ピノレジノール、(+)−ピペリトールおよび(+)−セサモリノール;レンギョウ(Forsythia intermedia)に含まれる(+)−ピノレジノール、(−)−アルクチゲニンおよび(−)−マタイレジノール;ソシマ(Daphne tangutica)に含まれる(−)−ピノレジノールおよび(−)−ラリシレジノール;アマ(Linum usitatissimum)に含まれる(+)−セコイソラリシレジノールなどが挙げられる。これらのリグナンの分子構造は多様である(Wood Research 90, 27−110 (2,003)等参照)。(+)−ピノレジノールに代表されるゴマリグナン類は最も幅広い植物種で同定されているフロフラン型のリグナン類に分類される。ゴマリグナンの1つであるセサミンは、多彩な生理活性作用を有しており、コレステロール代謝、肝機能および免疫機能の改善に有効である(例えば、ゴマその科学と機能性、並木満夫編:丸善プラネット社(1998)参照)。セサミンをゴマ種子またはゴマの絞り粕から分離精製する方法がすでに実用化されており(例えば、特開2001−139579公報、特開平10−7676号公報等)、セサミンを主成分とするアルコール分解促進作用を有する肝機能改善/増強剤が市販されている(商品名:セサミン、発売元:サントリー株式会社)。またセサミン以外の他のリグナン(例えば、セサミノール、セサモリンなど)もまた生理活性作用を有することが報告されている(例えば、日本農芸化学会誌、76:805−813(2002)参照)。このように、リグナン又はその誘導体は、種々の生理活性を有する生理活性物質あるいはその中間体として有用である。
まず、本発明は、以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを提供する。
(a)配列番号:1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号:2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1又は3の塩基配列の一部又は全部と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(d)配列番号:2又は4のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなり、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
本発明のポリヌクレオチドは、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはDNAの形態(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)で存在し得る。DNAは、二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)であり得るか、またはそれは、非コード鎖(アンチセンス鎖としても知られる)であり得る。
本明細書中、用語「ポリヌクレオチドの一部」は、そのポリヌクレオチドのフラグメントを意味し、例えば、少なくとも12nt(ヌクレオチド)、好ましくは約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、なおより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ntの長さのフラグメントが意図される。「少なくとも12ntの長さのフラグメント」は、例えば、配列番号1に示される塩基配列からの12以上の連続した塩基を含むフラグメントが意図される。本明細書を参照すれば配列番号1に示される塩基配列が提供されるので、当業者は,配列番号1に基づくDNAフラグメントを容易に作製することができる。例えば、制限エンドヌクレアーゼ切断または超音波による剪断は、種々のサイズのフラグメントを作製するために容易に使用され得る。あるいは、このようなフラグメントは、合成的に作製され得る。適切なフラグメント(オリゴヌクレオチド)が、Applied Biosystems Incorporated(ABI,850 Lincoln Center Dr.,Foster City,CA 94404)392型シンセサイザーなどによって合成される。
本発明のポリヌクレオチドは、それがコードするポリペプチドがリグナンメチル化活性を有する限り、配列番号:1又は3の塩基配列において1または複数個(例えば、1〜30個、1〜20個、1〜10個、1〜数個(例えば、6個)、1〜5個、1〜3個、1〜2個など)の塩基が欠失、挿入、置換、及び/または付加された変異体であってもよい。変異体は、コードもしくは非コード領域、またはその両方において変異され得る。コード領域における変異は、保存的または非保存的なアミノ酸の欠失、挿入、置換、または付加を生成し得る。
さらに、本発明は、配列番号:1または3の塩基配列と少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも85%、90%、92%、95%、96%、97%、98%または99%同一である塩基配列からなるポリヌクレオチドを提供する。
本発明のポリヌクレオチドを取得する別の方法として、PCRを用いる方法が挙げられる。このPCR増幅方法は、例えば、本発明のポリヌクレオチドのcDNAの5’側および/または3’側の配列(またはその相補配列)を利用してプライマーを調製する工程、これらのプライマーを用いてゲノムDNA(またはcDNA)等をテンプレートにしてPCR増幅する工程を包含することを特徴としており、本方法を使用すれば、本発明のポリヌクレオチドを含むDNA断片を大量に取得することができる。
本発明は、上記した本発明のポリヌクレオチドにコードされるタンパク質(ポリペプチド)をも提供する。そのようなポリペプチドは、典型的には、配列番号:2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質である。
本明細書中、用語「ポリペプチド」は、「ペプチド」または「タンパク質」と交換可能に使用される。また、ポリペプチドの「フラグメント」は、当該ポリペプチドの部分断片が意図される。本発明のポリペプチドはまた、天然供給源より単離されても、化学合成されてもよい。
また、本発明は、リグナンメチル化活性を有するポリペプチドを提供する。本明細書中、「リグナンメチル化活性」は、リグナンをメチル化する活性、すなわち、リグナンにメチル基を転移する活性が意図される。すなわち、本明細書中、「メチル化酵素」と「メチル基転移酵素」とは、相互交換可能に使用される。「リグナンメチル化活性」は、メチル基供与体であるSAMと基質であるリグナンとをリグナンメチル化酵素と反応させ、その反応生成物をHPLCまたはLC-MS分析することで測定又は確認することができる。一般的なメチル化酵素活性測定法は公知文献に記載のとおりである(公知文献:Toquin, V., et al. (2003) Plant Mol. Biol. 52, 495-509.,Gang, D. R., et al. (2002) Plant Cell 14, 505-519.)。
このような変異体は、配列番号:2又は4のアミノ酸配列において、1もしくは複数個(例えば、1〜30個、1〜20個、1〜10個、1〜数個(6個)、1〜3個、1〜2個など)のアミノ酸(アミノ酸残基)が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなり、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質を含む。「欠失、置換、挿入及び/又は付加」には、反復、およびタイプ置換(例えば、親水性の残基の別の残基への置換、しかし通常は強い親水性の残基を強い疎水性の残基には置換しない)が含まれる。特に、ポリペプチドにおける「中性」アミノ酸置換は、一般的にそのポリペプチドの活性にほとんど影響しない。
当業者は、周知技術を使用してポリペプチドのアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸を容易に変異させることができる。例えば、公知の点変異導入法に従えば、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の塩基を変異させることができる。また、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の部位に対応するプライマーを設計して欠失変異体または付加変異体を作製することができる。さらに、本明細書中に記載される方法を用いれば、作製した変異体が所望の活性を有するか否かを容易に決定し得る。
好ましい変異体は、保存性もしくは非保存性アミノ酸置換、欠失、または添加を有する。好ましくは、サイレント置換、添加、および欠失であり、特に好ましくは、保存性置換である。これらは、本発明のポリペプチド活性を変化させない。
上記に詳細に示されるように、どのアミノ酸の変化が表現型的にサイレントでありそうか(すなわち、機能に対して有意に有害な効果を有しそうにないか)に関するさらなるガイダンスは、Bowie, J.U.ら「Deciphering the Message in Protein Sequences: Tolerance to Amino Acid Substitutions」,Science 247:1306−1310 (1990)に記載されている。
本発明のポリペプチドは、アミノ酸がペプチド結合しているポリペプチドであればよいが、これに限定されるものではなく、ポリペプチド以外の構造を含む複合ポリペプチドであってもよい。本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド以外の構造」としては、糖鎖やイソプレノイド基等を挙げることができるが、特に限定されない。
また、本発明のポリペプチドは、付加的なポリペプチドを含むものであってもよい。付加的なポリペプチドとしては、例えば、HisやMyc、Flag等のエピトープ標識ポリペプチドが挙げられる。
本発明のポリペプチドは、下記で詳述されるように組換え生成されても、化学合成されてもよい(例えば、Houghten,R.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131−5135(1985);米国特許第4,631,211号等参照)。
本発明はさらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いることによって生物(好ましくは、植物)中のリグナンおよびメチル化リグナンの量を制御(増加または減少)するための方法および当該制御された生物(好ましくは、植物)を提供する。
本発明は、リグナンメチル化活性を有するポリペプチドを生成するために使用されるベクターを提供する。本発明のベクターは、インビトロ翻訳に用いるベクターであっても組換え発現に用いるベクターであってもよい。
本発明のベクターは、上述した本発明のポリヌクレオチドを含むものであれば、特に限定されない。例えば、リグナンメチル化活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのcDNAが挿入された組換え発現ベクターなどが挙げられる。組換え発現ベクターの作製方法としては、プラスミド、ファージ、またはコスミドなどを用いる方法が挙げられるが特に限定されない。
本発明の発現ベクターは、導入されるべき宿主の種類に依存して、発現制御領域(例えば、プロモーター、ターミネーター、および/または複製起点等)を含有する。細菌用発現ベクターのプロモーターとしては、慣用的なプロモーター(例えば、trcプロモーター、tacプロモーター、lacプロモーター等)が使用され、酵母用プロモーターとしては、例えば、グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター、PH05プロモーター等が挙げられ、糸状菌用プロモーターとしては、例えば、アミラーゼ、trpC等が挙げられる。また動物細胞宿主用プロモーターとしては、ウイルス性プロモーター(例えば、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター等)が挙げられる。植物体の形質転換に用いられる組換え発現ベクターは、当該植物内で本発明のポリヌクレオチドを発現させることが可能なベクターであれば特に限定されない。このようなベクターとしては、例えば、植物細胞内でポリヌクレオチドを構成的に発現させるプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター)を有するベクター、または外的な刺激によって誘導性に活性化されるプロモーターを有するベクターが挙げられる。
上記発現ベクターを用いて形質転換された宿主を、培養、栽培または飼育した後、培養物等から慣用的な手法(例えば、濾過、遠心分離、細胞の破砕、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等)に従えば、目的タンパク質を回収、精製することができる。
上記選択マーカーを用いれば、本発明のポリヌクレオチドが宿主細胞に導入されたか否か、さらには宿主細胞中で確実に発現しているか否かを確認することができる。あるいは、本発明のポリペプチドを融合ポリペプチド(例えば、GFPとの融合ポリペプチド)として発現させ、GFPの蛍光をマーカーとして用いてもよい。
本発明は、上述したリグナンメチル化活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入された形質転換体または細胞を提供する。本明細書中、用語「形質転換体」は、組織または器官だけでなく、生物個体を含むことが意図される。
形質転換体または細胞の作製方法(生産方法)は特に限定されないが、例えば、上述した組換えベクターを宿主に導入して形質転換する方法が挙げられる。ここで用いられる宿主細胞は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種細胞を好適に用いることができる。具体的には、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等の細菌、酵母(出芽酵母Saccharomyces cerevisiae、分裂酵母Schizosaccharomyces pombe)、線虫(Caenorhabditis elegans)、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞等を挙げることができる。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当分野で周知である。また、形質転換の対象となる生物も特に限定されるものではなく、上記宿主細胞で例示した各種微生物、植物または動物が挙げられる。
植物培養細胞を宿主として用いる場合は、形質転換は、組換えベクターを遺伝子銃、エレクトロポレーション法などで培養細胞に導入する。形質転換の結果得られるカルスやシュート、毛状根などは、そのまま細胞培養、組織培養または器官培養に用いることが可能であり、また従来知られている植物組織培養法を用い、適当な濃度の植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸、エチレン、ブラシノライドなど)の投与などによって植物体に再生させることができる。
好ましい実施形態において、ゴマを使用して、本発明の形質転換体を作製することができる。ゴマの形質転換体の作製方法としては、例えば、T.Asamizu:Transformation of sesame plants using MAT vector system:introduction of fatty acid desaturase genes.Sesame Newsletter 16:22〜25(2002)に記載されるような公知の方法が挙げられる。
このようにして得た形質転換ゴマを用いれば、当該ゴマ内でメチル化リグナンを生産するため、低コストかつ環境に低負荷な生産プロセスでメチル化リグナン(ピペリトール、および/またはピノレジノール)を生産することができる。
タバコの形質転換に好ましい方法としては、リーフディスク法が挙げられる。この方法は、操作が容易であり、かつ1枚の葉切片からいくつもの独立した形質転換体を得ることができる方法である。形質転換の方法はたとえば「新生物化学実験の手引き3 核酸の分離・分析と遺伝子実験法 化学同人 1996年」に記載されている。
このようにして得た形質転換タバコを用いれば、低コストかつ環境に低負荷な生産プロセスでリグナンメチル化酵素を生産することができる。
別の好ましい実施形態において、本発明の形質転換体として、イネを好適に用いることもできる。形質転換イネを用いれば、当該イネ内で低コストかつ環境に低負荷な生産プロセスでリグナンメチル化酵素を生産することができる。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターが導入された形質転換体を用いれば、植物などの生物に内在するリグナンをメチル化する反応を触媒することができるので、低コストかつ環境に対して低負荷な生産プロセスでメチル化リグナンの大量調製が可能になる。さらに本発明は、メチル化リグナンを大量調製することによって安価な食品または工業製品を提供することができる。
本発明の形質転換体を用いれば、リグナンメチル化反応を触媒するポリペプチドを低コストでありかつ環境に低負荷な条件下で提供することができる。
一実施形態において、本発明に係る細胞は、種々の細菌宿主であり得る。本実施形態に係る細胞は、本発明に係るポリヌクレオチドを含む組換えベクターを、当該ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが発現され得るように細胞中に導入することによって取得される。
本発明の細胞は、リグナン(特に、ピノレジノールまたはピペリトール)を含む生物であれば、生物種を問わず、上記ポリヌクレオチドを導入することで当該メチル化リグナンを生産することができる。
本発明に係る細胞を用いれば、リグナンメチル化反応を触媒するポリペプチドを低コストでありかつ環境に低負荷な条件下で提供することができる。
本発明は、本発明のポリペプチドを生産する方法を提供する。本発明のポリペプチドの生産方法を用いれば、リグナンメチル化反応を触媒するポリペプチドを低コストでありかつ環境に低負荷な条件下で提供することが可能となる。また、本発明のポリペプチドの生産方法を用いれば、リグナンメチル化反応を触媒するポリペプチドを容易に生産することが可能となる。
本発明のポリペプチドの生産方法は、上記ベクターを無細胞タンパク質合成系に用いることが好ましい。無細胞タンパク質合成系を用いる場合、種々の市販のキットを用いればよい。好ましくは、本実施形態のポリペプチドの生産方法は、上記ベクターと無細胞タンパク質合成液とをインキュベートする工程を包含する。
上記の宿主細胞は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種細胞を好適に用いることができる。具体的には、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等の細菌、酵母(出芽酵母Saccharomyces cerevisiae、分裂酵母Schizosaccharomyces pombe)、線虫(Caenorhabditis elegans)、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞等を挙げることができるが、特に限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当分野で周知である。
このように、本発明のポリペプチドの生産方法は、少なくとも、リグナンメチル化活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列、またはリグナンメチル化活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列に基づいて公知慣用技術を用いればよいといえる。
これまで、リグナンおよびメチル化リグナンの生産はゴマからの抽出により行われているので、大量生産ができない等の問題点を有していたが、本発明に従えば、リグナンおよびメチル化リグナンを低コストで大量生産できる。
本発明は、本発明のポリペプチドを発現する生物体または細胞を用いてメチル化リグナンを生産する方法を提供する。上記生物体は、天然の未改変生物体であっても組換え発現系を用いた形質転換体であってもよい。本発明のメチル化リグナン生産方法は、リグナン(特に、ピノレジノールまたはピペリトール)を効率よく生産することができる。
一実施形態において、本発明のメチル化リグナン生産方法は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで形質転換された生物体またはその組織を用いてメチル化リグナンを生産することを特徴とする。好ましくは、上記生物体は、上述した形質転換体植物または細菌であり、特に好ましくは、大腸菌、ゴマ、レンギョウまたはアマである。
本実施形態において、上記生物体は上記オリゴヌクレオチドを導入される前に産生したメチル化リグナンと導入後に産生するメチル化リグナンとの間でその組成が異なる。具体的には、上記生物体から得られるリグナンおよびメチル化リグナンは、その含有率が減少する。
本発明は、上述のメチル化リグナン生産方法により得られたメチル化リグナンを用いて製造される食品および工業製品を提供する。本項で記載する食品は、上述した形質転換植物体の種子、果実、切穂、塊茎、および/または塊根であっても、上述した形質転換植物体から抽出されたメチル化リグナンを用いて製造された食品(例えば、ゴマ、レンギョウまたはアマ、あるいはこれらの加工食品)であってもよい。本発明に係る食品または工業製品は、所望する量のリグナン(特に、ピノレジノールまたはピペリトール)を含有することができる。
例えば、上述のようにメチル化リグナンの含量が増加した本発明の形質転換植物から抽出されたメチル化リグナン抽出液は、メチル化リグナンの含量が高い食品として提供される。また、抽出したメチル化リグナンに限らず、上記形質転換植物体の種子、果実、切穂、塊茎、および/または塊根等もまた、メチル化リグナンを多く含む食品として提供される。メチル化リグナン組成を改変する対象は特に限定されるものではなく、植物以外にも動物、細菌、または酵母等のあらゆる生物を対象とすることが可能である。
また、リグナンおよびメチル化リグナンの独特な物性に基づいて、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、工業製品(例えば、フィルム、生分解性プラスティック、機能性繊維、潤滑油、または洗剤のような工業製品)の原料に利用され得る。
本発明は、以下の実施例によってさらに詳細に説明されるが、これに限定されるべきではない。
公知文献(国際公開公報WO2005/030944)に記載のゴマ種子由来のcDNAファージライブラリーをRapid Excisionキット(Stratagene社)を用いて製造業者が推奨する方法に従って大腸菌内にpBK-CMV(Stratagene社)に切り出した。このゴマ種子由来ESTを含む大腸菌コロニーをランダムに5000クローンをピックアップし、M13RVプライマー(配列番号5)およびM4(-20)プライマー(配列番号6)を用いて以下の条件でコロニーPCRを行った。
1×Ex−Taq buffer(TakaRa)、0.2mM dNTPs、プライマー各0.2pmol/μl、Ex−Taq polymerase 1.25Uからなる混合液に大腸菌コロニーをけん濁し、94℃で5分間の後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間の反応を30サイクル行ってPCR増幅した後、72℃で7分間保持した。
配列番号5:M13RV:5'-CAGGAAACAGCATTGAC
配列番号6:M4-20:5'-GTAAAACGACGGCCAGT
EST解析により得られた二種類のSiOMT1およびSiOMT2の遺伝子発現パターンを解析するために、公知文献(国際公開公報WO2005/030944)に記載のゴマの器官別cDNAに対して以下の条件でRT−PCRを行った。
cDNA 1μl、1×Ex−Taq buffer(TakaRa)、0.2mM dNTPs、プライマー各0.2pmol/μl、Ex−Taq polymerase 1.25Uからなる。94℃で5分間の後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間の反応を32サイクル行ってPCR増幅した後、72℃で5分間保持した。SiOMT1およびSiOMT2特異的プライマーとしてSiOMT1-FW(配列番号7)とSiOMT1-RV(配列番号8)およびSiOMT2-FW(配列番号9)とSiOMT2-RV(配列番号10)を用いた。SiOMT遺伝子の発現量と内在性遺伝子の発現量とを比較するために、内部標準となる遺伝子のPCR反応を同時に行った。具体的には、Si18SrRNA−Fプライマー(配列番号11)およびSi18SrRNA−Rプライマ−(配列番号12)を用いてゴマの18S ribosomal RNA遺伝子(アクセッション番号:AF169853)のPCR反応を行った。
配列番号7:SiOMT1-FW:5‘-TTGCCCCATGTCATTCAAGAT
配列番号8:SiOMT1-RV:5‘-AAAATTCAGACTTATAACGATACCAAA
配列番号9:SiOMT2-FW:5‘-TTAGAAAAACTCAATTCGTCTAAT
配列番号10:SiOMT2-RV:5‘-CCTACATCCACGACGGAATCCAAA
配列番号11:Si18SrRNA−FW:5’−tatgcttgtctcaaagattaa
配列番号12:Si18SrRNA?RV:5’−aacatctaagggcatcacaga
両ESTクローンが推定ORFの5’領域を含んでいなかったため、5’Rapid Amplification of cDNA End(以下、5’RACE)法を使用して、それぞれのSiOMT遺伝子の5’領域を増幅した。具体的には、Gene Racer kit(Invitrogen社)を製造業者の推奨する方法に従って使用して、以下のプライマー(配列番号13〜16)を用いて、各々の5’領域を増幅した。
配列番号13:GR-SiOMT1-RV:5'-ccggcccactgttcgggtcctaacgggaaa
配列番号14:SiOMT1-NEST−RV:5'-gcaaatccacttcataaaaat
配列番号15:GR-SiOMT2-RV:5'-cctcgggttccgctctttctgctcccagaa
配列番号16:SiOMT2-NEST−RV:5'-atcaatttgggaaattacaaa
配列番号17:GR-SiOMT2-FW:5'-gaagatcgccccatgagcatgaaacccttt
配列番号18:SiOMT2-NEST−FW:5'-aacgtcgttctgggagcagaaaga
SiOMT1とSiOMT2はお互いにアミノ酸配列で29%の配列同一性を示した。配列同一性について、Clustal W alignmentプログラム(Mac Vector ver.7.2.2(Symanteccorporation))をデフォルト設定で使用した。
プログラム:Blastx ver.2.2.9、データベース:nr、遺伝コード:standard(1)、フィルタ:LOW complexity、Expect:10、Word size:3、マトリクス:BLOSUM62、Gap Costs:Existence 11、Extension 1。
Blastx解析の結果、SiOMT1は、Catharanthsus roseus Caffeic acid-O-methyltransferase(COMT)(AAK20170)と74%の配列同一性を示し、SiOMT2は、Rosa hybrida(AAM23004)のOrcinol-O-methyltransferase(OOMT)と57%の配列同一性を示した。このように、両SiOMTと既知のメチル化酵素との配列同一性はいずれも高いとは言えない。従って、得られた両SiOMT遺伝子の機能を推定することはできなかった。すなわち、得られた両SiOMT遺伝子は、これまでに単離されていないリグナンメチル化酵素である可能性が非常に高い。
SiOMT1に対して配列番号20および21のプライマー対を使用して、cDNAの開始メチオニンコドン(ATG)の上流にBglII部位を、終始コドンの下流にSalI部位を有するフラグメントをPCR増幅した。
一方、SiOMT2に対して配列番号22および23のプライマー対を使用して、cDNAの開始メチオニンコドン(ATG)の上流にBamHI部位を、終始コドンの下流にXhoI部位を有するフラグメントをPCR増幅した。PCRに用いたプライマーを以下に示す。
配列番号20:Bgl2-SiOMT1-FW:5'-aaaacatgtatggcggatcagtccgaggaagaagaggcttt
配列番号21:SalI-SiOMT1-RV:5'-attgtcgacttatgaaattccatgatccaaatatt
配列番号22:BamHI-SiOMT2-FW:5'-aaaggatccatggcgatggttaaccaaaagcaaaatctt
配列番号23:XhoI-SiOMT2-RV:5'-aaactcgagttaaggatatatctcgatgatagatctcaa
pSPB2678および、pSPB2679に含まれるSiOMT塩基配列を解析して、正しくPCRが行われたことを確認した。これらのプラスミドをPCRプライマーに付加した制限酵素サイトで消化して得られる完全長SiOMTを含む約1.1kbのDNA断片を、大腸菌発現ベクターであるpQE30ベクター(QIAGEN)のBamHI/SalIサイトに挿入して、SiOMT1/pQE30(pSPB2690と称する)、SiOMT2/pQE30(pSPB2686と称する)を得た。
上記において作製した大腸菌発現ベクターpSPB2690およびpSPB2686を用いて大腸菌株JM109(TOYOBO)を形質転換し、最終濃度20μg/mlのアンピシリンを含むLB培地中にて37℃で一晩前培養した。前培養液の一部をアンピシリン50μg/ml、カザミノ酸0.5%を含むM9培地(10ml)に添加して、A600=0.6〜1.0に達するまで振盪培養した。次いで、培養液に最終濃度0.5mMのIPTG(Isopropyl−β−D−thiogalactopyranoside)を加え、さらに30℃で一晩振盪培養した後、3000rpmにて4℃で10分間遠心分離を行って集菌した。菌体を10mlの緩衝液(30mM Tris−HCl(pH7.5)、2mM MgCl2、0.5mM EDTA,50μM APSMF)に懸濁した後に超音波処理を行って大腸菌を破砕し、次いで、15,000rpmにて4℃で10分間遠心分離を行い、得られた上清を粗酵素液として以下の活性測定に用いた。
酵素反応の基質に用いるゴマリグナンは少量のDMSOに溶解した後に70%エタノールに溶解して基質溶液(1mg/ml)を調製した。ゴマリグナンは、例えば、公知の方法(日本農芸化学会誌 67:1693(1993))に従ってゴマから抽出および精製して得ることができる。基質溶液10μl、大腸菌で発現させたSiOMTの上記粗酵素液200μlおよび10mM S−Adenosyl-L-Mathianine(SAM) 10μlを反応チューブ中で混合した後、30℃で2時間反応させた。
0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む100%アセトニトリル(250μl)を反応チューブに添加することによって、酵素反応を停止させた。反応チューブをボルテックスミキサーで激しく攪拌した後、15,000rpmにて4℃で5分間遠心分離し、得られた上清をフィルタ(ポアサイズ0.45mm、4mm Millex−LH、Millipore)を用いて清浄化した後、液体高速クロマトグラフィー(以下HPLC)を用いてこの上清を分析した。リグナンおよびそのメチル化リグナンの分析条件は以下の通りである。
SiOMT1組換えタンパク質とピノレジノールとの反応液中において、リグナンのスペクトルを有する保持時間14.0分のピークAが新たに得られた(図3の3A)。また、SiOMT1組換えタンパク質とピペリトールとの反応液中において、リグナンのスペクトルを有する保持時間約17.7分のピークBが新たに得られた(図3の3B)。
この条件下で、ピークAは約8.3分、ピークBは約11.3分に検出される(図3〜5)。イオンモードES+、Cone voltage 15V、Collision 2eVのMS条件を用いて、100〜800(m/z,30分)の範囲でMSスキャンし、210〜400nm(30分)の範囲のPDAを測定した。
上記条件下でのLC−MS分析の結果、ピークAはアンモニウムイオン付加分子量373(m/z)、ピークBはアンモニウムイオン付加分子量371(m/z)であった(図6の4A、図7の4B)。従って、これらのピークは、それぞれピノレジノール(アンモニウムイオン付加分子量359)のモノメチル化されたもの、およびピペリトール(アンモニウムイオン付加分子量374)のモノメチル化されたものであると同定した。
以上の結果からSiOMT1はゴマリグナンであるピノレジノールおよびピペリトールに対してモノメチル化する活性を有する酵素であることが明らかになった。
リグナンメチル化活性を有する酵素遺伝子がゴマ種間において機能的および構造的に保存されているかどうかを明らかにするために、栽培ゴマ品種であるSesamum indicumとは細胞遺伝学的に異なるアフリカゴマ(Sesamum radiatum)から、SiOMT1のカウンターパート遺伝子(SrOMT1)を単離することを試みた。
S.radiatumはアフリカに現存するゴマ植物であり、細胞遺伝学解析によれば染色体数は2n=64とされており、栽培ゴマ品種であるS.indicum(2n=26)とは遺伝的に異なる系統である(参考文献、並木満夫、小林貞作「ゴマの科学」朝倉書店)。しかし、S.radiatum種子においても多様なリグナンが蓄積していることが知られている(参考文献、Bedigian,D.ら、Biochemical Systematics and Ecology 13:133−139(1985))。従って、S.radiatumのゲノム中にはS.indicumのSiOMT1に対応する遺伝子が含まれていることが期待される。
S.radiatum種子のcDNA 1μl、1×Ex−Taq buffer(TakaRa)、0.2mM dNTPs、プライマー各0.2pmol/μl、Ex−Taq polymerase 1.25Uからなる。94℃で5分間の後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間の反応を30サイクル行ってPCR増幅した後、72℃で5分間保持した。得られた約1.1kbのPCR産物を、製造者が推奨する方法に従ってpCR2−TOPO vector(Invitrogen社)のマルチクローニングサイトに挿入し、SrSiOMT1/pCR2−TOPO(pSPB2910)を得た。
プライマーウォーキング法によって、pSPB2910に含まれるSrOMT1の塩基配列(およびアミノ酸配列)を決定した(配列番号3および4)。SrOMT1は、SiOMT1に対してアミノ酸配列で89%の配列同一性を示した。配列同一性について、Clustal W alignmentプログラム(Mac Vector ver.7.2.2(Symanteccorporation))をデフォルト設定で使用した。この高い配列同一性はSrOMT1がSiOMT1のカウンターパート遺伝子であることを強く支持する。
実施例4と同様にSrOMT1の大腸菌発現ベクターであるSrOMT1/pQE30(pSPB2911)を構築し、実施例5と同様に組換えタンパク質を調整し、実施例6と同様にその活性および生成物の分析を行った。
SrOMT1はSiOMT1と同様に、ピノレジノールおよびピペリトールに対してメチル化活性を示した(図2)。また、SiOMT1はセサミノールに対してメチル化活性を示さなかった。以上の結果より、SrOMT1はSiOMT1のカウンターパート遺伝子であり、本酵素遺伝子がゴマ種間で保存されていることが示された。
ゴマゲノム内におけるSiOMT1遺伝子のコピー数を明らかにするために、ゲノミックサザン解析を実施した。Nucleon Phytopure for Plant Extraction Kit(アマシャム社)を製造業者が推奨する方法に従って用いて、S.indicum(真瀬金品種)の葉からゲノムDNAを抽出した。抽出したゲノムDNA20μgを、EcoRI、HindIII,XhoIまたはXbaIで消化した後、アガロースゲルを用いた電気泳動にて分離した。このアガロースゲルを0.25M HClを用いて15分間加水分解した後、1.5M NaCl/0.5M NaOHの溶液を用いて変性させ(30分間)、1.5M NaClを含むTris−HCl(pH7.5)を添加することによって変性溶液で中和した(20分間)。次いで、アガロースゲル内のゲノムDNAを、20×SSC溶液中にてメンブレン(Hybribond−N、アマシャム社)に転写した。メンブレンに転写したゲノムDNAをUV照射によりメンブレンに結合させ、7%SDS、50%ホルムアミド、5×SSC、2%ブロッキング試薬、0.1%ラウロイルサルコシン、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)からなるハイブリダイゼーション緩衝液(高SDS緩衝液:ロシュ社)を用いて、42℃で1時間プレハイブリダイゼーションを行った。
サザン解析の結果、いずれの制限酵素消化画分においても二本以上のバンドが検出されたので、SiOMT1と極めて相同性の高い遺伝子が少なくとも1つ以上ゴマゲノム内にコードされていることが示された(図8)。さらに言えば、ゴマゲノム中にはSiOMT1と機能的に重複もしくは類似した酵素遺伝子が複数存在することが期待される。
実施例3に示すようにデータベース検索によりSiOMT1およびSrOMT1は既知のタンパク質の中ではCOMTと最も高い配列同一性を示す。このことはゴマメチル化酵素がCOMT活性をも有していることを示唆する。
実施例5および実施例7で発現させたSiOMT1およびSrOMT1のカフェ酸に対するメチル化活性を検討した。0.4mg/mlカフェ酸10μl、大腸菌で発現させたSiOMTの粗酵素液200μlおよび10mM SAM 10μlを反応チューブ中で混合した後、30℃で1時間反応させた後、実施例6と同様の方法でHPLC分析に供した。
その結果、SiOMT1およびSrOMT1共にカフェ酸との反応液中に標準品フェルラー酸と保持時間が一致するピークC(保持時間約7.3分)が生成した(図9の6A〜6C))。本HPLC分析条件下ではカフェ酸は保持時間約3.9分に溶出される。
実施例6と同様の条件でLC−MS分析を行ったところピークCはアンモニウムイオン付加分子量195(m/z)であった(図10の6D)。従って、ピークCは、カフェ酸(アンモニウムイオン付加分子量181(m/z))がモノメチル化されて生成するフェルラー酸であることが確認された。これにより二種のリグナンメチル化酵素は共にCOMT活性をも有していることが明らかとなった。
さらに、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを、本発明者らが見出した他の酵素(ピペリトールおよびセサミンを合成する酵素であるSiP189)と組み合わせることによって、ゴマに限ることなく、特定のリグナン分子種の生産系の確立が可能となり、その結果、特定のリグナンおよびメチル化リグナンの生産量を拡大することができる。従って、本発明は、農業、食品産業、医薬品産業およびこれらの関連産業にわたる広範な利用が可能である。
Claims (14)
- 以下の(a)〜(c)のいずれかに記載のポリヌクレオチド:
(a)配列番号:1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号:2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;及び
(c)配列番号:2又は4のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加したアミノ酸配列からなり、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。 - 配列番号:2又は4のアミノ酸配列、または当該アミノ酸配列に対して1又は数個のアミノ酸の付加、欠失及び/又は他のアミノ酸による置換によって修飾されているアミノ酸配列を有し、かつリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする前記請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号:1又は3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する前記請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号:2又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する前記請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- DNAである、前記請求項1〜4のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
- フロフラン型リグナンに対してメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする前記請求項1〜5のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
- ピノレジノール及び/又はピペリトールに対してメチル基を転移する活性を有するタンパク質をコードする前記請求項6に記載のポリヌクレオチド。
- 前記請求項1〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドにコードされるタンパク質。
- 前記請求項1〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
- 請求項9に記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
- 請求項10に記載の宿主細胞を培養し又は生育させ、当該宿主細胞からリグナンにメチル基を転移する活性を有するタンパク質を採取することを特徴とする該タンパク質の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドが導入された植物体もしくは当該植物体と同一の性質を有する該植物体の子孫となる植物体、又はそれら植物体の組織。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドにコードされるタンパク質を用いてリグナンにメチル基を転移する方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドを植物体に導入し、発現させることによって、産生するリグナン組成が改変された当該植物体もしくは当該植物体と同一の性質を有する該植物体の子孫となる植物体。
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