JP4017640B2 - 木質外壁の防耐火構造 - Google Patents

木質外壁の防耐火構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4017640B2
JP4017640B2 JP2005175070A JP2005175070A JP4017640B2 JP 4017640 B2 JP4017640 B2 JP 4017640B2 JP 2005175070 A JP2005175070 A JP 2005175070A JP 2005175070 A JP2005175070 A JP 2005175070A JP 4017640 B2 JP4017640 B2 JP 4017640B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
base material
thickness
finishing
fireproof
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005175070A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006348558A (ja
Inventor
優 横林
文雄 木村
基信 梅原
昌也 岩本
敬子 穐本
寛 日吉
昇 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui House Ltd filed Critical Sekisui House Ltd
Priority to JP2005175070A priority Critical patent/JP4017640B2/ja
Publication of JP2006348558A publication Critical patent/JP2006348558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4017640B2 publication Critical patent/JP4017640B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)

Description

本発明は、木質外壁における防耐火構造に関する。
通常、防火地域では延べ面積が100m2を超えるか、または3階以上の建築物はすべて、「耐火建築」としなければならず、準防火地域でも、階数、規模によって防火地域と同様に防火上の制限が設けられている。特に、木造建築物の場合は、延焼のおそれのある外壁および軒裏を防火構造とすることが要求されている。従来、このような防火規制のある地域では外壁材に可燃性材料を使用するのに制限があり、下地材を不燃性材料とすることで一定の防火性能を確保すれば、その外側の外壁仕上げを可燃性材料とするのは認可されていた。
また、準防火地域やそれよりも厳しい規制を受けるのは住宅の密集する都市部に多いが、近年では木材のもつ意匠性が再評価されており、都市部の住宅でも、外壁仕上げに可燃性材料である木材を使用して美観をよくしたいという要望が高まっていた。
従来の防火構造としては、例えば、特許文献1に記載されているような外壁構造がある。この種の外壁構造は、複数枚の面材の端部が隙間を有するようにして突き合わせ配置されて形成され、隙間には防水シール材が介装されている。また、外壁面材の裏面側には、隙間に対応する位置に耐火シートが配置されて、隙間から火炎が外壁面材の裏面側に侵入するのを防止できるように構成されている。この外壁構造では、耐火シートとして、アルミニウム製シートやアルミニウム合金製シート等の金属製シートにプロピレン等の樹脂からなる樹脂製シートが裏打ちされて形成されたものが用いられている。
また、特許文献2に記載された外壁構造では、躯体の外側に下地面板が配設され、この下地面板の外側に胴縁を介して木質系材料からなる外壁材が配設されている。この外壁構造では、外壁材に木材や集成材、複合合板等を使用できるようにするために、下地面板に不燃材、準不燃材、または難燃材を使用している。下地面板の具体的材質としては、繊維補強セメント板、ケイ酸カルシウム板、火山性ガラス質複層板、鉄板等が例示されている。また、かかる下地面板の厚さは9mm以上とすることが記載されている。
特開平10−159209号公報 特開2002−356943号公報
前記特許文献に記載の外壁構造は、防火性能を得るために外壁材と下地材との間に金属製のシートを介装させたり、下地材に不燃材、準不燃材、または難燃材を使用したりする方法がとられている。これは、下地材を不燃性材料とすることで一定の防火性能を得て、外壁仕上げに可燃性材料を使用することを可能にしようとしたものである。
しかしながら、近年の防耐火基準の合理化により、従来の「仕様」を中心とした基準から、「性能」を中心とした基準に移行(性能規定化)され、外装材として木材を利用する可能性が広げられた。そこで、所定の耐火性能検証法で規定している条件を満たせば、木材の使用が認められるようになった。
また、こうした木材使用の規制緩和とともに、最近では二酸化炭素の排出量を削減する目的から、建物における持続可能性を高め、森林資源の保護育成を図ることが求められるようになっていた。これは、建物の外壁について言えば、一定の防耐火性能を確保するとともに、使用する材料についても検討を要しており、前記特許文献に記載されたような不燃材等の使用を控え、その廃棄までを視野に入れた新たな外壁構造を実現することが必要とされていた。
そこで本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、外壁に木質材を用いて所定の防耐火性能を確保することを可能し、これにより外壁仕上げ材の意匠性を高ることを目的としている。さらに、かかる仕上げ材の更新を容易にしたり、下地材の材質に配慮したりして、長期にわたる建物の持続可能性を高めるとともに、森林資源の施業に寄与することのできる木質外壁の防耐火構造を提供するものである。
上記した目的を達成するため、本発明に係る木質外壁の防耐火構造は、10mm以上の板厚を有する集成材を少なくとも3層に積層して30mm以上の厚さを確保するように形成した下地材を用い、この下地材の外側面に、防風防水透湿シートが張設されるとともに複数本の胴縁が配設され、前記胴縁は通気性および排水性を確保する通気凹部が設けられており、無垢材からなる外壁仕上げ材が合决り状に接合されて前記胴縁を介して下地材の外側に張設されて、前記下地材の厚みにより防火性および耐火性を備えたことを特徴とする。
一般に、木材は炭化することによって遮熱効果を発揮する。そこで、木質材からなる下地材に適切な厚さを確保するようにすれば、別途防火上の処理を施したり、熱の反射材等を仕上げ材との間に挟み込んだりしなくても、必要な防耐火性能を得ることができる。本発明では、下地材に木質材を使用するとともに、その下地材の厚さを30mm以上としている。火災時における木材の炭化速度は、1分間に0.6〜0.8mm程度とされているので、このように下地材の厚さを30mm以上確保することにより、少なくとも30分の防耐火性能を担保することができる。したがって、防耐火性能を下地材で確保しているので、仕上げ材には木質材を使用することが可能になる。
また本発明では、下地材と仕上げ材との間に胴縁の通気凹部によって通気空間が形成され、外壁の通気性および排水性を確保することができる。
このように下地材を3層構成とすることで、木質材に特有の反りを防ぐことができ、各層に10mm以上の板厚を確保しておくことで、全体として防耐火性能の担保に必要な30mm以上の厚さを有するように構成することができる。また、このように下地材を積層することにより、集成材のもつ強度の異方性を修正するとともに、寸法安定性を得ることができる。
また、本発明では、隣接する仕上げ材同士が板傍に形成された决りにより合决り状に接合されていることにより、経年変化を生じた仕上げ材を容易に更新することができるようになされている。
さらに、本発明では仕上げ材に無垢材を用いることが好ましく、外壁の意匠性が高められて居住者の満足度を高めることができる。
上述のように構成される本発明に係る木質外壁の防耐火構造によれば、外壁仕上げ材および下地材に木質材を用いても所定の防耐火性能を確保することができるようになり、建物の美観を高めることができる。また、前記構成により、外壁仕上げ材の更新を容易にしたり、下地材の材質に配慮したりすることが可能になり、長期にわたる建物の持続可能性を高めるとともに、森林資源の施業に寄与することができる。
以下、本発明に係る木質外壁の防耐火構造を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1本発明の外壁を示す横断面図である。
外壁1は、木質材からなる下地材4に対して木質材からなる仕上げ材2が配設された2層構造となされている。これらの下地材4と仕上げ材2との間には胴縁3が介装されている。
外壁1の下地材4には、30mm以上の厚さが確保されている。例示の形態では、下地材4は12mmの板厚を有するスギ集成材を3層に積層させて形成され、全体として36mmの厚さが確保されている。
かかる下地材4の積層構成により、1分間に0.6〜0.8mm程度とされた木材の炭化速度に対して、下地材4の36mmの厚さで防耐火性能を確保することができる。また、集成材を積層させることにより集成材のもつ異方性を小さくし、狂いを生じにくくすることができる。加えて、かかる下地材4は木質材の中でも比較的品質が低いとされる木材も使用することが可能であるので、積極的に国産間伐材を利用することができ、これにより森林資源の保護育成に寄与することができるようになされている。
3層に積層された下地材4は、柱、間柱等の軸組5に取り付けられ、その外側面に防風防水透湿シート6が張設されている。図1には、軸組5としてリップ形鋼(C形鋼)を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、どのような鋼材または木材からなる軸組5にも適用することができる。
さらに、かかる下地材4の外側面に、複数本の胴縁3が配設されている。胴縁3は、等間隔で通気凹部31を備えて形成されている。この胴縁3は、下地材4の外側面に対して水平方向に所定間隔で配設されている。
また、3層に積層した所定幅の下地材4を1ユニットとして外壁1に施工する場合には、隣接配置される下地材4同士の間に防火目地7を設けることが好ましい。防火目地7は、例えば熱膨張性耐火材などを用いて形成されている。
本発明において、下地材4および胴縁3の外側には木質材からなる仕上げ材2が配設されるが、この仕上げ材2には無垢材が用いられており、各々の仕上げ材2の板傍には、决り加工20がなされている。
例示の形態では、隣接する仕上げ材2同士は、合决りにして接合されている。すなわち、仕上げ材2の板傍は、厚さをそれぞれ半分ずつ欠き取って、釘打ち固定されるとともに、隣接する仕上げ材2が張り合わせられて接合されている。
かかる仕上げ材2の接合部は、ちょうど胴縁3の突部32に配置されることが好ましく、これにより、仕上げ材2との間で通気凹部31が通気空間となり、外壁1の通気性および排水性を確保している。
また、このように仕上げ材2が無垢材で構成され、合决り状に接合されることで、経年変化により仕上げ材2に変形や汚れが生じたときには、仕上げ材2を容易に取り外して更新することが可能になる。加えて、更新によって取り除かれた仕上げ材2は、無垢材であるからリサイクルも可能とすることができる。
以上のように、本発明の木質外壁の防耐火構造によれば、下地材4の厚みで炭化速度に対応させて防耐火性能を確保することができ、下地材4で防耐火性能を確保したことによって、仕上げ材2に木質材を使用でき、外壁1の意匠性を高めることができる。
なお、上記説明において、外壁仕上げ材2には無垢材、下地材4には集成材を例示したが、本発明はこれらに限定されず、どのような木質材であってもよい。また、仕上げ材2の接合は合决りとされたが、これに限定されず、更新の容易な溝形状であればどのような接合部が形成されてもよい。
次に、本発明に係る木質外壁の防耐火構造について実施例を示す。この実施例では、下記に示す構成部材について、建築基準法第2条第八号(防火構造)の規定に基づく防火性能試験を行った。
試験体の材料および仕様は以下のとおりである。
下地材:36mm(板厚12mmのスギ集成材を3層に積層)
軸組:SS400,C−60×40×10×3.2mm
試験体の大きさ:1,600mm×1,000mmの矩形状
前記構成で、建築基準法第2条第八号(防火構造)の規定に基づく防火性能試験を30分間行った。この防火性能試験では、火災時における外壁の屋外側からの火熱を想定して、加熱炉により試験体表面の全面に所定温度の時間変化をほぼ一様に与え、試験体の裏面温度(外壁面の屋内側の温度上昇)を測定した。
その結果、外壁面の屋内側の平均温度上昇は、試験体の裏面温度上昇が試験開始から30分を経過するまで、平均で140K以下、最高で180K以下という基準を満足した。また、火炎が通る亀裂等の損傷も生じなかった。
以上より、本発明に係る防耐火構造の実施例の構成では、建築基準法第2条第八号(防火構造)に規定された30分防耐火性能を発揮できることが確認された。
本発明に係る木質外壁の防耐火構造は、外壁に無垢材を用いることを要望される住宅等において規定の防耐火性能を確保するのに好適に利用することができる。
本発明に係る木質外壁の防耐火構造を示す断面図である。
符号の説明
1 外壁
2 仕上げ材
3 胴縁
4 下地材
5 軸組
6 防風防水透湿シート
7 防火目地

Claims (1)

  1. 10mm以上の板厚を有する集成材を少なくとも3層に積層して30mm以上の厚さを確保するように形成した下地材を用い、この下地材の外側面に、防風防水透湿シートが張設されるとともに複数本の胴縁が配設され、前記胴縁は通気性および排水性を確保する通気凹部が設けられており、無垢材からなる外壁仕上げ材が合决り状に接合されて前記胴縁を介して下地材の外側に張設されて、前記下地材の厚みにより防火性および耐火性を備えたことを特徴とする木質外壁の防耐火構造。
JP2005175070A 2005-06-15 2005-06-15 木質外壁の防耐火構造 Active JP4017640B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005175070A JP4017640B2 (ja) 2005-06-15 2005-06-15 木質外壁の防耐火構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005175070A JP4017640B2 (ja) 2005-06-15 2005-06-15 木質外壁の防耐火構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006348558A JP2006348558A (ja) 2006-12-28
JP4017640B2 true JP4017640B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=37644686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005175070A Active JP4017640B2 (ja) 2005-06-15 2005-06-15 木質外壁の防耐火構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4017640B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7423385B2 (ja) 2020-03-31 2024-01-29 株式会社熊谷組 木製壁材と鉄骨柱との接合構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006348558A (ja) 2006-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090313931A1 (en) Multilayered structural insulated panel
JP6375025B2 (ja) 軽量耐火間仕切壁の目地構造及びその施工方法
JP4021156B2 (ja) 耐火間仕切壁の耐火目地構造
WO2020070938A1 (ja) 間仕切壁
EP2256265B1 (en) Insulated multilayer sandwich panel
JP4017640B2 (ja) 木質外壁の防耐火構造
KR102275607B1 (ko) 내화성 및 단열성, 흡음성을 가지는 삼중 패널 구조
JP6940655B2 (ja) 鉄骨造の外壁耐火構造
JP6338103B2 (ja) 耐火集成材
JP2013068077A (ja) 防火区画壁
JP4700215B2 (ja) 防火区画壁
JP2016053257A (ja) 換気用通気部材
JP2020139404A (ja) 耐火構造
JP2002356943A (ja) 外壁構造
JP2003286751A (ja) 防火パネルの連結構造
JP3127401U (ja) 木造建築物の内外壁構造
JP6308980B2 (ja) 耐火柱及び耐火梁
JP6497922B2 (ja) 木造建築物の外張り断熱耐火外壁構造
JP4260818B2 (ja) 木質系積層面材
JP3197910U (ja) 軒天井構造
JP5156541B2 (ja) 通気壁構造および通気壁の施工方法
KR20050080076A (ko) 조립식 금고실 벽체패널 및 벽체구조
JP2021085261A (ja) 耐火木製構造材
JP2005290695A (ja) 建物の壁体及び建物
JPS6140813Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4017640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250