JP4017374B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の糸巻きボビンの紙管等を多段に積み重ねた状態で、移動、保管が可能なポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
製糸メーカーで製造された糸巻ボビンは、複数本ごとに梱包されて輸送される。かかる輸送は、糸巻ボビンの開口端部を嵌め込んで固定するための突状パッドと該突状パッドが所定間隔で設けられている支持板からなるパレットを用いて、糸巻ボビンを多段に積み重ねた梱包体として行われる。上記パレットは、ユーザーが開梱した後は再使用のために返送されるのが通常である。
【0003】
前記パレットは、保管スペースやパレット返還時の運賃の削減という観点から、パレット同士を積み重ねた場合に嵩張るものであってはならず、コンパクトに積み重ねることが要求される。又、パレット同士の位置ずれが起きると糸巻ボビンの荷造りが不安定になる上に、製糸メーカーにおいて、ロボットにより糸巻ボビンの自動梱包を行なう際に、ロボットがパレットの位置を認識できないので、荷造りができなくなるという不都合さえ発生する。従って、パレット同士が積み重ねられた際に位置ずれを起こさないことも要求される。
【0004】
このような不都合を解決するために、合成樹脂製の特定構造の突状パッドが設けられたパレットを使用することが開示されている(実公平7−43099号公報)。該実公平7−43099号公報記載のパレットを使用すれば、パレットをコンパクトに積み重ねることができ、パレット同士の位置がずれるということは解決できる。
【0005】
しかしながら、上記公報記載のパレットの支持板は段ボール又は合成樹脂製である。従って、支持板が段ボール製の場合は湿気に弱いことから、水分を吸収すると破損し易く、その結果パレット同士が積み重ねられた状態での位置ずれが頻繁に発生したり、パレットの破損が原因で作業者が怪我をするという問題を有する。又、支持板が合成樹脂製の場合は、重量がありすぎて取り扱いが困難な上に、作業者が足元に支持板を落として怪我をしやすいという問題も有する。
【0006】
一方、梱包体の積み下ろしや輸送時の衝撃による糸巻ボビンの糸巻層のずれを防止する必要がある。かかる糸巻層のずれを防止するために、最下段に振動吸収層としてパレットの芯部を段ボール、発泡樹脂シート等で構成することが開示されている(実公平7−43099)。しかしながら、この場合もパレットの支持板は段ボール等で構成されているため、水分を吸収すると破損し易くなったり、パレット同士が積み重ねられた状態での位置ずれが頻繁に発生したり、パレットの破損が原因で作業者が怪我をするという問題を有する。
【0007】
又、前記従来のパレットは、突状パッドと支持板が異なる材料で構成されているため、リサイクルする際、突状パッドと支持板を分離する手間がかかるので、リサイクルは容易ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した従来技術の欠点に鑑み、軽量で扱い易く、耐水性に優れ、破損しにくく、コンパクトに積み重ねることができ、積み重ねた状態でパレット同士の位置がずれることがなく、衝撃吸収性に優れると共に、リサイクルが可能な、糸巻ボビンや紙管等の梱包用のパレットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、
(1)凸部が複数形成されてなる保持部が支持板の両面の背中合わせの位置に対をなして複数設けられているポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットであって、前記パレットの見掛け密度が0.02〜0.40g/cm3であり、前記凸部が保持部の平面視形状全体を囲む円周の一部をなすように形成され、パレット同士を積み重ねた場合に、支持板の一方の面に設けられている保持部と、支持板の他方の面における背中合わせの位置に設けられている保持部とが、互いに噛合うように形成されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット、
(2)凸部が複数形成されてなる保持部が支持板の一方の面に複数設けられているポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットであって、前記パレットの見掛け密度が0.02〜0.40g/cm3であり、前記凸部が保持部の平面視形状全体を囲む円周の一部をなすように形成されており、前記支持板の保持部が設けられている面と反対側の面における、前記保持部に対して背中合わせの部分が、平坦部又は保持部を挿入可能な凹部として形成されており、前記保持部が前記(1)記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットの対応する位置に設けられている保持部と互いに噛合うように形成されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット、
(3) 保持部の周囲が補強されていることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット、
をパレットを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基き詳細に説明する。
以下、図1〜9に基づき本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット(以下、パレットという。)を詳細に説明する。図1(a)は本発明の請求項1に対応するパレットの一態様を示す平面図、同(b)は正面図、図2は凸部が複数形成されてなる保持部(以下、保持部という。)の平面図、図3は保持部における凸部の配置関系を示す説明図、図4は保持部における凸部の他の配置関系を示す説明図、図5は保持部の斜視図、図6は保持部同士が内側斜面を密接させて噛合う状態を説明するための保持部周辺の拡大断面図、図7(a)は本発明の請求項2に対応するパレットの第二の態様を示す平面図、同(b)は正面図、図8(a)は本発明の請求項2に対応するパレットの第三の態様を示す平面図、同(b)は同(a)のVIII-VIII線に沿う断面図である。図9は本発明のパレットを積み重ねた態様を示す平面図である。
【0011】
本発明のパレット1は、図1(a)、(b)に一態様を示すように、保持部2が支持板3の両面の背中合わせの位置に対をなして複数設けられており、前記保持部2及び支持板3は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体(以下、単に発泡粒子成型体という。)からなる。
【0012】
本発明のパレット1を構成する保持部2と支持板3は、安価かつ効率的に製造できるという点から、型内成型により一体として成形されていることが好ましい。但し、本発明は、型内成型により一体として成形されている発泡粒子成型体によって構成されるパレットに限定するものではなく、保持部2と支持板3とを別々に製造して、例えば接着剤を用いて接合したものや熱融着により接合したものでもよい。
【0013】
前記発泡粒子成型体は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(以下、単に発泡粒子という。)を、必要に応じて加圧熟成して発泡粒子内に所定の内圧を付与した後、該発泡粒子をそのまま、若しくは加圧状態で開閉し得るが密閉し得ない成型用の型内に充填し、発泡粒子を構成する基材樹脂の融点付近の温度の水蒸気を注入し、発泡粒子を加熱し、発泡粒子相互を融着せしめることにより製造することができる。又、かかる方法によれば、保持部2及び支持板3を型内成形により一体として成形することができるので、発泡粒子成型体を安価かつ効率的に製造することができる。
【0014】
本発明のパレット1は、このように保持部2及び支持板3が発泡粒子成型体により構成されているので、湿気に強く、軽量で扱い易い。又、パレット1全体が発泡粒子成型体により構成されているので優れた振動吸収性を有する。従って、糸巻ボビン梱包用のパレットとして使用する場合、輸送時の衝撃等による糸巻層のずれを防止するための振動吸収層を特別に設ける必要がない。また、安価に製造できる上に、パレット1全体が同一の材料で構成されているので、分別することなく容易にリサイクルできる。また、パレット1全体が型内成形により一体として構成されたものであれば、製造時に保持部2と支持板3を組み立てるという煩雑な工程を必要としないので、安価かつ効率的に製造できる。
【0015】
本発明において用いる前記発泡粒子は、次のような従来公知の手段により製造される。
まず、基材樹脂を押出機で溶融混練した後、ストランド状に押し出して、冷却後適宜長さに切断するか、或いは適宜長さに切断後冷却する等して、ペレット状の樹脂粒子を製造する。次に、該樹脂粒子を発泡剤の存在下で密閉容器内に貯えた水等の分散媒に分散させて、樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱して樹脂粒子内に発泡剤を含浸せしめる。次に、容器の一端を開放し、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながら樹脂粒子と水とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に放出して樹脂粒子を発泡させる。かかる手段によれば、本発明において用いる発泡粒子を容易に得ることができる。
【0016】
本発明の保持部2及び支持板3を構成する上記発泡粒子成型体の基材樹脂、即ち前記発泡粒子の基材樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が用いられている。該ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂や、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、更にこれらの樹脂の1種又は2種以上を混合した樹脂が挙げられる。前記樹脂の中でも圧縮強度及び耐熱性に優れるという点から、ポリプロピレン系樹脂を用いるのが好ましく、コモノマー成分が2〜7重量%であるプロピレン系共重合体が強靱性、耐熱性、柔軟性等の点で優れているので特に好ましい。
【0017】
但し、本発明は前記樹脂に限定するものではなく、基材樹脂の30重量%以下であれば、前記樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂を含有させることができる。
【0018】
上記ポリオレフィン系樹脂は架橋されたものでも、或いは無架橋のものでも良いが、リサイクル性の点からいえば無架橋のものが好ましい。また、該ポリオレフィン系樹脂にカーボンブラック等の耐候性材料や酸化防止剤、紫外線吸収剤等を混入すれば、耐候性に優れたパレット1を得ることができる。
【0019】
本発明におけるパレット1の見掛け密度は、0.02〜0.40g/cm3が好ましく、圧縮強度に優れると共に取り扱いが容易であるという点から0.045〜0.30g/cm3がより好ましく、0.06〜0.20g/cm3が更に好ましい。見掛け密度が0.02g/cm3未満の場合は、パレットに要求される圧縮強度等の機械的強度を得ることができない虞があり、0.40g/cm3を越える場合は、重過ぎて取り扱いが困難になる虞がある。なお、見掛け密度は、パレットの重量とその体積により算出する値を採用する。
【0020】
本発明のパレット1においては、前記保持部2は複数の凸部4からなる。該凸部4の各々の平面視形状は、図2に示すように、円弧7と保持部2内側に向かう二本の直線6、8を有する略扇形であり、保持部2における全ての略扇形は同一形状であることが、保持部2の構造がシンプルになるので好ましい。尚、凸部4の平面視の形状が、円弧7と保持部2内側に向かう二本の直線6、8を有する略扇形であるとは、凸部4と支持板3が結合している部分の周縁に円弧状をなす部分と、該円弧部分の端部から保持部2内側に向かって伸びる直線状部分が2個所存在することを意味する。
【0021】
但し、本明細書においては、円弧7は完全な円弧状である必要はなく、後述するように紙管の開口端部の内側部分と嵌合することさえできれば多角形であってもよく、二本の直線6、8も多少の屈折部や円弧状の部分を含んでいてもよい。また凸部4は平面視において同一形状であることが好ましいが、後述するように、保持部2同士が噛合うことさえできれば異なる部分があってもよい。
【0022】
本発明においては、前記各々の略扇形の円弧7が保持部2の平面視形状全体を囲む円周Cの一部をなすように、凸部が形成されている。即ち、保持部2の平面視において、平面視形状全体を囲む円周Cを想定することができ、該円周C内において、凸部4の底部の円弧状をなす部分が円周Cと一致するように、複数の凸部4が配置されている。円弧7がこのように構成されていると、後述するように、紙管の開口端部の内側部分を保持部2と嵌合させることにより容易に紙管を固定することができる。
【0023】
但し、本明細書において、円周Cは全体として円径であって、紙管の開口端部の内側部分と保持部2とが嵌合できさえすれば、多少の凹凸部や、円弧状から歪んだ部分があるものであっても良い。
【0024】
本発明においては、前記略扇形が略同一形状であり、前記円周C上において各々の略扇形の円弧7が等間隔で配置されるように、凸部4が形成されていることが、保持部2の構造がシンプルなものとなり、パレット1同士を積み重ねた場合に保持部2同士が安定して噛合うので好ましい。具体的には、図3に示すように、円周C上において、円弧7aと円弧7bの長さが等しく、円弧7aと円弧7bを除いた部分の円弧9と円弧10の長さが等しくなるように、凸部4(斜線で示された部分。)が形成されていることが好ましい。
【0025】
但し、本発明のパレット1は、二つの凸部4からなる保持部2に限定するものではなく、例えば、図4に示すように、三つの凸部4(斜線で示された部分。)からなる保持部2として構成されていてもよい。この場合は、円周C上において、各扇形の円弧17a、17b、17cの長さが等しく、円弧17aと円弧17bと円弧17cを除いた部分の円弧18と円弧19と円弧20の長さが等しくなるように、凸部4が形成されていることが好ましい。
【0026】
本発明のパレット1においては、前記円弧7に連なる凸部4の部分が、図5、図6に示すように、該円弧7と同一半径の円弧状部分12として形成されている。従って、紙管等の開口端部の内側部と円弧状部分12とを嵌合させることにより、紙管等を容易に固定することができる。
【0027】
但し、本明細書において、円弧状部分12は全体として紙管等の開口端部の内側部分と嵌合することさえできれば、多少の凹凸部や、円弧状から歪んだ部分があっても良い。
【0028】
本発明のパレット1においては、前記保持部内側に向かう二本の直線6、8に連なる凸部4の部分が、図5に示すように、内側傾斜面部分13,14として形成されている。該内側傾斜面部分13、14は、後述するようにパレット1同士を積み重ねた場合に、互いに密接して保持部2と保持部2を互いに噛合わせる機能を有するものである。かかる観点から、内側傾斜面部分13と内側傾斜面部分14は同一形状であることが好ましく、斜面の傾斜角度は水平方向に対して30〜70度であることが好ましい。
【0029】
本発明においては、パレット1同士を積み重ねた場合に、支持板3の一方の面に設けられている保持部2と、支持板3の他方の面の背中合わせの位置に設けられている保持部2'とは、図6に示すように、内側斜面部分13と内側斜面部分13'とを密接させ、内側斜面部分14と内側斜面部分14'とを密接させて互いに噛合うように形成されている。このように構成されているパレット1同士は、積み重ねた場合に対応する位置に設けられている凸部4同士が噛合うので(即ち保持部2同士が噛合うので)、コンパクトに積み重ねることができる上に、積み重ねられたパレットが相互に位置ずれを起こすことがない。
【0030】
尚、保持部2の構造をシンプルなものとし、より確実にパレット1同士を相互の位置ずれがおきないようにコンパクトに積み重ねるという観点から、保持部2を構成する全ての凸部4は同一の形状であり、その全てが互いに噛合うことが、安定してパレットを積み重ねることができる点で好ましい。
【0031】
本発明においては、前記保持部2の大きさに特に制限はなく嵌め込まれる紙管の内径によって定められているが、通常、前記保持部2の直径は、30〜200mmが好ましく、紙管の内径に対して90%〜99%に設定される。また、凸部2の高さは、通常30〜100mmである。
【0032】
前記支持板3の形状や大きさは特に制限はないが、取扱の容易さや、フォークリフトによる運搬し易さ等の点で、1辺が600〜2000mmの正方形が好ましく、厚さは、嵩張ることなくパレットを積み重ねることができるように、10〜50mmが好ましい。
【0033】
また、本発明においては、保持部2の周囲が補強されていることが好ましい。即ち、保持部2の周囲を補強することにより、圧縮強度等の機械的物性が強化されていることが好ましい。保持部2の周囲が補強されていると、例えば、保持部2に糸巻ボビンやフィルムを巻き付けた紙管を嵌合させてパレットを積み重ねた場合に、荷重による局部変形を防ぐことができるので、糸巻きボビン等を安定して搬送、輸送することができる。
【0034】
尚、本願明細書における補強されているとは、保持部2の周囲がパレットの見掛け密度より高密度であることを意味する。
【0035】
保持部2の周囲が補強されている具体的な態様の一例としては、例えば、図8(a)、(b)に示すように、保持部2の周囲の支持板3にドーナツ状の補強盤(以下、補強盤という。)を嵌め込むことが挙げられる。該補強盤16は、柔軟であると共に機械的強度にも優れているという点で、無発泡のポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂発泡体からなることが好ましい。
【0036】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、前述した発泡粒子の基材樹脂と同様のものが挙げられ、リサイクル性の点から無架橋であると共に本発明パレットの基材樹脂と同じであることが好ましい。
【0037】
補強盤16がポリオレフィン系樹脂発泡体からなる場合は、その見掛け密度は、荷重による局部変形を防ぐことができるという点で、0.10g/cm3以上であることが好ましい。尚、補強盤16の見掛け密度は、その重量とその体積から算出される値を採用することとする。
【0038】
補強盤16の厚みに制限はないが、荷重による局部変形を防ぐことができると共に取扱が容易であるという点で、2〜7mmであることが好ましい。発泡盤の外径も制限はなく、保持部2に嵌合させる糸巻ボビンや紙管の外形、及び荷重による局部変形を防ぐことを考慮して適宜定められるが、通常は40〜250mmである。
【0039】
保持部2の周囲が補強されている具体的な態様の他の一例としては、保持部2及びその周囲(以下、補強部という。)を一体として高密度の発泡粒子を用いて成形することが挙げられる。かかる成形に用いる発泡粒子は、成形が容易であるという点で、支持板3を構成する基材樹脂と同じものを用いることが好ましい。
【0040】
補強部の見掛け密度は、荷重による局部変形を防ぐことができるという点で、0.10g/cm3以上であることが好ましい。尚、補強部の見掛け密度としては、該当する部分を切取り、切取った部分の重量とその体積から算出される値を採用するものとする。
【0041】
前記補強部の径は補強盤16の外形と同様に定められる。補強部の厚みは、荷重による局部変形を防ぐことさえできれば制限はないが、通常は成形性を考慮して支持板3の全厚みから半分の厚み程度に構成される。
【0042】
前記補強部を成形する方法としては、特開平11−334501号公報に記載されている方法を応用することが挙げられる。
【0043】
また、本発明のパレット1においては、保持部2と支持板3とは異なる色に着色することが好ましい。保持部2が着色されていると、後述するように、保持部2に紙管の内側部分を嵌合させたり、パレットを積み重ねる際に保持部2を構成する凸部4同士を噛み合わせる作業が容易になる。又、意匠的にも好ましいパレット1となる。このようなパレットを得る手段としては、例えば、特開平11−334501号公報に記載の方法を応用することが挙げられる。
【0044】
本発明のパレットにおいて、保持部2が支持板3に設けられている好ましい態様の一は、前記図1(a)、(b)に示すように、保持部2が支持板3の両面の背中合わせの位置に対をなして複数設けられているパレット1である。かかるパレット1は後述する多段パレットの中間パレットとして好適なものである。
【0045】
本発明のパレットにおける好ましい第二の態様は、支持板の保持部が複数設けられている面と反対側の面における、保持部に対して背中合わせの部分が、平坦部として形成されているパレットである。かかるパレットは後述する多段パレットの天底用パレットとして好適なものである。
【0046】
尚、かかる態様のパレットにおける保持部は、前記図1に示す態様のパレット1の保持部2と同様に構成され、前記パレット1の対応する位置に設けられている保持部2と互いに噛合うように形成されている。第二の態様における保持部がこのように構成されていると、パレット1と第二の態様のパレットを容易に積み重ねることができる。
【0047】
本発明のパレットにおける好ましい第三の態様は、図7(a)、(b)に示すように、支持板23の保持部22が複数設けられている面と反対側の面における、保持部22に対して背中合わせの部分が、保持部22を挿入可能な凹部24として形成されているパレット21である。かかるパレット21も後述する多段パレットの天底用パレットとして好適なものである。又、後述する図9に示すように、パレット1の保持部2を凹部24に挿入することにより、多段に積み重ねたパレット全体の積高さを低くすることができる。又、パレット1の保持部2が全て凹部24に挿入されるので、安定してパレットを積み重ねることができる上に、積み重ねたパレットを運搬する際に振動によるパレット同士がずれることを容易に防止できる。
【0048】
尚、保持部22は、前記図1に示す態様のパレット1の保持部2と同様に構成され、前記パレット1の対応する位置に設けられている保持部2と互いに噛合うように形成されている。保持部22がこのように構成されていると、パレット1とパレット21を容易に積み重ねることができる。
【0049】
本発明においては、前記支持板3、23に設けられている保持部2、22の数や配置には、特に制限がなく支持板3、23の大きさに対応して適宜定められているが、通常は図1、7に示すように、9対又は9の保持部が等間隔、対象に設けられる。
【0050】
本発明における前記保持部2、22は、糸巻きボビン等において使用される紙管の開口端部の内側部分と嵌合可能に形成されていることが好ましい。かかる保持部2、22が設けられたパレット1、21は、例えば製糸メーカーが生産した糸巻ボビンを、複数本ごとの単位に梱包して輸送するパレットとして好適なものである。
【0051】
本発明のパレット1を中間用パレットとして用い、第二の態様のパレット又は第三の態様のパレット21を天底用パレットとして用いると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型多段パレット(以下、単に多段パレットという。)を構成することができる。かかる構成の多段パレットの一態様を図9に示す。図9に示す多段パレットにおいては、パレット21を底部又は天井部に用い、パレット1を中間部に用いているので、容易にパレットを多段に積み重ねることができる。しかも、積み重ねられたパレットは相互に位置ずれを起こすことがない上に、相互の間隔が狭く嵩張ることがない。更に、このように積み重ねられた多段パレット31同士を積み重ねることも容易である。
【0052】
本発明のパレット1、第2の態様のパレット、第3の態様のパレット21からなる多段パレットは、糸巻きボビンやフィルムを巻いた紙管の保管、輸送に好適に用いられ、また前述したように位置ずれが生じにくい構造を有するので、製糸メーカーにおけるロボットによる自動梱包用として最適なものである。
【0053】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットは、湿気に強く、軽量で扱い易く、優れた振動吸収性を有する。またパレット全体を容易にリサイクルできる。さらに、支持板の一方の面に設けられている保持部と、支持板の他方の面の背中合わせの位置に設けられている保持部とが、互いに噛合うように構成されているので、パレットを積み重ねても嵩張らない。かかるパレットは、糸巻ボビンやフィルムを巻いた紙管を保持部に嵌合させて多段に積み上げる場合の中間用パレットとして好適なものである。
【0054】
又、凸部が複数形成されてなる保持部が支持板の片面のみに複数設けられている態様のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットは、天井用パレット、底用パレットとして好適に使用することができる。即ち、糸巻ボビンやフィルム保持部に嵌合させてパレットを多段に積み重ねる際に、凸部が支持板の片面のみに複数設けられているパレットを天井用パレット、底用パレットとして用い、前記保持部が支持板の両面に設けられているパレットを中間用のパレットとして用いることにより、安定して多段に積み重ねることができる。
【0055】
又、凸部が複数形成されてなる保持部が支持板の片面に複数に設けられていると共に、他方の面に上記保持部を挿入可能な凹部が上記保持部と背中合わせの位置に設けられている態様のパレットも天井用パレット、底用パレットとして好適に使用することができる。該パレットを用いると、糸巻ボビンやフィルム保持部に嵌合させてパレットを安定して多段に積み重ねることができる上に、パレットのみを多段に積み重ねる場合であっても、中間用パレットの保持部を前記凹部に挿入することにより、安定して積み重ねることができる。
【0056】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットは、支持板の見掛け密度が0.02〜0.40g/cm3の場合、軽量で扱い易いと共に十分な圧縮強度等の機械的強度を有するパレットとなる。
【0057】
また、本発明においては、保持部における凸部の円弧状部分が紙管の開口端部の内側部分と嵌合可能に形成されていると、糸巻ボビンやフィルムを巻いた紙管を、複数本ごとに単位に梱包して輸送するパレットとして好適なものとなる。該パレットは、位置ずれが生じにくい構造を有するので、ロボットによる自動梱包用に最適である。
【0058】
また、保持部の周囲が補強に形成されていると、本発明のパレットを糸巻きボビン等の運搬用に使用した場合、紙管の開口端部と接触する支持板の部分の圧縮強度が強化され、パレットを積み重ねた際の荷重による局部変形を防ぐことができるので、糸巻きボビン等を安定して搬送、輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一態様を示す平面図である。
図1(b)は本発明の一態様を示す正面図である。
【図2】図2は保持部の平面図である。
【図3】図3は保持部の凸部と支持板における平面部の配置関系を示す説明図である。
【図4】図4は保持部の凸部と支持板における平面部の他の配置関系を示す説明図である。
【図5】図5は保持部の斜視図である。
【図6】図6は保持部同士が内側斜面を密接させて噛合う状態を説明するための保持部周辺の拡大断面図である。
【図7】図7(a)は本発明の第三の態様を示す平面図である。
図7(b)は本発明の第三の態様を示す正面図である。
【図8】図8(a)は保持部の周囲に補強盤を設けた態様を示す平面図である。
図8(b)は図9(a)のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【図9】図9は多段パレットの一例を説明する図面である。
【符号の説明】
1 パレット
2 保持部
3 支持板
4 凸部
6 直線
7 円弧
8 直線
12 円弧状部分
16 補強盤
21 パレット
22 保持部分
23 支持板
Claims (3)
- 凸部が複数形成されてなる保持部が支持板の両面の背中合わせの位置に対をなして複数設けられているポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットであって、前記パレットの見掛け密度が0.02〜0.40g/cm3であり、前記凸部が保持部の平面視形状全体を囲む円周の一部をなすように形成され、パレット同士を積み重ねた場合に、支持板の一方の面に設けられている保持部と、支持板の他方の面における背中合わせの位置に設けられている保持部とが、互いに噛合うように形成されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット。
- 凸部が複数形成されてなる保持部が支持板の一方の面に複数設けられているポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットであって、前記パレットの見掛け密度が0.02〜0.40g/cm3であり、前記凸部が保持部の平面視形状全体を囲む円周の一部をなすように形成されており、前記支持板の保持部が設けられている面と反対側の面における、前記保持部に対して背中合わせの部分が、平坦部又は保持部を挿入可能な凹部として形成されており、前記保持部が請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレットの対応する位置に設けられている保持部と互いに噛合うように形成されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット。
- 保持部の周囲が補強されていることを特徴とする請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成型体製パレット。
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