JP4016651B2 - 基地局の位置データを内蔵する測位機能を有する移動端末および該データの更新サービス提供方法 - Google Patents

基地局の位置データを内蔵する測位機能を有する移動端末および該データの更新サービス提供方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA方式の携帯電話システムを用いた測位システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7-181242は、CDMA方式の携帯電話システムを用いた測位システムを開示している。
図35は、上記測位システムを、3つの基地局による平面上の測位システムとした場合である。91は移動端末を、921、922、923はそれぞれ基地局を示す。また、(x,y)は移動端末91の位置(座標)を、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)は、それぞれ、基地局921、922、923の位置(詳細には基地局の送信アンテナの座標)を示す。基地局921、922、923は基準時間T0を共有している。また、基地局921、922、923には、それぞれ、予め定められたパイロットPNオフセットTO1、TO2、TO3が与えられている。基地局921、922、923のそれぞれは、パイロットチャネルにより、同じPN(疑似雑音)符号を同じ速度で繰り返し送信している。しかし、基地局921、922、923それぞれが送信するPN符号の先頭の値を送信する時刻(換言すれば、PN符号の送信開始時刻)は、基準時間T0に対して、パイロットPNオフセットTO1、TO2、TO3の分、それぞれ遅れている。なお、各基地局はそれぞれの上記パイロットPNオフセットをシンクチャネルにより各々送信しているので、移動端末91は上記遅延時間TO1、TO2、TO3を得ることが可能である。また、各基地局は近隣基地局のパイロットPNオフセットをページングチャネルにより送信しているので、移動端末91は上記パイロットPNオフセットTO1、TO2、TO3を得ることが可能である。TP1、TP2、TP3はそれぞれ基地局921、922、923から移動端末91への信号伝搬時間を示す。T1、T2、T3のそれぞれは、移動端末91で計った時刻を示すものであって、基地局921、922、923がそれぞれ送信したPN符号の先頭の値が移動端末1に到着した時刻を示すものとする。
移動端末91の位置(座標)(x,y)は次の連立方程式(1)を解くことによって得ることができる。ただし、連立方程式(1)において、cを光速とし、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)を既知と仮定している。x、y、TP1、TP2、TP3の5つが未知数である。
【0003】
【数1】
Figure 0004016651
なお、4つ以上の基地局を利用できる場合には、連立方程式(1)に比べて、多くの方程式を得られるため、例えば、最小二乗法などを用いて解を求めることができる。
【0004】
上記公知例では、基地局の座標を知る手段として、移動端末内にパイロットPNオフセットから基地局の座標を求める変換テーブルを開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パイロットPNオフセットの数には限りがあり、同一のパイロットPNオフセットが複数の基地局に割り当てられている。従って、パイロットPNオフセットからだけでは基地局の位置を特定できない。さらに、基地局には新設や廃止が生じるため、上記テーブルから基地局座標の記載が漏れたり、上記テーブルに記載されている基地局座標が不正となることが生じる。
そこで、適切な基地局の座標を与えることが課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、CDMA信号の伝搬時間に基づいて測位計算を行う移動端末であって、複数の基地局の周波数チャネル番号と識別番号と各基地局が含むセクタのパイロットPNオフセットと該送信アンテナ位置とを記載した第一のテーブルを蓄積し、該端末の受信した基地局の識別番号を基に上記第一のテーブルを参照して上記基地局から距離の近い順にパイロットPNオフセットと送信アンテナ位置を対応させることで送信アンテナ位置を得ることを特徴とする移動端末と、基地局を介して上記移動端末の第一のテーブルを更新するためのサーバとからなるシステムを提供することである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明による移動端末の実施例を図1を用いて説明する。
101〜111はCDMA方式の移動端末が通常の通信動作を可能とする要素を示す。101は送受信を行うアンテナ、102は高周波信号とベースバンド信号との変換を行うRF部、103はディジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換部、104はアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部、105は変調信号に対してスペクトル拡散を行う拡散部、106はディジタル受信信号から制御チャネル信号および通信チャネル信号を取り出すために逆拡散を行う逆拡散部、107はディジタル受信信号からパイロットチャネル信号を取り出すために逆拡散を行う逆拡散部、108はメッセージを変調するための変調部、109はパイロット信号を参照して制御チャネルあるいは通信チャネル上のメッセージを取り出す復調部、110は受信メッセージあるいは送信するためのメッセージを蓄積するためのメモリを示す。CPU111は呼制御、受信メッセージ解析、送信メッセージ生成を行う。
111〜114は測位処理を可能とする要素を示す。CPU111は上述の処理に加え、相関演算部112の制御と、メモリ113に蓄積される複数の遅延プロファイルとメモリ114に蓄積される第一のテーブルに含まれる基地局情報とに基づいて該移動端末の位置を計算する。また、CPU111はメモリ114に蓄積される第一のテーブルに含まれる基地局情報の更新を行う。112は逆拡散部107からのPN符号タイミングを参照しCPU111から指示されるパイロットPNオフセットについて遅延プロファイルを生成してメモリ113に出力する相関演算部を示す。
メモリ114に蓄積する第一のテーブルの構成例を図2に示す。第一のテーブルは、そのバージョン番号と、1つ以上の周波数グループと、該テーブルが含む周波数グループの数を示す周波数グループ数からなる。各周波数グループは、該グループ内の基地局が使用する周波数チャネルを特定するための1つの周波数チャネル番号と、基地局情報と、該グループが含む基地局情報の数を示す基地局情報数からなる。各基地局情報は基地局を特定するための基地局識別番号と、該基地局が含むセクタ数と、該基地局が含むセクタの個々の情報を記載したセクタ情報とからなる。各セクタ情報は、該セクタのパイロットPNオフセットと、該セクタの送信アンテナ位置とからなる。
次に上記第一のテーブルを用いた移動端末における測位計算のフロー例を図3に示す。同図において、ステップ301は、受信した基地局のセクタの制御チャネルから、該セクタのパイロットPNオフセットと、該セクタが属する基地局の基地局識別番号と周波数チャネル番号を取り出すステップである。
【0008】
ステップ302は、上記周波数チャネル番号を含む周波数グループ内において、上記基地局識別番号を有する基地局情報に含まれるセクタ情報から上記パイロットPNオフセットを有するセクタ情報に含まれる送信アンテナ位置を取得するステップである。
【0009】
ステップ303は、ステップ302で取得した送信アンテナ位置に対して距離の近い送信アンテナ位置を含む基地局情報を同周波数グループ内から距離の近い順に複数取り出すステップである。
【0010】
ステップ304は、ステップ303で取得した複数の基地局情報に含まれる各パイロットPNオフセットについて遅延プロファイルを作成するステップである。
ステップ305は、ステップ304で作成した遅延プロファイルから信号到着時間を求めるステップである。
【0011】
ステップ306は、ステップ303で取得した複数の基地局情報に含まれる各パイロットPNオフセットに対応する送信アンテナ位置を取得するステップである。
ステップ307は、ステップ305で求めた信号到着時間と、ステップ306で取得した送信アンテナ位置とから、移動端末位置を計算するステップである。
上記ステップ303の詳細例を図4に示す。同図において、ステップ401は、ステップ301で取得した周波数チャネル番号が含まれる周波数グループ内の1つの基地局情報について、ステップ302で取得した送信アンテナ位置と、該基地局情報が含む1つもしくは全ての送信アンテナ位置との距離を算出するステップである。
【0012】
ステップ402は、ステップ401で算出した距離のうち1つを選択して、基地局間距離とするステップである。上記の選択基準は、例えば、算出した距離の最小値を採択するなどとする。
【0013】
ステップ403は、ステップ301で取得した周波数チャネル番号が含まれる周波数グループ内の任意の基地局情報について、ステップ401および402同様に、基地局間距離を算出するステップである。
【0014】
ステップ404は、基地局間距離について昇順に、予め定めた数の基地局情報を取り出すステップである。ステップ404において、例えば、平面上の測位の場合、上記取り出す数を3以上に設定する。また、基地局情報を取り出す際、該基地局情報に含まれるパイロットPNオフセットと同じものが既に取り出された基地局情報に含まれている場合には、基地局間距離の大きい方の基地局情報を取り出すことを省く。
測位に必要な基地局の位置(厳密には基地局のセクタの送信アンテナの位置)を得る手順は、上述のステップ301、302、303、306により要約される。これらのステップによって、測位に必要な基地局(のセクタの送信アンテナ)の位置を特定出来る原理について述べる。
一般に、1つのパイロットPNオフセットは、複数のセクタに対して割り当てられるため、パイロットPNオフセットからだけではセクタの位置は特定できない。ところが、同一の周波数チャネル上で、同一のパイロットPNオフセットを近隣のセクタ間で割り当てると、信号干渉してしまうため、同一のパイロットPNオフセットが同一の周波数チャネル上で割り当てられるセクタ間には一定の距離がおかれる。このことは、周波数チャネルを特定し、場所を絞れば、パイロットPNオフセットから該セクタの送信アンテナ位置を1つに特定できることを意味する。
移動端末が受信する制御チャネル信号の送信元となる基地局は、およそ移動端末から最寄りとなる基地局であり、測位に利用できる基地局は移動端末の最寄り基地局およびその周辺基地局となるため、ステップ302およびステップ303によって上記場所の絞り込みを実現できる。
以上により、測位に必要な基地局(のセクタの送信アンテナ)の位置を特定出来る。
次に上記第一のテーブルを更新するためのシステムの実施例を図5に示す。同図において、1は移動端末、21、22、23は基地局、3はサーバを示す。
上記サーバの実施例を図6に示す。サーバ3は、システム内の基地局の情報を記載した第二のテーブルを蓄積するためのメモリ31と、基地局を通じて移動端末と通信するための通信部32と、移動端末のアクセスに応じて上記第二のテーブル内のデータを選択して取り出すためのCPU33とを備える。このようなサーバはPCなどにより実現できる。
メモリ31に蓄積する第二のテーブルの構成例を図7に示す。第二のテーブルは、1つ以上のバージョングループと、該テーブルが含むバージョングループの数を示すバージョングループ数とからなる。各バージョングループは、そのバージョン番号と、新設情報と、更改情報と、廃止情報とからなる。前記各情報は該情報が含む周波数グループの数を示す周波数グループ数と、周波数グループとからなる。各周波数グループは、該グループ内の基地局が使用する周波数チャネルを特定するための1つの周波数チャネル番号と、該グループが含む基地局情報の数を示す基地局情報数と、基地局情報とからなる。各基地局情報は基地局を特定するための基地局識別番号と、該基地局が含むセクタ数と、該基地局が含むセクタの個々の情報を記載したセクタ情報とからなる。各セクタ情報は、該セクタのパイロットPNオフセットと、該セクタの送信アンテナ位置とからなる。
第二のテーブルの構成要素の与え方の例を示す。
まず、バージョングループをその作成日時によって順序づける。例えば、バージョングループ(i+1)の作成日時はバージョングループ(i)のそれよりも新しいとする。システム内の基地局の変更(新設、更改あるいは廃止)がある毎に、新たにバージョングループを追加する。その際、追加するバージョングループには、変更のあった差分について記載するものとする。各バージョングループのバージョン番号に、バージョングループ間の順序づけを反映する。例えば、作成日時の新しいバージョングループに対して昇順となるような番号を与える。この場合、作成日時の新しいバージョングループほど大きいバージョン番号を有することになる。
次に移動端末の第一のテーブルの更新シーケンスの例を図8に示す。同図において、ステップ801は、移動端末の第一のテーブルの更新の必要有無を検出するステップである。同ステップにおいて、更新の必要性を検出した場合に、次のステップ802を実行する。
ステップ802は、第一のテーブルのバージョン番号を、サーバに伝えるステップである。
ステップ803は、移動端末から受けたバージョン番号を基に、サーバが、バージョングループを取り出すステップである。具体的には、移動端末が通知してきたバージョン番号よりも新しいバージョン番号を含むバージョングループを全て取り出す。
ステップ804は、上記取り出したバージョングループを移動端末に伝えるステップである。
ステップ805は、受け取ったバージョングループを使って移動端末が自己の第一のテーブルを更新するステップである。
上記ステップ801の第一の詳細例を図9に示す。同図において、ステップ901は、サーバが自己の第二のテーブルの最新のバージョングループに含まれるバージョン番号を、基地局を介して、定期的に移動端末に報知するステップである。
【0015】
ステップ902は、移動端末が、基地局からの受信信号から上記バージョン番号を取り出して、自己の第一のテーブルのバージョン番号を比較するステップである。自己のバージョン番号の方が古い場合に、第一のテーブルを更新する必要のある旨を判定する。
上記ステップ801の第二の詳細例は、移動端末の周辺の基地局状況を、基地局からの信号を元に収集してリスト化し、これを自己の第一のテーブルと照合して更新の必要有無を検出しようというものである。そのフローを図10に示す。同図において、ステップ1001は、移動端末が基地局からの制御チャネル信号より、上記の基地局の周波数チャネル番号と識別番号とパイロットPNオフセットとを取得するステップである。
ステップ1002は、移動端末が、自己の第一のテーブルを参照して、上記基地局の周波数チャネル番号と識別番号とパイロットPNオフセットとの存在を確認するステップである。同ステップにおいて、上記存在の確認されなかった場合に、第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。
ステップ1003は、上記基地局の周波数チャネル番号と識別番号とパイロットPNオフセットとを有するセクタの送信アンテナ位置を取得するステップである。
ステップ1004は、移動端末が近隣基地局のパイロットPNオフセットのリストを得るステップである。
ステップ1005は、上記周波数チャネル番号の記載されている、移動端末上の第一のテーブルの周波数グループにおいて、上記1004で得たリスト内の1つのパイロットPNオフセットの存在を確認するステップである。上記存在の確認されなかった場合に、第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。
ステップ1006は、上記周波数グループにおいて、上記存在の確認されたパイロットPNオフセットを有するセクタの送信アンテナ位置を取得するステップである。
ステップ1007は、ステップ1003にて取得した送信アンテナ位置と上記ステップ1006において取得した任意の送信アンテナ位置との距離を求めるステップである。
ステップ1008は、ステップ1007にて求めた距離の少なくとも一つが予め定めた値を下回る場合、ステップ1005で確認されたパイロットPNオフセットをリストから除外するステップである。TIA/EIA-95に準拠する800MHz帯のセルラシステムにおいては、上記値を例えば、15kmに設定しておく。
ステップ1009は、上記リスト内の任意のパイロットPNオフセットについて、上記1005、1006、1007、1008を順に行うステップである。
ステップ1010は、上記リスト内に含まれるパイロットPNオフセットの有無を確認するステップである。同ステップにおいて、一つでもパイロットPNオフセットの存在が確認された場合に、第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。
上記ステップ1004の第一の詳細例を図11に示す。同図において、ステップ1101は、基地局からの制御チャネル信号に含まれるネイバーリストを基にして、移動端末が、近隣基地局のパイロットPNオフセット取得するステップである。ここで、ネイバーリストとは、移動端末が近隣基地局のパイロット信号を検出することを支援するために、基地局が移動局に向けて報知しているリストである。該リストは、それを送信している近隣基地局のセクタのパイロットPNオフセットを含んでいる。該リストは、通常、例えば、移動端末のハンドオフの際に用いられている。
上記ステップ1004の第二の詳細例を図12に示す。同図において、ステップ1201は、移動端末において、1つのパイロットPNオフセットについて遅延プロファイルを生成するステップである。
ステップ1202は、上記生成した遅延プロファイルの信号電力対雑音比(SNR)が予め定めた値を越えているか否か確認するステップである。TIA/EIA-95に準拠する800MHz帯のセルラシステムにおいては、上記値を例えば、15dBに設定しておく。
ステップ1203は、検出されたパイロットPNオフセットをリストに追加するステップである。
ステップ1204は、任意のパイロットPNオフセットについて上記1201、1202、1203を順に行うステップである。なお、TIA/EIA-95に準拠するCDMAシステムにおいてパイロットPNオフセットの総数は高々512である。
上記ステップ805の詳細例を図18に示す。ステップ1801は、サーバから送られた単一もしくは複数のバージョングループをバージョン番号の古い順に1つ読み出すステップである。全てのバージョングループの読み出しを完了して、読み出すべきバージョングループが無ければ終了する。
ステップ1802は、ステップ1801で読み出したバージョングループ内の新設情報を参照して移動端末の第一のテーブルを更新するステップである。
ステップ1803は、ステップ1801で読み出したバージョングループ内の更改情報を参照して移動端末の第一のテーブルを更新するステップである。
ステップ1804は、ステップ1801で読み出したバージョングループ内の廃止情報を参照して移動端末の第一のテーブルを更新するステップである。
ステップ1805は、移動端末の第一のテーブルのバージョン番号を、ステップ1801で読み出したバージョングループのバージョン番号に更新し、ステップ1801へ戻るステップである。
上記ステップ1802の詳細例を図19に示す。ステップ1901は、新設情報内の周波数グループを順番に1つ読み出すステップである。同情報内の全ての周波数グループの読み出しを完了して、読み出すべき周波数グループが無ければ終了する。
ステップ1902は、ステップ1901で読み出した周波数グループに含まれる周波数チャネル番号が第一のテーブルに存在するか否かを確認するステップである。もしなければ、ステップ1903を実行し、そうでなければ、ステップ1904を実行する。
ステップ1903は、ステップ1902において第一のテーブルへの存在有無を確認した新設情報内の周波数グループを、第一のテーブルに追加し、ステップ1901へ戻るステップである。その際、第一のテーブルの周波数グループ数を1つ増やしておく。
ステップ1904は、ステップ1902において第一のテーブルへの存在有無を確認した周波数グループ内の基地局情報を順番に1つ読み出すステップである。もし、読み出すべき基地局情報が無ければ、ステップ1901へ戻る。そうでなければ、次のステップ1905を実行する。
ステップ1905は、ステップ1904で読み出した基地局情報内の基地局識別番号が、該基地局情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号と同一となる第一のテーブルの周波数グループに存在するか否かを確認するステップである。もしなければ、ステップ1906を実行する。そうでなければ、ステップ1907を実行する。
ステップ1906は、ステップ1905において第一のテーブルの周波数グループへの存在有無を確認した基地局情報を、該基地局情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号と同一となる第一のテーブルの周波数グループに追加し、ステップ1904へ戻るステップである。その際、第一のテーブルにおいて追加のあった周波数グループの基地局情報数を1つ増やしておく。
ステップ1907は、ステップ1905において第一のテーブルの周波数グループへの存在有無を確認した基地局情報内のセクタ情報を順番に1つ読み出すステップである。もし、読み出すべきセクタ情報が無ければ、ステップ1904へ戻る。そうでなければ、次のステップ1908を実行する。
ステップ1908は、ステップ1907で読み出したセクタ情報を、該セクタ情報を含む基地局情報の基地局識別番号と、該セクタ情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号とが同一となる第一のテーブルの周波数グループの基地局情報に追加し、ステップ1907へ戻るステップである。その際、第一のテーブルにおいて追加のあった周波数グループの基地局情報内のセクタ数を1つ増やしておく。
上記ステップ1803の詳細例を図20に示す。ステップ2001は、更改情報内の周波数グループを順番に1つ読み出すステップである。読み出すべき周波数グループが無ければ終了する。
ステップ2002は上記読み出した周波数グループ内の周波数チャネル番号が第一のテーブルに存在することを確認するステップである。確認後、ステップ2003を実行する。
ステップ2003は、ステップ2002において第一のテーブルへの存在を確認した周波数グループ内の基地局情報を順番に1つ読み出すステップである。もし、読み出すべき基地局情報が無ければ、ステップ2001へ戻る。そうでなければ、ステップ2004を実行する。
ステップ2004は、ステップ2003で読み出した基地局情報内の基地局識別番号が、該基地局情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号と同一となる第一のテーブルの周波数グループに存在することを確認するステップである。確認後、ステップ2005を実行する。
ステップ2005は、ステップ2004において第一のテーブルの周波数グループへの存在を確認した基地局情報内のセクタ情報を順番に1つ読み出すステップである。もし、読み出すべきセクタ情報が無ければ、ステップ2003へ戻る。そうでなければ、ステップ2006を実行する。
ステップ2006は、ステップ2005で読み出したセクタ情報内のパイロットPNオフセットを、該セクタ情報を含む基地局情報の基地局識別番号と、該セクタ情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号とが同一となる第一のテーブルの周波数グループの基地局情報に存在することを確認するステップである。確認後ステップ2007を実行する。
ステップ2007は、ステップ2006において第一のテーブルの周波数グループの基地局情報への存在を確認したセクタ情報に含まれる送信アンテナ位置を、該セクタ情報に含まれるパイロットPNオフセットと、該セクタ情報を含む基地局情報の基地局識別番号と、該セクタ情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号とが同一となる第一のテーブルの周波数グループの基地局情報のセクタ情報の送信アンテナ位置と置き換えて、ステップ2005へ戻るステップである。上記ステップ1804の詳細例を図21に示す。ステップ2101は、廃止情報内の周波数グループを順番に1つ読み出すステップである。読み出すべき周波数グループが無ければ終了する。
ステップ2102は上記読み出した周波数グループ内の周波数チャネル番号が第一のテーブルに存在することを確認するステップである。確認後、ステップ2103を実行する。
ステップ2103は、ステップ2102において第一のテーブルへの存在を確認した周波数グループ内の基地局情報を順番に1つ読み出すステップである。もし、読み出すべき基地局情報が無ければ、ステップ2101へ戻る。そうでなければ、ステップ2104を実行する。
ステップ2104は、ステップ2103で読み出した基地局情報内の基地局識別番号が、該基地局情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号と同一となる第一のテーブルの周波数グループに存在することを確認するステップである。確認後、ステップ2105を実行する。
ステップ2105は、ステップ2104において第一のテーブルの周波数グループへの存在を確認した基地局識別番号を含む基地局情報内のセクタ情報を順番に1つ読み出すステップである。もし、読み出すべきセクタ情報が無ければ、ステップ2103へ戻る。そうでなければ、ステップ2106を実行する。
ステップ2106は、ステップ2105で読み出したセクタ情報内のパイロットPNオフセットを、
該セクタ情報を含む基地局情報の基地局識別番号と、該セクタ情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号とが同一となる第一のテーブルの周波数グループの基地局情報に存在することを確認するステップである。確認後ステップ2107を実行する。
ステップ2107は、ステップ2106において第一のテーブルの周波数グループの基地局情報への存在を確認したセクタ情報を、該セクタ情報を含む基地局情報の基地局識別番号と、該セクタ情報を含む周波数グループの周波数チャネル番号とが同一となる第一のテーブルの周波数グループの基地局情報から取り除くステップである。その際に、取り除いたセクタ情報を含んでいた基地局情報内のセクタ数を1つ減らしておく。そして該基地局情報がもはや1つのセクタ情報も含んでいなければ、すなわち、セクタ数が0ならば、該基地局情報を上記セクタ情報を取り除いた第一のテーブルの周波数グループから取り除いてもよい。その際は、取り除いた基地局情報を含んでいた周波数グループ内の基地局情報数を1つ減らしておく。そして該周波数グループがもはや1つの基地局情報も含んでいなければ、すなわち、基地局情報数が0ならば、該周波数グループを第一のテーブルから取り除いてもよい。その際は、第一のテーブルの周波数グループ数を1つ減らしておく。
以上の処理の後、ステップ2105へ戻る。
次に移動端末の第一のテーブルの更新シーケンスの第二の例を図13に示す。
同図において、ステップ1301〜1303は、移動端末の第一のテーブルの更新の必要有無を検出するステップである。同ステップにおいて、更新の必要性を検出した場合に、次のステップ1304を実行する。
特にステップ1301は移動端末がサーバに対して最新のバージョン番号を要求するステップである。
ステップ1302はサーバが移動端末に対して最新のバージョン番号を通知するステップである。
ステップ1303は移動端末が上記通知されたバージョン番号と自己のバージョン番号とを比較するステップである。自己のバージョン番号の方が古い場合に、第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。
ステップ1304は、自己の第一テーブルのバージョン番号を、サーバに伝えるステップである。
ステップ1305は、端末から受けたバージョン番号を基に、サーバが、第二テーブルのバージョングループを取り出すステップである。
ステップ1306は、上記取り出したバージョングループを端末に伝えるステップである。
ステップ1307は、受け取ったバージョングループを使って移動端末が自己の第一のテーブルを更新するステップである。
サーバ3のメモリ31には、移動端末の情報を記載した第三のテーブルを蓄積してもよい。
例えば、このような移動端末の利用者は、予め、サーバの管理者との間で契約を交わしておくとよい。
この第三のテーブルの第一の構成例を図14に示す。第三のテーブルは、複数の移動端末情報と当該テーブルが含む移動端末情報の数を示す移動端末情報数とからなる。各移動端末情報は識別番号を含む。該識別番号によって移動端末情報から移動端末へ一対一で対応する。上記識別番号を、例えば、移動端末の加入者電話番号としてよい。また、各移動端末情報は、対応する移動端末内の第一のテーブルのバージョン番号を含む。
次に、上記構成例で示した第三のテーブルを用いた移動端末の第一のテーブルの更新シーケンスの第三の例を図15に示す。同図において、ステップ1501は、サーバが第三のテーブルを参照して、自己の第二のテーブルの最新のバージョン番号と、各移動端末の第一のテーブルのバージョン番号とを比較するステップである。当該ステップにおいて、第一テーブルのバージョン番号が第二テーブルの最新のバージョン番号よりも古い移動端末に対し、該移動端末の第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。そして、該移動端末に対しては、次のステップ1502を実行する。
ステップ1502は、移動端末に対して、サーバが第一のテーブルの更新を要求するステップである。
ステップ1503は、上記要求に対し、移動端末がサーバへ応答するステップである。応答のあった移動端末に対して、サーバは、次のステップ1504を実行する。
ステップ1504は、第三のテーブルにおいて、該移動端末のバージョン番号を基に、更新の差分となるバージョングループを第二のテーブルより取り出すステップである。
ステップ1505は、上記取り出したバージョングループを移動端末に伝えるステップである。
ステップ1506は、ステップ1505で受け取ったバージョングループを使って自己の第一のテーブルを更新するステップである。
ステップ1507は、移動端末が第一のテーブルを更新した旨をサーバに通知するステップである。
ステップ1508は、サーバが第三のテーブルにおいて該当する移動端末情報のバージョン番号を更新するステップである。
この第三のテーブルの第二の構成例を図16に示す。第三のテーブルは、複数の移動端末情報と該テーブルが含む移動端末情報の数を示す移動端末情報数とからなる。各移動端末情報は識別番号を含む。該識別番号によって移動端末情報から移動端末へ一対一で対応する。上記識別番号を、例えば、移動端末の加入者電話番号としてよい。また、各移動端末情報は、対応する移動端末毎に予め定めた暗証番号を格納する。
このような暗証番号は該移動端末の利用者と、サーバの管理者との間の契約により設定しておくとよい。
上記第二の構成例に示した第三のテーブルの使い方を説明する。
サーバは、移動端末における第一のテーブルの更新の差分を提供するのに先立って、移動端末に対して、該端末の識別番号と暗証番号の要求してよい。そして、正解を回答した移動端末に対してのみ移動端末における第一のテーブルの更新の差分を提供してよい。
この第三のテーブルの第三の構成例を図17に示す。第三のテーブルは、複数の移動端末情報と該テーブルが含む移動端末情報の数を示す移動端末情報数とからなる。各移動端末情報は識別番号を含む。該識別番号によって移動端末情報から移動端末へ一対一で対応する。上記識別番号を、例えば、移動端末の加入者電話番号としてよい。また、各移動端末情報は、対応する移動端末毎に予め定めた精度レベルを格納する。
このような精度レベルは該移動端末の利用者と、サーバの管理者との間の契約により設定しておくとよい。
上記第三の構成例に示した第三のテーブルの使い方を説明する。サーバは、移動端末における第一のテーブルの更新の差分を提供するのに先立って、移動端末に対して、該端末の識別番号から精度レベルを取得する。そして、提供する更新の差分に含まれる送信アンテナ位置に対して、精度レベルに応じて丸めを行ってから、該更新の差分を提供してよい。例えば、精度レベルとして、10m、100m、200mなどと3レベルの設定があるとして、第二のテーブルに含まれる送信アンテナ位置が10m単位で記載されているとする。そして移動端末情報(1)に含まれる精度レベルが200mであるとする。この場合、移動端末情報(1)に該当する移動端末に対して提供する更新の差分に含まれる送信アンテナ位置に対して、200m単位に丸めを行ってから、該更新の差分を提供することとなる。
メモリ114に蓄積する第一のテーブルの第二の構成例を図22に示す。第一のテーブルは、1つもしくは複数のエリアグループと、該テーブルが含むエリアグループの数を示すエリアグループ数とからなる。各エリアグループは、該エリアグループを特定するためのエリア番号と該エリア毎に定められるバージョン番号と、複数の周波数グループと、該エリアグループが含む周波数グループの数を示す周波数グループ数とからなる。各周波数グループは、該グループ内の基地局が使用する周波数チャネルを特定するための1つの周波数チャネル番号と、基地局情報と、該グループが含む基地局情報の数を示す基地局情報数とからなる。各基地局情報は基地局を特定するための基地局識別番号と、該基地局が含むセクタ数と、セクタ情報とからなる。各セクタ情報は、該セクタのパイロットPNオフセットと、該セクタの送信アンテナ位置とからなり、これらに、該セクタの時間補正情報を付け加える構成としてもよい。時間補正情報は、移動端末において測位計算する際に、セクタの送信アンテナへの給電線長の違いなどによって生じるPN符号送信開始時刻の誤差を補正するのに役立つ。
上記エリアグループは、地理的領域と対応づけて定めるものである。例えば、都道府県単位毎に1つのエリアグループ(エリア番号)を定めてもよく、市町村単位毎に1つのエリアグループ(エリア番号)を定めてもよい。あるいは、これらを混在させてもよい。例えば、東北地方は県単位毎に、関東地方は市町村単位毎に1つのエリアグループ(エリア番号)を定めるなどとしてもよい。さらには、あるエリアグループと対応づけられた地理的領域を含む一層大きな地理的領域と別のエリアグループを対応づけてもよい。例えば、国分寺市と対応づけたエリアグループ(例えばエリア番号は110番)と、東京都と対応づけたエリアグループ(例えばエリア番号は100番)が同時に存在してもよい。
各エリアグループは対応づけられた地理的領域に存在する基地局の基地局情報を少なくとも含むものとする。移動端末に内蔵される第一のテーブルが含むエリアグループの範囲については、該移動端末の利用者と、サーバの管理者との間の契約によって定めてよい。図22に示した第一のテーブルを、移動端末における測位計算へ利用する場合、図3および図4に示したフローと同様に行えばよい。
図22に示した第一のテーブルを更新するための第二のテーブルの構成例を図23に示す。図23に示した第二のテーブルは、複数のエリアグループと該テーブルが含むエリアグループの数を示すエリアグループ数からなる。各エリアグループは、該エリアグループを特定するためのエリア番号と、複数のバージョングループと、該エリアグループに含まれるバージョングループの数を示すバージョングループ数とからなる。各バージョングループは、そのバージョン番号と、新設情報と、更改情報と、廃止情報とからなる。前記各情報は周波数グループと、該情報が含む周波数グループの数を示す周波数グループ数からなる。各周波数グループには該グループ内の基地局が使用する周波数チャネルを特定するための1つの周波数チャネル番号と、基地局情報とが含まれる。各基地局情報は基地局を特定するための基地局識別番号と、該基地局が含むセクタ数と、セクタ情報とからなる。各セクタ情報は、該セクタのパイロットPNオフセットと、該セクタの送信アンテナ位置とからなり、これらに、該セクタの時間補正情報を付け加える構成としてもよい。時間補正情報は、移動端末において測位計算する際に、セクタの送信アンテナへの給電線長の違いなどによって生じるPN符号送信開始時刻の誤差を補正するのに役立つ。
図22に示した第一のテーブルの更新シーケンスの例を図24に示す。同図において、ステップ2401は、移動端末の第一のテーブルの更新の必要有無を検出するステップである。当該ステップにおいて、更新の必要性を検出した場合に、次のステップ2402を実行する。
ステップ2402は、第一のテーブルの各エリアグループのエリア番号とバージョン番号をサーバに伝えるステップである。
ステップ2403は、移動端末から受けたエリア番号とバージョン番号とを基に、サーバが、第一のテーブルの更新の差分となるバージョングループとそのエリア番号とを取り出すステップである。具体的には、移動端末が通知してきたエリア番号で示される第二のテーブル内のエリアグループにおいて、移動端末が同じく通知してきたバージョン番号よりも新しいバージョン番号を含むバージョングループを全て取り出す。移動端末が、エリア番号とそのバージョン番号を複数通知してきた場合には、エリアグループ毎に、上記のバージョングループを取り出す操作を行う。
ステップ2404は、上記取り出したバージョングループと、該バージョングループを含むエリアグループを特定するためのエリア番号とを移動端末に伝えるステップである。
ステップ2405は、受け取ったエリア番号とバージョングループを使って移動端末が自己の第一のテーブルを更新するステップである。
上記ステップ2401の第一の詳細例を図25に示す。同図において、ステップ2501は、サーバが第二のテーブルの各エリアグループに含まれるエリア番号と該エリアグループ内の最新のバージョングループに含まれるバージョン番号とを、基地局を介して、定期的に移動端末に報知するステップである。
【0016】
ステップ2502は、移動端末が、基地局からの受信信号よりエリア番号とそのバージョン番号とを取り出して、上記エリア番号で特定される第一のテーブルのエリアグループ内のバージョン番号と比較するステップである。自己のバージョン番号の方が古い場合に、第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。
上記ステップ2401の別の詳細例として、図10に示したフローを適用してよい。
上記ステップ2405の詳細例として、図18に示したフローを適用してよい。ただし、同フローは、ステップ2404で通知を受けたエリア番号によって特定される第一のテーブルのエリアグループの中において、適用するものとし、セクタ情報内の時間補正情報については、同情報内の送信アンテナ位置と同様の操作にて更新すればよい。
図22に示した第一のテーブルの更新シーケンスの第二の例を図26に示す。
同図において、ステップ2601〜2603は、
移動端末の第一のテーブルの更新の必要有無を検出するステップである。同ステップにおいて、更新の必要性を検出した場合に、次のステップ2604を実行する。
特にステップ2601は、移動端末の第一のテーブル内のエリアグループのエリア番号を含めてサーバに最新のバージョン番号を要求するステップである。
ステップ2602は、サーバが移動端末に対して要求のあったエリアグループのエリア番号とその最新のバージョン番号とを通知するステップである。
ステップ2603は、移動端末が上記通知されたエリア番号の特定する第一のテーブルのエリアグループにおいて、同じく通知されたバージョン番号と自己のバージョン番号とを比較するステップである。自己のバージョン番号の方が古いエリアグループを検出した場合に、第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。
ステップ2604は、ステップ2603で検出した古いバージョン番号を有する自己の第一テーブルのエリアグループのエリア番号および該バージョン番号を、サーバに伝えるステップである。
ステップ2605は、移動端末から受けたエリア番号とバージョン番号を基に、サーバが、第二テーブルのエリア番号とバージョングループとを取り出すステップである。
ステップ2606は、上記取り出したエリア番号とバージョングループとを移動端末に伝えるステップである。
ステップ2607は、受け取ったエリア番号とバージョングループとを使って移動端末が自己の第一のテーブルを更新するステップである。
図22に示した第一のテーブルを実施する際の第三のテーブルの第一の構成例を図27に示す。
同図に示した第三のテーブルは、複数の移動端末情報と当該テーブルが含む移動端末情報の数を示す移動端末情報数とからなる。各移動端末情報は識別番号を含む。該識別番号によって移動端末情報から移動端末へ一対一で対応する。上記識別番号を、例えば、移動端末の加入者電話番号としてよい。また、各移動端末情報は、対応するそれぞれの移動端末の第一のテーブルが含んでいるエリアグループの情報を示すためのエリア情報を、少なくとも上記エリアグループの数だけ含む。さらに、各移動端末情報は、該情報が含むエリア情報の数を特定するためのエリア情報数を含む。各エリア情報は、対応するそれぞれの移動端末の第一のテーブルが含んでいるエリアグループを特定するためのエリア番号と、該グループのバージョンを表すバージョン番号とを含む。同図に示した第三のテーブルは、移動端末毎に内蔵される第一のテーブルが含むエリアグループの範囲について記載しているので、該移動端末の利用者に対して、差別的に課金する場合に便利である。
次に、図27に示した第三のテーブルを用いた移動端末の第一のテーブルの更新シーケンスの例を図28に示す。同図において、
ステップ2801は、サーバが第三のテーブルを参照して、各移動端末の各エリア情報に含まれるバージョン番号と、上記エリア情報のエリア番号によって特定される自己の第二のテーブルのエリアグループの最新のバージョン番号とを比較するステップである。
当該ステップにおいて、上記エリア情報内のバージョン番号が第二テーブルの最新のバージョン番号よりも古い移動端末に対し、該移動端末の第一のテーブルを更新する必要があることを判定する。そして、該移動端末に対しては、次のステップ2802を実行する。
ステップ2802は、移動端末に対して、サーバが第一のテーブルの更新を要求するステップである。
ステップ2803は、上記要求に対し、移動端末がサーバへ応答するステップである。応答のあった移動端末に対して、サーバは、次のステップ2804を実行する。
ステップ2804は、ステップ2801において検出された第二テーブルの最新のバージョン番号よりも古かったバージョン番号と該エリア番号とを基に、更新の差分となるバージョングループと該エリア番号とを第二のテーブルより取り出すステップである。
ステップ2805は、上記取り出したバージョングループとエリア番号とを移動端末に伝えるステップである。
ステップ2806は、ステップ2805で受け取ったエリア番号とバージョングループとを使って自己の第一のテーブルを更新するステップである。
ステップ2807は、移動端末が第一のテーブルを更新した旨をサーバに通知するステップである。
ステップ2808は、サーバが第三のテーブルの該当する移動端末情報のエリア情報のバージョン番号を更新するステップである。
移動端末の第一のテーブルを更新する際には、該移動端末利用者の意志を反映出来るようにしておくと便利である。例えば、図29に示すように、移動端末にキーボード115と、ディスプレイ116を備える。そして、第一のテーブルを更新するためのステップ、例えば、上記ステップ902、1002、1301、1503、2502、2601、2803、を実行する直前に、ディスプレイ116により該移動端末利用者に対して、実行可否を問うステップ3001を挿入してよい。これを図30に示す。該移動端末利用者はキーボード115により、第一のテーブルの更新の実行可否を指示できる。
予め定めた時刻に移動端末の第一のテーブルを更新処理を実行するようにしておくと便利である。例えば、図31に示すように、移動端末にタイマ117を備える。タイマ117は予め定められた時刻にトリガを発するように設定し、上記トリガによって、第一のテーブルを更新するためのステップ、例えば、上記ステップ902、1301、2502、2601の実行を開始する。
本発明による移動端末とその実現に利用される半導体部品との対応について言及する。
この対応の第一の例を図32に示す。同図において、信号送受信部116は従来の携帯電話機能を有し、ベースバンドLSIと呼ばれる半導体部品と対応する。位置検出処理部117は、本発明の位置検出に関わる処理を行う機能を有し、一般にシステムLSIと呼ばれる半導体部品と対応する。メモリ114は、FRAMと呼ばれる書き換え可能な不揮発性メモリで実現することが望ましい。メモリ114は、上記システムLSIもしくはベースバンドLSIに含まれていてもよい。
本発明による移動端末とその実現に利用される半導体部品との対応の第二の例を図33に示す。同図において、信号送受信部118は従来の携帯電話機能と本発明の位置検出に関わる機能とを有し、ベースバンドLSIと呼ばれる半導体部品と対応する。信号処理部119は、位置検出に関わる信号処理を行うカスタムLSIと対応する。メモリ114は、FRAMと呼ばれる書き換え可能な不揮発性メモリで実現することが望ましい。メモリ114は、上記カスタムLSIもしくはベースバンドLSIに含まれていてもよい。
本発明による移動端末とその実現に利用される半導体部品との対応の第三の例を図34に示す。同図において、120で示される従来の携帯電話機能と本発明の位置検出に関わる機能とは、ベースバンドLSIと呼ばれる半導体部品と対応する。メモリ114は、FRAMと呼ばれる書き換え可能な不揮発性メモリで実現することが望ましい。メモリ114は、上記ベースバンドLSIに含まれていてもよい。
なお、上述の実施例ではCDMA方式、特にTIA/EIA−95に準拠する携帯電話システムを用いた測位システムを開示しているが、本発明の概念は上記携帯電話システムを用いるものに限られるわけではなく、他の無線通信システムを用いるものも含まれる。他の無線通信システムを用いる場合には、上述の実施例中のパイロット信号の代わりにそれぞれの通信システムにおける適切な特定信号を受信し、パイロットPNオフセットの代わりに上記特定信号の発信タイミングを使用すればよい。
【0017】
【発明の効果】
移動端末の備える第一のテーブルは、基地局の識別番号と周波数チャネル番号とパイロットPNオフセットと送信アンテナ位置を含んでおり、移動端末が受信した制御チャネル信号から基地局の周波数チャネル番号と基地局識別番号を取得し、上記第一のテーブルを参照して、場所の絞り込みを行うので、パイロットPNオフセットと送信アンテナ位置を対応づけられ測位に必要な基地局(のセクタの送信アンテナ)の位置を特定出来る。
【0018】
移動端末の備える第一のテーブルはそのバージョン番号を有しており、サーバが備える第二のテーブルにおいて基地局情報の更新の差分をバージョン番号で管理するので、移動端末の第一のテーブルを更新する際に、各々のバージョン番号を比較することで、更新に必要な基地局情報の差分を特定でき、また、該差分を送信することによって移動端末との間に生じる通信コストの低減に役立つ。
【0019】
移動端末が、第一のテーブルの更新の必要有無を検出する際に、常時、基地局が送信している信号を利用してリストを作成し、第一のテーブルと照合する方法では、上記第一のテーブルの更新の必要有無の検出にサーバとの間で特別な通信を必要としないため通信コストの低減に役立つ。
【0020】
サーバが、移動端末の識別番号と、該端末の備える第一のテーブルのバージョン番号を管理するための第三のテーブルを有する構成では、サーバ端末間で通信コストをかけずに第一のテーブルの更新の必要有無を検出することが出来る。
【0021】
サーバが、移動端末の識別番号と、該端末の予め定めた暗証番号を蓄積した第三のテーブルを有する構成では、サーバが第一のテーブルの更新差分の提供に先立ち、移動端末に暗証番号を確認することによって、移動端末に対し正当に第一のテーブルの更新差分を提供することが出来る。
【0022】
サーバが、移動端末毎に予め定めた精度レベルを蓄積した第三のテーブルを有する構成では、移動端末の利用者毎の契約に応じた位置精度を有する第一のテーブルの更新差分を提供することが出来る。
【0023】
基地局の情報を地理的領域と関連づけて複数にグループ化し、移動端末利用者とサーバ運営者との間の契約により定めた上記グループと該端末との関連を蓄積した第三のテーブルを有する構成では、上記端末からの更新要求に応じて上記契約に定めたグループに含まれる基地局の情報を上記端末に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動端末の実施の一例を示す図である。
【図2】本発明による移動端末に蓄積する第一のテーブルの構成例を示す図である。
【図3】本発明による第一のテーブルを用いた移動端末における測位計算のフローの一例を示す図である。
【図4】本発明によるステップ303の詳細な例を示す図である。
【図5】本発明による第一のテーブルを更新するためのシステムの実施例を示す図である。
【図6】本発明によるサーバの実施例を示す図である。
【図7】本発明によるサーバに蓄積する第二のテーブルの構成例を示す図である。
【図8】本発明による移動端末の第一のテーブルの更新シーケンスの一例を示す図である。
【図9】本発明によるステップ801の第一の詳細な例を示す図である。
【図10】本発明によるステップ801の第二の詳細な例を示す図である。
【図11】本発明によるステップ1004の第一の詳細な例を示す図である。
【図12】本発明によるステップ1004の第二の詳細な例を示す図である。
【図13】本発明による移動端末の第一のテーブルの更新シーケンスの第二の例を示す図である。
【図14】本発明によるサーバに蓄積する第三のテーブルの第一の構成例を示す図である。
【図15】本発明による図14の第三のテーブルを用いた第一のテーブルの更新シーケンスの例を示す図である。
【図16】本発明によるサーバに蓄積する第三のテーブルの第二の構成例を示す図である。
【図17】本発明によるサーバに蓄積する第三のテーブルの第三の構成例を示す図である。
【図18】本発明によるステップ805の詳細な例を示す図である。
【図19】本発明によるステップ1802の詳細な例を示す図である。
【図20】本発明によるステップ1803の詳細な例を示す図である。
【図21】本発明によるステップ1804の詳細な例を示す図である。
【図22】本発明による移動端末に蓄積する第一のテーブルの第二の構成例を示す図である。
【図23】本発明による図22の第一のテーブルを更新するための第二のテーブルの構成例を示す図である。
【図24】本発明による図22の第一のテーブルの更新シーケンスの実施例を示す図である。
【図25】本発明によるステップ2401の詳細な例を示す図である。
【図26】本発明による図22の第一のテーブルの更新シーケンスの第二の実施例を示す図である。
【図27】図22の第一のテーブルを実施する際の第三のテーブルの第一の構成例を示す図である。
【図28】図27の第三のテーブルを用いた第一のテーブルの更新シーケンスの実施例である。
【図29】本発明による移動端末の実施の別な例を示す図である。
【図30】本発明による図29の移動端末の第一のテーブルの更新に付随するフローの一例である。
【図31】本発明による移動端末の実施のさらに別な例を示す図である。
【図32】本発明による移動端末の機能を実現する半導体部品の第一の例である。
【図33】本発明による移動端末の機能を実現する半導体部品の第二の例である。
【図34】本発明による移動端末の機能を実現する半導体部品の第三の例である。
【図35】従来のCDMA方式のセルラ電話システムを用いた測位システムを示す図である。
【符号の説明】
1:移動端末、101:アンテナ、102:RF部、103:DA変換部、104:AD変換部、105:拡散部、106,107:逆拡散部、108:変調部、109:復調部、110,113,114:メモリ、111:CPU、112:相関演算部、115:キーボード、116:ディスプレイ、117:タイマ、21,22,23:基地局、3:サーバ、31:メモリ、32:通信部、33:CPU、91:移動端末、921、922、923、924:基地局。

Claims (10)

  1. 複数の基地局と、該複数の基地局から送信される特定信号を受信し、該特定信号の伝播遅延時間に基づいて測位を行う移動端末およびサーバ装置とを有する測位システムにおける移動端末であって、
    上記サーバ装置と通信するための信号送受信部と、
    上記受信した複数の特定信号のそれぞれについて遅延プロファイルを作成する相関演算部と、
    上記複数の基地局についての識別情報と位置と上記特定信号の発信タイミング情報とを含む基地局情報を記載したテーブルを保持するメモリと、
    上記テーブルの管理を行うCPUとを有し、
    上記CPUは、上記テーブルの更新の要否を判断し、
    上記テーブルの更新が必要であると判断された場合に、上記信号送受信部は上記サーバ装置に向けて上記テーブルに記載された基地局情報よりも新しい基地局情報を保持する該更新に必要な情報の転送要求を送信し、上記サーバ装置から転送される該更新に必要な情報を受信し、
    上記CPUは該更新に必要な情報を用いて上記テーブルの更新を行い、
    基地局から受信した信号から該基地局の識別番号を取得し、
    上記取得した識別番号をもとに上記テーブルを参照し、
    上記取得した識別番号の基地局から距離の近い順に、互いに異なる発信タイミングを有する他の複数の基地局の特定信号の発信タイミングおよび位置を取得し、
    上記受信した特定信号のそれぞれの発信基地局における発信タイミング情報および上記遅延プロファイルを用いて上記複数の基地局から受信した特定信号の伝播遅延時間差を求め、該伝播遅延時間と上記テーブルに保持される該発信基地局の位置とを用いて測位を行うことを特徴とする移動端末。
  2. 請求項1記載の移動端末であって、
    上記サーバ装置から通知される情報に基づいて上記テーブルの更新の要否を判断することを特徴とする移動端末。
  3. 請求項1記載の移動端末であって、
    上記テーブルに、上記保持されている基地局情報のバージョンを示す情報を記載し、
    上記CPUは、上記サーバ装置より通知される上記サーバ装置が保持する最新の基地局情報のバージョンを示す情報と上記テーブルに記載されるバージョンを示す情報との比較により上記テーブルの更新要否を判断することを特徴とする移動端末。
  4. 請求項3記載の移動端末であって、
    上記CPUは、上記テーブルの更新が必要であると判断された場合に、上記サーバ装置に上記テーブルに保持されている基地局情報のバージョンを示す情報を送信することで該更新に必要な情報の転送を要求することを特徴とする移動端末。
  5. 請求項1記載の移動端末であって、
    上記CPUは、
    該移動端末の周辺の基地局状況と上記テーブルに記載される基地局情報と照合して上記テーブルの更新要否を判断し、
    上記テーブルの更新が必要と判断された場合は上記サーバ装置に該更新に必要な情報の転送を要求し、
    上記サーバ装置から転送されてくる更新に必要な情報を用いて上記テーブルの更新を行うことを特徴とする移動端末。
  6. 請求項5記載の移動端末であって、
    上記移動端末の周辺の基地局状況は、基地局から送信される、該基地局の近隣基地局情報を含むネイバーリストを利用することを特徴とする移動端末。
  7. 請求項1記載の移動端末であって、
    上記基地局情報に、それぞれの基地局についてセクタごとの送信アンテナ位置情報を含むセクタ情報を含むことを特徴とする移動端末。
  8. 請求項1記載の移動端末であって、上記基地局情報が複数のグループに分けられており、各グループごとに基地局情報を更新することが可能であることを特徴とする移動端末。
  9. 請求項1記載の移動端末であって、上記テーブルの更新の指示又は更新情報の表示に用いられるユーザインタフェースを有することを特徴とする移動端末。
  10. 請求項1記載の移動端末であって、タイマを有し、該タイマに基づいて上記CPUの機能を制御することを特徴とする移動端末。
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